平成十九年東京都議会会議録第八号

平成十九年六月十二日(火曜日)
 出席議員 百二十七名
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番米沢 正和君
四番鈴木 章浩君
五番菅  東一君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番西崎 光子君
十一番山口  拓君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番きたしろ勝彦君
二十一番田中たけし君
二十二番鈴木 隆道君
二十三番神林  茂君
二十四番早坂 義弘君
二十五番崎山 知尚君
二十六番宇田川聡史君
二十七番原田 恭子君
二十八番佐藤 広典君
二十九番尾崎 大介君
三十番伊藤まさき君
三十一番松下 玲子君
三十二番野上ゆきえ君
三十三番西岡真一郎君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番石森たかゆき君
四十一番高橋 信博君
四十二番鈴木あきまさ君
四十三番秋田 一郎君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番串田 克巳君
四十七番吉原  修君
四十八番山田 忠昭君
四十九番山口 文江君
五十番今村 るか君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番長橋 桂一君
六十番野上 純子君
六十一番東村 邦浩君
六十二番小磯 善彦君
六十三番臼井  孝君
六十四番林田  武君
六十五番野島 善司君
六十六番高木 けい君
六十七番山加 朱美君
六十八番服部ゆくお君
六十九番田代ひろし君
七十番三宅 茂樹君
七十一番川井しげお君
七十二番鈴木 一光君
七十三番大西由紀子君
七十四番いのつめまさみ君
七十五番門脇ふみよし君
七十六番小沢 昌也君
七十七番石毛しげる君
七十八番岡崎 幸夫君
七十九番柿沢 未途君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番東野 秀平君
八十四番藤井  一君
八十五番ともとし春久君
八十六番木内 良明君
八十七番吉野 利明君
八十八番倉林 辰雄君
八十九番村上 英子君
九十番こいそ 明君
九十一番三原まさつぐ君
九十二番田島 和明君
九十三番樺山たかし君
九十四番新藤 義彦君
九十五番古賀 俊昭君
九十六番立石 晴康君
九十七番初鹿 明博君
九十八番酒井 大史君
九十九番花輪ともふみ君
百 番大沢  昇君
百一番大津 浩子君
百二番大塚たかあき君
百三番相川  博君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番石川 芳昭君
百八番中嶋 義雄君
百九番石井 義修君
百十番桜井  武君
百十一番遠藤  衛君
百十二番高島なおき君
百十三番宮崎  章君
百十四番野村 有信君
百十五番比留間敏夫君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番中村 明彦君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番馬場 裕子君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君
百二十七番渡辺 康信君

 欠席議員 なし

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
教育長中村 正彦君
知事本局長大原 正行君
総務局長押元  洋君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監伊藤 哲朗君
生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長吉川 和夫君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長佐藤  広君
建設局長道家 孝行君
港湾局長津島 隆一君
会計管理局長三枝 修一君
交通局長島田 健一君
消防総監小林 輝幸君
水道局長東岡 創示君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長舟本  馨君
東京オリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長秋山 俊行君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長矢口 幸一君
労働委員会事務局長有留 武司君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長中田 清己君

六月十二日議事日程第一号
第一 第百三十一号議案
  政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百三十二号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百三十三号議案
  住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例
第四 第百三十四号議案
  東京都恩給条例の一部を改正する条例
第五 第百三十五号議案
  雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百三十六号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百三十七号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第八 第百三十八号議案
  東京都納税貯蓄組合補助金交付条例の一部を改正する条例
第九 第百三十九号議案
  東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第十 第百四十号議案
  東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百四十一号議案
  東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第十二 第百四十二号議案
  東京都営住宅条例等の一部を改正する条例
第十三 第百四十三号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十四 第百四十四号議案
  東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百四十五号議案
  多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
第十六 第百四十六号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十七 第百四十七号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第十八 第百四十八号議案
  東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第十九 第百四十九号議案
  東京都日暮里・舎人ライナー条例
第二十 第百五十号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第百五十一号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第二十二 第百五十二号議案
  中央環状品川線シールドトンネル工事請負契約
第二十三 第百五十三号議案
  平成十九年度若洲橋鋼けた製作・架設工事請負契約
第二十四 第百五十四号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第二十五 第百五十五号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第二十六 諮問第二号
  地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第二十七
  地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第十四号
  地方税財政制度の確立に関する意見書
第二 議員提出議案第十五号
  国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書

   午後一時一分開会・開議

○議長(川島忠一君) ただいまから平成十九年第二回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(川島忠一君) まず、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
  三番 米沢 正和君 及び
六十八番 服部ゆくお君
を指名いたします。

○議長(川島忠一君) 次に、議会局の局部長に異動がありましたので、紹介いたします。
 議会局長高橋道晴君、議事部長大村雅一君。
   〔局部長あいさつ〕

○議長(川島忠一君) 以上で紹介を終わります。

○議長(川島忠一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(大村雅一君) 平成十九年六月五日付東京都告示第八百四十号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案二十六件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について、依頼がありました。
 次に、平成十九年第一回臨時会の会議において同意を得た副知事の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、知事及び二行政委員会より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、知事より、平成十八年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、平成十八年度東京都一般会計予算外一件の事故繰越について及び平成十八年度東京都中央卸売市場会計予算外七件の繰り越しについて、それぞれ報告がありました。
 また、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例の報告について並びに訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
(別冊参照)

○議長(川島忠一君) 次に、先般、副知事に就任されました方々をご紹介いたします。
 副知事谷川健次君。
   〔副知事谷川健次君登壇〕

○副知事(谷川健次君) 平成十九年第一回臨時会におきまして選任の同意をいただき、五月十一日付で副知事を拝命いたしました谷川でございます。
 オリンピック招致や「十年後の東京」の実現など、都政にとって大変重要なこの時期、副知事の職を務めることに責任の大きさを痛感しております。
 もとより微力ではございますが、都議会の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただきながら、職員と一丸となって任務に邁進していく覚悟でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(川島忠一君) 副知事菅原秀夫君。
   〔副知事菅原秀夫君登壇〕

○副知事(菅原秀夫君) 先般の都議会第一回臨時会におきまして選任のご同意をいただきました副知事の菅原秀夫でございます。
 石原知事のもとで、税財政をめぐる国との戦い、そしてまた「十年後の東京」の実現に向けまして、全力を尽くして職責を遂行する決意をしております。ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○議長(川島忠一君) 副知事山口一久君。
   〔副知事山口一久君登壇〕

○副知事(山口一久君) 去る五月十日、平成十九年第一回臨時会におきまして選任の同意をいただき、副知事を拝命いたしました山口一久でございます。
 「十年後の東京」の政策実現に向けまして、知事のもと、都庁の総力を結集しながら、諸課題の解決に全力を尽くして取り組んでまいる所存でございます。都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

○議長(川島忠一君) 以上をもって副知事の紹介は終わりました。

○議長(川島忠一君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 知事本局長大原正行君、総務局長押元洋君、財務局長村山寛司君、主税局長熊野順祥君、都市整備局長只腰憲久君、環境局長吉川和夫君、福祉保健局長安藤立美君、産業労働局長佐藤広君、建設局長道家孝行君、交通局長島田健一君、消防総監小林輝幸君、水道局長東岡創示君、東京オリンピック招致本部長荒川満君、病院経営本部長秋山俊行君、人事委員会事務局長矢口幸一君、労働委員会事務局長有留武司君。
   〔理事者あいさつ〕

○議長(川島忠一君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(川島忠一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十四号、地方税財政制度の確立に関する意見書外意見書一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(川島忠一君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から六月二十七日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○議長(川島忠一君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 平成十九年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 今、我が国には、ある種不可解な空気が漂い始めているように思えてなりません。
 温暖化の進行が地球の未来を大きく狂わせ始め、国際情勢は、大国の求心力に陰りが見える中、多極化の域を超えて、世界は混迷の度合いを増幅させております。
 しかし、国内では、国家の根本原則をみずからの手で書きかえるための準備が進められているにもかかわらず、目先の好景気に感覚が麻痺してか、都民、国民の危機意識はかえって希釈されてしまっております。この国の形をどうするかを論ずべきときに、視野狭窄に陥り、内向きの空気が蔓延しております。
 象徴的なのは、個人レベルでの所得格差の問題が、いつの間にか地方と大都市、とりわけ東京との格差の問題にすりかえられ、地方が疲弊している原因が、あたかも東京にあるといわんばかりの妄言が流布していることであります。
 もちろん、税収規模の差は全国の自治体間に存在しております。しかし、そもそもこの問題は、国が地方交付税の蛇口を一方的に閉めておきながら、抜本的な税源移譲を全く行おうとしないことに起因しているにすぎません。にもかかわらず、張本人の国は、本来論ずべき国と地方の役割分担の見直しには一切手をつけることなく、地方対東京という対立軸を捏造して、みずからの無為無策を糊塗しようとしているのであります。
 困窮する地方を救おうという美名のもとに、右から左に税を動かせば事足れりとする安直な手法がまかり通れば、この国の行く末を見誤ることになりかねません。税制の根幹をなす受益と負担の原則を曲げてまで、国がなりふり構わずに振る舞うようであれば、都は、志を同じくする自治体や都議会の皆様と連携し、断固反対の姿勢を貫き、しかるべき対抗手段を講じていく覚悟であります。
 申すまでもなく、東京ほど集中、集積が高度に進んだ首都は、世界を見渡してもほかにありません。日本の頭脳部、心臓部である東京が十全に機能を発揮するには、税という名の血液が不可欠であり、それが滞れば、国そのものが立ち行かなくなるのは自明の理であります。
 都は、これまでの八年間、血のにじむような努力を積み重ね、財政の立て直しをなし遂げてまいりました。この間の歳費節減や職員定数の削減など徹底した量的な行革に加え、昨年四月からは、複式簿記・発生主義に基づく全く新しい公会計制度を導入し、行政のあり方そのものを根底から変革する試みを進めるなど、質的な行革にも先駆的に取り組んでおります。
 この秋には、平成十八年度決算に基づき、我が国初の本格的な財務諸表を作成、公表いたします。資産や負債など都の財政状況を白日のもとにさらすことで、職員の金利感覚、コスト意識を研ぎ澄ますとともに、民間にも負けない高効率な行政運営を実現していきたいと考えております。
 繰り返して申し上げますが、都が進めてきた改革の努力も、他県からの昼間流入人口三百万を抱える大都市特有の膨大な財政需要も無視した議論は全くナンセンスであり、都民の貴重な税について、国から云々されるいわれはどこにもありません。むしろ、金の卵を産む鶏をみすみす殺してしまっては、子々孫々に至るまで禍根を残すことになりかねないのであります。国は、このことを肝に銘ずべきであります。
 今後とも、東京が転べば日本が倒れるという強い危機意識と使命感を持って、新しい首都東京の創造を進め、日本の未来の礎を築いていきたいと思っております。
 そうしたことからも、今、都が取り組むべきは、「十年後の東京」に掲げた近未来図の着実な実現であります。同時に、次世代への大きな贈り物として、東京オリンピックの実現に全力で取り組んでまいります。
 先月、まず、星野仙一さん、有森裕子さん、山下泰裕さんの三名を招致大使として任命いたしました。今後、招致委員会と連携し、全国各地でオリンピックフォーラムを開催するとともに、閣議了解が一日も早く得られるよう国への働きかけを強めるなど、二年後のIOC総会に向けた動きを加速させてまいります。
 先月、世界の主要五十都市で構成する世界大都市気候変動サミットに参加し、大気汚染や水の循環に関する東京の先駆的な取り組みを世界に披瀝してまいりました。
 中でも、漏水率三%台を誇る東京の水道技術に対しては、世界各都市から驚嘆の声とともに大きな賞賛が寄せられました。水の枯渇は、温暖化とも密接に関連する重大な問題であります。既に都では、下水を高度処理した再生水を都市活動のさまざまな場面で積極的に活用しており、今後、こうした水循環の高度な技術で世界に貢献していきたいと思っております。
 会議に出席して痛感したのは、世界のどの都市も、動きの鈍い自国の政府に手を焼いているという事実であります。首都圏のディーゼル車排出ガス規制の成果を日本国政府が一向にしんしゃくしないのと同様、温暖化問題に率先して取り組むニューヨークとは裏腹に、米国政府は京都議定書の批准を拒み続け、世界全体の環境悪化の責任から逃げ回っております。
 こうしたねじれ現象を克服し、大都市が国境を越えて連携、協力することで、地球の未来を切り開いていく必要があります。この地球がこの先どれだけ存続できるかという危機感を世界の諸都市と共有し、行動をともにすることが何よりも重要であります。
 都はこのたび、実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、東京都気候変動対策方針を策定いたしました。CO2の大幅な削減を可能とする都市モデルをこの東京で実現するため、大規模なCO2排出事業者に対する削減の義務化、すなわち大幅な省エネ、節電や排出量取引制度の導入など、都独自の対策の実施を目指して取り組んでまいります。
 さらに、新たに創設する環境CBOを活用して、中小企業の省エネ対策等を金融面で支援するとともに、企業や家庭などでの省エネを促進するための新しい税制度の確立に向け、東京都税制調査会において検討を開始いたします。
 また、東京を水と緑の回廊で結ばれた世界最先端の環境都市につくり上げていくため、民間による都市空間の緑化をさらに促進するとともに、臨海部に造成する海の森づくりのために募金を先行して開始し、東京全体の緑のムーブメントにつなげてまいります。
 都民の皆様にも、たとえあした地球が滅びようとも、君はきょうリンゴの木を植えるという志をぜひ持ち続けていただきたいと思います。
 二十一世紀をリードする大都市の条件は、環境問題への積極的な取り組みにとどまるものではありません。効率性と快適性、そして高い安全性を兼ね備えている必要があります。
 首都圏を結ぶ三環状道路の整備は、オリンピック招致の成否にかかわらず、一刻も早い完成が求められております。
 来週、圏央道のあきる野インターチェンジと八王子ジャンクションの区間が開通いたします。これをもって関越道と中央道が直結し、渋滞の解消はもちろんのこと、多摩地域の新しい可能性も見えてまいりました。また、中央環状線については、ことし十二月、池袋から新宿までの区間が開通いたします。
 さらに、三十年以上にわたる凍結を解除した外環道では、この春、大深度地下方式の都市計画を決定いたしました。一刻も早い事業着手に向け、国に対して、早急に整備計画路線として位置づけるよう、強く働きかけてまいります。
 今年度末、日暮里・舎人ライナーがいよいよ開業いたします。これにより、区部北東部の交通利便性の向上や地域の活性化が大いに図られるものと期待しております。
 今後、交通ネットワークの整備のテンポをさらに加速させ、首都圏における人と物の流れを円滑にし、世界に類を見ない、快適で効率的な都市としていきたいと思っております。
 三年後の供用開始を目指す羽田空港の再拡張について、四本目となるD滑走路の工事が本格的に開始されました。滑走路完成の暁には、年間の離発着回数が現行の一・四倍に増大するなど、大都市の空の利便性は格段に向上いたします。
 ただし、羽田の機能は近距離に限定されるべきものでは決してありません。東南アジア諸国にまで足を伸ばすのは当然であり、日本の新しい発展のため、羽田の潜在力を最大限に生かすべきであります。
 また、長年の懸案であった横田基地の軍民共用化は、実現の一歩手前までようやくこぎつけました。昨年十月に始まった日米協議は、ことしの秋までと明確に期限が切られておりますが、私から安倍首相にも重ねて要請したとおり、先般の日米首脳会談では、首相からブッシュ大統領に念を押すことができました。目前に迫った共用化に向け、国や米側に対し、さらに強く働きかけてまいります。
 先月、首都直下地震などへの万全の備えを講じるため、地域防災計画を全面的に改定いたしました。人命の被害を半減する等の減災目標を達成するための建物の耐震化、不燃化や初動態勢の強化などを進め、総合的な防災力を一層向上させてまいります。
 とりわけ、建築物の耐震化は喫緊の課題であります。発災時に人員、物資の輸送を迅速に行うには、緊急輸送道路の沿道建築物を地震に負けない構造にしていく必要があります。今月中にも横断型の戦略会議を設置し、住宅の耐震化九割の実現などとともに、沿道建築物の一〇〇%耐震化を目指し、有効な手だてを講じていきたいと思います。
 大規模地震から都民の生命、財産を守るため、在日米軍が協力することは当然であります。去る四月、米軍基地の災害時及び防災訓練での利用に関して、日米合同委員会で包括的な枠組みが合意されました。今後とも、自衛隊や在日米軍の参加、協力を得て実践的な訓練を積み重ね、発災時に米軍基地の積極的な活用を図ってまいります。
 この春以降、はしかが六年ぶりに大流行し、高校や大学などの休校が相次ぎました。都では、関係三局が連携して、感染リスクの高いすべての高校生が予防接種を受けられるようにするとともに、区市町村立、私立を問わず、小中学校での集団感染の防止に取り組むなど、緊急対策を速やかに講じてまいりました。今後とも、自然災害の脅威だけでなく、感染症からも都民をしっかりと守ってまいります。
 暴力団による白昼の発砲事件が続発し、市民生活の安心・安全が著しく脅かされております。警察力の強化を基本とする犯罪対策の拡充により、東京の治安回復は確実に進んでおりますが、身近な場所で起こる犯罪や事件に対する都民の不安感はいまだ払拭されておりません。
 都営住宅における都民の安心・安全を守るため、暴力団員の入居を排除する規定を盛り込んだ条例の改正案を本定例会に提出しております。警察の協力を得ながら、暴力団員を徹底して締め出すとともに、銃の不法所持をこれまで以上に厳重に取り締まってまいります。
 また、犯罪阻止には、警察や行政の力だけではなく、地域住民や事業者などが主体となった地域の防犯力が欠かせません。今年度、都内五地域でモデル事業を実施し、学校へのスクールサポーターの派遣や、防犯活動アドバイザーによる町会等の自主活動に対する支援などに加え、共同住宅への防犯カメラの設置を促進するなど、地域と行政、警察が一体となってまちの安全を守ってまいります。
 世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の到来を目前に控え、高齢者であるか否か、障害の有無にもかかわらず、だれもが安心して暮らせる社会の実現が強く求められております。
 人生八十年時代を迎えた今日、六十五以上を機械的に高齢者と定義することは、実情にそぐわなくなっているようにも感じます。支えられる存在から社会を活性化する存在へと高齢者像を百八十度転換し、あらゆる機会を活用して高齢者の社会参加を進めてまいります。
 同時に、高齢者に医療、介護サービスを提供するモデルの発信拠点として、健康長寿医療センターを平成二十四年度に新設いたします。研究と医療、介護を融合させ、認知症を初め、高齢者のがん医療、動脈硬化や心筋梗塞に対する新しい治療に重点的に取り組むなど、高齢者医療の先導的な役割を果たしてまいります。
 先月、障害者の地域生活を総合的に支援するため、新たに数値目標を盛り込んだ障害福祉計画を策定いたしました。施設から地域生活への移行をさらに促進するとともに、グループホームや日中活動の場など、地域生活を支える基盤の整備を促進いたします。あわせて、一般就労への移行者を今後五年間で二倍以上にふやすなど、「十年後の東京」で示した障害者雇用三万人増加の達成に向けて積極的に取り組んでまいります。
 子どもを産み育てたいと望む人が安心して子育てができ、子どもたちが健やかに育つ環境を整えることは、社会全体で取り組むべき課題であります。あす、庁内の組織の壁を超えて子育て応援戦略会議を立ち上げ、今後、企業、NPO、都民などを巻き込みながら、子育て支援の取り組みを全都的に展開してまいります。
 中でも、保育サービスの充実は喫緊の課題であり、待機児童五千人の解消を目指して、大都市に見合ったサービスの拡充を進めてまいります。
 子どもをめぐっては、深刻な問題が重層的に生じております。朝食を親と一緒にとらない子どもが小中学生の四割に上るなど、食生活の混乱は、我々の時代には到底考えられなかった状況にあります。食事の大切さを就学前から小学生までの子どもたちやその保護者に理解してもらうため、夏休みを中心にさまざまな機会をとらえてキャンペーンを展開してまいります。
 来年夏、宇宙航空研究開発機構が打ち上げを予定しているH2Aロケットに、都立の高等専門学校の学生たちが製作した小型衛星が搭載されることになりました。
 人材の育成、とりわけ我が国の産業を支えるものづくり人材の育成が大きな課題となっており、彼らのような若い才能をさらに伸ばしていくため、同校を来春から公立大学法人首都大学東京に移管し、九年間連続したものづくり人材の教育システムを確立してまいります。
 また、今年度、産業技術大学院大学において、中小企業の人材育成、中でも技術と経営の両方に精通した幹部、後継者等を育成する講座を開講し、即戦力となる人材を育ててまいります。
 次に、多摩・島しょ地域についてであります。
 今月末、JR中央線三鷹─国分寺間の下り線で高架への切りかえが実施され、踏切の遮断時間が短縮されます。中央線の連続立体交差化に限らず、今後、多摩地域では、圏央道の全線開通や横田基地の軍民共用化など、新たな都市インフラが相次いで整備されます。
 こうした都市機能の飛躍的な向上を契機に、多摩シリコンバレーの広域的な形成に取り組んでまいります。多摩の産業支援拠点を平成二十一年度を目途に整備するとともに、エレクトロニクスなどの分野での新事業の創出を促進するため、異業種間の交流機能を強化し、世界に向けた事業展開を積極的に支援してまいります。
 八月に、しごとセンター多摩を開設いたします。この地域には、人生経験豊富な団塊の世代を初め、才能豊かな都民が数多く居住しております。飯田橋のセンターでは、開設以来三年間で、五万人以上の登録者の四割が就職するなど大きな成果を上げており、そこで積み上げたノウハウを生かして多摩地域の人的な潜在力を十分に引き出し、同地域の発展に結びつけていきたいと思っております。
 平成二十五年の開催を目指して、東京国体の準備が着々と進められております。既に会場候補地もほぼ出そろい、来月、大会運営のための準備委員会を設置いたします。今年度じゅうに開催基本構想を策定するなど、今後、開催に向けた動きを本格化させてまいります。
 平成二十三年、体操の世界選手権が東京で開催されることが決定しましたが、その二年後の東京国体、さらには東京オリンピックをにらみ、将来の有力選手の発掘やジュニア選手の育成が急務となっております。来月、東京都競技力向上推進本部を関係団体や区市町村等と連携して設置いたします。選手の育成にとどまらず、指導者の確保やスポーツ医科学のサポートの充実など、世界で戦うための総合的な体制を整備してまいります。
 オートバイを活用した三宅島の復興支援についてでありますが、国内のオートバイ主要メーカーの協力を得られる形で実現したいと考えております。村の実行組織と協力し、この秋、オートバイによる多彩なイベントを繰り広げ、島の再生の起爆剤としてまいります。
 東京が直面する課題を解決するには、首都圏という大きな枠組みで複合的に政策を展開していく必要があります。
 ディーゼル車排出ガス規制の成功はその先駆けであり、幹線道路ネットワークの整備や温暖化、花粉症対策はもちろん、治安の維持、回復や青少年の健全育成、そして大規模地震への備えなど、どの課題の解決にも、一自治体の範疇を超えた広域的な取り組みが不可欠であります。
 都はこれまでも、隣接する三県の知事とスクラムを組み、首都圏が合同で事に当たってまいりました。道州制の議論が盛んになっているとはいえ、地図の上に境界線を引くことだけに固執する空論よりも、一都三県による実体のある取り組みこそが三千万首都圏民の実利実益にかなうものであると思います。今後とも、動かぬ国にかわって、首都圏連合の力を存分に発揮していきたいと思っております。
 また、東京二十三区をめぐっては、都心を直轄地とするというような案が国などでも取りざたされておりますが、本来、東京の自治のあり方は、都と区が主体的に考えるべき課題であります。第一、江戸時代の天領ではないのでありまして、都心に住む住民の方々から自治の権利を奪うなどということは絶対にあってはなりません。
 今月から、都区のあり方検討委員会において具体的な議論を開始いたします。六十年間変わっていない特別区の区域の再編を初め、都と区で知恵を出し合い、あるべき姿を創出してまいります。
 以上、申し述べた事柄を着実かつ迅速に実施するため、ことしじゅうに「十年後の東京」を具体化するための実行プログラムを策定いたします。都議会の皆様との連携をさらに深め、横断型戦略会議もフルに活用しながら、十年先の東京を見据え、全力で取り組んでまいります。
 最後に、都政の直近の動きについて二点申し上げます。
 まず、新銀行東京についてであります。金融環境が大きく変化する中、厳しい経営状況にある新銀行東京では、先日、平成二十一年度の単年度黒字化を目指す新たな経営計画を策定するとともに、人事の刷新を含めた経営体制の見直しを打ち出しました。
 都としても、経営体質の強化のため、今月、職員の派遣を行いました。今後とも、新銀行東京を支援してまいります。
 次に、東京大気汚染訴訟についてであります。昨秋、東京高等裁判所に出向き、解決に向けた都の考え方を裁判官に直接伝え、さらに、先日の安倍首相との会談では政治決断を強く促しました。こうした強い働きかけにより、国から財政負担を引き出し、メーカーをも巻き込んだ新たな医療費助成の実現に向けて最大の壁を超えることができたと思います。
 引き続き、正当な文明批判という大きな視点に立ち、ディーゼル車排出ガス規制や三環状道路の整備などともあわせて、都民の健康を守るための重層的な取り組みを進め、二十世紀の負の遺産を解消していきたいと思っております。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案二十二件、契約案二件など、合わせて二十七件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(川島忠一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(山加朱美君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議されることを望みます。

○議長(川島忠一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議することに決定いたしました。

○議長(川島忠一君) 追加日程第一、議員提出議案第十四号、地方税財政制度の確立に関する意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十四号
   地方税財政制度の確立に関する意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。
  平成十九年六月十二日

(提出者)
河野百合恵 小竹ひろ子 たぞえ民夫
村松みえ子 かち佳代子 植木こうじ
清水ひで子 古館 和憲 松村 友昭
曽根はじめ 大山とも子 吉田 信夫
渡辺 康信
東京都議会議長 川島 忠一殿

   地方税財政制度の確立に関する意見書
 国の「経済財政諮問会議」は、地方自治体間の税収格差が拡大しているとして、その是正に取り組むことを打ち出した。政府は、これを受けて近く策定予定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇七」に改革案を盛り込むとしている。
 今日の地方財政のひっ迫の原因は、住民のための仕事を地方が六割も受け持っているのに対し、そのための財源が四割しか保障されていないことにある。また、「小泉改革」の名の下に進められた「三位一体改革」によって、税源移譲と補助負担金削減の差引きで一兆円の減収となり、地方交付税も五兆円も削減されたことが、財政難に拍車をかけるものとなった。
 このため多くの自治体では、国の増税・負担増路線及び貧困と格差の拡大から住民の暮らしと福祉を守ることが切実に求められているにもかかわらず、住民サービスの抑制を迫られることとなり、加えて、行政サービスの自治体間格差を拡大させるものとなっている。
 こうした下で、本来国が行うべきことは、憲法が保障する国民の生存権、基本的人権にかかわるナショナル・ミニマムを財政的に保障することであり、国と地方の財政と仕事の逆転を解消し、地方自治体が自主的・自立的に行財政運営を行うための権限の移譲とそれを裏付ける税財源の保障を一体的に進めることである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財政制度の確立のため、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 福祉・教育などの国庫補助負担金制度の基本及び地方交付税の財源保障機能を堅持するとともに、「三位一体改革」で地方負担増となった国庫補助負担金及び地方交付税の削減分を元に戻すこと。
二 地方交付税の拡充と税財源の抜本的移譲を進め、国と地方自治体間の仕事と財源の逆転の解消に努めること。
三 地方税収の確保を理由とした税源の消費税への転換、消費税の増税は行わないこと。
四 国の減税に対応する地方特例交付金は継続し、減収に見合う財源補てんを行うこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十九年六月十二日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣
経済財政政策担当大臣 あて

○議長(川島忠一君) 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立少数と認めます。よって、本案は否決されました。

○議長(川島忠一君) 追加日程第二、議員提出議案第十五号、国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第十五号
   国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。
  平成十九年六月十二日

(提出者)
遠藤  守  伊藤 興一  米沢 正和
鈴木 章浩  菅  東一  山口  拓
伊藤 ゆう  原田  大  松葉多美子
大松  成  中山 信行  高倉 良生
きたしろ勝彦 田中たけし  鈴木 隆道
神林  茂  早坂 義弘  崎山 知尚
宇田川聡史  佐藤 広典  尾崎 大介
伊藤まさき  松下 玲子  野上ゆきえ
西岡真一郎  橘  正剛  上野 和彦
吉倉 正美  谷村 孝彦  石森たかゆき
高橋 信博  鈴木あきまさ 秋田 一郎
矢島 千秋  高橋かずみ  串田 克巳
吉原  修  山田 忠昭  今村 るか
吉田康一郎  斉藤あつし  泉谷つよし
くまき美奈子 大西さとる  増子 博樹
長橋 桂一  野上 純子  東村 邦浩
小磯 善彦  臼井  孝  林田  武
野島 善司  高木 けい  山加 朱美
服部ゆくお  田代ひろし  三宅 茂樹
川井しげお  鈴木 一光  いのつめまさみ
門脇ふみよし 小沢 昌也  石毛しげる
岡崎 幸夫  柿沢 未途  東野 秀平
藤井  一  ともとし春久 木内 良明
吉野 利明  倉林 辰雄  村上 英子
こいそ 明  三原まさつぐ 田島 和明
樺山たかし  新藤 義彦  古賀 俊昭
立石 晴康  初鹿 明博  酒井 大史
花輪ともふみ 大沢  昇  大津 浩子
大塚たかあき 相川  博  鈴木貫太郎
石川 芳昭  中嶋 義雄  石井 義修
桜井  武  遠藤  衛  高島なおき
宮崎  章  野村 有信  比留間敏夫
佐藤 裕彦  川島 忠一  内田  茂
三田 敏哉  中村 明彦  山下 太郎
馬場 裕子  土屋たかゆき 田中  良
名取 憲彦
東京都議会議長 川島 忠一殿

   国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書
 現在、経済財政諮問会議を始め、政府においては、地域間の税源の偏在を殊更に強調し、その是正を図ることが議論されており、近く策定される「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇七」に盛り込まれようとしている。
 こうした議論は、地方分権改革のための国、地方を通じた税財政制度の見直しを後回しにし、「都市対地方」の税源の奪い合いに論点をすり替えるものである。
 なかでも、法人二税の税収の人口による配分などの見直し論や「ふるさと納税」などは、地方税の応益原則を無視したものであり、地方分権改革の流れに逆行するものである。
 このような見直しが実施されれば、東京を始めとする大都市の財源が不当に奪われることとなり、大都市特有の財政需要等にこたえられなくなるばかりか、我が国全体の活力にも悪影響が及ぶことが懸念され、国、地方全体にとって利益にならない。
 今一度、地方分権改革の原点に立ち返り、まずは国と地方との役割分担を明確化した上で、それに見合った税財源を確保するための根本的な議論を行うべきである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財源の偏在是正の名の下に、東京の税財源を不合理に奪うような見直しを行わないよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十九年六月十二日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣
経済財政政策担当大臣 あて

○議長(川島忠一君) 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立多数と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(山加朱美君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十三日から十八日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(川島忠一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十三日から十八日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月十九日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十七分散会

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