平成十九年東京都議会会議録第五号

平成十九年二月二十一日(水曜日)
 出席議員(百二十三名)
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番きたしろ勝彦君
四番田中たけし君
五番鈴木 隆道君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番原田 恭子君
十一番山口  拓君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番神林  茂君
二十一番早坂 義弘君
二十二番崎山 知尚君
二十三番宇田川聡史君
二十四番石森たかゆき君
二十五番高橋 信博君
二十六番鈴木あきまさ君
二十七番秋田 一郎君
二十八番山口 文江君
二十九番佐藤 広典君
三十番尾崎 大介君
三十一番伊藤まさき君
三十二番松下 玲子君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番矢島 千秋君
四十一番高橋かずみ君
四十二番串田 克巳君
四十三番吉原  修君
四十四番山田 忠昭君
四十五番臼井  孝君
四十六番林田  武君
四十七番野島 善司君
四十八番服部ゆくお君
四十九番大西由紀子君
五十番西岡真一郎君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番長橋 桂一君
六十番野上 純子君
六十一番東村 邦浩君
六十二番小磯 善彦君
六十三番東野 秀平君
六十四番田代ひろし君
六十五番三宅 茂樹君
六十六番高木 けい君
六十七番山加 朱美君
六十八番村上 英子君
六十九番坂本たけし君
七十番川井しげお君
七十一番鈴木 一光君
七十二番吉野 利明君
七十三番いのつめまさみ君
七十四番門脇ふみよし君
七十五番小沢 昌也君
七十六番石毛しげる君
七十七番岡崎 幸夫君
七十八番柿沢 未途君
七十九番初鹿 明博君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番木内 良明君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番倉林 辰雄君
八十八番樺山たかし君
九十番こいそ 明君
九十一番松原 忠義君
九十二番新藤 義彦君
九十三番古賀 俊昭君
九十四番立石 晴康君
九十五番桜井  武君
九十六番野村 有信君
九十七番酒井 大史君
九十八番花輪ともふみ君
九十九番大沢  昇君
百番大津 浩子君
百一番大塚たかあき君
百二番相川  博君
百三番中村 明彦君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番石川 芳昭君
百七番中嶋 義雄君
百八番石井 義修君
百十番比留間敏夫君
百十一番遠藤  衛君
百十二番高島なおき君
百十三番宮崎  章君
百十四番大西 英男君
百十五番山崎 孝明君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番馬場 裕子君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君
百二十七番渡辺 康信君

 欠席議員 二名
三十三番 野上ゆきえ君
八十九番 近藤やよい君
欠員
百九番 百二十番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事横山 洋吉君
副知事大塚 俊郎君
副知事関谷 保夫君
出納長幸田 昭一君
教育長中村 正彦君
知事本局長山口 一久君
総務局長大原 正行君
財務局長谷川 健次君
警視総監伊藤 哲朗君
主税局長菅原 秀夫君
生活文化局長渡辺日佐夫君
都市整備局長柿堺  至君
環境局長村山 寛司君
福祉保健局長山内 隆夫君
産業労働局長島田 健一君
建設局長依田 俊治君
港湾局長津島 隆一君
交通局長松澤 敏夫君
消防総監関口 和重君
水道局長御園 良彦君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長舟本  馨君
東京オリンピック招致本部長熊野 順祥君
病院経営本部長大塚 孝一君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長高橋 道晴君
労働委員会事務局長押元  洋君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長中田 清己君

二月二十一日議事日程第五号
(委員会審査報告)
第一 第百十八号議案
  平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百二十二号議案
  平成十八年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
第三 第百二十三号議案
  平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第二号)
第四 第百二十一号議案
  平成十八年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第五 第百二十号議案
  平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
第六 第百二十四号議案
  平成十八年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
第七 第三十四号議案
  平成十八年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第八 第百十九号議案
  平成十八年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第九 第百二十八号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例
第十 第百二十五号議案
  平成十八年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第十一 諮問第一号
  地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問について

議事日程第五号追加の一
第一 議員提出議案第一号
  老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時一分開議

○議長(川島忠一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川島忠一君) まず、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(川島忠一君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十一まで、第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案九件、諮問一件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

総務委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出─総務委員会所管分
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
総務委員長 大津 浩子
東京都議会議長 川島 忠一殿

財政委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十九年二月十九日
財政委員長 山田 忠昭
東京都議会議長 川島 忠一殿

都市整備委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出─都市整備委員会所管分
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
都市整備委員長 吉原 修
東京都議会議長 川島 忠一殿

厚生委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出─厚生委員会所管分
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
厚生委員長 長橋 桂一
東京都議会議長 川島 忠一殿

経済・港湾委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
経済・港湾委員会所管分
歳出
債務負担行為
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
経済・港湾委員長 石毛しげる
東京都議会議長 川島 忠一殿

環境・建設委員会議案審査報告書
第百十八号議案
平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
環境・建設委員会所管分
歳出
繰越明許費
債務負担行為
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
環境・建設委員長 小磯 善彦
東京都議会議長 川島 忠一殿

都市整備委員会議案審査報告書
第百二十二号議案
平成十八年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
都市整備委員長 吉原 修
東京都議会議長 川島 忠一殿

経済・港湾委員会議案審査報告書
第百二十三号議案
平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第二号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
経済・港湾委員長 石毛しげる
東京都議会議長 川島 忠一殿

財政委員会議案審査報告書
第百二十一号議案
平成十八年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
財政委員長 山田 忠昭
東京都議会議長 川島 忠一殿

都市整備委員会議案審査報告書
第百二十号議案
平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
都市整備委員長 吉原 修
東京都議会議長 川島 忠一殿

公営企業委員会議案審査報告書
第百二十四号議案
平成十八年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
第百二十五号議案
平成十八年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
公営企業委員長 秋田 一郎
東京都議会議長 川島 忠一殿

総務委員会議案審査報告書
第三十四号議案
平成十八年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
総務委員長 大津 浩子
東京都議会議長 川島 忠一殿

総務委員会議案審査報告書
第百十九号議案
平成十八年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
総務委員長 大津 浩子
東京都議会議長 川島 忠一殿

厚生委員会議案審査報告書
第百二十八号議案
東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例
本委員会は、二月十六日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
厚生委員長 長橋 桂一
東京都議会議長 川島 忠一殿

厚生委員会諮問審査報告書
諮問第一号
地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問について
本委員会は、二月十六日付託された右諮問を審査の結果、左記のとおり答申すべきものと決定したので報告します。
平成十九年二月十九日
厚生委員長 長橋 桂一
東京都議会議長 川島 忠一殿

一 本件は、これを却下すべきである。

○議長(川島忠一君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 十五番小竹ひろ子さん。
   〔十五番小竹ひろ子君登壇〕

○十五番(小竹ひろ子君) 日本共産党都議会議員団を代表して、第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算外三議案に反対する立場から討論を行います。
 今、多くの都民は、自民党政治のもとで、増税と社会保障の負担増、貧困と格差の拡大に苦しめられています。最終補正予算は、こうした都民の暮らしと福祉を応援する立場で編成することが強く求められているものです。
 ところが、知事が提案した一般会計補正予算は、都税収入が四千四百億円も増収となり、予算規模で鳥取県や高知県の年間予算を上回る四千六百四十九億円も確保されながら、福祉や教育、中小企業対策などの都民施策には振り向けられようとはしていません。
 事業費としては、環状二号線の用地買収や豊洲の防潮護岸整備費などに二百五十億円も計上され、相変わらず大型開発を優先するものとなっています。しかも、投資的経費の中には、予算は計上したものの今年度内に執行できる見通しがなく、最初から繰越明許とされているものなど、来年度予算で対応すればよいものも含まれています。当初予算の投資的経費を少なく見せ、補正予算で上乗せするという不正常なやり方は改めるべきです。
 また、今回の補正予算では、障害者自立支援法の対応として百十四億円が組まれていますが、これは全額国の財源で、国の緊急対策に対応するだけのものです。都独自の財政支出も対応も盛り込まれていません。
 国の緊急対策は、自立支援法による障害者の余りにも重い負担増や施設の減収への怒りが広がり、異例の対応に踏み切らざるを得なかったものです。しかし、最大の問題である応益負担はそのままとされており、これでは不十分です。
 都は、ホームヘルプサービスについては三%負担に軽減する措置を実施していますが、さらに拡充することが必要です。都内の区市町村でも、荒川区を初め、都制度を上回る独自軽減に次々に踏み出しています。横浜市では、すべての在宅サービスを対象に、住民税非課税世帯は自己負担なしの無料制度として継続しており、来年度予算にも四億円余りを計上しています。都でも、二十億円あれば同様の無料制度を実施することができます。都として補正予算を組み、今年度分についてもさかのぼって負担軽減を実施すべきです。
 都が隠れ借金としている減債基金の積み立て不足を充当するため、三千二百五十一億円を計上していますが、来年度で六兆七千六百億円となる都債残高の半分は、石原知事のもとで借り入れたものです。石原知事が投資的経費を抑制し、都債の発行額をバブル崩壊前の一九九二年度水準に抑えていれば、減債基金の不足は発生しなかったのです。
 知事、今、東京都の予算に求められているのは、税金の使い方を改めて、都民の暮らしと福祉を応援する緊急の対策に優先的に予算を配分することです。
 調べてみると、新潟県は、十二月の補正予算で難病患者の支援拠点の整備費を予算化しています。神奈川県は、九月補正で県立学校体育施設耐震事業費などを計上しており、全国の自治体が、厳しい財政にもかかわらず、住民の要望や必要に応じて、さまざまな分野で補正予算を組んでいることが見てとれます。これが当たり前の自治体の姿ではないでしょうか。
 東京は、とりわけ貧困と格差の拡大が深刻になっています。ワーキングプアや年金の少ない高齢者など所得格差を是正するための手当てや、ニートやフリーターなどの雇用創出、不足している介護施設の緊急整備補助、都立学校や看護学校などの授業料の引き下げ、中小企業予算の増額など、都民の願いにこたえる活用の道はたくさんあるはずです。
 我が党は、知事がオリンピックをてことした大型開発優先の姿勢を改め、大幅税収増を切実な都民要望の実現に振り向けるよう強く求めて、討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君) 二十一番早坂義弘君。
   〔二十一番早坂義弘君登壇〕

○二十一番(早坂義弘君) 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、第百十八号議案、平成十八年度一般会計補正予算を初め、本日の本会議において議決する全議案に賛成の立場から討論を行います。
 我が国経済の持続的な景気回復を反映し、都税収入は大幅な伸びを示しています。今回提出されております補正予算は、三千七百億円に上る都税収入の大幅な増加を最大限に活用し、障害者自立支援法の円滑な運用に向けた取り組み、幹線道路の整備促進など、現下の課題への着実な対応を図っています。
 特に、障害者自立支援法については、これまでの施設中心の施策を改めるなどの抜本的な改革を伴うため、さまざまな意見がありました。我が党は、こうした状況を踏まえ、昨年十一月、政府へ改善策を提言いたしました。これを受け、国は、新たな特別対策の実施を決定し、都道府県に基金を創設することとなったものです。
 今回の補正予算の対応により、事業者への激変緩和措置や小規模作業所への緊急支援など、多くの対策を平成二十年度までの三カ年間にわたって実施することが予定されています。こうしたきめ細やかな対応を着実に実施し、十年後の東京の姿として示された、だれもが安心して暮らせる地域社会の実現に全力を尽くすことこそ、都民の期待にこたえ得るものと確信します。
 また、今回の補正予算では、隠れ借金を大幅に圧縮するとともに、将来需要を見据えた基金残高の確保にも努め、財政再建の達成に向けて大いに弾みをつける内容になっています。
 石原知事が就任した八年前には、都は財政破綻の危機に瀕しておりました。その後の都財政は、財政再建と施策の充実という困難な課題を両立して立ち直りを図ってまいりました。これは、税収の増加だけに助けられたものではなく、まさしく都庁一丸となった歳出削減、歳入確保努力のたまものであります。
 しかしながら、景気変動の影響を受けやすい都の税収構造は根本的に変わらないことからも、決して現状に満足することはできません。税収が好調な今こそ、将来を視野に入れながら、有効な手だてを講じておくべきです。都民施策の充実を図っていくことも大切ですが、あわせて、少しでも多くの財源を財政基盤の強化に充当すべきです。こうした姿勢を貫くことこそが、五年後、十年後に振り返ったとき、必ずや正しい選択であったと証明されるものと信じます。
 このたびの補正予算により、隠れ借金は三千億円規模で大幅に圧縮し、基金の積み立てとして約三百億円を着実に上積みしています。十九年度当初予算とあわせて、隠れ借金の処理はおおむね完了するなど、財政基盤の安定化に大きく貢献するものとなっています。
 以上述べたとおり、今回の補正予算は、現下の課題への対応と財政基盤の強化との両立をしたものであり、税収増という追い風を最大限に有効活用し、中長期的な視点から都民サービスの向上に資する内容を備えていることから、我が党としても評価するものであります。
 我々都議会自民党は、財政構造改革に取り組み、議論を深めながら、都民生活の安全と安心を目指して邁進する決意であることを申し添え、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(川島忠一君) 五十一番吉田康一郎君。
   〔五十一番吉田康一郎君登壇〕

○五十一番(吉田康一郎君) 私は、都議会民主党を代表して、本会議の採決に付される第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算を初めとした知事提出議案に賛成する立場から討論を行います。
 平成十八年度最終補正予算案は、三千七百四十三億円に上る都税の増収に支えられ、総額八千五百四十九億円の補正を行うものであります。
 第百十八号議案では、障害者自立支援法の円滑な運用に向けた取り組みや幹線道路などの整備促進、豊洲地区防潮護岸整備、小笠原諸島定期航路補助などに取り組むため、三百六十五億円を計上しています。事業予算については、喫緊の課題に絞って予算を計上し、その一方で、財政基盤の構築を目指し、減債基金積み立て不足額の圧縮を優先し、三千二百五十一億円を計上いたしました。また、将来の需要を見据えた財政調整基金にも三百二十六億円を積み立てています。
 これらは、過去に行った財源対策負担の解消、東京の将来の課題に対応できる体力を確保するための適切な措置であろうと考えます。
 特に、幹線道路などの都市基盤については、国の補正予算に基づいて、東京都の負担を最小限に抑えながら整備を促進することが期待でき、その箇所づけについては、より重要度の高い路線を優先すべきであります。補正予算案で選定されている区部環状道路や多摩南北道路は、都市の骨格を形成する重要な道路として重点的に整備していく必要がありますし、放射道路についても、北新宿地区を抜ける放射六号線の完成を見据えた青梅街道中野坂上付近の拡幅など、効果の高い事業が選定されています。
 さらに、補正予算案では、河川海岸費に関して、ゼロ国債の発行による神田川の整備だけではなく、善福寺川の護岸整備の事業促進に向けた債務負担行為を計上しています。善福寺川の護岸整備は、国債発行に関係なく実施する東京都の率先的な取り組みのあらわれだと理解していますが、引き続き、妙正寺川、善福寺川流域における護岸や調節池の整備など、河川激甚災害対策特別緊急事業を重点的に推進し、流域の浸水対策を強化していかなければなりません。
 第百二十一号議案における必要経費の補正は、都税収入の増加を活用し、隠れ借金である減債基金積み立て不足の圧縮を目指す取り組みであります。この最終補正と来年度当初予算で四千三百五十一億円の全額を解消し、一時は一兆円にも達していた隠れ借金のほとんどが解消されることになります。
 今後とも、安定的、継続的な施策の充実と財政基盤の強化の両面に留意しながら、健全な財政運営を行っていかなければなりません。
 次に、第百十八号議案並びに第百二十八号議案における障害者自立支援対策臨時特例基金と障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策について申し上げます。
 国の補正予算で、特別対策費として九百六十億円が盛り込まれました。これに伴い、東京都十八年度補正予算で九十六億円を受け入れて基金とし、そのうち十八億円を一般会計に繰り入れ、利用者負担の軽減、事業者に対する激変緩和、小規模作業所等への助成といった特別対策を実施するものであります。
 政府は、この目的について、自立支援法の円滑な運営のためとしています。しかし、そもそもなぜ、こうした措置が必要となったのでしょうか。制度実施直後にこれだけの補正が必要となったこの制度自体に、障害者にかかわる多様な実情に対応し切れていないまま負担増が先行し、自立支援策が不十分であるなど、多くの問題があるからであります。
 この課題への明確な対応が示されないままでは、激変緩和措置により急場をしのぐことができても、この措置が終了し、法の見直しが行われる三年後には、再び制度自体の問題が顕在化してしまいます。
 今回の補正予算の背景となった利用者からの悲鳴ともいえる厳しい声にしっかりと向き合い、サービスの利用状況を注視し、都としても適切に対応していく必要があることを申し述べ、都議会民主党を代表しての討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君) 十六番松葉多美子さん。
   〔十六番松葉多美子君登壇〕

○十六番(松葉多美子君) 私は、都議会公明党を代表して、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。
 平成十八年度補正予算案は、障害者自立支援法の円滑な運用、幹線道路の整備や環状二号線地区の市街地再開発など、東京の活力を高める都市基盤の整備、小笠原諸島への定期航路の補助など、都政の現下の課題について国庫支出金を確保しつつ、着実に対応するものであります。
 また、都税収入の増加を活用して、隠れ借金の解消と将来需要を見据えた基金積み立てを行っており、極めて適切な対応であると判断しています。
 具体的には、都が障害者自立支援法の円滑な運用に向けた取り組みを着実に図っていることは、これまでの国への要望活動の成果でもあり、これを評価いたします。また、隠れ借金の大半を占めている減債基金の積み立て不足の解消に向けた取り組みは、都民の将来世代にわたる負担を解消することにつながるものであり、高く評価いたします。
 しかし、こうした補正予算案に対して、共産党は、その内容の重要性を全く理解することなく、暴論を繰り返しています。
 まず、自立支援法に関する都の対応が不十分であると決めつけていますが、今回の国の対応は、都議会公明党を初め東京都などが国に対して行った強い働きかけと、公明党が一翼を担う連立政権の力によって、本人負担の激変緩和や小規模作業所への支援などが実現した立派な成果であります。あたかも努力が足りないというような主張は明らかに認識不足であり、真剣な政策議論とは全く無縁な暴論といわざるを得ません。
 また、減債基金の積み立て不足は急いで解消しなくてもよいという旨の発言をしていますが、税収がふえた今、過去からの懸案課題の解消を図り、財政基盤を強化することは至極当然の選択であります。
 共産党の論調は、余りにも近視眼的な物の見方であり、中長期的視点に立った財政運営という、財政運営のイロハを理解していないといわざるを得ません。
 さらに、石原知事が就任以来、大型開発を優先し都債の残高をふやしたと喧伝していることについても、制度の変更という事実を無視したいいがかりにすぎないといえます。むしろ、石原知事になってから投資的経費は二割以上削減されており、大型開発を優先して借金がふえたとは、余りにも短絡的で的外れの論法であります。もう少し財政について勉強されてはいかがかと一言申し上げておきます。
 今回の補正予算は、必要性、緊急性の極めて高い事業を適切に予算計上し、将来にわたって都民の負託にこたえる揺るぎない財政基盤の構築を目指すものであり、こうした重要性を全く無視し、単なる受け狙いの主張を繰り返していることは、余りにも無責任であるといわざるを得ません。
 都議会公明党は、今後とも、都政の緊急課題には積極的に取り組み、将来の備えに対しては英断をもって対処していくことをお誓いし、討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川島忠一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一から第三まで、第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)外議案二件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君) 次に、日程第四、第百二十一号議案、平成十八年度東京都公債費会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君) 次に、日程第五及び第六、第百二十号議案、平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)外議案一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君) 次に、日程第七から第十まで、第三十四号議案、平成十八年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例外議案三件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君) 次に、日程第十一、諮問第一号、地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。
 本件に関する委員会の報告は、却下することであります。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、委員会の報告のとおり答申することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり答申することに決定いたしました。

○議長(川島忠一君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、議員提出議案第一号、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(山加朱美君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託されることを望みます。

○議長(川島忠一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(川島忠一君) お諮りいたします。
 明二十二日から三月八日まで十五日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君) ご異議なしと認めます。よって、明二十二日から三月八日まで十五日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月九日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十八分散会

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