○議長(川島忠一君) 四十八番服部ゆくお君。
〔四十八番服部ゆくお君登壇〕
○四十八番(服部ゆくお君) 石原知事、教育長並びに関係局長に対し、五点質問をいたします。
最初に、魅力ある東京の景観についてお伺いいたします。
昨年十二月に「十年後の東京」が発表され、水辺空間の魅力向上が東京の発展にとって必要不可欠な重要施策と位置づけられました。
今月示された東京都観光産業振興プランの素案では、観光資源を活用して、歴史、文化を生かした美しい景観、水辺空間の魅力向上を図るとしています。
知事は、今回の施政方針の中で、東京には、江戸、明治から続く豊穣な歴史があり、その積み重ねを未来につないでいくことは、後の世代に対する私たちの責務と明言されました。
幕末から明治にかけての江戸・東京の景観は、当時訪れた外国人により、その美しさと清潔さも世界に紹介されています。かつて、フランソワーズ・モレシャンさんに日本の色を問うたとき、秋になるとたわわに実る稲穂に夕日が映える黄金色ですねと表現されたことがあります。文化行政を推進した当時の内山栄一台東区長は、区政について、ピサロの絵のように、地味ではありますが、区民の生活がにじみ出ている温かい絵に仕上げていきたいと所信表明で述べました。
魅力ある東京をどのように染め上げようとされるのか、知事の思いをお聞かせください。
次に、水の都東京再生の取り組みの中でも、舟運の復活は最も重要なものの一つです。
昨年来、都議会自民党は、水辺空間の魅力を一層推進しようと、「水の都東京」再生議員連盟を設立し、都に対し建設的な提言をし、精力的に取り組んでまいりました。
知事は、今回の施政方針でも、浅草や両国、芝浦とお台場などを船で結ぶ観光ルートの開発を表明されましたが、さらに羽田やディズニーランドを結ぶなど、舟運ルートの開発が必要です。
そのためには、利用者にとって利便性の高い舟運拠点が必要であり、桟橋の整備、活用を進めるのはもちろんのこと、アクセスの改善、親水テラスの整備、人々を水辺にいざなうにぎわいの創出など、多岐にわたる施策の展開が求められています。
浅草を初め、既に取り組みが始まっている地域もありますが、都の中に検討委員会を設置し、関連する行政分野の連携を図り、関係区の取り組みへの支援や国に対する働きかけを行うなど、積極的に推進しなければならないと考えますが、見解を伺います。
昨年、議員連盟で船から水辺を視察しました。かつてはコンクリートの直立護岸ばかりだった隅田川も、広々としたスーパー堤防や工夫を凝らしたテラスなど、現在では親水性や景観に配慮した整備が進められています。川に背中を向けた街並みから、川に顔を向けたまちづくりの意欲を感じることができました。
「十年後の東京」での水と緑の回廊などの取り組みも含め、水の都東京の再生に向けた隅田川での具体的な水辺の整備の取り組みについて伺います。
第二に、新教育基本法と家庭教育支援、学校教育としてのオリンピックムーブメントについてお伺いいたします。
昨年十二月、戦後六十年を経て、長年の懸案であった新しい教育基本法が成立しました。
教育の実施に関する基本として、家庭教育について、保護者は子どもの教育について第一義的責任を有すること、及び国や地方公共団体が家庭教育支援に努めるべきことと、本来の教育理念が明文化されました。
いうまでもなく、社会の基本単位は家庭であります。そして、よりよく生きるための生活共同体であり、人間の精神と身体、性格はここで培われ、人間の活動力と創造力は家庭より生まれます。
そこで、都教育委員会は家庭教育支援をどのように進めていくのか、家庭教育にかける意気込みを伺います。
今年度から、都教育委員会は、家庭教育支援策の一環として、子どもの生活習慣確立プロジェクト事業を開始しています。子どもの基本的な生活習慣は、本来、家庭が身につけさせるべきものでありますけれども、子育てや家庭教育に無関心な保護者に対し、生活習慣の確立の必要性を伝え、親としての責任を果たせるような事業としていく必要があるのではないか、所見を伺います。
この法律を単なるスローガンに終わらせないために、十七条には教育振興基本計画が新設されました。都としては、東京の実情に応じた基本計画策定の準備をしておくべきと考えます。
また、公立学校で作成する教育課程も、新しい教育基本法や、改正の検討が進んでいる学習指導要領に基づき作成しなければなりません。そのためにも、都教委は、旧基本法との違いを明確に示した方針を策定する必要があります。
そこで、都が策定している教育目標と基本方針、そして、教育ビジョンも、教育振興基本計画策定にあわせて当然見直されるべきと考えますが、所見を伺います。
今、東京の招致活動が本格化していますが、クーベルタンがオリンピックによって目指したのは、スポーツがもたらす教育的な効果による人間の変革であり、社会変革でした。「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである。人生で大切なことは、成功することではなく努力することである。」というクーベルタンの演説は、結果よりも過程を重視した考え方を示し、いかなる状況下にあっても、最善を尽くすことの大切さを説いています。
東京招致決定の五年前、昭和三十四年、ミュンヘンでのIOC総会で、日本の外交評論家平沢和重氏は、小学校六年生の日本の国語の教科書を片手に、次のように述べました。この教科書を見ればわかるように、日本では、オリンピックムーブメントを義務教育の段階からだれもが学んでいると力説し、開催都市の栄誉をかち取りました。
そこで、オリンピック精神とオリンピックムーブメントの意義を子どもたちに教育していくべきと考えますが、所見を伺います。
第三に、食品の安全確保について伺います。
食の安全をめぐる昨今の状況は、ノロウイルスの猛威による食中毒の発生や、大手食品メーカー不二家によるずさんな衛生管理などが報道されています。
特に、不二家の件については、原料や製品の取り扱いなど、社内での衛生管理の甘さが起因しているとの指摘もあり、改めて事業者の自主管理が重要であると感じます。
都民が安心して食生活を送れるように取り組むことは都の重要な責務であり、飲食店を初めとする多くの事業者の自主的な取り組みと、都の施策に対する理解と協力があって初めて達成できるものであります。その意味では、個々の事業者と行政とを結ぶ役割としての事業団体の活動は、食の安全確保の面で非常に重要なものであります。
東京都食品安全条例には、食品の安全確保は、都、都民、事業者の理解と協力により行わなければならないという理念を掲げています。この理念を実現する上で、会員への情報提供や自主的な巡回指導を行うなど、衛生管理の推進に取り組む事業者団体の活動は高く評価されるべきであります。
しかし、近年、事業者団体への加入率は伸び悩んでいると聞いており、今後、食品の安全確保に向けては、より多くの事業者が事業者団体の活動に賛同し、参加していくことが必要であります。
そこで、都は、こうした事業者団体の活動をどのように評価し、これらの団体とどのように連携して都民の食の安全を守ろうとしているのか、所見を伺います。
都は、自主的な衛生管理について積極的に取り組んでいる事業者を認証し、広く都民に公表する制度として、食品衛生自主管理認証制度を創設しています。事業者の自主管理への取り組みを促すとともに、都民もまじめに努力している事業者を知ることができ、都民が安全・安心な食品を選択する方法として、大いに期待しています。
この制度を広く普及させていくためには、個々の事業者に認証を取得することのメリットや、認証基準を満たすための具体的な方法を理解してもらう必要があります。
そのためには、申請に至る前の段階で、事業者団体を通じて支援することが、制度の普及を図る都にとっても効果的であり、また、結果として、事業者団体に属する個々の事業者にとっても有益であると考えます。そして同時に、この制度を広く都民に知ってもらうことも重要であります。
そこで、都は、事業者による自主管理の促進と、都民への食品の安全・安心の確保を図るため、本制度の普及拡大に向けて、事業者や都民などへの周知やPRをどのように進めようとしているのか、伺います。
四点目は、自動二輪車駐車場についてです。
自動二輪車は、環境面や交通渋滞の観点からも有効な交通手段と考えますが、ライダーや二輪販売業者などから、自動二輪車駐車場の整備拡充の要望を以前から聞いております。また、自動二輪の歩道等への放置は、歩行者などの安全を確保する点からも問題であります。
昨年六月の道路交通法の一部改正や、十一月の改正駐車場法の施行により、自動二輪車駐車場の整備拡充の声がますます大きくなってきています。
そこで、自動二輪車駐車場は絶対数がまだまだ足りないと考えますが、現状について伺います。また、自動二輪車駐車場について、今後どう取り組むのかについても伺います。
最後に、谷中五重塔再建について伺います。
かつて、谷中に五重塔がありました。今から二百年以上前の寛政年間に建設されたもので、寛永寺、増上寺、浅草寺、そして天王寺の四基の五重塔は、江戸四塔として知られていました。
塔は、ケヤキの素木づくりで、浅いそりを持つ端正な姿で、深い軒の雄大典雅なもので、明治に入り、谷中五重塔をモデルにした幸田露伴の不朽の名作「五重塔」は、多くの人々に読み継がれてきました。
昭和三十二年、惜しくも炎上、焼失するまで、百数十年の間、風雪に耐え、人々に愛され、親しまれてきた貴重な文化遺産でありました。
この塔は、明治四十一年、谷中天王寺から土地とともに東京市に寄附をされたもので、現在も都有地で、礎石は昔のまま残り、都の史跡に指定されています。焼失した当時は、東京都の管理下にありました。
東京都は、一昨年、谷中霊園再生のあり方の答申の中で、五重塔跡の広場は地域の人々の心のよりどころとなり得るよう配慮していくことが必要であるとし、昨年五月策定された東京都文化振興指針には、焼失した谷中の五重塔の再建機運と、コラムで取り上げ、歴史と文化を継承していこうとする自主的な住民主体の取り組みは大きな意義があると位置づけられました。
再建については課題があることは承知していますが、五重塔は、まちの人の心に、谷中に墓参や散策する人の心に、全国の「五重塔」を読んだ人の心に生き続けています。
ことし七月は、焼失して五十年の節目の年を迎えます。長い間、再建を願ってきた地域の皆さんの機運が盛り上がろうとしています。
五重塔の実測図は都立中央図書館特別文庫室に保管されており、往時のままの復元は可能であり、再建のための募金活動や資金計画、NPO法人設立などを検討し、地域と区と東京都が連携して取り組むことなど模索しています。
木造建築の気品とぬくもり、そして宮大工の技術の継承など、伝統的な日本建築の粋を世界にメッセージとして発信することによって、地域の活性化にもつながるものと確信します。
そこで、地域の皆さんの再建、復元の機運の盛り上がりに対して、知事から応援の心意気をお示しいただければ励みになると思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
○知事(石原慎太郎君) 服部ゆくお議員の一般質問にお答えいたします。
東京をどのように染め上げていくかについてでありますが、都庁から議会に渡ってくる、都庁に向かって左側の廊下の都庁側に二枚の写真が飾ってあるのを多分ごらんいただいたことがあると思いますが、一枚は百数十年前、たしか一八六五年、十九世紀末でありますけれども、江戸を愛宕山からイギリス人のカメラマンが撮ったもので、本当に見事なパノラマが写っております。
しっとりとしたモノクロームの町並みは、対照的に、もう一枚の、都庁の屋上から俯瞰した現在の東京とは比べものにならないほどしっとりと美しいものでありまして、かつてドゴール政権下で文化相を務めた作家のアンドレ・マルローは、すすで汚れたパリを洗い直して、ネオンサインの色を二色か三色に厳しく規制して、美しい街並みを取り戻すことに成功いたしました。
東京においても、よりよい景観を取り戻すために、一定の規制や制約を設ける必要があると思っております。今後、建物の色彩規制に思い切って踏み込むなど、独自の先進的な取り組みを展開することで、江戸の伝統を受け継いだ美しい都市空間をぜひとも復活していきたいものだと思っております。
次いで、谷中の五重塔の再建についてです。
これは本当に大変結構な試みだと思います。谷中の五重塔は、幸田露伴の小説にも取り上げられまして、江戸の建築芸術の粋であったと思いますが、何ですか心中事件に巻き込まれて焼失してしまったということでありまして、私も、いつごろでしたか、とにかくラジオで五重塔が燃えているという中継を聞いて、子ども心に心を痛めた思い出がございますが、のっそり十兵衛といわれた名人の大工が建てたあの五重塔が、暴雨風の中でも揺るぎもせずに建っていたという、文語体でつづられた非常に美しい小説だったのを覚えていますが、こういったものを地元の熱意によって復元しようとする動きは、東京に新しい伝統をつくる上でも、大きな大きな意義があると思います。
現に、明和九年に焼失したそうでありますけれども、これが復元され、また焼けたわけですが、京都の金閣寺も一回ああいう事件で焼けまして、今、名勝の一つに復元しておりますけれども、いずれにしろ、復元に当たっては、地域のシンボルをつくる活動として、地元の人々が一体となり、熱意と工夫を凝らして取り組むことが重要であると思っております。
都としても、東京の魅力向上につながるように、非常に大きく期待をしております。
他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
〔教育長中村正彦君登壇〕
○教育長(中村正彦君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
まず、家庭教育支援についてであります。
子どもたちの規範意識の低下や生活習慣の乱れ、また、子育てに自信のない親、しつけや教育に無関心な親の増加など、家庭教育の現状は看過できない状況にあります。
日本の未来を担う子どもたちの健やかな成長のためには、家庭の教育力の向上が喫緊の課題であると認識いたしまして、平成十六年度に策定いたしました東京都教育ビジョンにおきまして、家庭の教育力の向上の重要性を明確に示したところでございます。
今回の教育基本法の改正におきまして家庭教育の規定が新設されたことは、東京都の施策と軌を一にしたものであるというふうに認識しております。
都教育委員会は、今後とも家庭教育の現状や重要性を親や社会に強く問題提起し、保護者が子どもの基本的な生活習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るために、家庭教育を全力を挙げて支援してまいります。
次に、子どもの生活習慣確立プロジェクトについてでございます。
本プロジェクトは、都における家庭教育支援の柱といたしまして推進している事業でございます。お話しのとおり、家庭教育に無関心な保護者にも確実に子どもの生活習慣確立の必要性を訴え、改善につなげていくことが何よりも重要であると考えております。
このため、今年度はすべての保護者に伝わるよう、全公立小学校の入学説明会におきまして、生活習慣の乱れが子どもの心身の発達に与える影響を、科学的根拠に基づきましてわかりやすく説明したビデオを上映するとともに、全保護者にテキストを配布しているところでございます。
また、本プロジェクト独自のホームページを開設するとともに、ポスターやチラシを活用し、子どもの生活習慣確立の必要性と取り組みを広く社会に問題提起したところでございます。
さらに、昨年十二月には、親や家庭を社会全体で支援する仕組みとして、子どもの生活習慣確立東京都協議会を設立したところで、今後も、関係各局はもとより、企業、東京都医師会を初めさまざまな団体と連携した多様な取り組みを展開することによりまして、子どもの生活習慣の確立を通じて、家庭の教育力の向上を目指してまいります。
次に、教育振興基本計画についてでありますが、ご指摘のとおり、国は、今回の教育基本法改正によりまして、教育施策の総合的、計画的な推進を図るため、基本的な方針と構ずべき施策につきまして教育振興基本計画を策定することとし、地方公共団体においても、国の計画や地域の実情に応じた計画の策定に努めることと規定したところでございます。
都教育委員会では、これまでも、教育目標と基本方針、東京都教育ビジョンなどによりまして、都独自の教育の方向性を明示し、教育基本法に新たに規定されました公共の精神や伝統・文化の尊重などにつきまして、全国に先駆けて都立高校における独自教科・科目であります「奉仕」の必修化や「日本の伝統・文化」の開設などに取り組み、実施してきたところであります。
都におきます教育基本計画につきましては、これまでの取り組みの成果と時代状況を十分に踏まえまして、今後も全国に先駆けた教育改革を推進していくため、十分に検討してまいります。
最後に、学校におきますオリンピックムーブメントについてであります。
我が国の将来を担う児童生徒が、スポーツに親しみオリンピックの精神や理念について学習することは、極めて高い教育的意義がございます。現在、学校教育におきましては、体育を初め社会科や道徳などの授業におきまして、フェアプレーの精神やオリンピックの歴史的な意義、そしてスポーツによる国際親善などを学習しております。
今後は、そうした学習に加えまして、児童生徒がオリンピック精神やオリンピックムーブメントの意義を正しく理解し、スポーツを通して健全な精神の発達を遂げ、平和な社会の実現に貢献する態度を身につける教育を、オリンピック招致に向けてさらに推進してまいります。
〔産業労働局長島田健一君登壇〕
○産業労働局長(島田健一君) 舟運拠点の形成に向けた施策連携についてお答えをいたします。
舟運拠点の形成など水辺空間の魅力向上には、河川、港湾、都市づくり等、関連施策の連携した取り組みが重要であります。そのため、都は、産業力強化会議を活用し、民間による観光桟橋の整備、防災船着き場の平常時利用の促進等、観光の視点から各局連携による取り組みを進めてまいりました。
お尋ねの魅力ある舟運ルートを開発していくためには、観光資源や交通結節点を結ぶ利便性の高い舟運拠点の形成が求められております。今後、関係局による検討部会を新たに設置し、舟運拠点のあり方も含め、魅力ある舟運ネットワークの形成に向けた施策連携を図ってまいります。
〔建設局長依田俊治君登壇〕
○建設局長(依田俊治君) 隅田川での水辺の整備についてでございますが、隅田川は古くから人々に親しまれてきた水の都東京を象徴する河川であり、人々が集う魅力ある水辺空間として、さらなる整備が必要でございます。これまでも、日本で初めてスーパー堤防を整備するとともに、耐震性を備えたテラス護岸を八六%整備するなど、安全で潤いのある隅田川の再生に努めてまいりました。
今後十年を目途に、水辺を散策できるテラスの整備をさらに推進してまいります。また、可能なところでは、公園などまちづくりと連携してスーパー堤防を整備するなど、川の持つ水と緑の魅力を生かした水辺を創出してまいります。
こうした取り組みにあわせて、地元と連携し、防潮堤をギャラリーとして活用したり、オープンカフェの実施などによりまして、都民や観光客が憩い、にぎわう場となるよう努めてまいります。
今後とも、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現に向け、隅田川の整備に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕
○福祉保健局長(山内隆夫君) 食品の安全確保に関する二点のご質問にお答えいたします。
まず、都民の食の安全についてでございますが、食品による健康被害を未然に防止し、食の安全を確保するためには、製造や販売に直接携わる事業者が、日々、自主的な衛生管理を推進していくことが重要でございます。
食品関係の事業者団体においては、自主的な衛生管理を進めるため、会員の中から食品衛生自治指導員を選任いたしまして、日常的に営業施設の点検などに取り組んでいるところでございます。こうした事業者団体の活動は、個々の事業者の意識を高めるとともに、全体として食品関係施設の衛生管理水準を向上させる上で大変有意義であると評価しております。
都は、今後とも事業者団体の食品衛生自治指導員に対する技術指導や、衛生管理に関する最新の情報の提供などによりまして、都民の食の安全の一層の向上を図ってまいります。
次に、食品衛生自主管理認証制度についてでございますが、この制度は、衛生管理について積極的に取り組み、一定の基準を満たした事業者を都が指定した第三者機関が認証することによりまして食の安全性の向上を図ることを目的として、都が独自に創設したものでございます。これまで、百五十余りの施設が既に認証を取得しておりまして、これらの施設については、認証マークの掲示や、都のホームページでの施設名の公表などを行っております。
今後、より多くの施設が認証を取得し、都民が安心して安全な食品を選択できるよう、制度の充実を図るとともに、事業者団体を通じて、制度の周知や認証取得に向けた取り組みへの支援を行うほか、区市町村等と連携いたしまして、広く都民への広報に努めてまいります。
〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕
○青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 自動二輪車駐車場につきましてのご質問にお答えをいたします。
まず、自動二輪車駐車場の現状についてでございますが、都では、区市町村の協力を得まして実施しております放置自転車の実態調査の中で、自動二輪車の状況についても調査をしております。平成十七年度の調査では、都内の駅周辺に放置されている自動二輪車は、約四千台に上っておりました。
一方、東京都道路整備保全公社が情報提供しております駐車場案内によりますと、自動二輪車駐車場の収用可能台数は、平成十七年度末で約千六百台、平成十八年十二月末で約二千九百台でありまして、自動二輪車駐車場は絶対数が不足しているという状況でございます。
次に、自動二輪車駐車場につきましての今後の取り組みについてであります。
駐車場の絶対数が不足している一方で、需要につきましては地域差がありますことから、都では、警視庁と連携をしまして、自動二輪車の放置駐車状況につきましてのより詳細な実態調査を十九年度に実施する予定でございます。
それとともに、庁内関係部局、警視庁、さらにメーカーや駐車場事業者の関係団体などの参加を得まして、自動二輪車駐車場整備促進検討会を今年度中にも立ち上げ、駐車場の整備拡充方策、駐車場への誘導方策などにつきまして、積極的に検討を行ってまいります。
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