平成十八年東京都議会会議録第五号

平成十八年三月八日(水曜日)
 出席議員(百二十四名)
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番田中たけし君
四番鈴木 隆道君
五番宇田川聡史君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番原田 恭子君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番早坂 義弘君
二十一番高木 けい君
二十二番崎山 知尚君
二十三番坂本たけし君
二十四番石森たかゆき君
二十五番高橋 信博君
二十六番村上 英子君
二十七番鈴木あきまさ君
二十八番山口 文江君
二十九番佐藤 広典君
三十番尾崎 大介君
三十一番山口  拓君
三十二番伊藤まさき君
三十三番松下 玲子君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番矢島 千秋君
四十一番高橋かずみ君
四十二番山加 朱美君
四十三番串田 克巳君
四十四番吉原  修君
四十五番山田 忠昭君
四十六番臼井  孝君
四十七番野島 善司君
四十八番服部ゆくお君
四十九番大西由紀子君
五十番野上ゆきえ君
五十一番西岡真一郎君
五十二番吉田康一郎君
五十三番斉藤あつし君
五十四番泉谷つよし君
五十五番くまき美奈子君
五十六番大西さとる君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番長橋 桂一君
六十番野上 純子君
六十一番東村 邦浩君
六十二番小磯 善彦君
六十三番東野 秀平君
六十四番松原 忠義君
六十五番田代ひろし君
六十六番神林  茂君
六十七番秋田 一郎君
六十八番林田  武君
六十九番きたしろ勝彦君
七十番近藤やよい君
七十一番高島なおき君
七十二番鈴木 一光君
七十三番増子 博樹君
七十四番いのつめまさみ君
七十五番門脇ふみよし君
七十六番小沢 昌也君
七十七番石毛しげる君
七十八番岡崎 幸夫君
七十九番山下 太郎君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番木内 良明君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番倉林 辰雄君
九十番川井しげお君
九十二番樺山たかし君
九十三番宮崎  章君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番立石 晴康君
九十六番桜井  武君
九十七番初鹿 明博君
九十八番酒井 大史君
九十九番花輪ともふみ君
百番大沢  昇君
百一番大津 浩子君
百二番大塚たかあき君
百三番馬場 裕子君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番石川 芳昭君
百七番中嶋 義雄君
百八番石井 義修君
百九番桜井良之助君
百十番比留間敏夫君
百十一番吉野 利明君
百十二番新藤 義彦君
百十三番野村 有信君
百十四番大西 英男君
百十五番山崎 孝明君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番相川  博君
百二十一番柿沢 未途君
百二十二番中村 明彦君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君

 欠席議員(二名)
 九十一番 三宅 茂樹君
百二十七番 渡辺 康信君
 欠員
十一番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事横山 洋吉君
副知事大塚 俊郎君
副知事関谷 保夫君
出納長幸田 昭一君
教育長中村 正彦君
知事本局長山口 一久君
総務局長高橋  功君
財務局長谷川 健次君
警視総監伊藤 哲朗君
主税局長菅原 秀夫君
生活文化局長山内 隆夫君
都市整備局長梶山  修君
環境局長大橋 久夫君
福祉保健局長平井 健一君
産業労働局長成田  浩君
建設局長岩永  勉君
港湾局長津島 隆一君
交通局長松澤 敏夫君
消防総監関口 和重君
水道局長御園 良彦君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長舟本  馨君
病院経営本部長大塚 孝一君
中央卸売市場長森澤 正範君
選挙管理委員会事務局長渡辺日佐夫君
人事委員会事務局長佐藤  広君
労働委員会事務局長押元  洋君
監査事務局長高橋 道晴君
収用委員会事務局長嶋津 隆文君

三月八日議事日程第五号
第一 第百三十九号議案
  平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
第二 第百十九号議案
  都立世田谷地区総合学科高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約
第三 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第四 第百三十八号議案
  平成十七年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
第五 第三十一号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第三十二号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百十八号議案
  都立石神井高等学校(H十七)改築工事請負契約
第八 第百二十号議案
  都営住宅十七H─一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
第九 第百二十一号議案
  都営住宅十七H─一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
第十 第百二十二号議案
  都営住宅十七H─一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
第十一 第百二十三号議案
  都営住宅十七CH─一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
第十二 第百三十七号議案
  平成十七年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第十三 第百三十六号議案
  平成十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第十四 第百四十号議案
  平成十七年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第十五 第八十三号議案
  東京都動物の愛護及び管理に関する条例
第十六 第百二号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第百二十九号議案
  平成十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
議事日程第五号追加の一
第一 議員提出議案第一号
  老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第二 議員提出議案第二号
  第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議

   午後一時一分開議

○議長(川島忠一君)これより本日の会議を開きます。

○議長(川島忠一君)まず、東京都議会海外調査団について申し上げます。
 本議会において、去る二月六日から十五日まで、シカゴ、ニューオーリンズ、ワシントンDC及びニューヨークへ海外調査団を派遣いたしました。
 海外調査団を代表いたしまして、報告のため、発言の申し出がありますので、これを許します。
 六十五番田代ひろし君。
   〔六十五番田代ひろし君登壇〕

○六十五番(田代ひろし君) 去る二月六日より十日間、九名の議員が平成十七年度海外調査団として訪米をいたしました。
 調査のテーマは、防災、危機管理対策でございます。
 これまでの調査というのは、各会派それぞれが行っておりましたが、今年度は初めて、自民党、公明党の両会派合同で調査団結成ということになりました。
 また、日程の一部には、行政側から総務局、建設局、港湾局、そして警視庁、消防庁の五局が参加し、議会、行政、それぞれの立場から、総合的でかつ質の高い調査がなされました。
 団長は不肖私が務め、副団長は公明党のともとし春久議員、団員には、自民党から村上英子、きたしろ勝彦、田中たけし、早坂義弘、坂本たけしの各議員、公明党からは長橋桂一、東村邦浩の各議員が調査に参加いたしました。
 以下、簡潔に調査団の報告をさせていただきます。
 調査では、昨年八月三十日のハリケーン・カトリーナにより、全米で最も大きな被害を受けたニューオーリンズ市に赴きました。
 まず、ニューオーリンズ市警の案内により、被害の最も大きかった第九地区を視察いたしました。被災から五カ月以上たった今でも、一部堤防の建設を除き、復旧には全く手つかずの状態でございました。
 訪米前の事前調査により、現地の混乱状態は想像はしておりましたが、千五百名の現地警察官のうち、カトリーナ以降、二百人以上の警察官が辞職もしくは職場放棄をし、かつ自殺者まで出ているという現地の惨状を実際に見ることができたことで、新聞やインターネットではわからないさまざまな情報を入手することができたのは大きな収穫でございました。まさに百聞は一見にしかずでございます。
 当時は、まちの八割が冠水し、気温が摂氏三十度を超える中、地区によっては一カ月以上も冠水状態が続き、被害直後にはまちのあちこちで略奪が行われるなど、衛生的にも、また治安的にも大変危険な状態が続きました。
 復旧には、過去最大の三十六兆円が必要だと試算されております。ハリケーン以前には四十六万人の市民が暮らしておりましたが、およそ千三百人以上もの犠牲者が生じ、また、復旧が依然と進んでいないため、五カ月以上たった現在でも、市民は四分の一の十三万人まで減少しております。今後、全米各地に離散をしている避難者が、どれだけニューオーリンズ市に戻ってこられるかということが、これからの復興のかぎとなるわけであります。
 行政当局は、カトリーナ以降、市役所の職員の半分に当たる約三千名をレイオフしており、機能を大幅に失っております。現在、市長の諮問委員会が、整合的な災害復興を行うために市内を十三の地区に分け、それぞれの地区から住民が中心となってつくる土地利用のマスタープランを提出するように求めております。
 再び同様な被災をしないためには、堤防などのインフラ整備はもちろんのこと、災害が頻発する危険地帯においては、例えば行政が土地を買い取り、そこを公園などの緑地帯にして、住民を安全な地域に誘導するなどの方策が必要であります。しかしながら、そのマスタープランの提出を待たずに、市議会議員などの働きかけによって一部で建築確認がおろされるなど、ばらばらなまちづくりが行われ始めております。
 ニューオーリンズは、周囲が堤防で覆われた海抜ゼロメートル地帯にありますので、スープ皿と形容されております。堤防が決壊し、一度水が入ると、そのスープ皿から水を排出することは、大変な困難が伴います。排水ポンプの設置場所が悪く、排水ポンプ自体が冠水し、機能し得なかったことも被害を広げました。
 我々調査団がネーギン市長に面会し、自民党、公明党の全議員七十二名から寄せられた義援金を手渡した際には、地元のマスコミが多数取材に押しかけ、我が国からの支援に対する地元の強い期待を感じました。
 また、調査団は、我が国の災害対策のモデルにもなっているFEMA、連邦危機管理庁のニューオーリンズの現地対策本部と、ワシントンDCの中央本部の両者を訪ね、カトリーナに対するFEMAの対応について調査をいたしました。
 我々からの、なぜ千三百人以上もの犠牲者が生まれたのかとの問いに対し、FEMAの担当者は、避難勧告に従わなかった人たちの自己責任であると明言をいたしました。FEMAの役割はあくまでも調整機関にすぎず、連邦のお金を適切に州や市に交付するためのアセスメントを行うために被災地に調査部隊を送っているにすぎないとの答えでございました。
 しかしながら、四十六万市民のうち、黒人を中心とした貧困層が十万人以上もおり、避難命令が出されても、自力で脱出するための自動車を持っていない人たちが大勢いたことについては言及を避けました。老人ホームの入居者が置き去りにされ、一カ所で三十人以上が水死した事件も現実に起きております。
 連邦、州、市の三者の協力体制の不一致、そしてFEMAの初動態勢のおくれ、無線通信システムの途絶など、幾つもの大きな課題が明らかになっております。特に、FEMAの初動態勢のおくれには、ブラウン長官の更迭という事態にまで発展いたしました。
 今回の調査は、今後、東京においていつ来てもおかしくないといわれる首都圏直下型地震や、昨年のような都市型の集中豪雨など、大規模な災害が発生した場合に、現実的な意味でどれだけ有効な災害対策がとれるかということを念頭に調査を行いました。大規模災害の現場を実際に見ることで、机上の議論ではわからない極めて有益な知見を得ることができました。また、災害復興のあり方を考える上でも、大きな教訓を得ました。
 このほかにも、国際ハブ空港であるシカゴ空港のテロ、危機管理対策、ペンタゴンとニューヨークにおける避難誘導システム、ワシントンDCにある大統領直轄の災害ボランティア組織、ニューヨーク市の危機管理対策など、精力的に調査をいたしました。
 折しもニューヨークでは、観測史上最高の六十八センチという積雪に見舞われ、都市機能が麻痺状態に陥るかと思われましたが、行政当局の迅速な除雪作業により、被害は最小限に抑えられました。二〇一六年のオリンピック開催の最大のライバルと目されるニューヨーク市の危機管理能力を間近に見ることができました。
 なお、別途、詳細な報告書を作成しておりますので、ぜひごらんください。
 東京都議会の代表として、十日間のスケジュールをフルに活用し、我がまち東京の防災まちづくりに極めて有益で中身の濃い調査をさせていただきましたことに、調査団を代表いたしまして心から御礼申し上げ、報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○議長(川島忠一君)以上をもって、東京都議会海外調査団の報告は終わりました。

○議長(川島忠一君)次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例外決議一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(川島忠一君)これより日程に入ります。
 日程第一から第十七まで、第百三十九号議案、平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)外議案十六件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百三十九号議案
  平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 経済・港湾委員長 大塚たかあき
 東京都議会議長 川島忠一殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百十九号議案
  都立世田谷地区総合学科高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月六日
 財政委員長 山加朱美
 東京都議会議長 川島忠一殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出―総務委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 総務委員長 山下太郎
 東京都議会議長 川島忠一殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月六日
 財政委員長 山加朱美
 東京都議会議長 川島忠一殿

   文教委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─文教委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 文教委員長 村松みえ子
 東京都議会議長 川島忠一殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─都市整備委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 都市整備委員長 高橋かずみ
 東京都議会議長 川島忠一殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   繰越明許費  厚生委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 厚生委員長 藤井一
 東京都議会議長 川島忠一殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出─経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 経済・港湾委員長 大塚たかあき
 東京都議会議長 川島忠一殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   繰越明許費  環境・建設委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 環境・建設委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川島忠一殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百三十八号議案
  平成十七年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
都市整備委員長 高橋かずみ
東京都議会議長 川島忠一殿

   総務委員会議案審査報告書
 第三十一号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 第三十二号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 総務委員長 山下太郎
 東京都議会議長 川島忠一殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百十八号議案
  都立石神井高等学校(H十七)改築工事請負契約
 第百二十号議案
  都営住宅十七H─一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
 第百二十一号議案
  都営住宅十七H─一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
 第百二十二号議案
  都営住宅十七H─一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
 第百二十三号議案
  都営住宅十七CH─一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月六日
 財政委員長 山加朱美
 東京都議会議長 川島忠一殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十七年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月六日
 財政委員長 山加朱美
 東京都議会議長 川島忠一殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十六号議案
  平成十七年度東京都特別区財政調整会計  補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 総務委員長 山下太郎
 東京都議会議長 川島忠一殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百四十号議案
  平成十七年度分の都と特別区及び特別区  相互間の財政調整の特例に関する条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 総務委員長 山下太郎
 東京都議会議長 川島忠一殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第八十三号議案
  東京都動物の愛護及び管理に関する条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 厚生委員長 藤井一
 東京都議会議長 川島忠一殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百二号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
 第百二十九号議案
  平成十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十八年三月三日
 環境・建設委員長 ともとし春久
 東京都議会議長 川島忠一殿

○議長(川島忠一君)これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 八十一番古館和憲君。
   〔八十一番古館和憲君登壇〕

○八十一番(古館和憲君)日本共産党都議会議員団を代表して、第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算外五議案に反対する立場から討論を行います。
 今年度補正予算案は、都税収入が当初予算の見込み額より三千百五十億円も上回ったことを受けて提案されているものであり、この税収増を貧困の増大と社会的格差の拡大などに苦しむ都民のために使うことが、何よりも求められているものであります。
 我が党は、この立場から、知事が補正予算案を提案した新年早々の一月十三日に申し入れを行い、都税増収分を原油高騰に苦しむ都民の生活と営業の支援、介護を初めとする高齢者福祉や公的保育などの少子化対策などの拡充、教育のための条件整備、若者の雇用対策、商工業支援など、緊急に手当てすべき事業に振り向けることなど、都民の暮らし、福祉中心の補正予算を組むことを求めました。
 しかし、議会に提出された予算案は、増収分の大半が社会資本整備基金や財政調整基金などの積み立てなどに回され、事業費ベースでは二百七十九億円しか予算が確保されておりません。しかも、そのうちの二百六十四億円が、首都高速道路への支出金や環状二号線地区市街地再開発のための大型開発のために投入され、都民施策といえるものはわずか十五億円、補正予算の〇・五%にすぎません。
 その内容も、国の予算化に連動して義務的に対応した私立学校施設のアスベスト対策やマンション構造設計偽装対策などで、切実な都民要望となっている高齢者介護や医療、少子化対策、教育、中小企業対策などの独自の施策は見当たらないのです。
 これは、東京都に比べはるかに財政力が弱く、三位一体改革による歳入減に苦しんでいる他の県が、国の交付金事業はもちろんのこと、県独自に、原油価格高騰に対する対応、緊急雇用対策や野菜の安定供給対策、交通安全施設の整備費、これら生活を守るための予算、福祉の拡充などに取り組んでいるのとは全く対照的であります。
 私は、首都高速道路など大型開発のための予算や基金に積み立てる一部を活用することで数百億円の財源を確保することができ、我が党が提案している施策を初め、さまざまな都民要望にこたえることは十分に可能であることを指摘しておくものであります。
 補正予算を通じて改めて問われていることは、都政が住民の福祉の増進という自治体の精神を取り戻し、都民の暮らし、福祉優先の立場に立ち返って予算編成を行うかどうかということであります。
 この七年間、石原知事は、都財政は厳しいといって、聖域なしの都民施策の見直しを強行するとともに、切り捨てで生み出した財源を、専ら超高層ビルと大型幹線道路中心の都市再生につぎ込んでまいりました。このため、福祉と開発の予算が逆転し、二〇〇〇年度には土木関係費より福祉関係費の方が多かったのに、二〇〇四年度では逆転して土木関係費の方が百二十六億円も多くなってしまうという、まさに予算の使い方の逆転現象が起きてしまったのであります。
 では、この間、東京都の財政は本当に厳しかったのでしょうか。そんなことはありません。石原知事のもとでのこの七年間の実際の都税収入は大きく伸び、二次にわたる財政再建推進プランの見込み額より約三兆円も上回っているのであります。
 都民に、財政が厳しい、赤字団体に転落するなどといって、老人福祉手当や老人医療費助成などの都民施策の聖域なしの見直しを求め、痛みを押しつけてきたこの財政再建推進プランの論拠が成り立たないものであることは明白ではありませんか。いかに財源に余裕があろうが都民のためには徹底して使わないという知事の姿勢に強い憤りを覚えずにはおられません。
 臨海地域開発事業会計の補正予算案は、産業労働局が所管していたタイム二十四とファッションタウンの二つの三セクビルの破綻処理に伴うものです。予算案は、民事再生計画に基づく処理によって、都が三セク救済のために行った土地賃貸料の未回収分三十五億円を債権放棄する内容となっています。巨額の債務超過となっていたこれらの三セクビルを処理することは当然ですけれども、問題は、民事再生法を採用することで、出資者であり、経営者でもあり、融資によって二百六十億円も利益を上げてきた銀行の責任を免罪し、その債権を保全する道を開いたことであります。
 そもそも、これら三セクビルは都民の財産であり、破綻処理は、これらの銀行に債権放棄させ、ビルを都民の財産として保持することを第一にしなければなりません。よって、銀行の責任を免責し、不要な都民の税金投入を行う補正予算案に反対するものであります。
 同様に、巨額の債務超過状態となっているテレコムセンターなどの港湾局所管のビル三セクにつきましても、直ちに破綻処理に踏み出すこと、その際、銀行の責任を明らかにして債権放棄を求めるなど都民の財産を保全する立場で当たること、臨海副都心開発本体についても、オフィス開発の破綻を認め、開発の基本から抜本的に見直すとともに、都心とのアクセス道路などへの財政投入を改めることを求めておくものであります。
 最後に、小泉政権の庶民大増税や社会保障の連続改悪が都民に新たな負担と苦しみをもたらしているときに、都政が今こそ、住民の福祉の増進という自治体の姿勢をしっかりと取り戻して、都民の暮らしと福祉を守るために全力を尽くすべきことを改めて求めまして、討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君)二十三番坂本たけし君。
   〔二十三番坂本たけし君登壇〕

○二十三番(坂本たけし君)私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、第百三十五号議案、平成十七年度一般会計補正予算を初め、本日、本会議において議決する全議案に賛成の立場から討論を行います。
 我が国経済は、小泉内閣の進めてきた構造改革の成果があらわれ、金融機関の不良債権など、バブル期の負の遺産を解消するとともに、企業の設備投資が順調に推移し、今後とも持続的な成長を維持する見通しであります。大企業ばかりでなく、中小事業者の収益にも改善の傾向が見られ、景気回復のすそ野が広がりを見せつつあることは大変喜ばしいことと思います。
 しかし、このような明るい兆しに決して満足せずに、この流れを一層加速するため、都としても、中小企業支援策などの産業力強化を初め、都市インフラの拡充など、積極的な施策を講じていくべきだと考えます。
 一方では、労働災害事例が公表されたことに端を発したアスベストによる健康被害や、昨年末に発覚した耐震強度偽装事件など、社会を根底から揺るがせ、日本全体を不安に陥れる事件も相次いでおります。まさに都民の健康や生命が脅かされる事態となったのであります。
 こうした中、今回提出されております補正予算には、好調な税収増を有効に活用して、都民の生命や財産を守るための緊急対策を講じるほか、都市基盤整備や鉄道の連続立体交差化など、経済波及効果の大きい都市再生に向けた前向きな取り組みが盛り込まれております。あわせて、いわゆる隠れ借金の圧縮と基金残高の確保に努め、財政再建を大きく前進させる契機としております。
 そもそも、十七年度当初予算は、東京の新たな発展を目指しつつ、財政構造改革を一層推進する予算として編成されました。本補正予算も、この基本方針を踏襲しつつ、その趣旨を一層徹底する内容となっております。
 まず第一は、東京の新たな発展を目指した点であります。
 アスベスト対策を初め、都市交通基盤の整備、市街地再開発など、いずれも重要かつ緊急な課題であり、こうした課題に対して国庫支出金を確実に確保しつつ、事業の推進を図っています。
 残念ながら、道路を初めとする東京の都市基盤はいまだに脆弱であり、交通渋滞などの発生は、多くの経済的損失や環境破壊を招いております。都市インフラの拡充は、これまでも日本共産党が無責任な主張を繰り返すような都民生活を破壊するものなどでは決してなく、かえって都民生活の質の向上に大きく貢献する事業であると、ここで改めて強調しておきたいと思います。
 第二点は、財政構造改革の一層の推進という側面であります。
 歳入の四割近くを国債が占めるといった借金依存体質の国と比較すれば、財政再建にいち早く着手した都財政は、はるかに健全であることは間違いありません。しかしながら、都財政におきましても、いまだ巨額の隠れ借金を抱え、基金残高は不足するなど、まだまだ改善の余地が多く残されております。税金の増収分を直ちに施策展開に使ってしまうのではなく、ちゅうちょすることなく借金の返済や貯蓄に充てるなど、時期を失することなく必要な手を打っておくことは当然のことであります。
 このことは、みずからの家計を考えてみればよくわかります。確実にローンの返済に努めるとともに、将来に備えて蓄えを怠らない姿勢は、現在及びこれからの生活の安定を図っていく上で欠かすことはできません。
 今回の補正予算における対応により、隠れ借金は一千億円圧縮するとともに、将来需要を見据えた基金の積み立てとしては、約千五百億円を上積みすることとされております。特に、都庁舎を初めとする大規模施設が今後次々と改修時期を迎えるのに備え、十八年度から導入する新たな公会計制度の考え方を参考に社会資本等整備基金に五百億円を積み立てたことは、まことに有意義である取り組みだと考えております。
 以上述べたとおり、このたびの補正予算は、緊急課題への対応と財政再建の一層の推進とを両立させたものであり、税収の増加を最大限に有効活用して、将来にわたって都民への還元を図る内容であることから、我が党としても、評価、賛成するものであります。
 我々東京都議会自由民主党は、今後とも都財政の構造改革に引き続き取り組むとともに、十四日から始まる予算特別委員会の審議において、建設的な提案や議論を通して都民福祉の向上に全力を挙げて邁進することを申し上げて、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(川島忠一君)七十七番石毛しげる君。
   〔七十七番石毛しげる君登壇〕

○七十七番(石毛しげる君)私は、都議会民主党を代表して、本会議の採決に付される第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)を初めとした知事提出全議案に賛成する立場から、討論を行います。
 平成十七年度最終補正予算案は、三千百五十六億円もの都税の増収に支えられ、百三十五号議案では三千八百五十二億円、第百三十六号議案、第百三十七号議案で一千二百十六億円、第百三十八号議案、第百三十九号議案で三百六十七億円の補正を行うものであります。
 第百三十五号議案の一般会計では、アスベスト対策やマンション耐震偽装問題対策などの喫緊の課題に対応するほか、地下鉄火災対策助成、都市交通基盤の整備、鉄道立体交差化の推進などの緊急課題に取り組むため、二百七十九億円を計上しております。
 最近の民間投資の活発化を踏まえ、事業予算については緊急課題に絞って予算を計上し、その一方で、将来の需要を見据え、社会資本等整備基金に五百億円を積み立てています。また、財政調整基金条例等の規定に基づき千七億円を積み立てるほか、減債基金積立不足額の圧縮に六百三十二億円を計上し、さらに、公営企業会計支出金支払い繰り延べを解消するために、四百億円を計上しています。
 これらは、いずれも少子高齢化、人口減少、社会資本の更新経費増という東京の将来の課題に対応できる体力を確保するための適切な措置であろうと考えます。
 特別会計では、第百三十六号議案で税収増に伴う特別区交付金の増額補正五百六十九億円を、第百三十七号議案で減債基金への積み立て六百三十二億円、NTT債繰り上げ償還に必要な経費十五億円の補正を行い、公営企業会計では、百三十八号議案で、虎ノ門地区などの一般会計の補正に伴う補正八十六億円を、第百三十九号議案では、土地建物に伴う補正二百四十七億円並びに東京ファッションタウン株式会社及びタイム二十四の民事再生計画に基づく土地賃貸料未収金の債権放棄に必要な補正、それぞれ二十五億円、十億円を計上しております。
 第百三十六号議案における増額補正は、税に連動して義務的に補正が必要なものであり、例年であれば議論を呼ぶところではありません。しかし、その陰で、東京における大都市行政をともに担っている東京都と特別区が、平成十二年改革で残された主要五課題についての協議で鋭く対立し、双方に不信感を残したことは残念でなりません。
 先月十六日に、東京都と特別区の間で、都区の事務配分、再編を含めた区域のあり方、税財政制度などを根本的かつ発展的に都区共同で検討し、その結論に従い整理するという合意がなされ、今後、この合意に従って検討されることになりますが、その際には、基礎的自治体としての特別区の自立、自治権拡充に十二分に配慮されるよう求めるものであります。
 次に、第百二号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 この条例は、大気汚染防止法の施行令などが改正されたことに伴う条例改正でありますが、この法改正のきっかけとなったアスベストによる健康被害は、多くの都民、国民の大きな関心を集めました。
 東京都では、国に先駆けたアスベスト対策を講じてきたところでありますが、国の法改正の際にも、衆議院では五項目、参議院では十項目の附帯決議が付されたように、法改正、条例改正の範囲にとどまらず、幅の広い、きめ細やかな対策が求められます。特に、都市更新などに伴い、今後ますます増加することが予想される解体建築物については、周辺環境調査の強化などに取り組むことを求めるものです。
 また、吹きつけアスベストのような飛散性アスベストのみならず、スレート、これは屋根や天井、内装、外装に使われるもので、セメントにアスベストをまぜてつくった板状のものですが、このスレートのような非飛散性アスベストを解体する際、飛散性についても、解体事業での実態を踏まえながら、解体マニュアルを作成するなど、早急に対策強化を図るよう、あわせて要望するものであります。
 以上、都議会民主党を代表して、討論を終えます。(拍手)

○議長(川島忠一君)十六番松葉多美子さん。
   〔十六番松葉多美子君登壇〕

○十六番(松葉多美子君)私は、都議会公明党を代表して、平成十八年第一回定例会中途議決案件の平成十七年度補正予算案五件のほか、条例案五件、契約案五件、事件案一件のすべての議案に賛成の立場から、討論を行います。
 まず、平成十七年度補正予算案についてであります。
 平成十七年度補正予算案は、都市交通基盤の整備、鉄道の連続立体交差の推進、アスベスト対策、マンション耐震偽造問題への対応など、都政の緊急課題について、国庫支出金を確保しつつ積極的な取り組みを行うものであり、また一方で、都税収入の増加などを活用し、隠れ借金の圧縮と将来需要を見据えた基金積み立てを行っており、極めて適切な対応であると判断しています。
 具体的には、平成十年度の隠れ借金である公営企業会計支出金の支払い繰り延べを解消するために四百億円を充当したことは、都財政を健全化させるものであり、これを高く評価いたします。
 さらに、都が平成十八年度から導入をする複式簿記・発生主義の考え方に基づき、福祉、教育、文化等の施設の更新を円滑に行うために、社会資本等整備基金へ五百億円の積み立てを行ったことは、公明党の主張を取り入れたものであり、また、将来需要を見通した画期的な取り組みとして、評価を惜しまないものであります。
 さらに、医療施設や社会福祉施設のアスベスト除去、また、耐震偽造問題対策として、マンション居住者支援のために補正予算を充当したことは、実に的確な対応であります。
 こうした補正予算に対して、共産党は、その内容の重要性を一切無視して、三千八百五十二億円の補正予算の六六%を隠れ借金圧縮と基金積み立てに回し、都民要望にこたえていないなどという的外れな批判に終始しています。今回の補正予算における具体的な事業費は二百七十九億円であり、それが少ないと共産党が批判したいのなら、それは補正予算の意味を理解できない暴論であります。
 なぜ十七年度補正予算案が十八年度予算案と同時に提案されたかといえば、緊急性の高い課題は補正予算に、そして、必要とされる事業費は新年度予算に計上するという役割分担があるからであります。こうした仕組みを理解しない、反対のための反対は、余りにも無責任であると共産党は認識すべきです。
 次に、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案について申し上げます。
 今回の改正は、大気汚染防止法施行令における対象建築材に、アスベストを含有する断熱材、保温材、耐火被覆材が追加され、あわせて解体作業等にかかわる届け出義務の面積要件が廃止されるなど、対策が強化されたことに伴う条例の改正であります。したがって、公明党は一般質問において、さらに飛散性の低いアスベスト建材の使用実態の把握並びに解体時の飛散状況の調査、解明、そして、それに基づく的確な対策の確立を強く主張いたしました。
 これを受けて、都が、平成十八年度に実態調査を行い、専門家や関係業界と連携した検討会を設置して、建材の種類に応じた適切な解体方法を示すマニュアルを作成するとしたことは、アスベスト対策を前進させるものであると評価いたします。
 以上の理由から、都議会公明党は、緊急課題に積極的に対応し、英断をもって将来への備えを行おうとしている今回の補正予算に賛成いたします。
 今後とも、都民生活の安全・安心を確保することを強く求め、討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君)以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川島忠一君)これより採決に入ります。
 まず、日程第一、第百三十九号議案、平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)次に、日程第二、第百十九号議案、都立世田谷地区総合学科高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)次に、日程第三及び第四、第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)外議案一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)次に、日程第五及び第六、第三十一号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)次に、日程第七から第十二まで、第百十八号議案、都立石神井高等学校(H十七)改築工事請負契約外議案五件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)次に、日程第十三から第十七まで、第百三十六号議案、平成十七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)外議案四件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(川島忠一君)これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、議員提出議案第一号、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(秋田一郎君)この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託されることを望みます。

○議長(川島忠一君)お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(川島忠一君)追加日程第二、議員提出議案第二号、第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

議員提出議案第二号
   第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条の規定により提出します。
  平成十八年三月八日
(提出者)
遠藤  守  伊藤 興一  田中たけし
鈴木 隆道  宇田川聡史  松葉多美子
大松  成  中山 信行  高倉 良生
早坂 義弘  高木 けい  崎山 知尚
坂本たけし  石森たかゆき 高橋 信博
村上 英子  鈴木あきまさ 橘  正剛
上野 和彦  吉倉 正美  谷村 孝彦
矢島 千秋  高橋かずみ  山加 朱美
串田 克巳  吉原  修  山田 忠昭
臼井  孝  野島 善司  服部ゆくお
長橋 桂一  野上 純子  東村 邦浩
小磯 善彦  東野 秀平  松原 忠義
田代ひろし  神林  茂  秋田 一郎
林田  武  きたしろ勝彦 近藤やよい
高島なおき  鈴木 一光  藤井  一
ともとし春久 木内 良明  鈴木貫太郎
こいそ 明  遠藤  衛  倉林 辰雄
川井しげお  三宅 茂樹  樺山たかし
宮崎  章  古賀 俊昭  立石 晴康
桜井  武  石川 芳昭  中嶋 義雄
石井 義修  桜井良之助  比留間敏夫
吉野 利明  新藤 義彦  野村 有信
大西 英男  山崎 孝明  佐藤 裕彦
川島 忠一  内田  茂  三田 敏哉
東京都議会議長 川島忠一殿

   第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議
 地球温暖化、頻発するテロ、文化や民族の違いに起因する地域間紛争など、世界はいまだに平和とは程遠い状況にある。そうした中で、オリンピックは、世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典である。
 「戦争の世紀」と呼ばれた二十世紀は、二度の大戦を経験した。一九六四年の第十八回オリンピック東京大会は、我が国の戦後復興の象徴として開催され、多くの国民に感動と自信を与え、生まれ変わった首都東京の姿を世界にアピールした。これを機に、東京は更なる発展を続け、政治、経済、文化が高密度に集積する世界に類を見ない大都市となった。
 そして、二十一世紀は「都市の世紀」とも「環境の世紀」とも呼ばれている。都市は肥大化し、環境問題、治安、スラム化など多くの社会問題が先鋭的に現れている。都市問題の解決なくして、人類は、将来世代に住みよい地球を引き継いでいくことはできない。
 東京オリンピックから約半世紀を経た現在、再び大都市東京でオリンピックを開催することは、世界平和を希求する強い意思を世界にアピールするとともに、環境にやさしく豊かで安全な成熟した都市東京を実現する契機となる。また、アスリートたちの崇高な競い合いが、未来を担う子どもたちに感動を与え、スポーツを通じた健やかな成長を促していく。
 よって、東京都議会は、人類の英知と創意工夫を結集し、都市問題の解決に先駆的に取り組むことで、東京、日本、そして次世代を担う青少年の未来を切り開くべく、二〇一六年開催の第三十一回オリンピック競技大会の東京都招致を強く求めるものである。
 以上、決議する。
  平成十八年三月八日
 東京都議会

○議長(川島忠一君)本案に関し、百十五番山崎孝明君より、趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 百十五番山崎孝明君。
   〔百十五番山崎孝明君登壇〕

○百十五番(山崎孝明君)私は、提案者を代表して、また、招致議員連盟会長として、第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案について、趣旨説明をいたします。
 顧みますに、オリンピックの東京招致に関する議会の取り組みは古く、戦前のベルリン大会に続く第十二回大会については、当時の東京市会において、昭和六年、開催の建議を議決いたしました。その結果、一九四〇年、昭和十五年秋の開催決定を見ましたが、その後、対外的諸般の状況悪化ということにより、中止のやむなきに至りました。
 第十八回オリンピックの報告書の一部を読ませていただきます。第十七回大会立候補の項に、こう書かれてあります。
 長い連合国軍による占領行政は終わり、一九五二年、昭和二十七年四月、講和条約の発効とともに、曲がりなりにも我が国は独立することになった。そして、この年五月、当時の東京都知事安井誠一郎氏は、平和回復と国際舞台に復帰した日本の本当の姿、真に平和を希求している日本人の素朴な姿をいかにすれば世界の人々に理解してもらえるか、ややもすれば希望を失いがちである青少年に、どうすれば明るい曙光を与えることができるかと熟考した結果、オリンピック大会を東京に招致して開催することが最も望ましいものであり、かつ、かつて東京市時代、第十二回大会を招致しながら返上しなければならなかったことから、オリンピック大会は是が非でも招致して、国際信義に報いなければならないというかたい決意をいたしました。そして、日本体育協会の首脳と相談した上で、東京都議会の了承を得て、第十七回大会の東京招致の表明をした。東京都議会も、この安井表明に対して超党派で賛意を表し、同年五月十九日、第十七回オリンピック大会を東京都に招致する決議案を全会一致で決議したと書いてあります。
 安井知事の胸のうちには、東京都知事として首都東京の再建と日本国民の自信の回復を何としてもせねばならぬという強い決意を持っていたといわれております。東京大空襲、そして敗戦、何とそのわずか七年後に、オリンピックの招致を決議した我ら都議会の先人の卓越した先見性、焼け野原になった首都東京の再建に向けた情熱、都民に少しでも豊かで平和な暮らしをと思う都議会議員としての責務を、我々は学ばなければならないと思うのであります。
 都議会と執行機関が一団となって招致運動を行った結果、昭和三十四年に見事開催都市の栄誉をかち取り、昭和三十九年の東京オリンピックに至るのであります。
 かくして我が国の戦後復興の象徴として、また恒久平和のあかしとして、世界を結ぶオリンピックの旗が東京の空に翻ったのであります。東京オリンピックは多くの国民に感動と自信を与え、生まれ変わった首都東京の姿を世界に強くアピールしました。オリンピックを契機に、東京はさらなる発展を続け、政治、経済、文化が高密度に集積する、世界に類を見ない大都市になったことは周知の事実であります。
 しかし、バブル崩壊から十五年、今日本は政治、経済、社会のすべてにおいて、その目指すべき道標を見失っています。日本全体に漂う閉塞感から脱出できずにおります。
 そんな中、今定例会の初日、石原知事は施政方針の中で、日本の底力と成熟都市東京の存在を世界に対してはっきりと示すために、二〇一六年の東京オリンピック開催を目指すと力強く宣言されました。再びオリンピックを東京にと願う知事の心に、かつての安井誠一郎知事の首都東京と日本を思う心に通じるものを私は感じるのであります。
 二十一世紀は、都市の世紀とも環境の世紀とも呼ばれています。地球の人口の多くが都市に住み、都市生活そのものが環境への負荷となり、また、治安の悪化、インナーシティー問題など、都市は多くの課題を抱えています。このために、人類の英知と創意工夫により都市問題の解決を図っていくことが、今求められています。都市問題を解決すること、そのことなくして、人類は次の世代に住みよい地球を引き継いでいくことはできません。
 だからこそ、オリンピックを、都市の世紀と呼ばれる二十一世紀において、世界有数の大都市東京で開催し、都市問題の解決につなげていくということが大切であるといえるでしょう。東京にはその力があります。
 緑の地球は未来を担う子どもたちのものです。オリンピックで繰り広げられる世界のアスリートたちの崇高な競い合いは、必ずや子どもたちに感動を与え、目標に向かって努力する大切さ、すばらしさを実感してもらうことができるでしょう。栄光は、たゆまぬ努力と自分を信じる強い心の上に輝きます。トリノオリンピックの金メダリスト荒川静香選手の活躍などが、それを証明してくれています。オリンピックはまた、スポーツを通じ、青少年の健やかな成長を促していくことでしょう。
 未来を担う子どもたちに平和で美しい緑の地球を引き継いでいきたい、そういう思いから、我々は先人に負けぬ強い決断のもと、東京オリンピックをぜひ実現したいと考えております。二十一世紀型の新しい都市モデルを世界に発信する、世界一コンパクトな大会、環境フレンドリーな大会など、今回提示された基本コンセプトは、我々がかねてより主張していた都市の世紀、環境の世紀であるこの二十一世紀に最もふさわしいオリンピックの姿であり、我々の考え方と軌を一にするものであります。
 また、国際的な都市間競争におくれをとることなく、東京においても二十一世紀にふさわしい都市の姿を再構築する必要もあるのであります。
 もとよりオリンピックは、世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典です。世界は今、予期せぬ大規模災害の発生や、文明の衝突ともいうべき紛争の続発に絶えずさらされていますが、東京は関東大震災という大災害と、東京大空襲という未曾有の戦災から、二度までも不死鳥のごとく立ち直った歴史を持っております。そして、この六十年間一度も戦火を交えていない、世界に誇るべき平和国家日本の首都として、その存在感を示しております。
 オリンピック憲章のもと、我々東京都議会は、今後とも知事と二人三脚でオリンピックの東京招致に全力で取り組んでいく決意を表明し、趣旨説明とさせていただきます。(拍手)

○議長(川島忠一君)以上をもって趣旨説明は終わりました。

○議長(川島忠一君)これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 八十二番松村友昭君。
   〔八十二番松村友昭君登壇〕

○八十二番(松村友昭君)日本共産党都議団を代表して、東京オリンピック招致決議に反対する立場から討論を行います。
 我が党のオリンピックに関する基本的立場を表明しておきます。
 我が党は、世界の人々がスポーツを通じて交流する平和の祭典としてのオリンピックそのものに反対するものではありません。しかし、オリンピックが巨大開発の口実とされたり、環境破壊につながるような計画とセットとされるのであれば、招致には賛成できません。
 この間の知事の一連の発言は、東京オリンピック招致が大型開発のてことされ、都民と都財政に深刻な影響を及ぼす危険を明白に示しています。今定例会の施政方針演説では、オリンピックに向けたインフラ整備について、幹線道路ネットワークなどの広域的な交通基盤の集中的整備、羽田空港の再拡張・国際化、横田基地の軍民共用化による空のアクセスの拡充を進めることを表明しました。加えて、本会議質問に答えて、首都圏三環状道路や都内の骨格幹線道路などを、十年後のオリンピックを目指して集中的に整備を進めると、さらに踏み込んだ答弁を行いました。
 知事が例示した首都圏三環状道路についていえば、圏央道では、都は毎年数百億円の直轄事業負担金を支出しており、都が直接建設に当たる首都高速道路中央環状品川線は、一千億円以上の都負担が予定されているものです。また、外かく環状道路の整備は、本体だけでも一兆三千億円の事業費が予定されています。
 その外環道は、先月、全国の高速道路の整備計画を決定した国土開発幹線自動車道建設会議の検討路線にのっていない路線であります。国ですら検討路線にものせていない道路を、オリンピックに間に合わせるといって、前倒ししてまで建設するということになれば、都がこれまで以上に巨額の税金を投入することは避けられなくなります。
 さらに知事は、マスコミのインタビューに答えて、道路工事など、さまざまな分野でアクセルがかかる、羽田と築地市場跡地をターミナルにして地下道路をつくると述べています。羽田と築地を結ぶほぼ十キロの地下道路を建設するとなれば、一キロ一千億円かかった首都高速道路新宿線の経費で計算すると、それこそ一兆円規模の大工事になることが予想されます。大体、三十年後も七兆円規模の借金を抱えることが見込まれている東京都のどこにそんな余裕があるというのですか。
 都が昨年十一月に発表した「人口減少社会における都財政運営のあり方」は、高度成長期に形成された社会資本ストックの維持更新経費が大幅に増加する一方、人口の減少により社会資本ストックを形成する能力は低下する、漫然と支出を続けていけば財政の破綻は免れないと警告しているではありませんか。
 知事は、オリンピック招致を表明した当初から、みずからが氏子総代を務める明治神宮周辺の大再開発にも言及しており、電通が再開発プランを持って大手ゼネコンなどを訪問していることも報道されています。知事の考えるオリンピックは巨大な開発と一体となったもので、都財政への影響の点でも、環境への負荷の点でも、コンパクトにほど遠いものといわざるを得ません。知事は、世界一コンパクトな大会を提言している、これでご判断をと述べましたが、本来、コンパクトというのであれば、開催施設だけでなく、道路などインフラ整備や再開発を含め、コンパクトで都民の負担が軽く、環境においても負荷をもたらさないものでなければなりません。
 一千億円のオリンピック基金も、結局のところ、こうした大型開発のためのため込みにほかならないことは明らかです。都民には福祉を切り捨て、犠牲を押しつけておきながら、オリンピックを口実に、不要不急の大型事業には大盤振る舞いをすることは許されません。
 オリンピック開催という大事業の準備を、都民の意見も聞かず、秘密裏に進めていることも重大です。この間都が公にした資料は、東京オリンピック基本構想懇談会の報告と、二〇一六年東京オリンピック主要関係施設検討候補地図だけで、我が党が要求している懇談会の議事録や提出資料、都が電通に委託した調査、開催経費の試算など、オリンピック招致の是非を検討する上で不可欠の資料を公にすることを拒み続けています。全く道理のない、不誠実きわまりない姿勢といわざるを得ません。
 私は昨年、いち早く市議会がオリンピック招致を決議した札幌市を訪ねて、オリンピック招致について調査してきましたが、札幌市は、札幌で開催する場合の経費を試算し、開催経費が一兆八千三百二十八億円、うち札幌市の負担が二千五百五十億円もかかることを市報で全市民に知らせています。その上で市民アンケートを行い、賛否がともに三分の一という結果を受けて、市の財政状況も勘案し、市長が開催見送りを表明したのです。
 また、福岡市でも、開催概要計画を公表し、市民からの意見を求めており、秘密主義を貫く東京都とは大違いです。オリンピック招致にかかわるすべての資料を公にすることを強く求めるものです。
 知事、オリンピックは平和の祭典と呼ばれているように、オリンピック憲章の平和の基本理念の実現や国際交流に貢献できるものでなければなりません。とりわけ東アジアの平和と連帯に貢献することは欠かせません。しかし、知事はこれまで、オリンピック憲章やオリンピックの根本精神である平和について、一言も言及しようとしないことも重大です。
 私たちは、オリンピック招致をめぐるさまざまな問題について、都民の皆さんとともに厳しくチェックしていくことを申し述べて、討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君)百二十番相川博君。
   〔百二十番相川博君登壇〕

○百二十番(相川博君)都議会民主党を代表して、本招致決議に賛成の立場から討論を行います。
 本決議は、昭和三十九年の東京オリンピックから半世紀たった二〇一六年に、再びスポーツの祭典であるオリンピック競技大会を東京に招致しようというものであります。
 この大会招致に関して、私たち民主党は、再三、都に対して、大会の理念、開催計画など、オリンピックの全体像を議会に対して早急に開示、説明するよう求めてまいりました。知事も記者会見で、代表質問もあるし、一般質問もあるし、予算特別委員会もあるんだから、関心あるなら質問をされて、こちらもできるだけ懇切丁寧に答えますよと、我々議会側への配慮を示されました。
 先週行われた代表質問では、我が会派の柿沢政調会長が、コンパクトオリンピックという言葉の意味を問わせていただきましたが、知事が、東京オリンピックの開催に際して新規に土地を購入する必要は全くないと答弁されるなど、具体的な内容に踏み込んだ答弁がありました。そこで、都議会民主党は、今定例会最大のテーマであるオリンピックについて、今後、予算特別委員会等の場において、大いに議論をしていく準備をしていたのであります。
 しかしながら、都議会は、この第一回定例会半ばの中途議決日において都議会の総意を決するという判断をいたしました。五十年ぶりのオリンピック招致決議、まさに歴史的な議決を行うに当たって、中途議決日の本会議というこのタイミングがふさわしかったのかどうか、十分な議論を行い、より多くの賛同を得た上で招致決議を行うべきであったのではないかと考えていることを、あえて最初に申し上げておきたいと思います。
 本日の招致決議に先立って、都議会民主党は、石原知事に対する六項目の申し入れを行いました。
 その内容は、一、国際社会に向けたメッセージを明確にすること、二、アジアに開かれたオリンピックとすること、三、招致と開催に伴う財政的な見通しについて、可能な限り早急に明らかにすること、四、オリンピックを理由とした過大な社会資本整備は行わないこと、五、広範なアンケートを行うなど、都民への説明責任を果たすこと、六、閣議了解を初め、招致から開催に至るまで、国や関係自治体、民間の全面的バックアップを得ること、この六点であります。
 とりわけ財政的な見通しを明らかにすることは重要であると思います。私たちがオリンピックの話をすると、必ず聞かれるのがこの財政面の懸念であります。
 昭和三十九年の東京オリンピックの開催経費は一兆八百億円であり、当時の物価は現在の約十分の一であることから、オリンピックの開催に伴う財政支出は数兆円規模の莫大なものになることが予想されます。ほかの会派への答弁のように、それなりの額と答えて事足れりとするわけにはいかず、ここにも説明責任が求められるはずであります。
 ことし六月の開催概要計画書の提出を待たずとも、ある程度の財政計画がまとまった時点で、議会にも都民にも公表すべきであります。その点が不明確であることが、都民、国民がオリンピック招致に懐疑的となる理由ともなっています。
 明確な財政見通しの提示がない限り、オリンピック招致に対する都民の理解と賛同は得られないだろうということをあえて申し上げておきます。
 さて、都議会民主党では、昨日、JOCの中森オリンピック招致推進室長をお招きし、オリンピックの招致と開催の実際について詳しくお聞きしました。
 中森さんによれば、招致の成功のために一番アピールすべきことはコンセプトであり、なぜ日本で、そしてなぜ再び東京なのかを知事が明確に答えなければならない、そして、それは必ず英語かフランス語でなければならないと話していました。
 二〇一二年をかち取ったロンドンの最終プレゼンテーションでは、イギリスの顔であるブレア首相があえてフランス語で語りかけたことが功を奏したともいわれています。知事にもフランス語を猛特訓していただかなければなりませんが、それ以上に国際社会に通用する東京のコンセプトづくりが重要であります。
 オリンピックとは平和運動であるとの中森さんの言葉をかりれば、そのコンセプトとは、世界の平和に日本、そして東京がどのように貢献するのかを示すものでなければなりません。
 都議会民主党の代表質問に対して、基本構想懇談会の報告書の内容が十全のものとは思っていないという知事の答弁がありましたが、今後、都庁の内外からさまざまな英知を集めて、東京のコンセプトづくりに鋭意取り組まれるよう求めておきます。
 このオリンピックは石原知事がいい出したことですが、しかし、決して石原オリンピックであってはならないと思います。石原知事の強い発信力に頼り過ぎることなく、都が国際社会に向けた普遍的なメッセージを掲げ、世界に発信していくこと、とにかく招致に乗り出すからには、それを成功させ、すべての人が開催してよかったと評価するオリンピックにしなければなりません。いたずらに大規模開発に走り、後の世代に多大なツケを残すようなオリンピックであってはならないのです。
 こうした都議会民主党の申し入れに対して、横山副知事は、真摯に受けとめる、都も議会と話しながら、よい計画をつくっていきたいと答えました。都が申し入れの趣旨を尊重し、今後の計画を策定していくという意向を示したことで、今回の招致決議については、いまだ議論半ばの状況ではあるものの、賛成することといたしました。
 都議会第二党の私たちが賛成しなかったときの与える影響の大きさを考えての判断であることを十分にご認識をいただきたいと思います。オリンピックの全体像はいまだ明らかではありませんし、十分な判断材料をもって決断をできる状況にはありませんが、今後の都議会等における議論の深まりに期待し、さらにこれから私たちも主体的に意見や注文をつけていくことを申し上げて、都議会民主党の討論を終わります。(拍手)

○議長(川島忠一君)十番原田恭子さん。
   〔十番原田恭子君登壇〕

○十番(原田恭子君)私は、都議会生活者ネットワークを代表して、第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案に反対する立場から討論を行います。
 昨年九月の本会議で、前回の東京オリンピックから四十年余り経過し、この成熟した都市の姿を世界に示し、改めて日本の存在をアピールする絶好の機会であるとして突然表明されました。オリンピック招致については、石原知事自身が再三語られているように、オリンピックの成功をもう一度という極めて個人的な思い入れが強いものです。
 表明から七カ月余、まだ計画の全貌、その事業費も明らかになっていません。議会としても、なぜ今、東京に二度目のオリンピックを招致するかという都民への説明もまだまだ不十分です。
 その上、二〇一三年には国体が多摩地域を中心に開かれる予定となっており、東京での開催に固執することは、一極集中をさらに加速することともなります。しかも、巨大イベントを短期間に相次いで開催することは巨額の税金を投入することにつながり、やっと改善の兆しが見えた東京都の財政も、またもや危機を招きます。
 大きな財政負担が将来世代への負の遺産となることは避けなければなりません。
 知事のいう低成長で質のいい成熟社会を目指すならば、持続可能な発展こそ賢明な選択で、オリンピック開催に向けた市民不在の急テンポの開発は、都市像そのものをゆがめてしまいます。大規模イベントで都市再生や求心力を高めようとする考えは、もはや時代おくれの発想といわざるを得ません。
 また、招致決議文にある、世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典という位置づけには同感するものですが、東京オリンピック開催準備基金一千億円を積み立て、招致を有利に進めようとしていること自体が、内外に東京の持つ力を誇示する手法であり、海外の国々との共存を前提とした平和や人権をベースとした人類の祭典をつくろうとする趣旨と矛盾するものと映ってしまいます。
 国内では、福岡市が立候補の意思を示していますが、むしろ開催したことのない国や都市にこそチャンスを与えるべきです。
 都議会生活者ネットワークとしては、東京でオリンピックを開催する意義を見出すことができず、東京オリンピックの招致決議には反対します。
 今なすべきことは、日本ばかりでなく世界最大の自治体として、その公共の視点に立ち、都議会としての見識を示すべきであることを強調し、生活者ネットワークの討論とします。ありがとうございました。(拍手)

○議長(川島忠一君)十九番高倉良生君。
   〔十九番高倉良生君登壇〕

○十九番(高倉良生君)私は、都議会公明党を代表し、ただいま上程されました第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案に賛成の立場から討論を行います。
 昨年八月に知事がオリンピック招致の意向を示し、これを受けて公明党は、九月の第三回定例会において直ちに賛同の立場を表明し、さらに今定例会でも知事の提案に対して重ねて賛成の意向を表明しました。
 その理由は、今再び東京オリンピックの開催を目指すことは、成熟都市東京を創造し、その姿を世界じゅうの人々に見てもらうとともに、成長し続ける東京の姿を世界にアピールする絶好のチャンスであると判断したからであります。
 改めていうまでもなく、オリンピックは世界最大のスポーツ、文化の祭典であります。オリンピックに集うトップアスリートたちが競い合う研ぎ澄まされた技、そこに至るまでの想像を絶する努力、それらがあやなす幾多のシーンが世界の人々に大きな感動を与えてきました。
 同時に、開催都市を舞台に繰り広げられる地球市民の交流は、人種、文化、宗教の違いを超えた相互理解を広げ、世界全体の友好親善に大きく貢献してきたことは紛れもない事実であります。
 加えて、前回の東京オリンピックは、戦後の廃墟から立ち上がり、高度成長へ向かう東京の都市づくりのスタートになりました。そして、次回のオリンピックは、世界の諸都市が共通に抱える諸課題に立ち向かい、環境都市東京、福祉都市東京、防災都市東京を築く絶好の機会とすべきであります。
 オリンピック招致に関しては、巨大開発の口実にされ、環境破壊につながる懸念があるとか、都市インフラへの過大な投資は経済発展につながらず、かえって負担となるといった否定的な意見が出されました。しかし、より重要なことは、そうさせないための積極的なアプローチを行うことであります。
 知事は、膨大な都市施設のストックを有効に活用するとともに、我が国の高度な技術力や多様な歴史文化の蓄積とスポーツとを組み合わせ、日本ならではの全く新しい価値観を提示するとし、東京に集積している既存施設などの有効活用により、環境への影響や選手への負担などを極力抑えたコンパクトな大会を目指す考えを表明しております。
 知事が表明した、このような決意を正面から受けとめ、そしてそれを実現するために、議会としても強力な取り組みを行うことが今、最も必要なことであります。過去の失敗例をあげつらうことに終始せず、むしろ我々はこれまでの大会で浮き彫りとなった課題の解決策を示し、その有効性を証明してみせる大会にするという未来志向の発想に立脚すべきであります。
 それが、東京のみならず、世界をリードする世界都市東京の使命であると確信するものであります。
 さらに一言つけ加えれば、共産党のように、ここに上程されている東京招致に関する決議案に反対するということは、大会終了後にオリンピックで使用された最高水準の施設を使い、オリンピックとセットで行われる障害者のスポーツの祭典であるパラリンピックの招致、開催にも反対するということになります。オリンピック招致は、パラリンピックを東京で開催するという意義も踏まえて判断すべきです。
 いずれにしても、今後は都議会と執行機関が車の両輪となって強力な推進力を発揮し、都民、さらには国民全体の大きな機運の盛り上がりを形成していく必要があります。
 公明党は、第三十一回オリンピック競技大会の東京招致の実現を目指し、あらゆる角度から努力を傾注していくことを表明し、決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)

○議長(川島忠一君)以上をもって討論を終了いたします。

○議長(川島忠一君)これより採決に入ります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(川島忠一君)起立多数と認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。

○議長(川島忠一君)お諮りいたします。
 明九日から二十九日まで二十一日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川島忠一君)ご異議なしと認めます。よって明九日から二十九日まで二十一日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月三十日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時二十四分散会

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