平成十七年東京都議会会議録第五号

平成十七年三月九日(水曜日)
 出席議員(百十五名)
一番谷村 孝彦君
二番東村 邦浩君
三番村上 英子君
四番秋田 一郎君
五番矢島 千秋君
六番鳩山 太郎君
七番後藤 雄一君
八番福士 敬子君
九番林  知二君
十番伊沢けい子君
十二番相川  博君
十三番山下 太郎君
十五番河野百合恵君
十六番長橋 桂一君
十七番小磯 善彦君
十八番野上じゅん子君
二十一番高橋かずみ君
二十二番山加 朱美君
二十三番小美濃安弘君
二十四番吉原  修君
二十五番山田 忠昭君
二十六番臼井  孝君
二十七番林田  武君
二十九番山口 文江君
三十番柿沢 未途君
三十一番初鹿 明博君
三十二番酒井 大史君
三十三番清水ひで子君
三十四番かち佳代子君
三十五番小松 恭子君
三十六番東野 秀平君
三十七番藤井  一君
三十八番ともとし春久君
四十一番野島 善司君
四十二番真鍋よしゆき君
四十三番松原 忠義君
四十四番田代ひろし君
四十五番三宅 茂樹君
四十六番川井しげお君
四十七番鈴木 一光君
四十八番吉野 利明君
四十九番こいそ 明君
五十番執印真智子君
五十一番花輪ともふみ君
五十二番真木  茂君
五十三番大津 浩子君
五十四番大塚 隆朗君
五十六番古館 和憲君
五十七番松村 友昭君
五十八番丸茂 勇夫君
五十九番木内 良明君
六十番鈴木貫太郎君
六十一番森田 安孝君
六十二番石川 芳昭君
六十三番土持 正豊君
六十四番倉林 辰雄君
六十五番遠藤  衛君
六十六番鈴木あきまさ君
六十七番近藤やよい君
六十八番串田 克巳君
六十九番中屋 文孝君
七十番三原 將嗣君
七十一番樺山たかし君
七十二番田島 和明君
七十三番宮崎  章君
七十四番大西由紀子君
七十五番樋口ゆうこ君
七十六番中村 明彦君
七十七番馬場 裕子君
七十八番和田 宗春君
八十番大山とも子君
八十一番東ひろたか君
八十二番池田 梅夫君
八十三番中山 秀雄君
八十四番大木田 守君
八十五番前島信次郎君
八十六番桜井良之助君
八十七番新藤 義彦君
八十八番星野 篤功君
八十九番いなば真一君
九十番高島なおき君
九十一番服部ゆくお君
九十二番古賀 俊昭君
九十三番山本賢太郎君
九十四番立石 晴康君
九十五番清原錬太郎君
九十六番小山 敏雄君
九十七番大山  均君
九十八番大河原雅子君
九十九番田中  良君
百番小林 正則君
百一番藤川 隆則君
百三番曽根はじめ君
百四番渡辺 康信君
百五番秋田かくお君
百六番中嶋 義雄君
百七番石井 義修君
百八番橋本辰二郎君
百九番藤井 富雄君
百十番桜井  武君
百十一番野田 和男君
百十二番野村 有信君
百十三番比留間敏夫君
百十四番大西 英男君
百十五番山崎 孝明君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番田中 晃三君
百二十一番藤田 愛子君
百二十二番尾崎 正一君
百二十四番富田 俊正君
百二十五番名取 憲彦君
百二十七番木村 陽治君

 欠席議員(三名)
十一番   新井美沙子君
百二十三番 土屋たかゆき君
百二十六番 吉田 信夫君
 欠員
 十四番 十九番  二十番
二十八番 三十九番 四十番
五十五番 七十九番 百二番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事福永 正通君
副知事濱渦 武生君
副知事大塚 俊郎君
副知事竹花  豊君
出納長櫻井  巖君
教育長横山 洋吉君
知事本局長前川 燿男君
総務局長赤星 經昭君
財務局長松澤 敏夫君
警視総監奥村萬壽雄君
主税局長山口 一久君
生活文化局長山内 隆夫君
都市整備局長梶山  修君
環境局長平井 健一君
産業労働局長関谷 保夫君
建設局長岩永  勉君
港湾局長成田  浩君
交通局長松尾  均君
水道局長高橋  功君
消防総監白谷 祐二君
福祉保健局長幸田 昭一君
下水道局長二村 保宏君
大学管理本部長村山 寛司君
病院経営本部長押元  洋君
中央卸売市場長森澤 正範君
新銀行設立本部長津島 隆一君
選挙管理委員会事務局長高橋 和志君
人事委員会事務局長佐藤  広君
労働委員会事務局長久保田経三君
監査事務局長高橋 道晴君
収用委員会事務局長嶋津 隆文君

三月九日議事日程第五号
第一 第百三十七号議案
平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第二 第百三十一号議案
平成十六年度新海面処分場Gブロック西側護岸(二重鋼管矢板式)建設工事(その一)請負契約
第三 第百三十二号議案
平成十六年度新海面処分場Gブロック西側護岸(二重鋼管矢板式)建設工事(その二)請負契約
第四 第百四十三号議案
平成十六年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
第五 第百四十四号議案
平成十六年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)
第六 第百三十九号議案
平成十六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第七 第百四十二号議案
平成十六年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第八 第百四十一号議案
平成十六年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
第九 第百三十五号議案
平成十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第十 第三十一号議案
平成十六年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第十一 第百三十八号議案
平成十六年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第十二 第百二十六号議案
都営住宅十六H―一〇七東(百人町四丁目第四)工事請負契約
第十三 第百二十七号議案
都営住宅十六H―一〇三東(板橋清水町)工事請負契約
第十四 第百二十八号議案
警視庁小岩警察署庁舎(H十六)改築工事(その二)請負契約
第十五 第百二十九号議案
警視庁三田警察署庁舎(H十六)改築工事(その二)請負契約
第十六 第百三十号議案
警視庁有家族待機宿舎三田住宅(仮称)(H十六)新築工事(その二)請負契約
第十七 第百四十号議案
平成十六年度東京都都営住宅等事業会計補正予算(第一号)
第十八 第百四十五号議案
平成十六年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第十九 諮問第一号
地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問について
委員会審査報告

議事日程第五号追加の一
第一 東京都監査委員の選任の同意について(一六財主議第六一八号)
第二 議員提出議案第一号
東京都議会議会局条例の一部を改正する条例
第三 議員提出議案第二号
東京都重度要介護高齢者手当に関する条例
第四 議員提出議案第三号
老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第五 議員辞職の件

   午後一時一分開議

○議長(内田茂君) これより本日の会議を開きます。

○議長(内田茂君) この際、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議会局条例の一部を改正する条例外条例二件、知事より、東京都監査委員の選任の同意についてがそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(内田茂君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十九まで、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)外議案十七件、諮問一件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出―総務委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
         総務委員長 中村 明彦
 東京都議会議長 内田  茂殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月七日
         財政委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 内田  茂殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出―都市整備委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
       都市整備委員長 和田 宗春
 東京都議会議長 内田  茂殿

   厚生委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出―厚生委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
         厚生委員長 前島信次郎
 東京都議会議長 内田  茂殿

   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出
   繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
      経済・港湾委員長 野島 善司
 東京都議会議長 内田  茂殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 環境・建設委員会所管分
債務負担行為
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
      環境・建設委員長 林田  武
 東京都議会議長 内田  茂殿

   警察・消防委員会議案審査報告書
 第百三十七号議案
  平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   債務負担行為―警察・消防委員会所管分
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
      警察・消防委員長 こいそ 明
 東京都議会議長 内田  茂殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十一号議案
  平成十六年度新海面処分場Gブロック西側護岸(二重鋼管矢板式)建設工事(その一)請負契約
 第百三十二号議案
  平成十六年度新海面処分場Gブロック西側護岸(二重鋼管矢板式)建設工事(その二)請負契約
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月七日
         財政委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 内田  茂殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百四十三号議案
  平成十六年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
       都市整備委員長 和田 宗春
 東京都議会議長 内田  茂殿

   公営企業委員会議案審査報告書
 第百四十四号議案
  平成十六年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)
 第百四十五号議案
  平成十六年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
       公営企業委員長 大木田 守
 東京都議会議長 内田  茂殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百三十九号議案
  平成十六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
 第百四十二号議案
  平成十六年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月七日
         財政委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 内田  茂殿

   都市整備委員会議案審査報告書
 第百四十号議案
  平成十六年度東京都都営住宅等事業会計補正予算(第一号)
 第百四十一号議案
  平成十六年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
       都市整備委員長 和田 宗春
 東京都議会議長 内田  茂殿

   環境・建設委員会議案審査報告書
 第百三十五号議案
  平成十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
      環境・建設委員長 林田  武
 東京都議会議長 内田  茂殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十一号議案
  平成十六年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
         総務委員長 中村 明彦
 東京都議会議長 内田  茂殿

   総務委員会議案審査報告書
 第百三十八号議案
  平成十六年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
         総務委員長 中村 明彦
 東京都議会議長 内田  茂殿

   財政委員会議案審査報告書
 第百二十六号議案
  都営住宅十六H―一〇七東(百人町四丁目第四)工事請負契約
 第百二十七号議案
  都営住宅十六H―一〇三東(板橋清水町)工事請負契約
 第百二十八号議案
  警視庁小岩警察署庁舎(H十六)改築工事(その二)請負契約
 第百二十九号議案
  警視庁三田警察署庁舎(H十六)改築工事(その二)請負契約
 第百三十号議案
  警視庁有家族待機宿舎三田住宅(仮称)(H十六)新築工事(その二)請負契約
 本委員会は、三月三日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月七日
         財政委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 内田  茂殿

   厚生委員会諮問審査報告書
 諮問第一号
  地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問について
 本委員会は、三月三日付託された右諮問を審査の結果、棄却すべき旨答申すべきものと決定したので報告します。
  平成十七年三月四日
         厚生委員長 前島信次郎
 東京都議会議長 内田  茂殿

○議長(内田茂君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 八十一番東ひろたか君。
   〔八十一番東ひろたか君登壇〕

○八十一番(東ひろたか君) 私は、日本共産党都議団を代表して、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算外四議案に反対する立場から討論を行います。
 知事が提案した補正予算案は、増収となった二千八百億円を超える都税収入を、減債基金と財政調整基金に積み立てを行い、加えて、五百三十九億円の都債を新たに発行して、都市再生のための大型公共事業に投資するというものです。
 補正予算案の最大の問題は、多くの都民が小泉政権のもとでの七兆円の負担増に苦しめられ、都民施策の拡充を切実に求めているときに、温かい手を差し伸べるのではなく、逆に冷たく突き放そうとしていることです。補正予算案には、福祉の予算も、教育の予算も、中小企業の予算も一円も見当たりません。
 その一方で、都市再生には、新たに借金の積み増しをしてまで予算を確保しています。その内容も、本来東京都が負担する必要のない国直轄事業負担金などが中心で、うち首都圏中央連絡道路と国道二〇号線の直轄事業費負担金だけで、当初予算の何と三・八倍、二百二十億円も予算が計上されているのです。これでは、住民の福祉の増進という自治体の本来の使命を忘れた予算案といわざるを得ないではありませんか。
 また、都は、都税の増収分を減債基金などに積み立てることについて、都財政の体力回復を図ることの必要を挙げています。都財政立て直しのために必要な積み立てを行うことは当然としても、借金財政の最大の原因である都市再生を中心とした投資の見直しに踏み出すことなしに、本当の体力の回復などあり得ないではありませんか。
 ちなみに、知事は、投資経費を毎年一兆円規模に高どまりさせ、借金も過去最高の七兆円規模に拡大させてきました。補正予算についても、昨年度までの五年間で組まれた一兆二千六百億円のうち、借金返済に充てられたのはわずか六・五%、八百億円にすぎなかったのです。逆に、都市再生には、何と四五%の五千七百億円がつぎ込まれました。この都市再生予算を借金返済に充てるだけでも、いわゆる隠れ借金は半減させることができたのです。それをしないでおいて都民にだけ我慢を強いるというのは、到底認められるものではありません。
 本気で都財政の体力回復を図るというのであれば、何をおいても、都財政を圧迫している投資経費にメスを入れ、不要不急の公共事業や、本来都が負担すべきでない国直轄事業負担金や首都高速道路公団への投資などの改革に、真っ先に取り組むべきであります。
 そもそも今年度の当初予算は、巨額の財源不足を理由に、あらゆる都民施策の聖域なしの見直しと、直営のサービスからの撤退を全面的に進めようとするものでした。したがって、補正予算の編成に当たっては、増収となった都税と合わせ、当初予算にさかのぼって大型公共事業などの見直すべきものは見直しを行い、都財政の立て直しと高齢者福祉、少子化対策、三十人学級、中小企業支援など、都民要望の実現に努めるべきことを強く指摘しておくものです。
 石原知事の政治姿勢について一言申し述べておきます。
 今議会の一般質問で我が党が、知事の女性べっ視発言について、東京地裁の判決を踏まえて、発言の撤回と謝罪を求めたのに対して、知事は、あの裁判はおかしい、どうして人の言葉を引用したものが私の発言になるんですかなどといって開き直りました。
 しかし判決は、知事の発言は知事個人の見解ないし意見を表明したと認めるのが相当、知事の要職にある者の発言としては不用意であったと、はっきりと認定しているではありませんか。
 そもそも、一方の当事者である松井教授自身、石原氏の発言を見ると、私のいっていることとは全く逆のこと、私はこういういい方はどこでもしたことはないと明確に否定しているのですから、知事が潔く非を認め、発言の撤回と謝罪を行うよう、重ねて求めておくものです。
 また知事は、防災問題での質問に対する答弁の中で、突然、質問とは関係のない発言を行い、九月一日の防災訓練に当たって、陸・海・空三軍による大演習を実施すると発言したことは極めて重大です。
 そもそも、毎年九月一日に行われている防災訓練は、八十三年前の関東大震災の苦い教訓から、東京都と関係自治体、消防庁、警視庁、住民団体、関係団体の参加で実施されているもので、必要な範囲で自衛隊の参加を求めるにしても、陸・海・空三軍による大演習などは、防災訓練とは無縁のものです。自衛隊を殊さら軍隊扱いし、三軍などと表現すること自体、武力の放棄を定めた憲法を否定するもので、憲法の尊重擁護義務を負う都知事として、絶対に認められないものであります。
 知事が、我が党の事実に基づいた質問に対して、デマゴーグだ、共産的な典型的なやり口などと、我が党を中傷、侮辱する発言を行ったことは、断じて許されるものではありません。謝罪と発言の撤回を強く求めるものです。
 また、知事は、あなた方の意見を聞きたいなどと発言しましたが、本来、知事や理事者には、議員の質問に真摯に答えることが求められているのであって、議員への質問権はないのであります。繰り返し知事の不見識を厳しく指摘しておくものです。
 日本共産党は、このような知事の憲法と民主主義否定の特定の立場の都政への持ち込みを許さないために、引き続き全力を尽くすことを表明して、私の討論を終わります。(拍手)

○議長(内田茂君) 四番秋田一郎君。
   〔四番秋田一郎君登壇〕

○四番(秋田一郎君) 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、第百三十七号議案、平成十六年度一般会計補正予算を初め、本日の本会議において議決される全議案に賛成の立場から討論を行います。
 平成十六年度一般会計補正予算について申し上げます。
 都民は今、大きな不安を感じながら生活を送っています。昨年、日本を襲った台風や地震などの自然災害は、貴重な財産を一瞬にして瓦れきに変えてしまう惨状を、私たちにまざまざと見せつけました。
 さらに、そう遠くない将来に到来するといわれている首都直下地震の被害想定が先日発表されました。その想定によれば、避難者は七百万人、経済被害は百十二兆円にも及ぶというものであります。
 また、税収の十二年分にも相当する五百三十八兆円もの借金を抱え呻吟している国家財政に対して、国はその解消の道筋すら示すことができずにいます。これほどの莫大な借金は、将来の税や年金、医療など国民負担として、特に若い世代にとって重くのしかかってきます。こうした状況の中、都民は、将来に対して不安ばかりを募らせているというのが現状ではないでしょうか。
 都民が今、真に求めているのは、明るい、希望を持てる社会であります。家族や隣人、友人とともに、安心して生活できる社会、活力ある明るい社会を心から求めているのであります。東京を、そして日本を活力のある、安心して暮らせる社会に再生することこそが、今、我々が最優先で取り組まなければならない課題であります。
 そうした中、今回提出された補正予算は、厳しい財政状況であるにもかかわらず、回復路線に歩みを踏み始めた東京の経済を力強い回復基調に導くとともに、東京の再生を進める取り組みや自然災害への備えなど、都民が切望している施策を積極的に展開しております。
 事業内容を見ても、都市再生としては、街路、河川の整備や都市交通基盤の整備、また、自然災害への備えとしては、防災公園の整備や島しょの災害復旧など、いずれも緊急かつ重要なものばかりです。
 しかしながら、日本共産党は、都市再生事業の意義や効果を全く理解しようとせず、石原都知事は都市再生のための無謀な財政運営を行っている、石原都政は都市再生に集中的な投資を行い、借金ばかりふやしていると、極めて一面的かつ偏見に満ちた主張を繰り返しております。
 今、都市基盤整備を着実に進めなければ、将来の躍動的な首都東京は構築されません。都民生活に大きな支障を及ぼすだけではなく、経済活動は停滞し、日本の金融、生産、物流機能は劣化し、日本経済も再び低迷してしまうことは明らかであります。
 都市基盤の整備は、産業の活性化や国際競争力の強化につながるばかりでなく、都市環境の改善や防災機能の向上などを通して、都民生活の質の向上にも大きく寄与するものであります。
 都市再生イコール悪とする短絡的な日本共産党の主張は、全く視野の狭い、バランスを欠いたものであることは明白であります。日本共産党が国民の暮らしを守ることを標榜するのであれば、自分の殻に閉じこもり、短絡的、一面的な、仲間内だけで通用する主張を振りかざすのではなく、広く都民や産業界などの声にも真摯に耳を傾け、幅広い視点で物事を判断するべきではないのでしょうか。
 また、本補正予算では、都市再生や災害対策などの都政の緊急課題に積極的に取り組む一方で、増加した都税収入を利用して、減債基金の積立不足を圧縮し、底をついていた財政調整基金の残高を回復させるなど、将来の財政運営を見据え、財政の体力回復にも取り組んでおります。
 都債の償還財源の計画的かつ安定的な確保という重要な役割を果たす減債基金、また、短期的な税収の増減や、突発的な財政需要に対応するための財政調整基金は、安定的な財政運営に不可欠なものであります。これまで我々は、両基金への積み立てを初めとする、都財政の体力回復の必要性を強く主張してまいりました。
 財政再建、財政の体力回復と言葉でいうことは簡単であります。しかし、このことを実際に行うことには多くの困難が伴います。これまで我々は、知事とともにこの困難に立ち向かってまいりました。貴重な増収分をむやみに使うのではなく、将来に備えて基金に積み立てる今回の措置は、時宜にかなった適切な判断であるとともに、知事の財政構造改革に向けた強い決意のあらわれであると評価いたしたいと思います。
 都財政の構造改革は、まだ完成したわけではありません。我々は、今後とも、都政における責任政党として、知事とともに、財政構造改革にしっかりと取り組んでまいります。
 以上、我が党は、今まで申し上げたように、本補正予算など全議案に賛成をいたします。
 第一回定例会も、きょうで前半戦が終了し、今週の金曜日からは予算特別委員会での十七年度予算の本格的な審議が開始されます。予算特別委員会の審議においては、日本共産党の皆さんも、ぜひとも、毎度毎度のかわりばえのしない後ろ向きの議論ばかりするのではなく、都議会という大舞台にふさわしい議論を展開していただきたいと思います。
 我々東京都議会自由民主党は、十七年度予算が、東京の、そして日本の明るい未来へのかけ橋となるように、前向きで積極的な議論を展開することを改めて申し上げて、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(内田茂君) 六十番鈴木貫太郎君。
   〔六十番鈴木貫太郎君登壇〕

○六十番(鈴木貫太郎君) 私は、都議会公明党を代表いたしまして、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算を初め、すべての議案に賛成の立場から討論を行ってまいります。
 今回の補正予算の特徴は、第一に、景気の回復基調を反映して増収となった都税収入を最大限に活用して、喫緊の課題である災害対策や東京の重要課題でもある都市再生事業の分野に積極的に財源を配分した内容となっており、大変に時宜にかなったものであります。第二に、税収増を思い切って都財政の体力回復に投入するという決断を反映した予算でもあります。
 こうした今回の判断は、着実に財政再建を推進してきた我が党の意向に沿うものであり、高く評価をいたすものであります。税の増収は予算執行のためにすべて使い切ってしまえなどとする日本共産党の主張は、財政の基本もイロハも知らない、全くの暴論なのでありましょう。
 補正予算の具体的な内容についてでありますが、歳出面について見れば、広域的な防災拠点である江東区の有明の丘防災公園の整備促進、三宅島災害復旧対策、加えて、韓国での地下鉄火災を教訓とした地下駅火災対策のために、避難通路、排煙設備対策を盛り込んでいる点であります。
 また、区部の環状道路、首都高速中央環状新宿線など、都市再生のための交通基盤整備を着実に実施、加えて、地下鉄駅でのエスカレーター、エレベーター設置工事などの一層のバリアフリー化を進めている内容でもあります。
 さらに、元町港や若郷漁港など伊豆諸島の港湾、漁港についても着実に整備を進めるなど、都民生活にとって必要不可欠なものばかりであり、地域に密着した生活関連社会資本整備の事業を盛り込んだ予算となっております。
 しかも、こうした都市再生の社会資本整備は、都の重点課題解決を図りながら、生活関連公共事業の促進による中小企業への景気波及効果も絶大であることを、この際申し上げるものであります。
 都財政の体力回復の面では、いわゆる隠れ借金の一部である減債基金への積立不足を六百十二億円解消するとともに、将来への不測の事態に備えた財政調整基金を大幅に積み立てているのであります。このことは、昨年十二月、旧日本興業銀行訴訟で都税の還付等のために必要となった六百四十億円の巨額の支払いに、まさにこの財政調整基金を活用できたことをとってみても、その必要性が改めて実証されたことを、この際指摘させていただくものであります。
 なお、財源についてでありますが、都市再生事業の一部に都債が充てられております。我が党は、将来的な財政の健全化を重視する立場から、基本的には起債はでき得る限り抑制すべきと主張してまいりました。しかしながら、将来の財政負担を配慮しつつ、適切に発行し管理するのであれば、地域が要望する緊急を要する災害対策、生活道路、公園の整備、都民の生活をより豊かにする都市再生事業などの緊急課題の解決のための、いわゆる投資的経費の財源としては欠くことのできない大切なものであります。
 都債の活用は理解するところであります。借金は何でもかんでも反対という、後ろ向きで短絡的な主張ばかりでは、物事が進むものでもありません。課題の解決に結びつかないといわざるを得ないのであります。
 我が党は、あくまでも生活者重視の立場から、都民生活を擁護し、緊急課題に対応して、さらには、英断をもって将来への備えを重視した予算として、改めて今回の補正予算等に賛成をいたし、速やかな予算の事業執行を行い、都民に安全と安心をもたらすよう強く求めて、討論といたします。(拍手)

○議長(内田茂君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(内田茂君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第二及び第三、第百三十一号議案、平成十六年度新海面処分場Gブロック西側護岸(二重鋼管矢板式)建設工事(その一)請負契約外議案一件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第四、第百四十三号議案、平成十六年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第五、第百四十四号議案、平成十六年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第六から第九まで、第百三十九号議案、平成十六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)外議案三件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第十から第十八まで、第三十一号議案、平成十六年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例外議案八件を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(内田茂君) 次に、日程第十九、諮問第一号、地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。
 本件に関する委員会の報告は、棄却することであります。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、委員会の報告のとおり答申することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本件は、委員会の報告のとおり答申することに決定いたしました。

○議長(内田茂君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔谷村議事部長朗読〕
一、東京都監査委員の選任の同意について一件

一六財主議第六一八号
平成十七年三月九日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 内田  茂殿
   東京都監査委員の選任の同意について
   (依頼)
 このことについて、東京都監査委員小林正則が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     都議会議員 藤川 隆則

      略歴
現住所 東京都小金井市
               藤川 隆則
昭和十一年五月七日生(六十八歳)
昭和五十六年四月 東京都小金井市議会議員
昭和六十年四月  東京都小金井市議会議員
平成元年四月   東京都小金井市議会議員
平成元年四月   東京都小金井市監査委員
平成五年七月   東京都議会議員
平成九年七月   東京都議会議員
平成十三年七月  東京都議会議員
現在       東京都議会議員

○議長(内田茂君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(内田茂君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(内田茂君) 追加日程第二、議員提出議案第一号、東京都議会議会局条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしております。
(議案の部参照)

○六十七番(近藤やよい君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(内田茂君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、原案のとおり可決されました。

○議長(内田茂君) 追加日程第三及び第四、議員提出議案第二号、東京都重度要介護高齢者手当に関する条例外条例一件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(近藤やよい君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第二号及び第三号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託されることを望みます。

○議長(内田茂君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第二号及び第三号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(内田茂君) ただいま百番小林正則君より、議員辞職の願い出がありましたので、議員辞職の件を本日の日程に追加し、追加日程第五として、直ちに議題といたします。
 議事部長をして辞職願を朗読いたさせます。
   〔谷村議事部長朗読〕
   辞職願
 今般一身上の都合により議員を辞職したいので、許可されるよう願い出ます。
  平成十七年三月九日
       東京都議会議員 小林 正則
 東京都議会議長 内田  茂殿

○議長(内田茂君) お諮りいたします。
 本件は、願い出のとおり辞職を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、願い出のとおり辞職を許可することに決定いたしました。

○議長(内田茂君) お諮りいたします。
 明十日から二十九日まで二十日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認めます。よって、明十日から二十九日まで二十日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月三十日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十一分散会

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