平成十五年東京都議会会議録第十四号

○副議長(中山秀雄君) 二十番高橋かずみ君。
 〔二十番高橋かずみ君登壇〕
 〔副議長退席、議長着席〕

○二十番(高橋かずみ君) 当面する都政の課題について質問をさせていただきます。都知事並びに関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
 最初に、都市計画区域マスタープランについてお尋ねをいたします。
 東京は、ことし、江戸開府四百年を迎え、数々のイベントが開催され、まちがにぎわいを見せております。東京の都市の繁栄を未来に引き継ぐためには、二十一世紀にふさわしい都市の再生が必然と思うのであります。
 さて、このたび、知事のご子息が都市再生の主務大臣である国土交通大臣に就任されました。心からお祝いを申し上げますとともに、今後は、東京の都市再生に向けた都と国の連携が、これまで以上に促進されることを期待する次第であります。
 知事の所信表明にもありましたが、都内初の民間提案による都市再生特別地区が決定されるとのことで、都市再生緊急整備地域の動きもいよいよ活発になってきております。そこでまず、東京の再生に向けた都市づくりのあるべき姿について、知事のご所見をお聞かせください。
 長引く景気低迷の中での雇用不安や、国際化、情報化などの進展の中での都市間競争の激化など、東京を取り巻く環境は、厳しさを増しております。その中でも、六本木ヒルズ、品川駅東口のグランドコモンズや汐留シオサイトなどの都市開発による新たなまちの創出や、外郭環状線や圏央道の整備の動きなど、東京の都市づくりをめぐる動きが活発化しております。このような状況の中で、都市計画区域マスタープランを策定することの意義、内容は、どのようなものなのか、お伺いいたします。
 また、都市計画は、長期的視点から定める必要があると考えますが、どんな立派な計画も、実現できなければ絵にかいたもちになる嫌いがあり、意味がありません。
 そこで、お伺いいたします。都として、この都市計画区域マスタープランを具体的にどう活用していくのか、お聞かせください。
 現在、区市町村においては、都市計画法に基づく地域レベルの区市町村マスタープランを策定しております。地方分権や都区制度改革の進展等により、地域のまちづくりにおける区市町村の果たす役割は大きく、区市町村の進めるまちづくりの独自性や主体性を尊重することが重要であると考えます。
 また、都民の都市づくりへの関心の高まりの中で、都民みずからが主体的に参画しようとする動きが広がっております。このため、マスタープランを実効性のある計画としていく上で、円滑に住民の合意形成を得る必要があると考えます。
 そこで、お伺いいたします。どのようにして地元区市町村や都民の意見を都市計画区域マスタープランに反映するのか、お聞かせください。
 次に、都市計画道路の整備についてお尋ねいたします。
 都市計画道路は、都民生活や企業活動を支える必要不可欠なインフラであり、東京の活力や魅力を高めるためにも、その整備の重要性は明白であります。しかし、区部におけるその完成率はまだ五七%にとどまり、慢性的な交通渋滞や、それに付随する都市環境の悪化の一因となっております。特に、私の地元である練馬区内の都市計画道路完成率は四二%であり、区部全体の五七%や多摩地域の四九%に比べ、整備が非常におくれております。
 そこで、まず、区部における都市計画道路の整備方針についてお伺いいたします。
 都では、ことし三月、中間のまとめを公表し、新たな事業化計画の策定作業を進めていると思いますが、最終の取りまとめに向けた今後の予定についてお聞かせください。また、現在の検討状況についてもお聞かせください。
 ところで、練馬区の中心部を東西方向に貫通する放射七号線は、都心部と埼玉県方面を結び、多摩地域の主要な南北道路である調布保谷線とも交差するなど、広域的な観点から重要な路線であります。都市計画道路の完成率の全体的な底上げは、当然必要でありますが、今、一例として挙げた放射七号線のような広域的な路線を優先的に整備することも重要と考えます。新たな整備方針の検討の中で、こうした広域的な道路について、どのように認識しているのか、見解をお聞かせください。
 次に、都営大江戸線の延伸に関連して、補助二三〇号線についてお伺いいたします。
 都営大江戸線については、開業以来、沿線のまちづくりへの波及効果も実感しているところでありますが、延伸地域の住民は、その延伸実現を心待ちにしております。延伸のための導入空間であり、区内の交通渋滞の緩和と地域のまちづくりに重要な道路である補助二三〇号線については、笹目通りから大泉学園通りまでのうち、土支田地区において、本年二月、地元練馬区が土地区画整理事業の提案を行い、整備に向けた取り組みを始めました。
 そこで、練馬区が区画整理を予定している区域外の区間について、事業化に向けた今後の取り組みをお伺いいたします。
 次に、都市農業の振興対策についてお尋ねいたします。
 都市農業については、東京を中心とする都市地域のみならず、我が国の農政上からもその重要性が認識され、食料・農業・農村基本法にも位置づけられたところであります。しかし、生産緑地法が改正された平成三年以降を見ましても、非生産緑地を中心に、毎年二百ヘクタール近くの市街化区域内農地が減少しております。
 我が党は、これまで、東京の緑の減少は相続税や固定資産税等の重い税負担にも一因があることから、税の軽減等を国に求めてきました。不況の嵐が吹き荒れる今日の社会状況にあって、農業者の税負担軽減という面だけでは、広範な都民の支持を得て都市農業を維持発展させることは困難となっております。
 こうした状況を踏まえ、我が党では、東京の農業を魅力と活力ある産業として再生させるため、有志を募り、都市農政を考える議員連盟を設立し、農業者との率直な意見交換を行いながら、東京の農業が抱える諸問題の解決を目指すことといたしました。
 そこで、お伺いいたします。都は、今日の都市農業の課題と振興対策をどのように考えているのか、お聞かせください。
 私は、都市の中の農地は、地域住民の共有財産であると考えております。この農地をより多くの都民の理解と支持を得て残していくためには、都市にある農業、農地がどれだけ都民生活に貢献できるかにかかっていると考えております。
 私の住む練馬区は、三百十四ヘクタールに及ぶ農地を有しております。これは、東京都で農地のある全四十九区市町村にあって七番目に位置し、区部ではもちろん最大であり、まさに都市農業のメッカといえる地域であります。
 この練馬区では、区内で生産された農産物が地域で利用される、いわゆる地産地消の取り組みが直売所を初めとして進み、食の安全、安心に対する区民の期待にこたえております。
 また、区民が農家とともに本格的な農業に取り組める体験農園の第一号は、私のよく知る区内の農家が先鞭をつけ、現在、練馬区はもとより、多摩地域や神奈川県、さらには大阪府などにも広がりを見せております。この体験農園につきましては、一般の市民農園とは異なり、都市における新しい農業経営として注目されております。
 さらに、農園を核に、農業者と都市住民の新たなコミュニティが形成され、利用者は身近に農業、農地があることのすばらしさを実感しております。
 そこで、この地産地消や体験農園についての都の推進方策をお聞かせください。
 次に、商店街振興対策の推進についてお尋ねいたします。
 昨今の東京の商店街は、景気回復のおくれ、大型店の相次ぐ進出、後継者難といったさまざまな要因が重なり、厳しい状況が続いております。
 こうした中でも、地域住民の生活を支え、また、消費者にとってより魅力ある町にするため、商店街やその中の個店の利便性や専門性を一層向上させようと、懸命に努力している商店街が数多くあります。
 また、多くの商店街は、地域住民や地元団体等との連携を強め、地域の環境や福祉、そして安心なまちづくりといった先進的な活動に意欲的に取り組み、地域コミュニティの核として重要な役割を果たしております。
 これまでも、我が党は、このような状況を踏まえ、商店街振興対策の推進について力を入れてきたところであり、特に、新・元気を出せ商店街事業は、多種多様で意欲的な商店街の取り組みを支援するため、強く改善を求めた結果、平成十五年度に再構築されたものであります。わかりやすく、使いやすい制度に改善された新・元気を出せ商店街事業には、商店街も区市町村も大きな期待を寄せております。
 そこで、新・元気を出せ商店街事業の今年度の申請状況と、商店街の意欲的で新しい取り組みにはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
 新・元気を出せ商店街事業は、地域の経済や雇用、そしてコミュニティを支える商店街の活動を支援する極めて重要な都の事業であり、今後も継続して実施していく必要があります。
 このためには、都は、新・元気を出せ商店街事業が支援を行う商店街のすぐれた取り組みや工夫を広く紹介して、商店街の果たしている役割への都民等の認識を高めていくとともに、商店街等の意見や要望を積極的にとらえ、区市町村とも力を合わせて、新・元気を出せ商店街事業をさらに充実発展させていくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 最後に、水道事業についてお尋ねいたします。
 水道局では、水道事業経営プランに基づき、水道フレッシュ診断の実施など、都民サービスの向上に努めてきており、我が党としてもその取り組みは高く評価しております。
 ところで、経済の低成長化、少子高齢化、高度情報社会の到来など、時代は急速に変化しており、既存の社会システムが大幅な見直しを迫られる状況にあります、こうした中、行政においても、従来の都民サービスを時代に即したものへと刷新していく行政改革に早急に取り組んでいく必要があると考えます。
 改善すべき一例を申しますと、営業所での各種受け付け業務が挙げられます。
 そこでお伺いします。受け付け業務の内容及び業務体制はどうなっているのか、具体的にお聞かせください。
 また、現在の状況を考えますと、都内で引っ越した場合に、複数の営業所での手続が必要となるなど、都民にとって不便でわかりにくく、さらに受け付け窓口が分散していることにより、業務に非効率な面が生じていると思います。
 そこで、提案をいたしますが、IT技術を活用し、受け付け業務を一カ所に集約するというのはいかがでしょうか。これにより、各種受け付け業務等のワンストップサービスが可能となり、都民の利便性が飛躍的に向上し、また、業務の集中化により、経営の一層の効率化を図ることが可能になると考えられます。
 さらに、受け付けセンターの設置により、情報を集約して管理することができ、これまで以上に都民ニーズを迅速かつ的確に把握、分析することが可能となります。こうして得た情報を新たな水道事業の施策展開に反映される仕組みをあわせて構築することにより、まさに一石三鳥の効果を生み出す施策と思うのであります。
 こうしたことから、受け付け業務を一カ所に集中させた総合的な受け付けセンターを早急に設置すべきと提案いたします。ご見解をお伺いいたします。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
 〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 東京の再生に向けた都市づくりのあるべき姿についてでありますが、実は、私がこれ大江戸博物館で見つけまして、拡大して、私の執務室のあります廊下に飾ってあります。ご興味あるなら秘書に案内させますけれども、それともう一つ、この屋上のヘリポートから撮った三百六十度の東京都の、現在の東京都の俯瞰写真があります。
 この大江戸博物館で見つけました写真は、寛永三年ですか、一八六五年に、愛宕山から撮られた当時の江戸の写真でありまして、これはもう本当に美しいモノクロームの、壁はみんな白く、せいぜい建物の高さみんな二階、増上寺とか本願寺も写っておりますが、これは別格でありますが、この写真はそのままずっと続いておりまして、明治の初めに、帝国ホテルをつくるべく招来された、例の有名なアメリカのフランク・ロイド・ライトがこの江戸を見て驚嘆しまして、こんな美しい町は見たことない、自分の思惑とは全く違ったと。コンクリートのホテルをつくるつもりだったが、全く考えをやめたということで、日本的な資材の大谷石を探して、かつての帝国ホテルをつくったわけであります。この寛永年間の江戸、百四十万、世界最大の人口を持ち、上水道まで持った世界の首都というのは、世界に江戸しかありませんでした。
 近海で難破して日本に救われて、江戸に滞在し、後にマドリードに帰ったスペインの艦隊の司令官の提督のフェルナンド・ロドリゴといいましょうかな、彼が書いた報告書にも、マドリードにもまさるすばらしい世界の首都だと書いてありますが、この写真と今の東京の写真を左右眺め比べますと、私はあんまりいい気持ちがしないというか、絶望的な気持ちになるんですよ。
 つまり、敗戦で焼け野原になったこの東京に一体どういう計画があったのか。全く都市計画なんというものがないままに来て、まことに醜悪な町ができ上がってしまった。これは本当に、これを少なくともエクステリア、外見の上で町並みを整備して再生さすなんということは、これはもうめちゃくちゃに金と時間が――できることじゃありませんから、せいぜい部分的にパッチアップしていくしかないんでしょうが、しかし、一方、東京には目に見えない力がたくさんあります。可能性があります。これは、私たちやはり行政を通じて、議会の協力を得ながら、新しい発想で引き出していかなくちゃいけないと思いますが、いずれにしろ、何といっても日本の首都であり、これだけ集積、集中が進んだ、すばらしい機能も持っているはずの首都でありますから、この東京を再生させ、少なくとも国際的な競争力を備えさせて、活力のある都市として再生させる必要があると思います。
 そのためには、一部の政党は反対かもしれませんが、絶対的に不足する交通インフラの整備、最優先として三環状道路の整備と羽田空港の再拡張、国際化はもう必須のことだと思います。
 それから、せいぜい部分的なことでありますけれども、まあ東京駅の前の赤レンガの駅舎の保存とか、あの地域の復元、その他この他、まあ私は今度できた六本木ヒルズというのはあんまり感心もしませんけれども、いずれもう少し想を凝らして、部分的に東京をつくり直していくという必要があると思いますが、いずれにしろ、新名所をつくるにしても、アクセスというものを考えませんと、六本木の周りというのは非常に渋滞するようになってしまいましたし、こういったものを試金石として踏まえながら、少し、もう少し機能的な大都市としての東京をつくり直す必要があると思います。
 いずれにしろ、都有地を有効活用しました先行まちづくりのプロジェクトなど、都独自の取り組みを考えておりますし、こういうものを強化しながら、東京を将来の世代のために再生させていくことは私たちの責務と心得ております。
 他の質問については、東京都技監及び関係局長から答弁します。
 〔東京都技監小峰良介君登壇〕

○東京都技監(小峰良介君) 補助第二三〇号線の取り組みについてでございますが、補助第二三〇号線は、区部北西部の道路ネットワークを形成するとともに、大江戸線の導入空間ともなる幹線道路でございます。
 本路線のうち、笹目通りから大泉学園通りまでにつきましては、街路事業と沿道民間開発との一体的な展開を図る国の新たな制度を活用し、沿道現況やまちづくり構想などに関する調査を予定しております。
 今後は、練馬区と連携し、関係住民に地区計画の策定や民間開発の誘導などについて十分説明するなど、合意形成に努めてまいります。
 〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 都市計画区域マスタープランなど六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都市計画区域マスタープランを策定する意義と内容についてでございますが、都市計画区域マスタープランは、既に発表いたしました東京の新しい都市づくりビジョンで明らかにした都市の将来像及びその実現への道筋を都市計画として位置づけ、個別の都市計画を定める際のよりどころとなるものでございます。
 内容といたしましては、都市計画区域ごとに、都市づくりの目標、主要な都市計画の決定の方針、目標年次における都市施設等の整備水準などを定めるものでございます。
 次に、都市計画区域マスタープランの具体的な活用についてでございますが、市街化区域、市街化調整区域の区域分けや用途地域の見直しを初めといたしまして、道路、公園等の都市施設、土地区画整理事業等の市街地開発事業など、個別の都市計画を定める際の指針として活用いたします。
 また、都市づくりを進めるためには、都と区市町村の緊密な連携が不可欠でございまして、都市計画区域マスタープランは、広域的な視点と地域レベルの取り組みの整合を図りつつ、総合的に都市づくりを展開するために活用をしてまいります。
 次に、策定に際しての地元区市町村や都民の意見の反映でございますが、都市計画区域マスタープランを実効性あるものにするためには、地元区市町村や都民の意見を取り込んでいくことが必要と認識しております。
 そのため、地元区市町村に対しましては、原案作成時に資料提供を求め、意見照会を行うとともに、協議、調整を重ねてまいりました。
 また、都民に対しましては、ホームページでの都民意見の募集、公聴会による意見聴取を実施してまいりました。
 今後はさらに、都市計画案の縦覧、意見書の提出等の手続を行いまして、意見を反映させた内容としてまいります。
 次に、区部における都市計画道路の整備方針の今後の予定でございます。
 本年三月、優先整備路線を選定する事業化計画を初め、都市計画道路の必要性、整備促進方策、建築制限の取り扱い等から構成されます整備方針について中間のまとめを公表し、検討の方向性について都民の意見をいただきました。現在、この意見を踏まえつつ、具体的検討を行っており、年内を目途に素案を取りまとめ、公表する予定でございます。その後、素案に対する都民意見を踏まえつつ、区と連携し、整備方針を年度内に取りまとめたいと考えております。
 次に、新たな事業化計画の検討状況でございますが、事業化計画は整備方針の中の一つの柱でございまして、優先整備路線を定めるものでございます。現在、渋滞解消効果、防災性の向上や都市再生等の観点から、優先的に整備すべき路線の選定を進めております。さらに、これに加えまして、都市間連携を促進する路線や民間開発に合わせて機動的に事業化する路線など、施策対応型の路線を選定をいたしまして、事業化計画として区とともに取りまとめてまいります。
 最後に、事業化計画における広域的な路線に対する認識についてでございますが、放射線や環状線などのような広域的性格の路線は、都市の骨格を形成し、環状メガロポリス構造を支える重要な路線でございまして、これら路線のネットワーク形成による事業効果は極めて高いと認識しております。
 〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 都市農業振興、商店街振興に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず最初に、都市農業の課題と振興対策についてでございますが、今日の都市農業には、安全、安心な農産物の供給、良好な都市環境の維持、確保などの役割や、都民に安らぎや潤いをもたらすなどの機能が期待されております。一方で、担い手の高齢化などによる農家や農地の減少など深刻な課題がございます。
 このような中、東京の農業を魅力と活力ある産業として再生するため、食の安全や環境に配慮した生産方式の確立、地域内の供給システムの整備、生産緑地を中心とする農地の保全、新たな担い手の確保対策などの施策を実施しております。今後とも、都市農業の振興に努めてまいります。
 次に、いわゆる地産地消や体験農園についてでございます。
 こうした取り組みは、農業を都民に身近なものとし、農業者との深い信頼関係が築かれることから、ひいては食の安全、安心の確保にも大きく寄与するものであると考えております。
 都は、これまで、地域で生産された農産物を地域で販売する直売施設の整備を支援してまいりました。また、都民が本格的に農業を体験できるモデル農園整備の支援や、運営マニュアルの作成などにより推進を図ってきたところでございます。今後、こうした取り組みを一層広げていくため、区市や農業協同組合、商店街等との連携を強めながら、例えば空き店舗の活用など、都内における新たな販売ルートの開拓や体験農園の整備につきまして、引き続き支援を強めてまいります。
 次に、新・元気を出せ商店街事業の申請状況と、意欲的で新しい取り組みについてのご質問でございます。
 区市町村からの申請件数は二千三十一件であり、このうち、イベント事業は昨年度の二倍、ポイントカード導入やホームページ開設などの商店街活性化事業は三倍以上となっております。また、意欲的で新しい発想の取り組みといたしましては、商店街がNPOと共同して子育て支援事業を行う事業や、安全な商店街づくりのための防犯カメラの設置などが挙げられます。
 このような成果は、新・元気を出せ商店街事業として使いやすい制度に再構築した結果であると考えております。
 最後に、新・元気を出せ商店街事業における取り組みの紹介と事業の充実についてでございます。
 お話しの、商店街の意欲的な取り組みを広く紹介することは、商店街に対する都民の関心を高めるとともに、商店街が互いに切磋琢磨して、よりすぐれた取り組みを進める上で極めて重要であります。このため、都のホームページやイベント事業、マスメディア等を活用して積極的に情報を発信していきたいと考えております。
 また、今後とも商店街やその利用者の意見を把握し、区市町村とも連携を図りながら、新・元気を出せ商店街事業の一層の充実に努めてまいります。
 〔水道局長飯嶋宣雄君登壇〕

○水道局長(飯嶋宣雄君) 水道事業にかかわる二点の質問にお答えいたします。
 受け付け業務の内容などについてでございますが、水道局営業所の受け付け業務は、水道使用の開始、中止を初めとした各種申し込みの受け付けのほか、さまざまな問い合わせや相談への対応などを主な内容としております。また業務体制につきましては、年間約百五十万件に及ぶ各種申し込みを現在三十カ所の営業所で受け付けております。
 一方、多摩地区におきましては、事務委託制度のもと、受け付け業務を含めて各市町に委託しております。
 次に、受け付けセンターの設置についてでございますが、ご提案のとおり、受け付け業務の集中化により、都民サービスの向上と業務の効率化が図れるとともに、集中管理によって得られたさまざまな情報を事業運営に一層生かすことが可能となります。このため、総合的な受け付けセンターについて、区部におきましては平成十六年度中の設置を目指して検討してまいります。
 また、多摩地区につきましては、今後の事務委託の解消状況などを十分見きわめながら、できるだけ早い時期に設置してまいります。

ページ先頭に戻る