平成十五年東京都議会会議録第十三号

○議長(内田茂君) 二十九番山口文江さん。
〔百二十六番吉田信夫議員離席して「全然私の質問に答えていないじゃないか」と呼び、その他発言する者、離席する者あり〕

○議長(内田茂君) だめだよ、吉田さん、下がりなさい。(発言する者多し)
 二十九番山口文江さん。
 ご登壇願います。
〔「答えていないじゃないか」「後でやろうよ」と呼び、その他発言する者あり〕

○議長(内田茂君) ここは本会議場なんだから、やめなさい。
〔「質問に答えなさい」「議事進行」と呼び、その他発言する者多し〕

○議長(内田茂君) 二十九番山口文江さん。
〔二十九番山口文江君登壇〕

○二十九番(山口文江君) 私は、都議会生活者ネットワークを代表して質問します。
 初めに、一言申し上げます。
 銀行に対する外形標準課税の裁判については、実質の都税を確保し、なおかつ国が外形標準課税制度を導入し、自治体の自主課税の先駆けとなったことを踏まえれば、和解に対しては妥当な判断と考えます。しかしながら、導入と同様に、和解に向けてもプロセスは密室的であり、今後、都民及び議会に向け明確な説明責任を果たすべきと考えます。
 さて、日本経済の低迷の中で、一向に将来展望の持てるビジョンが示せない政府の姿勢が、企業経営や雇用環境の悪化を招き、社会不安を増大させています。少子高齢の逆ピラミッドの人口構成時に必要な制度、新しい働き方や将来の社会保障制度のビジョンが示されなければならないと考えます。すなわち、次世代を担う若者が将来についての夢を描けるような可能性や環境をつくり出し、意欲ある人がチャレンジできる社会システムの構築が必要です。
 知事は、苗を開花させるために都政の仕組みを根本から見直すとして、第二次財政再建推進プラン、十六年度重点事業、都庁改革アクションプランを提示するとしています。財政再建プランや都庁改革アクションプランは、あくまでも施策を実現するためのツールであると考えます。財源不足だから身の丈に合わせていこうという消極的な姿勢では、改革は望めません。
 アドバルーン的な発想だけではなく、一つの提案が社会構造を変えていくような息の長い政策を掲げることが重要と考えます。もちろん重要施策の中でも、すぐに実現できるものと、中長期の展望に立つものとがありますが、夢を持てる社会づくりの基礎となるような計画でなければなりません。社会状況の変化の中で、知事は選挙公約以外の都政のビジョンを示していません。こうしたビジョンを提示した上で、改革プランを示すべきではないでしょうか。見解を伺います。
 また、都は、財政構造改革のために地方分権を進めるに当たって、三位一体の改革を国へ強く求めています。しかし、将来的には都域内の分権の推進こそが、財政構造改革の基本課題と考えます。このような中で、都の第二次地方分権推進計画は停滞し、明確な分権の方向が見えない状況にあります。都においても、都と市区町村との役割分担を明確にし、市区町村への分権改革が進められなければならないはずです。知事に見解を伺います。
 次に、食品の安全についてですが、五月に食品安全基本法が成立し、都においては食品安全基本条例を制定することになっています。都は、基本的考え方の中で、条例の特徴は未然防止を盛り込んだこととしています。全国への影響が大きな大消費地東京としては、国を上回るものを期待するところですが、食品安全基本条例の基本的考え方を検討する中で、消費生活条例にも明記されている消費者の権利についてはどのように検討されたのでしょうか。
 また、これまで私たちが提案してきた未然防止原則に基づき、化学物質子どもガイドライン室内空気編が作成されています。成長期にある子どもたちの健康への影響を未然に防止していくためには、食における子ども基準についても食品安全条例に反映されることを期待するものです。
 健康局が、子どもと大人という個体差に焦点を当てて実施した十四年度の食事由来の化学物質暴露量推計調査結果によると、内分泌攪乱物質やダイオキシンの暴露量は、一日体重一キログラム当たり、幼児は大人の約二倍にもなっています。また、そのほかの調査結果によると、ダイオキシン類の総暴露量の九割以上が食事から摂取されるというデータが公表されています。この結果からも、食事由来の子どもガイドラインの作成がぜひとも必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、遺伝子組みかえについてですが、日本に輸入されるアメリカ大豆の約七五%が遺伝子組みかえ食品となって、日々私たちの食卓に押し寄せてきています。
 また、遺伝子組みかえ大豆の種子とノウハウを独占しているモンサント社は、日本国内でも除草剤耐性大豆を本格的に栽培させようとしています。全国最大の大豆産地である北海道などでの試験栽培は、モンサント社と農水省が一体となって進めています。もしも日本国内において本格的栽培として組みかえ大豆の作付を許せば、昆虫や風などによる花粉飛散が起こり、非組みかえ大豆畑でも交雑が進み、遺伝子汚染は際限なく広がっていくことになります。
 こうした危惧の増大の中で、滋賀県では、行政、市民、地元JAの合意のもとで植えつけられようとした組みかえ大豆は土壌にすき込まれるとともに、知事は次代に責任を持つために県内での栽培は控えてもらうとして、本年度中に組みかえ作物栽培規制への独自指針を策定し、条例化をも検討していくとのことです。
 この間の国の見解は、有機農産物と組みかえ作物を併存可能なものとして、有機農産物の価値を低くするものであり、農家の努力を無にしようとしています。作物の安全の是非はともかく、国の怠慢によって交雑防止の定めがない中で、自治体が創意工夫することは評価すべきであり、未然防止の観点から、都にあっても同様の態度を積極的に検討すべきと考えますが、知事に見解を伺います。
 次に、東京都では、安全で安心な農産物を供給する有機農業を推進するため、モデル生産団地を指定し、有機農産物を含め、農薬や化学肥料をできるだけ使わない農産物の生産振興を行ってきました。
 さらに、環境に調和した農業生産の方法や食の安全性を求める都民の要望にこたえ、都内産のこれら農産物について生産過程を確認し、認証する東京都特別栽培農産物認証制度を進めてきています。
 これは、安全で安心かつ環境に調和した農業生産の方法を推進するための制度として大変評価できるものです。今後も、都民の食の安全確保に向け、特別栽培農産物の生産を一層推進していくべきであると考えますが、見解を伺います。
 次に、「TOKYO X」について伺います。
 東京のブランド豚である「TOKYO X」については、平成八年に東京都の養豚農家が高品質豚生産出荷組合を設立し、飼育方法、飼料等を指定し、販売ルートの統一などを行って取り組んでいます。飼養方法では、飼育する環境や与える飼料などを具体的に取り決めた飼育マニュアルを提示するなど、東京都の消費者に対して畜産物の安全性の確保対策を行っています。
 飼料については、安全安心に向け、豚の健康状態を良好に保ち、病気への感染を防ぐよう努め、肥育期間には抗菌性物質を含まない指定飼料を使用しているとのことです。また、指定飼料の中のトウモロコシと大豆は非遺伝子組みかえ作物で、収穫後の農薬を使用しないポストハーベストフリーのものとされています。このような取り組みは大変評価できるものであり、今後も「TOKYO X」豚生産における指定飼料についての変更はないものと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、障害者の就労支援についてですが、障害者の雇用の促進等に関する法律では、障害者雇用率制度が設けられ、常用労働者数が五十六人以上の民間事業主は、一・八%以上の障害者を雇用しなければならないことになっています。そして、重度障害者に限り短時間労働者も雇用率に一人としてカウントできることになっており、さらに重度障害者については、一人を二人に相当するものとしてカウントされています。しかし、全国的には法定雇用率を下回っている現状です。
 昨年十月、東京都雇用・就業対策審議会は、知事から、東京を再生させる雇用・就業施策について諮問を受け、本年七月に答申が出されました。その中でも、厳しい立場に置かれる障害者の雇用の実態を踏まえ、障害者の能力を最大限に引き出していくため、事業主の理解促進、障害者の職業能力の向上を図るとしています。
 また、東京都庁舎等を活用したオフィス体験実習を実施し、知的障害者の事務系職域の拡大に向けた普及啓発を図るとされています。
 既に大阪府高槻市や枚方市では体験実習のみならず、雇用にまで結びつける先進的な取り組みを行っています。
 都において、まず、障害者の安定した就業体制に向け、障害者の実習の場の確保が必要と考えますが、見解を伺います。
 非自発的失業者が増加し、完全失業率がかつて経験したことのない高水準で推移しているといった厳しい雇用情勢は、障害者雇用の領域にも大きな影響を与え、会社倒産や事業縮小等に伴って解雇された障害者は急増しています。
 厚生労働省が、ことし四月からトライアル雇用事業を始めました。民間企業にトライアル期間として三カ月間就業し、その後に雇用契約に移行するシステムですが、障害を持つ人にとっては有効であることからも、今後も継続していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 今後、この答申に基づき施策を実施するに当たり、局間連携は不可欠です。特に障害者の雇用・就業促進には、就労環境や生活環境全般にわたりトータルなサポート体制が必要です。さまざまな障害に応じるためには、当事者の意見を広く聞きながら、福祉、保健、医療、教育など局を越えた連携をさらに進めることが求められていると考えますが、見解を伺います。
 次に、本年七月、次世代育成支援対策推進法と子育て支援の強化を図るため、児童福祉法の一部を改正する法律が成立しました。次世代育成推進法は、第二次エンゼルプランに続く少子化対策プラスワンをもって男性を含めて働き方の見直しを求めたものの、出生率の向上が展望できない中、総合支援として期待されるものであり、少子化問題を次世代問題として位置づけた点には共感できるものです。
 次世代を担う子ども問題として、日本をどのような国にしていくのか、私たちが住む自治体がどのような地域になるのかという視点で少子化問題をとらえ、その具体的な施策を計画して推進していくということは重要であり、市区町村及び都道府県、さらに事業主に行動計画策定が義務づけられています。計画策定段階の住民の意見反映とプロセス等情報公開は、行政の責務として実施されることと思います。
 次世代育成支援推進法には、地方公共団体が地域の協議会を設置できるとしています。そこで、住民の意見を反映させるに当たり、現役の子育て世代やこれからの子育てを担う若い世代の意見を取り入れるべきであると考えます。都としては、計画づくりを行うに当たり、こうした世代の参加を含めた協議会を設けるべきであると考えますが、見解を伺います。
 また、行動計画策定においては、策定に関する基本的な視点の第一として、子育て支援サービス等により影響を受けるのは、多くは子ども自身であることから、次世代育成支援対策の推進においては子どもの幸せを第一に考え、子どもの最善の利益が最大限に尊重されるよう配慮することが求められています。
 個々の子どもや家庭のニーズに即したきめ細やかな対応や、年齢に応じた施策が必要です。しかし、これまでのエンゼルプランを踏襲したような調査項目の提示が中心であること、住民としての十八歳未満の子どもの参加保障がないという問題があります。策定に当たって、十八歳未満の子どもの意見反映をすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、外環道計画について伺います。
 七月十五日、国土交通省と東京都は、大深度の地下式トンネル構造を対象に環境アセスメントの方法書の公告、縦覧を発表しました。マスコミ先行型の発表は今回が初めてではありませんが、余りにも唐突な発表であり、あたかも外環が事業化されたかのような印象を与たことは遺憾に思います。
 こうした国と都のやり方に対して、七月二十四日のPI外環沿線協議会では、一部の協議員が抗議書を提出し、退席をされ、以来、PI協議会はストップしています。このような事態を引き起こした責任を進行役である都はどのようにとらえているのでしょうか。
 国は、この外環PIを新たな道路計画の合意形成のモデルと考えているようですが、PIプロセスのチェック、進行管理のためには、中立の立場で論点を整理しながら議論を前に進める進行役、ファシリテーターの役割が重要であり、協議を開始するに当たり第三者機関を設置しなかったことは、今後の市民参加方式のあり方に課題を残したといえるでしょう。
 今回の環境影響評価に関して、本定例会の所信表明で知事は、事業着手に向けて一歩踏み出したと述べていますが、PI外環沿線協議会で合意され、広報等で周知されている内容との整合性について、改めて確認を求めます。
 次に、都立の新しい大学の構想についてです。
 内容は評価できる部分もありますが、都立新大学設立準備委員会が突然廃止されるなど、その構想がまとめられる経過は不透明で、現場に混乱を来しています。さらに、学生や教職員の声が十分に反映されたとはいいがたく、都民の税で設置運営される大学であるにもかかわらず、都民の声を生かす機会は設けられませんでした。都民参加の政策づくりが主流でなければならないにもかかわらず、非常に残念なことです。
 平成十三年十一月に策定された大学改革大綱は、今回の構想ではどのように見直されたのか、伺います。
 また、これから構想を具体化するに当たって、学生、教職員、都民の声を反映する機会をつくる必要があると思いますが、見解を伺います。
 最後に、一言申し上げます。
 知事は政策の第一に治安対策の重要性を掲げてきましたが、このたびの知事のテロを容認するような一連の発言は到底看過できるものではありません。いかなる場合にも思想の違いやあつれきを暴力で制圧することを許さない思慮深い対応を強く求めますことを申し添えて、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山口文江議員の代表質問にお答えいたします。
 区市町村への分権についてでありますが、明治以来の中央集権システムを変革し、地方分権を確立するためには、権限移譲を行うとともに、国が税財源を地方に移譲し、地方自治体の行財政基盤を強化すべきであります。これは、歴史的に必然、蓋然のことであります。よって、区市町村も東京都と同じ歴史的認識を持っていただきまして、住民生活への責任を果たすために、自主的な権限移譲に取り組むことが必要だと思います。
 何から何までどこかにおんばする、おんば日傘で済むというものではありませんし、東京都もそういう姿勢を脱しようとしているわけでありますし、各地方自治体もそういう歴史的意識を持っているわけでありますが、都としては、これまでも国に税財源移譲を求めてきましたが、今後とも国や区市町村への働きかけを行い、都議会の協力も得ながら、分権改革の推進に取り組んでいくつもりでございます。
 次いで、遺伝子組みかえ農作物の栽培についてでありますが、これは非常に深刻な文明論の問題でありまして、この安全性の確認は非常に難しい問題で、徹底した分析研究が必要だと思います。
 今の段階で、組みかえ農作物の頒布が果たしてそのまま汚染といえるかどうかということは、これは断じがたいものだと思います。現に、がんにかかりやすい体質をDNAの組みかえによって是正するという、そういうポジティブな成果もあるわけでありまして、これは、これからある時間をかけて、しかし、積極的にその解明に取り組む問題だと思います。
 国の安全性評価は、隔離した環境の中でのみ行われております。通常の農地での生態系への影響評価が不十分であるとも思います。こうした中で、国の姿勢は、一定の農作物の栽培を承認しておりますが、都民の多くはその事態を知れば、依然として不安といいますか、そういうものに対する態度を表明しかねない。でありますから、ご記憶にあると思いますが、かつて都は、こういったものの表示を消費者である都民の選択に任せるように、要するにこれは遺伝子組みかえの製品である、これはそうでないという表示をはっきりさせるようにしたわけで、今の段階では、それが都としての規制の限界だと思います。
 国に対して、これからも生態系などの周辺環境への安全性評価の調査研究を充実するように強く要請してまいりますし、また、生産農家に対しては、国の動向を注視しながら指導していきたいと思っております。
 この問題については、消費者と生産者の利害、インタレストはかなり極端に違うわけでありまして、ここら辺がやっぱり行政の担当者として頭の痛い問題ではないかと思います。
 その他の質問については、関係局長から答弁します。
〔知事本部長前川燿男君登壇〕

○知事本部長(前川燿男君) 都政のビジョンについてでありますが、昨年策定した重要施策は、従来のビジョンや計画とは性格を変え、次の二点をねらいとして策定いたしました。
 第一は、都政の取り組みの方向を戦略的に示すことであり、そのため、ポイントとなる政策課題を重点的に取り上げております。第二に、こうした政策課題は、ライン化した縦割りの体制では十分に対応できないため、都庁全体で横断的、総合的に取り組むことといたしました。
 ことしは、さらに一歩を進め、関連する各種プランの策定を当初から一体的に進めるため、七月に都政の構造改革の視点と方向を示した次第であります。今後、この視点と方向に基づき、平成十六年度重点事業、第二次財政再建推進プラン、新たな都庁改革アクションプランを策定してまいります。
〔健康局長平井健一君登壇〕

○健康局長(平井健一君) 食の安全について二点の質問にお答えします。
 まず、食品安全基本条例の制定に向けた基本的な考え方における消費者の権利についてでございますが、食品の安全確保は、都民が健康で豊かな生活を営む上で欠かせないものでございます。
 このため、基本的な考え方の理念といたしまして、都民、事業者、行政がそれぞれの役割を踏まえ、一体となった取り組みを進めることにより、食品の安全を確保することを掲げております。この理念を実践することが、条例の目的である現在及び将来の都民の健康を守ることとなり、消費者を含む都民の権利は尊重されるものと考えております。
 次に、食事由来の子どもガイドラインの策定についてでございます。
 次の世代を担う子どもたちを化学物質によるリスクから守ることは、大変重要な課題でございます。このため、都では、昨年度の幼児食に引き続き、今年度は離乳食について化学物質の暴露量推計調査を進めております。今後、これらの調査結果をもとに、専門家の意見を踏まえ、食事に由来する化学物質の子どもガイドラインを策定していく考えでございます。
〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 食の安全、障害者雇用に関する五点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別栽培農産物の生産振興についてでございますが、都は、平成六年に栽培指針を定め、堆肥などによる土づくりを基本とし、農薬と化学肥料を通常の五割以上減らした農産物を特別栽培農産物として振興してまいりました。
 また、平成九年度からは、有機農業の拡大と消費者の信頼を高めるため、この基準に合致した農産物を認証する東京都特別栽培農産物認証制度を設けているところでございます。
 今日、食の安全安心に多くの都民の関心が集まる中、都といたしましても、この制度の対象品目の拡大などを通じて、特別栽培農産物等の生産振興に一層努めてまいります。
 次に、「TOKYO X」の指定飼料についてでございます。
 「TOKYO X」は、平成九年の販売当初のものから飼料を指定し、一頭ごとに生産者や飼育方法を公開して、飼料の安全性やトレーサビリティーなど食の安全安心対策をいち早く取り入れ、ブランド化してきたものでございます。
 こうした安全安心対策は多くの都民から支持を得ており、生産組合では、「TOKYO X」の生産における指定飼料について、今後とも変更することはないとの方針を示しております。都におきましても、こうした生産者の取り組みを引き続き支援してまいります。
 次に、障害者の実習の場の確保についてでございます。
 実際の職場で訓練することは、就職を促進する上で効果的な方法と考えております。このため、中重度の身体障害者及び軽度の知的障害者を対象とした東京障害者職業能力開発校におきましては、訓練生の職場実習を企業の協力を得て実施しておりまして、本年一月には都庁事務室内でオフィス体験実習を試行いたしました。
 また、重度の身体障害者及び軽中度の知的障害者を対象としている東京都心身障害者職能開発センターでも、同様に職場実習を行っております。今後とも、実習の場の確保に向け、取り組んでまいります。
 次に、国のトライアル雇用についてでございます。
 この制度は、障害者自身の職場適応を図るとともに、事業主の障害者雇用に対する理解を深め、雇用促進に有効と考えておりまして、今後とも継続されるものと認識しております。
 最後に、障害者の雇用・就業促進についてでありますが、都では、障害者の雇用の促進及び安定、地域での就業支援など、障害者就業対策を円滑に進めるため、重度障害者就業対策連絡会を設置し、関係部局や国などと連携を図っているところでございます。今後とも、この連絡会を効果的に活用し、雇用促進に努めてまいります。
〔福祉局長幸田昭一君登壇〕

○福祉局長(幸田昭一君) 次世代育成支援対策推進法に基づきます行動計画についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、行動計画についてでございますが、来年度予定している行動計画の策定に当たりましては、子どもと家庭を取り巻く環境についての現状分析と子育て支援ニーズの把握に加え、現在子育て中の方の声や、これまで子どもを育ててきた方の意見などをくみ上げていくことが重要と考えております。こうした観点から、若い世代から子育て経験豊かな世代まで、幅広く意見を聴取する場を設けることを検討してまいります。
 次に、計画策定における子どもの意見反映についてでございますが、計画策定に当たりましては、ご提案の世代を含め、幅広くパブリックコメントを求めていくことも検討してまいります。
〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 外郭環状道路についてでございますが、これまで検討の熟度を高めるためには、より詳細な環境へのデータを示すべきとの意見も数多く寄せられたことから、都は、国とともに具体的なデータを得るために環境調査を行うこととし、計画内容の固まらない早い段階で、制度として確立している環境影響評価法の仕組みを活用し、手続に着手したものでございます。このことは、まさに事業着手に向けて一歩踏み出したものと認識しております。
 外環は、首都圏の渋滞解消、環境改善のため大変重要な路線で、その経済効果ははかり知れないものがございます。今後とも、幅広く意見を伺いながら、早期の実現を目指してまいります。
〔大学管理本部長山口一久君登壇〕

○大学管理本部長(山口一久君) 新しい大学の構想についてお答えいたします。
 まず、今回の構想で見直しを行った主な点でございますが、新しい大学の使命を大都市における人間社会の理想像の追及と明確化し、具体的な教育研究の目標としまして、都市環境の向上、ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築、活力ある長寿社会の実現の三つを制定し、これにあわせて学部構成を再編したこと。
 また、キャンパスにつきましては、平成十四年七月の工業等制限法の廃止等、大学改革大綱策定後の状況変化を受けまして、大都市東京全体をキャンパスとするという考え方に立って、既存の資源を有効に活用するとともに、都心方面へのキャンパス配置を検討することとしたなどでございます。
 次に、構想の具体化についてでございますが、今回の構想は、工業等制限法の廃止など社会状況の変化を受け、主に教育研究の専門的な内容を見直すために、外部の専門家を中心に検討を行ったものでございます。その過程では、学生を受け入れる立場の企業経営者や都立の大学の学生等の意見を聞くなどして、取りまとめを行いました。
 今後の検討は、授業科目や入試方法などのより専門的な内容となるので、引き続き、専門家や大学の教員を中心に検討を進めてまいります。
 なお、現在、新しい大学の名称について広く都民から募集しており、必要に応じて都民の声を聞いてまいる所存でございます。

○六十七番(吉野利明君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(内田茂君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内田茂君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時三十二分散会

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