平成十五年東京都議会会議録第十三号

   午後七時二分開議

○議長(内田茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十六番吉田信夫君。
〔百二十六番吉田信夫君登壇〕

○百二十六番(吉田信夫君) 日本共産党都議団を代表して質問をします。
 初めに、石原知事が行った、テロ容認発言についてただします。
 知事は、今月十日、名古屋での街頭演説で、外務省田中審議官の自宅に不審物が仕掛けられた事件を取り上げ、田中均というやつ、今度爆弾が仕掛けられた、当ったり前の話だと発言しました。これに対して政府閣僚、各党代表、マスコミから、不適切だと一斉に批判の声が上がったのは当然です。
 しかし、石原知事は反省するどころか、その後、記者会見などでテロ容認発言の撤回も訂正もしないといい張り、暴力行為がいいわけはないなどといいわけしながらも、引き続き、ああいうものが起こって当たり前、あり得てむべなるかなと、主張し続けています。
 先ほどの答弁でも、外務省は万死に値するといい張り、知事の発言を批判したマスコミを、片言隻句に喜ぶなどといって、ばか呼ばわりまでしました。知事の一連の発言は、どういいわけしようが明らかにテロを容認し、あおるものであり、政治家として、まさに資格が厳しく問われる問題です。
 本日の毎日新聞の世論調査でも、回答のうち七二%が知事のテロ容認発言を批判するものとなっています。しかも、知事は、都政の最高責任者として都民の安全を守る責務を負っています。その知事みずからテロをあおる発言をしてはばかることがないのでは、どうして東京の治安が保たれるのですか。
 知事、都知事として許されない発言は撤回し、関係者と都民全体に対し深く謝罪すべきです。明確な答弁を求めます。
 治安対策担当の竹花副知事にお聞きします。
 いかなる理由があっても、テロ行為を認める発言を公職者はすべきではないと思いますが、どうか。石原知事の立場は、政府や田中氏の北朝鮮に対する外交姿勢が問題だからテロが起きて当然だという、とんでもないものです。
 いうまでもなく、北朝鮮が核のカードをもてあそぶ瀬戸際外交を続けることは戦争の危険を拡大するものであり、許されないことです。
 私は、北朝鮮問題の解決は、あくまでも外交的、平和的手段によるものであって、戦争につながるあらゆる動きを許さないことが重要だと思います。この点で、石原知事はこれまでも、私が総理大臣になったら北朝鮮と戦争をおっ始めるなどという発言を繰り返してきました。知事のような戦争やテロをあおる立場では、問題は断じて解決しません。
 我が党は、北朝鮮問題を解決する上で、次の立場が重要だと考えます。
 その第一は、北朝鮮が核兵器開発の道を放棄して、国際社会との安定した外交関係を打ち立てることこそ、東アジアの平和、そして北朝鮮みずからの安全保障にとって何よりも重要だということです。
 第二に、日本人拉致問題を含め、これまで北朝鮮が犯してきた数々の国際的無法行為の清算は、避けて通れないものです。北朝鮮が無法の清算を果たしてこそ、真の意味で国際社会の仲間入りができるし、そのことが、北朝鮮にとっても平和と安全の最大の保障となるということです。国際社会が、北朝鮮がこうした立場にしっかり立つよう、道理をもって説得することが重要です。
 そして、軍事的対立をもたらす行動を、アメリカ、北朝鮮の双方とも強く自制することが必要です。日本を含む関係国は、両者の軍事的対立を助長するのではなく、抑制する方向で対応することが強く求められています。
 日本共産党は、北朝鮮の国際的無法を最も厳しく批判してきた党として、以上の立場に立って、北朝鮮問題の理性的解決のために引き続き力を尽くすものです。
 次に、第二次財政再建推進プランの策定問題についてです。
 既に、財務局発表の「途半ばにある財政再建」、そして都としての第二次財政再建推進プラン中間のまとめによって、見直しの課題と方向が示されていますが、これが具体化されれば、都民生活に重大な影響を及ぼすことは明らかです。
 これらの文書では、すべての既存施策の廃止、休止を含む聖域のない見直しが強調され、とりわけ私学助成や市町村補助などの補助事業が高どまりしているとしてやり玉に上げるとともに、都が独自に行っている任意の補助や率の高い補助、さらに予算の少ない少額の補助に至るまで、都民生活に密着しているすべての補助金の見直しを示唆しています。また、公共料金の値上げや都立施設の廃止、民営化などを進めようとしています。
 石原都政は、第一次財政再建推進プランで巨額の財源不足を補うためとして、この四年間に、五億円以上の百三十八事業を対象にして、廃止縮小の見直しを進めてきました。その結果、福祉局だけで八百八十六億円の予算が削減をされ、高齢者や障害者に全国でも例のない犠牲を強いる結果となりました。その上、第二次プランでさらなる全面的な都民施策の切り捨てと負担の押しつけが行われるとしたら、とんでもないことです。
 日本共産党都議団は、この第二次財政再建推進プランの問題で、区長会、市長会を初め、福祉、教育、産業関係など、各分野の団体を訪問し、意見、要望を聞きました。どの団体からも、これ以上の削減は限界、事業は存続の危機に陥るなど、都の姿勢に怒りの声が寄せられています。
 例えば、市町村補助は生活保護世帯の小中学生への修学旅行支度金などの法外援護から、保育所運営費など二百事業に及ぶ自治体もあり、市民生活のあらゆる分野に及んでいます。とりわけ小規模の町や村では、補助金を初め都支出金が歳入の三割近くの比重を占めています。このような見直しは、住民生活と市町村財政に重大な影響を与え、特別区にも、市町村補助の切り下げは財政調整金に連動し、重大な影響を受けるものです。
 都民がどの市や町に住もうとも、その財政力に左右されることなく、都民として一定の水準のサービスを受けることを保障するために、各種補助金を市町村に交付することは、広域行政の重要な仕事ではありませんか。だからこそ、多摩の市長からも、都が担ってきた役割を無視するなら、強く見直しを求めていくなどの声が寄せられ、市長会は既に第二次プランに向け、これまでの経緯と市町村の実情を考慮するよう、要望書を提出しています。また、区長会からも、第二次プランに向けて都に厳しい声が上がっています。
ある区長は、「途半ば」が繰り返し都市計画交付金を見直すことを示唆している問題について、我が党区議団への答弁で、元来、市町村の目的税である都市計画税の趣旨を踏まえ協議を進めてきたもので、都の任意的補助ではないと訴えています。
 知事は、区市町村のこういう声をどのように受けとめているのか、補助金の見直しで都民サービスに後退を起こすようなことがあってはならないし、区市町村の合意なしに補助金や交付金は削減すべきではないが、どうか。
 都独自の任意の補助についていえば、全国一律の国事業の不十分さを補うために都独自の加算を行ったり、国が行っていない事業でも、都民ニーズにこたえ、都独自に助成制度を実施することは当然のことです。むしろ、国の定める水準でしか施策を行わないなら、自治体としての存在意義はなくなり、国の下請機関にすぎなくなるではありませんか。
 都が国基準を上回って上乗せ、横出ししている事業や、任意の都単独事業の意義をどうとらえているのか、見直しというのなら、専らどう財政を削るのかという立場でなく、よりよいものとして拡充することが重要だと考えますが、どうか。
 名指しして削減がねらわれている私学助成は、生徒減もありますが、既に一次プランの四年間で百四十億円も減らされており、各学校では毎年数千万もの減額が続き、生徒の減少とも重なって、深刻な運営難に直面しています。私学関係者は、さらなる削減となれば、授業料の値上げを実施する以外にないと訴えています。
 昨年の調査でも、私学に通わせている父母の九割が、学費が高く家計を圧迫していると回答しており、中には、生活費の半分が教育費です、少しでも授業料を軽減してほしいなどの声も寄せられています。長期にわたる不況が家計を圧迫し、学費を滞納したり、退学せざるを得ない家庭がふえているもとで、私学経常費補助を削れば、学費の大幅値上げにつながることは必至です。
 同じく、私立幼稚園保護者負担軽減補助も見直しの対象となっています。収入が限られる若い子育て世帯にとっては、月額三万円近い幼稚園の保育料は重い負担であり、負担軽減補助は子育て世帯にとって欠かせません。都補助だけでは不十分なために、二十二区、二十八市町で上乗せ加算が実施されているのです。
 夫の月収が三十万程度で、五歳児を通園させているお母さんは、生活にゆとりはない、制度は残してもらわないと通えませんと訴えています。幼稚園経営者も、園児確保にとって欠かせないと、訴えています。経済悪化による収入の減少やリストラが続いている今、負担軽減補助を削減するとなれば、私立幼稚園児を抱える若い子育て世代にとって大打撃であり、それは少子化対策にも逆行するではありませんか。
 私学経常費補助や私立幼稚園保護者負担軽減補助などの削減は、行うべきではありません。充実こそ図る必要があると考えます。
 年間の補助金が百万円程度の少額補助金まで見直しの対象とされていることも許されません。少額補助事業の多くは、自殺予防のために二十四時間電話相談事業をする「いのちの電話」事業や、重い呼吸器障害者の酸素ボンベ購入、さらに吃音者の発声訓練への補助など、命と生活に直結したもので、なくてはならない事業です。
 例えば、補助金は年間わずか百万円ですが、オストメイト社会適応訓練は、病院で人工肛門をつけた方々が、その適切な管理や生活の仕方などの訓練を行うもので、社会生活を営むために不可欠です。協会の方は、これ以上削られたら事業ができなくなる、国の要綱では都道府県が実施主体だと定めているではないかと訴えていました。
 しかも、これらの事業は、個々の区市町村単位では対象者が少なく、成り立たない事業だからこそ、都が広域行政の責任で実施しているものがほとんどです。オストメイト社会適応訓練を、都の事業として拡充すべきではありませんか。
 また、少額補助の見直しの名のもとに、せっかく民間で培われてきた福祉の事業の芽を摘むようなことがあってはならないと思いますが、答弁を求めます。
 既に見直しが具体化され、大問題になっているのが、私立保育園に対するサービス推進費補助です。全国一律の国の保育園運営費補助は、保育士の平均勤続年数がわずか五年を基準にした、余りにも水準の低いものであり、質の高い保育はできません。この欠陥を補うため、保育士の平均経験年数に応じた人件費補助を都独自に行っているのがサービス推進費補助です。これがあるからこそ、経済的基盤の弱い私立保育園が経験豊かな保育士を確保することができるのです。
 我が党が行ったサービス推進費に関する緊急アンケートに対し、都独自の人件費補助制度ができる以前は職員の定着率が悪く、毎年三分の一から二分の一の職員が入れかわっていました、制度ができて、ようやく働き続けられる給与体制が整い、その中で保育の経験を積み重ね、系統性や一貫性のある保育が実現した、などという声がたくさん寄せられています。
 ところが、さきの厚生委員会に福祉局が報告した見直しの考え方は、保育士の経験年数に応じた加算を廃止し、根拠が不明確な利用者一人当たりの単価に基づく制度に切りかえるものであり、人件費補助という制度の本質を変質させるものです。しかも、都議会にはごくあらましの考え方しか報告していないのに、施設には新制度の詳細な単価表を示し、影響額を試算させた後は全部回収して非公開としています。こんな、密室で既成事実を積み上げるようなやり方も許されません。
 その上、福祉局が示した補助単価は余りにも低く、ある園では、昨年度補助額のわずか一五%になると試算されています。ある区の各園の試算をまとめてみると、七割の園は現行補助額の半分以下になり、二割以下の補助額まで激減する園もあることが報告されています。
 こんなことがやられたら、保育士は経験年数五年を超えれば次々入れかわり、経験豊かな保育士が一人いれば、あとはパートしか雇えないという事態になることは明らかです。今回の見直しは、東京の保育の水準を根底から堀り崩し、都独自の人件費補助がなかった、三十年も前の時代に逆戻りさせるものといわなければなりません。現場から、これでは取り返しのつかない影響を受ける園が続出する、経験のある保育士はすべて首を切れということか、などの怒りの声が上がっているのは当然です。
 そもそも、福祉局自身が、保育園に対し毎年行っている指導検査の結果、職員の定着率のよい施設がよい保育園だと報告しています。いっていることとやっていることが違うではありませんか。福祉局は、施設の代表者に対し、三年間で段階的に補助額を削減する経過措置を提案しているようですが、そんなことで解決する話ではありません。
 東京の保育水準を守るために、保育士の経験年数に応じた人件費補助はどうしても必要です。すべての保育園が職員の定着率を高め、経験豊かな保育士を確保できるよう、保障していくべきであります。お答えください。
 この問題は、東京の保育水準の基本にかかわる大事な問題であり、私立保育園の経営者、職員、父母の納得と合意なしに進めてはなりません。そのためにも、施設に示した単価と積算根拠の全容を都議会と都民に公開すること、さらに保育園の待機児解消をどうするのか、延長保育やゼロ歳児保育をどう拡充するのか、保育園関係者や父母を含めた都民的議論をオープンな場で行うことこそ求めるものです。それぞれ見解を伺います。
 もちろん、厳しい状況にある都財政の立て直しを進めることは、待ったなしの課題です。その点で重要なことは、今日の財政危機をつくり出した根本の原因を取り除くことなしに、財政再建はあり得ないということです。現在の都財政の困難の原因は、鈴木都政以来、バブル崩壊後、無反省に大型道路を初め、豪華都庁舎、臨海副都心開発などに毎年二兆円規模の投資を行ったことで、借金を重ねてきたことにあります。
 その都政を引き継いだ石原知事は、超高層ビルと大型幹線道路中心の都市再生を強力に推進することによって、この四年間、バブル時代に比べれば抑制されたとはいえ、公共投資は一兆円の規模で高どまりさせてきたのです。
 知事は、これらの投資に多額の一般財源を投入する一方、借金を積み重ねた結果、都債残高は減るどころか、七兆円の規模に達しました。この借金返しのための公債費は、毎年五千億円規模に膨れ上がり、都財政を圧迫しています。ところが、今示されているものの中には、財政難の原因である大型開発を抑制する方向は全く示されていません。
 しかも重大なことは、知事が毎年三千五百億円もの財源不足を強調する一方、巨額の財政支出を伴う羽田国際空港の再拡張を初め外郭環状道路など、新たな大型開発を進めようとしていることです。
 知事、羽田国際空港の再拡張は、公共事業費九千億円のうち、一千億円が都負担になるといわれています。少なくとも一兆円かかるといわれる外郭環状道路は、その上部道路だけで数百億円、本体が国の直轄事業となれば、東京都の負担は三千億円規模に達することが予想されます。
 また、国は、地方自治体の首都高速道路公団への出資金の引き上げを要求していますが、これだけでも、都の負担は百億円以上増加することが予想されます。しかも、国が特定道路財源を東京都に集中投資しているもとで、これに伴う都負担だけでも、毎年数百億から一千億円の規模の追加の負担増となるのではないかと見られています。
 知事、これでどうやって財政が再建できるというのですか。見解を伺います。
 また、こうした大型公共事業に係る莫大な財源を捻出するために、福祉を初めとする都民施策を切り縮める、こんなことは地方自治体はやってはならないと考えますが、答弁を求めます。
 巨額の財源不足という都のいい分は、絶対的なものではありません。実際、第一次プランでも、四年間で六千七百六十七億円も当初の見込みを上回って税収がふえ、今後の税収についても、企業の九月期決算の状況から、増収に向かうと見込まれています。
 また、国の恒久減税の影響をも財源不足の理由に挙げていますが、実は、恒久減税分は特定交付金や減税補てん債などで賄われるもので、直接財源不足に連動するものではありません。
 さらに、来年度、中央卸売市場や旧羽田沖埋立会計からの借入金千三百億円を一気に返済するとしていますが、同じ都の管理する会計に計画的に返済すればいい話です。
 本気で財政再建に取り組むというのであれば、いまだに一兆円規模の投資経費を抑制することなどを内容とした財政再建プランを策定すべきではありませんか、答弁を求めます。
 私が声を大にしていいたいことは、都がなすべきことは、財源不足を都民施策の切り捨てで解消しようというやり方ではなく、たとえ財源がどんなに苦しくても自治体がなすべきことは、福祉や医療、教育など住民サービスの拡充に全力を傾けることだということです。だからこそ、全国で、むだな公共事業を抑制することで住民サービスを拡充する方向に踏み出そうとする自治体がふえているのです。
 私は、改めて、知事が住民の福祉の増進という自治体の本来の姿勢に立ち返ることを求めるものです。
 次に、銀行課税についてです。
 知事は、銀行税について、和解の基本的合意が成立したとして、条例改正案と補正予算などを提案しました。その内容は、税率を現行の三%から〇・九%に引き下げ、加算還付金を含め二千三百四十四億円を銀行に返還するというものです。
 銀行税に対する日本共産党の基本的立場は、そもそも莫大な利益を上げながら、不良債権処理を行うことで課税を逃れている大銀行に対し、適正な税負担を求めるというものです。知事が提案した銀行税も、不良債権処理に影響されない課税方式として導入されたものであり、積極的に賛成してきました。ことし一月に出された高等裁判所の判決は、おおむね東京都の課税方針を是としたもので、私たちの主張の正しさを裏づけたものです。
 しかし、高裁判決は、税負担の均衡要件を満たす検討がなされていないという一点をもって東京都の主張を退けました。この点を考慮して、都知事が行政の責任者として和解に応じることを否定するものではありません。
 しかし、和解の内容、銀行税全体を通じての都のやり方など、あいまいにできない重要な問題を指摘しないわけにはいきません。
 まず、税率を〇・九%としたことです。知事は所信表明で、改正後の税率は合理的な水準と述べましたが、課税対象三十行のこの間の業務粗利益は、一貫して三兆円台を維持しており、株主配当もしっかり行っているわけですから、税率を引き下げる合理的根拠は見当たりません。
 また、不良債権処理後の所得を課税額の根拠とするというのであれば、不良債権処理前の粗利益を課税の根拠とした銀行税を導入した意味は、一体どこに行ってしまったのでしょうか。
 都民が納得できるように説明を行うべきですが、見解を求めます。
 さらに指摘しなければならないことは、銀行課税の制定当時も、今回の和解においても、都民不在の密室的なやり方で進められてきた問題です。
 特に今回の和解については、本来の所管局も蚊帳の外に置かれ、議会に対しても、きちんとした説明も行われませんでした。このことは、政策意思決定過程の公開が大きな流れになっているもと、これに逆行するものです。
 知事が、都の銀行税が国の一般外形標準課税の引き金になったといっていることも問題です。国の一般外形標準課税は、課税対象を資本金一億円以上とすることで、都の銀行課税では対象から外した中小金融機関も対象とされています。
 その一方で、トヨタ自動車やNTTなど大企業の場合は大幅減税となり、さらに中小企業への拡大も心配されているのです。
 知事がいうべきは、国に対して、大企業への適正な課税を行うこと、中小企業は対象としないことなどを強く要望することです。
 次に、知事が新たに設立を進めている新銀行についてです。
 都民の強い要望は、銀行をつくるのであれば、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ中小業者にとって役立つものにしてほしいということです。ところが、知事は、お魚屋さんだか八百屋さんだか、そんなところには貸さないよといい、いまだにこの発言を取り消していません。
 大体、新銀行が優良企業のみを貸し出しの対象としようとするのであれば、既存の金融機関と競合する分野であり、しかも、民間の有志が中小企業を対象とした銀行を設立する動きが生まれています。それこそ、知事がいつもいっているように、民でできることは民に任せたらよい代表例ではありませんか。
 そこで、改めて伺いますが、新銀行は、貸し渋り、貸しはがしの被害に遭っている業者に融資を行いますか。整理回収機構、いわゆるRCC送りになったが、企業再建の見通しがあるということで保証協会に戻された業者、融資が受けられればRCC送りにならずに済む業者などにきちんと融資するのですか。これは新銀行の基本にかかわる重要な問題ですから、はっきりと答えてください。知事の答弁を求めます。
 都は、新銀行に、資本金として一千億円を投じるとしています。しかし、これは、都の制度融資を除いた中小企業予算のほぼ五年分に当たるものです。それだけの財源があるというのであれば、その一部を中小企業対策に振り向けることで、不況に苦しむ中小業者の大きな支援になることは間違いありません。
 例えば、業者の要望の強い制度融資について、貸し渋り、貸しはがし被害を救済するための融資枠の設定、多重債務者を救済する借りかえ制度、無担保無保証人融資の大幅引き上げ、起業、創業融資の抜本拡充などです。
 また、新・元気を出せ商店街事業や、輝け店舗支援事業など商業対策予算、第二期工業集積地域活性化事業の創設と内容の拡充を初めとする工業予算の大幅な拡充は、業者の強い要望です。
 十月一日から実施されるディーゼル車規制に、すべての中小零細業者が対応できるようにするためのPM減少装置装着補助や、国の新規制への対応車などの買いかえ補助枠の大幅な拡充は、規制当事者の当然の責任です。
 以上、こうした切実な要望に都が積極的にこたえることを提案するものですが、それぞれ答弁を求めます。
 次に、介護予防の重要課題である脳卒中対策について提案します。
 脳卒中は、脳梗塞やクモ膜下出血などの総称ですが、寝たきりや痴呆症の大きな原因となる疾患であり、大阪や京都を初め、二十三を超える道府県が脳卒中対策事業に取り組んでいます。ところが、東京都は、予算にも、高齢者福祉や保健医療計画にも位置づけがありません。大きな立ちおくれといわなければなりません。
 他県の取り組みに共通しているのは、脳卒中情報システムです。これは、脳卒中患者の情報を医療機関から保健所や市町村に提供し、切れ目のない地域ケアを行うと同時に、その情報の分析をもとに、予防や医療システムの改善を進める事業であります。
 国も、脳卒中情報システムを都道府県が推進するよう通知を出し、国庫補助の対象としており、このシステムが機能しているところでは、入院件数の減少や入院日数の短縮などの効果が明らかになっています。
 一昨年の都の患者調査によれば、東京の脳血管疾患の患者数はおよそ三万人と推計され、高齢化社会の進行に伴い、増加する傾向にあります。
 都として、情報システムや専門家による脳卒中対策協議会の設置、予防対策の普及啓発を初めとした脳卒中対策事業に取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
 また、医療システムの整備も重要です。デンマークなど欧米で大きな流れとなっているのは、脳外科だけでなく、脳神経内科、内科など多くの分野の医師、専門的教育を受けた看護師、リハビリや医療ソーシャルワーカーなどのチーム医療による集中的ケアを行う脳卒中専用病棟の整備であります。
 これにより、救命率が上がるだけでなく、身体機能を維持、回復する上でも大きな効果があることが検証されており、日本でも、こうしたチーム医療による専用病棟を持つ脳卒中センターの整備が始まっています。
 しかし、東京にはまだ一カ所もありません。東京の医療機関における脳卒中医療体制の実態調査を行うとともに、世界的な流れとなっている、最先端のチーム医療による脳卒中専用病棟の整備を推進するための支援に取り組む必要があるのではないですか。
 また、都立病院に率先して整備することは、自治体病院として重要な役割だと考えるものですが、所見を伺い、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
〔「まじめに答えてよ」と呼ぶ者あり〕

○知事(石原慎太郎君) まじめに答えるよ、よく聞きなさいよ。
 吉田信夫議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、テロリズムについてでありますが、右であれ左であれ、いかなるテロも容認できないことは、日本という法治国家にあっては論をまたないことであります。
 しかし、人間の歴史を振り返ってみますと、いつの時代にでも、やはり政治絡みのテロは後を絶っておりません。現に、パレスチナでもイスラエルでも、そういう事件が頻発しているわけでありまして、こういった歴史の事実といいましょうか、人間の怒りの原理といいましょうか、踏まえて、私は街頭演説で申し上げたわけでありますが、北朝鮮による我々の同胞、繰り返して申しますけれども、百五十人にも及ぶかもしれない同胞が、拉致といえば言葉はやわらかいけれども、おい、石原、ちょっときょう、つき合って飲みに行こうやって、そで引っ張られて行くんじゃない。まさに誘拐されて、袋詰めにされ、十文字に縛られて、さらってみたら、片方は年寄りだから、曽我さんのお母さんなんか殺されたんでしょう、その場で。とにかく、そういう事件が頻発してきた。
 それに対して、出先である外務省は全く反応しなかったし、私も国会でその問題についての質問通告をしますと、そのたびにつぶされてきました。
 そして、向こうの首脳が事実を認めた後もなお、つまり国家を代表する外務省のやり方は、この二十五年間、血の涙を流してきた家族に対して、本当に報いているといえますか。だれもいえませんよ。
 そして、田中均なる者は、全く逸脱して、総理大臣と大統領がいい交わした言葉を、相手の気にさわるから削りましょうと、削る算段までした。私は、これは背信行為であるだけじゃない、売国だと思います。だから、私は万死に値するということで、ああいう表現をいたしました。
 私は、逆にお聞きしたいんだけれども、共産党なるささやかな政党が、北の百五十人という日本人の拉致……(「二百人」と呼ぶ者あり)二百人。いずれにしろ、とにかく膨大な数の同胞をとらえて殺した。これは、まさしくテロ行為でしょう。これに対して、共産党というのは、今までどういう、要するに姿勢をとってきたんですか。
 私、最近おもしろいテレビを見たんだ。何チャンネルでしたかな、10チャンじゃないな、6チャンネルか8チャンネルですけれども、私の盟友の梶山君が国家公安委員長をしているときに、どこが出したんでしょうか、共産党かどうか知りませんが、いずれにしろ質問書が出ましてね、要するにこの行方不明の問題は、明らかに北朝鮮による拉致であると、彼が初めて歴代の政府でいい切った。
 そして、それをとらえて、共産党の橋本敦さんですか、当時の国会議員が質問をしようということで、その質問の準備に、その秘書だった兵本さんという人が、要するにその状況というものを確実にとらえるために、警察に接触して、そして質問書をつくる準備をした。ところが、この人は、それがどういう形で共産党のげきりんに触れたかどうか知りません。結果として首になったんですよ。
 そのいきさつを、現実を踏まえてドラマ仕立てでやっておりましたが、その夫婦の会話の中で、おれはもう、どうも間もなく共産党を首になるよ。奥さんが、拉致の問題でといったら、まあな。
 これは、あなた方共産党は抗議しているようだけれども、兵本さんは、出るところへ出たら、はっきりすべていうといっているそうですよ。だから、一回出されたらどうですか。(発言する者あり)
 それで、私は……(「全然違う」と呼ぶ者あり)いや、全然違うかどうか、出るところへ出てやったらいいんだ、あなた方。あなた方の名誉のために。
 私は、先ほどの質問を聞きましても、本当にどこかのわけのわからぬメディアと同じで、共産党も――私はアメリカの映画の例を引いて、セオドア・ルーズベルトの例を引いて、国民を取り戻すために戦争を始めた、あの映画にもなりました事件を踏まえていいました。
 しかし、私は、私が総理になったら北朝鮮と戦争になるといいましたか。こういう片言隻句だけをとらえるやり方っていうのは、そこらの安っぽい、問題の多い日本のメディアと全く同じ。あなた方はデマだ。これは、あえていえばうそだ。こういうことはやめた方がいい、政党の品位のために。
 次いで、財政再建における区市町村との関係についてでありますが、今後、地方分権をより一層推進する観点からも、都と区市町村との関係を見直す必要があり、何でもこれまでどおり、みんな同じというわけにはまいりません。
 また、新たな都民ニーズを的確にとらえ、東京の活力を呼び戻す先進的な施策を行うためには、今後ともさらなる内部努力に取り組みつつ、休止、廃止を含む聖域のない施策の見直しを徹底し、財源を生み出さなくてはなりません。
 区市町村にも、都が置かれた厳しい現況について共通の認識を持っていただき、ともに改革を進めてもらいたいと思っております。
 次いで、保育施策についてでありますが、いうまでもなく、保育サービスの充実に向けて、利用者である都民の声を聞き、真のニーズに的確にこたえることは重要であります。
 都が認証保育所を創設したのも、現在の認可保育所制度が硬直的、全国画一的で、都民が求める延長保育やゼロ歳保育などの都市型保育ニーズに的確にこたえていないためであります。
 今後とも、真に利用者本位の福祉を実現するため、認証保育所の実績を踏まえ、保育所制度の抜本的な改革を強く国に求めてまいります。
 次いで、都市再生をやめなければ財政再建はできないとの指摘でありますけれども、これは全くこっけいな、文明工学というものを、要するに全く理解しない、お気にさわるかもしれないけれども、本当に極めて政治的IQの低い発言でしかないですな。あなた方が熱烈にされた、美濃部さんがやった都政のおかげで(発言する者あり)失礼じゃない、本当のこと。いかに東京が大きな傷跡があるか、あなた方自身が反省してもらいたい。
 都市の根幹となります施設を整備し、産業の活性化や生活基盤の質を高める都市再生は、将来にわたって東京の活力を維持するために不可欠の事業であり、中でも羽田空港や首都高速道路、外郭環状道路等の整備は投資効果も高く―これは共産党には理解できないでしょう、こういうことはね―東京にとっても最も優先度の高い事業であります。
 これまで首都圏は、地方に比べ、国費の投入が薄かったのでありますが、国がようやく、東京や首都圏の社会資本の整備が日本全体の活性化につながるという認識を持つに至りました。努力の結果でありますけれども、羽田空港の再拡張や外郭道路の事業着手に向けた動きがあらわれてまいりました。
 これらの国家的プロジェクトとして実施される事業についても、その必要性に応じ、都が応分の負担をするのは当たり前のことでありまして、こうした事業こそが東京再生、ひいては日本再生の端緒を切り開いていくものであります。
 ちなみに申しますけれども、私の代になって東京都は、超高層ビルなんてつくったことございませんから。
 次いで、銀行業に対する外形標準課税についてでありますが、今回の条例改正は、条例制定時の予測をはるかに上回る金融機関の体力低下、税負担が不均衡とする控訴審判決の趣旨、都の条例を契機として国の法改正が行われたことをしんしゃくして行うものであります。
 税率〇・九%は、国の外形標準課税の税率設定の考え方等を勘案し、直近十年間の平均税収をもとに算出したものでありまして、極めて合理的な水準であります。
 次いで、新銀行の融資についてでありますが、日本経済の再生のためには、産業の活力の源であります中小企業に生きた資金を提供することが何より必要であると思います。
 そのため、新銀行は、技術力や将来性等にすぐれた企業であれば、貸しはがしを受けていようと、貸し渋りを受けていようと、技術力や将来性などにすぐれた企業であれば、業種を問わず積極的に支援してまいります。
 具体の融資については、整理回収機構関連にとどまらず、さまざまなケースが考えられますが、新銀行の新たな融資基準に基づき判断を行っていくこととなります。
 なお、その他の質問については、副知事及び関係局長から懇切に答弁いたします。(「まじめに答えろ」と呼ぶ者あり)まじめにやってるんだよ。
〔副知事竹花豊君登壇〕

○副知事(竹花豊君) テロ行為云々についてでございますが、私が治安対策担当の立場にあることからのお尋ねかと存じますが、知事の発言と私の職務執行とは別の問題と考えております。
 なお、一般論として申し上げれば、公職者であれ、だれであれ、テロ行為を容認する発言はすべきでないと考えます。
〔財務局長櫻井巖君登壇〕

○財務局長(櫻井巖君) 財政再建に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず、補助金の見直しについてでありますが、都税収入の大幅な増が期待できない中、都は厳しい施策の選択を迫られておりまして、一層の内部努力とともに、補助金も含めた、聖域のない厳しい施策の見直しが不可欠でございます。
 こうした取り組みを通じて新たな財源を生み出すことにより、初めて真の都民サービスの充実が可能となります。
 したがって、補助金につきましても、個々の意義、目的、内容を十分精査、検証し、時代状況の変化に適合したものとするために、区市町村との対話も重ねながら見直しに取り組んでまいります。
 次に、都の任意の補助金についてのお尋ねですが、都が国基準に上乗せ、横出しして行っている補助や、都が単独で行っている補助金につきましては、そのこと自体を理由として一律に削減するようなことは考えておりません。
 補助金の見直しに当たりましては、時代変化への適応や役割分担、事業効果等の観点から、個々の補助金の意義、目的、内容を精査、検証し、時代に即応して都民ニーズに的確にこたえたものとなるよう再構築を進めてまいります。
 次に、公共事業と福祉を初めとする施策との関係についてでありますが、都市の根幹を形成する社会資本の整備は、次世代に引き継ぐ貴重な財産となるものでありまして、先ほど知事がお答えしたとおり、都民生活の質を高め、東京の活力をよみがえらせるためにも不可欠の事業であります。
 また、福祉、医療などの各種施策の取り組みも重要であり、都は、利用者本位の福祉を目指す福祉改革などを通じまして、その充実を図ってきております。
 社会資本の整備と福祉などの諸施策とは、今後の都民生活を安定的に支えるという観点から、ともに重要な事業であり、この両者があたかも対立関係にあるようにとらえることは適切ではなく、全体として調和のとれた施策展開と財政運営が都民にとって求められております。
 最後に、投資的経費の抑制を内容とした財政再建プランを策定すべきとのお尋ねでございますが、都はこの間、都の行うすべての施策について聖域なく見直しを行ってきた結果、十五年度予算における投資的経費は六千二百六十五億円と、ピーク時である平成四年度と比較して、三分の一以下の水準にまで削減してきております。
 投資的経費につきましては、今後とも、大都市における社会資本整備の重要性を踏まえつつ、一層の重点化、効率化を図るとともに、高どまりを続ける経常経費につきましても見直しを進めるなど、これまでにも増しまして聖域のない見直しを徹底してまいります。
〔生活文化局長三宅広人君登壇〕

○生活文化局長(三宅広人君) 私学助成についてお答えいたします。
 私立学校は、東京の公教育において大きな役割を担っていると認識しており、そのため、私立学校に対し、公立学校の運営経費を基礎として、実態に即した補助を行っております。
 また、私立幼稚園の園児保護者の負担軽減につきましては、所得に応じた負担の適正化を図りながら、預かり保育の充実など施策の展開に努めてきました。
 今後とも、社会経済状況の変化に対応しつつ、適切に対処してまいります。
〔福祉局長幸田昭一君登壇〕

○福祉局長(幸田昭一君) 福祉事業等に関します四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、オストメイト社会適応訓練事業についてでございますが、この事業は、人工肛門や人工膀胱を造設した人、いわゆるオストメイトの社会復帰の促進を目的とし、装着する補装具の使用方法や、食事や入浴方法などの社会生活に関する講習会を実施している民間団体に対しまして、都が補助しているものであります。
 現在、民間団体により事業は適切に実施されており、都の事業としていく考えはございません。
 次に、福祉に関する少額補助の見直しについてでございますが、利用者本位の新しい福祉を実現するためには、福祉に関する補助事業につきましても、時代状況や都民ニーズの変化に的確にこたえられるよう、不断の見直しを行う必要があります。
 このような観点から、個々の事業について、金額の多寡にかかわらず、事業の必要性、区市町村や民間との役割分担などを十分に精査、検証しながら点検を進めてまいります。
 次に、保育所における保育水準の確保についてでございますが、保育所の運営は、基本的に国基準の運営費で運営されるべきものでありますが、都はこれに加えて、延長保育やゼロ歳児保育などの実施にかかわる事業費の都加算補助を実施し、さらに多くの区市町村が独自の加算補助を行っております。
 このような手厚い補助に加えまして、都は、サービス推進費により職員の平均経験年数に基づく補助を行っておりますが、延長保育やゼロ歳児保育などの都市型保育サービスの実施状況を見ましても、補助金額の多寡が必ずしも都民の保育ニーズにこたえたサービスの提供に結びついておりません。
 このため、今回のサービス推進費の再構築に当たりましては、都として望ましいサービス水準を確保しながら、サービス向上に向けた施設における努力が真に報われる仕組みとしていく考えでございます。
 最後に、サービス推進費の再構築の内容についてでございますが、再構築に当たりましては、これまで保育施設を含むサービス推進費対象施設の代表者との懇談会を設け、昨年の八月から十回にわたりまして、精力的に意見交換を重ねてまいりました。また、多くの保育関係者からの要望も伺っております。
 その結果、施設の規模等や職員の平均経験年数に基づく現在の画一的な補助を見直し、都として望ましいサービス水準を確保しながら、施設のサービス向上に向けた努力が真に報われる仕組みにする再構築の基本的な考え方につきましては、直近の懇談会において合意が得られたところでございます。
 この合意に基づきまして、現在、再構築後の具体的な単価や努力項目について、引き続き意見交換を行っている段階にあり、今後、施設代表者との合意を得た上で、都として取りまとめを行い、議会等に報告してまいります。
〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、制度融資についてでございますが、都はこれまでも、都内中小企業の資金需要に的確に対応し、毎月の返済負担を軽減するための借りかえ融資や、小口の運転資金にスピーディーに対応するためのつなぎ融資を昨年十月から実施するなど、制度の改善を図ってまいりました。
 今後とも、適切な制度融資の運営に努めてまいります。
 次に、商工業の振興についてでございます。
 今年度から、商店街振興施策を再構築し、予算及び事業を大幅に拡充、強化しております。
 また、工業集積地域活性化支援事業は、平成十六年度に終了することとなっておりまして、事業成果の検証が必要であると考えております。
 産業構造の変化等を踏まえまして、ものづくり産業の新しい集積施策について、中小企業振興対策審議会に諮問してまいる考えでございます。
 今後とも、商工業の振興に努め、地域経済の活性化を図ってまいります。
〔環境局長小池正臣君登壇〕

○環境局長(小池正臣君) ディーゼル車規制に伴う補助についてお答えいたします。
 都は、今年度、PM減少装置の装着補助の大幅な増拡や、新車への買いかえのための新たな融資制度の創設など、厳しい経営環境にある中小零細事業者への支援策を最大限実施してまいりました。
 その結果、多くの事業者の方々の理解と協力によりまして、規制への対応は着実に進んできております。
 現在、年内に規制対象となる車両について補助受け付けを再開し、また、来年一月から三月までの規制対象車についても十月末から受け付けを行うこととしており、未対応車については、今年度予算の活用により対応できるものと考えております。
〔健康局長平井健一君登壇〕

○健康局長(平井健一君) 脳卒中対策について二点の質問にお答えします。
 まず、脳卒中対策事業への取り組みについてでございますが、この疾病は、生活習慣に起因することが多いことから、都では、専門家による成人病検診管理指導協議会において、脳卒中を含めた生活習慣病の予防対策について検討を行っております。
 また、十二年度から、脳卒中の要因となる高血圧などの人たちに対して、きめ細かな指導を行う生活習慣改善指導推進事業の実施や普及啓発などで予防対策の推進に努めているところでございます。
 次に、医療体制の整備についてでございますが、脳卒中には発症直後の迅速な医療対応が重要でございます。
 このため、都は、医療機関の実態を踏まえ、高度かつ総合的な診療基盤を有し、生命危機を伴う重篤な救急患者の治療を行う救命救急センター二十一カ所を中心に救急医療体制を整備し、対応しております。
 また、救命処置後の後遺症を予防、軽減させるため、リハビリテーション専門病床や地域リハビリテーション支援センターを整備するとともに、医療連携の充実にも努めておるところでございます。
〔病院経営本部長碇山幸夫君登壇〕

○病院経営本部長(碇山幸夫君) 都立病院におけます脳卒中への対応についてでございます。
 都立病院では、脳卒中に限らず、患者の早期の社会復帰を目指しまして、多くの診療科や各医療職種が連携したチーム医療、これを推進することが重要であると認識しておりまして、従来からこれに積極的に取り組んでおるところでございます。
 今後も、都民のさまざまな医療ニーズに的確に対応していくため、在院日数の適正化や、地域や他の医療機関との連携によりまして、限りある病床を有効に活用していくとともに、医療機能を集約することによりまして、質の高い医療の提供を目指してまいります。
〔百二十六番吉田信夫君登壇〕

○百二十六番(吉田信夫君) 私の質問に正面から答えることなく、事実をねじ曲げて公党を誹謗する態度は許されません。拉致問題の解決に日本共産党が早くから取り組んできたことは明白な事実です。(発言する者多し)一九八八年、橋本敦参議院議員が国会で最初に拉致は北朝鮮の犯罪と認めさせ、その後も諫山議員、木島議員などが繰り返し国会で取り上げてきたんです。九九年には拉致問題を解決するためにも、日朝間での外交ルートを開くことを提案、昨年の日朝国交正常化交渉の道を開いてまいりました。(発言する者多し)
 フジテレビが放映した番組は、知事自身、ドラマ仕立てといったように、明白な虚偽を公共の電波を使用して放送したものであり、我が党は放送法に違反するものとして抗議するとともに、訂正の放送を要求しているものであります。(発言する者多し)事実を調べることなく、真に受けて公党を攻撃することは断じて許されません。
 しかも、あなたは、肝心な質問に答えていないではありませんか。法治国家でテロを容認しないことは論をまたないなどといいながら、しかし、爆弾が仕掛けられて当たり前、あり得てむべなるかなという発言は、テロ容認以外の何物でもないではありませんか。(「そうだ」と呼び、その他発言する者あり)この発言は都民の前に厳然として残っているんです。テロを容認しないというならば、はっきりと、この当たり前という発言、潔く撤回し、謝罪をすべきです。
 もう一度、はっきりと取り消すのか否か、その一点に絞って回答することを強く求めて、私の再質問とします。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 人のいったことの文脈の前後も全くとらえずに、要するに一部だけとらえて、そう断定するというのはやっぱり一種のファッショですな。
 その前に、せっかくの機会ですから、都民の皆さんもテレビを見ているんだ、メディアもいるんだろうから、お聞きしますけど、あなた方、東京都の共産党はこういう時代を前にして―東京都は、決して経済制裁じゃありませんけども、今まで美濃部以来、不当に脱税してきた北朝鮮の施設に対して固定資産税を課税しました。それプラス国は経済制裁をすべき、私は戦争をしろとはいっていません、にわかに。ただ、最も穏やかな手段のカードを切って、私は経済制裁すべきだと思うけど、あなた方はどう思うんですか。あなた方、「赤旗」も来ているんだろう。きょうの「赤旗」にも広告が出たそうだ、私をこれでとっちめると。とにかく質問じゃないんだ、あなた方のいっていること、私はあなたのいいなりにならない。あなた方、質問になっていない。だから、私はいったことを繰り返すだけですよ。(発言する者多し)

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