平成十五年東京都議会会議録第四号

○議長(三田敏哉君) 四番矢島千秋君。
   〔四番矢島千秋君登壇〕

○四番(矢島千秋君) 多くの人が訪れ、住み、集う都市は、さまざまな担い手の多様性と人との交流が自己変革と創造を生み、そしてこの日々生まれ変わろうとする都市の力が、まさに閉塞感に満ちた日本再生の牽引となるのであります。このことは、IT化が進もうとし、それを手段とする現代であるだけに、豊かな知識と人と人との出会い、そして都市の包容力が大きな課題となると思えます。
 しかし、東京の将来像を考えるとき、どのような方向を打ち出そうとも、現実に自治体に財政の自己決定権がなく、集中的、効果的に実を上げることが難しいのでありますが、それでも果敢に取り組もうとしている東京都にとっては、基本となる新しい社会のありようをもって、今後の東京都施策を語ることになります。この点についてお伺いをいたします。
 東京都の財政再建は、財政再建推進プラン策定以来、力を尽くして取り組んできたことは、評価できるのであります。しかし、現在の経済状況からは、劇的好転の見込みが立たず、年次計画達成の強化で済みそうにない状況であります。実際上、財政再建は手段でありますし、その先の大目標、ビジョンある取り組みなくしては単なる収支の帳じり合わせに終わってしまいます。ビジョンにつながる財政再建計画でなくてはなりません。そのために、あるべき社会の姿を示すことになりますが、財政再建についても、短期、中期では不十分で、財政規律の上からも財政再建計画を組み込んだ十年スパン程度の長期の観点から取り組みが必要であります。
 そこで、今後の財政再建計画の基本的性格についてお伺いをいたします。
 東京都の財政は、都民に開かれた全体像も含めて十分にわかりやすく、透明性のあるものであることは当然であります。それゆえに、現在、大変苦労し、努力して作成している東京都のバランスシートは、平成十八年度に予定している一般会計への複式簿記の全面導入とあわせ、評価し、期待をしていることの一つであります。
 また、東京都の財政再建取り組みの努力は、結果として都の貸借対照表の連年比較の中に数字としてあらわれ、こうしてもたらされるであろう財務の改善は、未来への贈り物ともなります。また、問題点も明らかになるだけに、今後の積極的努力を期待するものであります。
 大組織、東京都行政は、各局、各部が所管を持って業務を進めております。重要施策、行政評価は知事本部、予算編成は財務局、監理団体を総務局と、それぞれ別の所管であります。しかし、目的は、限られた財源の中で、見定めた東京の未来に向け、優先順位に基づいて選択された施策を効率的に運営する方法を決定、実施し、そして権限と責任のもと行われた事業の政策評価を行う。最終的には連結バランスシートが作成され、行政責任が問われるのであります。
 ここまでの過程には各種の手法があるわけでありますが、重要なことは、それらが有効に連携をしていなければなりません。このうち、行政評価、毎年の対象事業は、全事業数に比較して甚だ少なく、一方、予算編成でも、ある意味での政策評価を行っておりましょうが、しかし、その基準は、制約条件下での調和主義になりがちであります。予算編成、行政評価、バランスシートといったこれらの取り組みを相互に連関し、有効に機能するよう工夫し、制度設計すべきであります。お伺いをいたします。
 東京のインフラは、関東大震災と戦後復興、そして東京オリンピックごろに整備されたものが多く、まさに更新期を迎えております。特に高度成長期に整備された施設は特に多く、このうち橋梁の問題については、過日の外部監査法人説明で、ライフサイクルコスト縮減に着目したアセットマネジメント導入の提言がありましたが、ニューヨークの例を見るまでもなく、東京都管理下の道路施設について、適切な維持管理の執行、更新期集中化の回避、更新費用の適正な配分と軽減が必要であります。今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 この都市基盤更新問題は、道路施設に限らず、東京にとって切実な問題であります。将来にわたる都市間競争が国境を超えて繰り広げられ、情報化進展の中で人と人との出会いが情報に命を与えるからこそ、更新期を迎えている都市基盤の問題は、東京の活力維持と安全の基礎をなすからであります。
 私は、この問題を都政の重要課題として認識する一人でありますが、東京都でも既に一応の調査がなされております。都は、平成十年、現在の知事本部の前身、東京都政策報道室が上梓した、今後の都市基盤更新のボリュームの大きさと取り組みを必要とした報告がそれであります。概算の上、非常に単純な前提での推計値でありますが、事の重大さは十分認識できるものであります。
 東京都は、人の集積する都市として東京の将来の都市像を念頭に、今後さらに必要となる都市基盤整備のためにも、各局が個別にとらえている切実な都市基盤更新問題を全体として把握し、限られた厳しい財源を有効に活用するためにも、横断的、計画的に取り組んでいくことが必要であります。この点についてお伺いをいたします。
 次に、まちづくりに関してお伺いをいたします。
 道路づくりはまちづくりといわれて久しいのでありますが、都市計画道路などを拡幅、整備するとき、買収した土地が青いネットで囲われ、税金が転化したものであるにもかかわらず、国民、都民から離れた所有を主張しているような光景でありました。無論、道路は都市生活を支える基本であり、都市の骨格として良好な町並みの形成ほか、環境の改善に寄与し、その整備は地域を活性化させる等、大きな経済効果を生み出すものであります。
 しかし、本来、道路づくりは、住民とともに地域のまちづくりと連携し、千客万来の都市東京を都民と協働してつくり上げねばなりません。現在、都においては、白山通りの整備に当たり、地元商店街などと一体となった道路整備に取り組んでおり、こうした事例は都の道路づくりの大きな変化を感じさせ、大変評価できるものであります。今後、住民と連携した道路整備を進めていくべきと思いますが、これからの道路整備のあり方についてお伺いをいたします。
 都市は、日本の再生を促す原動力であり、その中でも交通の円滑化は、都市骨格の強化となるものであります。今般の都市再生取り組みの交通結節点でのJR大塚駅整備は、大変意義ある取り組みであります。この点については、さきに我が党の高橋かずみ議員がただし、東京都の積極的な答弁がありましたが、今回進められようとしております自由通路を中心とした同駅JR駅舎の整備は、都電、都バスとの連絡、また戦後復興整備のまま景観、使い勝手ともに不十分ともいえる都管理下の南北駅前広場などとともに、大塚を中心とした地域全体計画の中で、初めて生きてくるものであります。
 そこで、自由通路の整備と駅のバリアフリー化について、地元区や東京都、鉄道事業者が協議し、工事着手に向け、調整が進んでいると聞いております事業の進捗状況、そして今後どのように関与していくかをお伺いをいたします。
 また、自由通路の整備に向け取り組みが進んでおることは大変喜ばしいことでありますが、駅前広場ほか駅周辺のさまざまな課題を全体計画の中で解決していくためには、地元区の取り組みはもとより、都の積極的な支援が必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、都電の活性化につきましては、昨日、同趣旨の質問がありましたので、意見のみ申し述べておきます。都電荒川線は、東京を南西から北東に走る専用軌道を中心とした営業キロ十二・二キロ、一日の乗降客約五万七千人の都営唯一の路面電車として根強い人気を得ております。路線は、早稲田から池袋駅をかすめ、三ノ輪橋に至っておりますが、都電廃止の経緯から、起終点が鉄道のターミナルに接着していない等、交通利便性からも、営業面からも、いかにも中途半端であります。
 しかし、東京都としても、LRT化の問題、新宿駅、池袋駅、浅草駅接着の構想などを検討し、このうち延伸問題は、導入空間の確保や都市採算性の面から厳しいとも聞いておりますが、例えば、池袋から荒川線雑司ヶ谷駅までは九百メートルと短く、投下資本もそれほど大きくないと思われ、今後予定されております街路整備を踏まえれば、何らかの対応の可能性が生まれるものと考えます。
 都電は、自動車交通と違って排気ガスなしの無公害、地下鉄のような莫大な投資もなく、東京の観光資産として貢献も期待できるなど、多くの利点があるだけに、今後多様な選択肢を排除せず、その活性化を図るべきであります。以上、意見としておきます。
 一千二百万人の東京。知事も申されるように、東京の人の多さのみならず、緑濃き奥多摩から紺碧の小笠原まで、実に変化に富んだ多様性豊かな身近な宝庫であります。東京都も、観光施策の重要性にかんがみ、いわゆるツーリストビューローを整備し、日本人の利用を中心に多くの外国人の好評を得ていると聞いておりますし、政府もおくればせながら観光立国をうたい始めました。観光は、歴史的建造物が語りかけるものに心を開き、近代施設を見学するばかりではなく、東京のここかしこで行われている地域の色合いをあらわしている小さな行事から、百万人の観客を集める大事業も、訪れる者にとっては新鮮な発見であります。
 中には、歴史と伝統を誇る大変有名な行事もありますが、地域の取り組みが新しい歴史を歩み始めたものもあります。例えば、私の地元豊島区の池袋西口にも、秋には東京都の後援を得て東京よさこいコンテストが開催され、昨年で五十二チームが出場、同好会を中心とした宵みこしパレードは十七基の大みこしが出るほか、やっさ踊り、かっぽれ、佐渡おけさ等各種の踊りのパレードが、また舞台ではショーが繰り広げられ、ここが肝心でありますが、全く地域商店街の手づくりで運営されている三日間の大規模イベント、商業祭があります。
 大小にかかわらず、このような事業は、全都に枚挙のいとまもないほどあることは容易に想像できるのであります。人が見知らぬ町を訪れる喜びは、未知なるものへの驚きもその一つであります。しかし、人のなりわいの中にある地域の文化を楽しむためには、この情報が容易に得られるものでなくてはなりません。
 東京都は各種後援事業があり、いわば元気を出せ商店街事業も、多彩な行事を通して地域のにぎわいを示すものであります。これらの個別情報を得ている都は、商店街振興、また観光、地域振興の観点からも、それらの情報を整理、統合し、少なくとも広域情報化を希望する事業については、どこかで何かがいつも行われている興味尽きない東京を演出する、商店街のイベント事業情報を広く発信すべきであります。このことは、個々の商店街を超え、東京の地域商業全体の振興にも役立つに違いありません。お考えをお伺いいたします。
 最後に、臨海部開発についてお聞きをいたします。
 商業・業務用地、そして大規模公園として開発が進められ、アクセスの改善が劇的な乗降客の増をもたらしました臨海部開発は、持続可能な都市、いうところの都市再生の要素があるように思えるのであります。環境、緑、人、情報基盤。台場地区の水質改善の取り組みも、その中の一つに違いありません。
 これまで都は、臨海副都心の企業等の誘致に向けて、進出環境の改善などを目的とし、昨年夏に、平成十四年度事業者誘致政策を発表し、処分価格の早期確定や、地域ごとに特性のある公募を実施するとしてまいりました。その後も、公募条件の緩和や教育機関への臨海副都心誘致に向けた調査など、さまざまな取り組みを重ねてきたとお聞きしております。最近では、この一月にサントリーが東京新ビルの建設に着手、また三月には大江戸温泉物語が開業するなど、明るいニュースが聞こえてまいります。また、公募に関する報道も新聞で目にしておりますが、今までの誘致活動が少しずつでも実を結ぶのではないかと期待をしておるところであります。
 そこで、これまでの取り組みが何らかの誘致等に結びついてきたのか、具体的な展開についてお伺いをいたします。
 臨海副都心の開発は、多様な機能を備えた二十一世紀の理想的な都市の形成であり、人が集い、人と人が出会える町として大きく発展していくことが期待されております。今後もその実現に向け、ぜひ頑張っていただきたい。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 矢島千秋議員の一般質問にお答えいたします。
 極めて難しいご質問でありまして、まず、新しい社会のありようについてでありますが、東京も大きな世帯でありますけど、国家の一部でしかありません。必然、国家というものの動向に、経済、財政も含めて左右されるわけで、その日本という国家そのものも、つまり長い歴史を持ち、敗戦という一つの区切りからしても、いろんな変化を経て今日あるわけで、その間東京にいろんな行政の責任者が登場されましたが、そういう方々がどれほど正確に予見性を持って行政を担当し、また東京都の将来あるべき姿を規定したかということは、私、定かでありませんが、しようとしても非常に困難な作業だったと思います。
 いずれにしろ、これからの社会のありようを考えるときに必要とされるのは、正当な時代認識、歴史認識であると思いますし、東京には日本が直面する危機が非常に先鋭的にあらわれておりまして、東京は、これを変えることが日本を変えることにもなると思うし、それだけの潜在力を持った都市であると認識してもおります。
 そういう点で、さまざまな施策を私なりに考え、チームプレーとして都庁で努力もしてまいりましたが、これからの社会のありようとは、なかなか、定型的なものとして、イメージとして定着し切れるものでもありませんし、いずれにしろ、現行の東京の中にある先鋭的な問題を解決するために新しい施策を講じるということの積み重ねで、これからの東京の社会としてのあり方が造形されていくと思います。
 同じコンテクストの中で財政再建についてでありますけれども、これも同じ要因に左右されるやっかいな問題でありまして、かつてガルブレイスが不確定性の時代という本の中で、経済の予測をする人間は、予測の能力のない人間と予測の能力がないということを知っている人間、二種類しかないとか、非常にシニックなことを書いていましたが、そういう点では、私たち、この国の経済動向というものをなかなか正確に把握し切れませんし、専門家と称する人たちが今までやってきた施策も、失われた十年ですか、十五年という形の結末でしかない。
 そういう中で、私たちは財政再建推進プランを策定し、この四年間、財政再建にともかくも取り組んできましたし、またそれなりの成果を上げてきたと自負もしております。ただ、国の大きな流れに引き込まれて、税収が大幅に落ち込むなど、都の財政を取り巻く環境はますます厳しいものになりつつあります。そういうプロセスの中で都の財政再建はまだ道半ばでしかありません。現在のプランは、十五年度が最終年度であることから、新たな新規の財政再建のプランを策定することが必然必要だと思っております。
 いずれにしろ、今日の社会経済状況の変化は激しく、またアメリカという強大な国家がこれからどういう戦争をどういう形で遂行するかしないかということにも、世界全体の経済が振り回され、その中で日本はまた大きな多角的な影響を受けるわけでありまして、先行きは非常に不透明なことから、これを長期にわたって見通すことは極めて難しいと思いますが、それなりにこれまでの財政再建の取り組みや重要施策の考え方などを踏まえながら、できる限り人知を尽くして検討し、財政の着実な再建に努めたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔財務局長田原和道君登壇〕

○財務局長(田原和道君) バランスシート、行政評価と予算編成の連携につきましてご質問がございます。
 限られた財源を有効に活用し、より効率的、効果的に施策を推進していくためには、すべての既存施策を不断に見直すとともに、事業の評価、検証を通じまして、施策の優先順位を明確にする取り組みが必要であろうと思っております。
 そのためには、ご指摘のように、バランスシートの作成によりまして、コスト情報、それからストック情報を総合的に把握をいたしますとともに、行政評価との連携を図っていくことが重要であります。
 現在準備を進めております複式簿記・発生主義会計の十八年度本格導入によりまして、さらに正確さを高めたバランスシートを速やかに、また容易に作成することが可能となりますので、これを行政評価や各局における自主的な事務事業の見直しに一層活用いたしまして、予算編成に有効に生かしていこうと考えております。
   〔建設局長小峰良介君登壇〕

○建設局長(小峰良介君) 都市基盤の更新とまちづくりの取り組みについての質問にお答え申し上げます。
 まず、道路施設の更新についてでございますが、橋梁、トンネル等の道路施設については、常に安全で快適な状態を保持することが重要でございます。このため、これらの施設については、健全度を定期的に調査し、劣化、損傷に応じて、維持補修、更新を行ってきております。しかし、東京オリンピックから高度経済成長期に整備した多くの施設が集中して更新時期を迎えるため、長期的視点に立った計画的な更新の平準化が必要でございます。そのため、これまでの健全度判定に加え、各施設ごとの劣化特性の把握や、耐久性向上技術を確立し、計画的、効率的な維持補修により、適切なサービス水準を維持した施設の長寿命化を図ってまいります。
 現在、橋梁について、学識経験者を含めた委員会を設置し、検討を進めておりますが、引き続き、その他の施設についても順次拡大してまいります。
 次に、住民と連携した道路整備のあり方についてでございますが、都はこれまでさまざまな機会をとらえ、地域住民との話し合いを行うなど、地元の理解と協力を得ながら道路の整備を進めてまいりました。
 お話の白山通りや多摩の調布保谷線では、都と地域住民や地元区市などによる協議会を設置し、快適な歩行空間の形成や緑豊かな環境施設帯の整備について、幅広く意見を聞きながら事業を進めております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、地域の特性に配慮し、住民に親しまれる質の高い道路整備に努めてまいります。
   〔知事本部長前川燿男君登壇〕

○知事本部長(前川燿男君) 都市基盤施設の更新についてのお尋ねでありますが、東京には、道路、橋梁、公共交通、港湾など膨大な都市基盤施設がありますが、その水準を維持していくため施設を計画的に更新していくことが重要であるのは、ご指摘のとおりでございます。
 お話がありました、横断的に優先順位をつけるというのは、これはなかなか難しいわけではありますが、都はこれまでも、限られた財源を有効に活用するため、更新コストの縮減に努めるとともに、毎年の予算編成に当たりましては、都民の要望を踏まえ、都議会でご審議をいただきながら、一般会計や特別会計ごとの財源構成も勘案して、財源の効率的な配分に努めてきたわけであります。
 今後とも、東京が活力を保持し、国際競争力の強化と都民生活の向上が実現できますように、都市基盤施設の着実な更新に努めてまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) JR大塚駅と周辺まちづくりに関する二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、大塚駅の整備でございますが、これまで地元区において、自由通路の整備と駅のバリアフリー化に向けて取り組んでまいりました。都は、これらの実現に向けて、地元区や鉄道事業者などとの調整に努めてまいりましたが、このほど、国の都市再生交通拠点整備事業制度の適用を受けるめどが立ちました。
 今後は、平成十六年度の工事着手を目指して、引き続き必要な支援を行ってまいります。
 次に、大塚駅周辺のまちづくりについてでございますが、地元区において、自由通路の整備と駅のバリアフリー化を契機に、周辺まちづくりについて、昨年八月、地元豊島区、区街づくり公社、東京都、JR東日本で構成されます大塚駅周辺整備に関する調整会議を設置いたしまして、検討を開始しております。
 都といたしましては、交通結節点として重要な地域であることから、区の動向を見ながら、今後とも調整会議に参画するなど必要な支援を行ってまいります。
   〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 商店街イベント事業の情報発信についてのご質問にお答えいたします。
 商店街が実施するイベント事業により地域のにぎわいを高めるためには、イベントの内容や開催日時などを周知することが必要でございまして、ご指摘のとおり、効果的で多様な広報活動が重要であります。このため、東京都は、広告掲載やチラシ、ポスター作成などの広告宣伝費を、元気を出せ商店街事業の補助対象とするなど、積極的に支援してまいっております。
 今後は、お話のように、広域情報化が必要な、そういうことを希望する事業については、商店街の地域にとどまらず、より広範囲に情報発信をすることができるよう、区市町村や関係団体と協力しながら、「東京の観光」という都のホームページへの掲載などさまざまな機会を利用して、観光振興とともに地域商業全体の振興に積極的に努めてまいります。
   〔港湾局長高橋信行君登壇〕

○港湾局長(高橋信行君) 臨海副都心における誘致の取り組みと成果についてでありますが、これまで、二千社訪問の成果を踏まえ、進出条件に係る規制緩和や売却方式の導入、地区ごとの特性を生かした誘致など、戦略的な取り組みを展開してまいりました。
 まず、規制緩和の成果でありますが、台場地区で最後の区画であるH区画について、建物の高さの条件などを緩和した結果、事業者の応募があり、現在、審査中であります。
 また、都の強い働きかけによる工業等制限法の廃止により、大学等教育機関の進出が可能となり、有明北地区で学校公募を開始しました。
 次に、土地売却方式を導入した成果といたしまして、会員制ホテルの事業者を決定したほか、有明南地区で民間に対する初の底地売却を行いました。
 先端産業の誘致を展開している青海地区では、新たにバイオ・IT融合研究施設の設置が決まり、同地区の今後の開発に弾みがつくことが期待できるようになりました。
 このように開発に明るい展望が見え始めましたが、これに油断することなく、臨海副都心の魅力と優位性を生かした戦略的な誘致活動を展開し、開発を着実に進めてまいります。

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