平成十四年東京都議会会議録第十九号

○議長(三田敏哉君) 三番秋田一郎君。
   〔三番秋田一郎君登壇〕

○三番(秋田一郎君) 昨年は、知事と議会との関係について尋ねさせていただいたので、ことしは行政と議会について質問させていただきます。
 日本の地方自治制度においてはいうまでもなく、行政は各種施策の執行機関であり、議会はそのチェック機関であります。しかるに現実は、都庁の職員は、警視庁、消防庁、教職員を含めれば実に十八万人余りの巨大組織です。各部局の局長には、手足となる何千人もの多くの部下の皆さんがいらっしゃいます。一方、行政をチェックすべき私たち都議会議員はわずか百二十七人にすぎず、しかも部下などというものは、自費で雇っている秘書が一人、二人いるくらい。労働組合もないし、四年ごとに選挙というリストラの洗礼を受けねばなりません。
 思うに、この国において世界と競争していないのは、官僚と銀行です。企業は世界のマーケットで競争という荒波にもまれながら、まさに一円、一銭でも低コストの製品を高品質でつくろうと日々努力しています。そうした中、いわゆる日本的経営の三種の神器と呼ばれる終身雇用制、年功序列的賃金・昇進、企業別労働組合も崩壊しつつありますが、私たちの暮らしの中で最も重要な官庁や銀行だけが、相変わらず三種の神器が守られ続けています。
 そこで、長年にわたり国政に従事してきた知事にお尋ねしますが、国と東京都の官僚に違いはありますか。あるとすれば、どのような違いなのかをまず最初に伺います。
 知事の所信表明演説にもあるように、東京都もまた制度疲労というべき組織体質上の問題があり、これが政策課題の解決を妨げているのだと思います。
 官僚制とは、規則主義、階層化の原則、専門化と分業の原則、文書主義などを特徴とする機械的組織で、さまざまな支配形態の中で最も効率的なものと位置づけられています。
 このような官僚制は、平時における一定の目的遂行には合理的ですが、現在の日本のように、環境が劇的に変化する状況では、逆に組織の効率を阻害することがあるように思えます。
 過去の成功体験におぼれ、変化を望まなくなる環境への過剰適応、専門以外のことについては全く知らない訓練された無能、あるいは、目先の目標と組織全体の目標をすりかえてしまう目標置換等です。
 実際、私もこの一年半、あらゆる場面で縦割り行政の弊害を感じ、幾度となく、前例がないという言葉をいわれました。また、各種相談窓口の中には、民間からの派遣社員の丁寧な応対に比べ、行政とはサービス業であることを認識せずに、都民の皆さんと無用なトラブルを起こす都庁OBさえいると耳にします。
 なるほど、確かに都庁の職員の皆さんは優秀な方が多いですし、何より勤勉という印象を受けます。しかし、個人としてすぐれた方も、組織人としては同じ問題を抱えていると思います。まさにここにこそ制度としての問題があります。
 そこで、知事は、このような問題をどのように考え、また解決していくつもりなのか、お尋ねします。
 公僕を英語に訳すとパブリックサーバント、サーバントとサービスの語源は同じです。まさに公の奉仕者、公にサービスをするのが官僚の皆さんの仕事であることを再認識していただくと同時に、私のような若手にも、一年に一回、こうした発言の機会を何の制約もなく与えてくれる我が都議会自民党のように、若い職員にとっても風通しのいい運営をしていただくよう、各局長に切にお願いします。
 一方、かのダグラス・マッカーサーによれば、司令官にとって最も大切なのは、五%の重要な情報を九五%のどうでもいい情報と見分けることだそうです。東京都の司令官たる石原知事には、都庁職員はいうに及ばず、内外から入る膨大な量の情報に惑わされることなく、来年も東京をしっかり指揮していただくことをお願いして、次の質問に移らせていただきます。
 千客万来の世界都市東京を実現するためには、インフラ整備が必要です。観光におけるインフラ整備とは、まさに情報提供のことだと私は考えます。多くの外国人旅行者を受け入れるためには、まず、外国人旅行者のニーズに合ったきめ細かな情報提供体制の整備が重要です。
 ヨーロッパにおいては、大都市から小さなまちに至るまで、あらゆるところに観光に関するインフォメーションセンターがあります。旅行者に対して、ホテルや交通手段の問い合わせ、手続に応じるだけでなく、ミュージカル、オペラの情報や、格安チケット購入の便宜まで図ってくれます。地元ならではの情報が得られ、その地域の観光をより一層楽しむことができます。
 東京都は、十月一日に都内三カ所に大変立派な観光情報センターを設置しましたが、これから多くの外国人旅行者を受け入れていくためには、旅先での生の情報を提供できる、ヨーロッパのような簡素でも情報満載のインフォメーションセンターの拡充を図るべきだと考えますが、見解を伺います。
 外国人旅行者にとって、東京での滞在を安心して快適に過ごすためには、それぞれのニーズに応じた宿泊施設を選択できるような情報が必要です。イギリスでは、宿泊と朝食だけを提供する、いわゆるBアンドBと呼ばれる宿泊施設があります。これは、家庭的な雰囲気が味わえて、宿泊費も安く、手軽に泊まれるところに魅力があります。
 東京には、ホテルや旅館など、さまざまな宿泊施設がありますが、一泊朝食つきの低廉で、外国人旅行者が手軽に泊まれ、異国情緒あふれた日本旅館、いわば東京版BアンドBともいえるような宿泊施設の情報をもっと提供してはいかがでしょうか、見解を伺います。
 諸外国では、東京はまだまだよく知られていないのが現実です。このため、外国人に対して、あらゆる方策を使って東京をPRしていくことが必要です。海外においては、フランスのミシュランタイヤ社のグリーンガイドが非常に有名です。都市やまちの歴史、文化などの地域の情報を満載し、旅の豊かさや楽しさを伝えるガイドブックであり、読み物としてもおもしろいものとなっています。
 しかし、東京についてのこのような外国人旅行者向けのガイドブックはほとんど見られません。東京の歴史や文化、歴史的建造物、名産品、祭りなどの地域の情報を取り入れた、外国人に対してわかりやすいガイドブックを都の監修で作成し、販売してみてはいかがでしょうか、見解を伺います。
 新宿のまちづくりについて伺います。
 現在、新宿駅南口のJR鉄道敷地内で大がかりな工事が進められています。これは新宿駅を都市再生の核として、老朽化した新宿跨線橋のかけかえ、歩行者ネットワーク、駐車場や広場などを複合的に整備して機能改善を図り、新しい新宿の顔を創造する、新宿駅南口基盤事業の一環として行われているものと聞いています。
 しかし、新たに設置される南口改札口が甲州街道に背を向けて計画されるなど、必ずしも地元の意見を反映する計画とはいえず、従来からの新宿駅の発展とともにまちづくりを進めてきた者として、大変危惧しているところです。
 とはいえ、地元区や商店街にとっては、まちづくりの絶好の機会ととらえており、こうした都市再生の観点から、新宿のまちづくりについて伺います。
 国においても、本年六月、金融支援と都市計画の民間提案を柱とした都市再生特別措置法を施行し、民間活力を積極的に導入して、都市の再生を図ろうとしています。
 一方、知事は昨年、東京における都市再生の道筋を明らかにした東京の新たな都市づくりビジョンを発表しました。新宿は、その中で、国際的なビジネスセンター機能の強化を図る一方、商業、飲食サービス、質の高い文化など、ビジネス機能以外の多様な機能の集積を図り、都市の魅力を高める必要があると述べられています。
 そこで、都庁のおひざ元である新宿の再生について幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、歩行者ネットワークの整備についてですが、新宿駅は、日本で最大の乗降客数を誇るターミナル駅ですが、平成十一年度をピークにその数が減少するなど、新宿の魅力の低下が懸念されます。今こそ、新宿駅の東口、西口、南口地区がそれぞれの特色を生かし、新宿全体の魅力を創造していくことが必要ではないでしょうか。そのためには、おのおのの地区単独ではなく、歩行者の回遊性を高め、自由に新宿駅周辺を利用できるよう、歩行者ネットワークを整備することが不可欠です。
 そこで、この歩行者ネットワークの核となる地下歩行者ネットワークについて伺いたいと思います。
 現在、新宿駅の東西の歩行者通行が鉄道によって分断され、歩行者に大変な不便を強いています。私は、この解消のためには、東西自由通路の整備がぜひとも必要と考えていますが、都においてもこれまで、東西通路の整備について各種の計画に位置づけてきたと思いますが、その方針に変更がないか、お伺いします。
 東口では、現在、地下鉄十三号線の整備が行われており、平成十九年度には仮称新宿三丁目駅が開設されることになっています。新駅と既存の駅、及びまちとの連携を図るため、新駅と接続する地下歩行者通路の整備が重要と考えますが、靖国通り地下に位置するサブナード地下街歩行者通路は、区役所前付近までしか整備されていません。十三号線の開業に合わせて、サブナードを延伸することにより、新宿東口のネットワークの形成を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、新宿駅周辺の基盤整備について伺います。
 新宿周辺の新宿通り、靖国通りなどは、慢性的な交通渋滞により日常の商業活動にも支障を及ぼしており、このことが新宿の活力と魅力をそぐ原因ともなっています。都市の再生と活力ある地域社会は、それを支える都市基盤整備があってこそ初めて生きてくるものと考えます。
 そこで、新宿駅周辺の渋滞解消に大きく寄与すると考えられる職安通り(放射第六号線)整備事業について、現在の取り組み状況と今後の予定について伺います。
 第四に、マンション施策についてお伺いします。
 現在、都内には、建築後三十年以上のマンションが四万戸以上あり、十年後には二十万戸を超える見込みです。居住水準の向上や良好な都市環境の形成にとって、老朽マンションの着実な建てかえが不可欠です。
 こうした立場から、私は、昨年の第四回定例会で、マンション建てかえ問題についての都の基本的な認識をただし、積極的な取り組みを提案しました。
 今回、都が、国の建てかえ円滑化法の施行に合わせ、建てかえ支援を含むマンション施策の総合的推進を打ち出したことは、まことに時宜を得たものと評価します。
 しかし、マンションの建てかえは、居住者間の合意形成の困難さなど、さまざまな問題を抱え、これらを解決するためには、まず住民に身近な区市町村に相談や情報提供の窓口を整備することが必要だと考えます。
 そこでまず、都はこれまで、区市町村とどのような協議をしてきたのか、また、今後、区市町村との連携をどう図っていくのか伺います。
 さて、ここ数年、年間五万戸程度の新たなマンションが供給されていますが、これらが長期間、良好に管理され、建てかえまで一定の水準が維持されれば、住みかえという形で、都民の居住水準向上への柔軟な対応が可能となります。
 そのためには、中古住宅市場の活性化とマンションの適正管理が車の両輪として機能することが不可欠です。国では、住宅の構造や高齢者等への配慮の状況などの性能を表示する制度をつくり、新築住宅は平成十二年度から、中古住宅は本年八月から実施しています。
 今回、国の制度に加えて、都が独自の支援策として、優良マンション登録表示制度を創設した意義について伺い、最後の質問に移ります。
 改正行政書士法が本年七月一日から施行され、行政書士は、代理人として官公署に提出する書類の作成、提出のほか、私人間の権利義務や事実証明に関する書類の作成もできるようになりました。また、行政書士は、まちの法律家と呼ばれ、身近な法律相談等、都民の生活に密着した業務を行っているところです。
 近年、行政書士業務に対する関心の高まりから、行政書士試験の受験者が従前の約三倍にふえています。現在、各分野において規制緩和が進んでいますが、行政書士試験も、平成十二年度から簡素化され、だれでも受験できるようになったこと等も受験者増加の一因です。
 私も、行政書士制度の充実のため、各方面に働きかけを行っていますが、都や各区市町村でも、行政書士制度や改正行政書士法の周知を一層徹底し、円滑な事務運営に努める必要があると思います。
 そこで伺います。都では、改正行政書士法等の周知をどのように図り、対応しているのか。
 また、行政書士試験の規制緩和で資格者がふえる一方、一層都民のニーズにこたえ、安心できるサービスを提供していくためには、行政書士の資質向上も大きな課題ではないでしょうか。
 そこで、都では今後、どういった指導を行っていくかを伺って、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 秋田一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 私に向けられた質問の前に、観光開発にかかわりあるわけでありますが、日本版のBアンドB、ベッド・アンド・ブレックファストですか、これは、非常に大事なことでありまして、早速、担当局から、都の責任において、こういうものの便宜に応じてくれる方々の応募をいたしてみます。
 最初に、国と東京都の官僚についてでありますが、官僚、いろいろな形で評価を受けていますけれども、私は、国家社会が近代国家として運営されていくために官僚は不可欠だと思います。ゆえに、官僚のない国家社会というのは、なかなかあり得ないと思いますし、共産主義の国にも共産官僚があるわけでありまして、そういう意味では、国と都の官僚に本質的な違いはないと思いますが、ただ、国の官僚については、私も二十五年間つき合ってまいりまして、いろいろなことを感じましたが、例えば、先般、金融庁なる新しい役所が誕生しました。
 今の竹中大臣のパートナーとして注目を浴びている木村剛君がいつか、あるテレビ番組で金融庁の批判をしておりました。これは、銀行を監督する、金融機関を監督する、預金者と投資家のための役所だと思ったら、どうもそうでない。何だ、しょせん銀行のための役所かと思ったら、どうもそうでもない。これはどうもやはり、しょせん財務省のための役所でしかないといっておりましたが、まさに至言であると思います。
 この言葉が、役所と役人の価値基準というものを端的に表象しているんじゃないかと思いますが、しかし、国の官僚と東京都の官僚の違いは、これは、国の官僚にはキャリア制度という、いささか陳腐な、清を滅ぼした科挙の制度にもむしろ似ていると思う、インドのカーストに似た制度がありまして、私は、これは本当にもう、歴史的にも蓋然性、必然性がない制度だと思って、速やかに変えるべきだと思いますし、そういう点で、今、指弾の対象になっているのが、警察であり、外務省であるわけですが、ほかの役所も同断だと私は思います。
 それに比べれば、東京都のお役人は、入都以来、全員に対しての段階的昇級試験がありまして、いってみれば、彼らにとってみると、東京都は常時、巨大な受験教室のようなものでありますが、それはそれで、自分の地位というものが人生の中で開かれている点で、私は、はるかに国よりも合理的だと思っております。
 それから、都に辛うじてあると思いますが、国にほとんどないのは、国民のために自分は何をすべきか、サービスとして何をすべきかという、自分の責任なり仕事というものをみずから発見する現場意識、現場感覚でありまして、これは国の役人にはないですな。
 私も閣僚を何度かしましたし、今般も、東京都と国とのいろいろな形でのすり合わせが必要ですから、前にも申したと思いますが、あることを、国が歩み寄ってきて、共同記者会見をしたいということで、扇さんにいわれて出向きました。向こうもあるホテルまで出てきて、記者会見の前に一時間、合議をするというから何事をするのかと思ったら、何もない。いうことを確認しただけですね。
 こっちから行った局長の前にはほとんど紙が置いてないのに、向こうの局長は、私もよく知っている連中が何人もいましたが、こんなに厚い紙が積んであって、それは一体、君、何なんだといったら、にやにや笑っている。それが要するに君らの現場だろと。つまり、国の役人にとっては、ほとんど現場というのは書類でしかない。これでは国民はたまったもんじゃないわけでありまして、そういう点で、行政容量も、予算に比率して、はるかにもっと少ないかもしれませんが、予算は国の十分の一ということで、行政の容量も、それに近いか、もっと下のものでしょう。
 しかし、少なくとも他の自治体に比べて、膨大な行政量を持っておりますが、やはり局長、副知事といえども、現場というものをじかに持っております。これは非常に大事なことでありまして、皮膚感覚というんでしょうかね。
 先ほど、あなたは、自分たちには役所と違ってスタッフがないというけれども、それはちょっと違いまして、あなた方を選んだ選挙民そのものがスタッフでありまして、それをしんしゃくして、その意思というものを行政につなげる、それをまた私が受けとめる役でお互いに選ばれてきたわけでありますから、それは、私と、ここにいる局長、偉い方々は立場が違います。それをお互いに意識して、ひとつ行政の実を上げていきたいものだと思います。
 先ほど、官僚独特の言葉遣いについて、なかなか辛らつな表現がありましたが、私も、親しい友人の、彼も通産官僚でありましたけれども、堺屋太一君と話しておりますと、彼も小説を書いたりする、ある意味では言葉に敏感な人間ですが、不思議ですね、何々しているところでございます、それは何々になじみません、現実性がございません、あるいは前例がないというのは、しているところというのは、やってない、それから、なじまないというのは、やりたくない、それから、現実性、前例がないというのは、厄介だから、これもやりたくないということで、私たちはやはり、これはお互いに政治家として、官僚とのつき合いの中で、言葉というのは一つの象徴的なものでありますから、意識して、この言葉に惑わされずに、やはり都民の利益というものを、お互いに政治家として追求していきたいものだと思います。
 私は、行政にとって必要な姿勢は、松戸市が日本で初めてつくった「すぐやる課」、これに表象されている。すぐやらなければだめなんです、ニーズがあれば。ということであります。
 それから、くどくど申しませんが、官僚制度の問題についてでありますけれども、今の日本の、特に国政レベルの官僚がライン化してしまって、どうにもならない。総理大臣といえどもこれを束ねることができない。森君の時代に、環境問題について、私、相当この次の選挙危ないぞということで、都市で持ち上げるためにこういうことをやったらどうだということで建言しました。わかったということで、その後、置いて彼に会いましたら、うまくいかないと。関係している経済産業省、環境省、それから国土省が折り合いがつかない。しかし、君が束ねるのが総理大臣の職務だろうといったら、なかなかそうはいかない。なかなかそうはいかないんだったら、総理大臣になってもしようがないじゃないかという話をしたんですが、この行政におけるライン化というのは本当に弊害でありまして、例えば、大気汚染に関して、いつか自動車工業会を再度呼びまして、かなり強い注文を出しました。
 その後、工業会の会長がわざわざ来まして、ありがとうございました、助かりましたというから、何ですかと。私はかなり強い注文を出したと思いますけれども。いや、とにかく一回の会議で済んだ、国へ行くと、同じ役所の中で四回やらなければいけない。こういうばかな事例を挙げていましたが、それじゃ、君、申し込んだらどうだといったら、前例がないということで、四回会議をするそうであります。
 そういう弊害は、少なくともこの東京ではなくなりつつあると思いますし、それをお互いに心がけていきたいものだと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 観光産業振興についての三点のご質問にお答えいたします。
 まず、観光に関するインフォメーションセンターについてでございますが、観光情報センターは、東京の魅力を国内外に積極的にPRするとともに、旅行者が東京で快適に滞在するための重要な情報拠点でございます。
 このため都は、お話しのとおり、本年十月に、都庁、京成上野、羽田空港の三カ所に整備をいたしまして、一押し観光コースや区市町村の観光スポットなどの情報を提供することを始めまして、ご利用いただいているところでございます。
 今後とも、区市町村などとのネットワークをさらに構築、強化いたしまして、観光情報センターの充実を図るとともに、外国人旅行者の方の意向やそういった動向を十分踏まえまして、その拡充に努めてまいりたいと考えております。
 次に、宿泊施設の情報提供についてでございますが、ご指摘のとおり、一泊朝食つきの旅館がありますけれども、まだこれらが余り知られておりませんし、数もまだ十分でないと思っております。
 このような点も含めまして、低廉な宿泊施設の情報提供は、外国人旅行者の誘致を図る上で重要な要素であります。
 このため、現在、宿泊業界の協力を得まして、都のホームページや観光情報センターにおいて、都内の宿泊施設の情報をきめ細かく提供できるように取り組みを開始したところでございます。
 先ほど、知事からの下命もございましたので、BアンドBにつきましても、このような取り組みの中で検討してまいります。
 今後とも、外国人旅行者のニーズに応じた情報提供の充実を図ってまいりたいと思っております。
 最後に、外国人旅行者向けのガイドブックについてでございますが、東京の魅力を伝え、外国人旅行者を誘致するためには、すぐれたガイドブックが大変効果的であると認識しております。
 現在、東京の観光を紹介したガイドブックは、国内外で数多く出版されておりますけれども、お話がございましたような都市の歴史や文化なども掲載したガイドブックは余り見当たりません。
 今後、出版業界とも調整を図りながら検討を進めたいと思います。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 新宿のまちづくりにつきましてのご質問のうち、二点につきましてお答え申し上げます。
 まず、新宿駅の東西自由通路についてでございますが、駅周辺の歩行者ネットワークの整備によりまして、にぎわいと活力あふれるまちの形成を図ることは重要でございます。
 東西自由通路につきましては、平成六年策定の副都心育成・整備指針と、これを踏まえて平成九年に策定いたしました副都心整備計画において整備の検討を進めると位置づけております。
 都といたしましては、地元区に協力し、東西自由通路整備の可能性について、今後、国や関係機関等と調整を図ってまいります。
 次に、新宿駅東口地区の歩行者ネットワークの関係でございますが、現在、地下鉄十三号線の整備が始まっておりまして、これにあわせて靖国通りの地下歩道を延伸することは、歩行者の利便性向上に資するものと認識しております。
 しかし、その実現には、事業主体や事業スキームなどについて十分検討するとともに、地下街や地下駐車場との計画上の整合を図ることが前提となります。
 これらの課題は、地元区が主体となって取り組んでいくものと考えられますので、都はこれに対して必要な協力を行ってまいります。
   〔建設局長小峰良介君登壇〕

○建設局長(小峰良介君) 放射第六号線の取り組みと今後の予定についてでございますが、本路線は、都市の骨格を形成し、都市活動や都民生活を支える重要な幹線道路でございます。
 特に、新宿駅周辺におきましては、靖国通り、青梅街道のバイパスとして、交通渋滞の解消を図るとともに、業務、商業、文化等の集積した魅力ある拠点の形成に寄与するものでございます。
 現在、街路事業により進めております靖国通りから職安通りまでの約一キロについては、本年度末、四車線で交通開放する予定でございます。
 また、小滝橋通りから山手通りまでの約一・四キロにつきましては、街路事業と市街地再開発事業により整備を進めており、平成十七年度完成を目指し、引き続き事業の推進に努めてまいります。
   〔住宅局長橋本勲君登壇〕

○住宅局長(橋本勲君) マンション施策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 最初に、マンション建てかえにおける区市町村との連携についてでございますが、平成十年度に分譲マンション施策を推進するための行政連絡会を設置し、主として適切な維持管理のための情報提供や相談体制の整備を行ってまいりました。
 本年度からは、建てかえについても協議を行い、年内に全区市において建てかえの相談窓口が整備されることとなります。
 都といたしましては、建てかえ相談のためのマニュアルの作成や担当職員への研修プログラムの実施などにより、区市町村における相談業務が適切に行われますよう積極的に支援してまいります。
 次に、優良マンション登録表示制度の意義についてでございますが、国の既存住宅性能表示制度は、住宅性能についての評価結果を売買の当事者のみが共有するのに対しまして、都の制度は、建物の構造と管理の両面から一定の水準を確保しているマンションを認定、登録し、広く都民へ情報提供するとともに、新規に供給されるマンションも認定の対象とするものでございます。
 この制度の普及により、適正な維持管理による良質な住宅ストックの形成が図られるとともに、安心して住宅を購入できる市場が整備され、都民が求める住宅の選択範囲が一層拡大するものと考えております。
   〔総務局長赤星經昭君登壇〕

○総務局長(赤星經昭君) 行政書士に関します二点の質問にお答え申し上げます。
 まず、改正行政書士法等の周知についてでございますが、行政機関に対しましては、改正行政書士法等の内容につきまして、都庁内はもとより各区市町村へ通知いたしますとともに、窓口におけます適切な対応を要請いたしました。
 都民初め民間の皆さんに対しましては、都内各所で開かれます行政書士会の無料相談会の場等を活用いたしまして、その周知に努めているところでございます。
 さらに、今後、インターネットを通して、制度の趣旨や改正内容についても広く情報提供を行ってまいります。
 次に、行政書士の資質向上のための方策でございますが、多様化いたします社会的な要請に対応し、行政に関する手続の円滑な実施や住民の利便性の向上に寄与していくためには、行政書士の資質向上は必要不可欠でございます。
 このため、行政書士会におきましては、研修センターを設置するなど会員の能力維持、向上を図っております。
 都といたしましても、今後、行政書士会や事務所への指導等によりまして、行政書士の資質向上に努めてまいります。

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