平成十四年東京都議会会議録第十三号

○副議長(橋本辰二郎君) 六十九番高橋かずみ君。
   〔六十九番高橋かずみ君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○六十九番(高橋かずみ君) 当面する都政の課題について質問をさせていただきます。
 都知事並びに消防総監及び関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
 最初に、環境問題についてお尋ねいたします。
 南アフリカのヨハネスブルクにおいて、地球の将来を話し合う環境開発サミットが今月の四日まで開催されました。このサミットでは、地球温暖化を防止するための大きなかぎとして、風力や小型の水力発電などの再生可能エネルギーの導入が大きなテーマの一つとして議論されました。
 都はこれまでも、臨海部に風力発電を行うための事業に取り組むなど、先駆的な取り組みを行っております。その中には、下水道事業における取り組みもあると聞いております。例えば、下水の持つ熱や汚泥の焼却廃熱あるいは汚泥消化ガスなどのエネルギーを冷暖房熱源や電力に再生するといった多様な施策を進めているとのことであります。そこで、下水道事業を中心に、環境への取り組みについて何点か質問をさせていただきます。
 まず初めに、下水道事業において再生可能エネルギーを活用している施策とその効果についてお伺いいたします。
 また、下水処理場のわずかな放流落差に着目した小水力発電の実証研究に新たに取り組むとのことでありますが、私は、このような再生可能エネルギーを積極的に活用していこうという姿勢が重要と考えております。そこで、小水力発電の特徴と効果、今後の取り組み方針についてお伺いいたします。
 次に、地球環境への負荷を低減するには、廃棄物などのリサイクルを進める必要があります。下水道事業ではこれまで、下水汚泥の資源化を進めてきているものの、伸び悩んでいる状況にあると仄聞しております。そのような中、知事の所信表明にもありましたが、汚泥焼却灰の特性を引き出し、既存の土木用建設資材にすぐる材料を研究開発、事業化するとも聞いております。今回の資源化により、これまでの課題をどのように解決し、どのような効果が期待できるのかお伺いいたします。
 以上、下水道事業を例に質問させていただきましたが、このような取り組みを初めとして、東京都が一体となって環境負荷の少ない社会システムづくりを推進し、地球温暖化の防止など地球環境の保全に貢献していくべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、仕事と子育ての両立についてお尋ねいたします。
 我が国では、今、急速に少子化が進み、その影響は、広く社会経済、国民生活に影響を及ぼすことが懸念されます。こうしたことから、国においては、有識者会議を開催するなどさまざまな取り組みがされ、具体的な実施計画として新エンゼルプランが策定されました。
 先ごろ東京都がまとめた人口統計による出生率低下の要因としては、子育ての負担感の増大や晩婚化などが挙げられておりますが、東京都においても、安心して子育てができるような環境整備を総合的に進めることが必要ではないかと思います。
 こうしたことから、私は、昨年の第四回定例会で、仕事と育児の両立を図るとともに、地域での子育てを支援する組織としてファミリー・サポート・センターの設立の促進をお願いしたところであります。私の地元の練馬区においては、会員も既に一千人を超えており、活発に活動していますが、多くの問題点もあると聞いております。このようなファミリー・サポート・センターの現状を、都はどのように認識しているのかお伺いいたします。
 通勤時間の長時間化や勤務形態の多様化の中で、ファミリー・サポート・センターは、仕事と子育ての両立にとって重要な役割を果たしています。また、核家族化が進む中で、地域のコミュニケーションの場にもなっております。こうしたことを考えると、今後、ファミリー・サポート・センターに対する期待はますます高まることが予想されます。こうした期待にこたえるため、東京都として今後どのような取り組みを進めていかれるつもりか、お伺いいたします。
 次に、特別区消防団の格納庫の整備についてお尋ねいたします。
 私は、昭和五十五年の入団以来、二十三年間にわたって実際に消防団の活動に携わってまいりました。その実体験を踏まえて、何点か質問したいと思います。
 消防団は、ご承知のとおり、地域社会のニーズに対応して、災害対応はもとより、幅広い活動を行っております。阪神・淡路大震災の際においても、日ごろから消防団と地域住民との密接な連携が図られている地域においては、初期消火、救助、避難、被災者への支援活動等、適切な対応がなされ、大きな成果がもたらされたと聞いております。
 今回の東京都・練馬区合同防災訓練終了後、石原知事は、災害時には、行政や国が動き出す前に、住民が自助と共助を持つことが大切だ、それが理想の方程式になるとおっしゃっていましたが、まさに同感のきわみであります。まず自助、共助の精神で、自分たちが自分たちの地域を守っていくためにも、今後ますます消防団の活動がその重要性を増すことは間違いのないことであると確信しております。
 ただし、消防団が地域社会の要請にこたえていけるようにするためには、施設、装備等の充実はもとより、消防団・団員相互の情報交換を可能にするための環境整備などを図ることが何といっても重要であります。
 そこでまず、活動資機材や可搬式ポンプなどを格納する防災資機材格納庫の現在の整備状況についてお聞きしたいと思います。
 例えば、私の地元である練馬区には、練馬消防団、石神井消防団、光が丘消防団の三消防団があり、四十六カ所の防災資機材格納庫があります。ところが、その多くは建築面積が狭く、いずれ相続等が発生されればお返ししなくてはならない民間の借地等を利用しているものもあり、活動資機材などを収納するスペースが十分にないというのが実情であります。しかも、最近は女性団員もふえているのにもかかわらず、トイレが併設されていなかったり、満足な休憩スペースもない状況にあります。これでは、消防団が活発な活動を行おうにも、現実的には困難な状況にあるといわざるを得ません。
 そこで、都としては今後、この防災資機材格納庫をどのような方針のもとに充実整備していくのか、消防総監の所見をお伺いいたします。
 次に、格納庫を大別しますと、八十平米級の分団本部格納庫と二十三平米級の防災資機材格納庫、それに五平米級の震災対策用プレハブ格納庫がありますが、聞くところによりますと、現在、区部に四百三十九ある分団本部のうち、この分団本部格納庫が整備されているのは百六十六分団しかなく、残りの二百七十三分団の本部格納庫が未整備の状態にあるというのだから驚きであります。しかも、その未整備二百七十三カ所のうち、防災員宿舎・署所との併設で、施設の改築時に整備するものが百五十五棟、残りの百十八棟分については、単独または民間連携等による整備を進めるということで、今後五年間の一次計画が五十五棟、それ以降の二次計画が六十三棟とされているのであります。いわば、向こう五年たっても、現在の未整備分の半分にも達しない計画なのであります。
 震災は、きょう、この瞬間に起こり得るものだといっても過言ではありません。まさに、自分たちが自分たちの地域を守ろうと思っても、そのための資機材を格納する場所や緊急の会議を招集する場所がないということは、まことにゆゆしき事態であるといわざるを得ません。知事のおっしゃる自助、共助の精神を推進していくべき都としては余りにも悠長であります。少なくとも計画を前倒しして、早急に分団本部格納庫を整備すべきであると考えますが、消防総監の所見をお伺いいたします。
 次に、鉄道立体化と駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。
 東京の都市再生を進める上で、交通のボトルネックとなっている鉄道の踏切を解消し、あわせて駅周辺でのまちづくりを進めることが必要であり、私の地元の練馬区では、昭和五十年代後半にスタートした西武池袋線桜台駅―練馬高野台駅間の連続立体交差事業がいよいよ完成段階を迎えておりますが、練馬高野台駅から西の石神井公園駅、大泉学園駅方面については、駅周辺の再開発などまちづくりが先行する状況の中で、外環道路との計画上の整合等を理由に、鉄道の立体交差化が積み残されてきました。
 さきに国土交通省が行った平成十五年度予算概算要求の発表によると、連続立体交差事業の新規要求箇所として練馬区内の西武池袋線が示されており、地元は大きな期待を寄せています。都も、より一層全力を挙げて取り組んでいくべきと考えますが、予算獲得に向けた力強い決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 また、この区間の事業化に当たっては、外環の手前でとまっている鉄道施設の都市計画を延長し、あわせて関連側道などを新たに都市計画として定めることが必要となってくると思いますが、どのように進めていくお考えか、お伺いいたします。
 次に、西武新宿線についてでありますが、西武新宿線は、上石神井駅から都心方向に向かって地下急行線を整備する計画がありましたが、この計画は事実上立ち消えとなり、踏切問題だけが残されております。
 練馬区では、区内のこの路線の踏切混雑解消のために、連続立体交差化や道路の単独立体化など、とり得る対策について関係機関と幅広く研究していくとの姿勢を示しておりますが、都の所見をお伺いいたします。
 ところで、都市再生に向けて、都心、副都心の大規模なターミナル駅の再開発が進められておりますが、大多数の都民が生活の拠点として利用している地元の駅とその周辺の地区を、生活機能が充実した、便利で使いやすく魅力ある都市の空間として再整備していくことも重要と考えます。交通バリアフリー法の施行によって、鉄道駅のエレベーター、エスカレーターの設置が急速に進んでいますが、駅のみならず、駅周辺の公共的空間、さらには周辺の建築物を含め、トータルで魅力あるまちの核をつくっていくことに地域の期待が集まっております。
 隣の豊島区では、JR大塚駅について、南北自由通路の整備を初めとする駅周辺のまちづくりに取り組んでおりますが、都は、こうした地元自治体の取り組みに積極的に支援をすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 最後に、都市計画道路の整備についてお尋ねいたします。
 道路は、渋滞のないスムーズな自動車交通の確保はもちろん、災害時の避難や救急活動など、安全で快適な都市生活を営む上で必要不可欠な基盤施設であります。しかしながら、東京における都市計画道路の整備は、やっと計画の半分を超えた程度であり、都内の随所で交通渋滞が発生し、都民生活や社会経済活動に支障を来している状況であります。
 特に、私の地元、練馬区では、都市計画道路の完成率が平成十三年三月末現在四一%と低く、区部平均の五六%はもとより、東京都全体の平均と比べても、その整備が非常におくれており、練馬区の道路ネットワークである幹線道路は、常に交通渋滞が激しく、混雑している状況であります。このため、目白通りと川越街道との間に位置し、環状八号線と交差する放射三五号線及び放射三六号線の早期整備が求められております。そのうち放射三五号線については、事業化に向けて環境アセスメントの手続が進められており、先日、評価書が提出されたところであります。
 そこで、放射三五号線の今後の予定と、それに接続する放射三六号線の整備の見通しについてお伺いいたします。
 これら骨格幹線道路によるネットワークの整備に加えて、それらの道路と接続し、地域のまちづくりや防災性の向上などに寄与する地域幹線道路の整備も非常に大切であり、骨格幹線道路の整備とあわせて整備を進めていく必要があると考えます。
 そこで、現在事業中の補助一七二号線、補助一五六号線及び補助一三三号線について、進捗状況と今後の見通しをお伺いいたします。
 また、これらの事業中路線の整備効果をより高めるとともに、現在、道路ネットワークが非常に脆弱な区部北西部と多摩地域の連携を強化するため、事業化の予定が立っていない放射七号線と補助一五六号線の延伸を次期の事業化計画に位置づけるなど、おくれている練馬区内の都市計画道路の整備促進を図っていただけるように強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 地球環境の保全についてでありますが、地球は、大きいようで実は小さな小さな惑星でありまして、地球の環境問題は、人類の存在そのものが問われる喫緊の課題であると心得ております。この二十一世紀は、地球と人類の存続をかけた百年になると思います。
 地球環境問題の解決には国の役割が決定的に重要でありますが、どうも日本の政府は、事によったら逆に戻ったりしまして、ともかくも総体動きが緩慢でありまして、実効性のある対策をなかなか打ち出せない状況にあります。国全体を預かる最終的な責任者としての自覚が欠如していると思われてなりません。
 都は、地球温暖化防止など、地球規模の環境保全に率先して取り組みまして、東京からいろいろな行動を起こして国を動かしていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔下水道局長鈴木宏君登壇〕

○下水道局長(鈴木宏君) 三点の質問にお答えいたします。
 まず、下水道事業における再生可能エネルギーの活用策とその効果でございますが、これまで、下水が持っている熱を初め、下水の処理過程で発生する消化ガスや焼却炉で発生する熱などのエネルギーを回収し、利用する施策を進めてまいりました。
 具体的には、下水熱による冷暖房や消化ガスによる発電を行い、下水道施設において活用しているほか、文京区後楽地区や江東区新砂地区では、オフィスビルやホテル、高齢者医療施設などの冷暖房や給湯の熱源として供給しております。この結果、石油など化石燃料の使用量を大幅に抑制させておりまして、地球環境保全効果として、二酸化炭素に換算して、一年間で約一万四千トンの排出量を削減しております。これは、新宿区の約二倍の面積の森林に相当する効果でございます。
 次に、小水力発電の特徴と効果、今後の取り組み方針についてでございますが、現在、下水処理場で実証研究を行っております小水力発電は、わずかな放流落差から電力を低コストで回収することを特徴としております。具体的には、発電機に汎用品を使用したほか、施設の改造を大幅に簡素化するなど、さまざまな創意工夫を行っております。今回の発電規模は、一般家庭六十世帯分の使用電力に相当する程度の小さなものでございますが、眠っていた資源を有効活用でき、採算もとれるものでございます。今後、他の処理場にも拡大していくことで、再生可能エネルギーの一層の活用を進めてまいります。
 最後に、下水汚泥の資源化についてのお尋ねでございます。
 これまで、下水汚泥の焼却灰でれんがを製造しましたり、セメント原料などとして資源化を図ってまいりました。しかし、製造コストや販路の確保の制約などから、近年、資源化率が減少傾向にございました。今回事業化を進めている技術は、焼却灰を低コストで粉砕処理、加工するという新たな着想によりまして、従来の天然原料を上回る品質の土木用建設資材の原料を製造できる特徴がございます。コストの面でも大幅な改善ができ、民間との連携によりまして、確実な販路も確保できております。これにより大幅な資源化率の向上が見込まれるとともに、限られた天然資材の使用の抑制や埋立処分費の削減効果が期待できるものでございます。
   〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) ファミリー・サポート・センターに関する二問のご質問にお答えいたします。
 まず、ファミリー・サポート・センターの現状でございますが、平成十三年度末で三十カ所設立されておりまして、会員数は二万台に乗りまして二万百七十一人となっております。本年度新たに六区市で設置を予定しておりますが、今後さらに未設置区市町村についても設立を促していくことが必要であると考えております。
 また、現状における課題としましては、育児の援助を依頼する会員が援助を行う会員の約三倍となっており、依頼に十分応じ切れないことや、会員相互の調整を行うアドバイザーの不足などが挙げられます。
 次に、都における今後の取り組みについてでございます。
 ファミリー・サポート・センター事業の内容を一層充実するため、今年度、会員の活動実態を調査し、その問題点と利用者のニーズをより正確に把握し、今後、有効な対応策を検討してまいります。
 さらに、会員以外の住民を対象に、ファミリー・サポート・センターに関する意識調査も実施することにより、事業の普及啓発を図るとともに、会員の増加を一層促進してまいります。
 今後、これらの調査結果を踏まえまして、設置促進会議等を通じて、区市町村と連携をしながら、ファミリー・サポート・センターの一層の促進とその充実に努めてまいります。
   〔消防総監杉村哲也君登壇〕

○消防総監(杉村哲也君) 特別区消防団に関する二点についてお答えをいたします。
 まず、特別区消防団の防災資機材格納庫の整備方針についてですが、消防団は、厳しい生業の中で、地域の防災リーダーとして、日夜、住民の安全と安心のためご尽力され、貢献しておられますことに対し、心から敬意と感謝をあらわすものであります。
 ご指摘のように、消防団施設の中には、狭隘なものや、待機スペースなど十分な機能を有していないものがあります。今後の整備については、老朽、狭隘度等を考慮し、給排水設備等を備えた施設として順次改築してまいります。
 なお、消防団施設用地については、東京都における局間で十分連携を図りながら、また他の公共機関に対しましても協力を求めていくなど、積極的に確保していくとともに、施設の機能の改善を図る観点から、給排水設備や収納スペースを確保するため改修を促進し、施設の改築とあわせて機能の改善に一層努力をしてまいります。
 次に、分団本部格納庫の整備についてですが、分団本部施設の整備については、現下の財政状況においては早急に整備を進めていくことが厳しい状況にあることから、今年度から、モデルケースとして消防出張所と分団本部を合築とするなど、消防庁舎、防災員宿舎との併設を進めております。
 一方、消防署所の会議室を待機スペースとして活用できるものについては、分団本部として指定することとしております。
 また、都及び区の施設との合築並びに同一敷地内への整備を進めるとともに、分団本部施設用地の確保については、都関係局や関係行政機関と十分協議しながら、用地の活用について協力を求め、さらには都市再開発事業主体への要請による整備など、現状の改善に向けて一層努力してまいります。
   〔建設局長小峰良介君登壇〕

○建設局長(小峰良介君) 鉄道立体化と都市計画道路に関する三点の質問にお答えいたします。
 まず、西武池袋線石神井公園駅付近から大泉学園駅までの連続立体交差事業についてでございますが、本区間では一時間に四十分以上遮断している、いわゆるボトルネック踏切による深刻な交通渋滞や地域分断が生じており、これらを早期に解消する必要がございます。
 事業化に当たっては、周辺まちづくりの促進や関連道路との整合、鉄道事業者との協力が重要であり、関係機関と調整を進めてまいりました。その結果、事業化にかかわるこれらの条件が整ったことから、本年六月、国に対して新規着工準備採択の要望を行い、平成十五年度国土交通省の概算要求に盛り込まれました。
 今後とも、早期事業化を目指し、地元区、鉄道事業者と一層連携を図っていくとともに、引き続き新規着工準備採択に向け、強く国に働きかけてまいります。
 次に、放射三五号線及び三六号線の整備についてでございますが、これらの路線は、区部北西部において都市の骨格を形成し、道路交通の円滑化や地域の発展を図るために重要な幹線道路でございます。
 このうち放射三五号線の川越街道から地下鉄有楽町線平和台駅までの区間、一・四キロについては、事業説明会を年内に開催し、順次、現況測量及び用地測量を行うとともに、地元区や住民などの意見も聞きながら事業化を図ってまいります。
 また、放射三六号線については、三五号線の整備効果をより一層高めるためにも、早期整備が必要であり、地元の理解と協力を得て事業化に努めてまいります。
 最後に、練馬区内で事業中の補助一七二号線など三路線の整備状況についてでございますが、これらの路線は、地域の活性化や周辺の渋滞解消などに寄与する重要な地域幹線道路でございます。このうち補助一七二号線と一五六号線については、現在の整備率はいずれも九〇%を超えており、整備効果の早期発現のため、効果満点道路事業に位置づけ、一七二号線は平成十四年度、一五六号線は十六年度の完成を目指しております。また、一三三号線については今年度用地取得完了の予定でございます。今後とも、財源の確保を図り、これら三路線の早期完成に努めてまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 鉄道立体化等に関する三点の質問にお答え申し上げます。
 西武池袋線の都市計画についてでございますが、ご指摘のとおり、事業の実施には石神井公園駅付近から大泉学園駅方面に向け、約一・五キロメートルにわたる鉄道高架化の都市計画とともに、沿線の環境に対する影響の軽減などの観点から、側道の都市計画を決定する必要がございます。
 このため、国へ着工準備採択に向けた働きかけを行うとともに、あわせて速やかに都市計画や環境影響評価の手続に着手できるよう、計画素案等の策定に向け、地元区や鉄道事業者等との調整を鋭意進めてまいります。
 次に、西武新宿線の踏切混雑解消についてでございますが、西武新宿線の練馬区内約三キロメートルの区間には、千川通りを初め十三カ所の踏切があり、地域交通の阻害要因となっていることは承知しております。これらの踏切解消は、沿線地域のまちづくりや交差する道路の整備計画と密接にかかわることから、今後、地元区等の意向も踏まえ、関係者間で研究していくべきものと認識しております。
 最後に、生活拠点としての駅とその周辺の再整備についてでございますが、東京の都市再生を図る上で、こうした鉄道駅やその周辺を、利便性が高く、快適な都市空間として整備していくことは重要であると認識しております。国においても同様の趣旨から、交通結節点における自由通路の整備などに対する支援策を拡充することとしております。
 都としては、ご指摘の大塚駅など、必要性が高く、地元自治体が積極的に取り組んでいる計画に対しまして、ノウハウの提供など必要な支援を行ってまいります。

ページ先頭に戻る