平成十四年東京都議会会議録第九号

○副議長(橋本辰二郎君) 二十八番中西一善君。
   〔二十八番中西一善君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○二十八番(中西一善君) まず初めに、我が国の産業構造の根幹をなしている中小企業の振興について伺います。
 日本の企業の九九%は中小企業であり、就業人口は八八%を占めております。中小企業の再生なくして景気回復なしであり、ましてをや、雇用の確保も経済の発展もありません。今、この圧倒的な大多数を占め、サイレントマジョリティーである中小企業が、未曾有のデフレ不況にあえいでおります。
 とりわけ、中国を筆頭に、アジア諸国との価格競争、あるいはそれらへの生産拠点の流出は、驚くべきスピードで全国各地に、ものづくりの空洞化、技術の空洞化を起こしております。今こそ、我が国が無資源国家であるという原点に返り、優秀なものづくり、つまりは製造業に立ち返るべきであります。日本のものづくりのメッカとうたわれた私の地元大田区でも、ひところ九千以上あった工場数は五千にまで落ち込んでおり、日本屈指の中小企業の有機的な産業集積が崩壊の危機に立たされております。
 ここで大きな政策転換をせねばなりません。これまで中小企業振興策は企業活動そのものに着目したものが中心でしたが、中小企業が社会の基礎であるならば、逆に、社会を構成するハード、ソフトを網羅した幅広い要素から、中小企業振興のあり方を見直してみるべきであります。教育、文化、環境、福祉、都市計画など、さまざまな分野からも振興策を考えるべきです。
 私の思い込みかもしれませんが、都庁の中で、産業労働局のみが中小企業振興を担うセクションであるとみなされてきましたが、セクショナリズムを排し、都益、国益を推進すべきです。これまでの発想を大胆に見直し、時代に合った新たな施策構築の体制整備に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、政策立案のあり方にも見直しが必要です。これまでは政治的に業界ごとに配慮した支援策を講じる嫌いがありました。しかし、それは行政が非難されない姿勢に重きを置いたもので、効果を第一に考えたものとはいえません。経済原理の根本は、経過主義ではなく、結果主義であります。その意味で、都は、東京という我が国最大にして最先端な都市の特性に着目した政策の構築に取り組むべきであります。
 東京は長い歴史と厚い文化があり、大学や研究機関が多数集積し、バイオ産業が成長するなど、新産業の基礎としては大いなる可能性があります。この特性を踏まえ、大都市政策の一環として、都市型産業の振興を考えていくべきと思いますが、所見を伺います。
 支援の方法も見直す必要があります。例えば、補助金は経営革新や技術開発の呼び水としては大変有効でありますが、予算の制約を受けざるを得ません。当然、対象となる企業は限られます。しかし、規制撤廃や税制の見直しなどは、企業活動を活性化し、広範な効果を呼び起こすものであります。
 現在、政府の経済財政諮問会議で活発に議論されております経済特区構想は、そうした視点から、思い切った規制撤廃や税制の見直しを図ることによって、経済復興の起爆剤にしようとする試みであり、大いに期待できます。
 石原知事が、先日の関東地方知事会議で経済特区の設置を提案したことは、実に意義深いことであります。規制や税制といった社会インフラにかかわる観点からも、中小企業対策に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 ところで、失われた十年といわれて久しい中で、金融不安、資産デフレなどが中小企業の足元を大きく揺さぶっております。金融機関の合従連衡が進む中で、地域金融を担う信組、信金の淘汰により、金融は機能不全を起こしており、技術力が高く、本来生き残るべき企業が倒産をし、すばらしい技術が雲散霧消している実態も、多く見受けられます。
 昨年十一月には、大田区内でも二つの信用組合が破綻しており、受け皿となる金融機関に統合される過程で、いわゆる債権者分類、それの変更もあり、それまでの取引関係が大きく変更され、より厳しい審査を課されている実態が、企業を倒産に追い込んでいる原因の一つになっております。
 また、日本の金融機関の悪しき習慣でありますが、企業経営者の資質、人格、企業の将来性など、定性的な審査がなおざりになる一方、決算書の数字のみからの定量的な審査に余りにも偏重し、その結果、資金供給が滞り、金融機関本来の役割を果たせず、金融不安を増長させております。
 最近になって見直しが進められているとは聞きますが、こうした金融検査マニュアルに基づく、都市銀行に対するものと同等の金融庁の厳格な検査が、地域の信金、信組にも行われ、結果として中小企業を苦しめているという批判も聞かれます。まさに、金融検査マニュアル倒産と呼ばれることが起こっております。デフレ経済、産業の空洞化、そして金融不安と、中小企業はまさに二重苦、三重苦を背負わされたといってもよい状況が続いております。
 私が申し上げたいのは、企業努力が足りず、競争に敗れる自然淘汰は残念ながらいたし方ないとしても、将来に残すべき企業が、金融政策の誤りで、金融不安や過度な資産デフレを招き、生き残れない事態が生ずることこそ、大きな問題であるということであります。
 都は、こうした事態をどう考えておるのか、また、資金調達に大きな影響を受けている中小企業を支援するために何をするのか、伺います。
 次の質問に移ります。
 私が述べてきたように、中小企業を含めた日本経済は非常に厳しい状況に置かれております。国の経済が厳しいときは、かつてのアメリカのアポロ計画のような、人々に夢を与え、国全体を勇気づけるような計画が必要であります。
 知事は、これまで、カジノ構想、そして羽田の国際化などについて、強力に国と世論に対し働きかけをして、二十一世紀の大きな夢を紡いできましたが、ここで私は、まさにものづくりに対し大きなインパクトがあり、非常にすそ野の広い産業として、航空機の開発を再度提案したいと思います。
 さきの予算特別委員会におきまして、私は、知事の提唱しているアジネット構想の中で、日本が主幹事となり、アジアの各国を巻き込んだ形で行う近距離向けの中小型ジェット旅客機の開発について質問をいたしました。
 ご存じのように、航空機開発は、戦後の日本でGHQの意図により消滅させられた産業ですが、日本はそもそも開発から設計までの技術力は十分持ち合わせております。このように、航空機の開発は、東京、そして日本の産業再生のかぎであり、夢を与え、経済に大きなインパクトを与えます。その上、商業ベースで考えても、今後アジア圏の航空需要の急拡大が見込まれる中、アジア諸国と手を携えながら、日本が航空機の開発を主導していくことは、大変メリットのあるプロジェクトとなるでしょう。
 前回の予算特別委員会においても、知事からは非常に前向きな答弁をいただいておりますが、これはアドバルーンだけで終わるのでしょうか。否、実現に向けた歩を進めていくものと確信をいたしております。やる気はあっても、何かを現実に立ち上げていかないと、事業は進むものではありません。前回の質問の答弁では、いまだ具体的な話にはなっておりません。余り時間がたっていないので、大変恐縮ではありますが、知事の熱意のほどと、今後の取り組みについて伺います。
 次の質問に移ります。
 NPOは、まさに二十一世紀において大変注目されている存在であり、二十一世紀の構造改革の柱の一つは官から民への移行でありますが、その橋渡し役となるのがNPOであると認識いたしております。
 ちなみに、私が入手したデータによりますと、アメリカでは新卒の大学生の何と一〇%がNPOに就職するという、まさに社会の中で雇用の受け皿となり、また、社会の中で大きな役割を果たしておるわけであります。
 我が日本においても、平成十年十二月に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が施行されましたが、税法上の不備もあり、また現在の景気の低迷の中、いまだNPOはその潜在能力を発揮するに至っていない状況にあります。
 しかしながら、ことし五月に発表された経済産業省産業構造審議会NPO部会の中間報告によると、NPOの雇用創出効果として、NPOの事務スタッフだけでも、二〇〇〇年時点で約十七・六万人と推定されております。何と八年後の二〇一〇年には四十二万人になると説明がされております。このように、現在の日本の失業者が三百七十五万人といわれる中で、NPOは大きな雇用創出効果を持っております。
 一方、NPOには、日本経済の中で欠けている、ベンチャー企業を支援するある種のインキュベーター機能が期待できると考えられます。すなわち、ベンチャー企業に対するハイリスク・ハイリターンの投資にかかわる優遇税制など、法的なインフラが整っていない日本の現状においては、創業支援に取り組むNPO活動も大変注目されているところであります。
 例えば個人投資家、いわゆるエンゼルでありますが、有望なベンチャー企業とのマッチングを果たす役割、さらに、企業の立ち上げ期において、NPOメンバーである法律や会計などの専門家による支援活動などを挙げることができます。このように、NPO活動は、ベンチャー支援という面でもさまざまな可能性を秘めているわけであります。
 私は、NPOの存在は、日本が真の意味で構造改革を行っていくために、この二十一世紀において重要な役割を果たすものであり、この活動によって日本社会の将来が左右されることもあると思います。そのために、NPOの支援がぜひとも必要であります。
 そこで、まず、NPOの支援としても重要である、NPOと行政との協働について伺います。
 最近の報道によると、世田谷区は、NPOのネットワーク化を支援することに加え、NPOとの協働を拡充する意向を示しております。都も、昨年、協働の推進指針を策定するなど、NPOとの協働の推進に積極的な姿勢を示しておりますが、広域行政体であり、日本のまさに心臓部である東京都としても、NPOとの協働をさらに積極的に行っていくべきであると考えますが、都の所見を伺います。
 一般に、組織を立ち上げるためには、人、物、金、この三本柱が必要であるといわれておりますが、日本はハード面においてインフラが整っていると同時に、ソフトとして、知的資源である人材も豊富であります。しかし、日本のNPOは、まだまだ総じてその活動基盤が脆弱であり、その大きな原因は、活動資金の確保が極めて難しいことにあります。
 中でも、NPOに対する寄附金控除など、税制面において、欧米諸国と比べ大きく立ちおくれていることから、NPOに対する寄附のインセンティブが大きくそがれているのが現状であります。資金をNPOに流れやすくするための支援策について、都は、今後どのような取り組みを考えているのか、また、税制の改正についても、首都東京として、はっきり国に対して要請をしていくべきと思いますが、都の所見を伺います。
 以上で私の一般質問は終わりますが、昨日のワールドカップで日本代表選手の健闘を心から、大変残念でありましたが、たたえたいと思います。
 私は、このワールドカップの決勝トーナメントを見て思ったのは、かつて明治維新において、欧米列強に非常におくれていた日本が、短期間のうちに欧米列強に追いつき、現在、肩を並べ、追い越している、この状況を思い起こし、日本人の資質というものは大変すばらしいということに感服したわけであります。
 全会派、全党派の皆様が、特にイデオロギーを乗り越え、恐らく何といわれようが、心の中で日の丸に対してエールを送っていたと心から思います。選手の皆様に私は心から拍手を送り、感謝をし、それが自然な形のナショナリズムであると、私はすばらしいと思い、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 中西一善議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、中小企業振興の新たな施策構築についてでありますが、何といいましても、東京の中小企業は日本の産業の牽引力であります。皆さんがご存じないところで、実は大企業の有名な製品の下請の下請というところで、日本の産業全体を実質的に支えているわけでありますが、この中小企業振興には、産業構造の転換が必要であります。
 しかし、今、国にアイデアがさしてなくて、産業界にもなかなか自力で変革をする余力がないために、改革が進んでおりません。これまでの東京の振興策も、やや制度疲労を起こしておりまして、今では、都政の仕組みそのものに産業振興を織り込む必要があると思っております。
 そのために、規制の改革や人づくりなど、全庁が一丸となった取り組みと、民間のすぐれた知恵の活用も必要と思っておりますが、例えば、先般、私、マハティールさんにマレーシアで会いましたときにもいったのですけれども、マレーシアは中期の展望の中で、サイバージャヤという、電子工学というか、主にIT関係の産業のための経済特別地域をつくっております。これはかなり時間がかかるでしょうが、人材も、プロパーなものが育たなければ、なかなかかなう夢でもありません。
 ただ、私はそのときに、後継者がなくて困っている日本のすぐれたものづくりの中小企業というものを、ひとついい条件を添えて誘致してもらいたい、そして、日本でも細々やっているその産業が、非常にすぐれたパーツならパーツの供給というものを量的にも拡大すれば、世界全体の経済の刺激にもなるだろうといいまして、挙げて歓迎するということでして、その後、東京都のアドバイザーをしていただいている、技術関係の泰斗であります唐津一教授にも現地に行っていただきました。なかなかその後の進展がうまくいきませんで、やはり日本で長らく操業していた中小企業の方々は、外国かということになると、いろいろなためらいがあるわけですけれども、中西さん初め、地元にすぐれた技術を持ちながら、現況の中で足踏みをして、伸び悩んでいる優秀な企業がありましたら、いつでもご紹介いたしますから、ひとつ現地をごらんいただいて、ぜひそういうアレンジメントをしていただきたい。
 それからもう一つ、ついでに申しますけれども、これは局長答弁になっておりますが、融資関係の努力は東京なりにしているわけで、CLOとかCBOを三年間で総額二千億円、会社は五千社がそのメリットに浴していると思います。
 特にCBOに関しましては、日銀が非常に評価しまして、一つの商品として、十分評価、信頼できるという判定も下しておりますが、私、先般、ある番組で柳澤金融庁長官がコメントを発しているのに、愕然といたしました。
 これはその前に、ある地域、東京のまちでありますけれども、親子二人、それから親子三人でやっている、非常に優秀な二つの零細企業、これは非常にいい技術を持っています。ただ、機械も古くなってきて、デフェクト、欠陥品が出るようになったということで、思い切って、清水の舞台から飛びおりるつもりで、七千万か八千万のそれぞれ機械を購入し直した。これは資本金二百万、三百万の小さな有限会社でありまして、柳澤君、金融庁が今度講じた、あなたがご指摘の金融検査のマニュアルでいきますと、この会社は、償却を始めた瞬間から債務超過になるわけです。こういう会社には金を貸すなと、貸してもらえない会社はつぶれても仕方ないということを、あの長官がいい放ったのです。私は、本当に怒りを感じまして、これはやはり政府といいましょうか、中小企業、零細企業というものの存在の意味合いを知らない政治家がああいう乱暴なことをいう。どうかひとつ都議会の皆さん、こういうものに対して強い抗議をしていただきたいし、こういう見識を持たない内閣というものに、私は批判を加えていただきたい。
 私は、あるところで竹中大臣に会って、その話をしました。いや、おっしゃるとおりで、私はいささか今の金融庁の進み方は異議があるといっておりましたが、この間、見ていていまいましいことがあるのだけれども、なかなか巧みな久米宏君の番組を見ていました。そこに、たしか木村さんというエコノミストが出まして、実にうまいことをいっておられた。金融庁というのは預金者と投資家のためにできた役所かと思ったら、どうもそうでない、どうもやはり銀行のための役所かなと思ったら、これもそうでない、要するに金融庁は金融庁のための役所ですなということで、結局そういうふうに、かつての中央集権と同じように、信組、信金の管轄権まで要するに収奪して、あまつさえ末端の実情というものを全く知らないフォーマットをかぶせて、その検査マニュアルの中でそぐわないものは消えてなくなれ、こういう、無慈悲というのでしょうか、産業というものの精緻な機構というものを知らない政治家の発言、そういう運用というのは、私は都庁としても、いつか正面切って反対、疑義を唱えたいと思っておりますけれども、ひとつ共通の認識を議会の皆さんに持っていただいて、今日のこの金融庁の進み方に強い批判を加えていただきたいと、お願いいたします。
 次いで、ジェット機の開発促進でありますが、これは本当は国が国のプロジェクトとして進めるべき問題であります。
 中曽根時代にも、世界で一番優秀な次期支援戦闘機を三菱重工がつくろうと思ったら、アメリカの圧力でつぶされました。その結果、三菱重工と向こうの会社のジョイントで、F16ですかの改良をやって、この改良型の戦闘機はかなり優秀なものですが、とても日本には及びませんけれども、日本とアメリカだけが保有して運用していますが、アメリカはもともと日本の航空産業というものに非常に畏怖を抱いておりまして、太平洋戦争のときの経験のトラウマもあるんでしょうか、とにかく日本に航空産業というものを復活させることを非常に好まない。
 同じようなYS11の交代機というものを、中国がつくるのはよろしいということをクリントンの時代に発言した人がいますが、その理由は、中国なら販路があるだろうといういい分でありました。それはうなずけないわけではありませんけれども、日本は日本の中だけでYSを飛ばしたわけじゃありませんで、東南アジアにだって飛んでいるわけですから。ということで、私は、アジア大都市ネットワークの中でそれぞれ可能性を持った人材があちこちにおりますから、それを束ねることで、実質的には日本がこの仕事を主導してつくることで、販路は、やはり東南アジアの関係諸国は大都市の責任でこれを持つという形で、これを実現したいなと思っておりました。
 幸い、そういう刺激も伝わっていきまして、その第一歩として、近く国と主要な重工業のメーカー、航空会社、学識経験者などから成ります中小型のYS11にかわるアジア製のジェット旅客機の開発促進のための検討委員会が設置されまして、この六月二十八日に第一回の会合が開かれることになりました。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長浪越勝海君登壇〕

○産業労働局長(浪越勝海君) 中小企業に関する三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都市型産業の振興についてでございますが、東京には、ソフトウエア産業やコンテンツ産業のほか、産・学・公をベースにした研究開発型の企業など、都市型のものづくり産業が成長しております。
 現在、中小企業振興対策審議会においても、お話しのように大消費地を有するなど、東京が持つ、すぐれた特色を生かした産業振興を図ることが求められており、今後、産・学・公連携の一層の推進などを通じて、そうした都市型産業の育成にさらに努めてまいります。
 次に、中小企業に対する支援の手法についてでございますが、これまでの振興策は、助成策に重点が置かれてきましたが、補助金などの助成策はさまざまな制約があり、対象が限られたものとならざるを得ないわけでございます。一方で、税制や規制のあり方などの見直しは、ご指摘のように、幅広い効果が期待できるものと認識をしております。
 現在、中小企業振興対策審議会でも、そうした観点からも議論をいただいているところであり、都として、中小企業振興策を構築するに当たっては、助成策のみならず、税制改正や規制改革など、国に対する提案要求も含め、総合的な検討を行ってまいります。
 最後に、金融検査と中小企業の資金調達についてでございますが、都としても、ご指摘のとおり、地域の金融機関の検査が中小企業の実態に即して適切に行われることが必要と考えています。現在、国では、金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編を策定していると聞いており、その運用に期待し、注視しているところでございます。
 また、都では、取引金融機関の破綻により、事業活動に影響を受ける中小企業のための融資制度を設け、円滑な資金供給を図ってきたところでございます。この制度の一層の普及を図りながら、今後とも中小企業への影響が最小限にとどめられるよう努めてまいります。
   〔生活文化局長高橋信行君登壇〕

○生活文化局長(高橋信行君) NPOとの協働について二点お答えいたします。
 まず、NPOと行政との協働でございますが、行政とNPOが相互の立場や特性を認めて協働を進めることは、行政では画一的になりがちな住民ニーズへの対応や行政の体質改善を図る上でも、大変重要であると考えております。
 都はこれまで、協働の推進指針を策定し、既存事業の見直しなどさまざまな角度から協働を進めてきており、平成十三年度末で、その数は百三十五事業に達しております。また、都民に身近で直接的なサービスを提供する事業が多い区市町村でも、その重要性が一層高まっております。
 都といたしましては、協働相手にふさわしいNPOを掘り起こすなど、引き続きみずから協働を推進するとともに、今後は、区市町村に対しても先進的な事例の紹介や協働に関する情報を提供するなど、積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、具体的なNPOの支援に関連してでございますが、NPOがその潜在能力を十分発揮していくためには、その活動基盤の充実が重要でございます。行政の役割は、その自立を促し、自主的に活動できる基盤づくりを進めることにあると考えております。
 このため都は、今年度からNPOの資金調達力や経営管理能力の向上を図るセミナーの開催のほか、NPOを客観的に評価する仕組みの構築により、NPOに対する信頼性を高める取り組みを進めております。
 また、資金のことでございますが、資金がNPOに入りやすくするために、寄附者の意図が十分反映され、寄附への誘引となるような新たな寄附の受け皿となる仕組みを検討しており、秋ごろまでに成案をまとめ、関係機関と調整の上、できるだけ早い時期にその仕組みを実施してまいりたいと考えております。
 なお、公益性の高いNPO法人に対する税制優遇措置の拡大など、今後も引き続き、国に対して積極的な働きかけを行ってまいりたいと思います。

ページ先頭に戻る