平成十四年東京都議会会議録第八号

   午後八時三十一分開議

○議長(三田敏哉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十番大山とも子さん。
   〔八十番大山とも子君登壇〕

○八十番(大山とも子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 今定例会で、石原都政になり、三年が経過しました。不況、リストラ、倒産の広がり、医療費値上げなど、都民生活の苦難が一層深刻になった三年間でした。こうした中だからこそ、東京都が地方自治体として都民の暮らしをどう守るのかが、いつにも増して問われました。その幹ともいうべき東京の福祉、医療は、この三年間に一体どうなったでしょうか。
 私は、大都市を持つ埼玉、千葉、神奈川など十一の道府県の予算を調べてみました。財政が厳しいのはどこも同じですが、今年度予算と三年前を比べて、福祉、医療の予算を減らしたのは東京だけです。他の十一道府県はすべて増額しています。これほど高齢化対策や少子化対策が重要になり、生活の困窮が広がった三年間だけに、これは異常な事態です。私は、都が福祉、医療予算を増額する方向に転換し、都の福祉事業を総合的に拡充していくよう求めるものです。知事の所見を伺います。
 実際、石原知事が福祉改革の名で真っ先にやったのが高齢者や障害者の命綱である医療費助成や福祉手当の切り捨てであり、シルバーパス全面有料化でした。さらに、福祉の世界にまで市場原理を持ち込み、社会福祉法人への支援を削減して、経営努力ばかり強調した上、営利企業の参入促進や都立施設の廃止、縮小、民営化などを次々推し進めています。
 その結果、福祉の現場でどういう事態が起きているでしょうか。福祉手当切り下げなどの都民生活への影響については、これまで繰り返し明らかにしてきましたが、社会福祉法人に対する都独自の支援を大幅削減したため、例えば特別養護老人ホームでは、関係者の努力にもかかわらず、さまざまな形で利用者サービスの低下につながっています。幾つかの施設の訪問調査を行いましたが、ほとんどの施設が運営が苦しくなったと答えています。
 その上、都は、今年度限りで都独自の経営支援事業を打ち切る方針です。ある施設では、これにより二千万円を超える赤字に転落すると試算しています。しかも、国は特別養護老人ホームへの介護給付を来年度以降引き下げる方向で検討しているのですから、一層のサービス低下が進行しつつあるのです。
 ある施設では、クリスマス会や運動会は中止、花見は有料化して希望者のみ、巣鴨への買い物も一時間九百円、二時間千八百円の有料制になりました。敬老会の食事を有料化した施設もあります。一泊旅行の中止も広がっています。都独自の補助で実現してきた高齢者の生活の質を豊かにし、生きがいや気持ちの張りにつながる大事なサービスが削り取られて、狭い意味の介護だけの施設に逆戻りしつつあるといっても過言ではありません。知事、あなたのいう福祉改革でこういう事態が起こっていることについてどう考えるのですか、見解を伺います。
 こういう切実な問題が起きているからこそ、東京都が昨年設置した介護保険を育む会でも、特養ホームの施設長さんから、東京都は高齢者福祉はどうあるべきかという高い理念をつくって、いろいろな施策をしていただいたが、それがだんだん下降線をたどっている、何とか盛り返していかなければならないという声が上がったのです。
 ところが、福祉局長は、この発言をとらえて、昨年四月の福祉局幹部職員連絡会で、介護保険になって非常に後退したということをぬけぬけとおっしゃる方がいる、行政の保護、補助にあぐらをかいて、その補助が減ったからけしからぬと声を上げるだけの人たちは消えていただきたいといったことが伝えられています。ここには、今日の都政全体の姿勢が映し出されているのではないかと私は考えます。たとえ異論があるにせよ、ぬけぬけとおっしゃる方がいるだとか、消えていただきたいなどといって、都政に対する都民の率直な意見を抑え込むような発言をすることは、行政を進める者として絶対にしてはならないことです。福祉局長の答弁を求めます。
 私は、都独自の経営支援事業の存続と拡充を強く求めるものですが、これが打ち切られたら、定員三十人から五十人程度の小規模特養は、とりわけ深刻な影響を受けることが予想されます。介護給付の小規模加算は、定員三十人以下の施設しか適用されないため、今でも運営が厳しくて、経営支援事業が頼みの綱です。用地確保が難しい区部で、特別養護老人ホームの整備を進める上で重要な位置づけを持つ小規模特養に対し、現時点に立って支援を強め、整備促進を図る必要があると考えますが、小規模特養の役割への認識とあわせてお答えください。
 ふえ続ける特別養護老人ホーム入所希望者の実態調査が、我が党の提案を受け、昨年度実施されましたが、結果がいまだに発表されていません。調査の結果を伺います。
 同時に、その結果に基づき、希望者が入所できるようにするため、緊急整備を行うよう求めるものです。
 なお、特養ホーム建設をめぐり、神藤信之前福祉局長が逮捕、起訴されるという、都政の信頼を揺るがす問題が生まれています。事実の全容を明らかにするとともに、補助金の厳正な執行を求めておきます。
 福祉改革の名で推進している市場原理任せの企業参入も、見過ごせない問題を引き起こしています。具体例が認証保育所です。知事は所信表明で、数がふえたことをもって成功したと強調しましたが、その中身はどうでしょうか。
 私は、認証保育所で働いていた何人かの保育士の話を聞きました。ゼロ歳から二歳までの受け入れなのに、実際は四歳児も含め、定員の倍近く受け入れたこともあるという話や、調理場が狭く、電磁調理器と電子レンジが一台あるだけ、また、保育士は正規の資格を持っている人で、昼が一時間九百円、夜が千円というアルバイト並みの時間給で、昨年開設してから既に二十人近くが退職し、開設時にいた保育士は、もはや一人もいないところもあるとのことでした。
 私が訪問したところも、ゼロ歳児で離乳食を食べる子たち三人は、二十分以上もいすに座らされ、一、二歳児が食卓につくのを待っていたり、ベッドの中にいる赤ちゃんは目が覚めてもずっとベッドから出してもらえませんでした。これは、一、二の例ではありません。設備基準や運営基準は、国基準の認可保育所に準じるものとされていますが、従来の都基準に比べ、大幅に低い上、実際にそれが守られているかどうかのチェックは、指導基準も示されていないため、実効あるものになりません。また、職員配置は、実際に行われている長時間保育に見合うものとなっていないため、どうしても子どもに目が届かなくなるからです。
 このような状況が現に生まれていることは、知事はどう認識されているのですか。少なくとも早急に認証保育所に対する具体的な指導検査基準を示し、厳格な指導検査を実施することや、長時間保育に見合った職員配置に改善すべきです。お答えください。
 一方、石原都政の三年間で認可保育所はわずか四カ所しかふえていません。都は、福祉改革で選べる福祉を実現するといいますが、これでは安心できる認可保育所を選びたい人の願いは、いつまでたってもかなえられません。そもそも児童福祉法は、保育に欠ける児童は、一定の基準を満たした認可保育所で保育しなければならないことを明確に定めています。それは、人間形成の基礎をつくる大事な乳幼児の時期に、生活時間の大半を過ごす保育所の持つ特別に重要な役割を踏まえたものです。私は、児童福祉法の精神に立ち返り、認可保育所を中心に据えた待機児解消策に取り組み、延長保育やゼロ歳児保育などの拡充、そして認可保育所の増設に全力を注ぐよう求めるものです。見解を伺います。
 改革の名による都立病院の統廃合計画についても、都民、地元自治体との矛盾が一層広がっています。八王子市は、市の保健医療計画の中間まとめを発表し、その中に、八王子小児病院を地域医療の中核施設として明確に位置づけています。板橋区は、老人医療センターと豊島病院の統合にも、民営化にも反対との姿勢を打ち出しています。そして、世田谷区は先日の区議会本会議で、母子保健院は、世田谷区における地域医療の中心的施設であるとの位置づけを改めて表明しています。
 一昨日、母子保健院と梅ケ丘病院を存続させる会、通称うめぼしの会が開いた世田谷区の小児医療を考える集いは、世田谷区と区医師会が後援し、二百八十人が参加しました。医師会を代表して出席したドクターは、母子保健院に引き受けてもらったケースは枚挙にいとまがありません、なくなったら非常に困りますと語っていました。会場からも多くの発言があり、子育てになくてはならない母と子の安心センターになっているという話や、千グラムに満たない極小未熟児を母子保健院で産んだお母さんは、兄弟をつくってあげたいけれど、母子保健院がなくなったら考えてしまうと、涙声で訴えていました。
 存続させる会の請願署名は、国立成育医療センターがオープンして以来、一層大きく広がり、六万人を超えました。出産にかかわる費用は、母子保健院が三十万円なのに対し、国立成育医療センターは五十万円もかかります。また、成育医療センターでは扱い切れない乳児を母子保健院で受け入れているケースもあります。成育医療センターができたから、母子保健院は廃止してよいという東京都の話は全く成り立ちません。廃止方針の再検討を強く求めるものです。
 都に対し、世田谷区から申し入れがあり、小児初期救急体制の整備について、都と区の協議が五月から始まっています。一方、都立病院改革マスタープランでは、七月から母体搬送停止、新生児搬送停止とされています。しかし、区との協議が継続しているもとで、このような医療機能の縮小を一方的に行うべきではありません。今後とも、世田谷区と十分協議を行うよう求めます。お答えください。
 以上、石原都政が進めている福祉改革と都立病院改革とは、要するに、福祉や医療について東京都は身軽になりたい、都の役割は極力小さくしたいということではないでしょうか。
 石原知事が、福祉を初め都民施策を切り捨てる一方で、強力に推し進めようとしているのが都市再生です。知事が進めようとしている都市再生は、首都圏メガロポリス構想に見られるように、センター・コア内、とりわけ都心部での大規模な再開発を進めることに力点が置かれているものであり、逆立ちしていることを指摘しないわけにはいきません。
 ロンドンやパリ、ニューヨークなどの欧米先進諸国の大都市も、都市の再生という課題に直面しています。しかし、その方法論や取り組みを比較してみると、同じ都市再生といっても大きな違いが見られます。それは、欧米の都市では、全体として、環境、住宅、産業、交通、財政など総合的な見地から都市のあり方が検討され、生活の場としての都市の再生を進めようとするもので、試行錯誤があるにしても、大企業による無責任な活動に規制が加えられ、都市の成長を管理する方向に立った都市づくりを進めているということです。超高層ビルの乱立と幹線道路を優先した都市づくりの道を突き進む東京の場合とは大違いです。
 そこで、石原都知事のいう都市再生を進めたら、都民と都政にどのような影響が生まれるのかについてただしたいと思います。
 その第一は、限度を超えた投資によって、都財政をさらなる破綻に導く道を進むことです。既に臨海副都心や汐留、北新宿などの再開発が進められ、これらの開発を支えるための首都高速道路などの幹線道路に巨額の税金がつぎ込まれてきました。投資的経費は、税収減を反映して一定抑えられてはいますが、その内容を吟味すると、この三年間に都市計画費が一六%も上積みされ、首都高速道路公団への無利子貸付に六百四十七億円、国の直轄事業負担金に一千百億円もつぎ込まれるなど、大型開発への投資のしわ寄せが福祉や教育に及んでいるのです。
 これから首都圏メガロポリス構想に基づいて、高速道路など幹線道路の優先的建設や再開発事業への助成を本格的に進めれば、一体どうなるのか。バブルの時代には、投資的経費に二兆円もの財源を投入していましたが、同様に、都財政に深刻な打撃を与えることになることも間違いありません。
 知事は、資金は国に出させるとか、民間都市開発機構からの無利子貸付が計画されているといいますが、直轄事業負担金や再開発に伴うインフラ整備など、都の負担が激増することは明らかです。既に都の借金残高は、一般会計だけで七兆円を超えており、現在の水準の借金の範囲でも、三十年後も七兆円規模の借金となることを東京都自身認めているところです。
 だとするならば、これまで以上の財政投入に迫られることになる都市再生について、財政面からの検討が必要なのではありませんか。たとえ知事が必要だと判断した事業であっても、大型開発については、凍結、縮小することなしに、それいけどんどんということは、自治体の長として余りに無責任ではありませんか。答弁を求めます。
 二つ目に、都民の暮らしとのかかわりです。とりわけ住宅の問題は深刻です。都は、これらの再開発で都心居住が促進されるといっています。しかし、現在開発中の汐留地区では、六万人の就業人口に対して、供給される住宅はわずか六千戸で十分の一にすぎず、しかも億ションといわれる高額マンションばかりです。また、文京区付近では、地上げやアパートの改修に合わせた値上げなどで、低家賃の民間アパートが相次いでなくなり、生活保護の住宅扶助費の範囲で借りられる住宅がなくなっているといわれています。
 知事、都心再生というのであれば、市場家賃の民間住宅から排除されている低所得者や高齢者、若年ファミリー世帯のための居住の再生こそが欠かせないのではありませんか。
 また、都心に保有している都有地については、これらの住宅困窮者のために活用すべきと考えますが、少なくとも、汐留地域にある都営住宅用地を他の目的に転用せず、目的どおり建設すること、また、再開発住宅として約束していた北新宿の都営住宅をほごにするのではなく、予定どおり建設すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
 環境への影響は、とりわけ深刻です。実際に東京の大気汚染は、二酸化窒素で六カ所、浮遊粒子状物質で五カ所と、自動車排気ガスの全国ワーストテンの半分を占めており、都の大気汚染の医療費助成を受けている方は五万人を超え、この十年間で六割もふえています。東京二十三区の人口一人当たり自動車保有台数は、世界の大都市の中でもトップクラスです。地球温暖化との関係でも、東京は既にこの百年間に二・九度気温が上昇しており、年間三十日を超える熱帯夜や五十ミリを超える集中豪雨の増加など、深刻な事態を迎えています。
 このため、都がことし一月に発表した環境基本計画は、二酸化炭素について、二〇一〇年までに一九九〇年比で九四%の水準に引き下げる計画を立てています。これを実際に達成するためには、今後二〇ポイントの削減が必要となりますが、どのような施策でどれぐらい削減するのか、ほとんど定まっていません。
 こうした中で、知事のいう都市再生を進めていったら一体どうなるでしょうか。都は、七つの緊急整備地区でどれだけの開発が行われるのか明らかにしていませんが、丸の内、秋葉原、汐留など、現在開発中のものや計画がはっきりしている開発だけでも、延べ床面積は五百七十ヘクタールに及ぶものです。そのため、地球温暖化の原因となる温室効果ガスである二酸化炭素の発生は六十三万トンに達し、これだけで都内で発生する業務系の二酸化炭素を三・三%押し上げることになります。また、自動車発生交通量は二十三万台もふえ、都内の交通量を三%以上引き上げることになります。加えて、センター・コア内の開発が同時に進められることになれば、環境への影響ははかり知れないものとなります。このように、環境への負荷を激増させる都市再生を推進してよいのでしょうか。
 知事は、環境基本計画で、東京の環境の危機について、他の地域と比較にならないほど深刻な状態にありますと述べ、環境基本計画を基軸として、地球と人類の存亡をかけた取り組みを呼びかけています。しかし、知事が実際にやろうとしていることは、明らかに環境基本計画の方向と逆行するのではありませんか。知事の所見を伺います。
 また、何でニューヨークの二倍ものオフィスがあるのに、さらにそれをふやさなければならないのかという都市計画研究家の指摘に、素直に耳を傾けることがどうしてできないのですか。知事の見解を伺います。
 さらに重大なことは、今議会に提案されている環境影響評価条例の改定が、大型開発を進めるために抜け穴をたくさん用意した上、都市計画上の規制を形骸化し、環境にさらなる打撃を与えることです。
 まず、計画段階アセスについていえば、当面、民間の開発計画は対象とせず、東京都の事業だけを対象とする上、個別計画では事業アセスの要件の二倍とされ、広域複合開発の場合には三十ヘクタール以上としているため、当面、該当するものはないといわれています。計画段階アセスの導入を求めてきた環境団体の関係者が、だまし討ちに遭ったようだと怒りの声を上げるのも当然です。
 なぜ、当面、最大の開発となる都市再生緊急整備地域の開発について計画段階アセスを適用しないのですか。環境より経済の方を優先するというのですか。知事の見解を伺います。
 事業段階アセスの改定は、まさに骨抜きといわれても仕方のないものです。それは、現行アセスで規定されている調査計画書への見解書の廃止、評価書案への公聴会の廃止、評価書案への見解書への都民や区長の意見も廃止され、手続期間を短縮化するというものだからです。
 加えて、規則を改定し、例えば都市再生緊急整備地区に指定された建築物については、ビルの高さを百メートルから百八十メートルに、延べ床面積を十万平方メートルから十五万平方メートルに大幅に緩和するとしています。この緩和が行われるなら、これまでであればアセスの対象となった建築物のうち、約六割が対象外となります。現在計画中の丸の内地区の再開発ビルは百五十メートルを超え、百八十メートル以下ですから、晴れてアセスをやらなくてもよいことになります。
 このような改定案に対して、東京工業大学の原科幸彦教授が、アセスの二本柱は情報公開と住民参加だが、いずれも後退する、ビルの過剰供給で死滅ビルが増加すると批判の声を上げているのを初め、マスコミも疑問の声を上げています。
 知事は、今定例会の所信表明で、今の時代、環境との共生は都市において欠かすことのできない要素と見解を示されましたが、このようなやり方で共生が成り立つと本気で考えているのですか。見解を伺います。
 知事が進めようとしている都市再生は、十年間とされた緊急整備地域に象徴されるように、小泉改革と一体の景気対策としての色が濃いものであるばかりでなく、これまでの東京一極集中是正の流れを否定するものであり、東京の都市づくりに百年の悔いを残すことになりかねません。喜ぶのはゼネコンや開発ディベロッパー、大企業ばかりです。
 本格的な少子高齢社会を迎えた今日、求められているのは、東京が抱える集中の弊害を初め、環境の改善、生活の場としての都市のあり方などを長期的視点から抜本的解決の方向を示す、百年の計としての都市政策ではありませんか。
 都市は、経済行為の場としてのみ存在するのではない、政治、教育、生活の場として全体性を持ってこそ都市なのだという専門家の意見に率直に耳を傾けることを要望しておきます。
 次に、つきまとい行為等の規制などを新たに設ける迷惑防止条例の改定について伺います。
 つきまとい行為の規制は、超党派の議員立法で成立したストーカー規制法がありますが、同法は、恋愛感情に絡むものだけに対象を限定し、市民運動や労働運動、取材活動などには適用しないものとなっています。ところが、条例改定案は、ストーカー規制法では対象外のつきまとい行為等の規制を目的とし、職場、学校、地域社会等におけるさまざまな人間関係や、売買、雇用、賃借などによるさまざまなトラブルを対象にしています。そして、面会を要求したり、電話をかけ、ファクスを送ることまでを不安または迷惑を覚えるような行為として処罰するとしています。
 そもそも市民が行う会社や企業、行政等に対する要請行動や抗議行動、労働運動における団体交渉や不当労働行為への抗議、さらにはマスコミの取材などは日常的に行われている行動であり、当然、面会要求や電話、ファクスなどの行為を伴います。これらは、正当な権利として憲法にも保障されているものであります。しかし、条例改正案は、こうした正当な活動を対象外とする規定はなく、軒並み規制対象とされる危険があります。ストーカー規制法では乱用禁止規定が設けられていますが、条例案にはその規定もありません。だからこそ、極めて短期間に、広範な市民団体や労働組合、法曹関係者などが反対して声を上げているのです。
 我が党は、つきまとい行為等の規制を設ける今回の条例改定案は取り下げるべきだと考えます。つきまとい行為の規制を理由に、市民の行動や労働運動、マスコミの取材活動など、正当な活動への規制が行われることがあってはならないと考えますが、知事の見解を伺います。
 最後に、有事三法案と非核三原則問題です。
 今国会の焦点となっている有事三法案は、憲法に背く二つの重大な問題点が浮き彫りになっています。
 その第一は、海外での自衛隊の武力行使に、初めて公然と道を開くものであることです。米軍支援でインド洋に派兵されている自衛艦隊までも我が国であるとし、この自衛隊が攻撃されたら、武力を行使することを政府も答弁で認めています。しかも、おそれや予測の場合での武力の行使にも、歯どめは一切ありません。政府・与党は、日本有事の際に国民の命を守るための備えと描こうとしていますが、日本への本格的な侵略を行う能力や意図を持った国など、現実には存在しないことは政府も認めざるを得ないことです。結局、米軍の海外での戦争に、自衛隊が武力の行使をもって参戦する仕組みをつくるものにほかならないのです。
 第二に、国民は戦争への協力が義務づけられ、医療、土木建設、輸送などに従事している民間人には業務従事命令が出されます。取扱物資などの保管命令が出せ、命令違反者には懲役刑などの罰則が科せられ、自治体や指定公共機関などを動員するために、国が指示権や実施権まで持つのであります。国民の人権と自由が危険にさらされるのは火を見るよりも明らかです。
 しかも、国会審議では、核心を成す用語の定義さえまともに説明できず、矛盾を突かれると答弁不能に陥るなど、与党の委員も、これでは信用できないといわざるを得ないほどです。
 だからこそ、地方自治体からは、政治的立場を超え、法案反対を求める声が相次いでいます。田中康夫長野県知事は明確に反対ときっぱりと拒否し、橋本大二郎高知県知事もはっきり反対の意思を表明しています。地方公聴会で、与党推薦人の鳥取県知事も、議論は不十分だとの意見を出さざるを得ませんでした。
 また、どのマスコミの世論調査でも、反対が賛成を上回っています。NHKの六月世論調査では、今国会成立反対が九割近くという結果でした。
 私は、この憲法を踏みにじる危険な法案は廃案にするしかないと思います。知事、国会での質疑、世論の声、自治体の声を踏まえて有事三法案をどう考えるのか、有事三法案に対する知事の見解を伺います。
 福田康夫官房長官の非核三原則見直し発言は、核兵器廃絶の明確な約束が国際会議で合意され、非核三原則の精神が世界の流れと合流しつつあるとき、最悪の逆流を持ち込むもので、内外から厳しい批判が起きるのは当然です。
 ところが、石原知事は、福田官房長官にみずからの論文を送り、私の論文を読んでください、頑張ってくれと激励しました。あなたが送った論文、非核の神話は消えたは、非核三原則とは何とこっけいな、事の本質を逸脱した政治指針、日本の核保有が討論されるべき時期に来ているなどとして、全体として非核三原則見直しを進めようという論文です。知事の激励は、見直す議論を進めろということにほかならず、唯一の核兵器による被爆国の首都の知事として許されるものではありません。
 知事、こうした立場を改め、非核三原則の遵守を明言すべきです。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 大山とも子議員の代表質問にお答えいたします。
 相も変わらぬステレオタイプのご質問で、恐れ入るというか、同情したいぐらいのつもりなんですが……。
 都が目指す福祉改革は、戦後、枠組みができてから基本的に見直されることのなかった福祉のシステムを改め、利用者本位の新しい福祉を構築するための改革であります。こうした長期的、歴史的視野に立って、平成十二年度以来、見直すべき事業は見直し、必要な施策には財源を集中投入し、改革を進めていくという方針で臨んでまいりました。
 平成十四年度予算は、こうした考えに基づき編成し、都議会のご審議を経て定められたもので、これを着実に執行してまいります。
 ただ、この予算の内容についてのご批判ですが、共産党というのは、予算の数字を読み間違っているのか、それともその解読能力がないのか、非常に奇矯な気がいたしますが、いいですか、これはあなた方ご自身の目で確かめてみてもらいたい。十四年度予算においては、一般会計における福祉、医療の予算の構成比は、全体の予算の中で福祉が九・五%、福祉・医療合わせて一二%、過去最大のポーションを占めております。そして……(発言する者あり)黙って聞けよ。
 いいですか。福祉関係予算、それから医療関係予算、これの十一年度と十四年度の比較を見ますと、合計が、十一年度が七千十六億円、十四年度が七千六十七億円。これは、この十一年度の予算のときには、福祉、医療関係のいろいろ工事をしておりました。それが完成し、十四年度には工事を終了して組織改正に伴う事業の移管等の要素を加味しまして、これはグロスとネットの違いでありまして、ネットではふえているんです。そういうものが認識されずに、ための批判をされても、都民が混乱するばかりでありまして、結局は馬脚が露呈されるということ以外にない。
 それから、特別養護老人ホームについてでありますが、介護保険導入前においては、都は特別養護老人ホームに対し、都職員と同じ給与水準を保障する補助など、多額の特別補助を実施してまいりました。全国共通の制度であります介護保険制度の導入に伴い、これらの補助は廃止いたしました。
 こうした中、大半の特別養護老人ホームはさまざまな工夫を行いました。本人の希望を尊重した食事メニューをつくり、あるいはレクリエーションの活動を実施するなど、利用者中心のサービスと経営の自立に向け取り組み、大きな成果を上げております。
 いろいろ細かいお話、事例を挙げられましたが、そういった事業を、行事を画一的に行うことが、果たして利用者の生活の質を真の意味で豊かにするかどうかは、人間の自立性、自主性、選択という面から多分に疑義を感じるものであります。そうした画一的な行事を見直すことを一方的にサービス低下と決めつけるのはいかがなものかというか、間違いであると私は思います。
 それから、都市再生と財政運営についてでありますが、都市の再生は、東京を初めとした首都圏の活力を復元するための不可欠な取り組みでありまして、中でも、大都市の大動脈、大静脈といい得る幹線道路、公共交通網などの整備や民間プロジェクトと一体となった市街地の再開発は、産業の活性化や国際競争力の向上はもちろんのこと、都民生活の質を高める上で極めて重要でありますが、この大都市にとって致命的な意味合いを持ちます、東京に関する、要するに大動脈、大静脈に匹敵する幹線道路、公共交通網というものをだめにしたのはだれですか。あなた方が一番熱烈に支持した過去の美濃部都政じゃないですか。それを復元するために、時間がたち過ぎて、みんな今往生し、苦労しているんですよ。少し反省したらどうですか。
 それから、都心部の居住の再生についてでありますが、職住近接を図り、利便性とゆとりを確保し、東京の活力を生み出すという視点から、都心居住の推進は重要と認識しております。推進に当たりましては、都心部の都営住宅の再編整備で行っているような民間の創意工夫を生かせる新しい手法の構築、そして、優良な民間プロジェクトの支援などの施策により、市場の力を活用することが肝要であると思っております。
 都心部は人口回帰が見られるようになっておりますが、今後とも、従来の発想を超えるようなさまざまな取り組みを総合的に推進していきたいと思っております。
 次いで、都市再生と環境基本計画の関係についてでありますが、これは、二つは決して矛盾したものではありません。これを矛盾していると指摘するのは、都市工学、文明の工学がわからないやからの話でありまして、東京には、大気汚染、温暖化など、環境の危機が集約的にあらわれております。
 環境基本計画は、健康で安全な環境を確保し、持続可能な社会を実現するため、これからの環境行政の基軸を定めたものでありまして、この計画で、都市づくりにおける環境面から配慮すべき事項を明らかにいたしました。
 都市機能の高度化と都市の居住環境の向上を目的とする都市再生においても、環境基本計画を踏まえ、環境に配慮した都市づくりを進めてまいります。
 次いで、大規模開発に伴うオフィスの供給についてでありますが、どなたか学者の意見を今引用されましたけれども、その方はニューヨークの事情を果たしてご存じなんでしょうか。私はマンハッタンによく行きますが、あそこはオフィスが足りなくて、困窮している。マンハッタンというのは非常に限られた地域でありますから、仕方なしに、ニューヨークのマンハッタン以外のところに、今オフィス街というものが構築されておりまして、遠くはダラス空港の近くにまでそういうものが及んでおりますが、いずれにしろ、都市の再生を推進していく上で、機能面で老朽化したオフィスの建てかえなど、市街地の更新を図ることが重要であると思っております。
 市街地の更新に当たっては、業務機能にあわせて、商業、文化や居住などの多様な機能の集積を図り、活力と魅力ある質の高い都市空間を形成し、国際的ビジネスセンター機能を強化していきたいと思っております。
 次いで、環境影響評価条例の改正についてでありますが、改正の柱は、繰り返して申してきましたけれども、計画段階からのアセスメントの導入と、事業段階アセスメントについてこれまで得られた知見を踏まえて活用し、制度の趣旨を損なうことなく、改善が可能な部分については積極的に見直し、手続期間の短縮、これは大事でありますが、対象規模の変更を行うことでありました。この改正によって、新しい時代にふさわしい良好な都市環境を形成したいと思っております。
 迷惑防止条例の改正についてでありますが、社会の進展に伴い、以前には予測されなかったいろいろな迷惑行為が出現しております。このような迷惑行為を防止し、都民の安寧な生活を確保することは極めて重要なことと考えております。他方、正当な権利に基づく活動は、改めて申し上げるまでもなく、不当に阻害されることがあってはならないものであります。
 このため、本定例会に提出した条例案のつきまとい行為等については、専らねたみ、恨み、その他の悪意の感情を充足する目的により行われるものに限って規制するなど、規制範囲については慎重かつ十分な検討を加えました。
 したがって、正当な労働運動、抗議行動、マスコミ等の報道、取材活動等を恣意的に規制するようなことは全くないものと考えております。
 次いで、有事三法案についてでありますが、国会の論議いろいろ出ておりますけれども、いずれにしろ、当然あるべき法制というのが今までなかったことそのものが不思議で不安でありました。それがこの段になって、国が自覚を持ち、法律として体系化しようというのは歓迎すべきことであります。
 繰り返して申しますが、国家の主権の中に地方自治体の主権というものが含まれているわけでありまして、国あっての東京であります。国あっての地方であります。ですから、基本的な私の認識態度は、有事の際には、私は事が一たん起これば、無条件で国に協力いたします。
 次いで、非核三原則についてでありますが、よく人の論文も読まずに、一部つまみ食いしている新聞に踊らされて、こういう議論をすることそのものが議会の品位を下げるものでありまして、そういう点、大いに反省されたらよろしいと思います。
 こうした機会をとらえての共産党のプロパガンダも結構でありますが、冷静な識者というものは、それを分析して、どちらに是があり、非があるかということはおのずとわかってくるものであります。
 こういう問題は冷静に、しかも時代が変わり、社会は変わっていくわけでありますから、核の問題にしても、これからどういう変化が社会にもたらされて、それが政治ケースとなって、国民のその問題に対するとらえ方もおのずと変わってき得るということを福田君はいったことで、ああいう障害に阻まれたと認識しております。
 そういう点で、過去にあった事例というものを踏まえながら、現在の時点で正確に主張してもらいたいということで、私は激励いたしました。
 以上であります。
   〔福祉局長前川燿男君登壇〕

○福祉局長(前川燿男君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、私の発言についてでありますが、お話は、昨年四月の局の幹部職員連絡会での発言をとらえてのことと思いますが、私の発言の内容を正確に申し上げたいと思います。
 その日の連絡会は、年度最初のものでありましたので、福祉改革の考え方と、これに取り組むに当たって、福祉局の幹部として持つべき姿勢について、大きく二つの点を述べた次第であります。
 一点は、我々が目指す新しい福祉は、サービス提供事業者が利用者の方を向いて日夜サービス向上に努力することを基本とするものであり、福祉の仕組み自体を、努力する者が報われるものに変えていく必要があるということであります。
 もう一つは、こうした福祉改革は都が先頭に立って戦後の福祉の仕組みそのものを変えようという取り組みであり、行政のコントロールのもと、努力しなくても利用者は確保できる、あるいは、サービス向上努力をしなくても補助金が受けられるといったような旧来の発想を、まず職員みずからが払拭していかなければならないということであります。
 この二つの点を幹部職員に説明、指示するため、幾つかの例を引いたうちの一つとして述べたものであり、もとより公の場で都民の意見を抑え込むといった性格の発言でないことは明白であると考えております。
 なお、ただいま申し上げたような福祉改革の考え方そのものに対するご質問ではなく、私の発言全体の文脈から切り離したごく一部だけを利用したこうしたご質問をいただくのは、大変残念であると思う次第であります。
 次に、小規模の特別養護老人ホームについてでありますが、特別養護老人ホームにつきましては、事業者が区市町村と協議しながら、地域のニーズや立地の可能性、用地の面積等を勘案して整備計画を立て、これに対して、都は整備費や用地費の助成を行っております。お尋ねの小規模の特別養護老人ホームにつきましても、他の特別養護老人ホームと同様、それぞれの地域の実情に応じて整備を進めることといたしております。
 特別養護老人ホームの実態調査についてでありますが、昨年の十月からことしの三月にかけて実施をした実態調査につきましては、現在取りまとめを行っているところであり、調査結果がまとまり次第発表する予定であります。この調査結果は、特別養護老人ホームを含め、今後の高齢者施策推進に当たっての基礎資料とする考えであります。
 次に、認証保育所についてでありますが、認証保育所につきましては当然ながら、市場任せではなく、認証保育所事業実施要綱において設置と運営についての厳格な基準を定めており、施設、職員の配置や給食の提供などの保育サービスについて認可保育所と同水準の基準といたしております。
 開設に当たりましては、事業者が、計画段階で実施主体である区市町村と十分な協議を行った上で申請したものを、この基準に基づいて都として認証をいたしております。その後の運営につきましても、区市町村と協力をして、この基準に基づき日常的な運営指導を行うとともに、毎月の入所状況についても報告を受けております。
 認証保育所について何点か具体的なご指摘がありましたが、私どもから見ますれば、いずれも当を得ていないものと申し上げざるを得ない次第であります。例えば児童の定員につきましては、職員配置基準と面積基準の範囲内での弾力的な運用をむしろ認めているわけであります。調理場につきましては、認可保育所と同等の取り扱いであり、個別に保健所の指導を受けることといたしております。非常勤職員を活用した利用者のニーズにこたえた柔軟な職員配置は、認証保育所の特徴の一つであります。
 次に、認証保育所の指導検査等についてでありますが、先ほどお答えしたように、認証保育所は、認証保育所事業実施要綱で定めた厳格な基準に基づき、日常的な運営指導を実施をいたしております。
 既にこのように開設直後から十分な運営指導を実施しているところでありますが、制度発足二年目に入る時点で、一般の認可保育所の例に倣って立入調査等の手続を定めた指導検査基準を整備する予定であります。
 また、長時間保育を含む保育所の運営形態に即した職員配置については、都の基準に基づき適正な配置がなされているものであります。
 認証保育所は、制度発足後一年未満ながら設置数が大きく伸びておりますが、これは大都市特有の保育ニーズにマッチしたサービスが提供されているためと考えております。都に寄せられた都民の声によっても、こうした認証保育所への期待は大きいと感じている次第であります。
 最後に、認可保育所の増設についてでありますが、保育所は、事業者が保育事業の実施主体である区市町村と協議をしながら、利用者の保育ニーズを把握した上で設置するものであります。認可保育所の数が昭和六十二年をピークに増加せず、新たな事業者の増加が少ないのは、そのサービス内容が延長保育やゼロ歳児保育などの多様化する保育ニーズに柔軟かつ的確にこたえるものとなっていないことが大きな要因と考えております。
   〔病院経営本部長櫻井巖君登壇〕

○病院経営本部長(櫻井巖君) 都立病院の改革に関するご質問にお答えいたします。
 母子保健院の医療機能の縮小についてでありますが、都と世田谷区との協議は、本年十二月末に予定している母子保健院の廃止に合わせて、同病院が実態として担ってきた地域における小児初期救急医療体制の充実を図るために行ってきております。
 母子保健院の廃止に向けましては、患者の方々に対する医療サービスの提供に支障を来さないよう、入院後の治療期間を見込むなど十分配慮しながら、医療機能の段階的な縮小を行っていく予定でありますが、世田谷区とは、地域における小児医療の確保に向け、引き続き協議を行っていきます。
   〔住宅局長橋本勲君登壇〕

○住宅局長(橋本勲君) 汐留地区にある都営住宅についてございますが、土地区画整理事業の施行により、当該住宅の敷地の換地が行われることになっております。この住宅は小規模団地のため、換地先での建てかえを行わず、用途廃止の上、撤去するとともに、居住者の方々には近隣の団地に移転していただくこととしております。
   〔建設局長山下保博君登壇〕

○建設局長(山下保博君) 北新宿地区市街地再開発事業における再開発住宅の建設についてでございますが、本地区では事業の実施に伴い、住宅に困窮する借家人等に対し、都営再開発住宅の建設を予定してまいりました。
 しかし、既存の再開発住宅の活用が可能であることなどから、従来のように都営再開発住宅を建設することにつきましては見直しをしてきたところでございます。生活再建に当たりましては、既存の再開発住宅、新宿区の事業用住宅、地区周辺の都営住宅へのあっせんなどを行うこととし、関係権利者に説明し、理解を得てきたところでございます。
 今後とも、十分関係権利者の生活再建を進め、事業の促進を図ってまいります。
   〔環境局長赤星經昭君登壇〕

○環境局長(赤星經昭君) 都市再生緊急整備地域におけます計画段階環境影響評価制度の適用についてお答え申し上げます。
 計画段階アセスメントは、全国に先駆け都が導入しようとするもので、都の大規模事業を制度の対象としており、この着実な運用を図る中で知見を重ねてまいります。
 都市再生緊急整備地域とは、都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じ緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として定められたものであり、国は七月に指定する見込みと聞いております。この地域内において民間事業者が具体的な開発事業を行う場合、条例の対象となるものであれば事業段階環境影響評価を行うことになります。

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