平成十四年東京都議会会議録第四号

○議長(三田敏哉君) これより日程に入ります。
 日程第一から第百五十四まで、第一号議案、平成十四年度東京都一般会計予算外議案百五十三件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事福永正通君。
   〔副知事福永正通君登壇〕

○副知事(福永正通君) ただいま上程になりました百五十三議案及び諮問についてご説明を申し上げます。
 まず、第一号議案から第三十一号議案までは平成十四年度当初予算でございまして、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせた三十一会計で、総額十一兆九千七百三十七億円となっております。
 第一号議案は一般会計予算でございまして、総額五兆九千七十八億円を計上いたしております。
 歳出予算の主な内訳は、教育と文化九千七百五十八億円、警察と消防八千七百七十億円、福祉と保健七千六十七億円となっております。
 次に、歳入予算の主な内訳でございますが、歳入の大宗を占める都税収入は四兆三百四十二億円で、法人二税の落ち込みが大きく、前年度に比べて八・一%の大幅な減となっております。
 次に、第二号議案から第二十号議案までの十九議案は特別会計予算でございまして、それぞれの事業に必要な経費として、総額四兆七百五億円を計上いたしております。
 次に、第二十一号議案から第三十一号議案までの十一議案は公営企業会計予算でございまして、病院、交通、水道、下水道などの経営に要する経費として、総額一兆九千九百五十四億円を計上いたしております。
 次に、第三十二号議案から第百三十五号議案までの百四議案は条例案でございまして、新設の条例が八件、全部を改正する条例が一件、一部を改正する条例が八十四件、廃止する条例が十一件となっております。
 まず、新設の条例でございます。
 第百十二号議案の東京都緊急地域雇用創出特別基金条例につきましては、国の制度創設に伴いまして、地域の実情に応じた臨時応急の事業を実施し、雇用、就業の機会の創出を図るため、新たに基金を設置いたすものでございます。
 次に、第百二十九号議案の東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例につきましては、河川及び港湾における放置船舶問題に効率的かつ迅速に対応するため、都、所有者及び事業者の責務を明確にするとともに、放置船舶に対する移動措置などを新たに条例で規定いたすものでございます。
 このほか、土地収用法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、新たに審議会を設置するものなど、合計八件でございます。
 次に、全部を改正する条例でございます。
 第百二十六号議案の東京都自然公園条例につきましては、自然公園に係る事務を建設局から環境局に移管することに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 次に、一部を改正する条例でございます。
 まず、第三十二号議案の東京都組織条例の一部を改正する条例につきましては、保健衛生と医療に関する新たな施策展開と事業の再構築を図るため、衛生局を健康局に改編するものでございます。
 次に、第四十九号議案の東京都都税条例の一部を改正する条例につきましては、小規模住宅用地の都市計画税の税額を、平成十四年度も引き続き二分の一に軽減するものでございます。
 次に、第五十三号議案の東京都江戸東京博物館条例の一部を改正する条例など二十八件の使用料、手数料につきましては、負担の公平を図る観点から必要な見直しを行い、料額の新設及び改定を行うとともに、文化施設及び体育施設に利用料金制を導入することなど、規定を整備いたすものでございます。
 次に、第五十八号議案の東京都消費生活条例の一部を改正する条例につきましては、電子商取引等の新たな取引形態を不適正取引行為の禁止規定の対象に加えるほか、悪質事業者に対する迅速な勧告、公表を行えるように、手続の簡素化を行うものでございます。
 このほか、法令等の改正に伴い規定を整備するものなど、合計八十四件でございます。
 また、廃止する条例につきましては、第四十四号議案の東京都石油コンビナート等防災本部条例を廃止する条例など、十一件でございます。
 次に、第百三十六号議案から第百四十号議案までが契約案でございます。
 都営住宅建設工事など合計五件、契約金額は総額で約百三十二億円となっております。
 次に、第百四十一号議案から第百四十五号議案及び第百五十三号議案が事件案でございます。
 第百四十一号議案の包括外部監査契約を締結するもの、第百五十三号議案の秋葉原駅前の都有地を売却するものなど、六件でございます。
 次に、第百四十六号議案から第百五十二号議案までの七議案は、平成十三年度最終補正予算でございまして、一般会計、特別会計合わせまして七百三十二億円を計上いたしております。
 次に、諮問でございます。
 公務傷病による恩給請求棄却処分について審査請求がございましたので、地方自治法の規定に基づき諮問するものでございます。
 上程になりました百五十三議案及び諮問についての説明は以上でございますが、このほか、人事案を送付いたしております。
 まず、東京都教育委員会委員でございます。
 三月十二日に任期満了となる鍛冶千鶴子氏の後任には、内館牧子氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会委員で三月三十一日に任期満了となる坂井利夫氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 また、同日をもって任期満了となる池田眞朗氏の後任として、熊澤光司氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会予備委員でございます。
 予備委員全員を収用委員会委員に任命したため、新たに池田眞朗氏、内山忠明氏、筆谷勇氏、早川通治氏、金岡昭氏の各氏を任命いたしたいと存じます。
 同意につきまして、よろしくお願いを申し上げます。
 以上で説明を終わります。
 よろしくご審議をお願い申し上げます。

○議長(三田敏哉君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(川島英男君) 人事委員会の回答は、第三十四号議案から第三十九号議案まで、第六十一号議案から第六十四号議案まで及び第百三十四号議案については、いずれも異議はないとの意見であります。
一三人委任第一六九号
平成十四年二月二十六日
   東京都人事委員会委員長 眞仁田 勉
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成十四年二月二十日付一三議事第五一〇号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
1 第三十四号議案
   職員の再任用に関する条例の一部を改正する条例
2 第三十五号議案
   職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
3 第三十六号議案
   職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
4 第三十七号議案
   職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
5 第三十八号議案
   職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
6 第三十九号議案
   東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
7 第六十一号議案
   学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
8 第六十二号議案
   学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
9 第六十三号議案
   義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
10 第六十四号議案
   学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
11 第百三十四号議案
   東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
12 議員提出議案第一号
   職員の給与の特例に関する条例
13 議員提出議案第二号
   学校職員の給与の特例に関する条例
   意見
 議員提出議案第一号及び同第二号による職員の給与減額を二年間継続する措置については、都議会での決議等を経たうえでの、社会経済情勢や都の財政状況を踏まえた時限的措置としての趣旨は認識しておりますが、公務員の給与は、労働基本権の制約の下で、人事委員会の勧告を踏まえて決定されるという原則に鑑み、本措置がこうした制度の趣旨と異なる特例的なものであることを十分に勘案し、取り扱われるよう望みます。
 その他の議案については、異議ありません。

○六十七番(服部ゆくお君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第三十一までについては、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十一までは、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   予算特別委員名簿
 東村 邦浩君(公) 大西由紀子君(生)
 青木 英二君(民) 山下 太郎君(民)
 中西 一善君(自) かち佳代子君(共)
 織田 拓郎君(公) 藤井  一君(公)
 中嶋 義雄君(公) 松原 忠義君(自)
 田代ひろし君(自) 三宅 茂樹君(自)
 鈴木 一光君(自) 吉野 利明君(自)
 富田 俊正君(民) 松村 友昭君(共)
 森田 安孝君(公) 曽雌 久義君(公)
 土持 正豊君(公) 三原 將嗣君(自)
 大西 英男君(自) 河西のぶみ君(民)
 吉田 信夫君(共) 星野 篤功君(自)
 田島 和明君(自) 古賀 俊昭君(自)
 山崎 孝明君(自) 清原錬太郎君(自)
 藤川 隆則君(民) 林  知二君(民)
 東ひろたか君(共) 渡辺 康信君(共)
 木内 良明君(公) 比留間敏夫君(自)
 桜井  武君(自) 佐藤 裕彦君(自)
 矢部  一君(自) 和田 宗春君(民)
 坂口こうじ君(民)

○議長(三田敏哉君) なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第三十二から第百五十四までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、日程第三十二から第百五十四までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(三田敏哉君) 日程第百五十五及び第百五十六、議員提出議案第一号、職員の給与の特例に関する条例外条例一件を一括議題といたします。
 本案に関し、九十番樺山卓司君より趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 九十番樺山卓司君。
   〔九十番樺山卓司君登壇〕

○九十番(樺山卓司君) 私は、職員の給与の特例に関する条例の提案に当たり、提案者を代表して、その趣旨についてご説明を申し上げます。
 さきの平成十三年第四回定例会で知事より提案された、職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例及び学校職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例は、平成十二年四月一日から実施してきた職員給与の四%削減措置を、一般職員については、条例の規定どおり平成十四年三月末で終了し、管理職については、平成十五年三月末まで延長するというものであります。
 その際、我が党は、当該議案は撤回し、次の定例会に新たな条例案を再提出すべきであると主張いたしました。
 その結果、議会としては、当該議案を平成十四年第一回定例会へ継続審議とするとともに、都職員給与の一部削減措置の継続を求める決議を可決いたしました。都側に対し、この第一回定例会までの間に、この決議の重みとその趣旨を理解され、自主的な解決を求めたものであります。
 しかしながら、その後何ら進展は見られず、具体的な内容の協議開始の申し入れを職員団体は拒否をしているとのことであります。まことに残念なことであります。
 このような主権者たる都民の意思を無視した状況が続くようでは、都政に対する都民の信頼は損なわれ、都が行おうとする施策、諸事業にも大きな支障となることが懸念されます。
 我が党は、このような行き詰まった状況にかんがみ、さきの決議に述べられているように、もはや議会の権能に基づく行動をとらざるを得ないと判断いたしました。
 さきの第四回定例会、また本定例会の代表質問でも申し上げましたが、現下の社会経済情勢は、当該条例が施行された当時と比較して、ますます厳しい状況となっており、中小零細事業者を初め、民間企業の相次ぐ倒産、過去最悪の失業率などを見ても明らかであります。
 平成十三年の倒産件数は、一万九千四百四十一件で戦後二番目、バブル崩壊後最悪を記録しております。同じく負債総額も、十六兆二千百三十億円と戦後二番目となっております。
 雇用の面では、失業率は五・六%と、この調査開始以来最悪を更新し、四カ月連続の悪化であり、完全失業者は三百三十七万人となっております。特に、過去十年間で一年以上の長期失業者は三倍以上にふえ、世帯主の失業も百万人を超え、さらに、一年以上失業している世帯主が二十六万人ほどいるとのことであります。恐らく企業の倒産やリストラによる解雇などを原因とするものであり、働き盛りの、家族を一身に支えている年齢層が中心となっているようであります。
 また、聞くところによりますと、先日開設された板橋の認証保育所では、保育士の採用予定十一人に、三百人を上回る応募者が殺到したとのことであります。資格の必要な仕事にさえこのような状況であります。事ほどさように、職を求めて多くの人々が不毛の戦いを連日繰り広げているのが実情であります。
 一方、事業の借金やローンの返済のために自殺をした人が、三年連続で三万人を超えているとのことであります。生命保険会社では、余りに自殺者が多いこと、また、自殺で事柄を解決するなどという方法に頼らず、何とか頑張って生きてほしいとの思いから、自殺による保険金の支払いをやめることを検討しているとの記事も目にしたところであります。
 民間では、引き続く倒産、リストラの嵐の中で、今や給与を支給するのが精いっぱいで、給与カット、ボーナスなしなどは当然のこととされております。
 下町のある工場では、従業員に給料を支払うために、家族全員で必死になってアルバイトをしているという話も聞いております。また、中高年はもちろん、若年層も、何度も何度も職安に通って職探しをしているという厳しい現実、職員の皆さんにも、都民の方々のこうした厳しい状況に、もっともっと鋭く関心を持っていただきたいと思います。
 一方、都の職員団体は、この給与の一部削減措置を苦渋の選択といっております。しかし、都民の生活も苦渋の生活であり、中小零細事業者を初め民間事業者も、苦渋の経営により、従業員の給与を出すのもままならないというのが現実であります。従業員もそれに必死になって懸命に耐え、何とか職の確保だけはと願って働いているのが現実です。
 このような社会状況の中で、給与問題は労使の合意がすべてであり、労使の合意が最終、聖域であるかのような雰囲気を都庁内で横溢させることに躍起となっているとしたら、職員団体は職員をミスリードすることにつながりかねません。また、議会は公務員の給与問題を都民感情といったたぐいのものですりかえている、と主張する向きもあるようでありますが、これは木を見て森を見ない、まことに残念ないい方であり、厳しい状況にある都民を冒涜するものといわざるを得ません。
 都庁内で喧伝されている理屈がすべてではありません。都庁の常識、社会の非常識といわれないような、社会認識、時代認識を持って行動していただきたいと思います。職員の皆さんも大変でしょうが、公僕として、どうか苦境にある中小零細事業者や失業にあえいでいる多くの都民の皆さんに思いをはせてくださるように、心から、心からお願いをいたしたいと思います。
 また、削減継続に反対する会派の皆さんは、都職員の給与について、都民の方々の生の声をお聞きになっていらっしゃるんでしょうか。都民の声を都政につなげる立場にいながら、事、都職員の給与となると耳をふさいでしまう。それとも、厳しい状況にある都民や中小零細事業者の方々とは、ふだんお話しになることはないのでしょうか。このような方々の給与も、公務員の給与勧告の準拠となるということをご存じないのでしょうか。
 私たちは、ことしも数多くの新年会に出席をさせていただきました。その席上で聞こえてくるのは、家計が苦しい、経営が大変だとの多くの声であり、樺山さん、もうおれはどこかに消えてなくなりたいよ、との悲鳴にも似た叫びすら数多くあったのであります。
 さて、都は、十二年度から十五年度までの四年間の財政再建推進プランに基づき、財政の構造改革に取り組んでいるところであります。この取り組みによる効果が着実に上がってはいるものの、十二年度決算は六百七十八億円もの実質赤字を計上し、三年連続の赤字であるなど、いまだ再建途上であります。
 さらに、十四年度予算では、都税が十三年度よりも三千六百億円と大幅に落ち込んだことから、十三年度で行った一千四百三十八億円の倍近くの、二千五百七十七億円に及ぶ財源対策を余儀なくされているのであります。
 ところが、一方で、都税収入プランは、再建プランとの比較でも四年間で八千億円の増収となっているから、財源不足六千三百億円を上回り、財源不足なんかあり得ないとする主張があります。しかし、税の増収の累計と比較するならば、プランにおいて想定した最終の十五年度単年度の財源不足六千三百億円ではなく、四年間の財源不足の累計額である二兆六千四百億円と比較すべきであって、八千億円とは、しょせんけたが違います。財源不足がないというのは、比較の次元を誤り、都財政の現状認識が残念ながら足らないといわざるを得ないのであります。
 十二、十三年度は、景気の緩やかな回復を反映した企業収益の改善等により、都税収入が予想を上回る増収でありましたが、十四年度以降の税収を楽観視することができないという認識を、我々も以前から強く持っていたところであります。
 そのため、都が将来の財政負担に備え、財政調整基金等への積み立てや、減債基金の一部復元など財政基盤の強化を図るために、都税の増収を活用したことが、結局大幅な税収減となった十四年度予算編成に大きく寄与していることは、申すまでもないところであります。
 今後、日本経済の現状を踏まえれば、先行きさらなる税収の落ち込みも十分に考えられ、都の財政運営は全く予断を許さない状況にあることを強く認識せざるを得ません。
 さきに出された財務局の「都財政の収支見通し」によれば、十五年度から十八年度までの間、毎年度三千億円から四千億円を超える巨額の財源不足が見込まれることから、都はいまだ財政再建団体転落の瀬戸際にあることを忘れてはならないのであります。知事も、本定例会冒頭の施政方針表明で、今後の都財政の動向が一段と厳しいものになると述べておられます。
 また、手数料、使用料の値上げを初め、毎年厳しい負担を都民にお願いしていく以上、みずから厳しい内部努力を続けることは至極当然のことであり、それに反して、職員給与の削減措置を打ち切るというのでは、到底都民の理解を得ることはできないのであります。都の財政と都の職員の給与が無関係というわけには断じてまいりません。
 さて、職員の給与は、地方自治法及び地方公務員法により、条例で定めることとされております。条例を定めるためには、当然、都民の負託を受けた議会の議決がなければなりません。このことは、さきの第四回定例会でも申し上げたところであります。
 このように法令等に明記されているということは、住民の負託を受けた議会が責任を持って職員の給与等を最終決定することが、本来の姿なのであります。議会は今までこの責任を怠ってきたのではないでしょうか。大いに反省しなければなりません。
 もちろん、法令、条例のもとでの理解を得られるものでなければならないことは、いうまでもないところであります。
 また、議会が職員給与の問題に言及することは、政治の介入との非難があります。しかし、議会とは、主権者の意思を反映して、行政の組織、事務や、その基準をつくる立法という仕事を行う専管の機関であり、そこでの活動がすべて政治なのであります。介入という、あたかも何の権限もない者が口出しをするようないい方で非難するのは、全くおのれのことだけを守るための、ためにする議論であり、議会に対する冒涜であります。民間会社の社員の給料に議会が言及をしようとしているのでは断じてありません。
 職員団体は、人事委員会の勧告時期に合わせて、人事委員会交渉と称する人事委員会への申し入れを例年行っていると聞いております。議会はただ勧告を受け取り、尊重すればよいというだけの存在としてしか見られていなかったとすれば、まことにゆゆしいことであります。
 そこには、長年にわたり、職員団体が、労使合意がすべてに優先するという雰囲気、状況を、巧みな戦略、戦術により都政運営の中に構築してきたとの見方もできます。そうだとしたら、理事者も職員も、そして議会も、そういうものだといつの間にか刷り込まされてきたといえるでありましょう。そして、この給与削減問題で、あたかも都の職員が被害者であるかのように思い込まされているとしたら、都民はまさに砂をかむ思いでありましょう。
 労使関係は聖域であって、他から指一本触れることも嫌悪するような姿勢だとしたら、都民の理解を得ることは断じてできないのであります。労使間だけの信頼関係を主張するだけでなく、議会にも信頼される労使関係の構築を、この際、ぜひとも労使双方にお願いをするところであります。
 最後に、我々議員自身も、平成九年から実施の議員報酬及び十一年から実施の期末手当の削減について、現在これを終了する状況にはないことにかんがみ、さきの第四回定例会で十四年度も引き続き削減措置を継続することとしたことを付言しておきます。
 我が党はあくまでも、都民の皆様方の目線で、今後ともこの問題に誠心誠意で取り組んでまいります。
 本日この議場にお集まりのすべての議員各位の良識と常識あるご判断によって、本条例を無事、ぜひとも可決、成立をいただきますよう、心からお願いを申し上げまして、提案理由の説明といたします。(拍手)

○議長(三田敏哉君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。
 なお、本案については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(川島英男君) 人事委員会の回答は、議員提出議案第一号及び同第二号による職員の給与減額を二年間継続する措置については、都議会での決議等を経た上での、社会経済情勢や都の財政状況を踏まえた時限的措置としての趣旨は認識しておりますが、公務員の給与は、労働基本権の制約のもとで、人事委員会の勧告を踏まえて決定されるという原則にかんがみ、本措置がこうした制度の趣旨と異なる特例的なものであることを十分に勘案し、取り扱われるよう望みます、との意見であります。
〔一八七ページの人事委員会の回答参照〕

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第百五十五及び百五十六は、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託したいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、日程第百五十五及び百五十六は、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(三田敏哉君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一を議題といたします。
   〔川島議事部長朗読〕
一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件
一三財主議第六三一号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都教育委員会委員鍛冶千鶴子は平成十四年三月十二日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     内館 牧子
      略歴
現住所 東京都港区
               内館 牧子
   昭和二十三年九月十日生(五十三歳)
昭和四十五年三月 武蔵野美術大学卒業
昭和四十五年三月 三菱重工業株式会社入社
昭和五十八年七月 同社退職
現在       脚本家

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三田敏哉君) 追加日程第二及び第三を一括議題といたします。
   〔川島議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会委員の任命の同意について二件
一三財主議第六三二号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成十四年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     坂井 利夫
      略歴
現住所 東京都府中市
               坂井 利夫
     昭和七年十月一日生(六十九歳)
昭和三十一年三月 早稲田大学第二政治経済学部卒業
昭和三十一年十一月 入都
昭和三十四年三月  中央大学法学部卒業
昭和四十三年四月  東京都総務局副主幹(法務担当)
昭和四十九年七月  東京都総務局法務部法務第二課長
昭和五十二年十二月 東京都総務局法務部法務第一課長
昭和五十三年八月  東京都総務局主幹
昭和五十五年八月  東京都総務局総務部文書課長事務取扱
昭和五十六年七月  東京都総務局法務部長
昭和六十三年七月  東京都収用委員会事務局長
平成二年七月    東京都人事委員会事務局長
平成四年六月    東京都退職
平成四年九月    弁護士登録
平成九年四月    東京都収用委員会予備委員
平成十一年十月   東京都収用委員会委員
現在        弁護士
一三財主議第六三三号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都収用委員会委員池田眞朗は平成十四年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     熊澤 光司
      略歴
現住所 神奈川県茅ヶ崎市
                熊澤 光司
  昭和十八年十二月二十八日生(五十八歳)
昭和四十三年三月 早稲田大学第一法学部卒業
昭和四十三年四月 財団法人日本不動産研究所入所
昭和四十七年三月 不動産鑑定士登録
平成六年七月   地価公示東京都区部第二分科会幹事
平成七年四月   地価調査東京都区部第二分科会幹事
平成七年十一月  東京都財産価格審議会委員
平成十一年三月  社団法人東京都不動産鑑定士協会副会長
平成十二年三月  社団法人全国市街地再開発協会債務保証審査会委員
平成十三年九月  年金資金運用基金保養基地資産処分検討委員会委員
現在       不動産鑑定士

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三田敏哉君) 追加日程第四を議題といたします。
   〔川島議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について一件
一三財主議第六三六号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     筆谷  勇
      略歴
現住所 千葉県船橋市
                筆谷  勇
     昭和十一年八月十日生(六十五歳)
昭和三十五年三月 東京大学農学部卒業
昭和四十四年五月 公認会計士登録
昭和四十四年八月 監査法人太田哲三事務所入所
昭和五十八年八月 監査法人太田哲三事務所公企業会計部長
昭和六十年八月  日本公認会計士協会会計士制度委員会副委員長
昭和六十二年七月 太田昭和監査法人代表社員
昭和六十二年八月 日本公認会計士協会公会計委員会委員長
平成二年八月   日本公認会計士協会租税調査会副委員長
平成十一年四月  東京都包括外部監査人
平成十三年七月  新日本監査法人代表社員
現在       公認会計士

○議長(三田敏哉君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三田敏哉君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三田敏哉君) 追加日程第五から第八までを一括議題といたします。
   〔川島議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について四件
一三財主議第六三四号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     池田 眞朗
      略歴
現住所 東京都港区
               池田 眞朗
  昭和二十四年五月十一日生(五十二歳)
昭和四十八年三月 慶應義塾大学経済学部卒業
昭和五十年四月  慶應義塾大学法学部助手
昭和五十三年三月 慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了
昭和五十三年四月 慶應義塾大学法学部専任講師
昭和五十八年四月 慶應義塾大学法学部助教授
平成元年四月   慶應義塾大学法学部教授
平成三年四月   国土庁不動産鑑定士試験第二次試験委員
平成八年一月   法務省司法試験第二次試験考査委員
平成十一年五月  法務省法制審議会民法部会委員
平成十三年二月  経済産業省産業構造審議会臨時委員
平成十三年七月  東京都収用委員会予備委員
平成十四年一月  東京都収用委員会委員
現在       慶應義塾大学法学部教授
一三財主議第六三五号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     内山 忠明
      略歴
現住所 東京都北区
                内山 忠明
   昭和二十一年八月十九日生(五十五歳)
昭和四十五年三月 一橋大学法学部卒業
昭和四十八年四月 入都
昭和五十一年四月 司法修習終了
昭和五十四年四月 特別区人事厚生事務組合法務副主幹
平成元年四月   特別区人事厚生事務組合主幹
平成二年四月   特別区人事厚生事務組合法務部長
平成十二年三月  特別区人事厚生事務組合退職
平成十二年四月  弁護士登録
平成十二年四月  日本大学法学部教授
現在       日本大学法学部教授
一三財主議第六三七号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     早川 通治
      略歴
現住所 千葉県白井市
                早川 通治
   昭和二十二年一月十九日生(五十五歳)
昭和四十四年三月 早稲田大学第一商学部卒業
昭和四十四年四月 株式会社樫山入社
昭和四十四年六月 同社退社
昭和四十六年四月 株式会社中央不動産鑑定所入社
昭和五十年三月  不動産鑑定士登録
昭和五十七年四月 同社千葉支所長
昭和六十三年二月 同社取締役千葉支所長
平成三年四月   同社取締役業務部長
平成九年一月   同社常務取締役
平成十一年四月  社団法人不動産鑑定士協会業務推進委員会委員
現在       不動産鑑定士
一三財主議第六三八号
平成十四年二月二十日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     金岡  昭
      略歴
現住所 埼玉県入間郡大井町
                金岡  昭
     昭和十六年五月十七日生(六十歳)
昭和四十年三月  島根大学文理学部卒業
昭和四十年四月  入都
昭和四十九年四月 司法修習終了
昭和五十年七月  東京都総務局法務部法務副主幹
昭和五十五年七月 東京都総務局法務部民事訟務課長
昭和六十年八月  東京都総務局主幹
平成四年七月   東京都総務局訟務担当部長
平成六年七月   東京都総務局審査法務担当部長
平成八年七月   東京都総務局法務部長
平成十三年七月  東京都退職
平成十三年八月  弁護士登録
現在       弁護士

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(三田敏哉君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願十三件及び陳情十二件は、お手元に配布の請願陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 明三月一日から六日までの六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、明三月一日から六日までの六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月七日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時散会

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