平成十四年東京都議会会議録第四号

○副議長(橋本辰二郎君) 八番後藤雄一君。
   〔八番後藤雄一君登壇〕

○八番(後藤雄一君) 都営住宅の管理についてお伺いいたします。
 都営住宅には公設の有料駐車場が設置されていますが、住民の車の所有台数が多く、駐車場の数が足らないのが現状です。
 行革一一〇番の調査で判明しました東大和市桜ケ丘団地の十六号棟、十七号棟の自治会では、団地と団地の間の通路に白いペンキで駐車場の枠を書き、二十三台の私設の駐車場をつくり、一カ月一台六千円、年間約百六十万円もの駐車料金を徴収し、不当に利得をしていたのです。この不当利得をした約百六十万円は、本来住民が支払うべき共用部分の電気代などの支払いに充てていたというから驚きです。この件は、都営住宅の管理を怠ったとして、財務会計職員を対象に監査請求が起こされました。
 だれが悪いんでしょうか。もちろん、都の土地を無断で違法駐車のために使用し、駐車料金を不当に利得していた自治会が悪いのは当たり前ですが、しかし、以前より事実関係を承知していながら、財産の管理を怠り、違法行為を放置し、また公社の駐車場対策の怠慢を黙認していた住宅局の責任は重大です。
 また、多摩ニュータウン和田団地二号地は、違法駐車の台数が何と百六十台というから、半端ではありません。住宅局は以前から公設の駐車場をつくろうと折衝していたが、団地の自治会が応じなかったというのです。
 しかし、行革一一〇番が調査をしてみると、平成四年度までは住宅局もこの違法駐車を黙認し、その上、当時の日野警察も車庫証明を出していたというから、あきれてしまいます。
 住宅局は、平成五年、自治会から出されたとされる駐車場の設置の要望書を根拠に折衝をしていたというのですが、要望書を見る限り、代表者の印鑑すら押されていない不備なものでした。その後、現在に至るまで八年間、違法状態を続けさせていたということ自体が、住宅局の職務怠慢というほかありません。
 質問です。
 知事は、職員の先頭に立って仕事をしていますが、しかし、都営住宅の現場では、違法行為の改善を先送りし、そして不当利得を黙認しています。責任の所在を明確にし、処分をすべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
 本件同様のケースがほかにもあると思いますが、わかったらば示していただきたい。
 現在、駐車場のスペースは、都営住宅の駐車施設の設置基準で、幅が二・三メートル、奥行きが五メートルと決まっていますが、基準を改めて、軽自動車のスペースなどをつくり、駐車台数の確保に努めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、職員の天下りについてお尋ねをします。
 監理団体の常勤役員のポストは百三十二です。このうち、都の天下り職員が九十のポストを占めています。もちろん、天下りは監理団体だけではありません。特殊法人東京都職業能力開発協会を調べてみてあきれました。常勤職員が十八人、このうち管理職が七人います。この管理職の七人のうちの六人が、都の天下りなのです。そして、都から約二億六百万円の補助金が出ています。資料によりますと、専務理事が元の総務局理事の早川さん、常務理事が元の地方労働委員会次長の西川さん、能力開発部長が元の西多摩経済事務所の所長、技能検定部長が元の清掃局の施設部長、総務課長兼振興課長は元の府中技術専門学校の校長、指導課長兼業務課長は元の立川技術専門校の校長です。
 理事のクラスの天下りは理事になります。部長のクラスの天下りは部長になります。課長のクラスの天下りは課長になるという典型的な天下りの受け皿団体です。
 団体内部の構造改革、意識改革をしなければ、補助金のたれ流しはいつまでも続きます。東京都職業能力開発協会に対して、改革しなければ補助金を減額するくらいの対応策をとられるお考えがあるのか、お尋ねをします。
 また、監理団体の役員になっている天下りの職員の給与がどのように決まっているのか、お答えください。
 次に、東京都学校給食会についてお尋ねをします。
 教育委員会は、平成十三年度、給食会に対して、学校巡回指導、衛生講習会などの事業を委託しています。しかし、行革一一〇番が調査したところ、給食会に委託をした業務のほとんどは栄養士の仕事でした。
 教育委員会は、給食会の生き残りのために、あらゆる方法をとって保護しているとしか思えません。また、給食会は、各種給食物資の販売を行っていますが、民間と比べて価格の高いものが多く、学校は独自に民間の業者と契約しているのが実態です。
 質問です。十四年度の予算で、給食会に対する委託業務の廃止をも含めた改善をするおつもりがあるのか否か、また、給食会の物資の取り扱いも根本的に見直す時期だと思いますが、見解をお伺いいたします。
 局長車の朝晩の送迎についてお伺いをします。
 第四回定例会の行革一一〇番の文書質問、公用車による局長の送迎についての答弁として、連絡体制の確保と書かれています。しかし、すべての局長が一分一秒を争うような緊急連絡が必要とは思えません。携帯電話もあります。朝晩の送迎が必要という局長は、説明責任を果たしていただかなければならないと思います。
 行革一一〇番は、局長車の運転日誌を情報公開でとり、調べました。渋谷区にお住まいの監査事務局長は、自宅から都庁までがたったの四キロです。公用車で二十分です。一日の走行距離が十五キロ、昼間の利用はほとんどありませんでした。監査事務局長さんですから、ご自分で監査すれば専用車がむだだということがわかるでしょう。
 また、環境局長は、自宅から都庁までが片道六十五キロ、朝は二時間二十分、帰りは一時間十分と書かれています。一日の平均走行距離は二百キロあります。高速道路代金だけでも千八百円かかっています。環境問題を担当する局長が、排気ガスをまき散らしながら運転手つきの車でのんびりとしていていいんでしょうか。(笑声、拍手)
 局長専用車の経費は一億六千万円もかかっているんです。質問ですが、どのような緊急連絡が今まであったのか教えてください。
一カ月に何回ぐらいの緊急連絡があるのか、また日曜、祭日に緊急の連絡をするときには、どのような方法をとっているのか教えてください。
 加えて、一分一秒を争う事件とは縁の遠い局長さんたちがたくさんいるはずです。都庁は、大赤字です。自発的に局長車での朝晩の送迎を辞退することはできないものなんでしょうか。総務局長、財務局長、環境局長、監査事務局長にお尋ねをいたします。
 質問は以上です。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 後藤雄一議員の一般質問にお答えします。
 まず、東京都学校給食会への事業委託の改善についてですが、学校給食は教育活動の一環として実施しておりまして、給食の円滑な運営と水準の確保に十分配慮することが必要でございます。
 学校給食会への委託事業は、調理業務受託者に対する調理事前研修や衛生講習会などでございまして、調理業務の円滑な実施や安全衛生管理の徹底を図るためのものでございます。
 都教委としましては、事業委託について、これまでも必要な改善を行ってきたところでございますが、今後とも改善に努めてまいります。
 次に、学校給食会の物資の取り扱いの見直しについてですが、現在、国におきまして、学校給食用物資の供給等について見直しを進めているところでございますので、その動向を踏まえまして、学校給食会の役割である給食用物資の取り扱いについて、安定供給や安全性の確保、低廉化などの観点から、今後のあり方について総合的に検討してまいります。
   〔住宅局長橋本勲君登壇〕

○住宅局長(橋本勲君) 都営住宅の駐車場に関する質問にお答えいたします。
 住宅局は、団地内の無断駐車を是正するため、従来から順次駐車場の設置を進めてきたところです。具体的には、新設の団地では、多摩ニュータウンは昭和五十一年度から、その他の団地は平成二年度から、また、既設の団地では平成四年度から駐車場を設置してきており、平成十二年度までに新設の団地で約二万一千台分、既設の団地で約六千台分を設置してまいりました。
 ご質問の東大和桜ケ丘団地につきましては、今回の住民監査請求により、団地内の無断駐車の状況を知り得たものであり、調査の上、現在指導しているところです。
 また、多摩ニュータウン和田団地につきましては、従来から駐車場の設置について折衝してまいりました。今後は、監査の結果に従って適切に措置してまいります。
 なお、他の団地の無断駐車の有無につきましても、現在調査を行っているところです。
 次に、駐車台数の確保についてですが、駐車スペースについては東京都集合住宅駐車施設附置要綱において、小型自動車が駐車可能な範囲とされております。
 また、軽自動車用のスペースを固定して設置することは、契約車両の入れかわりが想定される中で、駐車場経営の視点から得策でないと考えております。
 なお、既設団地における駐車台数の確保については、財政及び団地の実情等を勘案しながら対応してまいります。
   〔産業労働局長浪越勝海君登壇〕

○産業労働局長(浪越勝海君) 東京都職業能力開発協会の補助金についてでございますが、同協会は職業能力開発促進法に基づき設立された特殊法人でございます。
 同協会は、法に基づき、人材育成の支援、技能検定など技能の評価、技能継承の支援や相談事業など、技能の振興に有用な事業を行っております。
 都及び国は、法に基づき、これらの事業に必要な費用を補助金として適正に交付しているものであります。
   〔総務局長大関東支夫君登壇〕

○総務局長(大関東支夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 監理団体の役員報酬についてでございます。
 役員報酬の基準は、その職務内容と職責、民間の中堅・中小企業の役員報酬額、それから国の関係団体の役員報酬等を勘案いたしまして、都としての基準を定め、各団体に対して指導を行っております。
 この役員報酬の基準は、あくまでも上限を定めたものでございまして、団体みずからが経営状況等を勘案して報酬額を決定しております。
 次に、公用車による局長の送迎でございます。
 それぞれ局長は、知事及び副知事の命を受け、職員を指揮監督するとともに、局の最終的な責任者として、昼夜を問わず、都民から課せられた広範な職責を負っていると認識しております。
 例えば、総務局におきましても、庁内各局を初め、多摩や島しょを含む区市町村との連絡調整等のほか、不時の災害発生に備えた体制を常に確保しておく必要がございまして、現に、さきの三宅島噴火災害や台風被害等に際しましては、深夜に各局長に参集していただき、即応体制で臨んでまいりました。
 今後も、与えられた職責を全うするために、各所への移動時や通勤時にあっても必要な連絡体制を確保し、二十四時間体制で適切な行動がとれるよう、万全を期す必要があります。そのためにも、車はこだわりません、ジープでもダンプカーでも結構ですから、何らかの足の便は不可欠だと思っております。
   〔財務局長安樂進君登壇〕

○財務局長(安樂進君) 公用車による局長の送迎についてでありますが、局長は都政の各事業分野のリーダーとして、その職責遂行のために、いついかなるときでも必要な情報収集や指示が行えるよう、常に連絡体制を確保し、また、いかなる場所にあっても迅速な行動がとれるようにしておくことが必要であり、公務遂行上の必要性から送迎を行っているものであります。このように前にもお答えをいたしました。
 これは、いわば不測の事態に備える一種の危機管理でありまして、職員に対して指揮命令権を有するライン局長の全員をこの体制に組み込んでおります。平常時から見れば、大変むだに見えるかもしれませんが、本来、危機管理というのはそういうものでありまして、緊急時において真価を発揮するというふうに思っております。
   〔環境局長赤星經昭君登壇〕

○環境局長(赤星經昭君) 公用車による送迎でございますが、ただいま総務局長、財務局長から申し上げたとおりでございまして、今後とも職務精励に努めてまいります。ご理解をよろしくお願いします。
   〔監査事務局長中山弘子君登壇〕

○監査事務局長(中山弘子君) 公用車による局長の送迎についてですが、局長は、局の最終的な責任者として、その職責を果たすとともに、緊急な事態に対応して連絡体制の確保と迅速な行動ができるよう、都の方針として庁有車の使用を指示されているものでございます。

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