平成十三年東京都議会会議録第十三号

○副議長(橋本辰二郎君) 十番伊沢けい子さん。
   〔十番伊沢けい子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○十番(伊沢けい子君) 昨日も外郭環状道路を含む都市再生プロジェクトについて、さまざまな意見がありましたけれども、私は、この外環道路の中止を求める立場から一般質問させていただきます。
 ことし四月十三日、国と都は、外環道路の大泉―東名高速間の計画について、たたき台を示しました。これは、私の住む三鷹市を含む練馬区、杉並区、武蔵野市、世田谷区、調布市、狛江市の七区市を通過する計画となっています。
 そもそもこの計画は、三十五年前に都市計画決定されたものの、沿線住民を中心とする人たちの強い反対によって凍結され、以来、反対運動が続いてきております。今回、当時の高架式の計画を地下式に変えてたたき台が示され、都や国と地元団体との話し合いが行われると同時に、関係地域でトータルで十回の説明会が開かれ、およそ三千人の市民が参加し、関心の高さを示しております。
 私も、三鷹市で開かれました説明会に二カ所で参加いたしましたが、発言者の反応を集約しますと、計画の必要性が理解できないということと、住居や自然環境への影響が大き過ぎるという点での疑問や不安、また怒りなどが多くを占めておりました。
 私は、外環道路は不要であるということを三つの観点から述べたいと思います。
 まず第一に、何よりも、知事もみずから視察されましたので、ご存じと思いますけれども、この沿線地域は住宅も密集する地域で、多くの人たちが生活を営んでいる場所でありまして、また、湧水なども出る緑豊かな土地でもあります。ここに高速道路をつくることは、そこに住む人たちの生活を根本的に破壊することになってしまいます。
 また第二に、国も都も大変な財政難の中にあり、その借金は、都で九兆円、国全体で六百六十兆円にも上っています。今回計画されている外環道の大泉―東名高速間だけでも二兆円はかかるそうで、一メートルにつき一億円もかかる勘定です。
 現在、国も、これ以上借金をふやさないために、道路公団の廃止、民営化の動きの中で、新規道路の建設中止を検討しております。これは都市を例外としてしまっては意味がありません。地方でやめた公共事業を都市に持ってきただけでは、今までの利権を首都に移すだけで、何の改革にもなりません。新規道路も中止を検討することなくして行革はあり得ないと思いますけれども、ご見解を伺います。
 第三に、外環道の建設が渋滞解消をもたらすということを効果として挙げています。しかし、きのうの質問でも指摘がありましたように、東京都みずからが昨年まとめました環境白書の中に、イギリスで八〇年代に建設しましたM二五という環状道路がかえって交通量を増加させているという事実を、膨大な調査を通じて発表したといいます。つまり、道路建設はさらなる車を呼ぶということです。
 渋滞を本当になくすためには、都市における自動車依存をやめ、公共の交通の活用等、違ったタイプの交通の手段の統合に転換するべきと思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。(拍手)
   〔都市計画局長木内征司君登壇〕

○都市計画局長(木内征司君) 伊沢けい子議員の一般質問にお答えします。
 まず、外環と行革との関係、あるいは説明会との関係でございますけれども、外環は、首都圏の交通渋滞や環状メガロポリスの実現などに不可欠な道路であり、ひいては首都圏の再生にも大きく寄与するものでございまして、早期整備が必要でございます。
 また、外環を見直すべきとのご主張でございますけれども、先ほど申したように、外環は、首都高速道路ネットワークを形成する重要な道路でございます。したがって、廃止、中止することなく、早期に整備することが必要でございます。
 また、あわせて公共交通網の整備にも取り組んでまいります。
 なお、お話の中で利権の温床なるお言葉がありましたけれども、それについては納得しかねます。

○議長(三田敏哉君) 以上をもって質問は終わりました。

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