平成十三年東京都議会会議録第十三号

○副議長(橋本辰二郎君) 八番後藤雄一君。
   〔八番後藤雄一君登壇〕

○八番(後藤雄一君) 退職金についてお尋ねします。
 民間ではバブルが崩壊し、リストラの嵐が吹き荒れ、失業率も五%と最悪です。職員の退職金の推移を見ますと、職員の退職金が民間と比べ余りにも高過ぎると指摘され、約十年間に四回も減額されましたが、官民格差は一向に改善されませんでした。その上、平成四年度以降は据え置かれたままになっています。
 労政時報二〇〇一年度版の資料から比較してみますと、平成十年の退職金平均は、職員の退職金が二千八百二十八万円、民間が二千六百十三万円、十二年度は同じく職員が二千九百二万円、民間が二千四百七十万円となっています。昨年は民間の退職金は減少に転じているにもかかわらず、職員の退職金は相も変わらずふえ続け、官民格差は四百三十二万円と拡大しています。なぜ職員の退職金は下がらないのでしょうか。
 関係者は、国が退職金の支給率を下げないので、都も下げることができないと、本音をいいます。
 知事は所信表明で、国に先んじて行動すれば、国も動かざるを得ない場合をつくり出すと述べられています。職員の退職金に関しても、大赤字なんですから、国のことなんかは気にせずに、独自の支給率を設定されてはいかがでしょうか。
 また、幹部職員は指定職と呼ばれ、指定職になっただけで退職金が一千五百万円以上も高くなるのが実態です。指定職は、さらに支給率を減ずることを求めます。
 次に、公用車についてお尋ねします。
 景気の上向く兆しは一向に見えてきません。民間の多くの会社では、取締役らへのハイヤーによる毎日の朝晩の送迎は廃止しています。しかし、こちらに座っていらっしゃる多くの局長さんたちは、大赤字の役所で働いているにもかかわらず、公用車で毎日、朝晩の送迎を受けています。幹部職員として、自覚と責任に欠けているんじゃないんでしょうか。
 知事は所信表明の中で、これからが正念場であり、あらゆる措置を講じて財政再建を実現すると述べられました。局長さんたちへの公用車による毎日の朝晩の送迎の廃止は、経費の節減はもとより、職員に対するけじめの面からも重要だと考えます。局長らへの公用車による毎日の朝晩の送迎の廃止を求めます。
 質問は以上です。
   〔総務局長大関東支夫君登壇〕

○総務局長(大関東支夫君) 後藤雄一議員の一般質問にお答えいたします。
 ただいま指定職に対して大変厳しいご指摘をいただきまして、私も指定職の一人といたしまして、大変複雑な思いで聞いておりました。
 お話しの退職手当でございますけれども、これは社会経済情勢の推移、あるいは国や他の自治体の動向等を総合的に勘案して決められているものでありまして、こうした観点から、これまでも数次にわたり支給率を削減してきておるわけでございます。
 ご案内のとおり、昭和五十六年の当時は、最高支給額が九十カ月あったわけでございます。これを現在は六十二カ月まで落としてきているわけでございます。
 それから、ここ二年間の給与カット等のこともありますけれども、ラスパイレスも四十二番目ですか、ところまで下がってきているわけでございます。
 民間企業の退職金制度というのは、これも終身雇用が崩壊していることもありますけれども、年金化に回しているという実態もございます。そういう意味で、多様な支給方式をとっておりまして、退職金そのものを単純に都と比較するということは大変難しいのではないだろうかと、このように考えるわけでございます。
 今後とも、退職手当のあり方につきましては、国や他の自治体などの動向を注意して、都民からも理解が得られるような対処をしていきたいと、このように考えております。
 なお、後藤議員におかれましては、私ども指定職のか弱い立場もひとつご理解いただきまして、(笑声)温かきご支援を賜りますればありがたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いします。
   〔財務局長安樂進君登壇〕

○財務局長(安樂進君) 公用車による局長の送迎についてでございますが、局長は都政の各事業分野のリーダーとして、その職責遂行のために、いついかなるときでも必要な情報収集、判断、指示が行えるよう、常に連絡体制を確保し、適切な行動がとれるようにしておくことが必要であります。特別職に準ずる形で、公務遂行上の必要性から送迎が行われているものであります。ご理解をいただきたいと思います。

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