平成十三年東京都議会会議録第十三号

○議長(三田敏哉君) 七番柿沢未途君。
   〔七番柿沢未途君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○七番(柿沢未途君) 1/2の会の柿沢未途です。
 まず初めに、アメリカで起きた同時多発テロによる犠牲者の皆様に、謹んで哀悼の意を表します。
 さて、一人会派の私に与えられた時間は三分とごくわずかですので、早速本題に入ります。
 私が質問しますのは、都政をめぐっての大きな関心事であるにもかかわらず、今まで都議会では本格的には取り上げられてこなかったテーマ、すなわちカジノについてです。
 本定例会では、冒頭の所信表明でも初めてカジノが取り上げられ、また八月にまとめられた都の観光産業振興プランの原案においても、カジノに言及されております。カジノ構想はもはや言葉ではなく、実行の段階に入ろうとしております。
 (パネルを示す)ちょっと小さいのですけど、これはラスベガスのトレジャーアイランドというホテルの写真です。海賊船がぶつかり合って大変大きな火花が飛ぶアトラクションに、毎回毎回、毎時間やるのですけれども、何千人もの観客が集まっております、これ、ちょっと見にくいのですが、本当は見てほしいのですけれども。
 このほかにも、ラスベガスのホテルは、アラジンとかベネチアンとか、テーマホテルといわれるようなホテルが立ち並んでおります。
 このように、ラスベガスは今やカジノだけではなく、ディズニーランドのようなテーマパーク的な側面を持つことによって、たった六キロのメーンストリートが、年間三千万人もの観光客を呼び込んでおります。
 こうしたカジノを中心としたエンターテインメント空間を東京都内で新たにつくるとすれば、それは臨海部でしかあり得ないと考えます。
 八月に策定された東京の新しい都市づくりビジョンの中でも、臨海副都心のまちづくりについて、産業、金融のセンターとして構想されていたのを転換をいたしまして、アミューズメント施設などが立地したアーバンリゾートという新しい考え方を打ち出しております。
 臨海部を、世界じゅうから観光客を呼べるアーバンリゾートとして育てていくには、カジノは大きな起爆剤になるというふうに確信しております。
 その意味で、カジノ構想を今後の臨海副都心のまちづくり計画の中核に据えることを提案いたしますが、知事のご所見をお聞かせください。
 また、カジノの実現に向けては、法改正などの必要もありますけれども、政策展開のスピードを重視する知事が、カジノをいつごろまでに実現させたいと考えていらっしゃるのか、知事の戦略をあわせてお答えいただきたいというふうに考えております。
 しつこいようですが、一人会派の私に与えられた質問時間はたったの三分ですから、一点集中で私の質問を終わります。知事の得意分野ですので、踏み込んだご答弁を期待いたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 柿沢未途議員の一般質問にお答えいたします。
 このことに関していろいろ調べてまいりましたが、世界の先進国の中で、百万以上の人口を持つ都市にカジノが一つもないというのは日本だけなんですね。つまり、それを支える法律がないということでありまして、今、私がくどくどいうよりも、柿沢さんが写真まで見せて説明してくださったように、いわゆるカジノというのはいろんなタイプがありまして、大きなビルの中にあるスペースだけ、そこでゲームを楽しむ、そういうカジノもあります。
 例えば、オランダの空港には、トランジットをそこで遊ばせるために、空港の中にかなり大きなスペースでカジノが設けられておりますし、日本にあり得るカジノも、ラスベガス的なものからオランダの首都の空港のようなものとか、あるいはロンドンの市中にあるような、メンバーがやってきてゲームすると。
 カジノにかかわる、つまり、ゲームというものの呼び名が、ばくちであるとか、ギャンブルであるとか、どうもイメージとしてよくないのでして、ばくちとかギャンブルというと、結果は、要するに、ふんどし一枚で最後すってんてんになってほうり出されるみたいなイメージがあるんですが、そういうケースの破綻者というのは、統計では、本当にカジノで遊ぶ人の何%でしたか、とにかく一%を切るほどの確率でしかないんです。
 このごろは、昔は子供をラスベガスに連れていくと、とても退屈した、プールで泳ぐだけだったというようだったんですが、今まさに柿沢さんがいわれたように、本当に新しい娯楽空間になりまして、そこでゲームもできるということであります。ちなみに向こうでは、カジノに備えられているスロットマシンにしろ、あるいはバカラにしろ、あるいはカードでやるブラックジャックにしろ、バカラもカードですけれども、それからクラップス、あるいは有名なルーレット、こういったものはギャンブルといわないですね。やっぱりゲームというくくり方をしています。私は、そういう感覚で、みんなとてもうまく楽しく遊んでいると思う。
 私が申し上げたいのは、これは何も東京のお台場のためだけでなくて、構造改革でみんなが痛みを分かとう、分かとうといっているときに、雇用はどんどん減ってきて、失業率が五%を超えた今、もしこれがあちこちに実現できますと、非常に多様なエンプロイメント、つまり従業員を必要とするので、私は、パチンコ屋さんが今の倍ふえるよりも、はるかに雇用というのは進むし、消費が進むと思っております。
 そういう意味で、なぜかパチンコはギャンブルとされず、従来の競馬、競輪だけがギャンブルとされておりますが、ここら辺の法律の整備はやっぱり国会の責任でありまして、数人の昔の仲間に話しておりますが、ようやく本気で、景気もこうなってきたので考えようかなというところに来たようで、今度の臨時国会などで、まずその端緒に火をつけて、あるムーブメントというものを国会の中へ、こちら側からも講じていきたい。そして、国会の仲間に頑張ってもらいたいと思っているのが、今の段階でございます。

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