平成十三年東京都議会会議録第五号

平成十三年三月八日(木曜日)
 出席議員(百二十名)
一番織田 拓郎君
二番中嶋 義雄君
三番羽曽部 力君
四番服部ゆくお君
五番真鍋よしゆき君
六番松原 忠義君
七番町田てるよし君
九番大西由紀子君
十一番林  知二君
十二番福士 敬子君
十三番山本  信君
十四番くぼた 光君
十六番木内 良明君
十七番藤井  一君
十八番東野 秀平君
十九番原   環君
二十番中西 一善君
二十一番田代ひろし君
二十二番川井しげお君
二十三番いなば真一君
二十四番近藤やよい君
二十六番藤田十四三君
二十七番大河原雅子君
二十九番土屋たかゆき君
三十番竹下 友康君
三十一番田中 智子君
三十二番浅川 修一君
三十三番清水ひで子君
三十四番吉田 信夫君
三十五番かち佳代子君
三十六番鈴木貫太郎君
三十七番森田 安孝君
三十八番谷口 卓三君
三十九番今井 悦豊君
四十一番高島なおき君
四十二番鈴木 一光君
四十三番小礒  明君
四十四番倉林 辰雄君
四十五番遠藤  衛君
四十六番野田 和男君
四十七番三原 將嗣君
四十八番樺山 卓司君
四十九番藤田 愛子君
五十一番和田 宗春君
五十二番西条 庄治君
五十三番馬場 裕子君
五十四番藤岡 智明君
五十五番古館 和憲君
五十六番小竹ひろ子君
五十七番小松 恭子君
五十八番前沢 延浩君
五十九番大木田 守君
六十番曽雌 久義君
六十一番石川 芳昭君
六十二番白井 常信君
六十三番前島信次郎君
六十四番大西 英男君
六十五番田島 和明君
六十六番吉住  弘君
六十七番三宅 茂樹君
六十八番古賀 俊昭君
六十九番吉野 利明君
七十番比留間敏夫君
七十一番星野 篤功君
七十二番山本賢太郎君
七十三番松本 文明君
七十四番沢西きよお君
七十五番坂口こうじ君
七十六番田中  良君
七十七番寺山 智雄君
七十八番大山とも子君
七十九番曽根はじめ君
八十番たぞえ民夫君
八十一番松村 友昭君
八十二番丸茂 勇夫君
八十三番五十嵐 正君
八十四番石井 義修君
八十五番萩谷 勝彦君
八十六番桜井良之助君
八十七番田村 市郎君
八十八番花川与惣太君
八十九番新藤 義彦君
九十番野村 有信君
九十一番宮崎  章君
九十二番井口 秀男君
九十三番藤沢 志光君
九十四番立石 晴康君
九十五番清原錬太郎君
九十六番小山 敏雄君
九十七番大山  均君
九十八番藤川 隆則君
九十九番河合秀二郎君
百番尾崎 正一君
百一番東ひろたか君
百二番野村 友子君
百三番池田 梅夫君
百四番村松みえ子君
百五番植木こうじ君
百六番土持 正豊君
百七番中山 秀雄君
百八番橋本辰二郎君
百九番藤井 富雄君
百十番桜井  武君
百十一番白井  威君
百十二番山崎 孝明君
百十三番佐藤 裕彦君
百十四番川島 忠一君
百十五番矢部  一君
百十六番内田  茂君
百十七番三田 敏哉君
百十八番渋谷 守生君
百十九番田中 晃三君
百二十番奥山 則男君
百二十一番三浦 政勝君
百二十二番嶋田  実君
百二十三番小林 正則君
百二十四番西田ミヨ子君
百二十五番渡辺 康信君
百二十六番木村 陽治君
百二十七番秋田かくお君

 欠席議員(なし)
 欠員
八番   十番   十五番
二十五番 二十八番 四十番
五十番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事福永 正通君
副知事青山やすし君
副知事浜渦 武生君
出納長佐々木克己君
教育長横山 洋吉君
政策報道室長安樂  進君
総務局長大関東支夫君
財務局長木内 征司君
警視総監野田  健君
主税局長大塚 俊郎君
生活文化局長高橋 信行君
都市計画局長山下 保博君
環境局長中野 英則君
福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川 燿男君
衛生局長今村 皓一君
労働経済局長浪越 勝海君
住宅局長戸井 昌蔵君
消防総監池田 春雄君
建設局長古川 公毅君
港湾局長齋藤 哲哉君
交通局長寺内 広壽君
水道局長赤川 正和君
下水道局長横山 博一君
都立大学事務局長川崎 裕康君
多摩都市整備本部長田原 和道君
中央卸売市場長大矢  實君
選挙管理委員会事務局長南  靖武君
人事委員会事務局長中山 弘子君
地方労働委員会事務局長歩田 勲夫君
監査事務局長久保田康治君
収用委員会事務局長安間 謙臣君

三月八日議事日程第五号
委員会審査報告
第一 第三十二号議案
  東京都組織条例の一部を改正する条例
第二 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第三 第百六号議案
  平成十二年度新海面処分場Gブロック西側護岸地盤改良工事(その二)請負契約
第四 第百八号議案
  土地の売払いについて
第五 第百二十号議案
  平成十二年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)
第六 第三十号議案
  東京都情報通信技術講習推進基金条例
第七 第百十七号議案
  平成十二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第八 第百三号議案
  都立世田谷地区単位制高等学校(十二)建設工事請負契約
第九 第百四号議案
  都営住宅十二H―三〇一東(町屋六丁目)工事請負契約
第十 第百五号議案
  都営住宅十二H―一〇一北(東大和向原)工事請負契約
第十一 第百九号議案
  土地の売払いについて
第十二 第百十八号議案
  平成十二年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第十三 第八十九号議案
  東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第二地区第一種市街地再開発事業施行規程等の一部を改正する条例
第十四 第九十号議案
  東京都市計画事業四葉二丁目付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
第十五 第百十一号議案
  債務弁済協定調停申立事件に関する調停について
第十六 第百十三号議案
  平成十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第十七 第百十五号議案
  一級河川の指定の廃止に関する意見について
第十八 第百十九号議案
  平成十二年度東京都新住宅市街地開発事業会計補正予算(第一号)
議事日程第五号追加の一
第一 議員提出議案第一号
  東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第二 議員提出議案第二号
  東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第三 議員提出議案第三号
  東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第四 議員提出議案第四号
  東京都議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第五 議員提出議案第五号
  東京都議会議員の報酬及び期末手当の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 議員提出議案第六号
  東京都議会議会局条例の一部を改正する条例
   午後一時開議

○議長(渋谷守生君) これより本日の会議を開きます。

○議長(渋谷守生君) この際、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例外条例五件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(渋谷守生君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十八まで、第三十二号議案、東京都組織条例の一部を改正する条例外議案十七件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。
   総務委員会議案審査報告書
 第三十二号議案
  東京都組織条例の一部を改正する条例
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
総務委員長 今井 悦豊
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   総務委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算
  (第二号)中
   歳出-総務委員会所管分
   繰越明許費-総務委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
総務委員長 今井 悦豊
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算
  (第二号)中
財政委員会所管分
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月六日
財政委員長 遠藤  衛
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   文教委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算
  (第二号)中
   歳出-文教委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
文教委員長 村松みえ子
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   都市・環境委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算
  (第二号)中
   歳出-都市・環境委員会所管分
   繰越明許費-都市・環境委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
都市・環境委員長 寺山 智雄
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   厚生委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算
  (第二号)中
   歳出-厚生委員会所管分
   繰越明許費-厚生委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
厚生委員長 野村 友子
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出-経済・港湾委員会所管分
   繰越明許費-経済・港湾委員会所管分
   債務負担行為-経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月六日
経済・港湾委員長 いなば真一
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第百十六号議案
  平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
   歳出-建設・住宅委員会所管分
   繰越明許費-建設・住宅委員会所管分
   債務負担行為-建設・住宅委員会所管分
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
建設・住宅委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第百六号議案
  平成十二年度新海面処分場Gブロック西側護岸地盤改良工事(その二)請負契約
 第百八号議案
  土地の売払いについて
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月六日
財政委員長 遠藤  衛
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第百二十号議案
  平成十二年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
建設・住宅委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   総務委員会議案審査報告書
 第三十号議案
  東京都情報通信技術講習推進基金条例
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
総務委員長 今井 悦豊
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   総務委員会議案審査報告書
 第百十七号議案
  平成十二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
総務委員長 今井 悦豊
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第百三号議案
  都立世田谷地区単位制高等学校(十二)建設工事請負契約
 第百四号議案
  都営住宅十二H-三〇一東(町屋六丁目)工事請負契約
 第百五号議案
  都営住宅十二H-一〇一北(東大和向原)工事請負契約
 第百九号議案
  土地の売払いについて
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月六日
財政委員長 遠藤  衛
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第百十八号議案
  平成十二年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月六日
財政委員長 遠藤  衛
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第八十九号議案
  東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第二地区第一種市街地再開発事業施行規程等の一部を改正する条例
 第九十号議案
  東京都市計画事業四葉二丁目付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
 第百十一号議案
  債務弁済協定調停申立事件に関する調停について
 第百十三号議案
  平成十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 第百十五号議案
  一級河川の指定の廃止に関する意見について
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
建設・住宅委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第百十九号議案
  平成十二年度東京都新住宅市街地開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月一日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十三年三月五日
建設・住宅委員長 倉林 辰雄
 東京都議会議長 渋谷 守生殿

○議長(渋谷守生君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 百一番東ひろたか君。
   〔百一番東ひろたか君登壇〕

○百一番(東ひろたか君) 私は、日本共産党都議団を代表して、第百十六号議案、平成十二年度一般会計補正予算外四議案に反対する立場から討論を行います。
 今年度最終補正予算は、法人税を中心とした三千六百億円に上る都税収入の増収を受けて編成されたもので、長引く不況、相次ぐ社会保障の改悪に苦しむ都民は、その増収分を、都民の暮らし、福祉最優先に使うことを切実に求めているのであります。
 しかし、提案された最終補正予算案は、一部IT予算など計上されていますが、全体として、都民の要望とは大きくかけ離れたものとなっているものであるとともに、差し迫った都財政立て直しも先送りする内容となっており、認めることはできません。
 まず、都民生活の点では、各党の質疑を通じても、この一年の間にも、不況、リストラのあらしが吹き荒れ、失業、倒産など過去最悪の事態を迎えていること、昨年四月実施された介護保険が重い負担となって高齢者を苦しめていること、加えて、ことし一月からの国の医療費の定率制導入が高齢者の暮らしを直撃していることなどが、共通して指摘されたところです。
 とりわけ、都が一年前に強行したシルバーパス全面有料化、老人医療費助成と老人福祉手当の段階的廃止、心身障害者医療費助成などの切り下げは、我が党が今議会でも明らかにしたように、パスの返上や、診療抑制などの形で、高齢者や障害者の生活に深刻な打撃を与え始めていることを直視しなければなりません。これらの制度をもとに戻してほしいという要望は、極めて当然の要望であります。
 質疑を通じて、これらの都の福祉切り捨ての道理のなさも改めて浮き彫りにされました。都は、財政再建推進プランの中で、巨額の財源が不足するとして、福祉切り捨てを合理化してきましたが、今回の補正予算は、そのいい分が成り立たなくなっていることを明確に示したのであります。
 すなわち、ふえた税収の一部を充てることで、これらの都民の願いにこたえることは十分可能であるということであります。これらの福祉施策をもとに戻すために必要な財源は三百五十億円、介護保険の減免を実施する予算九十億円を合わせても四百四十億円で、増収分の一二%にすぎません。
 また、経済給付的事業が時代おくれであるなどの理屈が成り立たないことも、都自身が乳幼児医療費助成の拡充に踏み切ったことで証明されましたが、同時に、これからの本格的高齢社会にあっては、さまざまな福祉サービスの拡充とともに、これらの経済給付的事業が高齢者を支える制度として欠かせないものであることも、質疑を通じてますます鮮明にされてきています。
 にもかかわらず、知事が、にわかに隠れ借金があるなどという理由を持ち出して、都民要求に背を向けようとしていることは、とんでもありません。大体、隠れ借金などといっても、その多くを占める他会計からの借入金は今すぐ返さなければならないものではありませんし、減債基金も過大な見積もりが前提となっているもので、本当に緊急の資金の手だてに迫られているものは、わずかにすぎないのであります。
 最終補正予算が、公共事業の見直しの大きな流れに逆行しようとしていることについても、指摘しないわけにはいきません。何より問題は、知事自身が、時代おくれで効果のない公共事業と批判している国の景気対策に追随して、大型公共事業を継続、拡大するものとなっていることです。
 すなわち、景気対策として、首都高速道路公団への無利子貸付に二百十一億円、国いいなりの直轄事業負担金に二百二十四億円など、大型公共事業を中心に千五百八十九億円が計上されています。これらは、国の景気対策へのおつき合いであり、うち、約九割が公共事業費によって占められているというものです。代表質問でも紹介しましたが、長野県や大阪府が、ダム建設を中止したり、大規模都市開発を見直す方向に踏み出したりしているのとは、大きな違いであります。
 予算の使い方に疑問を持たざるを得ないものであることも、委員会での質疑を通じて浮き彫りにされています。
 それは、首都高速道路公団への貸付金の運用についてであります。今年度予算の百三十八億円のうち、百二十五億円が、年度内の消化が不可能となり、繰り越し扱いとされようとしていることです。
 このような場合は、本来、不用額として扱うべきものであります。都市計画局も、これまでは、使い残しはすべて不用額として一たん戻し、新年度必要な予算については、改めて予算計上して議会の承認を求めてきたのです。使い切れないで余しているのに、補正予算で追加する理由がどこにあるでしょうか。
 さらに、国直轄事業負担金に至っては、どこに使われるのかも明らかにされず、国のいうままに税金を差し出しているもので、到底認めることはできません。都財政立て直しに逆行する予算であることも、改めて浮き彫りにされました。
 この点で、知事は、投資的経費を抑制したといっていますが、実際は、今年度当初予算にこの最終補正予算案などを合わせると、投資的経費は八千五百七十三億円に膨れ上がってしまうのであります。
 また、知事が全く財政の厳しさを念頭に置いていないことを示したのが、羽田沖埋立会計への借入金返済であります。
 これは、本来の返済期限が来年度であるにもかかわらず、これを一年前倒しして二百十四億円を返還するというものですが、同時に、この羽田沖埋立会計と埋立会計、臨海副都心事業会計の三会計統合されることを考えれば、この返還金が、臨海副都心開発の破綻処理に使われることは明らかです。本来、埋立会計の余剰金は、都民の財産として活用すべきものであります。一般会計に納付して、都民のために有効に役立てることこそ検討すべきなのであります。
 市街地再開発事業会計についてですが、これも、汐留区画整理事業とともに、都財政の現状を無視して、環状二号線の市街地再開発の用地買収に税金をつぎ込むもので、大企業のための大型開発に都民の税金を投入しようとするものであり、認められません。都財政が厳しいというのならば、真っ先にメスを入れるべきものであります。
 以上、今年度最終補正予算は、都民要望にこたえるものとなっていないこと、公共事業の見直しどころか拡大しようとしていること、財政の立て直しを先送りすることなど、都民の理解は到底得られないものであることを重ねて指摘しておくものです。
 ここで、今年度最終補正予算の審議のあり方について一言申し上げます。
 これまで本議会においては、一部の例外を除き、補正予算について、各常任委員会に分割付託し、予算特別委員会での質疑を行ってきませんでした。しかし、今回の一般会計だけでも五千三百億円という規模は、鳥取県や香川県の来年度当初予算案を超えるもので、このような規模の予算を、歳入、歳出全般について審議を行う予算特別委員会にかけずに、各常任委員会の審議で済ませてしまうことは許されません。
 我が党は、議会運営委員会において、予算特別委員会の場で審議を尽くすという議会制民主主義の基本を踏まえた提案を行いましたが、自民党、公明党、民主党の反対で実現できなかったことは極めて遺憾であります。
 さて、今、国じゅうに、米原潜による練習船「えひめ丸」の沈没事故への対応、KSD疑惑、機密費疑惑など、森自公保政権に対する不信と怒りの声が、かつてない勢いで広がっています。我が党は、都民本位の予算の実現とあわせ、森自公保政権の悪政に終止符を打ち、国民と心の通う政治を実現するために全力を尽くす決意を表明して、討論を終わるものであります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 四十三番小礒明君。
   〔四十三番小礒明君登壇〕

○四十三番(小礒明君) 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、第百十六号議案、平成十二年度一般会計補正予算(第二号)を初め、本日の本会議において議決する全議案に、原案賛成の立場から討論を行います。
 我が国経済は、政府の懸命なる景気対策にもかかわらず、アメリカ経済の予想を上回る減速などの影響を受け、改善の方向が感じられません。また、我が国の株価はバブル崩壊後の最安値を更新し、さらに、ことし一月の失業率は四・九%と過去最悪の水準に並び、二月の消費者物価も過去最大の下げ幅となりデフレ懸念が高まるなど、景気が失速寸前の状況に陥っています。
 政府・与党は、このような状況に対して、株価対策を柱とする緊急経済対策の策定や、国の十三年度予算案における公共事業の前倒しの検討を行うなど、景気対策に積極的な取り組みを強めておりますが、今後も引き続き景気に軸足を置き、本格的な回復軌道に乗せていかなければなりません。
 一方、経済を活性化させることは、都民福祉の向上に資するばかりではなく、長期的視点に立てば、都税収入の増加によって財政基盤の強化にもつながるものであり、都は、率先して景気対策に力を入れていく必要性があります。
 そうした意味において、今回の最終補正予算案は、都税の増収という財源を最大限に生かして、景気の自律的回復等を目的とした、国の日本新生のための新発展政策に伴う施策や、都の健全な財政体質の確保に向けた取り組みに充てるなど、時期を得たものであり、我が都議会自民党の主張とまさに意を同じくするものであります。
 その内容としては、おくれている東京の社会資本整備の推進を図るものとして、東京の再生にとっては重要不可欠な公共交通機関、道路等都市基盤施設の整備や、また、景気の持続的な回復を図るため中小企業対策を行うなど、適切な対応を行っております。
 とりわけ、国直轄事業負担金や首都高速道路公団への貸し付けの対象となる中央環状新宿線を初めとする三環状道路等の整備は、東京構想二〇〇〇の環状メガロポリス構造における幹線道路として、東京における社会資本の整備を進める上で緊急かつ必要性の高い事業に関するものであり、今後も着実に事業の進捗を図っていくべきものであります。
 しかしながら、日本共産党は、こうした事業の意義を正当に認識することなく、古びた常套語である大型公共事業と決めつけ、一方的に、問題であるという主張をなおも続けております。
 東京における道路、鉄道などの社会資本は、産業の活性化や国際競争力の向上に必要不可欠なだけではなくて、都市の環境を改善し、健康的な都民生活を実現する有効な手段であり、重要な環境対策にも資するものであり、共産党のそのような主張は全く意味をなし得ません。
 一方、三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震等に対する災害対策についても、十二月補正予算に引き続いて、今回の補正予算案及び十三年度予算案において各島の復旧、復興に向けた積極的な取り組みを行っている点は、高く評価するものであります。特に、三宅島島民の方々の避難生活が半年を過ぎようとしておりますが、火山性ガスの放出は依然としておさまらず、今後も、引き続き適切な対応を求めるものであります。
 ところで、都税の増収についてであります。
 都の財政状況は、八兆円に迫る都債残高や二年連続の実質収支の赤字に加え、一兆円にも及ぶ隠れ借金など、依然として厳しいことには変わりなく、増収に浮かれることなく、財政再建の取り組みを引き続き実施していく必要性があります。
 我が都議会自由民主党は、これまでも繰り返し、都民ニーズに的確に対応できるような強固で弾力的な財政基盤の確立のため、財政構造改革の着実な推進を行っていくべきと主張してきたところであります。
 その観点から、今回の補正予算案では、減債基金の積み立てを一部復元し、羽田沖埋立会計への借入金償還の一部を償還するなど、隠れ借金の削減を行っていることは、十分理解できるものであります。
 特に、減債基金の積み立てについては、確実に訪れる都債償還の急増に当たって、将来、福祉などの行政サービスの低下を招くことのないよう、都債の償還財源を安定的に確保しておくことが重要であることは論をまたないものであり、今回の一部復元は、まさに健全な財政体質の確保に向けた取り組みであるといえます。
 また、将来の財政負担を可能な限り軽減するという見地から、補正予算案において都債の抑制を図っていることも、財政再建に向けた都の前向きな姿勢が十分に感じられるものであります。
 次に、都立大深沢校舎跡地と港区芝浦の旧交通局自動車工場等敷地の二件の土地の売り払いについては、厳しい財政状況の中にあって、やむを得ない対応であると考えます。
 都有地は都民の貴重な財産であり、それを有効活用してこそ、都民施策への還元につながることはいうまでもありません。しかし、行政目的がなくなり、不要な土地となった場合には、それを放置することなく、積極的に売却することも必要と考えます。
 今回の二つの案件については、比較的大規模な土地であり、売却に当たっては、地元の意向も十分に配慮して、売却後の利用計画等を踏まえて、制限つき一般競争入札等により契約相手先を決定しているというふうに聞いております。
 いずれにせよ、先般策定された財産利活用総合計画に基づき、不用な土地について売却を図る一方、利用率の低い建物の他用途への転活用を図るなど、さまざまな方策を用いて財産を有効活用していくべきであります。
 また、新海面処分場Gブロック工事の契約案件についても、計画的に整備を進めなければならないものと考えます。
 新海面処分場は、都民生活や都市活動を支える極めて重要な施設であり、都内に残された最後の処分場であります。このため、廃棄物やしゅんせつ土等の発生抑制、リサイクルの推進などにより減量化を図り、処分場の延命化を進めることは基本であります。減量化を前提とした上で、最終的に受け入れなければならない廃棄物については、その処分量の推移に合わせて処分場を確実に整備していくことが必要不可欠であることはいうまでもありません。
 こうした観点から、Gブロックの整備は、今年度から着実に行われなければならないわけであります。
 都政の今後の課題は、いかなる社会経済情勢においても、都民ニーズに的確に対応できるような財政体質の確立であり、そのために、財政構造改革の取り組みをさらに強力に進めていくことが不可欠であります。
 こうした取り組みは、全庁を挙げて一歩一歩着実に積み重ねていくことこそが重要であり、一瞬の気の緩みも許されません。なお一層の努力を求めるものであります。
 以上、我が都議会自由民主党は、今回の平成十二年度補正予算関係議案に賛成するものでありますが、今後も、財政再建、そして首都東京の改革、再構築という目標実現のために全力を挙げて取り組んでいくことを申し上げ、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(渋谷守生君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一から第三までを一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 次に、日程第四及び第五を一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 次に、日程第六から第十八までを一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一から第三まで、議員提出議案第一号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例外二件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)
 本案に関し、それぞれ趣旨説明のため発言を求められておりますので、順次これを許します。
 七十六番田中良君。
   〔七十六番田中良君登壇〕

○七十六番(田中良君) 私は、議員提出議案第一号、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例を共同提案するに当たり、都議会民主党及び生活者ネットワーク都議団を代表し、その趣旨を説明するとともに、日本共産党都議団が提案する同二号、並びに自民党などが提案する同三号に反対する立場から討論を行います。
 初めに、私たちの提案する条例案についてご説明をさせていただきます。
 私たちの案は、総定数を現在の百二十七から百二十に削減する、千代田区の特例選挙区を廃止する、配当基数に基づく定数を定めるという、三つの基本的な考え方に基づいてつくられております。
 まず、都議定数を百二十に削減することについてでありますが、地方自治法九十条二項では、都道府県議会の議員定数を百二十人以内としています。しかし、東京都だけは、特別区の人口百万人当たり都議一人の定数を百二十人に加えることができるという、特別の上乗せが認められております。この上乗せは、東京都が一般の府県としての役割のほかに、特別区の存する区域においては、市としての役割を果たしているという制度上の特殊性から認められたものであります。そして、この法改正があったのは、三十年以上も前の昭和四十四年のことでありました。
 しかし、昨年、都区制度改革の実施によって、清掃事業及びそのほか三十二事業が特別区に移管されております。この結果、特別区は基礎的な地方公共団体として明確に位置づけられることになりました。また、国との関係においては、地方事務官制度の廃止により、社会保険や職業安定関係などの事務が国の直接執行事務となっております。さらに、今後も、第二次東京都地方分権推進計画では、保健所や建築確認事務など約一千二百項目もの事務事業を区市町村へ移譲することが提案をされております。
 分権と都区制度改革が進むということは、それだけ特別区が法的格付として市並みに近づき、一方では、東京都が並の道府県に近づくことを意味していると思います。つまり、東京都だけの特例的な規定の論拠は、それだけ希薄になるということを意味しているのではないかと思います。
 このような状況を見たときに、地方分権を推進し事務事業の移譲は進めるが、都議会議員のポストだけは維持するということが、いつまでも認められるわけはないと思います。
 よって、私たちは、現行の都議定数百二十七のうち、少なくとも特別区の人口比例分に相当する七を削除し、都道府県の定数の上限である百二十とすべきだと考えております。
 次に、千代田区の特例選挙区の廃止についてでありますが、平成十一年一月二十二日、最高裁は、千代田区の特例選挙区は適法である旨の判決を下しました。しかし、その内容をよく見ますと、適法と判断した裁判官は、四人のうち二人でしかありません。
 一人の裁判官からは反対意見が述べられ、その内容は、憲法に定める住民とは、その選挙区に住所を有する有権者であることは余りに明らかである上、隣接する中央区、港区等も程度の差こそあれ同一の状況にあり、このような理由で、千代田区の特例区を認める余地は極めて小さいといった、ごく当然のものでありました。
 適法といっても、反対意見が出るような状況をいつまでも放置し続けることでは、議会の見識が疑われると思います。私たちは、合法ならば何をしてもいいという立場ではなく、疑わしきは是正するという観点から、千代田区の特例選挙区は廃止すべきと、こう考えているのであります。
 私たちは、そのほか、以下の二点についても見直しを提案しております。一つは、法律で定める配当基数が一・〇以下のときは合区することができるという規定を活用し、中央区選挙区についても合区をするということであります。これは、合区を積極的に進めることで、一票の格差をなるべく一倍に近づけようとするものであります。
 もう一つは、やはり法律で定めている、まず二十三区を一つの選挙区とみなすことができるといった規定を適用しないということであります。これは、区部と多摩地域との選挙区において、いたずらに、人口の少ない選挙区の定数が、より人口の多い選挙区の定数より多いという逆転区現象を生じさせないようにするためのものであります。
 これらは、いずれも一票の格差を是正するために、法律の範囲内で可能な見直しを行ったものであります。
 次に、各選挙区において選挙すべき議員の数についてでありますが、選挙権は、憲法で定める法のもとの平等に基づく、民主主義の根幹にかかわる権利であります。公職選挙法も、各選挙区において選挙すべき議員の数は、人口に比例して定めなければならないとしています。しかし、現行の都議定数は、だれの目にも明らかなように、人口に比例した定数とはなっておりません。
 この間、都議定数は、小規模な見直しを繰り返してきたために、平成三年四月二十三日、最高裁で違法判決が下され、八増八減の改正を余儀なくされました。このように、いつまでも抜本的な見直しを先送りするようでは、また同じことを繰り返すことが懸念されます。
 私たちは、人口と都議定数により割り出された配当基数に基づく定数を早期に実現し、その後、国勢調査のたびに、人口に比例して自動的に定数を設定していくことが、一票の格差是正を求める都民の要請にこたえるとともに、安定的な選挙制度を実現していく道であると考えます。
 議会が、その時々の都合で、特定の選挙区の定数をいじったり、あるいは放置したりといった恣意的な見直しがなされるようなことがあってはなりません。
 以上が、私たちの提案の基本的な考え方であります。
 この基本的な考え方に基づき、各選挙区における定数を配分しましたが、幾つかの選挙区では定数の増減幅が大きくなってしまうことなどにかんがみ、激変緩和策を設けました。
 その内容は、次の一般選挙においては、現行定数が二つ以上増減してしまう選挙区では増減数を一にとどめ、次の次の一般選挙において、配当基数に基づく定数となるようにすること、また、合区についても、次の次の一般選挙から適用すること、の二点であります。
 したがって、個々の選挙区にとっては、いずれも変更幅は一以内であり、大きな変更を伴うものではありません。また、合区に関しても、四年間の周知期間を設けるものとなっております。しかも、この激変緩和策によっても、逆転区は、二十五通りから一通りに激減することになるのであります。
 その結果、私たちの定数改正案は、次の一般選挙では、六増九減で総定数百二十四、次の次の一般選挙で、合区の実施と一増五減で総定数を百二十にするものであります。最終的には、議員一人当たりの最大較差は港区対青梅市で一・七八倍、逆転区はすべて解消することになります。
 私たちの案は、多くの都民のみならず、本議場におられます議員の皆様からも賛同を得られるものと思っております。自民党、公明党あるいは共産党の中にも、内心では私たちの案に賛同している良識ある議員がおられることも承知しております。(発言する者多し)
 将来を見据えた改革を着実に実施していくことが、私たち都議会議員一人一人に課せられた責務であります。皆様とともにこの点を確認し、改めてご賛同をお願いするものであります。
 次に、日本共産党が提案している条例案について述べさせていただきます。
 この条例案については、私たちの条例案と同様の考え方に基づいている点も見受けられます。それは、千代田区の特例選挙区の廃止であり、配当基数に基づく定数の設定であります。しかし、総定数を現行の百二十七から百二十八にふやすということについては、先ほども述べました地方分権、都区制度改革の観点からいって、甚だ疑問であります。
 もちろん、民意を反映するルートはできるだけ広げ、多様な都民の声を都政に反映していくことは重要なことであります。しかしながら、そのことは必ずしも、都議定数をふやしたからといって解決するものではありません。
 民意の反映は、私たち都議会議員の調査機能や政策立案機能を強化することで、これに対応していくべきです。また、ルートの多様化ということであれば、議員の定数をふやすのではなく、知事との対話集会やインターネットなどを通じた行政計画への都民意見の反映、あるいは直接請求や都民投票条例など、民意が都政に反映しやすい、さまざまなシステムを構築していくべきであります。
 したがって、私たちは、総定数を百二十七から百二十八にふやす共産党の案に反対するものであります。
 次に、自民党などが提案している条例案について述べさせていただきます。
 この条例案は、総定数の数、特例選挙区の継続、そして、逆転区が十六通りも残る二増二減の見直しといったすべての点で、何ら評価すべき点のないものであります。
 地方分権が進む中で、総定数百二十七を維持し続けようとすることは、何もせず、何も変えない、何も変えられない自民党の現状を象徴的に示すものではないでしょうか。執行機関に対しては、殊さら内部努力を強調している人たちが、事自分のことになると途端に口を閉ざしてしまうといった態度は、都民の失望を買うばかりか、怒りすら招き寄せることになるでありましょう。
 また、千代田区の特例選挙区についても、やれ適法だ、あるいは昼間人口が多いなどと理由をつけて、これを維持しようとしております。しかし、議員定数は、あくまでもその地域に住所を有する人たちに公平に配分されるべきであります。
 私たちは、適法であっても、疑わしきは是正するという立場をとっており、違法と指摘されない限り、ずるずると現状に甘んじる守旧派的な態度は哀れですらあります。
 さらに、各選挙区の定数については、わずか二増二減の見直しにとどめ、十六通りもの逆転区を残しております。一票の格差は早急に是正されるべきとする石原知事に、全面的に協力をし、知事とともに身を挺して歩んでまいる所存でありますとした自民党も、我が身のこととなると突然変身するというのでは、だれの信頼も得ることはできないでありましょう。
 森政権があたかも悪いようにいわれておりますが、その根本的な問題は、現状に安寧し、将来のビジョンもなく、改革に向けての決意も意欲もない、自民党の体質そのものにあるのであります。(発言する者多し)
 私たちは、都議定数のあるべき姿を示し、その実現に向けて激変緩和策を講じるといった現実的な案を示しました。しかし、自民党などは、都議定数の本来あるべき姿も示せず、わずか二増二減の小手先の見直しでやり過ごそうとしているのであります。特に、練馬区より人口が少ない大田区の定数が、逆に練馬区の定数より二名も多いという、二人逆転区が存在していることは致命的であり、このような提案は、到底受け入れられるものではありません。
 したがって、私たちは、自民党などが提案する条例案に反対するものであります。
 私たちは、これらのそれぞれの提案について、委員会に付託し十分に審議を尽くすべきと主張いたしましたけれども、どうも質問する意欲も、答弁に立つ勇気も持ち合わせていない方々が多いようでありますが(発言する者多し)そういう方々の大きなやじをまことに同情深く感じ入りながら、趣旨説明を終わらせていただきたいと思います。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 百五番植木こうじ君。
   〔百五番植木こうじ君登壇〕

○百五番(植木こうじ君) 私は、議員提出議案第二号、日本共産党都議団提出の東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例について説明いたします。
 まず初めに、議会の定数についての基本的な考え方についてでありますが、そもそも議会の定数は、有権者の民意をどれだけ政治や行政に反映させるかという立場で定めるものであり、憲法と地方自治法の精神を厳格に守る立場を貫くことが大前提であります。
 しかし、都議会においては、この間、定数の抜本的改善が先送りされてきた結果、今日では、人口較差が二倍以上の選挙区が六区、逆転区、すなわち、他の選挙区より人口が多いにもかかわらず議員の数が少ない場合や、人口が少ないのに議員の数が多くなっている場合が二十五区も生まれるなどの事態となっています。
 これは民意を反映する上からも、一票の格差をなくす上からも、極めて不自然な状態といわざるを得ません。このため、これまで繰り返し、都議会議員の定数が法のもとの平等に著しく反すると都民から提訴されてきたのではありませんか。問題の先送りは許されないのであります。
 したがって、今回の是正に当たっては、原則に立ち返って改善を行うべきことを提案するものであります。
 そこで、我が党の定数改善の提案でありますが、第一に、総定数については、現行定数に一を加え、百二十八人とするものであります。それは、昨年実施された国勢調査の速報値で区部の人口が八百万を超えることが明らかになり、当然、地方自治法第九十条第二項の規定に基づく法定数百二十八人に合致させるということであります。
 一部会派に総定数を削減する提案もありますが、人口と議員数の関係では、全国の平均では、四万三千六百十五人に一人の議員が選出されているのに対し、都議会の場合は、九万四千七百三十四人に一人の議員しかいないので、全国平均の二分の一以下の議員しかいないことになります。
 県別では、最も人口の少ない鳥取県の場合が一万六千百三十八人に一人の議員で、大阪府の場合でも七万八千六百十四人に一人となっています。このように、東京の議員数は極めて少なくなっているのであります。
 それは、東京都の場合、法律で定数の上限が百三十名に抑えられているなど別扱いとされているからで、実際に、他の道府県と同じ計算方式で計算すると、都議会議員の定数は二百四名となるのであります。
 したがって、主権者である都民の民意を正確に反映させる上で、今回の場合、国勢調査に基づく百二十八名は最低の議員数となるのであります。
 第二に、選挙区別定数については、各選挙区間での議員一人当たりの人口の最大較差を一対二未満に抑えること、また、逆転区をすべて解消することという、二つの原則を満たすべく是正しました。
 第三は、民意が反映されていない小選挙区をなくす立場から、千代田区を特例選挙区として扱うことは妥当性を欠いているので、公職選挙法第十五条第三項の規定に基づいて、千代田区については港区と、同様に一人区の中央区については台東区との合区を行うこととしました。
 以上のことを踏まえた日本共産党の定数是正案は、世田谷、練馬、足立、江戸川、北多摩第三選挙区、八王子、町田、西多摩の八選挙区で合計十一人をふやし、新宿、墨田、品川、中野、大田、北、港、台東の八選挙区で合計十人を減らすものとなりました。
 この改善によって、選挙区間の較差は議員一人当たりの人口が最も少ない立川市で八万二千四十二人に対し、最も多い青梅市で十四万九百二十六人となり、その較差は一対一・七二、つまり二倍未満に抑えることができ、なおかつ逆転区もすべて解消し、すべての条件が満たされることになります。
 さて、自民党並びに公明党、無所属クラブが提案している条例案についてですが、総定数を一ふやして百二十八にすることが、民意を反映する上で欠かせないにもかかわらず、現在の社会情勢を踏まえて一人減員する、と明確な根拠も示さず、現行定数どおりの百二十七人を提案するものとなっています。
 また、選挙区別定数についても、最小限の改正としているために、逆転区が十六通りも残されるだけでなく、二議席以上の逆転区も改善されないまま残されます。二倍以上の較差も千代田区を特例扱いすることで辛うじて解消するという中途半端なものとなっています。
 このやり方はこれまでの抜本改正の先送りと同じもので、一層一票の格差を広げるなど、矛盾をさらに拡大するものになりかねません。
 また、民主党の提案は、総定数について原則として百二十名とするとともに、今回の選挙については、激変緩和として百二十四名とするというものです。先ほども述べましたが、総定数についていえば、東京の場合、全国と比べて上限を低く抑えられているために、一票の重みが著しく軽く、有権者の民意が反映しにくいものになっていることからも、これ以上削減することは、ますます都民と都政との間を遠ざけるものになりかねません。むしろ、我が党の提案のように、定数上も都民の民意を都政に反映できるように現状を改善することこそが、都民が求める行政改革にかなったものであると確信するものです。しかも、民主党案は、激変緩和のためと逆転区や千代田区を特例区として残すなど、不徹底なものとなっていることを指摘しておくものです。
 以上、我が党の条例提案が最も道理にかない、最も民主的な定数配分となるものであります。議員各位のご賛同を呼びかけまして、提案理由の説明とさせていただきます。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 七十三番松本文明君。
   〔七十三番松本文明君登壇〕

○七十三番(松本文明君) 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例の提案に当たり、提案者を代表して、その趣旨についてご説明申し上げます。
 都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区別の定数につきましては、平成十一年九月に議会運営委員会理事会のもとに、都議会議員定数等検討委員会が設置され、鋭意検討が重ねられてまいりました。
 過日、同委員会から検討結果についてのご報告を受けたところであります。本条例は、その報告に基づいて議員提案したものでございます。
 今回の定数等の是正の検討に当たりましては、現行の定数条例が、平成十一年一月に最高裁で適法の判決を受けていることを念頭に、最新の数値であります平成十二年十月の国勢調査の調査人口(速報値)に基づいて検討されたものであります。最新の数値を求めたために、時間的に大きな制約を受けたことは事実でありますが、その分、濃密な論議と検討が重ねられたところであります。
 まず、総定数でありますが、都議会議員の定数は、昭和十八年の都制施行の際、百人とされました。そのときの東京府議会の定数は百十二人、東京市議会は百八十人で、合計二百九十二人でありました。
 このことについて帝国議会での審議では、人材主義、会議体の運営という漠然とした理由が示されただけでありまして、合理的な根拠については何らの説明もありませんでした。都議会の議員数は、都制度発足のときから、何らの合理的説明もないまま、著しく圧縮されたものであります。
 現在でも、都議会議員の一人当たりの人口数は、全国平均の二倍以上あり、最も少ない鳥取県の五・七倍となっております。審議する予算額で比較すれば、都は議員一人当たり四百八十五億四千万円を超え、全国平均の二・七倍、最も少ない香川県の四・三倍となっております。
 このように、都議会議員は、他の道府県に比べ、都民から大きな負託を負っているにもかかわらず、その定数は少ないものとなっております。逆に都民から見れば、都政にみずからの意向を反映させる場合、他の道府県の住民に比べて大きな不利をこうむっていることになります。
 今回、総定数については、平成十二年の国勢調査人口(速報値)で、区部人口が八百万人を超えたことから、法定数は百二十八人となります。しかし、現在の社会状況等々、もろもろの検討を行った結果、法定数の百二十八人を一人減らし、百二十七人とすることといたしました。
 次に、特例選挙区につきましては、平成十一年一月の最高裁の判断で適法と認められたところであります。
 千代田区については、我が国の政治的、経済的中枢の地域であること、そのため、夜間人口に比べて昼間人口が非常に多く、そのことから生ずる行政需要は膨大なものであることなどから、共産党を含む東京都議会全会派一致でこれまで特例選挙区としてきた状況でありますが、こうした状況に変化は見られません。
 また、島部についても、本土から離れた島しょであるという地理的条件を重視しなければなりません。このように、両選挙区とも特例選挙区として存置すべきものと考えます。
 選挙区別定数につきましては、選挙制度の安定性を確保することの観点及び次の都議会選挙までの時間的制約があることなどから、大きな変更は行わないことといたしました。
 そこで、配当基数と現行定数との差を減少させること、逆転現象をできる限り減少させること、及び区部と市郡部との定数差が少なくすることなどの視点から検討しました。
 その結果、練馬区選挙区と八王子市選挙区でそれぞれ一人ずつ増員し、品川区選挙区と北区選挙区を一人ずつ減員する、二増二減の是正といたしました。
 この是正により、特例区を除いた最大較差は、前回改正時の二・一五倍から新宿区選挙区と青梅市選挙区の一・九七となり、昭和二十二年以来、半世紀ぶりに二・〇以下となります。
 さらに、逆転現象は、現在の二十五通りから十六となり、最高裁で適法とされた前回の条例改正時の二十通りからも改善されることとなります。また、区部と市郡部との定数差も現在の五から四となります。
 都議会議員の定数については、その時々の状況により検討を行い、最善と考えられる是正を行ってきており、今回の定数条例の改正案も、現在の都議会に対する都民の期待にこたえることができる、現実的で最善なものと考えております。
 このように、今回提案した定数条例の改正案は、定数等検討委員会でさまざまな角度から議論を重ね、検討を加えた結果をもとにしたものであります。都民の都議会への期待、現在の都政を取り巻く状況、これまでの定数是正の経過、各選挙区の実情などを踏まえたもので、今後の指針となり得るものと考えております。
 しかるに、共産党の定数等改正条例案、千代田区と港区を合区し、さらに中央区と台東区を合区するという提案は、対象となる四区の歴史的な風土、地域的な事情を時間をかけて十分検討するということもなく、地元区の意見を聞くこともなく、突然出されてきたものであります。
 今この時期に合区することは、該当する都民にいたずらな混乱を招くだけであります。また、単に逆転現象をなくすため定数を変更するのは、余りに機械的であります。十八もの選挙区で定数を変えるような大幅なものは、時間をかけて、その基本から検討が必要であると考えます。
 また、民主党の定数等改正条例案は、二段階で定数等の改正を行うもので、次の選挙で総定数を百二十四人とし、九減六増とし、次々回の選挙でさらに総定数を四人減らして百二十人とし、一増五減とするものです。
 このような二段階方式の是正は、都民に混乱を招きかねないものであります。さらには、現在の時点で四年後の定数等を決定することは、その間の社会状況、経済状況など、都議会を取り巻く状況の変化に的確に対応する機会を奪うものであります。
 総定数を百二十人とすることは、都民から大きな負託を負っている都議会議員を少なくし、都政に都民の意向を反映させることを難しくするという一面もあります。
 また、千代田区の特例区選挙区の廃止は、単に人口数のみを基準として変更するもので、千代田区の持つ特殊な地域の実情を考えない暴論であります。
 私たちは、この国を中央集権型の国家から地方分権型の国家に改めなければならないという、かたい決意を持っております。その場合の自治体の規模や制度がいかにあるべきか、地方議会のあるべき姿、その構成について、国民的議論を早急に巻き起こさなければならないと考えております。そうした基本的な議論、検討の後に合理的な議員定数が決められるべきものであり、その議論、検討には、それぞれの地域住民の声も反映をされなくちゃいけないと思います。有権者の意見、有識者の意見が大いに反映をされなくてはならない、こう思います。こうした基本的な作業をすることなく、いたずらに思いつきで制度の根幹を揺るがすことには賛成できません。
 以上、都議会議員定数等検討委員会の検討結果に基づく報告を踏まえ、提案趣旨の説明といたします。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。

○六十七番(三宅茂樹君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号外二議案については、委員会付託を省略されることを望みます。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号外二議案については、委員会付託を省略することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) これより採決に入ります。
 まず、追加日程第一を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第一号は、否決されました。

○議長(渋谷守生君) 次に、追加日程第二を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二号は、否決されました。

○議長(渋谷守生君) 次に、追加日程第三を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第三号は、可決されました。

○議長(渋谷守生君) 追加日程第四及び第五、議員提出議案第四号、東京都議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例及び議員提出議案第五号、東京都議会議員の報酬及び期末手当の特例に関する条例の一部を改正する条例を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(三宅茂樹君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第四号及び第五号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり可決されることを望みます。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第四号及び第五号については、原案のとおり可決されました。

○議長(渋谷守生君) 追加日程第六、議員提出議案第六号、東京都議会議会局条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(三宅茂樹君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第六号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり可決されることを望みます。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第六号については、原案のとおり可決されました。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 明九日から二十八日まで二十日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、明九日から二十八日まで二十日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月二十九日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時八分散会

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