平成十三年東京都議会会議録第四号

○副議長(五十嵐正君) 六十九番吉野利明君。
   〔六十九番吉野利明君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○六十九番(吉野利明君) 石原知事には、先日、外環予定地を扇大臣と視察をいただき、ありがとうございました。地元地権者からも感謝の言葉がありました。お伝えしておくとともに、一刻も早い決断を期待しております。
 初めに、多摩地域における道路整備について伺います。
 現在の多摩地域は、南北方向を初めとする不十分な道路網に加え、踏切や交差点、橋梁などのボトルネックにより慢性的な交通渋滞が発生しており、積極的に道路整備を進めていくべきであると感じています。
 道路などの交通基盤整備は、都市の活力を高め、住民の安全で快適な生活を支えるために必要不可欠なものです。このため、多摩地域における、より一層の道路整備の促進を求めます。中でも、整備のおくれている南北道路、特に調布保谷線の整備が重要であると考えています。
 そこでまず、調布保谷線の全線を通しての完成予定について伺います。
 これまで測量作業などが進められてきた保谷区間では、昨年の十一月に事業に着手したとのことですが、道路は、計画する区間の全線が完成することにより、機能を発揮し、周辺地域のまちづくりなどに寄与するものであると思います。
 したがって、現在未着手の三鷹―武蔵野区間をできるだけ早期に事業化すべきと考えますが、その見通しを伺います。
 一昨日の我が党の代表質問に対して、東京における道路整備のスピードアップや質の向上など、二十一世紀の道路整備について前向きな答弁をいただいたところですが、まさに今、道路整備に求められていることだと思います。
 その一つとして、調布保谷線は、沿道の環境に配慮した質の高い道路として整備するため、車道の両側に幅十メートルずつの環境施設帯を設置することとなっております。ゆとりある歩行空間や緑豊かな空間を持つ質の高い道路整備に当たっては、それぞれの地域にふさわしい環境施設帯の整備方法を、地元市や沿道の方々のご意見などを伺いながら検討していく必要があると考えます。
 そこで、環境施設帯の整備について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。
 次に、東京スタジアム関連でお伺いします。
 多摩地域のスポーツ振興の拠点として、また、将来開催されるであろう多摩国体のメーン会場にもなる施設として完成した東京スタジアムは、いよいよ来る三月十日に開業の運びとなりました。知事を初め、関係者の皆様のご尽力に心から敬意を表する次第です。
 この東京スタジアム開業に当たり、一、二お伺いいたします。
 まず、東京スタジアムの交通アクセスについて伺います。
 このスタジアムには、主として京王線、西武多摩川線及び中央線の各鉄道と連絡する交通アクセスが考えられます。しかし、この競技場の収容可能規模が五万人であることを考えますと、スタジアムの最寄り駅で徒歩で行ける飛田給駅は別としても、それ以外の各駅については、十分なアクセス対策が必要ではないかと考えます。
 そこで、スタジアムへのスムーズな輸送をどのように確保しようとしているのか、基本的な考え方を伺います。
 去る二月十日から十二日までの三日間、スタジアムのオープンに先駆けて、都民向けの内覧会が催され、八万人強の見学者があったと聞いております。このことからも、都民の期待の大きさがうかがわれます。
 特に、中央線三鷹駅からのバス輸送が満杯で臨時便を出したとか、三鷹市役所から東京スタジアムに通ずる人見街道あるいは天文台通りが、いつになく車の渋滞が続いたということを聞いており、三鷹駅方面からの交通アクセスが弱体なのではないかという危惧を持っていますが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。
 次に、保育サービスについて伺います。
 これまで、保育サービスは規制に守られ、事業者間の競争原理が働かず、公立や社会福祉法人が運営する保育所は、都民ニーズにこたえずとも、経営上何ら問題が生じずにおりました。一方、認可外で経営している株式会社などによる保育所について見ると、その提供するサービスはきめ細かく、競争の中、利用者を獲得するためにさまざまな工夫を行っています。その結果、こうした民間施設は、公的な補助がなく利用料が高くなってしまう傾向にあるにもかかわらず、希望者が多く、引きも切らぬ状況が見受けられます。
 保育サービスについて、もっと規制を緩和し、さまざまな運営主体が加わり、切磋琢磨し、サービスを競い合わなければ、多様化、高度化する都民ニーズを満たすことはできません。
 国は、昨年四月から認可保育所への株式会社参入を認める方針を各自治体に伝えましたが、実際は、運営費の縛りが厳しい等、がんじがらめで採算が合わず、企業が参入したのは全国でわずか三件だけです。まさに名ばかりの規制緩和で、実効が伴っていないのです。
 こうした状況の中、都は、株式会社の運営を念頭に置いた独自の認証保育所制度を来年度から新たに構築し、保育サービスの多様化を図っていこうとしています。民間企業の弾力的な運営による多様なサービスが期待できるものであり、時期をとらえた出色の新規事業といえるでしょう。
 そこで、来年度予算に盛り込まれた、この認証保育所制度の基本的な考え方と今後の取り組み方針を伺います。
 また、一方で、私の地元の三鷹市では、市立認可保育園の運営を株式会社に委託する手法の実現に向けて準備を進めているといいます。公立で直接運営するよりも企業に委託した方が、三億円が九千万円のコストで済むという試算もあり、サービス水準が確保できれば、厳しい財政状況の中にあって、まことに結構なことだと思います。
 この株式会社への委託方式について、国の見解は、当初、肯定的ではなかったものの、前向きの姿勢に変わりつつあると聞いています。二十一世紀を迎え、地方分権の時代にあって、それぞれの自治体が創意工夫を凝らし、住民ニーズにこたえるため、さまざまな手法にトライすることは望ましいことではないでしょうか。国も、少しずつ考えを変えてきてはいるようですが、各自治体の自主性を尊重し、自治への介入を慎んでいただきたいものです。
 さまざまなサービス、多様な運営手法があってしかるべきであり、最後は利用者である都民の選択にゆだねられ、決まっていくべきものです。国の考えによるのではなく、本当に都民が必要とするものが残るのです。
 都として、多様化、高度化する都民ニーズにこたえ得る保育サービスの充実のため、今後とも多様な運営主体の参入を図っていくべきと考えますが、所見を伺います。
 少子化は、国にとっても大きな問題です。今回の認証保育所制度のように、利用者本位を中心に据えた新たな発想の制度に、都が独自に踏み出したことは大いに評価していきたいと思います。知事の強力なリーダーシップをもって、こうした先進的なプロジェクトを必ず成功させ、これを起爆剤として、さらに多くの保育所が、真に東京の働く女性の期待にこたえる保育所となっていくように期待しております。
 認証保育所制度の創設を初めとする、これからの東京の保育施策の充実について、知事のご所見を伺います。
 次に、結核対策について伺います。
 平成九年以降、我が国で新たに登録された結核患者数は、三年連続で増加しています。都においても、平成十一年には前年を上回り、約四千七百人もの新たな患者が登録されました。我が国の結核は、今まさに、再興感染症として猛威を振るい続けるか否かの分岐点に立っているといえます。
 こうした事態を受けて、国は、平成十一年七月に結核緊急事態宣言を発し、結核対策の徹底、患者が発生した場合の迅速かつ的確な対応など、結核の再認識と取り組みの強化を求めました。
 ところが、その一方で都内の結核病床は減少を続け、平成十三年一月現在では、稼働病床は約千床とのことです。
 また、最近では、結核が疑われる緊急の患者に対し、十分に対応できないケースがふえているとも伺っています。それは、緊急入院が必要であるにもかかわらず、結核病床が満床であることや結核の診断が確定していないことなどが原因で、入院先がなかなか決まらないのだそうです。
 結核対策は、まず、一人一人の患者の治療を確実に行うことが重要です。とりわけ、入院が必要な患者に対して、迅速に入院医療を提供する体制の整備が急務であると考えます。そこで、以下の三点について伺います。
 第一に、結核が疑われる緊急の患者を受け入れる施設の整備について伺います。
 都では、一般の救急病院において、こうした結核とは診断されていないが、結核を強く疑われる緊急患者の受け入れができる病床の整備を新たに開始したとのことですが、その整備状況について伺います。
 第二に、一般の救急病院で緊急に受け入れた結核を疑われる患者が、結核と診断された場合には、早期に結核専門病院に転院し、確実に結核治療を受けられる体制が必要です。そのためのネットワーク体制の整備をどのように行っていくのか、伺います。
 第三に、結核の患者が安心して療養できるためには、緊急の医療確保のほか、専門の結核病院を含めた医療体制の整備などが欠かせません。今後、どのような形で迅速かつ適切な医療を提供する体制を整備していくのか、所見を伺います。
 次に、心の東京革命について伺います。
 昨日の一般質問で、同僚の鈴木一光議員から提言がありましたが、私も何点かお伺いしたいと思います。
 ことしの成人式における若者たちの行動は、マスコミに大きく取り上げられ、子どもたちをそう育ててきた大人社会の責任が、問題点としてクローズアップされました。東京都が昨年八月に策定した心の東京革命行動プランは、まさにこうした問題の解決のために提案されたものと考えます。
 社会の基本的なルールなど、きちんとしたしつけを子どもたちに身につけさせることは、まず第一に家庭の責任でありますが、学校教育においても、共同生活には一定の決まりがあり、それが守られるために、先生も毅然とした態度をとる必要があります。
 しかし、それ以上に重要なことは、大人一人一人が、二十一世紀を担う子どもたちの育成を他人のせいにすることなく、みずからが行動を起こしていくことであり、一人でも多くの都民が、地域で子どもたちの育成にかかわりを持ち、その中で、子どもたちに社会の基本的ルールなどを身をもって教えていくことが大切であります。
 体験や経験を通じて他者とのかかわり方を学ぶ機会が乏しくなっている今日、可能な限り、子どもたちにこのような場を提供していくのは大人の責任であります。そのためにも、子どもたちが規範意識や集団のルールなどをごく自然に身につけられるようなさまざまな方策が、学校や地域において行われる必要があります。
 心の東京革命の一環として、トライ>チャレンジふれあい月間など体験学習の推進を図っていますが、こうした取り組みは大変重要なものと考えます。特に、少子化や核家族化が進む中で、お年寄りとの交流や保育体験における乳幼児との触れ合いなどは、他人への思いやりを育み、貢献の喜びを体感できる貴重な場であります。また、自然との触れ合いについても、体験活動に関するある調査で、自然体験が豊富な子どもほど、道徳観や正義感が身についているという傾向があると報告されています。
 このため、今後、子どもたちの体験、経験を豊かにするような施策のさらなる充実を望みますが、所見を伺います。
 また、スポーツを通じた子どもの育成も有効であります。地域の大人が指導者として子どもの育成にかかわり、地域と一体となって子どもの健全な育成を図っていくため、地域スポーツクラブの設置などが効果的と考えますが、所見を伺います。
 今日、地域のコミュニティが衰退する中で、心の東京革命は、コミュニティ自体の復活をも目指すものと考えてもよいと思います。そうした意味において、一人でも多くの都民が家庭や地域で具体的な取り組みを実践できるよう、都としてサポートしていくことが肝要であり、地域の草の根的な活動に目を向ける必要があります。
 そのためには、地域の仲間づくりや大人同士のつながりを深めるなど、心の東京革命のための地域基盤づくりのため、地域の核となって活動するような存在が必要ですが、今後、このような地域の人材を育成していく考えはないか、伺います。
 次に、旅券窓口のサービス拡大についてお伺いします。
 昨年の第二回定例会における代表質問で、我が党の松本議員が旅券窓口の土日開庁について伺い、それに対して生活文化局長から、平成十三年度を目途に検討を進めるとの答弁があったのは、記憶に新しいところであります。
 ご検討の結果、平成十三年四月一日から、旅券の受け取りについて時間延長を実施する予定であるとのことでありますが、これが実施されると、全国的にも最先端の制度となり、また、私の地元多摩の住民におきましても、大変便利になると評価しております。
 現在の状況については、私の聞いたところによりますと、自営業者やサラリーマンの方々などは、仕事が終わるのが大変遅く、平日に旅券を受け取りに行くことはなかなか難しいということでした。また、総務庁の行った社会生活基本調査においては、平日の午後六時から六時三十分ごろに仕事が終わる人が最も多いという調査結果も出ています。
 そこで、今回の時間延長がこうした人々の旅券の受け取りが可能となる時間延長になっているのか、また、そのことによりどんな効果が期待できるのか、まずお伺いします。
 また、旅券の申請受付に行った人々に聞いてみますと、待ち時間が長いときには一時間以上になるといっています。それに加えて、旅券に関する問い合わせのために旅券課に電話をしても、電話がなかなかつながらないとも聞いています。
 こうした現状を踏まえて、より効率的で、かつ都民サービスを向上させるためには、民間のサービスを活用するのも一つの方法ではないかと思いますが、このことについて、生活文化局長の所見を伺います。
 さらに、旅券事務は、申請の受け付けをしてから旅券の受け取りまでが一貫した行政サービスの流れであります。したがって、旅券の受け取りのみならず、旅券の申請受付についても、時間延長を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
 しかしながら、この業務の時間延長は、外務省のホストコンピューターの稼働状況との関係もあり、なかなか難しいと聞いておりますが、旅券の申請受付の時間延長は、都民サービスの大幅な向上につながると思います。そこで、その検討状況はどのようなものになっているのか、お伺いをし、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 吉野利明議員の一般質問にお答えいたします。
 保育施策の都における充実についてでありますが、少子社会の進展への対応は、都としても重要な政策課題の一つと認識しております。
 先般申しましたが、アメリカのNICの日本の中期展望分析の中で、日本が今の地位から転落していく一つの要因は、次のタックスペイヤーというものを世代的につくり損なったという分析もありました。そういう意味でも、私たち、この時点からでも、少子化社会というものを強く意識して対応していかなくちゃならないと思っています。
 その一環として、子育てと仕事を両立させたいという都民のニーズにこたえることは不可欠でありまして、保育施策の充実は大変重要なものと心得ております。恐らく、絶対数においても、働く女性、働きながら子どもを産んで育てなくちゃいけない女性は、数として東京が日本で一番だと思いますが、それだけに、つまり強いニーズ、多数のニーズがあるわけでありまして、それにこたえることが肝要だと思います。
 でありますから、利用者本位の極めてきめの細かい柔軟な保育サービスの実現を目指しまして、来年度新たに民間事業者を活用した都独自の認証保育所制度を創設しまして、今後とも大都市東京にふさわしい子育ての環境整備を目指しまして、都の独自性、先進性を発揮して、新しい保育施策の充実に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 地域スポーツクラブの設置についてでございますが、お話しのとおり、子どものスポーツ活動は、ルールを守ることや集団活動を通じて、正義感や倫理観、思いやりの心をはぐくむことができますし、子どもが大人とともに参加する地域スポーツクラブの設置は、子どもの健全育成に極めて有効でございます。
 都教育委員会は、今後策定します東京スポーツビジョンの中におきまして、地域スポーツクラブの支援策を重要な柱として盛り込んでまいります。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 多摩の道路整備について三点お答えいたします。
 調布保谷線ですが、本路線は、稲城市の川崎街道から西東京市の埼玉県境に至る南北方向の重要な幹線道路で、地域を分断しているJR中央線や京王線など、五本の鉄道とすべて立体交差化することにより、多摩東部地域の交通の円滑化に大きく寄与する路線です。
 東八より南側につきましては、早期に効果を発揮させるよう、平成十七年度までに段階的に供用し、その北側については平成二十二年度までに完成させます。
 このため、国費の拡大を図るなど、財源確保に努めるとともに、関係機関や地元住民の理解と協力を得て積極的に事業を推進してまいります。
 三鷹―武蔵野区間の事業化の見通しについてですが、本区間では、地元市や地域住民との合意形成などに努め、環境アセスメントを行い、昨年十月に都市計画変更の手続を完了しました。
 平成十二年度から二カ年にわたって関係地権者の協力を得ながら測量を実施しており、十四年度から事業化を図ります。
 環境施設帯の整備の取り組みについてですが、調布保谷線は、両側に十メートルずつの環境施設帯を設けることとしています。環境施設帯は、ゆとりある歩道、自転車道、緑豊かな植樹帯及び沿道利用のための副道などから構成され、さまざまな組み合わせが考えられます。
 整備に当たっては、地域にふさわしいものにするため、現地にモデル区間を整備し、地元市や沿道の方々との意見交換の場を設けて、具体的な構造の検討を進めてまいります。
   〔多摩都市整備本部長田原和道君登壇〕

○多摩都市整備本部長(田原和道君) 東京スタジアムへのアクセスに関するご質問でございます。
 まず、アクセス対策についての考え方でございますが、スタジアムへの来場には、公共交通機関を利用していただくよう、かねてからさまざまな機会にPRをしてきたところであります。
 これまでに行ってまいりました交通機関利用予測調査によりますと、京王線、西武多摩川線の利用者が七五%、中央線等からのバス利用者が一五%、その他一〇%程度となっております。
 こうした予測も踏まえまして、最寄り駅の改修や駅前広場の整備等を行うとともに、臨時バスの運行を予定するなど、来場者が五万人規模の場合におきましても安全でスムーズな輸送ができるよう関係者との調整を行っております。
 次に、中央線三鷹駅方面からのアクセスについてでございますが、先日開催されました東京スタジアムの内覧会におきましては、定期バスの利用を想定しておりましたために、ご指摘のとおり、駅周辺などが一時混雑をするなどの状況がございました。
 スタジアムの正式オープン以降は、中央線の三鷹、武蔵境、吉祥寺の各駅とスタジアムとを結ぶシャトル便が運行される予定になっておりまして、この方面からのアクセスについても支障が生じないものと考えておりますが、間近に迫りましたオープンに向けまして、なお万全を期してまいります。
   〔福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川燿男君登壇〕

○福祉局長高齢者施策推進室長兼務(前川燿男君) 保育サービスにつきまして、二点のご質問にお答えいたします。
 まず、認証保育所についてでございますが、新たに創設する都独自の認証保育所制度は、就労形態の多様化や女性の社会進出などに伴う、大都市特有のさまざまな保育ニーズに柔軟かつ的確にこたえるため、民間企業の参入を促し、利用者本位の質の高いサービスを提供しようとするものでございます。
 中でも、利用者の要望の強い都市型駅前保育所につきましては、平成十六年度までに都内で五十カ所開設することを目指し、区市町村とも協力しながら、積極的、計画的に取り組んでまいります。
 次に、保育サービスの運営主体についてでございますが、大都市特有の複雑、高度な保育ニーズに的確に対応するためには、ご指摘のとおり、多様な事業者の参入を図り、利用者指向のサービス競争を促進することが重要でございます。
 このため、本年度から、認可保育所に株式会社等の参入を認めるとともに、来年度新たに創設する認証保育所制度におきましても、株式会社を含め、運営主体の多様化を図っていく方針でございます。
 今後とも、福祉改革推進プランに基づき、多様な事業者の参入を積極的に促進し、保育サービス総体の充実を図ってまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 結核対策について三点のご質問にお答えいたします。
 まず、結核の緊急患者を受け入れる病床の整備状況についてでございますが、都では、一般の救急病院においても結核を疑われる緊急患者の受け入れと治療ができるよう、院内感染を予防するための個別の空調設備を持つ病床を整備する緊急一時入院施設整備補助事業を本年度から開始いたしました。
 当事業は、平成十四年度までの三カ年で、各年度七床、合計二十一床を整備することとしており、事業の初年度である本年度は、当初の計画どおり七床の整備を行っております。
 次に、結核緊急医療のネットワーク体制の整備についてでございますが、都では、本年度、救急病院、結核専門病院、都医師会及び学識経験者等の代表で構成する連絡会を設置し、検討を行ってまいりました。
 その結果を踏まえ、結核専門病院の空きベッドの状況等を都が把握し、関係機関に情報提供することで、緊急一時入院施設で結核の診断が確定した緊急患者を結核専門病院へ円滑に転院させるネットワーク体制を整備し、近日中にも運用を開始いたします。
 次に、今後の結核医療の提供体制の整備についてでございますが、本年度から新たに結核病棟も対象となった国の医療施設近代化施設整備補助事業を活用いたしまして、結核病棟の整備に積極的に取り組んでまいります。
 また、引き続き、合併症や重症患者に対応できる病床の確保を推進するなど、今後とも迅速かつ適切な結核医療体制の整備に努めてまいります。
   〔生活文化局長高橋信行君登壇〕

○生活文化局長(高橋信行君) 心の東京革命に関連して二問、旅券窓口について三問についてお答えいたします。
 最初に、子どもたちの体験、経験を豊かにする施策の充実についてでありますが、体験、経験を通じた子どもの育成は、心の東京革命行動プランの柱の一つであり、家庭、学校、地域等のあらゆる場でそうした機会を提供していくことが大切であります。
 これまでも、文化施設等において参加体験型事業を実施するほか、ご指摘のようなトライ>チャレンジふれあい月間で、全公立小中学校において体験学習を進めるなど、各種の取り組みを行っているところであります。
 今後、幼稚園や保育園の協力を得た中高生の保育体験を初め、地域と連携した子どもたちのボランティア活動や、企業等での職場体験の機会を拡充させるなど、より一層体験、経験の機会をふやしていきます。
 次に、地域の核となって活動する人材の育成についてでありますが、地域のつながりが希薄になっている今日、心の東京革命が地域に浸透していくためには、近所の子どもたちを注意したり、気軽に地域での子育て相談などに応じられるような存在が必要であります。
 このため、今後、心の東京革命推進協議会が、その活動の一環として、地域の仲間づくりや地域活動に積極的に取り組んでいる方々を核として、都民が心の東京革命を実践する際の具体的なアドバイスを行う人材養成に取り組むこととしており、都としてもこれを支援してまいりたいと思っています。
 次に、旅券窓口サービスの時間延長についてでありますが、平成十三年四月一日から、月曜日から木曜日の交付時間を一時間延長して七時三十分までとし、さらに、日曜日も開庁して、午前九時から午後四時三十分まで交付を行う予定であります。
 このことによって、日曜日にしか休みがとれない人や、平日の夜間、仕事帰りに旅券を受けたいと望む方々の利便性などが高まり、広く都民サービスの向上が図れるものと考えております。
 次に、民間サービスの活用についてでありますが、民間サービスの活用は、業務の繁忙期や閑散期に対する柔軟な対応や経費の節減に大きく寄与するものであります。
 このため、現在の旅券事務では、申請書のデータを入力する旅券作成業務と、本人を確認して旅券を渡す交付業務を委託しております。
 平成十三年四月一日からは、これらに加え、申請の受付業務を民間委託し、また、これまで新宿、有楽町、池袋、立川の旅券窓口で別々に対応していた電話案内業務につきましても、新宿に一元化した上で民間委託を実施します。
 これらのことによって、待ち時間の改善や電話サービスの向上が図られるものと考えております。
 次に、旅券申請受付の申請の時間延長についてでありますが、旅券窓口の時間延長は、交付のみならず、申請受付についても時間を延長することが都民サービスの大幅な向上につながるものと考えます。
 平成十四年度を目途に、月曜日から木曜日について、申請受付時間を現在より大幅に延長し午後七時までとするよう、人員体制の検討を進めるとともに、外務省に強く働きかけてまいります。

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