平成十三年東京都議会会議録第三号

○副議長(五十嵐正君) 四十二番鈴木一光君。
   〔四十二番鈴木一光君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十二番(鈴木一光君) まず初めに、下水道光ファイバーを活用した情報化の推進についてお伺いをいたします。
 近年のITの発達には目をみはるものがあります。情報通信技術の高度化により、国際競争力のあるビジネス環境やシステム的な物流社会が実現されるとともに、豊かな都民生活や都市文化の創出、都市機能の高度化など、多面的な効果が期待されています。
 しかし、ITの代表例であるインターネットの普及状況を見ますと、我が国の普及率は、先進主要国では最低のレベルにあります。したがって、あらゆる手段を総合的に講じて、立ちおくれているインターネットなど、IT革命を推進していく必要があります。このことは、かつての産業革命と同様の大きな変革を、我が国の社会経済全体にもたらす可能性があります。
 東京構想二〇〇〇では、千客万来の世界都市東京を目指す東京において、快適で利用しやすい情報通信環境を実現していくための施策として、下水道管渠や地下鉄などの既存都市施設を光ファイバーの敷設空間として開放し、電気通信事業者による光ファイバーの敷設を促進させたり、既に下水道や地下鉄の管理用に敷設している既存光ファイバーのうち、余裕のあるものを貸し出すこととしています。
 既に下水道局では、平成八年の下水道法の改正を受け、利用規程の整備等、電気通信事業者などの利用環境を整えてきており、下水道光ファイバー等の開放が進んでいると聞いています。
 そこで、IT革命を推進するに当たって大きな貢献が期待される、下水道光ファイバーについてお伺いいたします。
 下水道局では、下水道機能の高度化や効率的運営を目的とした光ファイバーネットワークの整備を行っていることは周知の事実のことでありますが、現在までの整備状況とその導入効果についてお伺いをいたします。
 下水道光ファイバーの活用としては、下水道管渠の空間と下水道管理用光ファイバーを利用する方法がありますが、電気通信事業者などの利用状況と、それによる収益についてお伺いいたします。
 下水道局の利用規程によりますと、下水道管渠の空間は、行政機関、有線テレビジョン事業者などが幅広く利用できることとなっています。一方、下水道管理用光ファイバーの利用については、第一種電気通信事業者に限られています。
 IT革命の促進を図るためには、例えば、地域に密着した情報基盤の整備を担いながらも財政基盤の弱いケーブルテレビ事業者などが、容易に下水道管理用光ファイバーを活用できるようにすべきであります。これにより、下水道事業にとっても収益の拡大にもつながると考えますが、下水道局の見解をお伺いをいたします。
 次に、都立病院のIT化についてお伺いをいたします。
 医療分野においても、高度化するITを活用して、患者サービスの向上や医療資源の効率化などを図ろうとしている状況にあります。
 衛生局では、二十一世紀の都民の医療ニーズに対する期待に十分こたえるため、昨年九月より都立病院改革会議を開催し、都立病院が担うべき役割や医療機能の見直しと再編整備の考え方など、都立病院の長期的なあり方について検討していると聞いています。こうした構想も大事でありますが、日々都民の医療ニーズにこたえている都立病院としては、都民サービスの一層の向上を図るため、経営の効率化や体質改善を早急に進めることも必要であると考えます。
 その点で、都立病院の経営管理など運営の根幹を担っているコンピューターシステムは特に重要であります。現在の都立病院のシステムは、昭和五十年に全国に先駆けて導入されたものでありますが、抜本的な改善がないまま今日に至っており、機能的にも不十分との声もあります。現状に対する認識と、見直しの必要性についてお伺いをいたします。
 ところで、IT化の先進国アメリカでは、大規模なコンピューターシステムの使用についても、トータルコストの削減など、日本をはるかに上回る効率化を実現しているといわれており、日本においても、民間企業の多くで、経営改善の視点から、既存の大規模なコンピューターシステムを厳しく見直す動きが始まっております。
 そうした民間の動向を勘案すれば、都立病院のシステムについても、この際徹底的に見直しを行うべきであり、そのためには、従来の東京都のシステム開発の手法では不十分ではないでしょうか。大きな成果を上げた外部監査と同様に、民間の手法を導入した見直しを行うべきと思いますが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。
 知事は、所信表明で、ITに関しての最先端国家となる最善の方策は、政策の重点化により東京を最先端の電子都市に変身させ、IT立国の拠点とすることであると発言されました。全く同感であります。
 東京構想二〇〇〇においても、秋葉原地区にIT関連産業を集積するとしていますが、葛飾区じゃなくて残念でありますけれども、東京をIT立国の拠点とするため、どのようにリーダーシップを発揮されようとしているのか、お伺いをいたします。
 次に、PFIについてお伺いをいたします。
 PFIは、民間の資金やノウハウなどを活用し、公共サービスを効率的に提供する手法であり、都民サービスや効率性の向上はもとより、新規事業の創出による経済の活性化といった効果も期待され、我が党としても強力に推進していく重要な事業手法として位置づけております。
 水道局では、国内初のPFIモデル事業として、金町浄水場の常用発電事業を開始しましたが、この事業は、他の自治体のケーススタディーとして重要な役割を担うなど、その取り組みは高く評価するものであります。
 しかしながら、日本におけるPFIは、まだまだ試行錯誤を重ねている段階であり、事業に直接融資する、いわゆるプロジェクトファイナンスなど、金融上の新しい仕組みは必ずしも定着しておりません。また、事業運営における公共と民間との連絡体制などの仕組みも拡充していく必要があるのではないかと思います。
 そこで、こうした観点も含め、PFIの先駆的な役割を担ってきた水道局にお伺いをします。
 そもそもPFI事業は、経済性、リスク分担、透明性などといった、いわばPFIの必須条件を確保することが事業成功のかぎであり、このような指摘がさまざまな方面でなされております。
 まず、基本的なスタンスを確認する意味で、金町のPFIモデル事業について、水道局ではどのように評価しているのか、この点についてお伺いいたします。
 また、水道局では、第二弾として、朝霞浄水場と三園浄水場におけるPFI事業を計画しております。この事業は、常用発電のほか、消毒用薬品の供給や資源のリサイクルなどを加え、これらを一体的に行う内容だと聞いております。
 こうした複雑な事業であればこそ、リスク分担はもとより、金融面や運用面における新しい仕組みなどを導入し、プロジェクトとしての優位性を一層高めていくことが極めて重要になってくると思います。その過程においても、都民に対して十分な情報公開に努めていく必要があります。
 こうした総合的な条件整備を含め、第二弾のPFI事業について、今後どのように進めていくのか、その取り組み方針をお伺いいたします。
 PFIは、社会資本の整備や行政サービスを効率的に行うことが期待される手法であり、今後とも、厳しい社会経済状況が予測される中、東京が日本の首都として、引き続きその役割を果たしていくためには、このPFI手法を積極的に導入していく必要があります。
 都におきましては、水道局での導入を皮切りに、市街地再開発事業への活用のほか、ユース・プラザや都営住宅などの建てかえなどの適用分野を検討していくとしております。
 また、昨年十二月には、具体的なマニュアルとしてPFI基本方針を策定するなど、都におけるPFIの導入環境もようやく整ってきました。
 今後、都を挙げた取り組みを一層強化し、PFI手法の定着化に努めていかれることを要望します。
 次に、心の東京革命について伺います。
 家庭から心の東京革命の実践を促していくために、三月から、毎月第三土曜日を家族ふれあいの日として設定すると聞いています。この取り組みでは、飲食店やレジャー施設などの企業が協力し、心の東京革命を応援する仕組みになっている点が注目されます。
 子どもの育成を社会全体の問題として展開していく第一歩として、今後の広がりを大いに期待するとともに、都民一人一人が家族のあり方を見詰め直す契機になってほしいと思います。
 こうした社会全体としての機運づくりも重要でありますが、本当の意味で一人一人に行動を促していくためには、地域における草の根的な取り組みを活発にし、地域活動への参加を働きかけていくことが何よりも大切であります。
 例えば、葛飾区のある地域では、地域ぐるみで子どもたちを育成することを目的に、地域の子ども会やPTA、自治会、町会などの活動団体が一緒になって実行委員会を組織し、幼児からお年寄りまで、千人以上の方が参加するふれあいフェスティバルを毎年開催しています。
 実行委員会には、地元中学生も参加し、企画段階から大人と子どもが一緒に考えて実現させるという画期的なものであり、こうした取り組みにより、子どもの自主性ばかりでなく、責任感をはぐくむことが可能であります。実行委員として参加した中学生からも、「遊びのコーナーを任され、来た小さな子が喜んでくれ、声をかけてくれたのがうれしかった」といった感想が寄せられるなど、だれかの役に立てるという喜びを通じて、自分自身を大切に思う自己肯定感も育つと考えます。
 砂漠化した東京をオアシスに変え、地域のコミュニティを再生させるためにも、地域ぐるみで子どもを育てる、こうしたよい取り組みを積極的に広めていく仕組みが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、こうした地域ぐるみの取り組みを、都内各地域により広く普及させていくためには、子どもの育成関係団体の連携だけでなく、企業を初め、ライオンズクラブやロータリークラブなど、さまざまな人たちの参加、協力が必要であると思います。
 昨年十月に民間団体等を中心に設立された心の東京革命推進協議会には、既に六十以上の団体、企業が加入し、行動プランの推進母体として、家族ふれあいの日や子どもたちと一緒にまちをきれいにする運動などを展開していると聞いています。
 今後、心の東京革命を社会全体の運動として定着させていくためには、さらに多くの団体や企業の参加、協力を得るとともに、この協議会を中心として、より広範な活動を展開していくべきだと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、車体利用広告についてお伺いします。
 昨年の四月以来、路線バスの車体を利用した、いわゆるラッピングバスが東京において多数走行し、制度として定着した感があります。このような車体利用広告の展開は、東京らしい景観づくりに積極的に寄与できる機会として評価しています。
 ところで、東京都広告物審議会による車体利用広告規制のあり方に関する答申が出され、他の車体についても、今後、広告規制の改正が行われると聞いています。これらの車体は台数も多く、東京の景観に及ぼす影響も大きいと考えられます。
 そこで、お伺いをいたします。既に実施されているラッピングバスの中には、都民の目から見て、景観にそぐわないものが見られます。東京の景観に配慮した良好なデザインの車体利用広告とするために、都はどのような対応をしていくのか、お伺いをいたします。
 電車については、広告規制を緩和するとのことですが、車体が大きいことなどから、景観に及ぼす影響が大きく、また都県境をも越えることも多く、広域的な影響が考えられます。都としてどのように対応するのか、お伺いをいたします。
 また、電車について、車体利用広告規制の改正時期はいつか、お伺いをいたします。
 路線バスに加え、自動車に関する車体利用広告規制の見直しを行うとすると、その台数が多く、景観への配慮が必要なだけでなく、交通事故の増加も懸念されます。答申では、タクシーについては継続検討となっていますが、都としてどのように対応していくのか、お伺いをいたします。
 次に、立石・四つ木地区の防災都市づくりについてお伺いをいたします。
 立石・四つ木地区は、道路や公園などの都市基盤が未整備のまま、市街化が急速に進行し、老朽化した住宅や工場、商店等が混在する密集市街地を形成しており、防災面を初めとして、生活環境、交通環境の面でさまざまな問題を抱えている地域であります。
 東京都は、これまで進めてきた防災都市づくりをさらに一歩進め、平成九年、防災都市づくり推進計画を策定いたしました。
 立石・四つ木地区は、この計画で、災害時の危険性が高く、優先的に整備を図る重点地区として設定しました。地元としては、こうしたことを踏まえて、区の支援を受けながら、まちづくりの研究会や勉強会などを発足させるなどして、まちづくりに真剣に取り組んでいます。
 また、立石・四つ木地区を横断する京成押上線は、四ツ木駅から青砥駅までの区間で補助一四〇号線などの地域幹線道路と平面で交差しており、踏切遮断による慢性的な交通渋滞が発生しております。
 このことに対して、地元の長年の懸案であった京成押上線の四ツ木駅から青砥駅に至る区間の連続立体交差事業について都市計画決定がなされたことは、まことに喜ばしいことであり、地元を初め、関係者の方々に敬意を表したいと思います。
 このたびの連続立体の都市計画決定が、この地区のまちづくりに大きな弾みがつくものと期待を寄せております。
 以上を踏まえて、質問をしたいと思います。
 立石・四つ木地区は、典型的な木造住宅密集地域であり、まちづくりを進める上で困難な課題が山積している地域であります。
 このような状況において、防災都市づくり推進計画が策定されてから後、立石・四つ木地区でどのような事業が実施されたか、その実績の主な内容についてお伺いをしたいと思います。
 また、京成押上線四ツ木駅から青砥駅までの間の連続立体交差事業の今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 この連続立体交差事業は、非常時の避難、救護、消火活動を円滑にして、防災上の向上や交通渋滞の解消に有効であるのみならず、分断されている市街地の一体化により、まちづくりに大きなインパクトを与えるものであります。
 連続立体交差事業を契機として、平成十三年度以降、防災都市づくりをどのように進めていくのか、お伺いをしたいと思います。
 最後に、さて、知事、知事の現場主義を貫くという姿勢は高く評価されるものであります。一方、私どもの葛飾区では、知事は一回も来ないですねという声もあります。そして、前任者も来たという話は聞いたことがない。その前々任者は、選挙のときだけ来ました。
 先ほど、中野の川井議員からも、連続立体化についてお話がありましたが、京浜急行のみならず、葛飾にも京成線高砂一号踏切は||中野は四十分以上といっていましたが、葛飾区では、一時間に五十分以上も遮断されている有名な踏切もあります。森総理は一緒に来なくて結構ですから、石原知事にぜひ一人で葛飾区に視察においでいただきますよう重ねてお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 鈴木一光議員の一般質問にお答えいたします。
 東京をIT立国の拠点とすることについてでありますが、IT革命とは、単に技術を普及させるだけではなく、産業や、あるいは国民の実生活にITによる情報交流というものを普遍させることで、社会を非常に便宜化し、変革することであります。
 米国は、ITを新しい世界戦略の武器として、リーダーシップの強化に非常にうまく活用していると思いますが、どうも日本は、IT国家を目指す戦略を発表はしましたが、相変わらず、日本全土にこう予算をばらまくだけの発想から抜け切れずに、これではとても有効な戦略とはいえないと思います。
 決して我田引水ではありませんが、この東京を中心にした、この首都圏こそが、こういったIT革命を象徴する絶好の舞台となるはずでありまして、国は本当の戦略というものを考えて、首都東京にIT予算を重点的に投入すること、それが東京だけではなしに、日本のIT革命の推進にもつながると思います。
 そういうふうにこれからも求めていきたいと思いますし、現に小渕前総理には、実はソフトバンクとビル・ゲイツと、東電は何かちょっとおりたようでありますけれども、三社が株を持ち合って新しい情報会社をつくるという相談もありました。これは、ある意味で結構でありますが、また危険なことでもありまして、外国の資本がたくさん入った会社が、この東京圏を、情報を独占するというのも、むしろナショナルセキュリティーの問題ともなり得るんで、これは政府として慎重に考えた方がいい。推進はするにしても、つまり競争させるとか、いろいろ講じるべき問題があるだろうということを話しました。小渕総理も、まことにそうだということで、ワーキンググループをつくるつもりでおりましたら、亡くなりました。
 今度の人は、どうもよくわかっているかわかっていないか、わからぬので、また改めて詳しくその話をしようと思っていますが、それに付随して、東京都においても、独自に秋葉原などのまちをつくり直すことでの集積を図って、これを先鋭的なまちにするとともに、ITという新しい技術体系の日本の普遍というものに心がけていきたいと思っております。
 よくシンガポールが、非常に驚異的にIT化されて、すばらしいという話を聞きますけど、行ってみると、たかだか、三百万の人口の淡路島程度のまちというか、国家でありまして、東京には既に警察のゴー・ストップの信号が他県に及んでもつながっておりますし、東京にしても、下水道というものがほとんど完備していますし、あるいは、まあ古いといわれるかもしれませんが、電柱というものが、目ざわりであってもばっこしているわけで、こういったものは、ある意味で有効な社会資本としてITのために使えるわけであります。
 いずれにしろ、三千三百万の人口というものを抱える、この首都圏というものが、こんな形で、この割と狭小な地域の中にあるというのは、世界に例がありません。ですから、もしこの東京を中心にした首都圏、メガロポリスというものをIT化することができると、これは世界に例のない画期的な造形というものになるわけでありまして、そういう意識というものをまず政府が持つべきだと思いますので、これからまたその説得に鋭意かかるつもりであります。
 ただ、非常に古い旧弊な規制もありまして、韓国の場合など、電柱もあるわけですけど、それにそのITのラインというものを敷設するときに、一々許可をとらずに、敷設が終わった後、現場を検証させて、そこで正式な許可をとって仕事を始めるというシステムのようですけど、日本の場合には、仮にそういうことを行おうとしても、一々事前に申請し、審査を経て、施行までに非常に時間がかかるという弊害もございます。
 まあいずれにしろ、こういう時代でありますから、そういうその余計な規制のバリアも取っ払うことで、本当にできるだけ短期間に、この東京圏というものを、三千三百万人のこの人口を持つヒンターランドをIT化するということ、これは、日本人はむしろうかつでありましたが、ビル・ゲイツなど話してみますと、もうとにかくこういう事例というものは、舞台というものは世界にないということで、非常に注目しております。まあ外国人が注目するのも結構でありますけど、日本人自身がそういう自覚を持って、新しいその国家社会というもののための、東京のIT化、東京圏のIT化というものを志していくべきだと思います。
 それから、現地にまだ一度も行かないということでありますけれども、私、水元公園ですか、あそこにちょっといろいろ構想がありまして、別にあそこをつぶすとか、そんなことじゃなしに、一回それを視察して、ある試みというものを東京から始めたいと思いますので、必ず最近中に伺いたいと思っております。
   〔下水道局長横山博一君登壇〕

○下水道局長(横山博一君) 下水道光ファイバーネットワークについての三点の質問にお答えいたします。
 まず、現在までの下水道光ファイバーネットワークの整備状況と、その導入効果についてですが、下水道管理用の光ファイバーは、平成十一年度末現在で約四百七十キロメートル敷設したところです。
 その効果としては、既に処理場やポンプ所など、五十カ所の下水道施設を相互に接続し、遠方監視制御による運転を初め、降雨情報、下水道台帳情報の配信などにも活用しており、安全性や信頼性の向上を図るとともに、コスト縮減を含めた効率的な事業運営に効果を発揮しております。
 次に、下水道光ファイバーの電気通信事業者などへの開放状況と収益についてですが、現在、下水道管渠の空間利用については約四十五キロメートル、また下水道管理用の光ファイバーの利用については約八十一キロメートルとなっております。これらによる平成九年度より現在までの収入は、約一億円となっています。
 最後に、ケーブルテレビ事業者などへの下水道管理用光ファイバーの利用の拡大についてでございますが、ご指摘のように、これまでは、第一種電気通信事業者のみを対象にしてまいりました。しかしながら、平成十三年度からは、IT革命の促進や収益の増大のためにも、ケーブルテレビ事業者を含め、利用拡大を図ってまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 都立病院におけるIT活用について、二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院情報システムの現状についてでございますが、現在のシステムは、旧来の大型汎用機を主体としたものであり、導入当時の考え方を基本的に引き継いで運用しております。このため、病院内におけるデータの相互利用が容易でなく、得られる経営情報にも限界があるなど、機能的に不十分な面があると認識しております。
 今後、経営の効率化や、多様な都民ニーズに対応した医療の質的向上を図っていくためにも、システム全体を早急に見直していかなければならないと考えております。
 次に、システムを見直す際には、民間の手法を導入したシステムの見直しが有効かつ必要であるというご指摘は、まさにそのとおりであります。このため、情報システムに関する豊富な知識と経験を持つ民間の専門家を中心としたシステム評価委員会を設置いたしました。
 今後、この委員会で現行システムのハード、ソフト両面にわたる問題点を明らかにした上で、さらに民間コンサルタントによるシステム監査を行い、システム全体に民間の考え方を生かした見直しを進めてまいりたいと考えております。
   〔水道局長赤川正和君登壇〕

○水道局長(赤川正和君) PFIにつきまして、二点お答えいたします。
 まず、金町浄水場の常用発電PFIモデル事業の評価についてでありますが、PFI手法の導入に当たっては、ご指摘の優位性の確保と経済性の発揮という基本方針のもと、事業の枠組みや事業者とのリスク分担などを詳細に定めた事業契約を締結いたしました。この契約に基づき、おおむね五%のコストメリットを確保するとともに、昨年十月の供給開始以降、現在に至るまで順調に運用されております。
 今回のモデル事業を通じまして、PFI手法の有効性の検証や、今後の適用分野の検討における一定の判断材料が得られたと評価しております。
 次に、朝霞浄水場及び三園浄水場におけるPFI事業の取り組み方針についてでありますが、現在、事業者の公開募集を開始しており、今後、具体的な事業条件などを検討していく必要があります。
 その検討に当たりましては、モデル事業の検証結果を十分生かしながら、ご指摘の金融上の新しい仕組みを積極的に導入するなど、これまで以上にPFI事業の優位性を確保してまいります。
 また、学識経験者や消費者の代表などで構成する提案審査委員会での審議や、ホームページを利用した情報公開により、客観性や透明性の一層の向上を図るなど、今後とも総合的な条件整備に努めてまいります。
   〔生活文化局長高橋信行君登壇〕

○生活文化局長(高橋信行君) 地域ぐるみで子どもを育成する取り組みについてでありますが、ご指摘のように、地域で心の東京革命を推進していくには、地域の人々や学校等が一体となって子どもの育成に取り組んでいくことが大切であり、そうした取り組みがあらゆる地域で行われることが必要であります。
 現在、ご紹介がありましたような地域での取り組みの芽生えが生じておりますが、他の模範となるような取り組みを行っている地域を推進モデル地域として指定し、その内容や成果を発表する場を提供したり、事例集の発行を行うとともに、その取り組みの核となった団体への表彰を行うなど、地域ぐるみの子どもの育成活動が都内全域に広まるよう、取り組んでまいります。
 次に、協議会を中心とした心の東京革命の今後の事業展開についてでありますが、心の東京革命推進協議会は、心の東京革命の運動を民間主導で推進していくために設立したものであり、現在、正会員と賛助会員を含め、八十一団体が加盟しておりますが、今後、さらに多くの団体や企業の参加を得て、運動のすそ野を広げていきたいと考えております。
 また、今後の事業展開につきましては、この協議会を中心に、家族ふれあいの日を契機とした地域単位でのあいさつ声かけ運動や、親と子の野外活動など、心の東京ルールの実践を促す取り組みなど、単に運動のキャンペーンにとどまらない実践的な活動を展開し、心の東京革命を地域社会に根差した運動として定着させてまいりたいと思います。
   〔都市計画局長山下保博君登壇〕

○都市計画局長(山下保博君) 五つのご質問にお答えいたします。
 まず、ラッピングバスの広告デザインについてでございますが、昨年の七月に実施いたしました都政モニターに対するアンケート調査の結果では、約七割の人が、周囲の景観との調和について懸念を示しておりました。
 景観と調和した良好な広告デザインとするためには、バス事業者等の自主的なデザイン審査の実施が重要でございます。先般の広告物審議会の答申におきましては、審査基準の作成や審査経緯の報告を義務づけるべきであるとしておりまして、都といたしましては、今後、答申の内容に沿って、自主審査の普及及びその実効性の確保に努めてまいります。
 次に、電車に対する車体利用広告規制についてでございますが、広告物審議会の答申におきましては、電車は移動体広告であるため、景観への影響に配慮し、路線バスと同様に、事業者によるデザインの自主審査が必要であるとしております。
 都といたしましては、答申の内容に沿いまして、自主審査の普及を鉄道などの事業者に対して働きかけてまいります。
 また、ご指摘のとおり、電車につきましては、都県境を越えて運行されるものが多いため、車体利用広告面積に関しまして独自の基準を定めている近隣県などとの調整を図ってまいります。
 なお、電車に関する車体利用広告規制の改正時期は、屋外広告物としての規格につきまして、広告物審議会の審議を経た上で、平成十三年中のできるだけ早い時期に実施したいと考えております。
 次に、タクシーに関する車体利用広告規制についてでございますが、広告物審議会の答申では、タクシーについて、路線バス等の車体利用広告の自主的なデザイン審査を定着させた後、景観面での都民意見の調査や、交通安全に関する車体利用広告の実績を把握する必要があり、継続して検討していくべきであるとしております。
 都といたしましては、答申の趣旨に沿いまして、路線バス事業者による自主的なデザイン審査の普及を図り、その上で、車体利用広告の交通安全面に関する影響や都民意識などの把握を行い、タクシーに関する広告規制の見直しについて検討してまいります。
 次に、立石・四つ木地区の防災都市づくりの実績についてでございますが、当地区では、水戸街道など幹線道路沿いの不燃化を促進し、延焼遮断帯の形成を図るための不燃化促進事業や、狭隘な道路の拡幅、公園の整備を進める防災生活圏促進事業、木造住宅密集地域整備促進事業などを実施してきておりまして、これらの事業により、約四千二百平方メートルの用地を取得いたしました。
 また、防災性の向上を図るため、延焼の危険性が高い建築物の建てかえを強力に誘導できる防災再開発促進地区を指定したところでございます。
 最後に、立石・四つ木地区の今後の取り組みについてでございますが、この地区における防災都市づくりを進めるに当たっては、建築物の不燃化促進などの修復型事業と、鉄道や道路の整備など基盤整備事業、これを並行して行うことによりまして、防災上の一層の効果が得られるものと考えております。
 このため、京成押上線の連続立体交差事業や、延焼遮断帯を形成する補助二七四号線など都市計画道路の整備のほか、立石駅周辺地区で駅前広場の整備を含む再開発事業につきまして、地元区及び都市基盤整備公団と連携しながら、その実現に向け取り組んでまいります。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 京成押上線の四ツ木駅から青砥駅に至る区間の連続立体交差事業についてですが、本事業は、地元葛飾区を初めとする関係者の長年の努力もあり、本年一月、都市計画決定しました。
 現在、地元区や鉄道事業者と協力して測量等を行っており、引き続き、地元区のまちづくりと連携を図りつつ、事業化に向け着実に取り組んでまいります。

○議長(渋谷守生君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時三十七分休憩

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