平成十二年東京都議会会議録第十三号

○議長(渋谷守生君) 四十七番三原將嗣君。
   〔四十七番三原將嗣君登壇〕

○四十七番(三原將嗣君) 最初に、石原都知事は、去る六月八日、新交通システム日暮里・舎人線並びに常磐新線の工事現場を視察されました。特に当日は、ご親交のあった故小渕恵三前総理の本葬儀がとり行われましたが、石原都知事は、都民との約束を実行するのが知事の役目であるとの信念で、視察を優先日程とされたと伺い、心から敬意を表する次第であります。
 そもそもこの視察は、私が去る三月の予算特別委員会において提案し、知事から同意をいただいたのが端緒だと思っておりますが、両線の現場を見られた石原知事のご感想と、この事業の重要性についてのご認識を伺いたいと思います。
 さて、日暮里・舎人線の事業見直しは昨年の秋に行われたわけですが、最も大きな見直しは、車両基地でありました。すなわち、民有地を買収しての車両修理工場の建設を取りやめ、あわせて舎人公園内に建設予定の車庫も、地下二層構造から一層構造にして施設を覆土する方式とし、また、日常点検や車両搬出入の機能も車庫内に入れると仄聞しております。これらは目下、建設省と折衝中と思いますが、その結論が出れば、地元に説明して了解をとり、さらに都市計画審議会にかけなければならないと思います。
 そこで、本年の十一月ごろの地元説明会、平成十三年三月の都市計画審議会という手順で進めるべきだと思いますが、検討状況とスケジュールを伺います。
 また、都財政が厳しいとはいえ、地元住民待望の交通機関でありますから、事業促進の立場から、荒川の渡河部や荒川区内の工事予定について、来年度の見通しを伺い、次の質問に移ります。
 現在、秋の交通安全運動が実施されておりますが、各地域でボランティアの皆さんにご協力をいただいておりますけれども、関係者のご尽力にもかかわらず、交通事故はなかなか減少いたしません。今年の春に行われた運動期間中でも、東京において二千三百八十六件の事故が発生し、二千七百人余の死傷者を出しています。これらの事故防止は、まず運転者が注意することですが、行政が安全施設等の整備に力を入れることも重要であります。
 特に交差点付近での事故が、全体の六七%を占めているとのデータもあります。そこで、第六次特定交通安全施設等整備七カ年計画の今年は五年目に当たりますが、どのような事業が進捗しているのでしょうか、伺います。
 また、東京みちしるべ計画に基づき、道路案内標識の系統的整備も進められておりますが、そこでお尋ねいたします。
 まず、道路標識には、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識の四種類があります。そのうち案内標識には、経路案内と地点案内と道路附属施設案内の三つがあります。この中の地点案内には、行政境界と著名地点と主要地点の三つの表示があります。
 そこで、最後に示した主要地点の表示でありますが、日本道路協会の解説書によりますと、これを現在地の表示ともいい、地点名の選定は、歴史的に著名な地点名や交通安全上便利な目標物等から選ぶとしております。そして、地点名を決めるときに留意することとして、その地点に合った適切な名とするために、設置する場所の区市町村及び道路管理者、そして警察署等の関係機関と調整して決めると述べております。
 しかし、この関係機関の調整が現在まで効果的に行われてきたかどうか、私は極めて疑問に思っております。現実には道路管理者と警察関係との事務的な処理で決定し、本来、地点案内を利用する都民の声は反映されていないことが多いと判断しています。この点の改善を直ちに進めるべきと考えますが、建設局長の答弁を求めます。
 次に、東京都は、「東京ベイエリア21(中間のまとめ)」を発表しました。これは、二十五年後を目標として、総合的、長期的な視点から、東京臨海地域の役割や目標を示す施策の中間報告であります。
 そこで、具体的に二点だけお伺いをいたします。
 第一に、臨海副都心は、職・住・学・遊の四つの機能がバランスのとれたまちづくりを目指すとしておりますが、遊の機能のうち、知事が話題にされております観光資源として活用されるカジノについても記述されておりますが、改めて知事のご見解を伺いたいと思います。
 第二に、自然環境と調和した都市づくりを目指す中で、海上公園の新たな展開において、レクリエーション水域の確保や海釣り施設の導入を当然検討されたと思いますが、中間のまとめには記載されておりません。しかし、都民の強い要望のあるこれらのものは、最終報告の中には必ず盛り込まれるべきだと思いますが、港湾局長の所見をお伺いいたします。
 最後に、東京都の防災対策に関連して幾つかお伺いをします。
 最初に、伊豆諸島での被災者の方と避難をされておる皆さん、そしてまた東海地方の集中豪雨で被害を受けられた方々に、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 東京都は、去る九月三日に「ビッグレスキュー東京二〇〇〇 首都を救え 」と題して、都内十カ所の会場で総合防災訓練を実施しました。特に今回は、大規模地震が発生したと想定して、約七千百人の自衛官の応援を受けて、初動対応、生活支援、そして活動拠点の設営と、三つの目標を発災時の実情に合わせて訓練したものであります。
 特に大規模災害が発生した場合、動員できる人数、機動力、そして資機材の三点からその実力を発揮できる組織は、自衛隊以外にないことは今さら申し上げるまでもありません。自衛隊の統幕議長も、災害現場となるであろう場所で、実際の装備を使って、一緒に協力し合う相手と合同で訓練をしておくことが重要と述べておられ、私も、平成七年二月の定例会で、地方自治体と自衛隊が常に共同訓練をすべきだということを訴えたところでございます。
 特に阪神・淡路大震災の被害者である四十七歳の主婦の方は、新聞の投書で、震災の翌朝、国道にずらりと並んだ自衛隊の車の列を見たときの、その安心感を信じてもらえるでしょうかと述べておられます。これほど国民から高く評価されている自衛隊とその共同訓練に対し、被災した経験のない人や大学教授とか作家といった、いわゆる知識人まで見当外れの批判発言をしていることに、私は非常に憤りを感じています。こうしたいわれなき無責任な批判は、広範な都民の良識で毅然と反論していかなければならない、こう思います。
 そこで、今回の総合防災訓練で指揮をとられた石原都知事から、その成果と今後の方針についてご報告を賜りたいと思います。
 また、大規模地震における被災地の一刻も早い復興は、住民の切実な願いである生活をもとに戻すという観点から極めて重要でありますが、あわせて、被災を繰り返さないように、安全な都市づくりへ挑戦する機会でもあります。
 そこで、今回公表された「震災復興グランドデザイン(中間のまとめ)」の策定の意義を知事に伺うとともに、最終報告の取りまとめに向かって、東京の新しい都市像をどのように都民と共有するか、また、どのように施策に位置づけていくか、担当局長に伺います。
 さて、今回は地震を想定して訓練をされましたが、もう一つの重大な災害に、大規模水害があります。
 先日の東海地方を見るまでもなく、東京においても過去に局地的な大水害が発生しており、気象状況によっては、大雨による東京都内一円の大水害が予想されます。水害の場合は、地震と違いまして、水陸両用車とかボートといった特別な装備と訓練が必要となるはずです。
 そこで、来年は大規模水害を想定して、今年同様に自衛隊の本格的な協力を得て、ハードとソフトの両面から水防、水害訓練を実施されることを提案させていただきますが、総務局長の見解を伺います。
 さて、水害対策については、建設局や下水道局が大変努力をしておられますが、特に下水道局が進めておられます雨水整備クイックプランについて伺います。
 このプランは、局所的な集中豪雨による浸水被害を早期に軽減しようというもので、都内二十五カ所を重点地区とし、七十七カ所を小規模対応箇所として整備に着手しておられます。まず、この事業の内容及びその効果と進捗状況について、報告を願います。
 また、都内の東部地域に指定箇所が少ないようですが、隅田川、荒川、綾瀬川、中川といった大きな河川に囲まれておりますので、水はけが悪いと思われる地域を再点検して、整備箇所を追加するべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、伊豆諸島の災害についてお尋ねします。
 まず、三宅島については、島全体に大量の降灰があり、雨が降ると泥流が発生するわけですが、これまでの対応と今後の取り組みについてご報告ください。特に、三宅島では全島民避難というご苦労をおかけしているわけですが、これからの復旧、復興は東京都を挙げて取り組まなければなりません。先日の知事の所信表明でも、その強い決意のほどがうかがえます。
 しかし、そういう中で、三宅村議会と島民の皆さんの間に、人事案件で不信感が募るようなことがあったと報道されております。このことについて、ご担当の総務局長はどう受けとめておられるか、伺います。
 一方、新島、神津島では、地震による土砂崩れ等で道路の被害が多いとのことですが、都道の本格的復旧への取り組みについて、その具体策を伺います。
 最後に、極めて重要なことを申し上げます。
 それは、阪神・淡路大震災の後で、訓練していてもなかなかできない、訓練していないことは全くできないというのが消防関係者の証言でありましたが、いかに日ごろの訓練が重要であるかの金言であると私は思います。
 しかるに、日本共産党東京都議会議員団は、東京都が自衛隊と合同訓練をすることに反対をされ、知事に中止の要望書を提出したり、反対団体の要請行動に同席をしておられます。
 ところが驚いたことに、先日、日本共産党本部は、国民の安全のために自衛隊を活用するのは当然と、共産党都議団と真反対の見解を発表しました。(発言する者あり)したがって、共産党本部の傘下にある共産党の都議団は、合同訓練の中止を申し入れた要望書を直ちに撤回されるべきであると思いますが、都民の皆さんは、そして、この議場の同志の皆さんは、どのようにお考えでしょうか。
 しかし、今回の共産党本部の、自衛隊は違憲であり、将来は解散させるが当面は使うという見解は、まるで使い捨て懐炉のような取り扱いでありまして、自衛隊の設立精神とその存在意義を軽んじるものであり、決して認めるわけにはまいりません。このことを、少年自衛官出身の議員として、私は強く申し上げておきます。もし、このことについて、知事として何か特別のご感想があればお聞かせいただければ幸いと、こう申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔発言する者多し〕
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 三原將嗣議員の一般質問にお答えいたします。
 先般、日暮里・舎人線の視察に参りました。加えて、常磐新線についてのご質問でありますが、現場を視察した結果、当然私にとっても初めてのことでありますが、なかなか厄介な工事がかなり進んでいるなという感じがいたしました。
 これは進むも地獄とはいいませんが、進むも厄介、下がるも厄介ならば、ここまで来たならば、これはやっぱり知恵を出し合って、コストパフォーマンスも考えながら進めなくちゃならないなという感じがいたしましたが、なかなか厄介であります。
 いずれにしろ、この日暮里・舎人線は、区部北東部の交通利便性の向上とまちづくりの推進に寄与するものでありまして、鉄道というものは、本来そういう大きな力を持っていますが、こういう時代で、財政の問題も考えまして、なかなか難しいとは思いますけれども、いずれにしろ、今後もコストの縮減と区の負担も含めた財源確保に努めながら、着実に事業を推進していかなくてはならないと思っております。
 一方、常磐新線は、これはもっと厄介でありまして、用地の収用が、千葉県の部分はわずか二%しか行われておりません。この間も初めて会社の社長を呼びまして、私の要請で無料でアドバイスをいただいている樋口広太郎さん以下、最もすぐれた経営者たちの財政に関するアドバイザリーボード、特に外郭団体の問題をフォーカスし、またこの問題を非常に重視されたので、そこの場にも社長を呼びましたが、わずか残された時間にあとの九八%の土地の収用というのが可能かどうかということは、非常に難しいというか、疑義がございますけれども、いずれにしろ、多くの問題が残っておりまして、開業後の採算の見通しについても非常に問題がございます。
 これはやはり沿線の各県とも協議しながら、今後の推進にどう取り組むか、国にも協力を求めていかなくちゃならぬ問題だと思っております。
 次いで、臨海副都心におけるカジノについてでありますが、都市型のエンターテインメントの一つでありますカジノは、私はやはり都市の魅力を一層高めるものであると思いますし、観光客の誘致や自治体の財政収入増加にさまざまな効果をもたらすものと思います。
 ちなみに、先進国の中で百万を超す大都市にカジノがないというのは日本だけでありまして、そういう点でも、私は、世の中にはパチンコ屋がはんらんしておりますけれども、それに比べてもっと整然とした、いろいろなエンターテインメントを兼ね備えたカジノは、当然東京に限らず、日本の大都市に、都市の一つの要件として備えられるべきものではないかと思っております。今後、バランスのとれた総合的なまちづくりを目指します臨海副都心は、そういう意味でもカジノの適地の一つと考えております。
 ただ、いろいろ法律の規制と申しましょうか、非常に矛盾した点がございまして、これはやっぱりそれをどう処置していくか、国とのかかわりもございますし、それを推進するための、もっと情報というものを集中して集めて、国を説得していきたいと思っております。
 次いで、先般の九月三日のビッグレスキューの成果と今後の方針についてでありますが、今回初めて統合運用された陸・海・空三軍と警察、消防などの関係機関が連携して、大規模かつ実践的な総合防災訓練を実施したことは、首都東京の危機管理に大きく寄与したと思っております。
 都内の各地での会場でも、多くの都民やボランティアの参加する中で、自衛隊、そして警察、消防が一体となりまして、非常にいい雰囲気での共同作戦を展開できたと思っております。今後とも、都民の生命と財産を守るために、区市町村とも連携を強めて、より実践的な訓練を実施してまいりたいと思っております。
 それでも、まだ総括が済んでおりませんが、いろいろ反省点もございます。またあわせて、総理も、これは非常にいいことなんで繰り返してやろうといってくれておりますし、まあ総理はいつかわるかわかりませんが、私がいる限りは、次々の総理を説得して、これを実現していきたい。
 これは決して、単に東京のためだけではなくて、日本全体の大都市に適用できるフォーマットをつくるわけでありますから、そういう点で、これからも試行錯誤はあるかもしれませんけれども、繰り返し行うことで、効果のある方法というものを編み出していきたいと思っております。
 これに加えて、共産党のマヌーバーといいますか、ビヘービアといいましょうか、その印象でございますけれども、何か抗議は出ているようですが、撤回の要望書が出たのなら速やかに撤回して、そしてこの次はぜひご本部とも相談されて、積極的な訓練の要望書など出していただきたい。
 時代の流れの中、共産党もなかなか苦しいところがおありのようで、多分混乱が続いているのでしょうけれども、いずれにしろ、マッカーサーが日本を本質的に解体するための憲法を押しつけたときに、国軍を持たない国家があるかということで一番反対したのは共産党だったことを、私は印象的に覚えております。(「関係ないよ」と呼び、その他発言する者多し)党史を読んでごらんなさい、党史を。
 次いで、震災復興グランドデザインの策定の意義についてでありますが(発言する者多し)うるせえな。東京が大地震に襲われた場合、甚大な被害が生じると想定されております。震災後の東京は、できるだけ迅速な復興が求められると同時に、同じ被災を繰り返さない都市としてよみがえらなくちゃならないと思います。
 そのためには、抜本的な都市改造を内容とする震災復興グランドデザインを震災以前に策定して、復興後のまちの姿を都民とともに共有しておくことが重要だと思います。そのためにも、私権の制限も踏まえて、都民の大幅な協力が必要となるわけでありますから、まずやはり案というものを提示しなければ、都民のスタンスも変わってこないと思いますので、その必要上も、こういったものを策定いたしました。
 また、都としても必要な法制度の課題などこれから検討し、国に働きかけていくつもりでございます。
 その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔都市計画局長山下保博君登壇〕

○都市計画局長(山下保博君) 二点についてお答えいたします。
 日暮里・舎人線の車両基地にかかわる都市計画変更についてでございますが、昨年行いました利用者数の見直しによりまして、車両数の減少を行いました。また、規制緩和に伴う車両検査の外部委託化なども図りまして、これらによりまして、車両基地の規模を縮小できるようになりました。その結果、民有地部分の施設計画を変更し、車両基地全体を舎人公園の中におさめることが可能となりました。
 こうしたことを踏まえまして、建設省など関係機関と協議を進めているところでございます。
 お話にございました日程も念頭に置きまして、できるだけ速やかに地元にも説明するなど、都市計画の変更手続を進めてまいりたいと考えております。
 それから次に、震災復興グランドデザインの都民との共有並びに施策への位置づけについてでございますが、今回の中間のまとめに基づきまして、各種の広報広聴手段を活用して、広く各方面の意見を反映させながら、最終案を取りまとめていくことにいたしております。
 また、それとともに、策定の後には、さまざまな機会を通じまして普及啓発を図りながら、都民と共有できるよう努めてまいりたいと存じます。
 また、今後改定予定の東京都都市復興マニュアル、この中に広域復興計画のモデルプランとして組み込むとともに、災害対策基本法に基づく東京都地域防災計画に位置づけていく方針でございます。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 都市基盤整備について、五点、お答えいたします。
 日暮里・舎人線の工事の見通しについてですが、全線九・八キロのインフラ工事のうち、支柱については五五%、けたについては一四%が本年度末に完成する予定です。
 来年度は、既に着手している荒川及び隅田川の橋梁下部工事を継続して進めるとともに、荒川区内では、都電荒川線熊野前駅付近などで支柱工事を実施する予定です。
 次に、第六次特定交通安全施設等整備事業七カ年計画についてですが、平成八年度を初年度とするこの計画では、歩道設置、交差点改良、道路標識の整備など、七カ年で約千五百億円を見込んでおり、平成十一年度末までに六二%を執行しています。
 今後とも、交通安全施設等の整備を推進し、交通事故の防止と道路交通の円滑化に努めてまいります。
 次に、道路案内標識についてですが、信号機に設置する主要地点名の選定に当たっては地元の意向を配慮し、関係する区市町村、道路管理者、警察署などで調整し、決定してきております。今後、地元の意向を一層反映し、その場所にふさわしい地点名となるよう、三者で十分調整してまいります。
 三宅島における泥流対策についてですが、都は、いち早く土木職員による現地調査を実施するとともに、砂防の専門家を交えた委員会を立ち上げ、降雨時に避難するための基準雨量を設定し、沢ごとの安全対策の検討を進めています。
 これまで、都道上の泥流除去を繰り返し行うとともに、泥流発生を知らせるワイヤーセンサーの設置、大型土のうの設置、仮設流路の整備に加えて、自衛隊の支援による土のうの設置など、応急対策を行ってきました。
 今後は、火山活動が鎮静し、作業上の安全性が確保され次第、山腹における砂防ダムの設置や流路の整備など、本格的な復旧工事に全力を挙げて取り組んでまいります。
 新島、神津島の都道の本格的復旧への取り組みについてですが、地震により、新島では十九カ所、神津島では三十四カ所にわたって大規模な落石や土砂崩れなどの都道の被害が発生しました。これまで地震が続く中で、生活に関連した道路を中心に、土砂や倒木の撤去等により、最低一車線程度を確保する応急復旧工事や、迂回路の設置に努めてきております。
 現在、二次災害を予防しながら、斜面防護等の災害復旧工事を行うとともに、新島では、新しいトンネルの建設について、国等関係機関と協議を進めております。
   〔港湾局長齋藤哲哉君登壇〕

○港湾局長(齋藤哲哉君) 東京ベイエリア21に関連して、海上公園の新たな展開についてのお尋ねにお答えいたします。
 ゆとりと豊かさを求める都民意識の変化から、海釣り施設の導入などに対する都民の要望が強いことは承知をいたしております。
 東京ベイエリア21につきましては、今後、広く都民の意見を聞くこととしており、海上公園の役割についても、ご指摘の趣旨を踏まえ、最終的に取りまとめてまいります。
   〔総務局長大関東支夫君登壇〕

○総務局長(大関東支夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 来年度の防災訓練は、水防、水害に焦点を当てて実施すべきではないかというお尋ねでございますが、ご案内のように、東京は中小河川のはんらんや下水管からの雨水の吹き出し等、いわゆる都市型水害にたびたび見舞われております。
 このため、都はこれら風水害に対応する訓練といたしまして、情報伝達訓練を毎年実施しておるわけでございます。今年度の総合防災訓練におきましては、隅田川において、堤防の決壊を想定いたしました仮堤防築造訓練も実施いたしました。
 今後は、先般の東海地方のような大規模な水害も想定いたしまして、備えておくことは大変重要な課題、このように認識しております。ご提案の来年度の防災訓練の実施に当たりましては、今後、警察、消防、自衛隊など関係機関との調整を踏まえまして検討していきたいと考えております。
 次に、三宅村の助役人事案件についてのお尋ねでございますが、先般、三宅村村長からの強い要請を受け、都として自信を持って推薦した職員に係る助役人事案件が、村議会において否決されたことは、都といたしまして極めて遺憾でございまして、同時に、島民にとりましても大変不幸なことと受けとめております。
 現下の厳しい非常事態を乗り切るためには、村の執行機関と議会が一つになり、都と協力していく体制が不可欠であると考えております。避難している住民のためにも、一日も早く万全の体制が整うことを、切に願っております。
   〔下水道局長横山博一君登壇〕

○下水道局長(横山博一君) 雨水整備クイックプランについてのご質問にお答えいたします。
 まず、雨水整備クイックプランの内容と進捗状況、効果についてでありますが、本年三月に策定いたしました雨水整備クイックプランは、昨年までの浸水被害などを勘案し、地域を重点化した上で、雨水貯留管の整備やますの増設など、それぞれの地域特性を踏まえた多様な対策を組み合わせることで、浸水被害を早期に軽減させるものであります。
 現在、重点地区と小規模対応箇所を合わせた全体の着手率は八四%となっており、今年度中にはすべての地区で着手する予定であります。
 また、可能な限り速やかに効果が発揮できるよう努めており、雨水の貯留を開始した品川区などの一部地区では、浸水被害の軽減効果があらわれております。
 次に、雨水整備クイックプランへの東部地域における整備区域の追加についてでありますが、雨水整備クイックプランでは、東部地域における対策として、ポンプ排水能力の増強や、重点地区として一地区、小規模対応箇所として十三カ所の対策を盛り込んでいます。
 ことしの集中豪雨により浸水被害が発生した地区につきましても、浸水発生原因分析を行い、緊急性を勘案し、地域特性に合った効果的な対策を雨水整備クイックプランに追加してまいります。

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