平成十二年東京都議会会議録第十二号

   午後一時一分開議

○議長(渋谷守生君) これより本日の会議を開きます。

○議長(渋谷守生君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(渋谷守生君) これより質問に入ります。
 百十三番佐藤裕彦君。
   〔百十三番佐藤裕彦君登壇〕

○百十三番(佐藤裕彦君) 平成十二年第三回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問をいたします。
 まず最初に、六月以来の伊豆諸島における噴火・地震災害により多大な被害をこうむった住民の皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 特に三宅島の島民の方々には、全島避難という島始まって以来の事態に至り、住みなれた島を離れ、また、ご家族が離れて暮らさざるを得ないなど、困難な状況での避難生活を余儀なくされている現状であります。
 国においては、森総理大臣が率先して被災した各島の現状や秋川高校での子どもたちの避難生活などをつぶさに視察し、さまざまな対策を講じておるところでありますが、私ども都議会関係者といたしましても、皆様方のご意見、ご要望をしっかり受けとめ、これまで以上に支援に万全を尽くしてまいる所存であります。
 島民の皆様方も、この困難に耐え、乗り越えられるよう、気を強く持って頑張っていただきたいと存じます。
 我が党は、過日の衆議院総選挙での国民の声やその後の政治、社会情勢を踏まえ、国政の責任与党として、公共事業の見直しなどの改革に積極的に取り組んでおります。
 私ども東京都議会自民党といたしましては、こうした国の動きを先取りしつつ、首都東京としての特有の課題の解決に努め、都民の信頼と生活の安定に努力していく決意であります。
 なお、今回の臨時国会において審議されると聞いております永住外国人の参政権問題について一言申し上げたいと思います。
 この問題は、国のあり方、国の基本政策にかかわる問題であると私どもは認識をいたしております。したがいまして、地方参政権を付与するか否かは、目先の問題に惑わされることなく、根本にさかのぼった広範な議論がなされるべきであり、当然のことながら、地方参政権にかかわることでありますので、地方自治体の意見も十分に尊重されるべき課題であると考えております。
 憲法にかかわる議論もある中で、我々としましては、くれぐれも拙速を慎むべきであるとの立場に立っていることを明らかにした上で、三千三百の自治体のトップである知事におかれましても、賢明な議論が行われるよう国に強く求めていくべきと考えますが、みずからもその洗礼を受けることになるでありましょう知事のご所見をまずお伺いをいたしまして、都政に関する質問に入らせていただきます。
 初めに、財政問題について伺います。
 現下の都財政を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いていますが、三宅島を初めとする伊豆諸島における災害対策を初めとして、時期を失することなく適切に対応しなければならない課題が山積しております。
 災害対策については、この後、まとめて質問をいたしますが、都民生活を向上させ、経済の活性化を図る上で、景気の持続的な回復を図ることも焦眉の急であります。
 国政において、我が党のリーダーシップにより公共事業の大胆な見直しが行われましたが、人口の集中する大都市における社会資本整備の重要性は引き続き変わらないものであります。おくれている東京の社会資本整備の推進を図る上でも、国の積極的投資を促し、都としても前向きに対応すべきであります。
 国は、五千億円の公共事業等予備費の配分に続き、さきに日銀が決定したゼロ金利解除の景気への悪影響を見越して、今秋にも、日本新生プランで打ち出したIT、都市基盤整備、高齢化対策、環境対策四分野の前倒しを含めた補正予算の編成を行う動きがあると聞いております。こうした国の補正予算等の動きに対して、都としても適切に対応していく必要があると考えますが、知事のご所見を伺います。
 先日、十一年度普通会計決算が発表されました。実質収支は八百八十一億円の赤字で、二年連続の赤字となり、財源対策を講じなかった場合の赤字は、約五千八百億円もの巨額なものになっております。
 また、経常収支比率も、美濃部都政最終年度である昭和五十三年以来二十一年ぶりに一〇〇%の水準を超え、都は、家計に例えれば、借金しなければ毎月の生活ができない状況に陥ってしまったのであります。
 そして、現状のままでは、十三年度の財源不足額は四千三百億円になると見込まれ、この巨額な財源をどのようにして今後捻出していくのかが最大の課題であり、これからがまさに財政再建に向けた正念場といえます。
 そうした中、六月末現在の都税収入が、対前年度比で一〇%を上回る増となっていると新聞で報じられました。
 そこで伺いますが、直近の都税収入の動向はどうなっているのでしょうか。また、今年度の都税収入をどのように見通しているのかをお尋ねいたします。
 今後も引き続き、財政再建推進プランに基づき財政構造改革を推進していかなければなりませんが、そのためには、まずは過去の赤字額をできるだけ早く解消し、臨時的な財源対策を講じなくても予算編成が可能となるようなしっかりとした道筋をつけていくべきであると考えます。
 そのためにも、十一年度に発生した八百八十一億円の赤字を今後どのようにして解消していくのか、知事のご所見を伺います。
 一方、七月末には、平成十三年度予算見積もりの依命通達が出され、来年度予算編成作業が実質的に開始をされました。
 知事としては、財政構造改革推進の二年目の予算でありますが、我が党としては、依命通達にもあったとおり、自主的な財政再建の達成に向け、さらなる財政構造改革を推進する予算であるとともに、都民の方々に夢を与えることができるような、希望の持てるような予算となることを強く期待をいたしております。
 そのためにも、歳出面においては、単なるマイナスシーリングによる経費の削減に終わることなく、より一層の内部努力を図ることにより財源を確保するとともに、社会経済状況の変化を踏まえ、旧態依然とした施策から、都民に歓迎される施策への再構築が積極的に行われなくてはなりません。
 歳入確保についても、即効性のあるものとして、引き続き徴税努力を行うとともに、特に、事業残地や不法占拠地等未利用財産の積極的利用、売却を進めていくことが必要であり、そのことが、都の財政構造改革推進への取り組みの真剣さをアピールすることにもなるのであります。
 税財政制度の改善についても、東京都税制調査会からの提言を含め、国への働きかけを一層強化し、税源移譲等の早期実現を図っていく必要があります。
 財政構造改革推進二年目に向けて、今後の予算編成における課題をどのように認識し、それに対しどのように対応していくのか、知事のご所見をお伺いをいたします。
 一方、先般、さきの知事の発言の中でもあった、都政のかなめとなる二つの長期戦略、東京構想二〇〇〇、都政改革ビジョン1の中間のまとめが発表され、目指すべき東京の将来像と実現に向けた道筋や、今後の行政改革
の推進についての青写真が明示をされまし
た。
 これらの戦略は、東京の危機を乗り越えていく上で必要不可欠なものであり、さらに、現在の東京を、魅力と活力に満ちた「千客万来の世界都市」実現へのバイブルでもあり、今後の政策展開を図っていく上で非常に重要なものと認識をいたしております。
 そして、願わくは、最終のまとめは都民に夢を与える内容であってほしい。青山副知事描くところの後藤新平ではありませんが、先を見越した多少の大ぶろしき的発想が必要かと思います。
 しかしながら、その東京構想二〇〇〇で打ち出された十六の分野の政策目標により今後の新しい東京の生活像や都市像を実現していくためには、まず第一に財源の裏打ちが必要なのであります。
 今回策定された二つの計画を生かすために、財政再建期間中であることを十分留意し、まずは十三年度予算編成の中で適切にその政策を反映させていくことであると考えます。
 これらの計画を踏まえ、知事は二年目の予算として、十三年度予算にどのように臨まれるのか、基本的認識をお伺いをいたします。
 次に、島しょ地域における噴火、地震災害についてお伺いをいたします。
 三宅島噴火、新島、神津島、式根島等の地震災害は、長期化の様相を呈し、予断を許さない事態が続いております。打ち続く噴火や土砂崩れなどで、心の安まる間もなく、先行きの見えない今後の生活について大きな不安を抱いている島民の皆さんの心中は察するに余りあります。
 特に、三宅島におきましては、島民の島外避難が相次ぎ、ついに今月二日には一部要員を除いた全島避難指示が出されるなど、事態は極めて深刻となっております。
 改めて申し上げるまでもなく、住民の生命を守り、安全を確保することは、行政の最も重要かつ基本的な役割であり、まさに今、東京都は、自治体としての真価が問われるといっても過言ではありません。
 この間、副知事を初め関係職員の皆様方には、かかる役割を十分認識され、みずからの危険を顧みず、昼夜を分かたぬ真摯な努力を払われていることに心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、職員の方々の健康には十分に留意されんことを切に願うものであります。
 さて、国の対応も珍しく非常に迅速なものがありました。三宅島において最初に緊急火山情報が出された、あの六月二十六日から一カ月後の七月二十五日には、緊急災害復旧等に対する予備費配分が閣議決定をされ、三宅島等の災害に対して、二百億円が措置されたところであります。
 都の各局の対応も、マスコミの一部には厳しい見方もありますが、全体としては大変よくやっていると評価できるのではないかと思っております。しかし、まだ十分ではありません。
 そして、さらに必要なことは、今後の災害対策に必要な予算上の措置であります。国において予算の配分が既に行われており、都としても速やかに対応すべきであります。もちろん、これまでも災害に対しては必要な経費の手配を行っていることと思いますが、既定予算内での対応ではいずれ限界に達します。
 金に糸目をつけないとはいわないまでも、予算は確保するから大丈夫だと太鼓判を押すことが、東京都としての今回の災害に対する姿勢として関係者を安心させるものではないでしょうか。
 都財政は、現在、極めて厳しい局面にあり、財政再建推進プランに基づき着実に再建をなし遂げなければならないことは当然のことであります。しかし、このたびの島しょ地域の災害は、火山噴火予知連を初めとした専門家ですら予測のつかない異常事態であり、先ほど申し上げた行政の最も基本的な役割を果たす上でも、何物にも優先して対応すべきものと考えております。
 そこで、都としての災害に対する責任を確実に全うするため、今後可能な限り速やかに災害関連の補正予算を編成する必要があると思いますが、決意をお伺いをいたします。
 次に、島の大切な資源である観光産業対策についてお伺いをいたします。
 伊豆諸島の災害の状況がテレビや新聞などで大きく取り上げられ、連日のようにニュース報道されております。このため、直接災害を受けていない大島や八丈島、ひいては静岡県の伊豆半島などにも観光客の敬遠ムードが広がり、七月から八月にかけての書き入れどきを中心に、いわゆる風評被害の影響が出てきております。
 そこでまず、これら大島や八丈島などへの風評被害に対する観光対策が急がれるところでありますが、都はこれをどのように実施しようとしているのか、お考えを伺います。
 全島避難となった三宅島はもちろん、被災している島々における観光産業への被害は甚大なものに上ると考えられます。直接の被災地域を含め、災害が終息した後における伊豆諸島全体の観光復興対策、特に明年の観光シーズンに向けてどのような対応をしていくのか、お考えをお伺いをいたします。
 次に、被災者の方々の就業対策についてお伺いいたします。
 改めていうまでもなく、仕事を通じた収入の確保なくして生活の安定は図り得ないものであります。このため、我が党としては、今月八日、都知事に対して、被災者への就業対策の実施に向けた緊急要請を行ったところでありますが、都は、国の東京労働局と連携して、いち早く避難者の方々に対する緊急労働相談を実施され、さらに、今月十一日には、さまざまな緊急就労対策を機動的に打ち出されました。こうした迅速で真摯な被災者支援の取り組み姿勢は、高く評価できるものであります。
 しかし、今回の災害が長期化の様相を見せる中で、被災島民の方々の暮らしを守るためにも、今後これらの就業対策をどのように展開をされようとしておられるのでしょうか、お伺いをいたします。
 次は、離島航路の確保についてであります。
 島しょの港湾は、災害時には住民の避難や緊急物資の搬入等に重要な役割を果たすもので、その機能維持が強く求められております。
 しかしながら、今回の災害で、全島避難となった三宅島を初め、すべての離島航路で乗客数が大幅に減少しており、このままでは離島航路事業の維持に支障が出るような厳しい状況にあると聞いております。いうまでもなく、離島航路は島民の生活を支える貴重な足であり、これを確保することは都の責務であると考えますが、このために都としてはどのような対策を図っているのか、お伺いをいたします。
 今回の災害が長期化することも懸念されているところですが、島外に避難をした村民の中には、例えば、安否情報や生活情報の不足などにより不安を感じている人も少なくありません。都としても、避難した島民が安心して避難生活を送れるように配慮すべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。
 次に、島の宝であり、島の将来を担う子どもたちの教育に焦点を当て、何点か質問をいたします。
 六月から今日に至るまで、地域の方々を初め、校長先生や教職員の方々が、全島避難という困難な状況にあっても、教育に対する情熱を失うことなく、子どもの教育に全精力を傾けてこられたことに、まずもって敬意を表したいと思います。
 また、このように大勢の児童生徒を受け入れ、親身にお世話くださっている秋川高校の教職員の方々にも厚く御礼を申し上げます。
 子どもの教育は、どのような状況下においても中断させることがあってはなりません。東京都教育委員会は、子どもたちの教育の場や機会を確保するため、どのような対応をしたのか、お伺いをいたします。
 第二に、三宅村の教職員の方々は、噴火の兆候があらわれて以来、子どもたちの教育と安全の確保に全力を尽くし、秋川高校に避難してからも、昼間は授業、夜は寮生活の指導など、親がわりの役も務め、昼夜分かたずの勤務が続いていると聞いております。東京都教育委員会は、教職員の勤務体制について、どのような対応をしているのか、お伺いをいたします。
 第三に、当初一カ月といわれた子どもたちの秋川高校での避難は、火山活動の状況によっては長期化することも予想されております。その場合の対応をどのようにするのか、子どもたちの不安を打ち消せる答弁をお願いをしたいと思います。
 今回の一連の自然災害は、四島に限らず、他にも大きな被害が出ており、これからも十分な対応をとることを要望するとともに、この災害支援に対する知事の決意をお伺いをいたしまして、島の災害に関する質問を終わります。
 次に、東京構想二〇〇〇についてお伺いします。
 去る九月八日に、石原知事は、東京構想二〇〇〇中間のまとめを発表しました。石原知事として初めて体系的、長期的に政策を打ち出していくものとして、私たちはその内容に注目していたところであります。
 そこでまず、東京構想二〇〇〇がなぜ必要なのか、その必要性と意義について改めて知事のお考えをお伺いをしたいと思います。
 東京は、日本の首都として、そして経済、文化の中心としてこれまで日本を支えてきました。しかし、「世界競争力年鑑二〇〇〇」によりますと、日本の競争力は、平成八年の四位から、わずか四年後のことしは十七位になってしまったといわれております。再び日本の競争力を向上させていくには、東京を首都としてしっかりと位置づけ、世界のトップレベルの大都市として、そして日本の経済、文化の中心として再生させ、その力をもって日本を再生させていく必要があると思います。これからも首都として日本を支えるのは東京しかありません。
 首都機能移転については、担当大臣である扇千景国土庁長官すら、そして中曽根康弘元首相まで反対を唱えるに至っております。東京構想では、首都移転断固反対の立場に立って、東京を二十一世紀の日本の首都として発展させていくことを高らかに、かつ明確にうたうべきと考えますが、知事のご所見をお伺いをいたします。
 特に、東京の活性化のためには、都市基盤整備を進める必要がありますが、一方では、都財政は厳しく、投資的経費は絞られております。他方、国も大都市部に対する投資に全く積極的でない今の状況のままでは、都市基盤整備が進まず、東京の活性化は難しくなってしまうおそれがありますが、この問題をどうお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
 少子高齢化が急速に進む中で、日本は、これまで経験したことのない人口減少社会を迎えることとなります。構想では、東京も同様の傾向になると分析していますが、東京という都市の活力を維持向上していくためにはどうしようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
 先ほど挙げた「世界競争力年鑑二〇〇〇」によると、日本の競争力低迷の原因として、情報通信技術を使ったオンライン関連産業などのニューエコノミー対策がおくれていることが挙げられております。つまり、ITにどう対応していくかが世界的に問題となっています。
 しかし、構想を見ると、IT関係の施策としては、光ファイバー網の整備ぐらいしか見当たりません。都政改革ビジョン1では、電子都庁の話が載ってはいますが、これは、都庁内部とそれに直結した都民サービスへのIT活用に限られております。では、一体、東京という都市の情報化戦略についてはどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。
 構想は、東京都としての構想であるとともに、区市町村にとっては、これからの行政の指針となるべきものであります。そういう意味では、区市町村の意見をよく反映すべきであり、区市町村の行うべき事業は各自治体とよく調整すべきでありますが、区市町村との関係はどうなっているのかをお伺いいたします。
 以上、いろいろ申し上げましたが、まだ中間のまとめということで、抽象的でもあるし、全部を描いたものではないことは重々承知いたしております。そこで、構想関係の締めくくりとして、ひとつお伺いをしたいと思います。
 「千客万来の世界都市」というキャッチフレーズは書いてあるものの、具体的なイメージがこの構想からは余り見えてまいりません。知事として、今後この構想を深める中で、首都東京の具体的な魅力についてどうお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
 次に、行政改革について伺います。
 グローバル化、IT化、少子高齢化といった時代の大きなうねりの中、都には、時代の流れを的確にとらえた行政運営が求められており、不退転の決意で新たな行政改革に取り組むべきであります。
 先日、知事は、これからの都政改革の基本的な考え方と当面の都庁の行財政システムの改革の基本的方向を示す都政改革ビジョン1中間のまとめを発表し、新たな行政改革の取り組みを始められました。
 都はこれまでも、その時々に応じて行政改革に取り組んでまいりましたが、今、新たな行政改革を行うことの必要性についてどのように認識されているのか、知事にお伺いをいたします。
 行政改革は、実施されてこそ意味があります。今回の中間のまとめでは、改革の基本的方向しか明らかにされておりませんが、最終のまとめでは、ぜひ具体的な改革策を明確に示し、強力なリーダーシップのもと、行政改革を確実に実施していただきたいと期待いたしております。知事の行政改革にかける決意をお伺いいたします。
 次に、組織について伺います。
 我が党は、かねてより組織については、将来を見据えて、都がどのような政策や事業を展開していくかを明確にした上で再編整備すべきであると主張してきたところであります。
 組織の見直しは、ともすると、局の数を幾つにするとか、そういった組織改正自体を目的としたものになりかねません。石原知事には、時代の変化に対応した実効性ある見直しを断行していただきたいと考えます。そこで、今回の組織の見直しについての知事の基本的な考え方をお伺いいたします。
 監理団体の改革も、行政改革の中の大事な取り組みの一つであります。我が党も、監理団体については、本来の設立趣旨と活用のメリットを十分検証した上で、見直すべきものは見直し、活用すべきものは活用するよう主張してまいりました。
 都は、本年二月に監理団体総点検のための基本指針を公表し、現在、十一月に公表予定の総点検結果の策定に向けて作業を進めていると聞いております。
 そこでお伺いしますが、総点検作業の現在の進捗状況と、総点検結果にはどのような内容を盛り込むつもりなのか、お伺いいたします。
 ところで、現在の監理団体は、平成九年度の見直しにおいて、それまで百二十四団体あったものを七十団体に整理したものと聞いております。このとき、監理団体としなかった五十四団体については、現在、既に都としては関与していない、すなわち人も金も送っていないと確信いたしておりますが、この点どのようになっているかをお伺いしたいと思います。
 監理団体の改革について大切なことは、改革を単なる字面で終わらせないことであります。実効性のある根本的な監理団体改革をどのように行うつもりなのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 ところで、都は今年度より、内部努力の取り組みの一環として、すべての職員を対象として、給料を四%カットするとともに期末・勤勉手当について〇・四五カ月分カットし、全国でも最も厳しい給与の削減措置を講じております。
 一方、国家公務員については、さきの人事院勧告の実施に伴い、ボーナスのカット率は都を追い越し、〇・五カ月となりました。
 都の内部努力について都民は、全国で最も厳しいものとして理解しておりますし、我々議会も、このことを前提に、財政再建について、都民にもある意味では我慢をお願いする議論をしてきたのであります。
 依然として厳しい都財政の現状を考えますと、都の内部努力は、引き続き全国で最も厳しい内容であるべきです。この姿勢を強く出すためにも、期末・勤勉手当について、国の支給月数よりも厳しい削減を継続すべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。
 次に、知事がかねてより提唱してきた心の東京革命についてお伺いをいたします。
 先日、文部省の学校基本調査により、昨年度の不登校の児童生徒数は、実に過去最多の十三万人を記録したことが明らかになりました。特に中学校では生徒全体の二・五%を占めており、集団生活になじめず、人間関係がうまく結べない子どもの増加といった深刻な状況が続いております。
 こうした子どもたちの変容の根本的な原因は、社会のルールなど人とのつき合い方を大人社会がきちんと教え伝えてこなかったことにあります。家庭はもとより、学校や地域社会が子どもたちの変化を見過ごし、あるいは見逃してきた結果が、現在の危機的な状況を生み出しています。都立高校の女子生徒に多い厚化粧が一つの象徴かとも思います。
 個人は、社会あっての個人であり、子どもたちに社会性を身につけさせることは、親と大人の当然の責務であります。もはや学校が悪い、社会が悪いといっていられる状況ではなくなっており、地域全体であらゆる教育力を結集させることが求められております。
 新しい世紀を担う子どもたちに対して、大人たちが責任を持って正義感や倫理観、思いやりの心を育て、あすの社会を築き上げていくことが緊急の課題であります。そのために、このたび知事が策定、発表した心の東京革命行動プランは、社会に投じた大きな一石として高く評価するものであります。
 特に、あいさつさせよう、我慢をさせようなどといった呼びかけは、親や大人が日ごろからどのような行動をとるべきか、大人への問いかけの書として、また、かつては当たり前のことだっただけに深く考えさせられる内容であり、かつ、行政の策定するプランとしては画期的なものであり、知事の並々ならぬ決意が伺われるところであります。
 東京都が全国の先駆けとなって、この取り組みを開始することにより、各地域での取り組みや全国的な展開を巻き起こすことができることを大いに期待いたしております。心の東京革命は、大変スケールの大きなものであり、行動プランの発表を契機に、幅広い、そして息の長い運動を展開していくことが重要であります。今後、この行動プランをどのように推進していくのか、お伺いをいたします。
 この運動は、都民一人一人の心の問題でもあり、行動プランの実現は容易なものではないと考えます。プランの実行状況など、その成果を見きわめながら継続的に取り組む必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、都の国際政策について伺います。
 今やアジアは、東・東南アジア諸国を中心として、政治経済的に国際社会の中で着実に力をつけ、世界の中で一つの極を形成しようとしております。
 この地域の大都市が先導役となって連携し、世界を代表する地域としての発展を目指すという、知事の提唱されたアジア大都市ネットワーク21も、クアラルンプールでの準備会議ともいうべき共同提唱都市首長会議で、その骨格が定まったものと考えます。
 我が東京都議会自由民主党といたしましても、この構想には大いなる関心を持っているところであります。ついては、この共同提唱都市首長会議の成果を、知事はどのように受けとめておられるのか、お考えをお伺いいたしたいと思います。
 また、このネットワークが所期の目的を達するためには、どのような都市の参加が得られるのか、そして、どのようなテーマの共同プロジェクトに取り組むのかが極めて重要なポイントになるのではないでしょうか。今後、各都市への参加要請や共同プロジェクトの選定等を、来年秋、東京で開催予定の本会議に向けてどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。
 ところで、都はこれまで、ニューヨークに始まる十一の都市と姉妹都市提携を行い、それぞれの都市とさまざまな交流事業を実施してまいりました。また、都議会としても、北京、ニューサウスウェールズ、ソウルなど幾つかの都市と議会同士の交流を続け、今後の都政のあり方を考える上で貴重な示唆を得ております。
 二十一世紀には、企業間、都市間等さまざまなレベルでの競争が一層激化するといわれております。この大競争時代において都が確固たる地位を占めるためにも、少なくとも、ニューヨークやパリ、ベルリンなど先進国の主要都市が、今どのような問題に直面し、いかなる取り組みをしているかを知ることは、恐らく同種の問題を抱えていると思われる都にとっても必要なことではないでしょうか。
 こうした多様な動きを踏まえて二十一世紀の都政のビジョンを描く上で、アジア大都市ネットワーク21の設立に合わせ、姉妹都市との交流を今後どのように位置づけ、展開を考えておられるのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、福祉改革についてお伺いいたします。
 平成十二年度、東京都は、かつてない大幅な福祉施策の見直しを行いました。新世紀にふさわしい新たな福祉のあり方と、これにより都民生活がどう変わるのか、福祉改革推進プランにおいてその具体的道筋を示し、速やかに実行に移すことが喫緊の課題であります。
 その際、私が強調しておきたいのは、福祉改革の成否は、都民がみずから選択できる質の高いサービスが十分に供給できる体制を早急につくり上げることにかかっているという点であります。サービスのないところに選択はあり得ないのであります。
 これを実現するため、都として財源を重点的に配分し、緊急特別対策として基盤整備を進め、十分なサービス量を確保するために努力すべきであると考えます。
 同時に、思い切った規制緩和を行い、福祉分野に民間事業者の参入を促進すべきであります。こうしてこそ、競争が促され、サービス向上も期待されるわけであります。規制緩和の流れは、国においては遅々とした歩みでありますが、都は、独自の取り組みを勇気を持ってやっていく必要があるものと考えます。
 また、都民が安心してサービスを選択し、利用できるよう、事業者やサービスについての情報に、利用者が的確にアクセスできる体制の整備も必要であります。
 こうした諸課題を早急に克服することが、今日、最も重要と考えるものでありますが、知事は、福祉改革への本格的取り組みについてどのようなお考えをお持ちなのか、福祉改革推進プランの策定及び実行に向けた今後の方針とあわせて、ご所見をお伺いいたしま
す。
 これからの福祉は、今まで以上に、区市町村の主体的な取り組みがますます重要になっていきます。我が会派の強い要望に基づき創設された包括補助制度「がんばろう!東京福祉」は、区市町村の主体的な取り組みを支援するものであり、福祉改革を実現するためには、極めて有効かつ重要な手法であることを確信をいたしております。
 区市町村からは、独自性あふれる多様なアイデアが提唱され、既にことしは、予算のうち相当割合が内示され、各地域での意欲的な取り組みが始まっております。
 この包括補助制度「がんばろう!東京福祉」は、福祉改革の確実な推進のため、さらなる充実が不可欠と考えますが、事業の取り組み状況とあわせて、ご所見をお伺いいたしま
す。
 また、保育サービスの充実について、これまで都はさまざまな施策を打ち出してきており、今年度実施の十一時間開所保育対策事業も、サービスの向上という点で、福祉改革と流れを一にするものであります。
 しかし、実施に際して、時間的余裕が十分ではなく、少なからず影響が生じてきております。事業の確実な定着を図るためには、実施時期の再度の見直しが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 介護保険がスタートして六カ月を経過いたしましたが、いよいよ来月から、六十五歳以上の方の保険料の半額徴収が始まります。介護保険は、今のところ大きな混乱もなく、順調に運営されているようであります。
 しかし、全く新しい制度のため、幾つかの課題が出てきており、国においては、与党間で見直し作業が進められております。走りながらの見直しも必要だとは思いますが、見直しに当たっては、分析は厳密に、制度はシンプルに、そして運用は柔軟にという三点のことを強く求めたいと考えます。対象者の方々が高齢者であり、ご家族の皆さんも、日ごろ、介護のことで大変お疲れでありますから、特に制度の見直しに当たっては、よりわかりやすいものとなるよう努力すべきであります。
 一方、東京のような大都市では、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が多く、地域での支え合いも期待できないことから、高齢者介護の問題は、まさに大都市問題であるといっても過言ではありません。
 以上のような観点から、介護保険については、法に定める五年後の制度の見直しを待つことなく、東京こそが、全国自治体の先頭を切って、国に対して具体的な改善をいち早く提案すべきと思いますが、これについてのお考えをお伺いいたします。
 次に、多摩地域全体の下水道経営の効率化についてお伺いいたします。
 現在、多摩地域の一部には、市が単独で設置、管理している下水処理場があります。これらの下水処理場では、施設の老朽化が進み、施設の再構築や高度処理施設の整備、汚泥の処理、資源化など多くの課題に直面いたしておりますが、処理場周辺の環境問題や用地の制約などがあり、その対応に苦慮しております。また、流域関連公共下水道の事業を行っている市町についても、専門職員が不足するなど、維持管理等でさまざまな課題に直面いたしております。
 こうした状況の中で、単独で処理している市からは、流域下水道への編入について強い要望が寄せられており、また、多くの市町村から、維持管理業務の都と市町村による広域的な共同実施を求める声が寄せられていると聞いております。
 都も市町村も厳しい財政状況の中で、多摩地域において、広域的な事業運営による下水道事業の効率化を図ることが重要であります。そこで、お伺いいたします。
 三鷹市、立川市、八王子市、町田市では、市が単独で処理場を整備してきたわけでありますが、老朽化した施設の再構築や高度処理施設の導入、合流式下水道の改善など、新たな施設整備の必要に迫られております。そこで、流域下水道への編入を含め、将来を見据えた効率的な下水道事業の仕組みづくりの計画を検討できないでしょうか。
 これまで、都と各市がそれぞれの立場で行ってきた水質検査業務を、都と一部の市とがまとめて共同実施していると聞いておりますが、どのような効果を発揮しているのでしょうか。また、今後、拡大する計画はあるのでしょうか。
 市が単独で運営している処理場に限らず、流域関連公共下水道も含めた多摩地域の下水道の効率化のためには、水質検査業務のほかにどのような手法が考えられるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、都内市町村における新築住宅にかかわる固定資産税、都市計画税の減免措置に対する財政支援についてお伺いいたします。
 我が党は、去る第二回定例会において、なぜか民主党の反対がありましたが、この施策が、景気回復の刺激策として、また良質な住宅ストックに資するものとして極めて意義あるものであることから、都内市町村においても同様の措置が行えるよう、市町村に対する財政支援策について、知事の所見を伺ったところであります。これに対して知事は、東京都としては、市町村の財政運営や課税自主権に配慮しながら、前向きに十分検討していきたいとお答えをいただいたところであります。
 今回の減免措置が景気対策という政策目的を持ち、三年間という時限措置であることから、都の支援表明がおくれればおくれるほど、日一日とその効果は薄れてしまいます。ぜひ、今定例会において、市町村に対して財政支援を行うことを明らかにしていただきたいと考えます。改めて知事のご所見をお伺いをいたします。
 次に、市町村合併についてお伺いをいたします。
 田無、保谷両市民の多年にわたる願いでありました両市の合併が、二〇〇一年一月二十一日の西東京市の誕生に向け、いよいよ大詰めを迎え、本定例議会に議案が提出されているところであります。この田無、保谷両市の合併に向けての長年にわたる両市の取り組みに、深く敬意を表するところであります。
 また、合併の決定に当たって、その賛否や新しい市の名称などについて、全国で初めて投票方式による市民意向調査を行ったところであります。共産党がなぜこの問題に反対するのか、理解に苦しむところでありますが、我が党は、この先進的な取り組みを高く評価するとともに、二十一世紀最初の対等合併となる両市の合併について全面的に賛成するものでありますが、知事は、今回の合併についてどのように評価をされるのか、ご所見をお伺いをいたします。
 また、知事は、本定例会の所信表明の中で、都として、今年度中に市町村の合併に関する検討指針を作成し、都内市町村の合併機運が高まるよう積極的に支援していくと表明をされました。我が党は、市町村の主体的な取り組みのもとに積極的に市町村合併を推進すべきであるという立場から、今後、都はどのように市町村合併を進めていくのか、知事のご所見をお伺いをいたします。
 次に、羽田空港の国際化についてお伺いをいたします。
 羽田空港の国際化については、我が党を初め都議会各党が共同してその実現に向けて取り組んでいるところであり、また、知事も職員の先頭に立って国に強く要請されていると承知をいたしております。
 その努力の成果として、今回、大田区の地元の方々が計画をされたハワイ・アロハフェスティバル参加のための国際チャーター便が、何と二年ぶりに羽田から飛び立つことができました。このことについて、まず、知事のご感想をお伺いをしたいと思います。
 また、運輸省は、羽田空港有効活用検討委員会の中で、深夜、早朝の時間帯を活用した国際チャーター便等の可能性について検討することになっていましたが、今回も、その措置の一環なのでありましょうか。
 さて、アロハフェスティバルに見るように、多くの都民、さまざまな団体が羽田空港の国際化に大きな期待を持っております。今回のチャーター便就航を契機に、国際化に対する取り組みをさらに強化していくべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。
 次に、住宅問題について、一点お伺いをします。
 これまでの成長社会から、著しい経済成長が望めない成熟社会への移行などを考えますと、今後の住宅政策において、既存の住宅ストックの有効活用が極めて重要になると思われます。
 かねてより、我が党は、都民共有の貴重な財産である都営住宅の有効活用の観点から、若年ファミリー世帯を対象として、期限つき入居を都営住宅に導入し、都営住宅の有効活用を図るよう主張してまいりました。本年三月、新たに定期借家制度が設けられたところでありますが、これを契機に、都営住宅に期限つき入居制度を導入するべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。
 次に、臨海部広域斎場についてお伺いをいたします。
 今後の高齢化社会の進展に備えるため、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、そして港区の五区は、共同で臨海部に広域斎場を建設することで合意し、昨年十月には運営主体の一部事務組合が設立をされたところであります。そして現在、平成十六年度供用開始に向け、事業が本格化をしてきており、来年度には大田区東海一丁目の都有地の取得を行う予定となっております。
 本用地の取得については、組合から都に対して、無償譲渡または大幅な減額等により対応されたい旨の強い要請が何度もありました。申すまでもなく、斎場は住民生活に不可欠な、極めて公共性の高い施設であります。都としても、そうした点を踏まえ、無償または限りなく無償に近い大幅な減額措置を講じていくべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。
 次に、東京発のファッションについて申し上げたいと思います。
 ことしの夏も大変暑く、真夏日が何と六十七日もございました。ネクタイを締め、上着を抱えながら、大汗をふきふき歩いている男性諸氏の姿をことしもたくさん見かけました。私は、この光景を見るたびに、まさに亜熱帯の東京の夏に、イギリスの猿まねのような背広は似合わない、合わないと思っております。(「幹事長は似合うぞ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 東南アジア諸国を初め高温多湿の国では、気候に合ったそれぞれ独自の正装を伝統的に持っています。ここはひとつ都が率先して、夏の快適なファッションを発表してキャンペーンを繰り広げれば、多くの人々の共感を呼び、普及するものと思います。男性の健康に役立つばかりでなく、仕事の能率も上がり、そして省エネの効果も期待できるようなサマーファッションを、各界の意見を広く取り入れて検討する機会をつくったらと思いますが、いかがでございましょうか、ご所見をお伺いをいたします。
 次に、社会的にも問題になっている小児の救急医療についてお伺いをいたします。
 救急医療にかかわる都民の関心は、依然として高いものがあります。中でも、少子化や核家族化の進行、共働き家庭の増加等、社会環境の変化を背景として、小児救急医療の充実が強く求められております。一方で、診療報酬が低いためか、小児科医師の減少やその高齢化、また小児科を標榜する医療機関の減少など、小児の救急医療を支える基盤が揺らいでいるのであります。
 知事は、三百六十五日二十四時間稼働の救急医療体制の確立を掲げておられますが、この小児救急医療をめぐる現状についてどのように認識をしておられるのか、知事のご所見をお伺いしたいと思います。
 ところで、都の救急医療体制は、区市町村が実施する初期救急医療と都が実施する二次及び三次救急医療の三層構造となっています。この中で、都が実施している小児救急医療事業には、乳幼児特殊救急医療事業及び休日・全夜間診療事業があり、特に休日・全夜間診療事業は、施設を固定し、内科及び外科系の二次救急に対応するとともに、小児科についても三百六十五日二十四時間の対応を図るという画期的な事業であると認識をいたしております。
 我が党は小児救急医療のさらなる充実を強く求めてきたところであり、今回、都がその取り組みの強化を進めるに当たり、以下二点についてお伺いをいたします。
 まず第一に、小児救急医療において、初期救急医療や、さきに触れた乳幼児特殊救急医療事業及び休日・全夜間診療事業にはどのような問題点があると認識しておられるのか、お伺いをいたします。
 第二に、その問題点を踏まえ、小児救急医療の一層の充実に向け、都は、具体的にどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いをいたします。
 さて、東京発の医療改革の目指すもう一つの将来像に、患者中心の医療があります。患者中心の医療とはどのような医療なのか、私なりに考えてみますと、やはり命を預ける患者が主体的に医療機関を選んだり、治療方法などについて納得の上で治療を受ける、これが患者中心の医療の基本ではないかと思うのであります。地域に一つや二つ、死んでも行きたくないという病院が必ずあるものです。その選択に資する情報を提供するために不可欠なのは、医療の質の評価を行う仕組みであり、これを公開していくことだと思います。
 現在、医療施設の機能評価については、厚生省の外郭団体である財団法人日本医療機能評価機構が行う病院機能評価があり、おおむね標準的な水準以上の評価を受けた病院については、認定証が発行されると聞いております。
 しかし、現在のところ、その評価結果は公開をされておりません。このような情報こそ、患者にとっては医療機関を選択する上で重要であり、ぜひとも知りたい情報でありましょうが、現在、医療機関の広告については医療法によって規制を受けていることから、これまで情報公開が大変おくれてきたのが実態であります。
 そこで、二点ほどお伺いをいたします。
 まず、先ほどの財団法人日本医療機能評価機構の行う病院機能評価ですが、どのような項目について評価をしているのでありましょうか。また、都内の病院でこの評価を受けている病院は大変少ないと聞いておりますが、全体のどのぐらいあるのでありましょうか。
 この秋の国会で上程される医療法の改正案の中で、広告の規制が緩和され、医業等に関して、カルテ等にかかわる情報を提供することができることや、財団法人日本医療機能評価機構の行う評価の結果を広告できるようになると聞いております。このような状況を踏まえ、今後、医療機関の評価の推進やその情報公開へ向け、都はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
 以上をもちまして私の代表質問を終わりますが、けさもまた、銀行による大手ゼネコンに対する一千億にも上る債権放棄が報道されておりました。私は、銀行の債権放棄は、契約に基づく資本主義経済を根底から否定する、やってはいけないものと考えております。また、百万円、二百万円の資金ショートで倒産を余儀なくされる中小零細企業にとっては、全く理解できない、やる気をなくすものであります。そして、巨額の借金を棒引きする余力が銀行にあるのならば、外形標準課税についても、裁判などしないで黙って納税をするのが筋道であると私は考えております。
 さて、二十世紀もあとわずかな日数となりました。二十世紀は科学が大変進んだ世紀であります。「ついに太陽をとらえた」という言葉が大変印象的な言葉でありました。我々の生活も科学進歩の恩恵にあずかり大きく変わってまいりましたが、科学の進歩は人間を幸福にのみしたわけではありません。来る二十一世紀には、科学の進歩の恩恵を、より多くの人たちに行き届く社会をつくり上げなくてはなりません。
 我々東京都議会自由民主党は、この目標に向かって努力を重ねることが都民福祉の向上に大きく寄与するものと考えておりますことを申し上げまして、私の代表質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 佐藤裕彦議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、永住外国人の参政権問題でありますが、本来、国のありようを決定する参政権は、その国の国籍を有する者が行使できる固有の権利であります。
 地方参政権は国の参政権とは別に扱うべきという意見もありますが、地方自治体の扱う問題の中には、国の基本方針と密接に関連するものもあり、国と地方を単純に切り離すことにはいささか無理があります。
 今日、地方の時代といわれているゆえんは、国と地方の関係が時間的、空間的に一層緊密になり、地方の抱える問題が国にとっても致命的になり得る、そういう状況のことであります。
 例えば、地方にある基地、あるいは原子力発電所、その他国の命運を左右しかねない大規模な社会資本というものの造成にかかわるような問題は、地方の問題と同時に国家の問題でありまして、したがって、永住外国人に参政権を付与すべきかどうかということ、たとえ対象が地方自治体であっても、国政の根幹にかかわる重大な問題としてとらえるべきだと私は思います。私としては、この問題は、いささか大きな疑義を抱かざるを得ませんが、いずれにしろ、現在、国会で審議中でありまして、十分に、十分に議論が尽くされることを期待しております。
 次に、国の補正予算への対応についてでありますが、国においては、景気対策として、公共事業を初めとする補正予算を今秋にも編成する方針であると承知しております。しかしながら、都の財政は依然として厳しい状況にありまして、現在のところ、景気対策としての補正予算を編成できる状況にはございません。今後、国の補正予算の内容を含めて、その動向を踏まえつつ、適当に、適切に対応していくつもりでございます。
 次いで、十一年度決算の赤字額の解消についてでありますが、十一年度決算における八百八十一億の赤字を速やかに解消する必要があることは、ご指摘のとおりであります。都は、財政再建推進プランに基づきまして、歳入歳出両面にわたる徹底した見直しを行っておりますが、十三年度予算編成に当たっても、なお巨額の財源不足が見込まれる状況にあります。引き続き財政構造改革の取り組みを強化することによって財源不足の解消に努めるとともに、できるだけ早く赤字の解消を図ってまいりたいと思っております。
 次いで、予算編成における課題等についてでありますが、都財政は依然として厳しい状況にあります。財政再建に向けた道のりは、いまだ遠く険しいといわざるを得ません。隠れた借金がたくさんございます。そのため、来年度予算においては、十二年度予算における取り組みを踏まえながら、財政再建推進プランの前半の到達点として、財政再建への歩みを一層強固で確実なものとする必要があります。
 今後とも、職員定数の削減や監理団体の徹底した見直しなど、厳しい内部努力を実施するとともに、新しい時代の都民のニーズに的確にこたえていくことができるように、施策の見直し、再構築、さらには税財政制度の改善などに積極的に取り組み、財政構造改革の推進に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 次いで、十三年度予算に臨む基本的な姿勢についてでありますが、都政の課題は、東京構想二〇〇〇などに示す新しい東京の生活像や都市像を実現していくことにありまして、そしてその大前提として、財政再建に向けて足元をしっかり固めていくことにあると認識しております。
 十三年度予算においては、これらの課題について、財政再建推進プランと十分に整合を図りつつ、施策の抜本的見直しと再構築などに創意工夫を凝らして、その解決に向け全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
 次いで、災害関連の補正予算の編成についてでありますが、三宅島を初めとする伊豆諸島の災害関連の対策については、喫緊の課題でありまして、都としても万全の体制を整え、島の復旧と再生に全力を尽くす決意であります。
 しかし、残念ながら、三宅島ではいまだに噴火が終息しておらず、災害対策も日々進行中の状況にありまして、具体的な対応については、災害状況等の動向を踏まえながら、補正予算を含め、必要な財政措置を講じていきたいと思っております。
 そして、災害支援についてでありますが、まず、三宅島を初め島外避難した村民に対しては一日も早く帰島できるよう環境整備に努めますが、避難中においても、その意向を的確に把握して必要な生活支援を行うなど、十分な対応を行っていくつもりでございます。
 あわせて、今回の火山活動や地震によって被害を受けた地域の道路、急傾斜地などの復旧を急ぐとともに、観光、農業、漁業など島の基幹産業の復興についても全力で取り組んでまいります。
 まだ終息を見ない三宅島の火山活動に対しては、去る九月三日、陸・海・空三自衛隊等、関係機関と密接に連携して実施いたしました防災訓練で得られた教訓も踏まえて、迅速かつ適切な災害対応に取り組んでいくとともに、観測、研究を行っている専門家の意見を聞く都プロパーの委員会を早急に設置し、明確な対策を講じていきたいと思っております。
 次いで、東京構想二〇〇〇を策定する必要性と意義についてでありますが、戦後五十年、日本の繁栄を支えてきた終身雇用、年功序列賃金、護送船団方式あるいは中央集権などに代表される旧来の社会運営のシステムは、今や根幹からその変容を迫られております。にもかかわらず、二十一世紀を目前にして、国全体がよって立つべき価値観や方法論などといった座標軸を失ったままでおります。今こそ、首都である東京こそが将来展望を描いて、そこに向かう長期戦略を打ち出すことによって、新たな時代に適合した社会システムを構築することが必要であり、そのことがひいては東京、そして日本を再生する道であると思っております。
 このような認識のもとに、今回、五十年先を展望しつつ、五十年先に通用する、そしてそのための、十五年後にソフト、ハードに関しての東京のあり方を実現していくべく、東京構想の中間のまとめとして策定をいたしました。
 次いで、首都東京の今後の発展についてでありますが、東京が他の大都市との競争に勝ち抜いて、二十一世紀においても日本経済を力強くリードしていくためには、東京圏がこれまで蓄積してきた集積のメリットを最大限に生かしながら、首都として世界に誇り得る政治・経済・文化活動を展開することが重要であります。そのためには、首都移転には断固反対して、移転どころか逆に東京圏に国費を集中的に投下して、より魅力にあふれた東京圏を形成することが不可欠であると思います。
 東京構想中間のまとめでは、こうした立場から、物流ネットワークの整備や国際空港機能の強化なども含めて、環状方向のネットワークを重視した環状メガロポリス構造を打ち出しました。
 次いで、東京の魅力についてでありますけれども、高度の都市機能の集積によりまして、活発な経済活動が営まれ、人や物、情報が集まることによって、にぎわいと活動感にあふれていることが東京の魅力であると思います。そしてそれが、他の大都市に比べても、東京こそがまさにエキサイティングな都市という印象を与えていると思いますが、最先端のテクノロジーやファッションが存在する一方で、また、由緒のある歴史や伝統が生活の中に息づいている。このように、何でもとにかくいろんなものがあるということも魅力の一つと認識しております。しかし、慢性的な交通渋滞、良質な住宅の不足、大気に表象される深刻な環境問題などが東京の魅力を阻害していることも否めません。
 最終的に構想を取りまとめるに当たりまして、こうした課題を克服するとともに、東京の持つさまざまな魅力を最大限に生かす方策を具体的に示していきたいと思っております。
 次いで、行政改革の必要性についての認識でありますけれども、IT革命の急速な進展、都民や民間の公共分野への参加の高まり、地方分権の進展など、都政をめぐる社会経済環境が激しく変化しております。東京が国際競争に打ち勝ち、我が国を牽引する首都としての役割を果たしていくためには、都自身が時代を先取りし、政策立案能力や調整力を高め、限られた財源、人材を十二分に活用して、最大の成果を上げる行政運営を行わなくてはならないと思います。
 そのために、スピードの重視、コスト意識の徹底、成果の重視の三つの視点に立ちまして、新たな都庁改革を進めるとともに、東京の将来像を踏まえた基本的な改革にも取り組んでいく必要があると思います。
 次いで、行政改革にかける決意についてでありますが、行革の推進は、東京の牽引力の低下や都民の生活不安など東京の危機を乗り越えるためにも、必ずし遂げなければならない課題であります。今回発表しました中間のまとめに対する都議会での議論も踏まえながら、都民を初め各方面からの意見を広く聞いて、年内には、平成十五年度までの具体的かつ実効性のある実施計画を明らかにしたいと思っております。そして、都民が求めるサービスを効率的に提供していける都庁への体質改善を目指して、全庁一丸となって取り組んでいきたいと思っております。
 それにかかわって、組織の見直しについてでありますが、現在の都の組織には、例えば都立の大学教育のあり方や観光産業の振興といった都政を取り巻く諸課題に的確に対応するという観点に立ちますと、まだまだ見直すべきところがございます。今回は、東京構想二〇〇〇で示す取り組みの内容を踏まえて、今後都が進めるべき施策を最も効果的、効率的に執行するという視点で、都庁組織全般にわたって見直しを行うものでありまして、今後の行政運営に資するものとしたいと思います。
 次いで、監理団体改革の実効性についてでありますが、この団体の改革は、何よりもまず、当事者である団体みずからが、もう少し強い危機意識を持って主体的に取り組むべきものであります。今回の改革では、団体の統廃合計画など都の取り組みとあわせて、団体みずからが経営改善計画を策定することにより、都と団体が一体となって改革を進めるべきものと思います。さらに、都としての改革の進行管理を行っていく仕組みをつくり、改革を実効性あるものとしていきたいと思っております。
 次いで、心の東京革命行動プランの今後の推進についてでありますが、心の東京革命は、次代を担う子どもたちに社会の基本的ルールなどを教え伝えていくための取り組みでありまして、すべての大人が具体的な行動をとることによって、社会的うねりをつくり出し、全都的、さらには全国的な運動への広がりを展望することを期待しております。
 今後、地域団体や企業等への働きかけを行いまして、十月には、心の東京革命推進協議会、仮称でありますけれども、これを発足させるとともに、広く都民を初め、この運動にかかわりを持つ多くの団体やマスコミ等にもその趣旨を訴えて、社会全体の運動への展開を図っていきたいと思っております。
 次いで、行動プランの継続的な取り組みの必要についてでありますが、これはもう当然のことであります。心の東京革命は、二十一世紀の東京ひいては日本を担う子どもたちをはぐくみ、誇りの持てる社会を築くための運動であります。戦後五十年かけて失ってきた心における失地の回復は、これは短期間でできるものではございませんから、息の長い、継続的な取り組みが必要であると思っております。
 行動プランの推進に当たっては、この推進協議会を中心に、都民と一体となった運動を展開していくとともに、その成果を踏まえながら、この運動のより一層の発展を期していくつもりであります。
 次いで、アジア大都市ネットワーク21共同提唱都市首長会議の成果についてでありますが、アジアが新しいアイデンティティーを確立して、世界を代表する地域として自律的に発展するためには、国の頭脳部分であり、心臓部分である大都市が先導役となって連携することが不可欠であります。
 アジアの大都市が共通の目的に向かってネットワークを組み、技術開発や人材育成など具体的な共同事業に取り組むことに合意できたことは、ある意味で歴史的な意義を持ち、アジアのため、世界のための新しい国際関係における苗を植えることができたと思っております。
 今後、このネットワークから世界に通用する新しいスタンダードを発信していけると思っておりますし、ただの仲よしクラブではなしに、実質的、具体的に、世界が刮目するような、そういう連携のフルーツというものを育てていきたいと思っております。
 次いで、従来の姉妹都市、友好都市との交流についてでありますが、都はこれまで、ニューヨークを初めとする十一の都市と姉妹・友好都市提携を行い、都市問題を解決するための情報交換など、多様な事業を実施してまいりました。
 アジア大都市ネットワーク21に参加する都市については、共同プロジェクトの内容との調整を図りながら、引き続き事業も行ってまいります。
 都市間競争時代において国際都市東京の魅力を高めるため、先進都市などとは、これまでの実績を生かし、さまざまな工夫をこらして、都市問題解決のための技術協力や情報交換に取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、福祉改革についてでありますが、この改革は、都民がみずから主体的に良質のサービスを選択し利用できる、利用者指向の開かれた福祉の実現を目指すものであります。
 そのためには、財源の重点的投入によるサービスの質と量の充実、規制緩和による事業者相互の競い合いの促進、利用者への情報提供の仕組みづくりなどの方策を短期間に実行していくことが必要と思います。
 福祉改革推進プランにおいては、仮称でありますけど、こうした観点から、新しい福祉の理念と展望を都民にわかりやすい形で示すとともに、これを支える戦略的事業の展開の道筋と全体的な事業計画を明らかにする。このプランに基づき、区市町村と緊密に連携しながら、改革の実現に取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、介護保険についてでありますが、本年度から実施された介護保険制度は、多くの関係者の理解と懸命の努力により、おおむね順調にすべり出したと認識しております。
 しかし、この間の制度運営の中で、痴呆性高齢者に係る要介護認定などの問題が関係者から指摘されておりまして、現在、国においても再検討中であります。
 都としては、この制度を、都民にとって使いやすい、わかりやすいものにすることが必要だと思っております。
 今後、保険者である区市町村などとともに、介護保険のあり方を考える場を設け、五年後の見直しを待たずに、現場からの声として、都からの改善案を取りまとめ、国に対して積極的に提案したいと思っております。
 市町村における固定資産税等の減免措置にかかわる財政支援についてでありますが、都内の市町村が固定資産税等の減免措置を講じるかについては、基本的には課税権を持つそれぞれの自治体が自主的に判断すべきことであると思います。
 東京都としても、今後、都内の市町村が二十三区内と同様に固定資産税等の減免措置を行った場合には、こうした課税自主権に配慮しながら、景気対策といった今後の減免措置の目的や、都議会での決議などを十分に踏まえ、市町村の負担軽減を図るために適切な財政補完に努めてまいりたいと思っております。
 次いで、田無、保谷両市の合併についてでありますが、地方分権が進展していく中、市町村が行政運営の効率化を図り、広域的な行政需要に対応していく上で、市町村合併は大きな効果をもたらすものであります。その意味からも、田無、保谷両市の合併の意義は極めて大きいと考えております。
 また、両市の合併に当たっては、その賛否や新しい市の名称について、全国で初めて投票方式による市民意向調査を行うなど、これからの時代の合併のモデルケースとなるものと非常に高く評価しております。これまでの長年にわたる両市の取り組みに、深く深く敬意を表するものであります。
 次いで、市町村合併の進め方についてでありますが、市町村合併は、何よりも住民の意向を尊重しながら、合併機運の高まりのもとで、市町村みずからが主体的、自主的に考え、取り組んでいくことが必要であると思います。
 そのため、東京都としては、都内の市町村の合併機運を高めるとともに、合併検討に資するよう、今年度中に、仮称でありますけれども、市町村合併に関する検討指針を作成し、積極的に市町村合併を支援していきたいと思っております。
 次いで、羽田空港からのハワイチャーター便についてでありますが、地元からの熱心な働きかけによって、今回チャーター便が就航したことは、まことに喜ばしいことと思います。大きな一石を投じたと思います。
 しかし、今回のチャーター便に限らず、国際定期便や間近なソウルとのシャトル便を直ちに実現するなど、羽田空港の活用を一層図るべきものと思っております。
 いずれにしろ、あれほどアクセスが便利な、そして空港へ到達するにも時間のかからない、そういう大都市の空港というのはめったにありません。そういう点では、羽田の世界的な位置は相対的に高いものと思いますので、ゆえに、今後とも、羽田空港の国際化を国に強く働きかけていきたいと思っております。
 さらに、夏のファッションについてでありますけれども、本当に、男はお互いにネクタイなんかするんで、若死にするのじゃないかと思っていますが、まあ、佐藤さんはまだ若いんだし、センスのある方だから、あなた自身が発案されて、都から新しいファッションをつくっていただきたい。
 私たち初めて戦後、香港シャツなどという半袖のワイシャツを見たときに、一種のカルチャーショックを受けましたけど、まあ、当たり前のことでありまして、人間が着物に着られているんじゃしようがないんで、人間が着物を着こなすためにも、ひとつ佐藤議員の発案で新しいファッションをつくっていただきたい。
 次いで、小児救急医療をめぐる現況についてでありますが、少子高齢化が進む中で、次の世代を担う子どもたちを健全に育成することは、親はもとより、社会の責務でもあります。
 安心して子どもを育て、子どもの急病に対する親の不安を解消するためにも、小児医療、特に小児の救急医療を充実することは、重要な課題であると認識しております。
 私も不明にして熟知しておりませんでしたが、この問題がクローズアップされて、調べますと、小児科と内科とは非常に似て非なるものでありまして、子どもという非常にデリケートなもろい患者というものを扱うには、ある意味で特別な知識なり技術が要るわけでありまして、そういう点で、今日小児科が減っているというのは非常に残念でありますが、東京発の医療改革の柱として、小児救急医療を含め、都民の信頼にこたえる救急医療体制の整備に積極的に取り組んでいくとともに、小児科医師の養成や確保等についても、国に提案していきたいと思っております。
 なお、その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 三宅村の教育に関します三点の質問にお答え申し上げます。
 まず、子どもたちの教育の場や機会の確保についてでございますが、都教育委員会は八月二十五日、三宅村教育委員会から、児童生徒の生命の安全を確保するため、島外へ集団避難し、避難先で二学期を開始したいとの要請を受けました。
 このため、学習施設があり、宿泊及び食事の提供が可能な秋川高校が適当と判断し、受け入れに間に合うような施設の整備等を行い、近隣市町村や秋川高校教職員初め広範な関係者等の協力を得て、八月三十日に受け入れ、九月四日には授業を再開いたしました。
 なお、保護者とともに避難した児童生徒につきましては、関係教育委員会に協力を依頼し、近隣小中学校への円滑な転入学を進めているところでございます。
 次に、教職員の勤務体制についてでございますが、当初の段階では、多少の混乱や児童生徒の緊張状態もございまして、教職員全員で対応しなければならなかったため、長時間の勤務状態が続きましたが、その後、児童生徒も落ちついてきたことや、教職員の健康管理も考えまして、九月八日から全教職員でローテーションを組み、宿直体制をとっているところでございます。
 また、現時点では、なお改善すべき点があるかと思いますが、教職員の教職員住宅等への入居も済んだことから、勤務体制は安定化しつつあるものと考えております。
 次に、避難が長期化した場合の対応でございますが、秋川高校の寮生活では、児童生徒に対して、教職員のほか、保母が昼夜、寮に常駐しまして、生活の支援を行っております。さらに、同室の児童生徒が、小学校低学年の児童の身の回りの面倒をよく見ている状況も見られます。しかしながら、こうした状況は非常時の対応でございまして、基本的には保護者のもとから通学することが望ましいと考えております。
 当面、秋川高校での避難生活を続けざるを得ませんが、長期化した場合、三宅村教育委員会と十分相談しながら、保護者の意向や生活の安定状況等を踏まえまして、適切に対応してまいります。
   〔主税局長大塚俊郎君登壇〕

○主税局長(大塚俊郎君) 直近の都税収入の動向及び今年度の見通しについてでございますが、八月末の都税収入実績は、前年同期比一〇・八%の増、額にして一千七百七十一億円の増となっております。
 年間の見通しにつきましては、十一月末に申告される三月決算法人の予定・中間申告状況及び九月決算法人の申告状況を見きわめる必要がございます。現時点では確たることを申し上げることはできませんが、最近の動向等を勘案いたしますと、当初予算額を相当程度、相当程度上回ることが想定されます。
   〔生活文化局長高橋信行君登壇〕

○生活文化局長(高橋信行君) 大島、八丈島などでの観光客の減少、いわゆる風評被害への取り組みについてでありますが、これまで、観光客誘致の緊急対策として、町村、観光協会、事業者等で構成する伊豆諸島観光復興支援協議会を設置し、対応を協議するとともに、東京二〇〇〇年祭事業等の会場での観光パンフレットやポスターによるキャンペーン活動を行ってきたところであります。
 今後とも、旅行業界への送客要請を行うほか、椿まつりやフリージアまつりを初め、各島で予定しております観光イベントのPRやインターネットによる最新情報の提供などを行い、積極的な観光客の誘致に努めてまいります。
 次に、災害終息後の伊豆諸島全体の観光復興対策についてでありますが、今回の災害によりまして、伊豆諸島の基幹産業である観光は甚大な被害を受けておりまして、その復興は、農漁業の復興とあわせて、住民の生活の安定にとって極めて重要であります。このため、社会基盤の復旧に合わせて、町村等と連携し、観光施設の復旧整備を促進するなど、観光客の受け入れ体制を早急に整えるとともに、総合的、効果的な観光振興の取り組みを進めていきます。
 また、特に来年の観光シーズンに向けた観光客誘致対策として、観光PRのための大規模なキャンペーンの実施や、旅行業界への送客要請、それから交通機関等へのポスターの掲出など、国及び関係機関にも積極的な働きかけを行ってまいります。
 次に、アジア大都市ネットワーク21の進め方についてでありますが、今回の共同提唱都市首長会議で、他のアジア各地域の代表的な都市に参加を呼びかけることを合意したところであります。都といたしましては、共同提唱都市と連携を図りながら、早速、呼びかけを開始いたします。
 共同プロジェクトにつきましては、参加各都市との協議を重ねながら、産・官・学の連携を図るなど、効果的な事業の構築を目指します。あわせて、このための全庁的な推進体制についても早急に整備をしてまいります。
   〔労働経済局長浪越勝海君登壇〕

○労働経済局長(浪越勝海君) 被災島民の方々に対する今後の就業対策についてのお尋ねでございますが、このたび、労働相談、仕事のあっせん、緊急的な雇用の創出の三つを柱とする緊急就労対策を講じ、既に民間や国、区市町村への求人依頼等を行ったところでございます。
 現在、避難島民の方々に対して、個々に、就業に関する情報の提供及び就労意向の調査を行っており、さらに、就職希望者と求人企業主が一堂に会した合同就職相談会を、この二十八日には多摩地域で、二十九日には区部において実施いたします。昨日二十五日現在で、七十三社から千二百五十五人の求人の申し出をいただいております。求人企業の方に心から感謝を申し上げます。
 また、今回特に、被災地域において休業を余儀なくされた農林漁業者や観光事業者などの方々も対象といたしまして、緊急地域雇用特別基金を活用し、公共施設の樹木の剪定など、就業の場の提供に努めてまいります。
 今後とも、事態の推移に合わせて、東京労働局を初め関係機関と連携し、被災島民の方々の生活安定に向けて就業の促進に努めてまいります。
   〔港湾局長齋藤哲哉君登壇〕

○港湾局長(齋藤哲哉君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、離島航路確保のための対応についてでございますが、離島航路事業に関しては、離島航路整備法に基づき、一定の要件を満たした船会社に対し、国が航路補助金を交付しております。また、都においても、要綱に基づき、当該事業により生じた欠損額から国の補助金を減じた額を、航路補助金として交付しております。
 このたびの災害では、国に対して、一連の噴火・地震災害による欠損額を、補助金交付に反映させるよう求めるとともに、例年年度末に交付されている補助金を、早期に交付することなどを要望しているところであります。
 都においても、補助金を概算払いで早期に交付するとともに、係船設備使用料を軽減するなど、離島航路の確保に努めてまいります。
 次に、広域斎場用地の処分についてのお尋ねでございます。
 臨海部広域斎場の公共性、重要性、必要性については、十分認識をしております。当該用地の処分に当たりましては、広域斎場の事業目的、事業内容等を総合的に勘案して、埋立地開発規則に基づき、年内を目途に適切に対処してまいります。
   〔総務局長大関東支夫君登壇〕

○総務局長(大関東支夫君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、噴火や地震災害により避難している村民に対する情報提供等についてでございますけれども、お話しのように、避難生活を安心して送っていただくためには、各種情報を適宜、迅速に提供する必要がございます。
 現在、村民を対象とする支援事業といたしましては、報道発表やホームページにおいて掲載しているところでございます。
 また、村民の所在につきましての情報は、村民とその関係者にとってとりわけ必要でございますので、現在、三宅村東京事務所において情報収集に努めております。
 今後とも、都は、三宅村と密接に連携をとりながら村民の意向を的確に把握し、安んじて避難生活が送れるよう、きめ細かい対応を図っていきたいと考えております。
 次に、監理団体総点検の進捗状況等についてでございますが、今回の監理団体の改革は、団体活用の原点に立ち返った抜本的な見直しを行おうとするものでございます。このため、本年二月に基本方針を定め、これに沿って現在、所管局及び団体と調整を行っております。
 本年十一月に公表を予定しております総点検結果には、団体の設立趣旨を見直した上での統廃合計画、それから、経営改善に向けた都及び団体それぞれの取り組み内容、それから、各団体が策定する経営改善計画等を盛り込むこととしております。そしてこの改善内容は、平成十三年度予算から反映させていく考えでございます。
 次に、監理団体としないこととした団体に対する都の関与の仕方についてでございますが、都が監理する監理団体の対象は、都の出資等の比率が高く、継続して財政支出や人的支援を行うなど都の関与する度合いが高いものを、全庁的な立場で指導監督すべき団体として位置づけたものでございます。
 一方、ご質問の監理団体としないとした、いわゆる報告団体は、都からの財政支出がないなどの自律性の高い団体や、自主的に結成され、都からの補助、委託を活用している団体であり、都とのかかわりが低いことから、従来と同様に所管局が事業執行を進める中で指導を行うこととしたものでございます。
 次に、内部努力に取り組む姿勢についてのお尋ねでございますが、都は現在、給与削減措置といたしまして給料の四%削減などを実施しております。これは全国で最も厳しい内容であり、来年度も継続していく考えでございます。
 これから出されます人事委勧告の取り扱いにつきましては、期末・勤勉手当も含め、慎重に検討してまいります。
 いずれにいたしましても、都を取り巻く厳しい諸情勢の中で、今後とも都政に対する都民の理解を得られるよう、内部努力については積極的に取り組んでまいります。
   〔政策報道室長安樂進君登壇〕

○政策報道室長(安樂進君) 東京構想につきましての質問にお答えいたします。
 初めに、厳しい財政状況のもとで東京の活性化をいかに進めるかということについてでありますが、首都東京の大いなる再生のためには、三環状道路を初めとする都市基盤の整備がぜひとも必要であります。今回の構想には、東京圏で環状メガロポリス構造の実現を目指すことを盛り込んでおります。
 ご指摘のように、都財政は、現在大変厳しい状況にございます。そこで、平成十五年度までの財政再建期間中は、歳出の抑制に十分留意しつつ、この時期を逸しては取り返しのつかなくなる事業などに投資を重点化し、あるいは東京圏への国費の集中的投入を確保するなど、さまざまな工夫、努力を行いながら、都市基盤整備を着実に進める必要があると考えております。
 次に、人口の減少傾向の中で東京の活力をいかに維持向上させるかについてでありますが、人口の減少に伴い、今後、労働力が不足することが懸念されております。
 今後十五年間は、女性や高齢者の就業の促進により、これを補うことは可能でありますが、長期的には大幅な労働力不足が避けがたいと思われます。
 こうした状況に対応し、東京の活力を維持するためには、当面、女性や高齢者の就業を重点的に促進するとともに、長期的な労働力不足に対しては、IT化など技術革新等による生産性の向上が不可欠であると考えております。
 また、高齢化が進む中で、六十五歳以上の元気な高齢者、いわゆる円熟シニアが、これまでの知識、経験を生かして縦横に活躍できるような東京を実現することが、ますます重要な課題になると考えております。
 次に、東京の情報化にどう取り組むかということについてでありますが、急速に進展する情報通信技術、いわゆるITの活用により、企業の製品開発や販売の迅速化あるいは低コスト化など、産業の競争力が飛躍的に高まっていくと考えられます。また、行政サービスや教育、文化、保健、医療、福祉など幅広い分野でも都民の利便性が向上するものと期待されております。
 この四月には、学識経験者で構成する東京都情報化ビジョン研究会から、IT革命の成果をいかに都民生活の向上に生かすかという観点からのさまざまな提言をいただいております。これに基づきまして、東京における総合的な情報化を推進してまいります。
 最後に、区市町村との関係についてでありますが、東京構想を実現していく取り組みの中には、区市町村の協力が不可欠なもの、あるいは区市町村自身が事業主体であるものなどがあります。このため、中間のまとめの取りまとめに当たりましては、区市町村の特性や将来像について意見交換を行い、エリア・コンセプトなどに可能な限り反映をさせております。
 最終的な構想の取りまとめに当たりましても、区市町村の意見の反映に努めてまいります。
   〔福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川燿男君登壇〕

○福祉局長高齢者施策推進室長兼務(前川燿男君) 福祉改革につきまして、二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、今年度創設した福祉の包括補助制度についてでございますが、本事業につきましては、各区市町村から、地域に根差した独創的な数多くの事業が提案をされており、全体で六十億円の予算のうち、既に約八割について第一次の内示を済ませた状況でございます。
 これを受けて、各区市町村においては、九月議会にさまざまな新規事業の予算が提案されるなど、事業化が着々と進められており、今後、都としても、着実な事業執行に向け、さらに努力を重ねてまいります。
 本事業は、ご指摘のとおり、福祉改革を実現する上で、極めて有効かつ重要な手法で
ありますので、十三年度以降につきまして
も、より一層の充実に向け取り組んでまいります。
 次に、十一時間開所保育対策事業についてでありますが、保育所の開所時間につきましては、十一時間を基本とし、その時間帯を自由に設定できることとなりました。
 今回の提案は、これに伴いまして、今までの補助内容と整合を図るための措置を講ずるものでございます。
 これまで、十月実施に向けて、区市町村及び関係団体との協議を重ねてまいりましたが、ご指摘のとおり、事業の確実な定着を図るためには、実施内容について関係者の十分な理解をいただくことが必要であります。こうした観点から、実施時期につきましては、来年一月からとしたいと存じます。
   〔都市計画局長山下保博君登壇〕

○都市計画局長(山下保博君) まず、多摩地域におきます下水道事業のあり方についてでございますが、ご指摘の市単独の処理場は、施設の老朽化や高度処理のための再構築、維持管理コストの低減など、多くの課題を抱えておりまして、三鷹市など四市から、流域下水道への編入の希望が寄せられていることは承知いたしております。
 一方、編入には、地形等の制約、受け入れ側の処理場の能力、新たな施設整備や費用負担など、多くの課題がございます。これらを踏まえまして、都といたしましては、多摩地域の下水道行政や単独処理区のあり方などについて、関係する市町村とともに総合的に検討してまいります。
 次に、羽田空港の国際化に関連してお答えいたします。
 まず、アロハフェスティバル参加のための国際チャーター便に関する運輸省の措置についてでございますが、都は、かねてから、制限のない形で羽田空港に国際チャーター便を就航させることなどについて、国に働きかけてきたところでございます。
 今回の国際チャーター便の就航に当たって、運輸省は、この便が羽田の地元住民からの要望であることを考慮し、羽田空港有効活用検討委員会の検討の一環として、一般ルール化ができるまでの暫定的な取り扱いを認めたものでございます。
 次に、今後の国際化に対する取り組みをさらに強化すべきとのことについてでございますが、羽田空港の国際化について、都は国に対して、最重点事項として、提案要求書を提出するなど、さまざまな機会をとらえて積極的に働きかけを行ってきております。
 また、本年夏には、特別区議会議長会や民間の観光・旅行関係団体などから、国に対して、羽田空港の国際化に対する要望書が相次いで出されております。
 都といたしましては、これらの団体と連携するなど、羽田空港の国際化についての取り組みをさらに強化してまいります。
   〔下水道局長横山博一君登壇〕

○下水道局長(横山博一君) 多摩地域の下水道についてのご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地域における水質検査業務の共同実施による効果と、その拡大についてでございますが、本年度より、下水道局と小平市、清瀬市などの六市は、各市内の工場などからの排水や、流域下水道への流入地点における水質の検査業務を共同で実施しております。この共同実施によって、各市が個々に行っていた場合と比較いたしまして、水質管理技術の向上などの業務改善や費用の削減など、大きな効果が発揮されております。
 今後の共同実施の拡大については、他の市や町からの要望もあり、積極的に取り組んでまいります。
 次に、水質検査業務以外の効率化の手法についてでございますが、各市町村が独自に行っている下水道施設の点検や、補修、改良など、維持管理面で、広域化、共同化することによる効率化が考えられます。また、流域下水道として取り組んでいる最新の技術を活用した光ファイバーによる遠方監視制御や、処理場間での汚泥の焼却を補完し合う相互焼却なども、有効な方策でございます。
 今後とも、各市町村の実情を踏まえ、多摩地域の下水道事業の一層の効率的な運営に貢献できるよう努めてまいります。
   〔住宅局長戸井昌蔵君登壇〕

○住宅局長(戸井昌蔵君) 若年ファミリー世帯を対象とした、都営住宅への期限つき入居制度の導入についてでありますが、こうした制度は、地域の活力の維持向上とともに、住宅ストックの有効活用にも寄与するものと考えております。
 しかし、都営住宅のうち、公営住宅法の適用を受ける住宅におきましては、高額所得者などの特段の事由がない限り、居住が継続するという法の趣旨から、導入は困難であるとされております。
 そのため、都が独自に建設し、管理している住宅につきまして、定期借家制度の創設を踏まえ、低額所得者の居住の安定にも十分配慮しつつ、期限つき入居制度の試行的導入を検討してまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、現行の小児救急医療体制についてでございますが、区市町村が行っている初期救急医療は、日によって診療場所が入れかわる在宅当番医制であること、また、二次救急医療として都が実施しております休日・全夜間診療事業は、医療機関によっては、小児科医師が必ずしも毎日対応しているとは限らないこと、小児科医師が対応する乳幼児特殊救急医療事業は、土曜日及び休日に限定されていることなどの問題点が挙げられます。
 そこで、二点目のご質問の、今後の小児救急医療の充実への取り組みでございますが、都といたしましては、先般、東京都救急医療対策協議会からいただいた、今後の小児救急医療体制の在り方についての提言を踏まえ、初期救急医療については、診療施設の固定制など、都民にわかりやすく、利用しやすい体制の実現に努めてまいります。
 また、二次救急医療につきましては、休日・全夜間診療事業と乳幼児特殊救急医療事業のそれぞれの長所を生かした事業の再構築を行い、三百六十五日二十四時間、小児科医師による診療が可能となる体制の充実に努めてまいります。
 次に、病院機能評価の評価項目についてでございます。
 財団法人日本医療機能評価機構が実施している評価項目は、病院の管理体制、診療の質の確保、患者の満足と安心、看護の適切な提供等、七つの領域において約四百項目となっております。また、都内の六百八十七病院のうち、この財団の評価を受けた病院は、現在四十三病院となっております。そのうち、既に認定証を交付された病院は四十病院であり、率にして五・八%でございます。
 次に、医療機関の評価の推進や、その情報公開への取り組みについてでありますが、民間病院が積極的に病院機能評価を受け、医療機能の一層の充実、サービスの向上を図ることができるよう、今年度から補助事業を開始したところであり、引き続きその促進に努めてまいります。
 また、情報の公開につきましては、患者中心の医療を進める上で基本となることから、医療法における広告規制のより一層の緩和を国に提案するとともに、診療情報の開示促進等を関係機関に働きかけ、都民が必要とする情報を適切に提供できるよう取り組んでまいります。

○議長(渋谷守生君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時四十六分休憩

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