平成十二年東京都議会会議録第九号

○副議長(五十嵐正君) 百十四番矢部一君。
   〔百十四番矢部一君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○百十四番(矢部一君) 去る六月十六日、皇太后陛下がご崩御あそばされました。ここに謹んで皇太后陛下のご冥福をお祈り申し上げる次第でございます。
 都立駒場高校の校地に、仰光寮という木造の建築物があります。話は大変さかのぼりますが、昭和八年、駒場高校の前身であります府立第三高女の時代に、かつての皇太后陛下のご学問所でありました建物を東京府にご下賜いただいたものであります。学校と、同窓会である松桜会の皆様が力を合わせて戦火からも守り抜き、昭和二十六年に現在の駒場の地に、松桜会を中心とする募金によって移築をしたものであります。学校の茶道、華道、書道、箏曲等のクラブ活動や同窓会の会合等に活用しながら、皇太后陛下を身近に感じ、愛情を込めて現役と同窓生が交流しながら、代々、学校との関係の中で大切に使用してまいりました。まさに学びの家ゃであります。
 木造二階建ての建物は、老朽化も大変進んでおりますが、今日まで存在しておりますのも、ひとえに松桜会の熱意のたまものであります。駒場高校も府立第三高女より百周年を迎えようとしております現在、その財産でもありシンボルでもある仰光寮の存続を多くの同窓生が望んでおります。皇太后陛下のご崩御の報に接し、さらにその気持ちを強くいたしております。今後、この仰光寮をどのようにされるのか、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私は、都議会に初当選以来、東京に住むということを一つのテーマとして取り組みをしてまいりました。江戸の昔より、多くの人がまず住み、働き、憩うまちが東京だからであります。バブルが去り、我がふるさとであります渋谷のまちも、人口も少しずつではありますけれども、ふえてまいりました。本来の地価水準に戻ってくる中で、マンション等の価格も下がり、住宅取得減税や石原知事の提案された固定資産税の減免も大きな要因になっていると思われます。
 そうした流れの中で、一つの提案として、コーポラティブ方式による住宅建設が、にわかに注目をされています。個人個人のライフスタイルに合わせたオリジナルの住宅を、販売経費等がないために二〇%程度割安に取得できるからであります。しかし、事業が立ち上がる初めの段階で、抵当権の設定等、金融機関との関係で事業がスタートできないケースも多くあるわけでございます。こうした意欲を持った都民に対して、初動期のつなぎ的な融資ができれば、一層新たなる都心居住が促進されると考えますが、いかがでございましょうか。
 次に、水害対策についてお伺いいたします。
 いよいよ梅雨も本格化し、大雨が心配されています。昨年、東京でも一時間に一〇〇ミリを超えるような局地的な豪雨があり、六千五百棟もの家屋が浸水被害を受けました。新宿区内の地下室ではとうとい人命が失われ、渋谷駅の地下街でも浸水による被害が発生いたしました。また、一昨日も夕刻に時間当たり八〇ミリという集中豪雨があり、港区、中央区などで地下鉄や地下街への浸水が起きています。水害への備えは、河川や下水道などを重点的かつ着実に整備するとともに、降雨を一時的に貯留したりする施設の整備など、総合的な観点からの取り組みが必要であると、かねがね主張してまいりました。
 最近顕著に見られる局地的な大雨に対する対策を早急に講ずるべきであります。東京は地下鉄を初め地下街や地下駐車場など、大勢の人の集まる地下空間が随所にあり、その利用が極めて進んでおります。集中豪雨による水没災害を最小限に食いとめるための危機管理対策が必要であります。東京都では、先月、地下空間における緊急浸水対策を発表いたしましたが、一昨日の水害も含め、その対策の基本的な考え方と取り組みについてお伺いいたします。
 また、同時に下水道整備についても、三月に緊急重点雨水対策が発表されましたが、下水道局の対応も同様にお伺いいたしたいと思います。
 さらに、個人住宅の地下室の利用も年々増加をしております。地下室への浸水のメカニズムや具体的な対策、浸水の危険性の高い地域での建築指導に当たっての適切な指導が必要であると考えますが、いかがでございましょうか。
 かつて私の台湾の同級生が、東京の道路はなっていない、台湾には、幅が百メートルもあり、路側帯も整備された見事な道路があると自慢をしておりました。よくよく調べますと、後藤新平氏の計画によりつくられたものであることがわかりました。ほっとしたものであります。しかし、それならば、なぜ東京の道路が後藤新平市長のもとでできなかったのか、極めて疑問があります。
 昭和二十年代に決められた都市計画道路の完成率もいまだ五〇・九%と、極めて寂しい限りであります。不法駐車の取り締まりも追いつかず、また、暫定的にパーキングメーターを取りつけて走行車線を駐車スペースに使い、その道路が本来持っている交通処理能力が十分に発揮できていないようでは、交通混雑は一向に解決されません。円滑な自動車交通を確保するために、駐車対策は不可欠であります。都としての取り組みについてお伺いいたしたいと思います。
 次に、多くの都民から、よくホームレスのことを聞かれます。特に都庁のすぐ近くにあります新宿中央公園や代々木公園の状況には、恐怖心を抱く都民もいるようでございます。さらには、それらの公園は避難場所にも指定されておりまして、ある都民からは、最近地震が多発していますけれども、もし避難をしなければならなくなったときに避難場所が、先住民といいますか、ふさがれているようであっては避難場所にならないのではないかというような心配の声があります。
 知事がおっしゃっていますように、大都市特有の問題であり、経済状況も影響していることは事実でありましょうが、しかし都民の我慢も限界に来ているように思われます。公園のテントを排除しさえすれば問題が解決するというものではありません。また、食事を配ればいいというものでもありません。仕事のできる人は仕事を、高齢で障害を持っている人は福祉施設へ、また病気の人には医療をと、さまざまな対応が必要であります。
 例えば、意欲のあるホームレスの人へ、仕事として公園の整備や清掃、リサイクル活動などと、公共の仕事に手をかしてもらうというようなこともよいのではないでしょうか。ニューヨークでは思い切った政策を取り入れて、BID等の民間の団体の協力を得てホームレスが激減いたしております。法的な問題や、国が中心になっての取り組みもありますが、一刻も早い解決が望まれます。ニューヨーク等のよいところは取り入れて都市問題に取り組むとおっしゃられる知事の具体的なお考えを、ぜひお聞かせいただきたいと存ずる次第でございます。
 次に、PCB問題についてお伺いいたします。
 科学技術の進歩の中で安定な物質を求め、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBがつくられました。その耐熱性、化学的安定性、絶縁性にすぐれていることから、電力設備の冷却剤や絶縁材などとして、あらゆるところに利用されてまいりました。カネミ油症事件以来その毒性が問題となり、我が国では昭和四十九年に、製造、輸入、使用が原則禁止となりました。以降、厳重な保管が義務づけられています。
 昨年来、環境ホルモン、特にダイオキシン類の汚染が問題になっております。日本のダイオキシン類摂取量のうち、国の調査では約六割がコプラナーPCBであり、そのほとんどは、日本で過去に生産、使用された五万四千トンのPCBに含まれていたものと推測されます。そのPCBに含まれるコプラナーPCBの量は、約百六十トンとも五百四十トンとも見込まれています。これは、日本のごみ焼却で発生するダイオキシンの約七十年から二百三十年分に相当する量であります。平成四年に我が国が行った調査では、全国で保管されているPCBの約七%が、保管者の倒産や廃業などにより不明または紛失となっており、環境への汚染が心配されています。
 平成十年の全国調査では、都内の高圧トランス・コンデンサーは、約五千五百事業所で一万四千四百個が保管となっております。これは、平成四年の調査と比較しますと、事業所数及び保管量とも約五倍に増加しています。なお、都庁は、その約二割を保管しております。
 現在使用中のPCBも多く、今後、保管量が増加する一方で、保管期間も三十年に及び、紛失、不明が今でも見られ、また、不適正保管による流出のおそれもあります。ただ手をこまねいているばかりではなく、できるだけ早く、安全かつ周辺環境に影響を与えない処理が望まれます。ごみ焼却を改善し、ダイオキシンの発生を減らしても、このPCBを安全に保管し分解処理しなければ、汚染状況は悪くなるばかりであります。
 最近では、焼却による処理に加え、幾つかの新たな化学処理の方法が認められ、一部の大企業が処理施設を設置して、自社で保管しているPCBの処理に動き出していると聞いております。
 そこで、これを機に、さきに設置されたPCBの適正処理検討委員会において、早急にPCBの処理の具体策について検討し、適正処理を促進するべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 近年、都市への人口の集中と都市機能の集約により、都市特有の気候が生み出されております。さきに述べました、昨今の都市型集中豪雨との因果関係を唱える人もいます。中でも注目されておりますのがヒートアイランドと呼ばれる都市の温暖化現象であります。今回発行された東京都環境白書二〇〇〇でも、東京が直面する環境の危機の一つとしてヒートアイランド化の進行を挙げております。
 ヒートアイランド化を防止するためには、緑をふやすことも必要でありますけれども、根本的には、都市におけるエネルギー消費量を抑制するとともに、東京を省エネルギー型の都市に変えていくことが大事であります。省エネ型都市づくりを推進することは、都市の温暖化であるヒートアイランドヘの対策としてだけではなく、地球全体の温暖化を防止する上でも大きな意義を持っています。
 東京のエネルギー消費の特徴は、工場など産業分野だけでなく、オフィスなど業務部門での消費が大きいことにあります。オフィスにおけるOA化の進展は、仕事の質と効率を高めましたが、ペーパーレス化といいながら紙の使用量は増加をしています。さらに、OA機器の導入に伴い、冷房負荷の増加や電力使用量を増加させるというマイナス面も伴っています。
 東京を省エネルギー型の都市としていくためには、オフィスを省エネ型にしていくことが必要であり、この点においても、東京都内でも最大級のオフィスである都庁自身が、率先をしてモデルとなるベきであります。
 ヒートアイランド化の抑制を促進することについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 新たに建設されるオフィス等の環境を十分に考慮していくことも必要であります。太陽光発電など新たなエネルギーの導入、省エネ設計など、建設されるオフィスビルに求めていくべきであると思いますが、あわせてお伺いをいたします。
 最後に、監査委員監査についてお尋ねをいたします。
 石原都政が、東京からの発信という方針のもとに、新たな課題に積極的に取り組む姿勢を示していることについては、大いに評価をいたしております。また期待をするものでもあります。しかし、そうした都政改革を円滑に進めるに当たっては、都政運営に対する都民の信頼を高め、理解と協力を得ることが必要であることはいうまでもありません。
 多くの監査請求が出されている今日、都民の信頼の確保に当たっては、監査委員の責務もより重要になってきております。また、新たな視点として、外部監査が具体的に実施され、そのすみ分けとともに、都民に見える監査委員監査が必要であります。このためには、監査委員を支える事務局の機能のあり方が重要になってくるわけであります。
 そこで、まず初めに、事務局として、監査委員監査の役割はどこにあると考えているのか、基本的な認識をお伺いをいたします。
 いうまでもなく、監査委員の職務権限に基づき淡々と監査事務を行っていくだけでは、監査の信頼性が都民に伝わっていきません。監査の取り組み状況について、都民にわかりやすく知らせるというための一層の工夫が必要と考えますが、所見をお伺いをいたします。
 昭和二十一年の地方自治法改正に伴い設けられた監査委員監査制度ですが、二十一世紀を目前に、行政のあり方も大きく転換をしようといたしております。さらに都政の信頼感を高める上で、監査のあり方も大きく見直しをしていくことが必要であります。
 現段階における課題は何であり、またこれからのビジョンは何であるかをお伺いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 矢部一議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、ホームレス対策への取り組みについてでありますが、前にも申しましたように、ホームレスの問題は、大都市特有の問題でありまして、この対策には、福祉、保健、医療、住宅、雇用等の各分野にわたる総合的な取り組みが必要であります。
 ご指摘のように、ニューヨークでは非常に成功しているようでありますから、一度現場も参考に行ってみて、そういう体験を踏まえて、東京は東京なりの努力をしたいと思っております。
 こういう観点に立ちまして、各種の施策を展開もしておりますが、特にその中でも、就労自立を促す方策として重要な自立支援センター事業については、現在、特別区と共同で実施するべく鋭意進めております。
 ただ、こういう方々は、明らかに景気の動向、経済動向によって失業した方々も多いのでありますけど、同時にまた、かなりその様子に、蓄えを持ちながら、気力を失って、なぜかそういう生活に甘んじている方もおられまして、こういう方々をどうやって精神的に立ち直らせるか、意欲を持たせるかということも、これ、非常に難しい。ただ職業で授けることだけでは済まない問題で、非常に複雑な要因があると思っております。
 いずれにしろ、引き続き、特別区や国との連携のもとに、民間の協力も得ながら、効果のある施策の推進に努めていきたいと思っております。
 次いで、PCBの適正処理の促進についてでありますが、随分昔でありますけれども、私、環境庁を預かっているときにも、この問題が突出しまして、あのときは、スウェーデンですか、どこか北欧の焼却船を非常に高い値段で雇って、東京湾では困るので、東北の沖まで持っていって、焼く、焼かないの問題でしたが、結局、それでもなお非常に技術的に不備があるということで、見送った経験もございました。
 最近では、ご指摘のように、化学的な処理を施すことで処理できるという技術が開発されたようでもありますが、いずれにしろ、焼却も含めて、コストというものを勘案しながら、これはもう本当に用地の確保を――住民の不信感、不安感などの払拭のために、いろんな問題がございますけれども、とにかく方法を選択し、用地も確保して、鋭意推進していきたいと思っております。
 このために、検討委員会において、これらの課題について早急に検討していただきまして、事業者への支援のあり方や、住民の理解を得るための取り組みなど、東京都が尽くすべき努力と具体策を年内に取りまとめたいと思っております。
 そういうことで、どこの自治体もたたらを踏んでおりますが、妥当な方法を選びまして、全国の自治体に先駆けて東京都がこの問題を解決していければと思っております。
 なお、他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監成戸寿彦君登壇〕

○東京都技監(成戸寿彦君) 都市計画に関します二点のご質問にお答えいたします。
 まず、地下室への浸水被害に対する建築指導の立場からの取り組みについてでございます。
 浸水被害の防止策といたしましては、地下室の出入り口の床を道路面より高くしたり、止水板を設置するなどの対策を講じますとともに、浸水時に地下室で起きる現象や避難方法などに関する知識の普及啓発を図っていくことが重要でございます。
 このため、地下室のある既存建築物の管理者、あるいは、今後地下室を新設する建築主等に対しまして、過去に被害のあった地域の情報を提供したり、浸水対策に関するパンフレットの配布等を通じまして、浸水被害の防止に努めてまいります。
 次に、駐車対策についてでございますが、都内の違法な路上駐車は、現在約十万台ございまして、ご指摘いただきましたように、依然として交通混雑を悪化させる主な要因の一つになっております。
 そのため、都といたしましては、去る二月に策定いたしましたTDM東京行動プランにおきまして、総合的な駐車対策であります駐車マネジメントの推進を重点施策の一つに位置づけているところであります。
 その中で、本年度におきまして、渋谷駅周辺地区において、渋谷区、警視庁、建設省などの協力のもとに、駐車マネジメントの推進に向けた社会実験を行うことといたしております。
 こうした実験から得られた教訓に加えまして、平成三年に策定した駐車施設対策の基本方針の見直しでありますとか、駐車場誘導システムの着実な整備など、総合的な駐車対策の推進を図ってまいります。
   〔教育長中島元彦君登壇〕

○教育長(中島元彦君) 都立駒場高等学校仰光寮の扱いについてでございますが、仰光寮は、皇太后陛下のご学問所として、ご指摘のような経緯を持つ、木造二階建て、建築後八十一年を経過した建物でございます。
 仰光寮は、老朽化が著しく、また、従前、仰光寮内で行われていた生徒活動などは、改築後の校舎内施設で代替可能となったことにより、現在、生徒の使用を禁止しております。
 当面、建物の点検を行いながら、現状の維持を図ってまいります。
   〔住宅局長戸井昌蔵君登壇〕

○住宅局長(戸井昌蔵君) コーポラティブ方式による都心居住の推進についてでございます。
 この方式は、住民みずからの発想による住まいづくりでありますことから、定住性のある都心居住を推進していく上で大変に意義があると考えております。
 東京都はこれまで、この方式による住宅建設に対しまして、融資あっせん制度を設け支援を行ってまいりましたが、幾つかの課題が、正直ございます。
 このようなときに、このたび、住宅金融公庫におきまして、まちづくりと連動した住宅供給を促進するため、都市居住再生融資制度が創設されました。
 その中で、ご指摘の初動期の融資が可能となりました。都といたしましても、都心共同住宅供給促進事業などと連携を図りながら、都心居住の推進に鋭意努めてまいります。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 地下空間緊急浸水対策についてですが、浸水に対する地下空間の安全確保という施設管理者の責務を支援するため、行政は情報提供や啓発活勤を行うという考えに基づき、本年六月から、区、市ごとの浸水実績図を公表するとともに、地下鉄や地下街など、大勢の人々が利用する施設の管理者に、気象情報、区、市ごとの雨量、主な河川の水位などを、変化に応じて刻々と、NTTの一斉同時ファクスを使い、希望者に有料で伝達するシステムを整え、既に三回の大雨に対応しております。
 ちなみに、利用料金は、ファクス一枚につき四十円でございます。
 利用者からは、一昨日の集中豪雨においても、このシステムにより最新の情報を入手し、心構えができて、土のうや止水板などの準備を迅速に行うことができたとの高い評価を受けております。
   〔下水道局長鈴木章君登壇〕

○下水道局長(鈴木章君) 下水道における雨水対策についてでございますが、従来からの浸水対策に加えて、最近の浸水被害の実態を踏まえた緊急重点雨水対策を本年三月に策定し、既に実施しております。
 この対策は、低地や地下街など、浸水に対する危険度の高い地域を重点化するとともに、雨水の貯留、浸透や下水道管渠のネットワーク化など、新しい整備手法を取り入れ、緊急かつ効果的に浸水被害を軽減させるものであります。
 ご指摘のように、一昨日も一時間八〇ミリメートルを超える集中豪雨が東京を襲っていることもあり、地元区等の関係機関の協力を得ながら、可能な限り速やかに対策を実施してまいります。
   〔環境局長齋藤哲哉君登壇〕

○環境局長(齋藤哲哉君) 省エネルギー化に関する二点についてお答えを申し上げます。
 まず、都庁の省エネルギー化の方針についてでございますが、都におきましては、平成九年度に都庁エコ・アップ計画を策定し、使用電力量などに削減目標を設定して、省エネルギー対策を進めてまいりました。その結果、新宿都庁舎の平成十一年度における使用電力量を、平成七年度に比べ約一九%減らすことができました。
 今年度、省エネルギー対策を含めた環境配慮を一層強化するため、都庁エコ・アップ計画を改定いたします。改定に当たりましては、これまでの都庁全体としての目標に加え、事業の実態に即したきめ細かな目標設定を行うなど、より効果の高い計画としていく考えでございます。
 次に、オフィスビルの省エネルギー化についてでございますが、今後、東京は、本格的な都市更新期を迎えるために、この機をとらえ、新たに建設される建築物を環境に配慮したものにしていくことが極めて重要であります。
 現在、東京都公害防止条例の改正の中で、一定規模以上の建築物の建設に当たって、環境計画書の提出を求め、新エネルギーの利用や省エネルギー設計の導入など、環境への配慮を促進する制度の創設を検討しております。
 こうした新たな制度の活用によりまして、東京のオフィスビルの省エネルギー化を進めてまいります。
   〔監査事務局長石綿昌男君登壇〕

○監査事務局長(石綿昌男君) 監査のあり方についての三点の質問にお答えいたします。
 まず、監査委員監査の役割についてでありますが、監査委員監査は、都民の代表である議員から選任される監査委員と、識見を有する者から選任される監査委員の、それぞれの立場からの判断を活用して監査を行う制度であり、地方自治体の監査制度としてすぐれた側面を有しております。
 外部監査が専門的立場から都政の特定の事件について監査するのに対し、監査委員監査は、監査委員制度のこのような特性を活用し、都の行財政運営全般に対し、合規性を確保しつつ、有効性の観点などを含め、幅広く監査するという役割を担っていると認識しております。
 次に、監査の取り組み状況の広報についてでありますが、都政が都民に信頼されるためには、監査も、その結果だけでなく、取り組み状況を含めて情報提供することにより、都政の透明性の向上に資することが重要であると考えております。
 これまでは、監査結果に関し、東京都公報に登載するなどの広報を行ってまいりましたが、必ずしも都民が監査に関する情報に接しやすい状況にはなかったと認識しております。
 そこで、今後、インターネットを活用するなど、都民が情報に接しやすい広報のあり方を検討してまいります。
 最後に、監査委員監査の課題と今後の取り組みについてでございますが、監査が信頼されるためには、その専門性と独立性が保たれていることが不可欠であり、これを確保、向上させていくことが課題であります。
 そのため、当面、職員に対する専門研修の充実などに取り組むとともに、将来的には外部の専門家の活用を検討するほか、他の自治体の監査事務局との協力、連合なども視野に入れていく必要があると考えております。
 現在、今後の監査委員監査のあり方について事務的な検討を行っておりますが、その結果を踏まえ、的確に対応してまいります。

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