平成十二年東京都議会会議録第九号

○議長(渋谷守生君) 七十一番山崎孝明君。
   〔七十一番山崎孝明君登壇〕

○七十一番(山崎孝明君) まず、国際都市東京にとって最も重要な社会資本である空港問題についてお伺いいたします。
 石原知事は、昨年、知事就任後早々に航空政策の担当理事を新たに設置され、また、第一回定例会や報道機関に対する発言は、さすが元運輸大臣だと感服するものがありました。都庁職員にしっかりと問題意識を植えつけるだけでなく、広く都民にこの問題の重要性を再認識させたといえるでしょう。
 新しい世紀を迎える今、世界のグローバル化の大波は、ますますその激しさを増し、資源を持たない我が国にとって、人、物、情報の交流が何よりも大切であり、日本の国が豊かで、そしてこれからもアジアの中でリーダーであるためには、首都圏において、しっかりとした拠点空港が必要であります。
 羽田、成田の空港容量不足が懸念される一方で、近隣アジア諸国は国家政策として大容量の空港を整備している状況を見るとき、このまま手をこまねいていれば、東京・首都圏はおろか、日本国家が疲弊すると危惧するところであります。
 そこで、伺います。首都圏新空港の必要性、緊急性について、どのように認識しているか。また、できれば、いつごろまでに整備する必要があると考えているか、あわせてご答弁をいただきたいと思います。
 私は、時折羽田空港を利用する一人であります。朝夕の混雑は、相当なものであります。また、使用されている飛行機は、圧倒的に大型ジャンボ機であります。
 ある資料によると、羽田空港の一機当たりの乗客数は平均二百三十四人。それに対し、諸外国の国内主要空港では約百人と、半分以下で、いかに羽田空港の大型機比率が高いかがわかります。これは、羽田空港の空港容量が足りないことを、機材、つまり航空機を大きくすることで補っているのであります。
 我々利用者にとっては、小型機、中型機であってもいい、もっと利用頻度を上げてもらいたい。そのためには、できるだけ早く首都圏に新しい拠点空港を整備する必要があると考えます。
 さらに、この羽田空港の空港容量不足による機材の大型化は、羽田空港に乗り入れている多くの地方空港の滑走路規模にも影響を及ぼし、地方都市の財源を圧迫するという弊害も起こしております。首都圏に空港容量がふえれば、機材の小型化により利用者の利便性が向上するだけでなく、YS以来途絶えている新しい航空産業が生まれる可能性を秘めていることも示唆しておきたい。
 空港整備は、長い期間を要する大事業であり、これまでの需要追随型の社会資本整備ではなく、日本の将来の発展を見据えた、需要創出型の、余裕を持った新しい空港の整備が望まれます。
 さて、平成八年に首都圏の空港に関する意見交換会なるものができ、運輸省と関係自治体と合同で検討を進めていると聞いておりますが、この四年間でどんな成果が得られたのか、具体的にご報告いただきたい。
 次に、国の第七次空港整備五カ年計画の中で、首都圏新空港については、海上を中心とした新たな拠点空港の建設を前提として、総合的な調査検討を進めるとしていますが、これまでにどんな候補地を、どんな自治体や商工団体が研究もしくは提案しているか、東京湾内に限って紹介をしていただきたいと思います。
 さきの本会議において、知事は、首都圏新空港について、国策として事業化するよう国に強く働きかけるとの所信表明がありました。これは、まさに時期を得た発言と評価するものでありますが、東京から日本を変える、国を動かすと主張し続け、銀行税の導入やディーゼル車の規制などにより都民の絶大な信頼を得ている石原知事であるならば、もう一歩踏み込んで、東京都が真に都民のためになる首都圏新空港をみずからの手で調査研究し、国に対して積極的に提案すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 成田空港でのボタンのかけ違え以降、国は空港立地について、みずからの責任で決定することに消極的になっているのではないかと思えます。関西国際空港や中部国際空港においても、まずその地域の地方自治体、経済団体が先鞭をつける努力があって現在があるのであります。
 そこで、伺います。都は、国に対してどんな働きかけをしたのか。また、今後、いかなる方針を持って首都圏新空港に取り組もうとされているのか、お伺いいたします。
 我々は、都民から信託を受けた都議会議員として、理事者と一緒にこの重要な問題について取り組んでいきたいと考えております。既に我が党では、湾奥に新空港をと提案する構想案を聞き取るなど研究を重ね、都民の視点に立ってこの課題に立ち向かってまいります。都としても、こうした民間団体の提案を聴取したり、都が主催する公聴会やシンポジウムを開催するなど、努力をすべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 閉塞状態にある日本経済の現状を打破するためにも、また、地方都市と首都東京の結びつきをさらに強め、ともに繁栄するためにも、首都新空港の早期実現に向けた石原知事の強いリーダーシップを望むものでありますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、臨海副都心の今後の開発について伺います。
 二十一世紀の東京の産業を、国際競争に打ち勝ち、我が国が経済をリードしていく力強いものにしていくためには、産・学・官の連携などによる先端技術産業の育成が不可欠であります。現在、臨海副都心では、文部省、科学技術庁及び通産省の共同プロジェクトである国際研究交流大学村が、来年三月をめどに建設中であります。しかし、大学村と称しているにもかかわらず大学がないのは、十分な成果を上げられるかどうか、疑問であります。
 そこで、この隣接地に、研究者を育成したり、実践的な研究活動を行う理工系の大学機関を誘致し、国際大学村との連携を図れば、東京の新たなる産業技術の創出基盤ができ、東京の産業の再活性化に大いに資するものと思います。
 石原知事の広い人脈を活用されて、臨海副都心への理工系大学や大学院の誘致のため、関係機関への働きかけを積極的に行っていくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、臨海副都心の今後の用地処分について伺います。
 臨海副都心の開発については、六月初めに暫定利用の公募が行われるなど、着実に事業が進んでいることは理解できますが、長期貸付のみならず、我が党が主張してきた売却も含めて、積極的な事業展開と事業者誘致をすべきと思いますが、所管局長の所見をお伺いいたします。
 次に、東京港臨海道路の今後の整備について伺います。
 大田区城南島から中央防波堤内側を通り江東区若洲を結ぶ計画の東京港臨海道路は、東京湾岸地域の東西を結ぶ幹線道路であり、三環状道路などと並び、二十一世紀の首都圏の広域道路ネットワークを形成する重要路線であります。この道路が完成すれば、東京港や羽田空港との交通は一層円滑化することはもとより、臨海副都心の通過交通が減少し、臨海副都心の交通混雑緩和にも大きく寄与するものと考えます。
 また、私どもが以前から主張してきた江東区の新木場が、昨年十二月に臨港地区の分区の変更がなされ、工業専用地域が準工業地域に変わり、オフィスビルの建設が可能になるなど、土地利用の規制が大幅に緩和され、地元では今後の地域の発展に大きな期待が寄せられております。
 東京港臨海道路の完成は、新木場の道路事情の悪さを格段に改善し、湾岸地域の東西を結ぶ交通の要所としての新木場の新たな発展可能性をさらに大きなものにすると考えます。
 現在、東京港臨海道路の整備は、第一工区の工事が、来年、つまり平成十三年度の完成を目指して順調に進められていると聞いております。この道路の効果を真に発揮させるためには、早期に第二工区の工事に着手し、大田区と江東区を結ぶ全線を完成させる必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、東京港のふ頭内の交通問題であります。
 東京港は、昨年、外国貿易額日本一を達成し、江東区内の青海ふ頭も、国際コンテナターミナルとして、近年、貨物取扱量が急増しております。
 東京港が活況を呈することは喜ばしいことでありますが、施設の逼迫から派生する交通問題など深刻さを増しております。例えば、青海ふ頭ではコンテナターミナルに入るための待機車両の行列や、十号その二ふ頭などではコンテナ等を運ぶシャシーの違法駐車などが目立っており、ふ頭内の交通の大きな障害になっているだけでなく、交通事故の多発も指摘されております。
 東京港を効率的に利用していくために、このようなふ頭内の交通問題を着実に解決していくことが重要と考えますが、港湾局長の所見を伺います。
 次に、新木場緑道公園の整備についてお伺いいたします。
 都は、これまで埋め立てによって造成された土地を利用して、海上公園を計画的に整備してきました。その結果、現在では、二十三区内の都立公園の実に四六%を海上公園が占めるまでに至っており、私の地元である江東区でも、三十年前には、住民一人当たりの公園面積はわずか〇・七五平米でしたが、今日では、二十三区中、第三位の十平米までになっております。
 ところで、海上公園には、公園と公園を結ぶ緑道公園があり、都民が水辺や緑に親しみながら、ジョギングやサイクリングなどを楽しむのに最適の場となっております。しかし、新木場緑道公園の湾岸道路横断部は、わずか直線で約百メートルが未整備であります。ここは、従来から、江東区陸上競技協会が主催する江東区シーサイドマラソンのコースとして使用されておりますが、未整備のため、段差解消の仮設工作物を設置したり、あえて迂回をして危険な一般道を走るなど、対策に苦慮してきたところであります。江東区及び江東区陸上競技協会は、平成十二年秋の大会が二十周年の記念大会となるため、このコースを日本陸連の公認コースとすることを望んでおります。
 この未整備部分を早急に整備し、夢の島緑道公園から新木場緑道公園への一体利用を可能にし、公認マラソンコースとして使用可能にすべきと考えますが、所管局長のご所見をお伺いいたします。
 最後に、江東内部河川の水辺環境の改善についてお伺いいたします。
 江東内部河川とは、隅田川と荒川、そして東京湾に囲まれた地域で、横十間川、大横川、北十間川、竪川、小名木川、旧中川の六河川のことをいいますが、これらはすべて運河であり、地盤沈下により、橋はほとんどが太鼓橋であり、護岸はかみそり堤防といわれておりました。水の流れが少ないため、かつては、水が汚れていて魚の姿が見られない時期もありました。しかし、近年では水質が改善され、魚も多く見られ、釣りを楽しむ人も多くなっております。マンションのベランダからハゼ釣りをする人の姿さえ見かけるほどであります。
 さて、先ごろから、有明北地区の埋立事業に対して、一部に、都民の釣りの対象であるマハゼの生息地が失われるとの主張があり、報道などでは大きく取り上げられてきました。しかし、江東区内の内部河川や湾岸部の今日の状況を見ると、有明北でも埋立事業が完了し、残された水辺の環境が改善されれば、ハゼなどの魚は必ず戻ってくると私は確信しております。
 そこで、水質改善の事例として、江東内部河川の水質の状況と、現在どのような魚の生息が確認されているか、お伺いいたします。
 江東内部河川は、かつて、江戸・東京の発展に大きな役割を果たし、人々の暮らしに密着した存在でありました。しかし、明治以降の工業化に伴って発生した地盤沈下に伴う、堤防のかさ上げや水質の悪化によって、人々と水辺との関係は遠いものとなってしまいました。
 具体的にいえば、直立護岸のため、親水公園を除くと、住民が水辺に近づくことが難しい状況であります。かつてのように暮らしの中に溶け込んだ川としてよみがえらせることが人々の願いであり、この願いをかなえるために、江東内部河川の水辺環境を総合的に改善するため、都としてどのような方針で臨むかをお伺いいたします。
 次に、護岸の構造と老朽化の問題について伺います。
 江東内部河川の特に地盤の低い東側の河川は、平成五年に水位を人工的に低下させ、地震、水害に対する安全性が確保されましたが、水際の鋼矢板がさびており、地盤沈下が続いた時代にかさ上げされた、背の高い直立護岸がいまだ多く残されております。
 江東内部河川には、水上バスも運航されておりますが、水上から、あるいは対岸からの景色を著しく損なっているばかりでなく、背の高い護岸が地域を分断し、人々が水辺に近づきにくく、都市景観の面からも劣悪な状態になっております。
 江東内部河川の一つである旧中川は、改善された区間において、散歩したり魚釣りをする人の姿がたくさん見られ、昨年からは灯籠流しも行われるなど、地域の人々から大変喜ばれております。
 そこで、小名木川は、江東区の中央を東西に流れる重要な河川でありますが、旧中川に比べ改修はおくれております。小名木川のうち、水位が低下されている東側区間の今後の改修予定についてお伺いいたします。
 また、改修の際には、水際の緑化など、環境や景観に配慮すべきと考えますが、ご所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山崎孝明議員の一般質問にお答えいたします。
 首都圏新空港の必要性、緊急性等についてでありますが、これはもう国家にとってまさに焦眉の問題だと私は思います。しかし、残念ながら、政府に限らず、国政に従事している政治家たちに歴史に対する予見性があるのかないのか、ともかくこういう問題について非常に鈍感な反応しか得られないというのも残念なきわみであります。
 いずれにしろ、三千三百万人の人口を擁する東京圏にとって、増大するその航空需要に対応できる空港容量と、やがて完成するでしょう超音速旅客機が離発着できる滑走路を備えた新空港の整備は、もうこれは不可欠な問題だと思います。
 まして、そのスーパーソニックは、マッハを超えるときに、地上に対するある衝撃音を起こしたりしますし、そういうものを勘案すれば、環境の問題からも、これはもう東京湾をおいて立地はないと思いますが、いろいろ案がありますけれども、しかし、どうも案とか論の域を出ずに、なかなか軌道に乗りがたい。
 これはもう国策でありますから、あくまでも国が主体性を持って、主導性を発揮して、一刻も早く整備に着手すべき問題と思いますが、国が動かないなら、やっぱり東京が首都圏というものを代表して、こういった問題について大きな引き金を引くべきではないかと思います。
 いずれにしろ、少なくとも十年以内にはこれが完成されないと、国家の衰運につながりかねないと思います。
 そのためには、やはり大蔵省などが、会計年度方式に固執せずに、新しい会計年度方式で集中豪雨的に予算を投下して、短期間で、日本の技術、財力をもってはできないことはありませんから、すべきではないかと思うんですが、まあ、そういう主張も東京からしていきたいと思っております。
 次いで、東京都自身が自分で調査研究して、国に対して積極的に提案すべきということであります。
 実は、まだ公にしておりませんけれども、私の私的な諮問機関、ブレーンには、やがて作成します東京構想二〇〇〇と相まって、どういう形でこれを組み込んでいくか、そしてまたその場合には、もう要するに東京湾の水域のどこからどこまでが千葉県であり、東京のものであるか、そういうくだらぬ区分を超えて、これはやっぱり国家が動かないと、なかなかそういうものを淘汰できませんけれども、いずれにしろ、迅速に新規の空港というものを国全体のためにつくるという、せいぜいサジェスチョンの域を出ませんが、しかし、そういう調査もし、案もつくって、国に提示もしていきたいと思っております。
 国でも、ようやく今年度から、首都圏空港、新空港について具体的な検討を進め出したようでありますが、私の昔の古巣でもあります運輸省にいろいろサウンドしても、なかなか国のお役人というのは、口がかたいというだけじゃなしに、おずおずおずおずしか物を、動かぬし、やがて省庁の統廃合もあるものですから、ちょっとこれは棚上げされているという節がございますが、一方、東京都でも、あくまでも首都圏全体を視野に置いて、空港機能及び利便性の向上の実現を目指して、航空政策基本方針、仮称でありますけれども、そういったものを本年度じゅうに取りまとめたいと思っております。
 次いで、この首都圏新空港をいかに早期実現していくかという問題であります。
 これは本当に早いにこしたことはないんですけれども、例の、国がいかにも鈍感で遅くて物事に端緒がつかない。いずれにしろ、この三千三百万の人口、ヒートアイランドを抱えた首都圏に四千メートルの滑走路が一本しかないというのは、これは話にならないことでありまして、仮想競争相手でありますニューヨークに比べても、こういう点では非常に劣悪な条件でしかない。
 まあ、先日申しましたが、日本の首都東京に対する空からのアクセスがいかにも貧弱だというのは、日本人が意識して構えた排他主義で、非関税障壁だなんというばかなことをアメリカの議会筋はいいますけれども、これは筋違いの非難でありますが、しかし、彼らから見れば、これだけの国力を持ちながら、なおそういう致命的な社会資本というものを整備せずにいる日本の姿勢というのは、もうそう勘ぐられてもしようがないぐらい、つまり情けない状態にある。これを、東京が口火を切ることで何とか克服して、単に東京圏だけではなしに、国家全体のために大きな推進力になっていかなくてはならぬと自覚しております。
 次いで、臨海副都心への理工系大学等の誘致でございますけれども、臨海副都心は、今後、アジアとの経済、技術、研究交流などの新しい発展が期待される、拠点として期待される地域でありまして、現在建設中の国際研究交流大学村は、それを実現するための具体的一歩となるはずであります。
 ご指摘のとおり、このエリアに理工系の大学や大学院を誘致できれば、産・学・官の連携による産業、技術の創造の基盤が整い、東京の経済の再生にも大きく寄与するはずでありますが、大学はともかく、私はやっぱり、大学院とか非常に高度な研究所、そういったものは当然しかるべきだと思いますし、また、先般もちょっと触れましたけれども、アジアの大都市の連携の一つと、メタファー、媒体になります、アジアの新しいアイデンティティーを獲得するためにも意味があると思います、中小型のジェット旅客機のようなものは、ここで設計されて、ここで勘案されて、つくるのは、分散して、アジアのどこかでつくったらよろしいんでありますけれども、やはりそうですね、設計図のようなもの、ここで、要するに各国の、各大都市のブレーンを集めて、集約されて、アジアはアジアでこれだけの力を見せるということが望ましいんではないかと思っております。
 次いで、東京港の臨海道路についてでありますが、この路線は、東京湾岸域を東西に結びつけて、新木場地区を含めた東京臨海地域の発展や港湾物流の効率化に大きく寄与しますし、また、他の広域幹線道路とともに、首都圏の有力な道路ネットワークを形成する重要な路線であります。
 現在、城南島から中央防波堤までの区間について、平成十三年度の完成に向けて精力的に取り組んでおりますし、また、本来の効果を実現するためにも、大田区と江東区を結ぶ路線全体の完成が必要と考えております。
 その整備時期等については、現在策定中の臨海地域の新たな整備方針の中で明らかにしたいと思っております。
 その他の質問については、東京都技監並びに関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監成戸寿彦君登壇〕

○東京都技監(成戸寿彦君) 首都圏新空港に関します四点のご質問にお答えいたします。
 まず、首都圏の空港に関する意見交換会の成果についてでございますが、意見交換会は、平成八年に発足して以来、現在までに十二回開催されておりまして、国と七都県市間で、首都圏の航空輸送及び空港に関する現状、課題等について、情報や意見の交換がなされております。
 具体的に申し上げますと、航空管制、空域及び海上航路の現状、将来の航空技術開発の動向など、首都圏新空港の検討に必要な基礎的事項の認識が深められてきております。
 次に、新空港の候補地についてでございますが、これまでに、数多くの首都圏新空港に関する構想が、自治体や民間の研究会等から提案をされてきております。お尋ねの、東京湾内を候補地といたしますものに限りましても、地元の市と商工関係団体等が協力して調査し提案しております横浜、富津及び横須賀のほか、東京湾奥、扇島など、十以上の候補地があるというふうに承知をいたしております。
 また、首都圏新空港の国への働きかけ及び今後の方針についてでございますが、都は、国において、関係自治体とも連携した首都圏新空港構想の具体化のための調査検討を推進し、国の施策として新空港の事業化を図るよう、強く要請いたしております。
 国では、今年度から、新たな空港についての複数の候補地を抽出いたしまして、その比較検討を行うこととしておりまして、都といたしましては、候補地を早期に決定するよう、国に働きかけてまいります。
 最後に、民間団体からの提案の聴取やシンポジウムの開催についてでございますが、都は、構想を提案しております民間の研究会等から個別に説明を受けるなど、都の立場で調査研究を進めることといたしております。
 今後、都は、国の検討状況に応じて、関係自治体と連携したシンポジウムの開催を呼びかけるなど、望ましい新空港が実現するよう、積極的に国に働きかけをしてまいります。
   〔港湾局長浪越勝海君登壇〕

○港湾局長(浪越勝海君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、臨海副都心の今後の用地処分についてでございますが、臨海副都心においては、暫定利用を含め、これまで、計画的、段階的に事業者誘致を進めてきました。
 本年度は、暫定利用の進出事業者を七月下旬に決定する予定でございますし、また、第二次公募につきましては、本年三月に三区画を追加して事業者の登録を行うとともに、七月中に公募を実施すべく、現在準備を進めております。
 臨海副都心開発を着実に推進していくためには、適時適切な土地処分が重要と考えており、今後とも、市場のニーズや地価の動向を見きわめながら、民間事業者への土地売却の導入時期を検討するとともに、さまざまな工夫を行い、積極的な事業者誘致に努めてまいります。
 次に、ふ頭内の交通問題についてでございますが、東京港の発展とともに、シャシー、トラック等、荷役車両の交通量は近年著しく増加しており、違法駐車などの問題は、港湾運営にとって重要な課題であると認識しております。
 現在まで、所轄警察署や港湾運送事業者などとも協力し、車両待機場の設置を初め、標識の整備、定期的なパトロール、さらには交通ルールの遵守を呼びかけるPR活動などを実施してまいりました。
 今後、さらに、官民一体となって、ふ頭内道路の適切な規制方法等を検討していくとともに、港湾管理者として、事業者に対し、コンテナターミナルのゲートオープン時間の延長を働きかけたり、コンテナを保管するバンプール等を増設するなど、交通問題の解決に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、新木場緑道公園の整備についてでございますが、臨海地域の埋立地に海上公園を整備し、都民が水辺と緑に親しめる環境を創出することは、非常に重要な事業と考えております。
 新木場緑道公園のご指摘の未整備箇所につきましては、本年度中の完成を目指し準備を進めているところでございます。
 工事に当たっては、園路整備を先行して実施し、十一月開催予定の江東区シーサイドマラソンに間に合うよう整備してまいります。
   〔環境局長齋藤哲哉君登壇〕

○環境局長(齋藤哲哉君) 江東内部河川の水辺環境に関する二点について、お答えを申し上げます。
 まず、江東内部河川の水質と魚の生息状況についてでございますが、小名木川を例にとりまして申し上げますと、生物化学的酸素要求量、いわゆるBODで水質を見ますと、昭和五十年代は、年平均で一リットル当たり五ミリグラムを超える状態で、魚の生息に望ましくない環境にありました。その後、環境基準を魚のすめるC類型に設定するなど、水質改善のための施策を進めた結果、平成十一年度のBODの年平均値は、一リットル当たりで二・二ミリグラムと改善されております。
 このような中で、平成十一年八月に、江東内部河川について、魚類の生息状況を調査したところ、マハゼを初めとして、スズキ、ボラ等、九種類の魚の生息が確認されております。
 次に、江東内部河川の水辺環境の改善の方針についてのお尋ねでございます。
 江東内部河川は、古くから周辺住民の生活に深いかかわりのある水路であり、また、海水と淡水がまざり合って、多様な生物の生息が期待できる水域となっております。
 このため、東京都水環境保全計画では、川底のしゅんせつや合流式下水道の改善によりまして、水質のさらなる向上を図るとともに、自然に配慮した水辺づくりを進め、生き物が生息しやすい環境を整備するなど、身近に親しめる水辺環境を創造することとしております。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 小名木川東側区間の改修予定についてですが、今年度は、測量及び基本設計を実施し、財政状況を踏まえつつ、工事の着手に向け準備を進めます。
 改修に当たっては、現況の背の高い護岸を切り下げ、人々が水際を歩けるよう、テラスを築造するとともに、ツル性の植物により護岸を覆うなど、環境や景観に配慮し、下町河川の特性を生かした潤いのある水辺をつくってまいります。

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