平成十二年東京都議会会議録第五号

平成十二年三月八日(水曜日)
 出席議員(百二十二名)
一番織田 拓郎君
二番中嶋 義雄君
三番服部ゆくお君
四番真鍋よしゆき君
五番吉住  弘君
六番松原 忠義君
七番町田てるよし君
九番大西由紀子君
十番竹下 友康君
十一番馬場 裕子君
十二番福士 敬子君
十三番山本  信君
十四番くぼた 光君
十六番木内 良明君
十七番藤井  一君
十八番東野 秀平君
十九番原   環君
二十番中西 一善君
二十一番田代ひろし君
二十二番三宅 茂樹君
二十三番川井しげお君
二十四番いなば真一君
二十六番藤田十四三君
二十七番大河原雅子君
二十八番沢西きよお君
二十九番西条 庄治君
三十番土屋たかゆき君
三十一番田中 智子君
三十二番浅川 修一君
三十三番清水ひで子君
三十四番吉田 信夫君
三十五番かち佳代子君
三十六番鈴木貫太郎君
三十七番森田 安孝君
三十八番谷口 卓三君
三十九番今井 悦豊君
四十番菅原 一秀君
四十一番高島なおき君
四十二番吉野 利明君
四十三番倉林 辰雄君
四十四番遠藤  衛君
四十五番野田 和男君
四十六番樺山 卓司君
四十七番宮崎  章君
四十八番野村 有信君
四十九番藤田 愛子君
五十番田島 和明君
五十一番寺山 智雄君
五十二番林  知二君
五十三番和田 宗春君
五十四番藤岡 智明君
五十五番古館 和憲君
五十六番小竹ひろ子君
五十七番小松 恭子君
五十八番前沢 延浩君
五十九番大木田 守君
六十番曽雌 久義君
六十一番石川 芳昭君
六十二番白井 常信君
六十三番前島信次郎君
六十四番比留間敏夫君
六十五番新藤 義彦君
六十六番近藤やよい君
六十七番鈴木 一光君
六十八番小礒  明君
六十九番羽曽部 力君
七十番古賀 俊昭君
七十一番山崎 孝明君
七十二番山本賢太郎君
七十三番白井  威君
七十四番藤川 隆則君
七十五番坂口こうじ君
七十六番島田  久君
七十七番小林 正則君
七十八番大山とも子君
七十九番曽根はじめ君
八十番たぞえ民夫君
八十一番松村 友昭君
八十二番丸茂 勇夫君
八十三番五十嵐 正君
八十四番石井 義修君
八十五番萩谷 勝彦君
八十六番桜井良之助君
八十七番田村 市郎君
八十八番佐藤 裕彦君
八十九番三原 將嗣君
九十番星野 篤功君
九十一番大西 英男君
九十二番花川与惣太君
九十三番井口 秀男君
九十四番立石 晴康君
九十五番清原錬太郎君
九十六番小山 敏雄君
九十七番大山  均君
九十八番山崎  泰君
九十九番尾崎 正一君
百番嶋田  実君
百一番東ひろたか君
百二番野村 友子君
百三番池田 梅夫君
百四番村松みえ子君
百五番植木こうじ君
百六番土持 正豊君
百七番中山 秀雄君
百八番橋本辰二郎君
百九番藤井 富雄君
百十番桜井  武君
百十一番松本 文明君
百十二番藤沢 志光君
百十三番川島 忠一君
百十四番矢部  一君
百十五番内田  茂君
百十六番内藤  尚君
百十七番三田 敏哉君
百十八番渋谷 守生君
百十九番田中 晃三君
百二十番奥山 則男君
百二十一番三浦 政勝君
百二十二番河合秀二郎君
百二十三番田中  良君
百二十四番西田ミヨ子君
百二十五番渡辺 康信君
百二十六番木村 陽治君
百二十七番秋田かくお君

 欠席議員(二名)
 十八番 東野 秀平君
百十六番 内藤  尚君
 欠員
八番 十五番 二十五番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事福永 正通君
副知事青山やすし君
出納長佐々木克己君
東京都技監都市計画局長兼務成戸 寿彦君
政策報道室長柿沼 伸二君
総務局長横山 洋吉君
財務局長木内 征司君
警視総監野田  健君
主税局長大塚 俊郎君
生活文化局長今沢 時雄君
環境保全局長齋藤 哲哉君
高齢者施策推進室長福祉局長兼務神藤 信之君
衛生局長今村 皓一君
労働経済局長大関東支夫君
住宅局長戸井 昌蔵君
建設局長古川 公毅君
消防総監池田 春雄君
教育長中島 元彦君
港湾局長浪越 勝海君
清掃局長安樂  進君
交通局長横溝 清俊君
水道局長赤川 正和君
下水道局長鈴木  章君
都立大学事務局長土肥 謙二君
多摩都市整備本部長久保田康治君
中央卸売市場長大矢  實君
選挙管理委員会事務局長鳴川 智久君
人事委員会事務局長中山 弘子君
地方労働委員会事務局長歩田 勲夫君
監査事務局長石綿 昌男君
収用委員会事務局長斉藤 好平君

 委員会審査報告
三月八日議事日程第五号
第一第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第二第二百三号議案 平成十一年度東京都埋立事業会計補正予算(第一号)
第三第二百四号議案 平成十一年度東京都臨海副都心開発事業会計補正予算(第一号)
第四第百九十七号議案 平成十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第五第二百五号議案 平成十一年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)
第六第百九十一号議案 建物の売払いについて
第七第百八十八号議案 東京都多摩川清掃工場プラント更新工事請負契約
第八第三十四号議案 東京都組織条例の一部を改正する条例
第九第四十号議案 平成十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第十第二百二号議案 平成十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第十一第百七十四号議案 都立町田工業高等学校(十一)改築工事請負契約
第十二第百七十五号議案 都立武蔵高等学校(十一)改築工事請負契約
第十三第百七十六号議案 都営住宅一一H-一〇五・八〇一東(新砂三丁目)工事請負契約
第十四第百七十七号議案 都営住宅一一H-一〇六東(新砂三丁目)工事請負契約
第十五第百七十八号議案 都営住宅一一H-〇〇一・八〇四東(枝川一丁目第五)工事請負契約
第十六第百七十九号議案 都営住宅一一H-〇〇二東(町屋六丁目第二)工事請負契約
第十七第百八十号議案 都営住宅一一H-〇〇三東(町屋六丁目第二)工事請負契約
第十八第百八十一号議案 都営住宅一一H-〇〇四東(西五反田三丁目)及び一一CH-〇〇五東(西五反田三丁目・建設局施設)工事請負契約
第十九第百八十二号議案 都営住宅一一H-一一一・八〇三東(百人町三丁目第三)工事請負契約
第二十第百八十三号議案 都営住宅一一H-一一一南(昭島拝島)工事請負契約
第二十一第百八十四号議案 都営住宅一一H-〇〇三・八〇三南(多摩ニュータウン十七住区Aブロック)工事請負契約
第二十二第百八十五号議案 都営住宅一一H-一一二南(三鷹新川五丁目)工事請負契約
第二十三第百八十六号議案 白鬚西地区市街地再開発事業施設建築物(十街区・A棟)建築工事請負契約
第二十四第百八十七号議案 神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その三-二)請負契約
第二十五第百九十号議案 土地の売払いについて
第二十六第百九十二号議案 建物の売払いについて
第二十七第百九十三号議案 土地の買入れについて
第二十八第百四十四号議案 東京都緊急地域雇用特別基金条例

   午後一時開議

○議長(渋谷守生君) これより本日の会議を開きます。

○議長(渋谷守生君) まず、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(會田紳次君) 東京都選挙管理委員会委員長より、平成十二年三月一日付で、東京都選挙管理委員会委員の就退任について通知がありました。

○議長(渋谷守生君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二十八まで、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)外議案二十七件を一括議題といたします。
 本案に関する委員会審査報告書は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。
   総務委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 総務委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
総務委員長 石井 義修
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
予算総則
歳入
歳出
都債―財政委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
財政委員長 白井  威
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   文教委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出―文教委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
文教委員長 植木こうじ
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   都市・環境委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出―都市・環境委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
都市・環境委員長 尾崎 正一
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   厚生委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 厚生委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
厚生委員長 曽根はじめ
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
経済・港湾委員長 樺山 卓司
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第201号議案
平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 建設・住宅委員会所管分
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
建設・住宅委員長 古賀 俊昭
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第203号議案
平成十一年度東京都埋立事業会計補正予算(第一号)
 第204号議案
平成十一年度東京都臨海副都心開発事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
経済・港湾委員長 樺山 卓司
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   建設・住宅委員会議案審査報告書
 第197号議案
平成十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
建設・住宅委員長 古賀 俊昭
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   公営企業委員会議案審査報告書
 第205号議案
平成十一年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
公営企業委員長 大木田 守
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第191号議案
建物の売払いについて
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
財政委員長 白井  威
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   財政委員会議案審査報告書
 第174号議案
都立町田工業高等学校(十一)改築工事請負契約
 第175号議案
都立武蔵高等学校(十一)改築工事請負契約
 第176号議案
都営住宅一一H-一〇五・八〇一東(新砂三丁目)工事請負契約
 第177号議案
都営住宅一一H-一〇六東(新砂三丁目)工事請負契約
 第178号議案
都営住宅一一H-〇〇一・八〇四東(枝川一丁目第五)工事請負契約
 第179号議案
都営住宅一一H-〇〇二東(町屋六丁目第二)工事請負契約
 第180号議案
都営住宅一一H-〇〇三東(町屋六丁目第二)工事請負契約
 第181号議案
都営住宅一一H-〇〇四東(西五反田三丁目)及び一一CH-〇〇五東(西五反田三丁目・建設局施設)工事請負契約
 第182号議案
都営住宅一一H-一一一・八〇三東(百人町三丁目第三)工事請負契約
 第183号議案
都営住宅一一H-一一一南(昭島拝島)工事請負契約
 第184号議案
都営住宅一一H-〇〇三・八〇三南(多摩ニュータウン十七住区Aブロック)工事請負契約
 第185号議案
都営住宅一一H-一一二南(三鷹新川五丁目)工事請負契約
 第186号議案
白鬚西地区市街地再開発事業施設建築物(十街区・A棟)建築工事請負契約
 第187号議案
神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その三-二)請負契約
 第188号議案
東京都多摩川清掃工場プラント更新工事請負契約
 第190号議案
土地の売払いについて
 第192号議案
建物の売払いについて
 第193号議案
土地の買入れについて
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
財政委員長 白井  威
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   総務委員会議案審査報告書
 第34号議案
東京都組織条例の一部を改正する条例
 第40号議案
平成十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
総務委員長 石井 義修
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   総務委員会議案審査報告書
 第202号議案
平成十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月三日
総務委員長 石井 義修
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   経済・港湾委員会議案審査報告書
 第144号議案
東京都緊急地域雇用特別基金条例
 本委員会は、三月二日付託された右議案を審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので報告します。
  平成十二年三月六日
経済・港湾委員長 樺山 卓司
 東京都議会議長 渋谷 守生殿

○議長(渋谷守生君) これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 百三番池田梅夫君。
   [百三番池田梅夫君登壇〕

○百三番(池田梅夫君) 私は、日本共産党東京都議団を代表して、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算外五議案に反対する立場から討論を行います。
 今年度最終補正予算案は、景気対策とか経済の活性化などというものの、その内容は、幹線道路建設の用地買収、首都高公団への出資、汐留を初めとする区画整理や市街地再開発など、従来型の公共事業が大半を占めています。中小企業への貸し渋り対策もあるものの、それはごく一部にすぎません。
 このような従来型の大型公共事業が、専ら大手ゼネコンに吸い上げられるだけで、景気対策としてほとんど役立たなかったことは、今日では立証済みであります。雇用確保の面でも、建設省の公共事業着工統計によれば、政府が経済対策の名で公共事業費を膨張させた九〇年代に、就労者は、逆に大幅に減少しています。
 景気対策というなら、何よりも、GDPの六割を占める個人消費と中小企業の設備投資を暖めることであり、福祉、医療の拡充や、公共事業の生活・福祉型への転換こそ進めるべきであります。国に追随し、従来型公共事業を前倒しした補正予算案が、景気対策の名に値しないことは明らかであります。
 しかも、最終補正予算案の財源は、そのほとんどが借金、起債であります。その結果、この最終補正予算案と来年度予算案を合わせると、投資型経費は一兆円に上り、新たな借金も、今年度予算を上回る六千数百億円となるのであります。今後も新たな借金をこの水準で毎年続けると、八年後には、借金残高は十兆円にも達することになります。
 今日の都の財政難の原因は、バブルに踊って大型公共事業を膨張させ、そのために巨額の借金を積み上げてきたことにあります。この借金の元利返済が、バブル前に比べて二倍にも三倍にも膨れ上がっていることが、都のいう、いわゆる財源不足の直接の要因になっていることは、財政当局自身がだれよりもよく自覚しているはずであります。にもかかわらず、借金財政をさらに拡大する最終補正予算案を提案するというのは、まさに危機意識の欠如といわなくてはなりません。
 同時に、重大なことは、最終補正予算案が、臨海高速鉄道、地下鉄十二号線建設など交通関係第三セクターのずさんな事業の穴埋めのために、まともな原因と責任の究明もないまま、一千二百億円にも上る巨額の財政支援を行う内容になっていることであります。
 最終補正予算案は、臨海高速鉄道の工事費がおよそ八百億円、三割近く膨れ上がったとして、都が百五十億円の追加出資を行うとしています。また、地下鉄十二号線についても、同じく工事費が、五割近く約三千億円も膨れ上がった穴埋めに、九百億円をつぎ込むとしています。
 しかし、公共事業の工事費がこのように異常に膨れ上がったというのは、それ自体大問題です。どう処理するかを決める前に、まず、全面的に情報と資料を都民に明らかにした上で、どうしてこんな事態が生まれたのか、その責任はどこにあるのか、徹底的な究明を行うのが先決であります。それもしないで、補正予算に巨額の支援を組み、押し通そうなどというのは、断じて許されるものではありません。
 地下鉄十二号線については、十九の工区のすべてで、それぞれ三回から十二回もの設計変更が繰り返されており、最高で三・三倍にも工事費が膨れ上がっています。正規の入札を経た事業でこんな事態が起きることは常識では考えられないことであり、あってはならないことです。大体、概略設計で入札を行った上、詳細設計は工事業者任せなどというのは驚くべきことです。
 この工事については、知事も昨年の第二回定例会で述べたように、談合の疑惑もあり、我が党も、事前の談合情報や、ほぼ情報どおりに、大手ゼネコンを中心に工区割りが行われ落札されたことなどを、一貫して追及してきました。都の穴埋め計画では、今後も、都がさらなる財政支援を行うことになっています。これらを含め、改めて全容の究明が必要であります。
 臨海高速鉄道についても、この間の我が党の議会での追及によって、工事費が膨れ上がった背景に、JRいいなりの姿勢があることが明らかになりました。JRに委託していた大崎駅付近の工事が、JRの要求で開削工法からシールド工法に変更されたことや、JRの線路の上に広場をつくる工事を臨海高速鉄道が全額負担することにしたことなど、都の姿勢が厳しく問われなくてはなりません。もとより我が党は、これらの線路の公共交通としての役割自体は否定するものではありません。しかし、だからといって、野方図な財政投入は絶対に許されないのであります。
 都は、来年度予算案で、シルバーパスの全面有料化や老人医療費助成の廃止など、かけがえのない福祉は、あれもこれも、ばっさり削ろうとしています。その平年度の影響額は、一千億円にも上るのであります。命と健康の支えを奪わないで、という痛切な都民の声が渦巻いています。
 こうした都民への冷たい仕打ちの一方で、野方図な第三セクターへの支援や、従来型公共事業には巨額の財政投入を行い、借金財政の傷を深くする最終補正予算案は、まさに逆立ちのきわみであります。よって、反対するものであります。
 税金の使い方を、大型公共事業優先から、福祉、暮らし主役に切りかえることを強く求めて、私の討論を終わります。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 三番服部ゆくお君。
   [三番服部ゆくお君登壇〕

○三番(服部ゆくお君) 私は、東京都議会自由民主党を代表して、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)を初め本日の本会議において議決する全議案に、原案賛成の立場から討論を行います。
 我が国経済が深刻な不況の中で、自由民主党は、政権を担う責任政党として、政府と協力し、昨年末の経済新生対策を初めとして、さまざまな景気対策に全力で取り組んでまいりました。こうした経済回復のための取り組みにより、民間企業の設備投資等で景気好転への兆しが出始めている一方で、個人消費が足踏み状態となっているなど、まだまだ予断を許さない状況であることも否定はできません。
 国民生活が明るく夢のある二十一世紀を迎えることができるか否かは、景気が本格的な回復軌道に乗れるかどうかにかかっています。今はその大切な分岐点であり、今こそ東京の再生を図り、ひいては我が国の再生に向けて踏み出さなければなりません。経済を活性化させることは、都民福祉の向上に役立つばかりではなく、長期的視点に立てば都税収入の増加につながり、健全な財政基盤を確立する上からも極めて重要なことであります。
 そうした意味で、平成十一年度最終補正予算において、国の経済新生対策や緊急雇用対策に時期を失することなく適切に取り組んだことは、我が会派の主張に沿ったものであります。
 同時に、臨海高速道路など公共交通機関の整備への対応は、通勤混雑の緩和や都市構造の再編を促進し、さらには都市環境の改善に寄与するものであり、高く評価するものであります。
 そして、東京都臨海高速鉄道臨海副都心線整備事業の出資割合についてです。この事業は、臨海副都心への交通アクセスを強化するとともに、東京圏における広域的な鉄道ネットワークを形成する重要な事業であります。この鉄道の出資については、沿線開発と一体的に整備することから、沿線開発により利益を受ける臨海副都心会計及び埋立事業会計、また、鉄道沿線地域は都バスのエリアであって、鉄道開通に伴いバスの再編整備なども見込まれることから、東京都高速電車事業会計にも出資を求めたものと考えます。したがって、今回の追加出資についても、当初の比率に沿って応分の負担を求めたもので、妥当な出費と考えております。
 なお、東京都が先行して出資しておりますが、JRなどの民間出資についても、応分の負担を求めるよう、今後とも引き続き一層努力されることを要望しておきます。
 今回の補正予算では、都税の減収への対応、並びに国の経済新生対策や緊急雇用対策に伴う第二次補正予算関連事業等に対応するため、約二千三百億円の都債を増額しています。我が会派としては、都財政が危機的な状況にあり、こうした景気対策等に適切に対応するための財源が見出せないことから、都債の活用はやむを得ないものであると考えます。確かに、都債の増額により、今後の公債費償還額を押し上げることも懸念されます。
 こうした観点から、都債の増発は極力抑制すべきという議論もありますが、我が会派としては、後年度負担を恐れる余り、現下の緊急課題である景気対策に適切に対応しないことは、無責任のそしりを免れないと考えます。都債を殊さら悪者扱いする議論に対しては、我が会派は断固反対するものであります。
 起債の適切な活用は、いまだおくれている社会資本整備を促進するに当たって、貴重な財源の一つであります。特に、道路や鉄道などの社会資本を整備することによる恩恵は、整備を行った時点の世代だけではなく、将来の世代にわたっても反映されるものであります。したがって、世代間の受益と負担の公平性を確保することも、起債の持つ重要な機能の一つといわなければなりません。
 今後とも、都債の活用に当たっては、減債基金への積み立てなどにより公債費の平準化を図るなど、将来の財政負担に配慮しつつ、世代間の負担の公平性を確保する観点から、適切な対応を図っていくことを要望しておきます。
 本定例会の議決案件として、長野県富士見町の大規模未利用地、東京都がん検診センター及び東京高速道路施設の売却案件があり、これら三件で約六十二億円になります。こうした未利用都有地の売却促進等により、十一年度に見込んでいた二百五十億円が確保できることになります。今後も、都有財産の有効活用に努め、臨時的な財源とはいえ、都財政の極めて厳しい状況の中での貴重な財源対策として努力していただきたいと思います。
 また、都の財産は、行政体である都の財産であると同時に、都民の共有財産でもあり、有効活用を図らなければならないことはいうまでもありません。
 先般財務局は、財産の有効活用促進のための検討委員会の報告書を公表しております。これを受けて、資産アセスメントに着手したとのことであり、また、本年九月を目途に、都有財産の利活用総合計画を策定するとしています。
 さらに、本年四月には、都区制度改革に伴う清掃事業の特別区への移管や、地方分権一括法の施行に伴う地方事務官制度の廃止などにより、都庁舎に空きスペースが生じると聞いていますので、その有効活用に努めるよう要望しておきます。
 都財政の再建のためには、かねてから知事が述べられているように、つめに火をともす、そういう積み重ねが必要であります。庁内すべてが一丸となり方策を積み重ねていけば、必ずや大きな財源となり、都財政の再建も成功裏になし遂げられ、新たな行政需要にも対応できる、堅牢かつ柔軟な財政体質ができ上がるのではないかと考えます。なお一層の工夫を重ねられんことを切望いたします。
 我が会派は、平成十一年度最終補正予算関係議案に賛成するものでありますが、今後とも、東京都の再生を目指し、都民の皆様とともに、本格的な景気回復のために渾身の力を傾けてまいりますことをお約束して、討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 以上をもって討論を終了いたします。

○議長(渋谷守生君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一から第五までを一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   [賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 次に、日程第六を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   [賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 次に、日程第七を採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、可決であります。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   [賛成者起立〕

○議長(渋谷守生君) 起立多数と認めます。よって、本案は、委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 次に、日程第八から第二十八までを一括して採決いたします。
 本案に関する委員会の報告は、いずれも可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員会の報告のとおり決定することにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも委員会の報告のとおり決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 明九日から二十九日まで二十一日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、明九日から二十九日まで二十一日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月三十日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時二十三分散会

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