平成十二年東京都議会会議録第四号

○議長(渋谷守生君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二百六まで、第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算外議案二百五件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事福永正通君。
   [副知事福永正通君登壇〕

○副知事(福永正通君) ただいま上程になりました二百六議案につきましてご説明を申し上げます。
 まず、第一号議案から第三十一号議案までは平成十二年度当初予算でございまして、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせた三十一会計で、総額十一兆七千七百九億円となっております。
 まず、第一号議案は一般会計予算でございまして、総額五兆九千八百八十億円を計上いたしております。
 歳出予算の主な内容は、教育と文化九千七百十一億円、警察と消防八千五百六億円、福祉と保健六千八百九十六億円となっております。
 次に、歳入予算の主な内容でございますが、歳入の大宗を占める都税収入は三兆九千八十五億円となっております。
 次に、第二号議案から第十九号議案までの十八議案は特別会計予算でございまして、それぞれの事業に必要な経費として、総額三兆四千五百三十八億円を計上いたしております。
 次に、第二十号議案から第三十一号議案までの十二議案は公営企業会計予算でございまして、病院、交通、水道、下水道等の経営に要する経費として、総額二兆三千二百九十一億円を計上いたしております。
 次に、第三十二号議案から第百七十三号議案及び第二百六号議案は条例案でございまして、新設の条例が四十三件、全部を改正する条例が三件、一部を改正する条例が八十九件、廃止する条例が八件となっております。
 まず、新設の条例は、第二百六号議案の、東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例でございます。これは、安定的な税収及び税負担の公平性の確保を図る観点から、地方税法第七十二条の十九の規定に基づき、銀行業等に対する外形標準課税を導入するため、条例を設けるものでございます。
 また、これとあわせて、新築住宅に係る固定資産税及び都市計画税の減免を実施していきたいと考えております。
 次に、第六十一号議案の、東京都男女平等参画基本条例でございます。個性と能力を十分に発揮できる男女平等参画社会を実現するため、施策を総合的かつ効果的に推進する基本条例を制定するものでございます。
 このほか、地方分権の推進に関しまして、機関委任事務の廃止に伴い、手数料を都の条例で定めるものなど、合計四十三件でございます。
 次に、全部を改正する条例でございます。
 第九十八号議案の、東京都シルバーパス条例は、利用と負担の適正化及び事務の簡素化を図る等の観点から、現行制度の見直しを行い、名称も東京都シルバーパス条例と改めるものなど、三件でございます。
 次に、一部を改正する条例でございます。
 第五十六号議案の、東京都都税条例の一部を改正する条例は、都民税の法人税割に係る超過課税の適用期限を五年間延長し、平成十七年九月三十日までとするほか、小規模住宅用地の都市計画税の税額を、平成十二年度分も引き続き二分の一に軽減するものでございます。
 次に、第七十号議案の、東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例など、使用料、手数料につきまして、受益者負担の適正化の観点から見直しを行うものでございます。
 また、第九十三号議案の、東京都重度心身障害者手当条例の一部を改正する条例など、七件の福祉手当の支給及び医療費の助成に関する条例につきましては、負担の公平や各種制度間の整合性の確保の観点から、事業の見直しを行うものでございます。
 このほか、第四十二号議案の、都区財政調整交付金の総額について交付割合を定めるものなど、一部を改正する条例は全部で八十九件でございます。
 次に、廃止する条例は、第五十五号議案の、土地開発基金条例を廃止するものなど八件でございます。
 次に、第百七十四号議案から第百八十八号議案までが契約案でございます。都営住宅の建設工事など、合計十五件、契約金額は約三百九十二億円となっております。
 次に、第百八十九号議案から第二百号議案までが事件案でございます。第百八十九号議案の、包括外部監査契約を締結するもの、第百九十号議案から第百九十三号議案までの、大規模未利用地及び建物について売却するものなど、十二件ございます。
 次に、第二百一号議案から第二百五号議案までの五議案は、平成十一年度最終補正予算でございまして、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせまして、三千六百九十一億円を計上いたしております。
 上程になりました二百六議案についての説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。
 まず、東京都収用委員会委員でございます。
 三月三十一日をもって任期満了となります貫洞哲夫氏の後任には谷口晴康氏を任命いたしたいと存じます。
 また、同日をもって任期満了となります森有子氏及び四月九日をもって任期満了となります関哲夫氏の両氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会予備委員でございます。
 坂井利夫氏を収用委員会委員に補充したため、杉山美代子氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都固定資産評価審査委員会委員でございます。
 三月三十一日をもって任期満了となります井上優子氏の後任には松前良子氏を、戸城正博氏の後任には森欣貮氏を選任いたしたいと存じます。
 また、四月六日をもって任期満了となります安斉洋子氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 同意につきましてよろしくお願いをいたします。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議をお願いをいたします。

○議長(渋谷守生君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、第四十六号議案については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 人事委員会の回答は、異議はないとの意見であります。
一一人委任第一七三号
平成十二年二月二十二日
東京都人事委員会委員長 眞仁田 勉
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成十二年二月十七日付一一議事第四二二号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
議案名
第四十六号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
意見  異議ありません。

○六十七番(鈴木一光君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第三十一までについては、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十一までは、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   予算特別委員名簿
 竹下 友康君(民主) 馬場 裕子君(民主)
 くぼた 光君(共産) 木内 良明君(公明)
 東野 秀平君(公明) 原   環君(公明)
 大河原雅子君(生ネ) 沢西きよお君(無ク)
 吉田 信夫君(共産) 森田 安孝君(公明)
 遠藤  衛君(自民) 樺山 卓司君(自民)
 野村 有信君(自民) 和田 宗春君(民主)
 大木田 守君(公明) 曽雌 久義君(公明)
 近藤やよい君(自民) 小礒  明君(自民)
 古賀 俊昭君(自民) 白井  威君(自民)
 曽根はじめ君(共産) 丸茂 勇夫君(共産)
 石井 義修君(公明) 三原 將嗣君(自民)
 星野 篤功君(自民) 大西 英男君(自民)
 清原錬太郎君(自民) 大山  均君(自民)
 尾崎 正一君(民主) 村松みえ子君(共産)
 植木こうじ君(共産) 土持 正豊君(公明)
 桜井  武君(自民) 松本 文明君(自民)
 藤沢 志光君(自民) 矢部  一君(自民)
 田中  良君(民主) 渡辺 康信君(共産)
 木村 陽治君(共産)

○議長(渋谷守生君) なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第三十二から第二百六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、各部門に分かち、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、日程第三十二から第二百六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一から第三までを一括して議題といたします。
   [會田議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会委員の任命の同意について三件
一一財主議第五四三号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都収用委員会委員貫洞哲夫は平成十二年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     谷口 晴康
       略歴
現住所 千葉県市川市
谷口 晴康
昭和十一年八月三十日生(六十三歳)
昭和三十四年三月  東京大学文学部卒業
昭和三十四年四月  入都
昭和五十四年八月  東京都公害局総務部庶務課長
昭和五十五年十二月 東京都環境保全局総務部庶務課長
昭和六十一年四月  東京都環境保全局自然保護部長
昭和六十二年六月  東京都企画審議室計画部長
平成元年八月    東京都企画審議室調整部長
平成三年五月    東京都企画審議室次長
平成四年七月    東京都生活文化局長
平成六年八月    東京都企画審議室長
平成七年五月    東京都退職
平成七年五月    東京都出納長
平成十一年五月   東京都出納長退任
平成十一年六月   株式会社東京国際貿易センター代表取締役社長
現在        株式会社東京国際貿易センター代表取締役社長
一一財主議第五四四号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成十二年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     森  有子
       略歴
現住所 東京都中央区
森  有子
昭和七年十月十四日生(六十七歳)
昭和三十一年三月 静岡大学文理学部卒業
昭和三十五年四月 弁護士登録
昭和四十四年一月 東京家庭裁判所調停委員
昭和六十年一月  東京都婦人情報センター特別相談員
平成三年四月   東京都収用委員会委員
平成四年十一月  建設省公共用地審議会委員
平成五年四月   法務省人権擁護委員
平成八年四月   国土庁土地政策審議会委員
現在       弁護士
一一財主議第五四五号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成十二年四月九日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     関  哲夫
       略歴
現住所 埼玉県志木市
関  哲夫
昭和八年二月十八日生(六十七歳)
昭和三十年三月  東京大学法学部卒業
昭和三十年四月  入都
昭和四十五年四月 東京都総務局法務部法務第一課長
昭和四十九年七月 東京都総務局法務部長
昭和五十六年六月 東京都退職
昭和五十六年七月 静岡大学人文学部教授
昭和五十六年十月 東京都主任訟務員
昭和六十年八月  日本大学法学部教授
昭和六十年十一月 弁護士登録
昭和六十三年四月 東京都収用委員会予備委員
平成九年四月   東京都収用委員会委員
現在       日本大学法学部教授

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 追加日程第四を議題といたします。
   [會田議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について一件
一一財主議第五四六号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都収用委員会予備委員坂井利夫が東京都収用委員会委員に就任し、予備委員に欠員が生じたため、左記の者を任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     杉山美代子
       略歴
現住所 東京都渋谷区
杉山美代子
昭和十九年七月八日生(五十五歳)
昭和四十三年三月 慶応義塾大学商学部卒業
昭和四十五年三月 慶応義塾大学商学研究科修士課程修了
昭和五十二年三月 公認会計士開業登録
昭和五十二年五月 税理士開業登録
昭和五十八年二月 東京赤坂公認会計士共同事務所開業
平成二年十月   日本公認会計士協会租税調査会委員
平成六年十二月  公認会計士杉山美代子事務所開業
平成九年六月   東京税理士会渋谷支部研修部長
平成十一年六月  東京税理士会渋谷支部副支部長
現在       公認会計士、税理士

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 追加日程第五から第七までを一括して議題といたします。
   [會田議事部長朗読〕
一、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について三件
一一財主議第五四七号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員井上優子は平成十二年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     松前 良子
       略歴
現住所 東京都町田市
松前 良子
昭和十九年十一月八日生(五十五歳)
昭和四十四年三月 共立女子大学短期大学部文科卒業
昭和四十四年三月 財団法人日本不動産研究所本所鑑定部入所
昭和五十年三月  不動産鑑定士登録
昭和五十一年八月 財団法人日本不動産研究所本所鑑定部退所
昭和五十二年七月 松前不動産鑑定事務所設立
昭和五十三年七月 国土庁土地鑑定委員会評価員
平成四年七月   町田市固定資産鑑定評価員
平成五年四月   東京地方裁判所本庁民事調停委員
平成六年十月   東京国税局鑑定評価員
現在       不動産鑑定士
一一財主議第五四八号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員戸城正博は平成十二年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     森  欣貮
       略歴
現住所 茨城県取手市
森  欣貮
昭和九年七月二十一日生(六十五歳)
昭和三十四年三月 早稲田大学理工学部建築学科卒業
昭和三十四年六月 入都
昭和三十七年一月 一級建築士免許取得
昭和四十五年七月 文京区建設部建築課長
昭和五十一年八月 東京都都市計画局防災計画部防災地区計画課長
昭和六十年七月  東京都都市計画局地域計画部長
平成三年五月   東京都都市計画局技監兼企画審議室技監
平成四年七月   東京都多摩都市整備本部長
平成六年七月   東京都退職
平成六年九月   財団法人東京都住宅・まちづくりセンター理事長
平成八年四月   東京都新宿区建築審査会委員
平成十年七月   財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター理事長
平成十一年四月  東京都立科学技術大学非常勤講師
平成十一年七月  財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター退職
平成十一年八月  日産火災海上保険株式会社顧問
現在       日産火災海上保険株式会社顧問
一一財主議第五四九号
平成十二年二月二十三日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 渋谷 守生殿
   東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成十二年四月六日任期満了となるため、再び選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     安齋 洋子
       略歴
現住所 東京都渋谷区
安齋 洋子
昭和十九年十二月三日生(五十五歳)
昭和四十二年三月  明治大学商学部卒業
昭和四十八年十二月 税理士登録
平成九年四月    東京都固定資産評価審査委員会委員
平成九年十一月   本郷元町合同税理士事務所開設
現在        税理士

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 追加日程第八及び第九、議員提出議案第一号、東京都都税条例の一部を改正する条例外条例一件を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○議長(渋谷守生君) 本案に関し、五十五番古館和憲君より、趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 五十五番古館和憲君。
   [五十五番古館和憲君登壇〕

○五十五番(古館和憲君) ただいま上程されました議員提出議案、第一号議案並びに第二号議案について、提案理由の説明を行います。
 まず、日本共産党東京都議会議員団と自治市民'93の共同提案による第二号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例案について、提案者を代表して説明いたします。
 この条例案は、医療費助成対象者の年齢を、現在の十八歳未満から二十歳未満に改めるものであります。
 ディーゼル車の排ガスなどを原因とする大気汚染公害による健康被害は、ますます深刻なものとなっています。繰り返し襲ってくる重いぜんそくの発作、時には呼吸停止など、患者と家族の苦しみはまさに耐えがたいものであります。
 東京都も被告となっている東京大気汚染公害裁判の訴状には、日常生活、家庭生活、社会生活を破壊され、その病苦に呻吟し、死の恐怖にさらされたあげく、ついにはその命を奪われた者も多数に上っていると、被害の深刻な実態が記されております。
 いつ何どきも手放すことができない気管支拡張剤を初めとする薬剤、たび重なる入院など、生きることと医療とが切り離せない、こうした方々にとって、せめて医療だけはいつでも安心して受けられるようにしてほしいということが、年来の切実な要求であります。
 みずからの責任とは無縁の大気汚染公害による、いわれのない健康障害で苦しむ方々の切実な願いにこたえ、東京都が行っている医療費助成の拡充を図ることは、住民の健康、福祉の保持を第一の仕事とすべき地方自治体として、当然の責務であります。今回提案している対象年齢引き上げは、そのための緊急に必要な、ささやかな第一歩にすぎません。
 大気汚染公害患者の数は年々ふえ続けています。以前は、子どものぜんそくは大人になれば治るといわれたものでありますが、最近は、子どものときに発症し、十八歳を過ぎても治らない人が増加しています。医療費助成の対象年齢引き上げは、こうした事態に対応するためにもぜひとも必要と考えます。
 また、他の医療費助成の場合も、小児慢性疾患の医療費助成は、各会派の要望も受けて、来年度から、すべての疾病について対象年齢が二十歳未満となります。こうした点でも、大気汚染公害患者の医療費助成についても二十歳未満までとすることが当然の方向であります。
 今回の対象年齢引き上げにより新たに必要となる財源は、平年度ベースでおよそ四億円、初年度は二億円程度と見込まれます。予算審議はこれからであり、今予算議会において十分に対応可能なものであります。議員の皆さんのご賛同を心からお願い申し上げます。
 次は、日本共産党都議団が提出した第一号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例案についてであります。
 その内容は、都税収入の柱の一つである大企業への法人事業税の超過課税を、地方税法で認められている標準税率の一・一倍まで引き上げるものであります。
 もともと都は、革新都政時代、全国に先駆けて、法人事業税の超過課税を標準税率の一・一倍まで行ってきました。しかし、鈴木都政は、八八年にこの超過課税を半分に引き下げ、標準税率の一・○五倍までとし、今日に至っています。我が党の提案は、この超過課税の税率をもとに戻すというものであります。もちろん、中小企業は、現行どおり、超過課税の対象外といたします。
 我が党が今回の提案を行うのは、この間、政府が大企業減税を実施し、その一環として法人事業税の税率も大幅に引き下げられ、空洞化が進んでおり、都が課税自主権を活用してこれを是正することが、知事提案の銀行課税とあわせて、財政基盤の確立、強化の上での急務の課題となっていると考えるからであります。
 超過課税分を含めた法人事業税の税率は、九七年までは一二・六%であったものが、九八年には一一・五五%になり、さらに昨年の減税で一○・○八%にまで引き下げられました。三年間で二割も引き下げられたわけであります。都税収入への影響は、昨年の引き下げ分だけで千四十六億円に上ります。政府による補てん措置がとられたとはいえ、その額も方法も極めて不十分なものであります。
 今回の提案で、超過課税を引き上げると、法人事業税の税率は一○・五六%となり、昨年の減税で引き下げられた分の三分の一を回復することになります。
 法人事業税は、都市基盤整備など自治体が行うサービスへの対価という位置づけを持っており、国が税率を引き下げ、まともな補てんもしないということ自身、とんでもないことであります。その是正として、大企業にこの程度の負担を求めることは、都としての当然のことであります。
 また、大企業の社会保険も含めた税負担は、先進国の中でも決して重いものではなく、税負担が重い、景気対策などとして政府が大企業減税を行ったことには、そもそも道理がありません。この点では、九六年に主税局が発表した大都市研究会調査研究報告書も、各種の引当金が認められていることや、社会保険料負担が欧米に比べて低いことなどを挙げ、日本における法人の税負担は先進国の中で低い方に位置していると述べております。景気を問題にするなら、福祉、暮らしの充実を含め、GDPの六割を占める個人消費こそ温めるべきであります。
 我が党の超過課税引き上げの提案で見込まれるおよそ三百億円の増収は、今日の財政状況のもとで、都民の福祉、暮らしを守り、拡充する財源として貴重なものであり、都民の願いにこたえるものと確信するものであります。
 議員の皆さんがご賛同くださるようにお願いいたしまして、提案理由といたします。(拍手)

○議長(渋谷守生君) 以上をもって趣旨説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま議題となっております追加日程第八は財政委員会に、追加日程第九は厚生委員会に、それぞれ付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。追加日程第八及び第九は、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(渋谷守生君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願十九件及び陳情十七件は、お手元に配布の請願陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 明三日から七日まで五日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認めます。よって、明三日から七日まで五日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月八日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時五十五分散会

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