平成十二年東京都議会会議録第四号

〇議長(渋谷守生君) 六番松原忠義君。
   [六番松原忠義君登壇〕

〇六番(松原忠義君) 今、国会より都議会の方がおもしろい、都政が非常に身近になったと、だれに会ってもいわれます。長引く不況の中、本来なら国がしっかりと政治のかじ取りをしなければならないのに、わけのわからない審議拒否をしたり、スキャンダルの応酬で、国民の国会に対する不信感はまさに頂点に達しています。国会は、今や政党政治そのものの危機にあり、議会制民主主義の危機にも直面しています。
 このような状況にあって、直接都民から選ばれた大統領型の石原知事が次から次へと繰り出す剛速球や変化球は、国会議員はもちろんのこと、地方議会、経済界等へ多大な影響を与えています。東京から日本の政治を変えるという知事の強い決意が都民に伝わり、高い支持率を示しています。閉塞感漂う今日の世相を切り開いてくれる強い指導者として、知事の言動をかたずをのんで注視しているのが、都民の方々と接触してよくわかります。今までの知事と異なり、石原知事なら、固定観念にとらわれず、耳を傾け、答弁してくださると思い、以下、何点か質問をいたします。
 まず第一に、人口対策について。
 少子高齢化は、現在日本の危機にあると知事は施政方針で述べられましたが、私も深刻に受けとめております。世界人口はこの十年間で十億人ふえ、これからの十年間でも十億人増加し、五十年後には百億人になるだろうと予測され、食糧、環境等の面からも地球人口の適正規模が検討されているのに反比例し、日本では、少子高齢化が世界に類のないスピードで進行し、今や人口対策を国内政治の最重要課題に取り上げなくてはならなくなっていると思います。このまま日本の少子化が進んでいくと、極論かもしれませんが、ある学者は、二十年後には一千六百万人減り、五十年後には半分、百六十九年後には十分の一、三百三十八年後には百分の一、そして、千年後には百五十人となり、千三百五十年後には一人になると予測しております。大体どの書物を見ても、百年後には半分になると予測しています。これでは、日本民族は人口減少でみずから滅亡してしまいますが、東京都としては、二十五年後と五十年後の人口と人口構成比がどのようになると予測しているか、お伺いいたします。
 いうまでもなく、日本では、出生率が二・〇八なら人口が維持できるといわれておりますが、現在は、全国で一・三八人、東京では一・〇六人、二十三区では一・〇〇人といわれ、小中高校の統廃合がされたり検討されています。大学入試も八年後にはなくなると予想され、公私を問わず、各級学校とも、早晩学校経営の力量が問われることは必至であります。学校だけではなく、産業構造が著しく変化している中、適正な就業者人口が確保されるかも危惧されますし、民間、公共の住宅対策、都市計画、都市交通、福祉、まちづくり等、国では国防も含めて、人口減少に伴う施策の総点検が中長期的に求められてきておりますが、都政にどのように影響を及ぼし、どのような対策が講じられるか、お尋ねいたします。
 スウェーデンでは、出生率が一・七のとき、その対策として歯どめをかけていますが、日本や東京都では、積極的に少子化対策がされていません。結婚観が変わり、独身男女がふえ、結婚しても子どもを産まないという人もふえ、多様化していますが、産んだら子育てが楽しい、日本民族の子孫の存続に役立っているのだと感じるようにすべきです。
 知事が施政方針でゼロ歳児保育の充実、私立幼稚園の早朝預かりをするといわれましたことは評価いたしますが、さらに一歩進めて、一つ、夜間・休日保育の早期実施、一つ、一年間の育児休業補償、一つ、育児休暇の職場復帰の保障、一つ、孤独の孤の孤育ての母親の相談相手の民間人による保育ママ(相談員)の創設、一つ、子どもを持つ家庭の税制上の優遇、一つ、借家や住宅ローンを背負う働く夫婦家庭への優遇策等々の現実の対策を、知事みずからが国や企業、都民へと呼びかけ、東京の人口減少の歯どめ対策を打ち出してほしいと思いますが、知事は、東京の人口減少、特に出生率減少に対してどのように認識し、総合的にどう対応されようとしているのか、お伺いいたします。
 少子化対策も一刻も早く取り組むべき問題ですが、本格的な高齢社会への備えとして、高齢者の豊かな能力を社会的に一層活用することも真剣に考えていくべきです。これまでは、高齢者施策というと、介護問題や痴呆対策などが重点的に取り上げられてきました。もちろんそれも重要ですが、東京の六十五歳から六十九歳の八割以上、七十五歳以上でも七割以上が元気な高齢者であります。そして、今後、高齢化の進行とともに、総人口が逓減していき、六十五歳以上の高齢者が人口の四分の一、さらには三分の一を占めることになると予測されています。
 そのような状況の中で、社会の活力を維持向上させていくためには、高齢者が社会の重要な担い手として生き生きと活躍できる環境づくりに一層取り組む必要があります。
 現在の六十歳定年制のように、単に年齢により、高齢者が長く培ってきた知識や社会的経験を生かせなくするシステムは、余りにももったいない気がします。東京の高齢者は、就業意欲が高く、活動的であり、人生八十年時代になった今、意欲と能力のある高齢者が、年齢にかかわらずさまざまな形で働いたり、社会参加ができる環境づくりを率先して進めていくべきです。
 知事は施政方針で、都市型高齢社会のモデルをこの東京でつくっていくとの決意を示されましたが、今後、就業対策など高齢者が活躍できる環境づくりをどのように進めていくのか、お伺いいたします。
 老人の年齢を六十五歳にしているのは、国連の定義に基づいていますが、日本のような人生八十年の国では、実態に合いません。
 また、老人という言葉ですが、どうもこの言葉は、社会から隠居した、年老いた仙人みたいで、現代の言葉にはふさわしくないのではないかと思います。都では、老人という言葉と高齢者という言葉が混合して使用されています。高齢者施策推進室がトップにあり、高齢者という言葉が多く使われていますが、老人医療費助成、老人クラブ、老人福祉手当、特別養護老人ホーム、老人保健施設など、老人という言葉が目立ちます。都では、老人という言葉をやめて、すべて高齢者といいかえた方がよいと思いますが、知事はどのようにお考えか、お尋ねいたします。
 また、知事は、この任期中に七十歳になられますが、自分を老人と思っていますか、また、何歳ぐらいまで元気で働きたいと思っていますか、お尋ねいたします。
 次に、緊急重点雨水対策について伺います。
 振り返りますと、昨年は、ごく短時間での集中的な豪雨にたびたび見舞われ、降った雨が下水道管に収容し切れず、道路にあふれ、各地で浸水被害が多発しました。私の地元である大田区においても、馬込地区などで約三百四十棟の浸水被害が生じました。また、新宿区では、残念なことに地下室の水没による痛ましい事故も発生しております。
 最近の学術研究では、都市の雨は熱帯型の雨に変わってきたとの指摘もあります。昨年は一時間に一〇〇ミリを超える雨が二回も発生するなど、まさにこれを証明しているのではないかと考えます。ことしもあと数カ月すると、また集中豪雨の季節が到来いたします。昨年と同じような雨が降るとは限りませんが、ことしもまた浸水被害が発生したとしたら、都民はたまりません。仮に異常な豪雨のためだとしても、黙ってはいられません。
浸水被害から都民の生命や財産を守ることは、行政の重要な使命であります。
 近年の浸水被害発生箇所を見ますと、これまでのような広範囲にわたるものが減少し、低地部やくぼ地など、特定の地域での発生が多くなっております。これは、従来から進めてきた下水道の幹線管渠やポンプ所などの整備による効果があらわれてきた反面、これまでの整備手法ではカバーできない部分もあらわれてきたものと考えます。
 そこで、従来の整備手法とは別に、発想を転換した対策もまた必要ではないかと考え、昨年、公営企業会計決算特別委員会でも質問したとおり、従来から私は機会をとらえて主張してきたところですが、このような新たな浸水対策について、その後の下水道局の取り組みについて伺います。
 また、都市に降った雨を川や海へ排除することは、下水道の役割ではありますが、浸水対策の効果を高めるためには、地元区等と連携した取り組みが必要と考えますが、ご見解を伺います。
 浸水対策は、都民の生命、財産を守る重要な事業であり、厳しい財政状況の中でも着実に実施していかなければならない事業であります。このため、十分な技術的な検討のもと、より一層工夫した手法による効果的な整備を推進するとともに、財源の確保を図ることが重要と考えます。都の見解をお伺いいたします。
 次に、羽田空港の国際化についてお伺いいたします。
 まず、知事が日ごろより羽田の国際化に向けて努力していることに、心から感謝と敬意を表します。羽田空港では、沖合展開事業がいよいよ完成に近づき、今月中には新B滑走路が供用開始となり、すべての滑走路の移転が完了します。新たに東側のターミナルビルの建設も、十五年度の完成目標で進められているなど、羽田空港の施設が整備されることによって、発着便の数もふえ、まさに国際化を実現するときが到来したとの思いを強くしています。
 しかしながら、羽田空港を国際化するに当たり、現在の空港容量で十分なのでしょうか。ヨーロッパやアメリカ東海岸に飛行するには、三千メートルの滑走路では長さが足りないとの話を聞きます。また、現在の羽田空港をさらに拡張できないかとの意見もあります。
 そこで、国際化に当たっては、空港容量の拡大が必要になってくると思いますが、これに対する都の対応についてお伺いいたします。
 一方で、沖合展開事業の進捗に伴い、滑走路を移転した跡地をどうするのかという問題があります。これについては、国、東京都及び大田区の三者で検討が重ねられてきていますが、羽田空港をめぐる状況が検討当初と大きく変わってきました。かつては、おおむね二百ヘクタールという面積を前提に跡地利用の検討が進められてきました。しかし、羽田空港の国際化が現実味を帯びて受けとめられるようになりつつある今日、二百ヘクタールという面積を確保することは難しくなってきているのではないかと思います。現在、跡地の検討状況がどうなっているのか、お伺いいたします。
 また、以前は、跡地利用計画が取りまとめられた段階で、都が跡地を取得するといわれてきました。しかしながら、今の都の財政状況を勘案いたしますと、都が跡地を買うことは非常に困難だと思います。その結果、国が自治体の意向と関係なく、民間とともに計画を立ててしまうのではないかと危惧しております。
 そこで、今後、国、東京都及び大田区の関係三者で協力し合って、跡地の範囲と利用計画を検討すべきと思いますが、都の考え方をお伺いいたします。
 次に、羽田の国際化を図る上で、空港へのアクセス機能の強化は大変重要な課題であると考えます。二〇〇三年度には東海道新幹線の品川駅始発が予定されています。新幹線の車両基地は大井ふ頭にあり、羽田空港までの距離はわずかであります。我が会派は、新幹線の羽田空港までの乗り入れを訴えてまいりましたが、都としてはどのように考えるのか、お伺いいたします。
 本年一月の運輸政策審議会の答申において、JR蒲田駅と京浜急行蒲田駅を連絡する路線が十五年以内に着手する路線として発表されました。この路線は、エイトライナー、メトロセブン、いわゆる区部周辺部環状公共交通とも絡みますが、都としては今後どのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。
 最後に、都の紋章について、全くの私見ですが、お伺いさせていただきます。
 私が平成九年七月に東京都議会議員になってから今日まで、いつも不思議に思っていたのが、都の紋章とイチョウのシンボルマークの使い方です。どこを見ても、何を見ても、今はイチョウのシンボルマークが使用されていて、都の紋章は、我々が胸につけているこのバッジと都庁前の旗ぐらいです。このままでは、都の紋章は都民から完全に忘れ去られてしまうと思います。紋章とシンボルマークはどう違うのか。私が思いますのに、平たくいえば実印と認め印みたいなものだと思います。シンボルマークは、平成元年六月一日に、東京のアルファベットTを形づくり、躍動、潤い、安らぎをあらわすとして、鈴木知事時代に決められたとのことです。これはこれで結構なことだと思います。
 一方、都の紋章は、明治二十二年十二月二十四日に東京市会で可決され、太陽を中心として陽光を六方に放射し、日本東京市そのものを表現するものとして決められ、昭和十八年七月一日に東京都が成立しますが、引き続き使われてきました。シンボルマークは十二年目、都の紋章は百十年の歴史と伝統を持っています。昨年の十月一日の都民の日に、何十年という長きにわたって都に尽力をし、功績を残された方々に贈られる都民の日の表彰式に石原知事もご出席なされ、祝辞を述べられましたが、そのときもシンボルマークでした。十二年間と百十年の歴史、ここでは都の紋章にすべきではないかと思いました。
 都の紋章には、明治時代より脈々と東京都と歩み、都民の血と汗と愛着があります。このままでは、実印を忘れて認め印を実印と思われてしまいます。日本人、東京人としての誇りと自信を失いかけている今日の時代を端的にあらわしているシンボルマークの使い方と思えてなりません。すぐれた紋章の意義を持ち、明治、大正、昭和、平成と、四代にわたり使用されてきている都の紋章を都はどのように認識し、その使い方をお考えでいるかをお尋ねいたします。
 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)
   [知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 松原忠義議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、少子化についてでありますが、少子化は、確かにおっしゃるとおり、今後の社会の活力維持や、また、子供たち自身の健全な育成に対して大きな影響を及ぼすものであると思います。これは国家全体で考え、総合的に取り組むべき課題であるとも思っております。
 少子化に対応していくためには、子どもを持ちたくても持てない人、あるいは希望の数だけ子どもを持てない人が安心して子どもを産んで育てることのできるような、就業面や生活面での環境を整備することが必要だと思います。
 東京構想二〇〇〇の策定に当たっても、この課題について十分検討していきたいと思いますが、東京にこそ住んだら安心して子どもが産める、育てられると、そういうような状況というものを、住宅などを含めて――やっぱり親子三代が一緒に住めるような、そういう家庭を、住宅も含めて東京が備えることができるような、そういう努力をしたいとも思っております。
 それから、高齢者が活躍できる環境づくりについてでありますが、本格的な高齢社会に向けて、高齢者が生き生きと活躍できる環境をつくることは、サラリーマンOBなどの非常に多い東京において、特に今、重要と認識しております。
 社会の担い手として、豊かな知識と経験を既に持ち、元気で活動意欲が旺盛な高齢者が積極的な役割を果たしていくために、多様な社会参加の仕組みをつくり、都市型高齢社会のモデルをこの東京で何とかつくっていきたいと思いますが、やはり都民の代表であります議員の皆さんのいろいろなお知恵を、これからも出していただきたいと思っております。
 そのため、今後は都民はもとより、区市町村、民間などもパートナーとして、こういった問題に取り組み、努力していきたいと思っております。
 次いで、老人という言葉を高齢者にいいかえることについてでありますが、現況では、老人福祉法などの法令面では老人という言葉を使わざるを得ませんが、社会を担う主体として、高齢者を積極的な存在としてとらえるべきであると思いますし、ご指摘のように、老人よりも、高齢者の方がそのイメージに合っているとは思います。
 都としては、高齢者を使っておりますが、若者が必ずしも若くない、年寄りが必ずしも年寄りじゃないこの時代でありますから、老人というよりも高齢者の方がふさわしいと思いますし、私はOBという言葉が好きですね、オールドボーイという。何となくみんな使っていますが……。
 次いで、知事はこの任期中に七十歳になる――大きにお世話でありまして、(笑声)自分を老人と思っているか、また、何歳まで元気で働きたいと思っているか、ぼけたら終わりですからね、いつぼけるかわかりませんけれども。きんさん、ぎんさんだって、なかなかウイッティーで、辛らつなところがありましたし、いずれにしろ、お互いにこの五十年間、年の違いはありますけれども、まあ中世でいったら二、三百年の変化にさらされてきたわけで、そういう経験も踏まえて、できるだけ老人といわれず、高齢者とたたえられながら、頑張ろうじゃございませんか。ありがとうございました。
 他の質問については、技監並びに関係局長から答弁いたします。
   [東京都技監成戸寿彦君登壇〕

〇東京都技監(成戸寿彦君) 羽田空港などに関します五点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の処理容量の拡大に対する都の取り組みについてでございますが、伸び続ける国内需要に的確にこたえるとともに、首都圏の国際空港機能の充実を図る上で、羽田空港の処理容量の拡大が極めて重要であると認識しております。
 このため、都では、環境問題に配慮しつつ、北風時における新A滑走路からの左旋回離陸など、新たな飛行ルートを採用いたしまして、羽田空港を有効に活用する必要があると考えております。現在、その実現に向け、国や関係区と調整を重ねているところでありまして、今後とも、羽田空港の処理容量の拡大策について積極的に取り組んでいきます。
 次に、羽田空港の跡地利用の検討状況についてでございますが、都は、国や地元大田区とともに、平成九年度より跡地利用計画の検討を重ねてきておりまして、この間、羽田空港の国際化など新たに考慮すべき課題が出てきていることは、ご指摘のとおりでございます。
 このような状況の中で、現在、国において沖合展開事業完了後の空港の処理能力や機能に見合った施設計画を踏まえ、将来における空港の範囲をどのようにすべきかの検討がなされていると承知をいたしております。
 また、跡地の範囲などの検討に対する都の対応についてでございますが、都といたしましては、空港の機能が将来にわたって適切に確保され、かつ、跡地ができるだけ有効に活用されるよう、跡地の範囲や利用計画を定める必要があると考えております。
 このような考えに基づき、跡地の範囲等に関する国の検討結果を踏まえ、今後、ご指摘いただきましたような三者で連携協力し合って、利用計画案の策定に取り組んでまいります。
 さらに、新幹線の羽田空港乗り入れについてでございますが、羽田空港へのアクセス機能を強化することは、羽田空港の国際化を図る上でも重要な課題でございます。新幹線利用客による羽田空港アクセスについては、現在建設中の新幹線品川駅で京浜急行線に接続するとともに、今回の運輸政策審議会答申でも、新幹線ターミナルである東京駅への都営浅草線の接着が位置づけられるなど、今後大幅な利便性の向上が見込まれております。
 お尋ねのありました新幹線の羽田空港乗り入れにつきましては、さまざまな課題がありますが、利用客のさらなる利便性の向上の観点から、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
 最後に、JR蒲田駅と京急蒲田駅の連絡についてでございますが、両駅を連絡する路線につきましては、現在、運輸省で都市鉄道調査として検討が行われておりまして、都も鉄道事業者とともにこの調査に参画をいたしております。
 今後、この調査結果や区部周辺部環状公共交通の検討状況などを踏まえ、必要な対応を図ってまいります。
   [政策報道室長柿沼伸二君登壇〕

〇政策報道室長(柿沼伸二君) 人口問題に関します二件のご質問にお答え申し上げます。
 まず、二十五年後及び五十年後の人口及びその構成比についてどうなるのかということでございますが、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によりますと、全国の人口は、一九九五年の一億二千五百六十万人に対しまして、二〇二五年には一億二千九十万人、二〇五〇年には一億五十万人へと、二割程度減少するものとされております。
 また、十五歳未満の年少人口の割合でございますが、九五年の一六%に対しまして、二〇二五年、二〇五〇年とも一三・一%へと低下が見込まれております。
 一方、六十五歳以上の老年人口割合は、九五年の一四・六%に対しまして、二〇二五年には二七・四%、二〇五〇年には三二・三%へと上昇しまして、少子高齢化が一層進行するものと見込まれております。
 東京都の将来人口につきましては、こうした全国的な見通しを十分踏まえるとともに、他県との転入転出という特色がございます。そうした動向も考慮して、東京構想二〇〇〇の策定作業の中で、基本フレームとして今後十分検討していきたい、このように思っております。
 次に、人口減少が及ぼす都政への影響についてでございますが、今後の都政運営に当たりましては、ただいま申し上げましたような少子高齢化が進む中で、社会全体としての人口減少時代への移行という非常に大きな時代の変化、これを的確にとらえることが重要だというふうに認識しております。
 東京においても、中長期的には人口の減少ということが考えられるわけでございまして、そうなりますと、就業人口の構造変化や福祉の担い手の不足など、さまざまな局面で影響が生じることが懸念をされております。
 こうした認識を踏まえて、今後の人口動向を都政の基本的な方向を考える上での重要な要素ととらえまして、東京構想二〇〇〇の策定作業を進めたいと思っております。
   [下水道局長鈴木章君登壇〕

〇下水道局長(鈴木章君) 雨水対策に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、発想を転換した浸水対策への取り組みについてでありますが、下水道局では、従来の浸水対策に加えて、最近の浸水被害の実態を踏まえた緊急重点雨水対策をこのたび策定いたしました。この雨水対策は、事業対象地域を低地や地下街など、浸水に対する危険度の高い地域に重点化するとともに、地域の特性に応じた新たな整備手法を組み合わせ、迅速かつ効果的に浸水被害を軽減させるものであります。
 次に、地元区等との連携についてですが、ご指摘のように、浸水対策においては、地元区等を初めとした関係者の協力が重要であります。このたびの緊急重点雨水対策においては、雨水を地面にしみ込ませる浸透トレンチや透水性舗装の整備、公園用地を利用した雨水調整池の整備など、地元区等と連携し、浸水被害の軽減を図ることとしております。
 次に、効果的な整備の促進と財源の確保についてでありますが、従来の雨水を速やかに排除する方式に加えまして、雨水の貯留、浸透や下水道管渠のネットワーク化など、発想を転換した手法も取り入れ、効果的かつ効率的に整備を進めていきます。
 また、事業の促進を図るため、国の新しい制度である地下街等内水対策緊急事業を積極的に活用し、国庫補助金等の財源確保に努めてまいります。
   [総務局長横山洋吉君登壇〕

〇総務局長(横山洋吉君) 都の紋章に対する認識とその使い方についてでございますが、都の紋章は、ご指摘のとおり、太陽を中心にしまして陽光を六方に放射し、日本の中心である東京を表現したものでございまして、明治以来の長い歴史と伝統に培われ、今日まで都民に親しまれてきたものであると認識いたしております。
 その使用に当たりましては、シンボルマーク制定の趣旨等に十分配慮しながらも、歴史的保存物、歴史や伝統を特に表現する必要があるもの等につきましては、今後とも活用していくようにいたします。

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