平成十二年東京都議会会議録第三号

○副議長(五十嵐正君) 二十一番田代ひろし君。
   [二十一番田代ひろし君登壇〕
   [副議長退席、議長着席〕

○二十一番(田代ひろし君) まず最初に、教科書の採択について伺います。
 教科書採択権限が、四月一日から、東京都教育委員会から各区の教育委員会に移管されますが、採択手順をめぐった問題が起きていると聞いております。
 その第一は、採択絞り込みについてであります。
 現在、多数の区では、採択教科書を絞り込む要綱を定め、または模索していると伺っております。これは、採択教科書の絞り込みを行わないことを明確にする要綱を制定するように求めている都の考えを無視したものと思われます。この絞り込みを正当化するために、素人の教育委員では何百冊もの教科書からでは決めようがないためと伺っておりますが、むしろ、素人が教育委員になることが、現行教育委員会制度の本質であると私は考えます。
 そもそも、教育の問題を一部の玄人に任せっきりにしてきたからこそ、今日の教育の荒廃があり、教科書の偏重問題があるのです。
 第二の問題は、学校票制度の温存としか思えない、各校研究会の設置であります。
 もともと教員には、教科書採択の権限は、現行法体系のもとではないのであります。東京の学校票制度は、区の教育委員に教科書の採択権限がなかったために、区の実情を調べる便法として導入されたものであると伺っておりますので、このたび、教科書採択権限が特別区に移管されることになりますので、学校票制度を存続させておく理由はありません。 また、学校現場の教員の意向は、教員の中から選ばれた調査委員などを通じて、教科書採択に反映される道が開かれており、各校研究会を置く合理的な根拠はないものと考えます。
 教科書採択について、以上の二点の問題点を指摘させていただきましたが、今後、都は、教科書採択についてどのように指導しようと考えているか、伺います。
 次に、都営住宅の家賃の減免制度の見直しについてですが、都営住宅が、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者に対する居住の安定を図るため供給されていることは、私も十分承知しております。と同時に、都営住宅は、多額の税金が投入されている都民共有の貴重な財産であり、その管理に当たっては、都民に納得される適正な家賃負担が実現されていかなければなりません。
 民間アパートの入居者が、相当の家賃で、しかも二年ごとの更新を迫られているのに対し、都営住宅の場合には、安価で一生住み続けられるのであります。こうした両者の大きな格差を考えれば、都営住宅入居者に対する、収入や、その使用実態の把握を特に厳正に行うことを求めます。
 このことは、減免されるべき立場にある人々が無用の誤解を受けないためにも、ぜひとも必要であると考えます。
 また、法律上の制約はあるとは思いますが、例えば、住宅に困窮する若いファミリー世帯が、一定期間低廉な都営住宅に入居することにより、生活の再建を図り、一定の生活力がついた段階で退去し、また新たなファミリー世帯に活用してもらうといった、次への生活へジャンプするための支援として活用することが大事ではないでしょうか。
 政策報道室から発表された第三回都政モニターアンケート「都営住宅について」を読むと、都民が、都営住宅の管理に対してさまざまな不信や疑問を抱いていることが感じられます。私も、現に、都心のある都営住宅で、家賃が免除されているにもかかわらず、高額な駐車場料金を払っている例があるやに聞き、大変驚いております。今回、都が発表した減免制度の見直しは、都営住宅の管理の中で、初めてこの問題に対して改善を図ったという点では、一定の評価をするものであります。
 そこで、こうした都民の不満や不信に対して、今回の改善がどのようにこたえた内容となっているのか、知事にその成果をお伺いいたします。
 また、この見直しの具体的内容と、今後、新制度の実施に当たりどのような姿勢で取り組んでいくつもりなのか、住宅局長の決意を伺います。
 次に、商店街の活性化について伺います。
 長引く景気の低迷や個人消費の冷え込み、また、規制緩和による大型店の出店増加や、新業態の進出による企業間、業種間競争の激化などにより、商店街は現在極めて厳しい状況に直面しております。特に大型店による新規出店や営業時間の長時間化、さらには店舗面積の拡大が進められていることなどにより、その結果として周辺の小売業が廃業に追い込まれるなど、地域の存亡まで左右するといった大きな社会問題になっております。私の地元の商店街でも、大型スーパーが進出したことにより、わずか一カ月足らずで六店舗が廃業に追い込まれた事例があります。このようなことから、現在、各地でいわゆる大型店と地元小売業、また、大型店と周辺住民との摩擦が多発して報道をにぎわしております。しかし、結果を見れば、大型店は計画どおり出店し、周辺小売業はその影響を受け、廃業のやむなきに至る構図ができ上がってきております。
 そこで、大型店の出店状況と地元商店街に及ぼしている影響を都はどのように把握しているのか、お伺いいたします。
 大規模小売店舗立地法が本年六月に施行され、新たに周辺の生活環境の保持に配慮した調整がなされることになっておりますが、ここに至って、既存の大型店の閉店時間の繰り下げや、休業日数の削減が増加を見せていると聞いておりますが、その状況はどのようであるのか、お伺いいたします。
 大型店の出店に当たっては、地元と事前に協議がなされているものと聞いておりますが、この協議に違反して、取扱品目や店舗面積の拡大、深夜営業などが行われた場合、都はどのように調整するのか、ご所見を伺います。
 大型店の出店を初め、厳しい経営環境の中で商店街が活性化を図るには、多くの困難が伴います。都はどのように今後商店街の活性化を支援していくつもりなのか、お伺いいたします。
 次に、地域医療の確保について、都は、かかりつけ医の定着促進と医療機関の機能連携の推進に努めているところでございますが、最近では、区市町村独自の取り組みも見られるようになってまいりました。これらの取り組みは、土地を提供し、病院を誘致したり、あるいは民間の病院に対して財政的な支援を行うなど、その方法はさまざまですが、いずれも地域医療の確保に貢献するものと評価するものであります。
 地域医療の確保のための病院の新設や増床は、都の保健医療計画で定める必要病床数の範囲内で認められることになっており、既存病床数が必要病床数に達していない地域においては、その範囲内で病院の整備などを積極的に推進していくべきものと考えます。
 しかし、武蔵村山市における最近の病院誘致の事例では、市長が行おうとしている病院の誘致に対して、国保財政への重大な影響を危惧する声や、市民の反対運動が起きるなど異例の展開を見せているのであります。都民に良質な医療を提供するためには、個々の医療機関がそれぞれ適切な医療を提供することが基本ですが、医療資源と医療財源との均衡に配慮するとともに、昨日の知事答弁にもございました救急医療の充実にとっても、気軽に相談に応じたり、必要に応じて往診をするかかりつけ医と他の医療機関との密接な連携体制の構築が不可欠なものであります。今後とも、都と区市町村及び地区の医療機関などが協力して、地域医療体制の確保に努めていくことが重要であります。
 都は、地域に不足している病床の確保に努めることももちろん重要でありますが、こうした好ましい地域医療提供体制の観点にも十分配慮すべきと思いますが、所見を伺います。
 次に、バイオテクノロジー応用食品についてですが、バイオテクノロジー応用食品とは、世界の食料問題や地球環境問題を解決するための新たな技術として期待され、各国が競って研究を進めている遺伝子組みかえ食品やクローン牛などを指し、マスコミなどで盛んに報道されておりますが、多くの消費者がその安全性について強い関心を持っております。
 昨年、受精卵クローン牛が、表示の上、試験的に販売される以前に市場に流通していたことが判明し、消費者に対する適切な情報提供がなされていないことが大きな問題となりました。一方、遺伝子組みかえ食品については、農林水産省は、消費者の強い要望にこたえて、食品表示問題懇談会の報告を受け、いわゆるJAS法により表示の義務化を図るものとし、本年四月一日から表示制度を施行し、一年の猶予期間を置いて実施する予定であると聞いております。また、厚生省からは、遺伝子組みかえ食品の安全性審査の法的義務化に向けた食品衛生調査会の報告が出されたところであります。
 そこでお伺いいたします。農林水産省の報告がなされた後、都は、これまでの間、具体的にどう取り組み、また、今後どう対応していくかを伺います。
 私も、都民の健康医療行政に携わる医師としての立場から、科学的情報が都民に十分提供されるべきであると考えております。さらに、バイオテクノロジーを応用したクローン牛などの食品に対して、都は今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、緑の相談所について伺います。
 都市に残された貴重な緑を保全し、緑の回復を図ることにより、潤いのある美しいまちづくりを推進することは、都政の重要な課題と考えます。そのためには都民の参加と協力が不可欠であり、緑にかかわる情報の提供を積極的に行っていく必要があります。人々の自由時間の増大やライフスタイルの多様化などを背景として、緑との触れ合いや、緑を通じての交流活動の要望もふえております。東京都ではこれにこたえて、普及啓発のための施設として緑の相談所を開設してきましたが、その果たしてきた役割と現状について、また、三月廃止後、その役割を今後どのように継承していくのかをお伺いいたします。
 次に、高齢者の生きがいについてですが、現在でも高齢者の四分の三以上は元気な高齢者といわれ、高齢者が健康で生き生きと暮らせる社会づくりは、首都東京の重要な課題であります。
 そこで、一つ提案があります。
 公園は、子どもから高齢者まであらゆる世代が利用し、楽しめて、緑がもたらすいやしの効果の高い場所です。住民に身近で、緑豊かな空間である公園において、高齢者が緑と親しみながら軽易な作業で汗を流すことができたら、この上ない生きがいとなるのではないでしょうか。知事も施政方針の中で、元気で経験豊かな高齢者の能力を生かす仕組みづくりに努めたいとおっしゃっておられますが、多くの高齢者が、緑と触れ合いながら生き生きと活動できる場として公園が活用できないか、検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 せっかく高齢者の方々に、公園を生きがいの場として活用していただくわけでありますから、高齢者が安全に、かつ安心して利用できるよう、バリアフリーにも配慮した施設としていく必要があると考えます。公園におけるバリアフリーの実現に向けて、これまでの取り組みと現状、また、今後どのように実施していくか、お伺いいたします。
 最後になりますが、大東亜戦争における東京大空襲犠牲者の慰霊を、積極的に温かく行っていただくよう強く知事に要望するとともに、本会議場における国旗掲揚の一刻も早い実現を希望して、私の質問を終わります。(拍手)
   [知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 田代ひろし議員の一般質問にお答えいたします。
 都営住宅家賃の減免制度の見直しについてでありますが、見直しに当たりましては、居住者の生活実態を十分考慮するとともに、都民や学識経験者の意見も参考にしながら、真に住宅に困窮する居住者にも配慮して、幅広い検討を重ねまして案を取りまとめました。
 新たな制度では、住宅の応益性や居住者の負担能力がより正確に反映したものとなったこと、もう一つ、免除についても原則廃止し、一定の負担を定めたことなどの点で、より適正な内容になっていると考えております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   [教育長中島元彦君登壇〕

○教育長(中島元彦君) 特別区への教科書採択の指導についてでございますが、都教育委員会は、昨年九月に特別区教育委員会に対する説明会を開催し、採択権限の移管に伴う事務処理の適正化について周知徹底を図りました。
 また、十二月には、特別区指導室長会において、教科書採択に当たっては、義務教育諸学校教科用図書検定基準の中で示されている学習指導要領の目標等に従うこと、及び各区教育委員会の教科書採択権限を侵害しないことについて、特に留意するよう指導助言し、改めて指導の徹底に努めてまいりました。
 今後、早急に特別区教育委員会の要綱等の制定状況を把握し、指導内容を逸脱していると判断される場合には、強く指導助言してまいります。
   [住宅局長戸井昌蔵君登壇〕

○住宅局長(戸井昌蔵君) 都営住宅家賃の減免制度見直しについてお答えいたします。
 まず、見直しの具体的内容は、収入に応じ減額率を一〇%から五〇%とし、高齢者や障害者等で年収が一定水準以下の居住者については七五%としたこと、非課税年金も収入として捕捉することとしたこと、三点目ですが、免除は、災害など特別な事情に基づく著しい生活困窮に限定したことなどとなっております。
 次に、新制度の実施に当たりましては、居住者に対する十分な周知を図るとともに、制度の適正な運用に全力で取り組んでまいります。
   [労働経済局長大関東支夫君登壇〕

○労働経済局長(大関東支夫君) 商店街振興にかかわる四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大型店の出店状況と、大型店が商店街に及ぼす影響についてでございます。
 大型店の最近の出店状況は、平成八年度の九十七件をピークにいたしまして、減少ぎみに推移してきております。本年度一月末で六十六件となっておりますが、これは昨年度とほぼ同じ程度の出店ペースとなっているわけでございます。
 次に、大型店が商店街に及ぼす影響でございますが、平成十年度に私どもで実施いたしました商店街実態調査というのがあるわけでございます。これを見てみますと、近隣に大型店が増加したと回答した商店街が六百二十一ございまして、そのうち七割を超える商店街が、「来街者が減少した」、あるいは「売り上げが減少した」という回答をしております。
 次に、大型店の閉店時刻の繰り下げ、いわゆる営業時間の延長でございますけれども、それと休業日数の削減、これに関する届け出状況でございます。
 まず、閉店時刻の繰り下げでございますが、平成十年度は九年度に比べまして一・八倍、それから本年度は、一月末現在で、十年度に比べますと二倍を超える二百八十三件となってございます。
 また、休日日数の削減でございますが、平成十年度に九年度の二・四倍となっておりましたが、本年度は、一月末現在で、十年度に比べて三割減少いたしまして百七十二件となってございます。
 次に、出店者が地元との協議内容に違反した場合の調整についてでございますが、大規模小売店舗法に基づく届け出事項に関するものにつきましては、都が出店者に対し、口頭または文書によりまして是正を求め、改善を図っております。
 また、届け出事項以外の協議内容につきましては、大店法の運用上、その遵守を義務づけるということにつきましては困難な面がございますが、このような場合におきましても、誠意を持った十分な話し合いが行われるよう強く指導してきているところでございます。
 今後とも、大型店の出店や店舗運営に関しましては、地域住民あるいは関係者への十分な説明や話し合いが行われるよう適切に対処していきたい、このように考えております。
 次に、商店街の活性化支援についてのお尋ねでございますが、長引く景気の低迷や大型店の影響などから、厳しい状況にある都内商店街の現状を踏まえ、都はこれまでも、商店街の意欲ある取り組みに対しまして、空き店舗対策事業や活力ある商店街育成事業等、さまざまな支援を行ってまいりました。
 さらに地域別担当制も導入いたしまして、商店街の実情をきめ細かく把握するとともに、専門家を派遣し、適切なアドバイスを行うなど、商店街活性化の推進に努めております。
 今後とも、区市町村との連携を強化し、意欲的な取り組みを行う商店街を積極的に支援してまいります。
   [衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 地域医療の確保についてのお尋ねでございます。
 地域に不足する病床を整備することとあわせ、住民に身近なかかりつけ医と高度な医療機能を持つ病院等とが、それぞれの役割分担と十分な機能連携に基づいた地域医療体制を整備することが極めて重要であることは、ご指摘のとおりでございます。
 このため、都は、区市町村や地区医師会等との協議を通じて、かかりつけ医の定着促進と医療機関の機能連携の推進に努めております。
 今後とも、二次保健医療圏における医療機能連携の一層の充実を図りながら、住民にとって利用しやすい適切な地域医療体制の構築に向け積極的に取り組んでまいります。
   [生活文化局長今沢時雄君登壇〕

○生活文化局長(今沢時雄君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、遺伝子組みかえ食品の表示などについてでございます。
 都はこれまで、食品製造事業者を初めとする関係業界と事業者懇談会を開催し、正確でわかりやすい表示がなされるよう要望してまいりました。
 また、都民の意識を把握するため、消費生活モニターアンケート調査なども実施しておりますが、今後は、さらに食品の安全性評価に関する調査や科学的検査法に基づく表示の調査も実施し、結果につきましては都民に積極的に情報提供してまいりますとともに、事業者に対して適正な表示などについて要請、指導してまいりたいと存じます。
 次に、バイオテクノロジーを応用したクローン牛などの食品についてでございます。
 クローン牛につきましては、昨年より表示を付して試験的販売が開始され、現在、農林水産省が表示のあり方を検討していると聞いております。
 ご指摘にございましたように、バイオテクノロジー応用食品につきましては、その影響などが長期にわたらないと判明しないこともあり、都民が強い関心を持つ大変重要なことであると認識しております。
 都といたしましては、今後の流通状況を見ながら、都民が適切な選択が行えるよう情報の把握に努め、これを都民に提供いたしますとともに、正確でわかりやすい表示や安全性の調査研究がなされるよう、国や関係団体に対しましても働きかけてまいりたいと存じます。
   [建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 緑及び公園行政に関連して、五点お答えいたします。
 緑の相談所の役割と現状についてですが、緑の相談所は、都民の緑化意識の高揚や緑化情報の提供等を目的として設置されたものです。
 東京都では、昭和五十三年に開設された神代植物公園緑の相談所を初め五カ所の相談所を設置し、都民向けの緑化相談、緑に関する講習会や観察会、公園ボランティアの育成、緑の情報提供などの諸事業を行ってきました。
 これらの事業を通じ、緑化思想やボランティア活動の普及に先駆的役割を果たしてきたと考えています。
 緑の相談所の役割を今後どのように継承するかについてですが、相談所の役割のうち、緑の相談業務については、区市が設置する相談所などが十五カ所にふえてきたことや、民間における各種講座の充実等の状況を踏まえ、平成十一年度をもって事業を終了することとしました。
 しかしながら、これからの公園の管理運営を、都民と協働で行うためのパートナーとしてのボランティアや、そのリーダーの育成、そしてボランティア活動に必要な情報の提供などの事業は、民間団体の自主的活動として継承していく考えであり、都としても場の提供などの支援策について検討してまいります。
 高齢者が生き生きと活動できる場としての公園の活用についてですが、現在、石神井公園など三十カ所の都立公園で、七十五の団体が、花壇づくりや自然観察など、高齢者も参加できる自主的な活動を行っています。
 また、動物園や庭園のガイドなどにも百六十名を超える高齢者のボランティアがかかわっており、活発に活動しております。
 さらに、今年度は、木場公園において、高齢者や車いす利用者にとって作業しやすい高さの花壇を整備しています。
 今後とも、より多くの高齢者に活用される公園づくりに努めてまいります。
 公園におけるバリアフリーについてですが、都立公園においては、昭和四十八年から、独自に障害者のための公園設計基準を策定し、段差解消や、手すり及びスロープの設置、車いす用トイレの整備など公園の改良に取り組んできました。
 さらに、東京都福祉のまちづくり条例制定を契機に、視覚障害者が手で触れて公園施設の配置や現在位置を知ることのできる案内板や、子ども連れから高齢者まで、だれもが使用できる新しい形のトイレを設置するなど、内容を拡充しながら施設改良を進めています。
 公園におけるバリアフリーの実現に向けた今後の取り組みについてですが、施設の特性上、車いすでの利用に制約のあった日本庭園についても、池や中の島などの景観を楽しめるような方策を検討するなど、実際に利用した方々のご意見を今後の設計に生かし、さらに利用しやすい施設整備を行っていきます。
 今後とも、高齢者や障害者が安全かつ安心して利用できるよう、バリアフリーの公園づくりを進めてまいります。

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