警察・消防委員会速記録第三号

令和八年三月十七日(火曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤こういち君
副委員長宮瀬 英治君
副委員長森村 隆行君
理事菅野 弘一君
理事東村 邦浩君
理事小山くにひこ君
ときざき直行君
まつば多美子君
三宅 正彦君
宇田川聡史君
後藤 なみ君
尾崎 大介君
竹井ようこ君
里吉 ゆみ君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監筒井 洋樹君
副総監警務部長事務取扱匿名・流動型犯罪グループ対策本部長事務取扱
サイバーセキュリティ対策本部長事務取扱
親家 和仁君
総務部長松下  徹君
交通部長遠藤 顕史君
地域部長福山 隆夫君
生活安全部長宇田川佳宏君
総務部参事官企画課長事務取扱伊藤三津夫君
総務部会計課長深澤 一浩君
東京消防庁消防総監市川 博三君
次長古賀 崇司君
理事兼安全推進部長事務取扱加藤 雅広君
企画調整部長上原 源隆君
人事部長江原 浩仁君
警防部長山田  寿君
防災部長久貝 壽之君
救急部長永野 義武君
予防部長伊勢村修隆君
企画調整部企画課長吉澤  亮君
企画調整部財務課長会田健太郎君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
警視庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十三号議案 東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第八十四号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
東京消防庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
東京消防庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十六号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 火災予防条例の一部を改正する条例
・第百二十二号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

○伊藤委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和八年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和八年三月十三日
東京都議会議長 増子 博樹
(公印省略)
警察・消防委員長 伊藤こういち殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
警察・消防委員会
 第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 警察・消防委員会所管分

(別紙2省略)

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の予算の調査並びに付託議案の審査を行います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、警視総監から紹介があります。

○筒井警視総監 先般の人事異動により幹部が交代いたしましたので、ご紹介を申し上げます。
 地域部長の福山隆夫でございます。総務部参事官の伊藤三津夫でございます。会計課長の深澤一浩でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警視庁所管分及び第八十三号議案から第八十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松下総務部長 去る二月十三日に当委員会からお求めのありました、自転車専用通行帯の整備計画と整備状況の推移、歩車分離式交差点の整備状況の推移、被留置者の死亡件数とその原因につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 よろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 それでは、私から、三つのテーマで質問を行わせていただきます。
 まず一つ目は、警視庁の留置施設での死亡事案をなくすための取組について質問いたします。
 大川原化工機冤罪事件では、罪なき方が十一か月も拘束され、お一人はお亡くなりになりました。あってはならないことだと思いますが、この留置施設としては、東京拘置所、法務省の所管でした。
 では、警視庁所管の留置施設では死亡事案は起きていないのかといえば、そんなことはありません。
 二〇二三年、高島平警察署で留置中だった十九歳の男性が死亡した事案では、警部ら五名を業務上過失致死で書類送検しました。損害賠償金を払い、和解が成立していますが、この事案、どのような過失があったと総括しているのか伺います。

○松下総務部長 ご指摘の事案では、当該被留置者が徐々に体調を悪化させる中で、直ちに生命に重大な影響を及ぼす状況との認識に至らず、診療を予約していた日の朝に亡くなられたものであり、体調不良が顕著であると認めた時点で、職員が一一九番通報等の措置を講じるべきであったと考えております。

○里吉委員 体調不良が顕著だと認めた時点で一一九番するべきだったという結論です。
 このことについては、以前この委員会で我が党の大山委員も質疑をしています。
 本人から、糖尿病を患っている、二か月前から通院していない、インシュリンも打っていないと申告があったわけですね。糖尿病を患っているのにインシュリンを打っていないと知っていたわけですから、薬を処方するべきだったのに、それもしなかったし、医師に見せることもなかった。挙げ句、救急車を呼ぶこともしなかった。警視庁所管の留置施設の中で、助かるはずの命が失われました。
 この死亡事案について検証のための組織はあったのでしょうか。どのようなメンバーで検証を行ったのか伺います。

○松下総務部長 本事案では、当庁幹部による実地監査等を実施したほか、警察部外の第三者から構成される留置施設視察委員会や東京都公安委員会への報告を行い、各委員からのご意見等を反映させた上、各種再発防止策を講じました。

○里吉委員 留置主任会議というのは、これは留置場で働く方々、ここで会議を開催したと。それから、警察部外の第三者から構成される留置施設視察委員会へ報告、意見聴取をしたということです。
 この委員会からは、男性の病状が深刻化していたにもかかわらず、医師の診察を受けさせるなど必要な措置を怠ったことは極めて不適切であるとの意見が出されていました。また、留置担当者の間で情報の共有や異変に対する危機管理意識が徹底されていなかったことも指摘されていました。
 改めて、ここでの結論を受けて再発防止策を伺います。

○松下総務部長 事案発生以降、現場指導や職員への講習を実施し、被留置者の生命に危険が及ぶおそれがあるときは、直ちに救急搬送を要請するよう、繰り返し職員への指導教養を徹底するなど、再発防止に努めております。

○里吉委員 今ご発言いただいた中身はそのとおりだと思います。しかし、それだけでは再発防止になるとは思えません。
 本日、資料要求した資料でも提出いただきましたけれども、実際その後も被留置者の死亡案件が報告されております。
 日本弁護士連合会が、警察庁に対して、留置施設における死亡事案をなくすための取組についての意見書を毎年出しておりますが、これはご存じでしょうか。
 その中の一つが、死亡事案について、留置されたことと直接、間接に関連性がないことが明白な場合を除き、死亡に至った経緯、死亡原因を調査する第三者委員会を設置する制度を整備すること、その調査結果を踏まえて再発防止策を策定、実施することを求めております。
 都内でも留置施設での死亡事案が起きているわけですから、こうした取組を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○松下総務部長 ご指摘の意見書については承知をしております。
 先ほど申し上げたとおり、警察署長等に対して、留置施設の運営に関し意見を述べる留置施設視察委員会が設置されており、警視庁では、同視察委員会の意見を踏まえつつ、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律をはじめとする関係法令等に基づき、適切な対応を講じております。

○里吉委員 留置施設視察委員会が設置されているといわれましたけれども、ご答弁にもありましたように、この委員会がやることは、被留置者との面接や、被留置者から提出された意見、提案書の審査等を通じて、警察署長など留置業務管理者に対して、施設の管理運営に関する意見を述べることを目的、こういう機関ですよね。強制力をもって死因を究明することはできません。
 こういう留置施設視察委員会があることを分かった上で、日弁連はそれでは不十分だからと、毎年意見書を出しているわけです。
 ちょっと話を先に進めますが、意見書の中では、今回の事案として挙げた例もそうでしたけれども、基礎疾患があるなど、治療その他保健衛生上、医療上の配慮を要する被疑者、この方はここで亡くなってしまったわけですけれども、司法警察員が検察官に送致する場合には、その医療上の配慮が必要だという旨を必ず検察官に書面で通知するべきだということも、この意見書の中で述べています。
 実際の扱いはどうなっているのか伺います。

○松下総務部長 ご質問の書面による通知制度はございません。
 留置施設については、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に基づき、被留置者に対して、社会一般の医療水準に照らし適切な医療上の措置を講ずることとされており、おおむね一月に二回の健康診断、留置の際の既往症の把握と、それに応じた診療、負傷した際や疾病にかかっているとき、またはそれらの疑いがあるときの速やかな嘱託医等による診療などを行っております。

○里吉委員 書面による通知制度はないというご答弁でしたけれども、だからこそ、それでも死亡事案を予防するために必要だからということで、日本弁護士連合会として要望しているわけなんですね。
 検察官が警察から送致された被疑者の健康状態や基礎疾患があるかどうかについて正確な情報を持っていることは、その後の身柄拘束ができる状態かどうか判断する上でも大事な情報です。ですから、これを口頭伝達などで済ませるのではなく、きちんと書面で行うべきという要望です。さらに、医療上の配慮が必要な被疑者を勾留する場合は、医療体制のある拘置所にするようということも求めています。
 今日は、留置施設での死亡事案をなくすための取組を求めているわけですけれども、日弁連の意見書では、警察留置場に収容されることがなければ失われずに済んだ生命が失われるようなことは決してあってはならず、このようなことを最大限防ぐために、国と地方公共団体、都道府県の警察はその責任を十分に果たすべきであると、この意見書を結んでいます。
 調べてみましたら、全国各地で毎年何人もの方が留置施設で亡くなっています。この事態を解決するための提案です。ですから、日弁連の意見書について、ぜひ警視庁としても受け止めていただいて取り組んでいただきたいということを要望し、次の質問に移ります。
 次は、歩車分離式信号について伺います。
 私は二〇二一年第一回定例会の文書質問で歩車分離式信号の整備を求めましたが、これはその年の一月三日、世田谷区内の見晴らしのいい交差点での死亡事故で、小学生が死亡するという事故を受けての質問でした。
 当時、事故が起きた場所は、今も歩車分離式信号にはなっていません。
 一方で、歩車分離式信号機を求める要望は本当にいろんなところから寄せられています。交通事故の予防のために有効な信号機であり、ぜひ設置を進めていただきたいと思っております。
 そこで伺いますが、歩車分離式信号とはどういうものか、どのような交差点に設置すると有効とされているのか伺います。

○遠藤交通部長 歩車分離式信号とは、歩行者と自動車の交錯が全く生じない、または交錯が少ない信号表示を行う信号でございます。
 この歩車分離式信号は、公共施設等の付近または通学路等において、生徒、児童、幼児、高齢者、身体障害者の交通の安全に特に配意する必要がある交差点、右左折車両及び歩行者の交通量が多い交差点等に設置することで、事故防止上効果があるとされております。

○里吉委員 公共施設付近、通学路、高齢者や障害者の交通を安全に確保する必要がある交差点、歩行者や車両の交通量の多い交差点に設置すると事故防止に効果があるということです。そう考えると、もっと増えていいのではないかと思います。
 信号交差点を横断中の歩行者が右左折する自動車と接触する事故を防止するためには歩車分離式がいいといわれているんですが、一方で道路の混雑を招くというふうにもいわれてきました。
 そこで、実は警察庁は、二〇〇二年一月から六カ月間にわたって、全国百か所の交差点を抽出して歩車分離式信号の試験を行いました。結果は人身事故が四割減少し、このうち人対車両の事故は七割減少したというもので、警察庁はこの結果を受けて、歩車分離式信号に関する指針を制定しました。
 このときに、この歩車分離式信号の導入に賛成する利用者も七割を超えたというふうに報告されています。これ、二〇〇三年、平成十五年版の警察白書にも書かれています。
 警察庁がこれだけ有用性をはっきり示しているにもかかわらず、全国では思ったように進んでいないわけですね。改めて、歩車分離式信号については、必要な場所、求められている場所に積極的に設置を進めるべきだと思います。
 どのように設置を進めていくのか、見解を伺います。

○遠藤交通部長 歩車分離式信号の設置につきましては、過去の交通事故発生状況に加え、通学路等の安全確保や地域住民の要望のほか、交差点の形状や交通量などを踏まえ、歩車分離化の効果と影響を総合的に勘案し、導入の適否を検討してまいります。

○里吉委員 総合的に勘案して検討するというお答えでした。この間資料要求もして、数も示していただいていますが、数件ずつは増えているんですが、まだまだ不十分だと思います。
 一方で、警察庁は二〇二五年の一月末、二十三年ぶりに歩車分離式信号に関する指針を改定していました。
 二〇〇二年当時は、導入を検討すべき交差点の条件として、歩車分離であれば防止できたと考えられる事故が過去二年間で二件以上発生していることとか、児童などの交通安全を特に確保する必要があり、かつ歩車分離の要望がある。こういうことを導入を検討すべき条件としていましたが、今回改定された指針では、事故が過去五年間で二件以上とか、死亡事故が発生した場合に検討すべきだと。それから、児童など、交通の安全を特に確保する場合は、要望がなくても検討できるということにしています。
 この条件でいいのかというのは、もっと緩めてもいいんじゃないかという意見もあるかもしれませんが、とにかく、これまでの条件を緩和して、交差点での歩車分離式の導入を後押しする方向が示されたことは一歩前進です。通学路などは、要望がなくても危険だと警視庁で判断したら検討できるということですから、今年度、設置の数はまだ出ていませんが、二〇二五年一月に指針が改定されたことを受けて設置が進んでいくのかを注目していきたいと思います。
 警視庁として指針が改定されたことを受け、積極的に設置を進めていただくことを要望し、この質問を終わります。
 最後に、警視庁の痴漢対策について質問いたします。
 性暴力、性犯罪である痴漢ゼロの東京の実現を求める質問を日本共産党都議団が五年前に行って以降、痴漢対策は政治の課題となり、画期的な前進がありました。痴漢被害の実態調査を行うことや、協議会の設置、都営地下鉄での女性車両の拡大、痴漢被害を周囲に伝えることのできるアプリなど、実現してきました。
 引き続き、痴漢加害者に対する再犯防止の取組をはじめ、課題はありますが、本日は警視庁の行っている痴漢対策について質問と要望を述べたいと思います。
 二〇二一年、都として初めて痴漢被害に対する大規模な実態調査を行うことを決め、二〇二三年三月には、各局、警視庁も入った関係各局によるプロジェクトチームが設置されました。
 そこで伺います。二〇二三年以降行ってきた関係機関と連携した痴漢撲滅プロジェクトで、警視庁の行ってきたこれまでの取組についてお示しください。

○宇田川生活安全部長 警視庁では、痴漢事犯は被害者に深刻な被害をもたらす重大な犯罪行為であると認識しており、取締りや警戒活動のほか、鉄道事業者等と連携し、警視庁防犯アプリ、デジポリスに搭載された痴漢撃退機能を周知するなど、被害防止に効果的な広報啓発活動を実施しております。
 特に、受験期におきましては、受験会場の最寄り駅等における警戒活動を強化しているほか、SNS上で痴漢行為をあおるような有害情報に対して、リプライ警告や管理者に対する削除要請を行っております。

○里吉委員 受験期の痴漢撲滅キャンペーンの取組については、我が党の藤田りょうこ都議も今回の一般質問で取り上げましたが、日本共産党としても、毎年各関係機関に申入れを行ってきました。
 警察庁、警視庁の取組としても、大学共通テスト開催時、全国で毎日約四千六百人、東京では約四百七十人の警戒態勢を取るなど、体制を強化していると伺いました。痴漢被害を未然に防ぐための大変大事な取組だと思います。
 答弁では、最初に、痴漢事犯は被害者に深刻な被害をもたらす重大な犯罪行為であるとの認識が示されました。国でも、痴漢撲滅に向けた政策パッケージが示されています。ここには警察庁も入っていますが、ここでは痴漢対策を進める上での基本認識として、痴漢は重大な犯罪であること、痴漢の被害は軽くないこと、被害者は一切悪くないこと、被害者を一人にしてはいけないこと、そして痴漢は他人事ではないこと、この五つが示されています。
 警視庁としてもこういう基本認識に立って、様々な対策が行われてきたのだと思います。
 それでは、具体的な取組について伺います。
 まず、デジポリスについてです。
 警視庁の無料アプリ、デジポリスに痴漢撃退機能というのがありますが、この効果、そして検挙事例などについて伺います。

○宇田川生活安全部長 電車内で痴漢被害に遭われた方がデジポリスの痴漢撃退機能を活用し、警告音を鳴動させ、スマートフォンで周囲に助けを求める画面を示したところ、それに気づいた乗客が被疑者に声をかけたことで検挙につながった事例などがあります。

○里吉委員 何件ぐらいあったのかは答弁ございませんでしたけれども、これ、知っていれば大きな効果があると思いますので、さらに周知をしていただきたいと思います。
 次に、リプライ警告についてです。
 リプライ警告はどのようなものか、投稿例や警告内容について、また、警告件数についても伺います。

○宇田川生活安全部長 警視庁では、受験期に痴漢チャンスデーなどとSNS上で痴漢行為をあおるような有害情報に対して、痴漢は個人の尊厳を踏みにじる重大な犯罪行為であり、検挙措置を講じる旨の警告を行っており、警告件数は令和七年一月から同年三月までで二十七件であります。

○里吉委員 私も報道されたものを見ましたけれども、これはSNSで痴漢行為をあおるような発信元にリプライで警告するということですから、直接加害者になるのか、それをあおるような行為をしている人のところにメッセージが届くということで、これも本当に大事な取組だと思います。このようなSNSでの発信がなくなることが一番なんですけれども、ぜひこうした取組も進めていただきたいと思います。
 鉄道会社などと共に、協力して痴漢ゼロを目指すための警視庁としての取組を伺ってまいりました。五年前に我が党がこの問題を取り上げたとき、日本共産党東京都議団として行った実態調査アンケートには、毎日電車の中で痴漢の被害に遭って、学校に行けなくなった、会社に行けなくなった、また、今も電車に乗れないなど、その後の人生を大きく変えられてしまった被害者の声がたくさん寄せられました。こうした性暴力、性犯罪である痴漢ゼロの東京の実現のために、警視庁としても、引き続き取組強化をしていただきたいと思います。
 最後に、質問にはいたしませんでしたけれども、要望を二点申し上げます。
 一つ目は掲示ポスターについて。
 かつては被害者に注意を促す、痴漢に注意というものが多かったのですが、今は加害者に対して、痴漢は犯罪ですというものに変わってきました。被害者には何も落ち度があるわけではなく、加害者に注意喚起、警告することが大事だというふうに、社会の痴漢への関わり方が大きく変化する中で、ポスターも変わってきました。
 しかし、各警察署の防犯協会などと出しているポスターの中には、まだ一部ですが、被害者側の注意を促すもの、盗撮に注意などというものも見られます。この気持ちも分かるんですが、同時に、盗撮は犯罪です、こういうメッセージもぜひ上げるようなポスターに変えていただきたいということを要望いたします。
 二つ目は、事情聴取のときの二次的被害を生まないための取組の強化です。
 ここもいろいろ議論しますと、頑張って努力していただいていることは承知しているんですが、東京都が第四期東京都犯罪被害者等支援計画の改定のために行ったアンケートがあるんですね。
 犯罪被害者等の実態に関する調査報告書、ここに性犯罪に遭った方のアンケートが載っています。これを見ますと、残念ながら、三七%の方が、捜査関係者、警察からの言葉で傷ついたと回答しています。傷つかなかったと明確に回答している方が二二・二%にとどまっています。
 ここは、さらに、ご努力いただいていると思いますが、やっぱり本当に傷ついて、でも警察にせっかく被害届を出しに来た方ですから、事情聴取する方だけじゃなくて、もしかしたら周りの方の何げない一言かもしれません、警察の中のね、そういうことも含めて、警察関係者による二次的被害を生まないような研修をさらに強化していただきたい、この二点を要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○伊藤委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、東京消防庁所管分、第八十六号議案から第八十八号議案まで及び第百二十二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○古賀次長 過日の委員会で要求のございました資料につきましては、お手元の警察・消防委員会要求資料のとおりでございます。
 内訳といたしましては、救急活動時間(過去五年)、消防署所数と救急資格者数等の推移(過去十年)、救急隊数と救急資格者数(消防署別過去五年)、医療機関への受入れ照会回数四回以上の事案(過去三年)、デイタイム救急隊配置署所、救急隊が配置されていない署所一覧の計六点でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 それでは、二点質問いたします。
 一つは、救急体制の強化を求めて質問いたします。
 資料もいただいておりますが、救急体制の強化、大変大事な課題で、出場件数を見ますと、二〇二〇年以降増え続けております。二〇二〇年が七十二万九百六十五件でしたけれども、年々増え続け、二〇二四年は九十三万五千三百七十三件となっています。こうした下で、救急隊も、デイタイム隊も含めて、計画的に増やしていただいていると思います。このことは本当に大事なことなんですが、同時に、資料にもいただいたように、救急資格者も二〇二一年の七千二百五十六人から二〇二五年は八千四百十七人と増やしていただいています。こうした努力と併せて今日伺いたいのは、救急隊の皆さんの負担軽減にもつながる自動式心マッサージ器、そして電動ストレッチャー、これをぜひ、導入していただいていますけれども増やしていただきたいという質問です。
 まず、救急体制の、救急搬送体制の維持強化のために、救急隊員の負担軽減も進める新たな機器として、今導入しております自動式心マッサージ器、電動ストレッチャー、このうち、自動式心マッサージ器は、もう大分導入してきまして、救急車の中で長時間にわたる心臓マッサージを行う必要がなくなるとか、救急隊は別の処置に当たれるとか、体力的に負担軽減につながるということもあって、計画的に配備を進めていただいていると伺っています。
 どのような目標で配備しているのか、また、来年度の配備予定について伺いたいと思います。

○永野救急部長 自動式心マッサージ器は、救急隊、デイタイム救急隊全隊に各一台、航空隊に五台配備することを目標としており、来年度は六十七台配備する予定でございます。

○里吉委員 伺いましたら、この自動式心マッサージ器だと、階段を動きながらとか、狭い道路を動いているときも心臓マッサージが続けられるということで、大変有用だということで、今伺いましたように、全救急隊に一台、航空隊にも五台配備するという目標だということなので、ぜひ早急に救急隊全隊に配備していただくよう求めておきたいと思います。
 次に、電動ストレッチャーの導入についてです。
 こちらも、特に救急隊員の腰痛リスクの軽減や、女性、中高年齢の隊員でも安定して搬送ができるというメリットがいわれております。かつて、この質問は我が党の大山委員もしておりましたが、そのときにもご紹介させていただきましたが、ヨーロッパでは導入率九割以上、米国でも九〇%となっていますから、日本でも積極的に導入していただきたいと。
 まず、電動ストレッチャーについては、それに対応する救急車両も必要で、なかなか整備が進んでいないと伺っておりますが、東京消防庁における現在の配備状況をまず伺います。

○永野救急部長 電動ストレッチャーは、現在、京橋、玉川、池袋、本所、江戸川、府中の各消防署に一台、計六台を配備しております。

○里吉委員 令和四年度、二〇二二年度、消防本部で電動ストレッチャーの導入調査や需要等の調査を行ったり、救急隊員等の行う観察・処置等に係る検討が行われております。全国の各消防本部に対してのアンケートも行っておりまして、これ見ますと、導入している、予定している、導入はしていないが必要性はあると回答した消防本部が六一%で、導入理由や必要性を考える理由は、救急隊員の負担軽減が九七・五%、女性の救急隊員の活躍推進が八一・九%、次いで、救急活動上の安全対策の向上が五四・八%となっていました。
 電動ストレッチャーの導入については、昨年度のこの委員会の質疑の中で、有用性がある一方、電気トラブルにより動かなくなった事案があるなど活用上の課題もあるため、製品の信頼性を含め、多角的な検討をするとしているとされておりました。
 そこで伺いますが、来年度の配備計画、また、併せてどのような検討をする予定なのか伺います。

○永野救急部長 電動ストレッチャーの導入については、配備している消防署に対し、操作性等についてヒアリングを実施し、現場の意見を踏まえた検討を行ってまいります。

○里吉委員 現場の意見を踏まえて検討するということですが、先ほどのアンケートにもありましたが、救急隊員の身体的負担軽減、女性隊員の活動を進めるという点でも、安全性の向上という点でも、有用性、大分明らかになってきていると思いますので、改めて計画的な導入を求めたいと思います。
 次に、林野火災の対応について伺ってまいります。
 近年、乾燥や強風などが重なる中で大規模な林野火災が相次いでいます。昨年二月の岩手県の大船渡市の火災では、市の面積の一〇%が焼ける甚大な被害が出ました。東京都内の森林は多摩地域でいえば五万三千ヘクタール、多摩地域の六割以上が森林であり、都としても、大船渡林野火災の教訓をしっかり学び、火災予防に生かすことが求められています。
 大船渡市林野火災を踏まえて、東京消防庁としても条例改正や様々な資器材の購入などが予算案に計上されています。具体的にどのような対応を準備しているのか伺います。

○山田警防部長 林野火災への対応力を強化するための資器材として、空中消火用の自立式バケットのほか、走破性に優れた小型の資材搬送車や民家等への延焼を防止する延焼防止水幕防御システム等を導入いたします。

○里吉委員 私も一つ一つ内容を見させていただきました。どれも大事な資器材だと思います。さらに今回は火災予防条例の改正も行って、気象状況などにより、新たに警報や注意報を出すことができるようになります。実際に私の地元でも、どんど焼きを多摩川河川敷で毎年行っていますが、地元の皆さんは大変頑張って準備をしていますし、楽しみにされている方が多いので、どういうときに中止するか、この決断、すごく難しいと思います。ですから、火災予防のために基準を示して注意喚起するというのは本当に大事なことだというふうに思いました。
 さて、林野火災の発生ですが、大半がたき火や火入れなど人為的な要因によるものとされていますが、過去、都内では人為的な要因の火災はどのようなものがあったのか伺います。

○伊勢村予防部長 東京消防庁管内におきましては、平成二十八年から令和七年までの過去十年間で、林野火災の原因の七割以上が人為的要因であり、内訳は、放火、焼却火、たばこによるものなどでございます。

○里吉委員 七割が人為的要因ということでした。ここは当たり前のことですが、引き続き粘り強く注意喚起していくということが大事だと思います。同時に、一旦火災が発生したら、一刻も早い消火が大事ですが、山の中では道も限られていますし、乾燥していると一気に燃え広がる可能性もあり、消火活動も独自の対策が求められます。
 大船渡林野火災では、飛び火や風向きの変化による急な延焼拡大に、対応に苦慮したことから、林野火災が発生した場合の住宅等への延焼リスクを評価できるシミュレーションが重要とされておりました。消防庁も今回予算にシミュレーションについての予算を計上されていますが、これはどのようなものなのか伺います。

○山田警防部長 林野火災シミュレーションシステムは、迅速かつ効果的な消防活動を実施するため、木々の植生や地形、気象情報などを統合し、延焼方向等を予測するもので、来年度はシステム設計を行います。

○里吉委員 近年、気候変動によって山火事は厳しさが増幅されている、こういう専門家の指摘もあります。ですから、ますますこのシミュレーションシステム、大事だと思うんですね。どんな植生なのか、地形なのか、気象状況で延焼方向を予測することができれば、効果的な消火活動を進めることができるということです。
 昨年は、神奈川県相模原市で、新たな延焼シミュレーションが整備されていると伺いました。大規模な市街地災害や林野火災が発生した場合の被害を最小限にとどめるために、市街地と山間部をシームレスにつなぐ延焼シミュレーションの実現が必要と判断して、整備されたそうです。
 こうした先行事例などもありますが、東京都としても、東京消防庁としても、ぜひ精緻なシミュレーションができるように要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十四分散会