警察・消防委員会速記録第八号

令和七年九月十九日(金曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤こういち君
副委員長宮瀬 英治君
副委員長森村 隆行君
理事菅野 弘一君
理事東村 邦浩君
理事おじま紘平君
ときざき直行君
小山くにひこ君
まつば多美子君
三宅 正彦君
宇田川聡史君
尾崎 大介君
竹井ようこ君
里吉 ゆみ君

欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監迫田 裕治君
副総監特殊詐欺対策本部長事務取扱サイバーセキュリティ対策本部長事務取扱鎌田 徹郎君
総務部長松下  徹君
警務部長佐野 裕子君
交通部長日下 真一君
警備部長早川 剛史君
地域部長清水正太郎君
公安部長若田  英君
刑事部長親家 和仁君
生活安全部長宇田川佳宏君
組織犯罪対策部長永野 雅通君
総務部参事官企画課長事務取扱小石川速人君
総務部会計課長田中  勇君
東京消防庁消防総監市川 博三君
次長古賀 崇司君
理事兼安全推進部長事務取扱加藤 雅広君
企画調整部長上原 源隆君
総務部長瀬崎 幸吾君
人事部長江原 浩仁君
警防部長山田  寿君
防災部長久貝 壽之君
救急部長永野 義武君
予防部長伊勢村修隆君
装備部長伊藤 幸永君
企画調整部企画課長吉澤  亮君
企画調整部財務課長会田健太郎君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
報告事項(説明)
・国家賠償請求訴訟判決を受けた警察捜査の問題点と再発防止策について
事務事業について(説明)
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・警視庁愛宕庁舎(仮称)(七)新築工事請負契約
東京消防庁関係
事務事業について(説明)
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京消防庁池袋消防署長崎出張所庁舎(七)改築工事請負契約
・東京消防庁立川防災施設電気棟(仮称)庁舎(七)増築及び改修電気設備工事その二請負契約
・特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
・特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
・特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その三)について
・特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その四)について
・特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れについて
・特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その一)について
・特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その二)について
・特種用途自動車(化学車)の買入れについて
・特種用途自動車(救助車)の買入れ(その一)について
・特種用途自動車(救助車)の買入れ(その二)について

○伊藤委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課の担当書記の小倉聡史君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○伊藤委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取、第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに警視庁関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○迫田警視総監 警視総監の迫田でございます。
 本日は、新たな委員の皆様方によります最初の警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から当庁の運営につき格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。今後、予算案や条例案、請願陳情などの各種案件につきましてご審議を賜ることとなります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 初めに、警視庁公安部が外国為替及び外国貿易法に違反するとして捜査した事案に係る国家賠償請求訴訟判決を受けた警察捜査に関しまして、本件捜査により、多大なご心労、ご負担をおかけした皆様、また、警視庁を支えていただいている都民、国民の皆様に改めて深くおわびを申し上げます。
 本件捜査の問題点と再発防止策に関する検証結果につきましては、後ほど副総監からご報告申し上げますが、公安部において組織的な捜査指揮がなされなかったことで、捜査の基本を欠き、その結果、控訴審判決において違法であるとされた捜査を行ったことを真摯に反省しているところでございます。
 今回の検証結果を踏まえて、警察に与えられている捜査権の重みを十分に理解し、緻密かつ適正な捜査を推進することにより、都民、国民の皆様の期待に応えられるよう、たゆみない努力を積み重ねてまいる所存でございます。
 次に、当庁の事務事業につきましては、後ほど総務部長からご説明を申し上げますが、当庁といたしましては、変化し続ける治安情勢に的確に対処し、組織の総合力を最大限に発揮した各種対策を推進することで、世界一安全な都市東京の実現に努めてまいります。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも警視庁に対するより一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、当庁の幹部職員をご紹介いたします。
 皆様から向かいまして中央から左でございますけれども、副総監の鎌田徹郎、警務部長佐野裕子、警備部長早川剛史、公安部長若田英。次に、中央から右でございますが、総務部長松下徹、交通部長日下真一、地域部長清水正太郎、刑事部長親家和仁。次に、後列の中央でございますが、生活安全部長宇田川佳宏、組織犯罪対策部長永野雅通、総務部参事官小石川速人、会計課長田中勇。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○鎌田副総監 本年八月七日、国家賠償請求訴訟判決を受けた警察捜査の問題点と再発防止策に関する検証報告書を公表したところ、お手元の資料第1を基に概要をご説明いたします。
 本件は、令和二年三月及び五月に警視庁公安部が外国為替及び外国貿易法に違反するとして捜査をした事案において、噴霧乾燥器の製造販売会社の代表取締役ら三人の方々を逮捕したこと等が国家賠償請求訴訟で違法と判断されたものでございます。
 警視庁といたしましては、当該判決を重く受け止め、副総監の私を長とする検証チームを設置し、本件捜査の問題点と再発防止策を取りまとめ、公表したものでございます。
 控訴審判決においては、第一審判決で指摘された通常要求される追加捜査を行わなかった点に加え、捜査機関が採用した法令解釈について、経済産業省から問題点の指摘を受けながら合理性を再考せず逮捕に踏み切った点は、犯罪の嫌疑成立に係る判断に基本的な問題があり、合理的根拠が客観的に欠如していたとして、国家賠償法上違法であると認定されました。
 また、取調べ及び弁解録取についても、偽計的な説明、方法によるもので、国家賠償法上違法とされました。
 次に、本件捜査上の問題点と反省事項を、捜査指揮と取調べ、弁解録取のそれぞれの点からご説明いたします。
 捜査指揮に関する問題点は、一つ、捜査機関解釈に対し経済産業省が疑問点を示していたにもかかわらず、その合理性を再考することなく捜査を進めたこと。二つ、温度測定実験に関する消極要素の精査の不徹底。三つ、取調官に対する指導の不徹底。四つ、捜査班運営の問題。五つ、公安部長ら幹部への報告の形骸化と実質的な捜査指揮の不存在の五点が認められ、これらに関し、捜査指揮の階層ごとに反省事項を導き出し、外事第一課第五係から公安部長に至る捜査指揮系統の機能不全を明らかにいたしました。
 具体的には、担当管理官と第五係長については、総括して申し上げれば、捜査上のマイナス要素に十分に注意を払わずに積極方向で捜査を進め、部下が再実験を進言しても正面から向き合わなかったことが指摘されます。部下は、この係のいわゆる出戻りでかつ階級上位の二人が積極姿勢であったことから、意見を述べにくい状況にあったと思われます。
 また、事件主管課長である外事第一課長については、特に逮捕当時の課長は同課の勤務経験がなく、十分なコミットメントをしていなかったと見ております。課長交代時の引継ぎもなされておらず、捜査上の問題点が組織として認識、検討されていなかったことも問題として浮き彫りとなりました。
 さらに、公安部長等四役については、形骸化した報告しかなされておりませんでしたが、その責任がないとはいえないとしております。公安部長指揮事件でありますので、初期段階からしっかり問題点を把握して、慎重に捜査方針を考える必要があるところ、全体として逮捕に至るまで現場の捜査方針を追認しているだけの状態で、実質的に捜査指揮をしておりませんでした。
 取調べと弁解録取の問題については、控訴審判決で問題を指摘されたところ、少なくとも取調べの基本に欠け、弁解録取の趣旨、重要性を認識せず、不適正な手続を行ったものと考えております。
 これらを踏まえた再発防止策としては、主なものとして、部長捜査会議(仮称)の導入、公安総務課長の役割の明確化、公安捜査監督指導室(仮称)の新設、多面観察の実施を取りまとめいたしました。
 部長捜査会議の導入により、担当課長、捜査主任官には、部長の前でしっかり消極要素も説明させた上で議論し、それを記録化いたします。
 また、公安総務課長の役割を明確化し、適正捜査確保の視点から意見を述べることとするとともに、同課に設置する監督指導室が日頃から部内の捜査に関して目を光らせ、問題をキャッチすれば公安部長まで上がるようにするほか、広く相談、意見等を受け付けるホットライン機能も持たせます。
 さらに、一定の対象者について多面観察を実施することも併せて、捜査員の相談、意見等が公安部の幹部の耳に入るよう担保することで様々な事案にタイムリーに対処いたします。
 これによって、業務の性質上、意見をいいにくいとされる公安部の組織風土の弊害を減らしていくという趣旨でございます。
 このほか、本件の問題点を踏まえ、全国警察の指導、調整に当たる警察庁において、不正輸出に係る外国為替及び外国貿易法違反取締りの在り方が見直されたことから、警視庁といたしましても、警察庁と緊密に連携し、その指導の下で取締りを行っていくこととしております。
 なお、検証結果を踏まえ、本件捜査における関係者については、退職者を含む計十九名に対して、処分または処分相当の措置を講じております。通例、監督上の措置に満たない処分や退職済みで処分不能の者の責任の程度は申し上げておりませんが、本件ではその重大性に鑑み、対外的に公表したところでございます。
 説明は以上となりますが、改めて、本件捜査により多大なご心労、ご負担をおかけした皆様及び都民、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。
 警視庁といたしましては、今回の検証結果を踏まえ、警察に与えられている捜査権の重みを十分に理解し、真に必要な捜査を緻密かつ適正に推進することにより、都民、国民の期待に応えられるよう、たゆみない努力を積み重ねてまいる所存でございます。
 以上でございます。

○伊藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○伊藤委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○松下総務部長 警視庁の事務事業概要につきまして、資料第3に沿って、適宜、資料第4の統計にも触れながらご説明いたします。
 初めに、警視庁の組織及び定員についてであります。
 資料第4の一ページから二ページをご覧ください。こちらは本年十月一日に予定している組織改編を反映させた組織図であります。
 当庁は、匿名・流動型犯罪グループをはじめとする治安対策上の新たな脅威に対処するため、現行の特殊詐欺対策本部を改組した匿名・流動型犯罪グループ対策本部を新設するとともに、刑事部と組織犯罪対策部を統合することといたしました。組織改編後の当庁は、東京都公安委員会の管理の下に、警視総監、副総監、総務部をはじめとする八つの部、警察学校、匿名・流動型犯罪グループ対策本部、サイバーセキュリティ対策本部、三ページに移りまして、十の方面本部及び百二の警察署で構成されます。
 定員につきましては、四ページの表のとおり、四万六千六百十六人となっております。
 今後も、必要な人的基盤を整備し、あらゆる事案に対処できる警察力を確保してまいります。
 次に、各種警察活動の概要について申し上げます。
 第1は、総合力の発揮による新たな治安課題への対策の推進についてであります。
 資料第4の五ページをご覧ください。昨年の都内における刑法犯認知件数は九万四千七百五十二件で、戦後最少となった令和三年から三年連続で増加しており、本年七月末現在においても同様の傾向となっております。
 以下、主な対策についてご説明いたします。
 その1は、匿名・流動型犯罪グループ対策についてであります。
 匿名・流動型犯罪グループは犯行形態が多種多様であり、部門横断的な体制を一層強化する必要があることから、本年十月、匿名・流動型犯罪グループ対策本部を新設し、同グループに関する情報の収集、集約の一元化、取締りターゲットの選定、戦略の立案など、強力な司令塔機能を発揮できる体制を構築することといたしました。
 また、刑事部と組織犯罪対策部を統合することにより一元的に捜査力を発揮するとともに、首謀者等の中核的な役割を果たす人物を検挙するため、特別捜査課を新設し、匿名・流動型犯罪グループが関与する犯罪全般について、積極的かつ柔軟に捜査を行ってまいります。
 さらに、本年八月からAIを搭載したモニタリングツールを導入し、SNS上におけるいわゆる闇バイト情報を自動抽出して効率的な警告を実施するなど、犯罪に加担させないための取組も推進しております。
 引き続き、匿名・流動型犯罪グループの壊滅に向け、取締りの強化はもとより、犯罪収益の剥奪、違法なビジネスモデルの解体など、組織の総合力を発揮した対策を強力に推進してまいります。
 その2は、特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺対策についてであります。
 資料第4の六ページをご覧ください。本年七月末における特殊詐欺の認知件数は二千五百二十七件、被害額は約百七十二億円と、昨年同期比で大幅に増加し、特に被害額については過去最悪を記録した昨年の被害額約百五十三億円を既に上回っており、極めて深刻な状況にあります。
 とりわけオレオレ詐欺の被害が増加しており、認知件数は千七百三件で全体の六七・四%、被害額は約百五十一億円で、全体の八七・六%を占め、特に警察官をかたった手口による被害が昨年下半期以降に急増し、インターネットバンキングや暗号資産等の利便性の高いサービスを悪用している現状を踏まえ、SNS等を活用して幅広い世代に対する広報啓発活動を実施しております。
 資料第4の七ページをご覧ください。SNS型投資・ロマンス詐欺についても、認知件数は六百七十一件、被害額は約百九億円と、昨年同期比で約四億五千万円増加しており、一件当たりの被害額は約千六百万円と高額であるなど、依然として憂慮すべき状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、犯人からの電話に出ないための対策として、増加している国際電話番号からの犯行予兆電話を遮断すべく、国際電話不取扱受付センターへの申込みの推進を強化しているほか、高額被害を抑止するため、金融機関、暗号資産交換業者に対して口座取引のモニタリング強化や、振込限度額の引下げ等、被害防止対策の働きかけを行っております。また、詐取金の流れ等を徹底的に追跡する専従体制を構築した結果、マネーロンダリングに関わる不良外国人グループの実態が明らかとなり、本年七月には、指示役を含む外国人数名を検挙しております。
 今後も、特殊詐欺等の根絶に向け、組織の総力を挙げて、防犯と検挙の両面から各種対策を強力に推進してまいります。
 その3は、盛り場総合対策についてであります。
 都内には、国内有数の歓楽街である新宿歌舞伎町をはじめとする多数の盛り場を有しており、首都東京における魅力の一つともなっておりますが、その一方で、客引きやぼったくり等の盛り場特有の犯罪も発生しており、盛り場の実態に即した環境浄化対策が求められております。こうした中、当庁では、ホストクラブの従業員がスカウトを介して女性客を性風俗店に紹介していた事件を端緒として、背後に潜む匿名・流動型犯罪グループの首謀者をはじめとした主要幹部を検挙したほか、官民一体となった街頭補導活動やパトロール等の防犯対策を推進しております。
 引き続き、改正風営適正化法をはじめとする各種法令を駆使した取締りを徹底するほか、関係機関等と連携強化を図りながら、健全な盛り場環境の実現に向けた各種対策を推進してまいります。
 その4は、少年の健全な育成活動についてであります。
 都内における刑法犯を犯した少年の検挙、補導人員は、令和四年から三年連続で増加しているほか、いわゆる闇バイトに安易に応募した少年が特殊詐欺の受け子や出し子等に利用され検挙される状況があり、今後も、少年が匿名・流動型犯罪グループの人的供給源となることが強く懸念されます。
 こうした情勢を踏まえ、少年の規範意識向上を図るため、警察からの提案方式によるアウトリーチ型の非行・被害防止教室や、保護者等をターゲットとした広報啓発講座を実施するなど、少年とその保護者に対する対策を強化しております。また、本年二月には、トー横に居場所を求めて集まる十八歳未満の者を素行不良者に引き渡した上、深夜客引き業務に従事させるなどした被疑者らを検挙したほか、六月には、十八歳未満の家出少女に売春をさせたとして元暴力団組員を検挙するなど、あらゆる法令を駆使した取締りを徹底しております。
 引き続き、関係機関等と連携し、少年の犯罪被害及び犯罪への加担防止に向けた取組を推進してまいります。
 その5は、地域住民に寄り添う街頭警察活動についてであります。
 当庁では、地域住民の皆様が安心して暮らせるよう、昼夜を問わないパトロールのほか、職務質問による各種犯罪の予防検挙、パトカー等の機動力を生かした各種対策を徹底するとともに、各家庭を訪問する巡回連絡、積極的な挨拶や声かけなど、地域住民の皆様と接する機会を多く持つことにより、地域の安全・安心の確保に努めております。
 今後も、地域住民の皆様に寄り添いながら、積極果敢な街頭警察活動を推進してまいります。
 その6は、犯罪の起きにくい社会づくりについてであります。
 当庁では、各地域における犯罪情勢を分析した上で、その実情に応じて関係機関や地域住民の皆様と協働し、犯罪の未然防止に向けた取組を推進しております。
 こうした取組の一環として、子供、女性に対する声かけ事案や、特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺事犯、悪質リフォーム事犯等の被害防止に資する各種情報を防犯アプリ、Digi Police等で発信し、注意喚起を行っているほか、防犯カメラの設置や防犯ボランティア活動等の自主的な防犯活動のさらなる活性化、関係機関等と連携したキャンペーンなどによる痴漢撲滅の機運向上に努めております。
 また、本年に入り、小学校への不審者侵入事件や鉄道施設内での無差別殺傷事件が発生し、社会に大きな不安を与えていることから、関係機関や事業者等と連携した初動対応訓練を実施するなど、都民の皆様の安全確保に向けた取組を推進しております。
 今後も、自治体等と緊密に連携し、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
 第2は、サイバー空間の脅威に対する諸対策の推進についてであります。
 近年、国家を背景とするグループによるサイバー攻撃が確認されているほか、企業の事業活動に大きな影響を与えるランサムウエアやDDoS攻撃の被害が相次いで発生しており、本年はフィッシング等を手口とする証券口座に係る不正アクセス等事犯が急増するなど、引き続きサイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻な情勢にあります。
 資料第4の九ページをご覧ください。本年七月末現在におけるサイバー犯罪の検挙件数は千二百六十五件、昨年同期比で二百五件増加しており、本年二月、大手携帯電話事業者のシステムに不正にアクセスし、通信回線の新規契約をした少年らを検挙するなど、サイバー事案等の取締りを徹底しております。さらに、重要インフラ事業者等を対象とした官民共同技術訓練や金融機関等とのインターネットバンキング不正送金に係る共同対処体制の構築等の被害防止対策を推進しているほか、幅広い世代に対する広報啓発活動を実施し、社会全体のサイバーセキュリティ意識の向上を図っております。
 今後も、サイバー事案等の被害防止対策の推進や人的基盤の強化を図り、サイバー空間の安全・安心の確保に努めてまいります。
 第3は、テロ等不法事案の防圧検挙についてであります。
 近年、ローンオフェンダー等による政府要人や不特定多数の者に危害を加える事案が繰り返し発生するなど、テロ等不法事案の脅威は深刻な状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、本年四月、ローンオフェンダー対策に専従する公安第三課を新設し、あらゆる警察活動を通じた情報の収集、分析、各種対策と違法行為の取締りを徹底しているほか、地域版パートナーシップ活動を通じた地域住民の皆様や民間事業者等との官民一体となったテロ防止対策への取組を実施することで、テロを許さないまちづくりを推進しております。
 今後も、テロ等不法事案の未然防止に向けた対策を徹底してまいります。
 第4は、人身安全関連事案への迅速かつ的確な対応についてであります。
 資料第4の一〇ページをご覧ください。都内におけるストーカーやDV等の相談受理件数は、令和三年以降増加傾向であり、依然として厳しい状況が続いております。人身安全関連事案は、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが極めて高いという特徴を有しており、事案の認知時から関係部門が連携し、あらゆる法令を適用した検挙措置等により加害行為の防止を図るとともに、被害者の避難措置等の保護対策を徹底するなど、取り得る措置を講じております。
 引き続き、被害者等の心情に寄り添いつつ、関係機関と連携しながら、被害者やその親族等の安全確保を最優先に、迅速かつ的確な事案対処を徹底してまいります。
 第5は、災害警備諸対策の推進についてであります。
 本年七月、渋谷区等に記録的短時間大雨情報が発表されたほか、カムチャツカ半島沖の大地震により、伊豆諸島や小笠原諸島に津波警報が発表されるなど、自然災害の激甚化、頻発化の傾向が顕著に見られます。
 こうした情勢を踏まえ、あらゆる災害に対応できるよう、警視庁大規模災害対策推進プランに基づき、災害特性に応じた実践的訓練や各種災害派遣で得られた経験を基に、装備資機材の充実を図っているほか、関係機関や地域住民の皆様との連携を深める取組を推進して、共助の輪を拡充することで、地域防災力の向上に努めております。
 今後も、関係機関等との連携を一層強化し、各種災害への備えに万全を期してまいります。
 第6は、交通事故防止対策の推進についてであります。
 資料第4の一一ページをご覧ください。本年七月末現在の都内における交通事故死者数は七十四人で、昨年同期比で二人減少しておりますが、二輪車及び歩行者が関係する交通事故が約七割を占めている現状にあります。
 こうした情勢を踏まえ、当庁では、二輪車運転者の安全を確保するため、ヘルメットの正しい着用や胸部プロテクターの着用、速度を控えた安全運転の励行等について注意を促しているほか、歩行者の信号無視や横断禁止場所横断等の違反が多い場所において、取締りや警笛を活用した歩行者保護等を徹底するなど、運転者に対する歩行者保護意識を植え付ける活動を推進しております。また、来年四月に施行される改正道路交通法により、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる青切符が適用されることから、自転車利用時の交通ルールの周知徹底に向けた広報啓発や交通安全教育を推進しております。
 引き続き、世界一の交通安全都市東京を目指してのスローガンの下、都民の交通安全意識の高揚を図り、現下の交通情勢を踏まえた交通事故防止対策を推進してまいります。
 第7は、組織犯罪対策の推進についてであります。
 六代目山口組と神戸山口組等の対立抗争については、本年四月、六代目山口組が一方的に終結を宣言したものの、依然として都内にも抗争の影響が波及するおそれがあることから、関連情報の収集及び管内の警戒を強化しているところであります。
 また、令和六年末の我が国における在留外国人の数が約三百七十七万人で過去最多となっているところ、在留外国人に係る犯罪被害の防止や、外国人コミュニティへの犯罪組織の浸透防止の対策を推進するとともに、外国人犯罪グループや不法滞在者等の取締りを徹底しております。さらに、大麻をはじめとした違法薬物の若年層への広がりが深刻化していることから、大麻施用罪を活用した違法薬物事犯の取締りと乱用防止対策を推進しております。
 引き続き、組織犯罪の壊滅に向け、犯罪収益の剥奪を念頭に置いた戦略的な組織犯罪対策を推進してまいります。
 第8は、変化し続ける社会に即した警察組織の構築についてであります。
 当庁では、遺失届をはじめとした各種手続をオンライン上で申請できる警視庁行政手続オンラインサイトを運用し、都民の皆様や事業者の方々の利便性向上に努めております。また、世界陸上やデフリンピックを契機に、国籍や障害の有無にかかわらず円滑なコミュニケーションを実現するため、活用が見込まれる警察署、交番等に翻訳機能付透明ディスプレーを配備するなど、先端技術を効果的に活用した業務運営に取り組んでいるところであります。
 今後も、社会の変容に即した警察業務の高度化に取り組んでまいります。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
 資料第4の一五ページをご覧ください。警視庁の令和七年度の予算は、歳入が四百七十一億二千百六万八千円、歳出が七千百三十三億九千九百万円となっております。
 詳細につきましては、お手元の資料第5をご覧いただきたいと思います。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの概要についてご説明いたします。
 詳細は、資料第6をご覧ください。
 同センターは、平成四年五月に東京都が基本財産の八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、暴力団の存在しない安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しております。
 以上で事務事業概要の説明を終わらせていただきますが、委員の皆様方には、今後とも、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 十六点の資料要求をさせていただきます。
 一、信号機設置予算と実績の推移、五年間分。
 二、信号機設置数。
 三、音響式信号機関連予算等、五年分。
 四、信号機用非常用電源設備設置数の推移、五年分。
 五、信号機のない交差点における交通事故件数の推移、五年分。
 六、音響式信号機及び音響時間を制限しない音響式信号機の推移。
 七、七十歳以上の運転免許保有者数及び自主返納者数の推移、五年分。
 八、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例改正後における改正部分に係る検挙件数及び検挙人数。
 九、生活安全相談のうち、痴漢、変質者の出没に関する相談件数及び公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第五条第一項、卑わい行為に関する検挙件数、五年分。
 十、東京都青少年の健全な育成に関する条例青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止違反検挙件数及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反検挙件数、これも五年分。
 十一番目、検挙した公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第五条第一項違反の発生時間帯のうち、上位四時間帯とその件数。
 そして、十二番目、盗撮の検挙件数。
 十三番目、自転車等、これは自転車、それからペダル付電動バイク、また、特定小型原動機付自転車等が関与する交通人身事故件数の推移、五年分。
 同じく自転車等、これも自転車、ペダル付電動バイク、そして特定小型原動機付自転車等の交通違反取締り件数の推移、五年分。
 十五、警視庁の男女別、区分別職員数、五年分。
 最後に、匿名・流動型犯罪グループによるものと見られる主な資金獲得犯罪の検挙人数。
 以上、よろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 ただいま里吉委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○伊藤委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○松下総務部長 令和七年第三回東京都議会定例会に提出し、本委員会においてご審議いただく予定であります警視庁関係の案件についてご説明いたします。
 提出案件は契約案一件でございます。
 警視庁愛宕庁舎(仮称)新築工事請負契約案についてご説明いたします。
 資料第7をご覧ください。
 警視庁ではこれまで、本部庁舎に給油所を設け、平時の給油をはじめ、災害等の緊急時の給油に対応しておりましたが、本部庁舎給油所は、昭和五十五年に本部庁舎とともに設置されたものであり、老朽化が著しく、機器の故障が頻発していたことから、令和七年三月に閉鎖し、現在は民間給油所での給油を実施しております。
 当該給油所は改修工事を予定しているものでございますが、改修期間中における平時の給油をはじめ、災害等の緊急時の給油に対応し、燃料の備蓄機能を備えた仮設給油所及び本部事務室として整備するものでございます。
 施工業者は一般競争入札の結果、株式会社田中建設が十一億五千七百二十万円で落札しており、建築工事につきましては、本年度から令和九年度までの三か年計画となっております。
 工事に係る予算措置については、既に第一回定例会でお認めいただいておりますので、本定例会でご承認をいただきましたならば、速やかに契約を締結し、着工したいと考えております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で警視庁関係を終わります。

○伊藤委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○市川消防総監 七月十六日付で消防総監に就任いたしました市川でございます。
 本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ご挨拶申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議を賜ることとなります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、昨今の首都東京における消防行政を取り巻く環境を踏まえますと、首都直下地震のみならず、風水害や林野火災等の大規模な自然災害をはじめとする、あらゆる災害への対応や、過去最多出場件数を記録した救急需要への対応、さらには、現在開催中の東京二〇二五世界陸上競技選手権大会や、目前に迫った第二十五回夏季デフリンピック競技大会東京二〇二五に対する安全対策など、諸課題に的確に取り組んでいくことが求められております。
 このため、消防活動体制の充実強化や、地域が一体となった防災力向上を図るとともに、救急活動体制の強化及び救急車の適時適切な利用促進に努めてまいりました。
 今後も、東京消防庁といたしましては、都民の生命、身体及び財産を災害から守るため、一万八千八百三十九人の全職員の英知を束ねて、誰もが安心して暮らせるセーフシティの実現に向け取り組んでまいります。
 警察・消防委員会の先生方におかれましては、本委員会をはじめ、様々な機会を通じまして、より一層のご指導とご支援を賜りますよう、重ねてお願いを申し上げます。
 それでは、引き続き、当庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の古賀崇司です。理事兼安全推進部長の加藤雅広です。企画調整部長の上原源隆です。総務部長の瀬崎幸吾です。人事部長の江原浩仁です。警防部長の山田寿です。防災部長の久貝壽之です。救急部長の永野義武です。予防部長の伊勢村修隆です。装備部長の伊藤幸永です。企画課長の吉澤亮です。財務課長の会田健太郎です。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○古賀次長 東京消防庁の事務事業の概要につきまして、お手元にございます東京の消防白書二〇二五によりご説明させていただきます。
 初めに、四ページから一一ページをご覧ください。特集2、災害の記録でございます。
 火災をはじめとする各種災害は複雑多様化し、消防活動の困難性は高まっております。このため、当庁ではあらゆる災害を想定し、精強な部隊を育成するため、日々訓練を重ね、最新鋭の消防車両や消防装備等を配備することにより、二十四時間三百六十五日、万全な体制で備えております。
 次に、一二ページから一五ページの特集3、救急についてでございます。
 令和六年中における救急出場件数は約九十三万五千件、前年比約一万七千件増加し、過去最多出場件数を更新いたしました。これは、東京都の人口増加や高齢化など、複合的な要因が重なったことが原因であると考えております。
 一六ページから二三ページをご覧ください。予防・防災についてでございます。
 建設に関わる各種検査をはじめ、火災の発生を未然に防ぐため、繁華街をはじめとした危険物等の危険実態に応じた立入検査、危険物施設の許認可のほか、火災原因調査など、消防業務を広く都民に広報しております。また、町会、自治会に限らず、事業所や教育機関と連携し、防火防災訓練を推進するとともに、幼児期から社会人に至るまでの発達段階に応じた防火防災教育を行う総合防災教育や消防少年団活動を通じて、未来の防災リーダーを育成するなど、自助、共助体制の構築に努め、地域防災力の向上を図っております。
 次に、特集4、施設についてでございます。
 二四ページ、二五ページをご覧ください。消防庁舎は、災害発生時の防災活動拠点としての機能を確保するため、計画的に改築等を行っております。昨年度は、本所消防署錦糸町出張所、本田消防署青戸出張所の二か所を新庁舎として運用開始いたしました。
 二六ページから二九ページをご覧ください。装備についてでございます。
 昨年度は新たに救出救助車を導入いたしました。これは、今後発生が想定される富士山噴火による降灰や、震災時に発生した道路上の瓦礫をかき分けながら走行できる道路啓開機能を強化した車両です。そのほか、河川等での水難事象に対する水難救助車、大規模倉庫や廃棄物処理施設などの災害に対応する排煙高発泡車、大規模災害時等に消防車両等に故障があっても消防活動を継続するため、現地で緊急整備に対応する工作車などを更新いたしました。
 三〇ページから三三ページをご覧ください。特集5、消防団についてでございます。
 当庁は、二十三区内の消防団を所管しており、各消防団は、消防署と連携して消火や救助活動を行うほか、消防特別警戒や防火防災訓練の指導を行うなど、地域の防災リーダーとして活躍しております。
 引き続き、消防団員の人員確保のために募集活動を積極的に行うなど、入団促進を図るとともに、消防団の災害活動力の強化を図ってまいります。
 三四ページから三九ページをご覧ください。特集6、大船渡林野火災についてでございます。
 令和七年二月二十六日に岩手県大船渡市で発生した林野火災に伴い、消防庁長官から出動の求めを受け、当庁から車両四十七台、人員三百九十四名を緊急消防援助隊として派遣し、消火活動等に従事いたしました。
 四〇ページ、四一ページをご覧ください。特集7、警防本部多摩指揮隊についてでございます。
 昨年十月、警防本部直轄の指揮隊を多摩地域で運用開始いたしました。山岳遭難や林野火災など、地域特有の災害に対して万全の体制を構築するため、多摩地域における司令塔機能のさらなる強化を図りました。
 四二ページ、四三ページをご覧ください。特集8、地下鉄サリンについてでございます。
 阪神・淡路大震災及び地下鉄サリン事件の発生から三十年を迎えました。これら災害の教訓を踏まえ、ハイパーレスキューの創設やNBC災害専門部隊である化学機動中隊の機能強化等を行ってまいりました。
 今後も引き続き、発生した災害やその活動を検証し、消防活動体制の強化に生かしてまいります。
 次に、四六ページから、令和六年中の東京消防庁管内の災害動向等についてでございます。
 各項目についてそれぞれ説明いたします。
 四九ページ下段の表をご覧ください。火災の状況でございます。
 令和六年中の東京消防庁管内の火災件数は四千五百十八件で、前年と比べて百八十八件増加しました。火災種別では、建物火災が三千二百八十三件で最も多く、前年と比べて二百二十六件増加し、火災全体の約七割を占めております。また、火災による死者は九十四人で、前年と比べて八人増加しました。
 五二ページ上段の表をご覧ください。火災による死者のうち、六十五歳以上の高齢者は六十三人で、前年と比べて十四人増加しており、全体の七割を占めております。
 五三ページ下段の円グラフをご覧ください。主な出火原因別発生状況でございますが、令和六年中における出火原因の一位は放火、二位はたばこ、三位はガステーブル等となっております。
 六一ページをご覧ください。消防活動の現況についてでございます。
 火災出場の状況でございますが、令和六年中の火災出場件数は八千三百九十四件で、前年と比べ六百三十一件増加しました。
 六二ページ上段の表をご覧ください。救助活動の状況でございますが、救助出場件数については二万八千九百六十六件で、前年と比べ八百十一件増加しております。
 六三ページ下段の表をご覧ください。危険排除等の状況でございますが、危険排除とは、危険物等が流出した場合に火災の発生防止及び人的被害軽減を図るための活動や、強風による看板の落下などの自然現象による危険を排除する活動でございます。令和六年中の危険排除件数は六千八百十件であり、前年と比べ三百九十二件増加しました。
 六六ページをご覧ください。救急活動の現況についてでございます。
 中段円グラフのとおり、令和六年中の救急出場件数は九十三万五千三百七十三件で、医療機関に搬送した人員は七十九万八千三十五人でした。このうち七割が急病、二割弱が一般負傷となります。
 七四ページの下段の表をご覧ください。搬送人員、初診時程度についてでございますが、医療機関に搬送した七十九万八千三十五人のうち、軽症者は四十二万一千七百九人で、半数以上を占めております。
 七八ページをご覧ください。救急車を呼ぶべきか迷ったときなどに相談できる救急相談センター、シャープ七一一九を二十四時間体制で運用するほか、インターネット広告やSNSをはじめとしたあらゆる手段を用いて、救急車の適時適切な利用の促進に努めております。
 八〇ページをご覧ください。防災活動の現況についてでございます。
 令和六年度中の防火防災訓練の実施件数は九千七百三十二件で、百三十四万八千二百九十一人が参加いたしました。実施した訓練種別は、初期消火訓練が最も多く、避難訓練、応急救護訓練と続いております。
 九〇ページをご覧ください。予防活動の現況についてでございます。
 消防法に基づき、消防職員が火災予防の観点から建物を検査する立入検査の実施状況でございますが、令和六年中は三万五千百七十七件実施いたしました。
 次に、一〇八ページをご覧ください。東京消防庁の組織についてでございます。
 東京の消防は、昭和二十三年に消防組織法が施行され、自治体消防制度の発足とともに、特別区の存する区域の消防行政は東京都が一体的に管理することとなり、東京消防庁が設置されました。一方、多摩地域では、市町村単位で消防の任務を果たしておりましたが、行政需要の増大等に伴い、昭和三十五年以降、逐次消防事務の受託を開始し、現在、受託市町村数は、島しょ地域と稲城市を除く二十五市三町一村となっています。
 一一一ページ中段の表をご覧ください。予算についてでございます。
 令和七年度当初予算は二千九百九十一億七千五百万円で、東京都一般会計予算に占める割合は三・三%となっております。詳細は、お手元の資料、令和七年度東京都一般会計予算説明書のとおりでございます。後ほどご覧いただきますようお願いいたします。
 ページ下段、組織体制でございますが、職員数は、令和七年四月一日現在、一万八千八百三十九人でございます。
 一一二ページから一一九ページをご覧ください。組織図及び管轄区域についてでございます。
 当庁は、企画調整部をはじめとする九つの部と消防学校、十の方面本部と八十一の消防署から成り立っております。
 一二〇ページ、一二一ページをご覧ください。消防車両等の配置状況でございますが、令和七年四月一日現在、ポンプ車四百八十九台、救急車二百七十五台をはじめとする計二千三十六台の消防車両等を有しており、各消防署等に配置しております。
 一三九ページから一四二ページをご覧ください。航空消防でございます。
 航空隊は、昭和四十一年に日本初の消防航空隊として発足しました。平成二十八年からは、空から迅速かつ効果的な救助、救急活動を展開するエアハイパーレスキューを発隊させ、現在、江東区の江東航空センターと立川市の多摩航空センターの二か所を拠点に、八機のヘリコプターにより、航空消防活動を行っております。
 一四三ページ、一四四ページをご覧ください。港湾消防でございます。
 当庁の消防艇は、「みやこどり」や「おおえど」の百九十トンを超える大型消防艇二艇をはじめ、計九艇の消防艇を臨港、高輪、日本橋の三つの消防署に配備し、東京港や河川等における船舶火災や水難事故等に対応しております。
 以上、雑駁ではございますが、当庁の事務事業概要の説明となります。委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 十四点の資料をお願いします。
 一、消防庁職員の定数と実績の推移、五年分。
 二、救急搬送人数の推移、五年分。
 三、休職者等の推移とその内訳。
 四、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得した職員数、これも五年分お願いします。
 五、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得し、その後、復帰した職員数、これも五年分お願いします。
 六、定年退職以外の退職者数と退職理由、五年分。
 七、ハラスメント相談件数の推移、五年分。
 八、時間外労働時間の推移、五年分。
 九、年次有給休暇取得日数の推移、これも五年分。
 十、男女別の育児休業取得率及び取得期間の分布状況。
 十一、不搬送件数の月次推移と内訳、令和二年一月以降でお願いします。
 十二、熱中症の搬送件数、五年分。
 十三、職種別男女職員の数、五年分。
 最後に、東京消防庁のヘリコプターによる島しょ地域における救急患者等の搬送件数について、これも五年分。
 よろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 ただいま里吉委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○伊藤委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○古賀次長 令和七年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております東京消防庁関係の案件は、契約案二件、事件案十件の計十二件でございます。
 お手元の資料1をご覧ください。
 初めに、契約案の東京消防庁池袋消防署長崎出張所庁舎(七)改築工事請負契約でございます。
 当該庁舎は、昭和三十六年の建築、築六十四年で老朽化が著しいため、現地の豊島区長崎三丁目九番十七の一部及び同所同番一の一部に新庁舎を建築するものでございます。
 建築概要は、鉄骨鉄筋コンクリート造、地下一階、地上三階建てでございます。工期は令和九年九月までを予定しております。
 続いて、資料2をご覧ください。
 契約案の東京消防庁立川防災施設電気棟(仮称)庁舎(七)増築及び改修電気設備工事その二請負契約でございます。
 当該庁舎の電気設備は、平成三年の建築、築三十四年で老朽化が著しいため、電気棟を増築するとともに、電気設備の改修工事を行うものでございます。
 増築概要は、鉄骨造、地上三階建てでございます。工期は令和十年二月までを予定しております。
 次に、事件案でございますが、お手元の資料3から資料12をご覧ください。
 本案は、永年使用しました消防車両等を順次更新するため、普通ポンプ車等の消防車両計五十六台を買入れするものでございます。
 なお、消防車両につきましては納入台数が多いため、確実な契約の履行と受注機会を広げるという観点から、数件に分けて契約することとしております。
 それでは、順に、資料3から6は普通ポンプ車計二十四台を、資料7は水槽付ポンプ車計六台を、資料8、資料9は小型ポンプ車計十六台を、資料10は化学車四台を、資料11及び12は救助車計六台をそれぞれ買い入れるもので、金額はお手元の資料のとおりでございます。
 なお、これら十件につきましては、都議会のご承認が得られましたら、正式に契約を締結する予定でございます。
 大変雑駁ではございますが、説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十八分散会