委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | 山田ひろし君 |
副委員長 | 山口 拓君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 東村 邦浩君 |
理事 | 森村 隆行君 |
もり 愛君 | |
とくとめ道信君 | |
中嶋 義雄君 | |
宇田川聡史君 | |
三宅しげき君 | |
尾崎 大介君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 迫田 裕治君 |
総務部長 | 久田 誠君 | |
警務部長 | 佐野 裕子君 | |
交通部長 | 日下 真一君 | |
地域部長 | 清水正太郎君 | |
総務部参事官企画課長事務取扱 | 小石川速人君 | |
総務部会計課長 | 田中 勇君 | |
東京消防庁 | 消防総監 | 吉田 義実君 |
次長 | 岡本 透君 | |
理事兼安全推進部長事務取扱 | 市川 博三君 | |
企画調整部長 | 瀬崎 幸吾君 | |
総務部長 | 石川 義彦君 | |
人事部長 | 門倉 徹君 | |
防災部長 | 古賀 崇司君 | |
救急部長 | 伊勢村修隆君 | |
企画調整部企画課長 | 佐藤 宏紀君 |
本日の会議に付した事件
警視庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 警視庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第百十五号議案 警察参考人等に対する費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第百十六号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第百十七号議案 警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
東京消防庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 東京消防庁所管分
付託議案の審査
・第百十八号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百十九号議案 特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百二十号議案 特別区の消防団員に係る退職報償金に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百六十三号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例(説明・質疑)
○中山委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
令和七年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和七年三月十四日
東京都議会議長 増子ひろき
(公印省略)
警察・消防委員長 中山 信行殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十一日(金)午後五時
(別紙1)
警察・消防委員会
第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中
歳出 繰越明許費 債務負担行為 警察・消防委員会所管分
(別紙2省略)
○中山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の予算の調査並びに付託議案の審査を行います。
これより警視庁関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警視庁所管分及び第百十四号議案から第百十七号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○久田総務部長 去る二月十三日に当委員会からお求めのありました自転車専用通行帯の整備計画と整備状況の推移、都内における電動キックボードの交通事故件数とその内訳、匿名・流動型犯罪グループによるものと見られる主な資金獲得犯罪の検挙人員、歩車分離式信号の現在の箇所数と今後の計画につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
よろしくお願いいたします。
○中山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○大山委員 まず最初に、レイシャルプロファイリングについて質問したいと思います。
外国にルーツを持つ人々に対する、外見などを理由とした差別的な職務質問に関する問題というのは、報道などを通じて広く社会に認知されるところになりました。
外国人風の見た目など、外国人である、または外国にルーツを持つという理由で警察官から職務質問を受けたのではないかと思う経験をしたという声は、長年、外国にルーツを持つ人々から聞かれていました。
このような警察官による民族的ルーツ等に基づく差別的な職務質問及び職務質問に付随して行われる所持品検査等は、レイシャルプロファイリングの一形態です。
日本共産党都議団は、二〇二二年の十一月二十八日の事務事業質疑、警察・消防委員会で、和泉なおみ議員が都議会で初めてレイシャルプロファイリングについて質問をしています。
私は、昨年の十二月にレイシャルプロファイリングによる職務質問をされた方とそのパートナーからお話を伺いました。
職務質問された方は、証明書を受け取って新宿区役所から出ました。仕事の打合せに向かうため歩道を歩いていたとき、反対側を歩いていた男女の警察官の女性の警察官と目が合いました。二人の警察官は、道を渡って彼を追いかける形でついてきて、次の交差点で信号待ちをしていたときに職務質問に遭いました。
女性の警察官が、少しだけ荷物チェックといい、ボディータッチしてきました。いきなり胸を触られたので、驚くとともに、急いでいたこともあって、駄目、触らないで、すみません、時間がない、日本語で丁寧に断ってそのまま歩き続けました。
すると、女性警察官が、本人の許可も得ずに、胸や肩、腕を何度も何度もなでるように執拗に触り、さらに両手で後ろに押し倒すように何十回もこづいてきたということでした。
警察官が職務質問をすることができるのはどのようなときですか。
○清水地域部長 警察官による職務質問は、警察官職務執行法第二条に基づき、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者等に対して行われるものであります。
○大山委員 そういうことをおっしゃいますけれども、本人は区役所から出てきて、普通に歩いて仕事に行こうとしていただけです。本人は外国にルーツがあると外見で判断できます。本人が理由は何ですかと聞いても、ただボディーチェックと紙袋を見るだけだからというだけです。理由をいってください、こう伝えても理由はいいません。レイシズムに当たりますよといいましたが、体を押したり触ったりしてきました。
その後、女性警察官はパトカーを呼んで、無理やりにでもボディーチェックと所持品検査を行うと脅してきました。本人は法律の分かる上司が来るのではないかと思って、どうぞといいました。パトカーに乗ってやってきたのは警察官四人です。本人は日本国籍にもかかわらず、執拗に在留カードを出せと迫り始めたということです。在留カードを出せといわれたので、日本国籍だから在留カードはないといっても、何度も在留カードを見せろといわれたということなんです。で、運転免許証を見せました。
在留カードを見せてほしいと求めるのはどういうときですか。
○清水地域部長 警察官職務執行法第二条に基づき、職務質問を行うに当たり、外国人に限らず、身分確認を行うために身分証明書の提示を求めることがあります。
○大山委員 この方は日本国籍ですから、在留カードなど最初から持っていないのは当たり前です。外国にルーツがあると判断しているから、執拗に在留カードといったのではないでしょうか。
本人は職場にいる妻に電話をかけて、妻は警察官と話しました。妻は、警察官職務執行法二条一項、さっきご答弁されたものですね、これが定める不審事由が認められる場合なのかを確認するために、なぜ職務質問を行ったのかただしたところ、電話口では、免許証を見せてくれたが、足早に立ち去ろうとしたために不審に思い職務質問をかけた、こう答えたわけです。しかし、後に夫から聞いた話とは全く違う経緯を説明されたということでした。
免許証の確認は任意で、拒否することもできたのに、自発的に免許証を見せたのだから、その職務質問は不審事由が見当たらない違法捜査ではないですかと問いただしたところ、違法ではない、この一点張りでした。
職務質問について、警視庁では、例えば月の目標など持っていらっしゃるんでしょうか。
○清水地域部長 警視庁では、首都東京の安全・安心を守るため、各種警察活動を展開しているところ、より管内実態に即した警察活動の促進を図るため、各警察署に対して年間の犯罪発生状況や検挙状況を示しております。
○大山委員 職務質問の目標などはないということですね。
それにしても、他県ではありますけれども、レイシャルプロファイリングを奨励するような警察の内部ルールを示唆するような文献もあります。
例えば、愛知県警が若手警察官に配布した現場対応マニュアルには、外国人は入管法、薬物事犯、銃刀法等何でもあり、一見して外国人と判明し日本語を話さない者は、旅券不携帯、不法滞在、不法残留、薬物所持、使用、拳銃、刀剣、ナイフ携帯等、必ず何らかの不法行為があるとの固い信念を持ち、徹底的に追及、所持品検査を行うなどの記載があったということなんです。
警察が、人種、皮膚の色、民族的出自などを理由に、個人を捜査の対象とするレイシャルプロファイリングについて、警視庁はどう認識していますか。
○清水地域部長 警察官による職務質問は、法律の規定にのっとって適正に行われるべきものであり、人種、国籍等の別を理由として行うことは許されることではないと認識しております。
なお、警視庁では、新たに採用された警察職員等に対し、警察学校において、人権尊重に関する教育を実施しているほか、警察署等の職場においても、適正な職務質問の実施に関して教養を行うなど必要な指導教養を徹底しております。
○大山委員 人種、国籍等の別を理由として行うことは許されないという認識だということですね。警察学校において、人権尊重に関する教育もしているんだと。警察署等の職場でも、職務質問の実施に関して研修をしているということですね。
しかし、先ほどの警察官に、本人の妻が電話で話したときに、東京地方裁判所でレイシャルプロファイリングによる公共訴訟が行われている最中であることを知っていますかとそう聞きましたら、警察官は知っていますということでした。知っていながら、レイシャルプロファイリングを行っているということではありませんか。
国際社会では、さらに以前からレイシャルプロファイリングの問題が指摘されてきました。二〇〇九年には国連自由権規約委員会は、レイシャルプロファイリングが不当な差別に当たると宣言をして、二〇二〇年の十一月には、国連人種差別撤廃委員会が法執行官によるレイシャルプロファイリングの予防と根絶と題した勧告を採択しました。
二〇二二年に東京弁護士会が二〇二一年度外国にルーツをもつ人に対する職務質問(レイシャルプロファイリング)に関するアンケート調査を行っています。
有効回収数は二千九十四件です。これによりますと、過去五年間に職務質問を受けたことがある人は六二・九%に上ります。そのうち八五・四%が警察官に外国ルーツだと認識されたと答えています。七六・九%は不審事由はなかったと認識していたことが分かっています。
外国人だと分かった途端に態度や言葉遣いが横柄になった。日本国籍だと分かった途端に態度が丁寧になった。ヘアスタイルやファッションが怪しいといわれた。そういった声が数多く寄せられています。
東京弁護士会が二〇二一年度に調査したこの外国にルーツを持つ人に対する職務質問に関するアンケートでは、過去五年間で職務質問されたその場所の都道府県については、東京都が七百三十七件、圧倒的に多くなっています。次いで神奈川県が七十八件、大阪府が七十五件、愛知県六十四件と続きます。
断然東京都が多いわけですけれども、この結果についてどう受け止めていますか。
○清水地域部長 外部団体が行った調査の個別の内容にお答えすることは差し控えます。
一般論として申し上げれば、警察官による職務質問は、法律の規定にのっとって適正に行われるべきものであると考えております。
○大山委員 具体的に認識は答えてもらえないわけですけれども、警察官による職務質問は、法律の規定にのっとって適正に行われるべきもの、それはね、当然です。
二〇二二年に、警察庁は、人種などの外見を理由に職務質問をするレイシャルプロファイリングについて調査をしています。そして、不適切な言動が、二〇二一年に、四都府県警で六件あったと明らかにしました。いずれも警察官側に差別的な意図はなかったが相手に不快感を抱かせたとしています。
警察庁がレイシャルプロファイリングに関する調査をしたのは、これ初めてですね。つまり、このような職務質問が許されないことは警察庁も認めているということです。職務質問は法律の規定にのっとって適正に行われるべきものと答弁されていますけれども、実態としてどうなっているのか。まずは事実を把握するところから始めるべきではないでしょうか。警視庁もレイシャルプロファイリングに関する実態調査を行うことを求めて、次の質問に移ります。
次は、誰もが安全に道を歩けるように環境を整備すること、音響式信号をめぐってです。
移動する権利を保障する、これ重要なことです。視覚障害者が道を歩くとき必要なものは点字ブロックだとか、それから、エスコートゾーン、そして、音響式信号機です。
私たちは目で見れば、信号が青なのか赤なのか黄色なのか分かりますが、視覚障害者にとって音が出ない信号機は、信号機があっても信号機がないのと同じです。
都内の信号の数と、そのうち音響式信号機が併設されているものは幾つですか。
○日下交通部長 令和五年度末現在都内に整備された信号機は、一万五千九百四十三か所であり、そのうち二千八百二十二か所を音響式信号機としております。
○大山委員 信号機全ては一万五千九百四十三か所、そして音響式信号機は二千八百二十二か所ということですけれども、結局音響式信号機が設置されている信号機は、全ての信号機の僅か一七・七%でしかないわけです。
つまり、八二・三%、八割以上の信号機が、視覚障害者にとっては信号機がないのと同じだということです。
警察庁が歩車分離信号を積極的に導入するために指針を改定したということなんですけれども、その理由と、警視庁ではどのように対応するんでしょうか。
○日下交通部長 警察庁が歩車分離式信号に関する指針を改定した理由についてでありますが、歩行者等の安全を確保するため、歩車分離式信号の一層の整備推進を図るものと承知しております。警視庁では、指針に示された様々な条件を考慮して歩車分離式信号の導入を検討してまいります。
○大山委員 一般的には車と歩行者が分離されている方が歩行者の安全性は上がるということは理解できます。歩車分離信号、しかし、視覚障害の方にとってはどうかということなんですね。歩車分離信号といっても、様々なケースがあるということなんですけれども、具体的にはどのようなタイプの信号がありますか。
○日下交通部長 歩車分離式信号には、例えばスクランブル方式、歩行者専用現示方式、右左折車両分離方式、右折車両分離方式があります。
○大山委員 一口に歩車分離といっても、大くくりで四つも方式がある。耳で聞いてもちょっとよく分からないわけですよね。これ指針見てみました、改定した指針。
この指針によりますと、スクランブル方式は、もう皆さんご存じのように、斜め横断もできる、そういうところですね。歩行者専用現示方式というのは、全ての方向の自動車を同時に停止させている間に、全ての方向の歩行者等を同時に横断させる。しかし斜め横断はできないというものです。そして、右左折車両分離方式というのは、歩行者を横断させるときには、同一方向に進行する自動車などを右折も左折もさせないという方式ですね。そして、右折車両分離方式というのは、歩行者を横断させるときに同一方向に進行する自動車を右折させない方式だということなんですね。
でも、なかなかこう耳で聞いてもよく理解できにくいわけですけれども、警察庁が歩車分離信号機を積極的に導入するんだということを知って、視覚障害者の人たちが心配して相談に見えました。
視覚障害者は通常の交差点だと、音響式信号機がない場合は、人の気配とか、それから、自動車が走っている音、そういうのを聞いて横断できるか判断しているとのことなんです。
しかし、歩車分離式といっても、先ほどご答弁いただいたように様々な種類がある。そして、ここの信号機がどのような形式の交差点なのか、それは分からない。判断しようがない、判断するのが難しい。目が見えていれば、どういう、こっち止まっているけど、右折はできないんだなとか、車は来ないんだなというのは分かりますけれども、目が見えない方々は、どの歩車分離式の交差点なのかも分からないし、通常の交差点以上に歩車分離信号のところは音響式信号が欠かせないというわけです。
現在、歩車分離信号になっている箇所数と、そのうち音響式信号が設置されている箇所数、幾つになりますか。
○日下交通部長 令和五年度末現在、都内に整備された歩車分離式信号は千五百六十六か所であり、そのうち音響式信号機が設置されている信号機は五百三十九か所となります。
○大山委員 千五百六十六か所中五百三十九か所ですから、三四・四%です。通常の信号機よりは設置率は高いですけれども、それでも三分の一ちょっとと、それしか設置されていません。
とりわけ歩車分離の信号機には音響式信号機が不可欠であるということは先ほど述べたとおりです。歩車分離にする信号には音響式信号を必ず設置するようにしてほしい、してください。そうでないと、せっかく歩行者の安全のために歩車分離信号にするのに、視覚障害者にとっては危険な交差点になってしまうということです。
音響式信号機を設置する場合、幾らか聞きました。そうしましたら、既存の信号機に音響式信号装置を追加する場合は、交差点だと約八百五十万円でできるんだと。例えば、既存の歩車分離式の信号機で、音響式信号機が併設していない箇所は千十七か所ですから、全てが交差点だとしても、約八十六億円で全てに設置できるということなんですね。ぜひ早急に設置を進めてください。
警察庁が出した歩車分離式信号に関する指針を見ますと、歩車分離制御の導入に当たっては、当該地域の住民、視覚障害者の団体等に対して事前に歩車分離制御の効果及び影響を説明し理解を得ることとなっていますから、やはり視覚障害者については配慮することが必要だと認めているということです。
説明をするときに、どのような歩車分離なのか、そういうことも含めてきちんと説明が必要です。同時に、団体に所属している方々ばかりではありませんから、音響式信号機を併設することは不可欠です。視覚障害者にとって、赤、黄、青の見る信号機では、信号があってもないのと同じということはずっといってきましたけれども、信号機は見る信号機と音響式信号機が両方設置されていることが当たり前ということにする必要があるんじゃないんでしょうか。
○日下交通部長 音響式信号機は、いわゆるバリアフリー法に基づき設定された重点整備地区を中心に整備しているところ、視覚に障害のある方の要望等も踏まえ、安全に道路を横断できるよう継続した取組が必要であると認識しております。
○大山委員 視覚障害者の行動範囲というのは、バリアフリー法に基づいて設定された重点整備地区だけで完結するわけではありません。
例えば、新宿区などバリアフリー法に基づく重点整備地区に指定されているのは、新宿駅、新宿三丁目駅周辺地区と高田馬場駅周辺地区しかありません。これは区があまりにも範囲を狭くしているということもあると思いますが、本来なら東京中全てが重点整備地区ではないでしょうか。同時に、先ほどの答弁では、重点整備地区に限らず視覚障害者の要望等も踏まえ、安全に道路を横断できるよう継続した取組が必要だとの認識も示されました。これは重要だと思います。当事者の要望にしっかりと応えて、整備のスピードも上げてもらいたい。要望しておきます。
視覚障害だけでなく、聴覚障害も重複している障害者もいます。その場合は振動で知らせたりする信号機がありますけれども、警視庁で検討しているということですが、進捗状況、どうなっていますか。
○日下交通部長 振動により信号が変わったことを知らせる機器の導入については、現在仕様の検討をしているところです。
○大山委員 検討中だということですね。視覚と聴覚に障害がある方も外出します。視覚障害だけだった人も高齢になって難聴になってくる。高齢者の二人に一人は難聴になっているということですから同様なわけです。今までだったら、人の気配だとか、車の走る音で判断できたものができなくなってくるわけですね。音と振動の信号機も一刻も早く設置できるように求めて、質問を終わります。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○中山委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、東京消防庁所管分、第百十八号議案から第百二十号議案まで及び第百六十三号議案を一括して議題といたします。
本案のうち追加提出された第百六十三号議案について、理事者の説明を求めます。
○岡本次長 令和七年第一回都議会定例会に提出された東京消防庁関係の案件は、条例案一件でございます。
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
本案は、消防団員等の補償基礎額の引上げを行うべく、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令が改正されることから、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正するものでございます。
条例案における施行日につきましては、令和七年四月一日を予定しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
○中山委員長 説明は終わりました。
なお、その他の議案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡本次長 過日の委員会で要求のございました資料につきましては、お手元の警察・消防委員会要求資料のとおりでございます。
内訳といたしましては、救急活動時間(過去五年)、消防署所数と救急資格者数等の推移(過去十年)、救急隊数と救急資格者数(消防署別過去五年)、医療機関への受入れ照会回数四回以上の事案(過去三年)、デイタイム救急隊配置署、救急隊が配置されていない署所一覧の計六点でございます。
どうぞよろしくお願いをいたします。
○中山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○大山委員 来年度の消防庁の職員定数について、消防吏員を一万八千三百五十一人から一万八千四百十七人に、六十六人増やす議案が提案されています。
具体的には、救急隊及びデイタイム救急隊の増強、災害救急情報センターの体制強化などによって百三十七人増員し、本庁業務の見直しによって七十一名の減員ということでした。
圧倒的に不足している救急隊を増強することは必要ですし、重要です。ところが、消防庁の課題というのは、定数を実数で満たせない。二〇二四年度も四月は四十四人、十月時点では九十五人が欠員となっています。
この問題は以前から続いていて、二〇二〇年だと四月で消防吏員だけでも二百六人欠員、十月になると三百二十六人欠員という大変な状況でした。私も何回かこの問題で質疑させていただいて、その後、二〇二二年の四月は欠員がゼロになったことを知って、頑張ったなと思っていました。それでも、昨年十月には八十四人の欠員です。この間、定数どおりに実員を配置できない要因、これは何だと分析していますか。
○門倉人事部長 定数どおりに実員を配置できていない主な要因は、普通退職でございます。
○大山委員 つまり、定年まで勤務しないで途中退職するということですね。中途退職者が多い要因、これは何だと分析していますか。
○門倉人事部長 把握できている中途退職者の事由で一番多いものは、民間企業などへの転職でございます。
○大山委員 消防吏員の方々っていうのは、消防だとか救急の仕事がやりたくて入都するんでしょうが、途中で転職せざるを得ないということになるわけですね。民間企業への転職という事実は分かりますけれども、どうしてそうなるのかということを解明することが必要ではないでしょうか。
救急隊数が少な過ぎるということはこの間の質疑でも明らかで、救急隊を増やす計画、これはどうなっていますか。
○瀬崎企画調整部長 東京消防庁では、国が示す消防力の整備指針等に基づき、二〇三〇年までに救急隊三百十三隊を整備することを目標としております。
○大山委員 現在の救急隊数は二百七十四隊ですから、五年間で三十九隊整備するということですね。毎年七隊から八隊ぐらい増やすということでしょうか。ぜひ目標達成してほしいわけですね。
救急隊一隊当たりの人口を都道府県単位で比較しますと、実は東京都が全国で一番多くの人口を抱えています。二位の神奈川県と、一隊当たりの人口が一万人以上差があります。救急隊を整備していくに当たってさらに高い目標を掲げていくべきです。
東京消防庁では、今後、救急隊に関する新たな目標を掲げたと伺っていますけれども、その目標達成に向けた来年度の取組について伺います。
○瀬崎企画調整部長 東京消防庁では、二〇三五年の到達目標として、通報を受けてから救急隊が現場に到着するまでの時間を、八・五分未満とすることを掲げました。このことから、来年度は救急隊四隊、デイタイム救急隊四隊を増隊するとともに、引き続き救急車の適時適切な利用の促進に取り組んでまいります。
○大山委員 救急隊一隊当たりの人口、東京都は昼間人口多いわけですから、昼間は一隊当たりの人口はさらに増えるわけです。消防庁がいつもおっしゃっているように、とにかく命を救うためには、入電から現場に到着する時間を短縮する、これは本当に重要だと思います。
救急活動時間の資料を出していただいていますが、資料1ですね、入電から現着までの時間が二〇二〇年は十分二十四秒でしたけれども、その後徐々に長くなって、二〇二三年には十四分二十秒になってしまいました。今年度は一分〇九秒短縮されて、十三分十一秒となっています。
二〇三五年までに、通報を受けてから救急隊が現場に到着するまでの時間を、八・五分にするという目標は重要です。そのためには、救急隊は何隊にする計画なんでしょうか。
○瀬崎企画調整部長 東京消防庁では、国が示す消防力の整備指針等に基づき、二〇三〇年までに救急隊三百十三隊を整備することを目標としております。
二〇三五年の政策目標の達成に向け、救急隊の増隊とともに、救急車の適時適切な利用促進等に取り組んでまいります。
○大山委員 今のところは、二〇三〇年までに救急隊を三百十三隊にすること、そして、二〇三五年までに、通報を受けてから救急隊が現場に到着するまでの時間を八・五分にするという目標は立てたということですね。それを具体化するための計画はこれからということですね。目標を実現するためには計画つくらないとできません。ぜひ早急に計画をつくって、実践を始めてください。
計画を持つと同時に、中途退職しないで済む職場づくりも含めて検討していただきたいと思います。
総務省消防庁は女性職員の増員を進めているようですけれども、消防庁は、女性消防吏員、救急隊員の必要性やメリット、どう認識していますか。
○門倉人事部長 救急活動を含め、都民に寄り添った消防行政サービスを提供するためには、女性消防吏員を含めた多様な消防職員が活躍することが必要と認識しております。
○大山委員 総務省消防庁の消防本部における女性職員の更なる活躍に向けた検討会報告書というのが出ておりまして、その中には女性消防職員向けアンケートというのがありました。女性消防吏員が増えることのメリットはどのようなことだと考えるかとの質問に、救急活動時に女性傷病者に安心感を与えることができる、これが最多になっています。
そして、消防本部向けアンケート、女性消防吏員の採用、登用を進めることの意義やメリットをどのように考えますかという質問には、災害活動時に女性傷病者に安心感を与えることができる、やはりこれが一番多くて八六・八%ということです。
私も昨年初めて救急車で運んでいただきまして、女性の救急隊員が一人いらっしゃいました。本当にね、同性の救急隊員が一緒にいてくれるっていうのは安心できるものだというのを実感しました。世の中は男性と女性とほぼ半々ということですから、やはり消防吏員も救急隊も女性比率を増やしていただきたいと思います。
現在、女性消防吏員の割合は、二〇二四年四月一日時点で七・一六%と非常に低いわけです。二〇二六年度当初までに八%以上が目標ということになっているようですけれども、二〇一六年四月時点で六・三九%だったんです。女性比率が七・〇九%になったのが二〇二三年四月一日ですから、〇・七%上げるのに七年かかっています。令和八年度当初といいますと、あと一年、八%以上の目標はどのように実現できるんでしょうか。
○門倉人事部長 職員募集採用ホームページにおいて、女性消防官に関するコンテンツをより充実させるとともに、女性受験生のために女性職員による相談会を実施するなど、職務に対する理解の促進を図っております。また、現職の女性職員に対しても、悩みや不安を払拭するための交流会を実施しております。
これらの取組により、女性比率八%達成を目指してまいります。
○大山委員 確かに消防というと男性の職場っていうイメージなわけです。しかし、ほかの国は女性隊員比率どうでしょう。ロンドンは四三%、ニューヨークは三二%。カナダのトロントは三六%が女性です。
女性が働きやすい職場は男性にとっても働きやすい職場になります。女性も働き続けられる職場にするためには、例えば、職場に気兼ねなく産休、育休を取得できるようにすることは重要です。
そのためには、産休、育休代替は正規職員であることが重要ですが、どうなっていますか。
○門倉人事部長 育児休業の取得予定が決まった時点で、早期に報告を受けることにより、人事異動の際に適時、常勤の職員を配置しております。
○大山委員 人事異動の際に適時、常勤の職員を配置しているということなんですけれども、消防吏員が定数を満たしていないということは先ほど指摘したとおりです。これでどうやって配置できるのか分かりません。
女性だと産休から育休を継続して取得するケースが多いと思います。産休から正規職員で代替してくれれば、安心して産育休に入れます。そのためには定数どおりではなくて、毎年産休、育休を取得する職員は予測がつくわけですから、産休、育休代替分の職員を実数として確保しておくことが重要だと思いますが、いかがですか。
○門倉人事部長 職員が育児休業を取得する際には、常勤の職員を人事異動の際に配置できるよう採用を行っております。
○大山委員 先ほどと同じ答弁ですけれども、それが可能になるためには定数以上に消防吏員がいなければできません。現場での厳しい職場だけに、より重要です。
同時に、上司が男性だと生理休暇などもいい出しにくい状況になりかねません。職場環境も整えていくことが求められていると思います。
女性職員が働くためには、トイレや洗面所、休憩室、仮眠室、シャワーなど男女別に設置されていることが必要ですけれども、消防署、出張所などを含め整備状況、どうなっていますか。
○石川総務部長 消防庁舎における女性専用のスペースは、改修可能な既存庁舎や消防庁舎の建替えの際に順次整備を進めており、令和七年三月現在、消防署の整備率は一〇〇%、出張所は休憩室を除き四八%となっております。
○大山委員 消防署は一〇〇%整備しているということでは安心しました。出張所はスペースの関係もあるでしょうが、必須ですから、建替えの際だけではなくて整備を進めていただきたいと思います。
あと、もう一つ電動ストレッチャーなんですけれども、昨年十二月の事務事業質疑のときに電動ストレッチャーの有用性について質問しましたら、従来のストレッチャーに比べ、救急隊員及び傷病者への身体的負担の軽減が図られますほか、活動時の安全性が向上すると認識していると、こう答弁がありました。
腰痛なども含めて救急隊員の負担も軽減していくことは重要ですけれども、来年度予算で電動ストレッチャーを増やす予算が入っていません。その理由は何でしょうか。
○伊勢村救急部長 電動ストレッチャーの導入につきましては、有用性がある一方、救急隊が現場に到着した後に電気的トラブルにより動かなくなった事案があるなど、活用上の課題もございます。このため、製品の信頼性も含め多角的な検討を継続してまいります。
○大山委員 電気的トラブルで動かなくなった事案があったということなんですね。これはぜひ答弁されたように製品の信頼性も含めて検討していただきたいと思います。
オーストラリアはじめ海外諸国では、人力に頼らない、ノーリフトポリシー、こういう考え方が浸透しているということなんです。ノーリフトとは、腰痛予防を実践する考え方であって、安全に患者を移動すること、そのために安全な設備を整えるということが求められています。
電動ストレッチャーは消防庁で現在六台しかありませんけれども、諸外国では違います。電動ストレッチャーの導入割合は、ヨーロッパでは九二%、米国では九〇%です。それぞれ女性救急隊員の割合が四割を超えています。体力的にも身体的負荷の軽減が期待されるわけですから、女性隊員を増やそうというのでしたら、電動ストレッチャーをはじめ身体的負担を軽減できるような機器は積極的に導入することも重要です。それが女性隊員だけではなくて、男性の隊員にとっても腰痛予防をはじめ働きやすい職場となります。積極的に進めることを求めて、質問を終わります。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京消防庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十一分散会
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