警察・消防委員会速記録第十一号

令和五年十一月三十日(木曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長谷村 孝彦君
副委員長小山くにひこ君
副委員長山口  拓君
理事鈴木 章浩君
理事森村 隆行君
理事東村 邦浩君
米川大二郎君
とくとめ道信君
宇田川聡史君
三宅しげき君
尾崎 大介君
大山とも子君

欠席委員 一名

出席説明員
警視庁警視総監小島 裕史君
総務部長久田  誠君
警務部長青山 彩子君
生活安全部長佐野 裕子君
組織犯罪対策部長長坂 雄太君
総務部会計課長山口  博君
東京消防庁消防総監吉田 義実君
次長岡本  透君
理事兼安全推進部長事務取扱市川 博三君
企画調整部長瀬崎 幸吾君
総務部長石川 義彦君
人事部長川田  進君
防災部長福永 輝繁君
救急部長門倉  徹君
企画調整部企画課長佐藤 宏紀君
企画調整部財務課長野崎 孝幸君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(質疑)
陳情の審査
(1)五第三〇号 東京都暴力団排除条例の廃止に関する陳情
東京消防庁関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京消防庁国分寺消防署西元出張所(仮称)庁舎(五)改築工事その二請負契約
・特種用途自動車(救助車)の買入れについて

○谷村委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業に対する質疑及び東京消防庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに警視庁関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、事務事業につきましては質疑を終了まで行い、提出予定案件につきましては説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○久田総務部長 去る十月十九日に当委員会から要求のありました信号機設置予算と実績の推移、信号機設置数、音響式信号機関連予算等、信号機用非常用電源設備設置数の推移、信号機のない交差点における交通事故件数の推移、音響式信号機及び音響時間を制限していない音響式信号機数の推移、七十歳以上の運転免許保有者数及び自主返納者数の推移、いわゆる迷惑防止条例改正後における改正部分に係る検挙件数及び検挙人員、痴漢、変質者の出没に関する相談件数及び迷惑防止条例第五条第一項に関する検挙件数、JKビジネス等に関する相談件数及びJKビジネスに起因した犯罪の検挙件数、東京都青少年の健全な育成に関する条例青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止違反検挙件数及びいわゆる児童買春、児童ポルノ法違反検挙件数、検挙した迷惑防止条例第五条第一項違反の発生時間帯のうち、上位四時間帯とその件数、盗撮の検挙件数、警視庁で取り扱った死体の中でのコロナ感染者の月別件数、自転車が関与する交通人身事故件数の推移、自転車の交通違反取締件数の推移、警視庁の男女別、区分別職員数につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 よろしくお願いいたします。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 まず最初に、歌舞伎町をめぐって質疑します。
 警視庁が一斉補導を頻繁に行っていることが話題になっています。歌舞伎町地区において一斉取締りを実施している、その狙いについて伺います。

○佐野生活安全部長 警視庁では、歌舞伎町地区を含む繁華街において、善良な風俗と清浄な風俗環境を保持するとともに、少年の健全育成に障害を及ぼす行為を防止するため、一斉取締りや街頭補導活動等を行い、健全で魅力ある盛り場の実現に向けた取組を推進しております。

○大山委員 善良な風俗と清浄な風俗環境を保持するために、それから少年の健全育成に障害を及ぼす行為を防止するために、一斉取締りを実施しているということなんですけれども、歌舞伎町の一斉取締りで補導した未成年者について、補導した主な理由は何でしょうか。男女別にお願いします。

○佐野生活安全部長 令和三年以降に歌舞伎町地区で実施した一斉補導活動において補導した少年少女の主な不良行為種別は、男女ともに深夜徘回でございます。

○大山委員 深夜徘回だということなんですね。
 この間の一斉補導の状況を出していただきました。一斉補導を実施した回数は、二〇二一年が三回、二二年が三回、今年は五回実施しています。補導された人数が、二百二人、そのうち百七十六人、八七%が女性です。補導ですから十八歳未満の少女ということです。
 メンズコンセプトカフェだとかの売掛金の返済などのために、性売買に追い込まれる女性たちもいます。夜十一時を過ぎると、警察に補導されるということは分かっているので、早くホテルに連れていってしまう、そういうことにもなっているということなんですね。子供たちは場所を変えて見えなくなってしまうという面もあります。
 女性たちが性売買する理由、私、性売買せざるを得ないということだと思うんですけれども、理由をどう認識していますか。

○佐野生活安全部長 警視庁では、本年九月、歌舞伎町地区において、売春目的の客待ちをした三十五人の女性を売春防止法違反で検挙しており、当該女性らが売春をした主な理由は、ホストクラブ等での売掛金を含む遊興費であることを確認しております。

○大山委員 女性を売春防止法違反で検挙している。女性なんですね。ホストクラブ等での遊興費や売掛金の支払いということなんですけれども、どうしてそうなっちゃうのかということの原因を知ること、また、性売買などをしなくて済むようにすることこそ重要だと思っています。
 歌舞伎町に来る少女たちは、虐待などで家に居場所がなくて、家に帰れない子たちも多いです。メンズコンセプトカフェなどのホストとか、地下メンズアイドルなどが、中学生、高校生など若い女性に声をかける。声をかける男性が、相手の女性を愛している、好きなのはあなた、恋愛感情を持っているかのように錯覚させて、その店でもう少しでナンバーワンのホストになれるから、あと幾ら売り上げれば一番になる、そういうようなことをいって、高額なお酒や、一本七万円の水、八万円もするのもあるらしいんですね、その水を女性自身の意思で買うようにしむける。LINE登録をしたら千円あげるよ、そういうことをいって、確実に女性を囲い込む。そうやって自分を愛してくれていると思わされてしまいます。その人のためにお金を使う。もちろん何万円、何十万円ものお金を払えるはずがありませんから、売掛金として女性に借金をつくらせる。女性も自分が好きでやっている、あの人を愛しているから、あの人を好きだからやっている、自分がそうするのは当たり前だと思い込まされているんです。そうやって借金が払えないから、体を売るしかないじゃないといわれ、大久保公園の辺りに立つということになるわけです。
 メンズコンセプトカフェやホストクラブ等で、女性に対して、今申し上げたような恋愛感情があるかのように錯覚させて、さっきいった水、ボトル一本七万円とかで売るようなことをして売り掛けをさせる、借金させるわけですね。支払いできないような売り掛けをさせて、支払えなければ売春などをさせる問題に対し、規制するべきと考えますが、警視庁の見解を伺いたいと思います。

○佐野生活安全部長 警視庁では、ホストクラブ等に対して、いわゆる風営法に基づく立入りを行い、売掛金回収に関する違法行為を防止するための注意喚起等を行うとともに、違法行為があれば、売春防止法や職業安定法などを適用して取締りを行っております。
 引き続き、あらゆる法令を駆使した取締りや行政処分を徹底してまいります。

○大山委員 あらゆる法令を駆使して取り締まるということですね。女性たちに過大な売り掛けをさせて、売春に追い込むようなことをしている人たちを厳しく取り締まっていただきたいと思います。
 歌舞伎町で中高生や若い女性の支援をしている方々が気になっているっていうのが、警察がパトロールしているんですけれども、女性にばかり声をかけて、買う側には声をかけていないということがすごく気になるとおっしゃっていました。
 売春する男性は、避妊もせずにセックスをする。何度も妊娠をしてしまう女性、心身ともに痛めつけられてしまいます。女性に性売買をするよう唆したり、女性を売春相手としてあっせんしている者に対する警視庁の取組はどうなっていますか。

○佐野生活安全部長 警視庁では、ホストクラブの従業員が売掛金を回収するために女性客に売春をさせるなどの助長行為の取締りを強化しているところでございます。

○大山委員 支援団体の皆さんが非常に心配しているのは、低年齢化しているということなんです。十四歳ぐらいからとか、ですから、自分がやっていること自体が分からない、そんな中で巻き込まれていっているっていうんですね。
 ところで、少年少女たちを補導した後、警視庁ではどのような措置をしているんでしょうか。

○佐野生活安全部長 警視庁では、補導した少年少女に対し、注意、助言を行うとともに、必要に応じ、保護者への連絡や少年相談専門職員による面談、児童相談所への通告、その後の継続的な指導等を実施しております。

○大山委員 少年相談専門員さんというのが心理士の職員さんだということですけれども、本当に専門性高く、そして寄り添えるような状況でお願いしたいと思います。
 自宅にも居場所がない子供たちも保護者に連絡されて、少女たちは強制送還といっているようです。ですから、ちゃんと本当に寄り添っていただきたいと思います。
 児童相談所とどのような連携をしていらっしゃいますか。

○佐野生活安全部長 警視庁では、児童虐待を受けたと思われる児童、保護者のいない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童の適切な保護を図るため、児童相談所との恒常的な情報共有のほか、こうした児童を発見した場合の速やかな児童相談所への通告を行っております。

○大山委員 虐待などが原因で家にも帰ることができない、居場所がない少年少女たちに対して、警視庁はどう取り組んでいますか。

○佐野生活安全部長 児童虐待を受けたと思われる児童、保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を発見した場合は、児童の安全確保を第一として、必要があれば、児童を保護した後、速やかに児童相談所に通告するとともに、児童を引き継いでおります。

○大山委員 児童相談所に一緒に連れていくということだと思いますけれども、子供たちにとって本当に信頼できる大人が必要なんだと思っています。
 若年女性支援に取り組む団体や、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどとの連携についても検討していただくように求めておきます。
 今年七月に、第三十三期東京都青少年問題協議会は答申を出しています。この答申というのは、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援で、トー横問題を中心に議論して答申を出しています。
 専門部会では、繁華街における青少年の滞留の実態についてという演目で講演を警視庁生活安全部管理官が行っています。
 そして、答申の、おわりにというところがあるんですけれども、そこにこう書いてあります。トー横の問題の改善に向けては、そもそもトー横に居場所を求めて来訪する青少年の背後にある、虐待やいじめへの対策等といった、彼らの根本の悩みを解消するための施策が非常に重要であることから、こうした対策を行う関係機関が一層連携を密にし、今回の検討や本答申の内容を共有し、より一層強力に対策を講じることが求められる、こう書いてあります。警視庁も、この観点で取り組んでいただきたいことを求めておきます。
 次ですけれども、女性の警察官が働きやすい職場をということで質問します。
 痴漢の被害なども含め、性的な被害を受けた女性は男性への恐怖が大きくなっているだけに、警察に行って話すときも女性の警察官に話したいという方が多くいらっしゃいます。それだけに、現場に女性警察官が勤務してくれているということは重要です。
 出していただいた資料の六ページ、資料17で、警視庁の男女別、区分別職員数があります。ありがとうございました。
 行政職員はほぼ半数が女性ですけれども、警察官は、今年度でも四千九十五人ですね。全体に占める女性の警察官の割合は九・六%、十人に一人もいないという状況です。
 女性警察官が働きやすい職場にするための警察署や交番などの庁舎の整備はどうなっているでしょうか。

○久田総務部長 警視庁では、女性警察官が配置されている九十九警察署の全てに女性用のトイレ、休憩室及びシャワー室を整備しているほか、二百四十五交番に女性用のトイレを整備しており、そのうち二百三十九交番には、女性用の休憩室も整備しております。

○大山委員 警察署は百二署あるわけですね。九十九警察署ですから、女性用のトイレ、休憩室及びシャワー室を整備しているのが九十九警察署。三か所には女性警察官がいないっておっしゃっていたんですけれども、いつ女性警察官が配属されてもいいように整備しておくことが必要ではないでしょうか。
 都内交番は、八百二十六か所あるわけですね。そのうち、女性用トイレ、女性用休憩室があるのは、いずれも三割弱にとどまっているというご答弁でした。
 交番に女性警察官がいてくれるっていうのは、女性にとってはうれしいことです。女性警察官の絶対数を増やすことが必要ですが、交番にも、女性トイレと女性用の休憩室は必置とすべきではないでしょうか。そうしないと働きやすい職場ということにはなりません。
 圧倒的に男性が多い職場で女性警察官が働くことは、人間関係だとか、精神的な面でも困難があると思いますし、悩みもあると思います。女性警察官による所属間交流だとか座談会のようなもの、交流するようなものというのはあるんでしょうか。

○青山警務部長 警視庁では、各所属において女性職員による意見交換会を随時実施しており、そこでの意見等を踏まえ、働きやすい職場環境の構築に向けた取組を実施しております。
 また、一定の立場にある女性職員が後輩女性職員の相談に乗るなど、女性職員の不安を解消して、そのキャリア形成を支援する取組を推進しております。

○大山委員 意見を出し合える場があるということですね。重要なことは、誰もが率直に現状や意見を出し合える場にしていくことだと思います。信頼できる先輩に、何かあったら相談できるような人間関係をつくっていくというのも重要だと思っています。
 そのほか、女性警察官が働きやすい職場にするための取組というのはありますか。

○青山警務部長 警視庁では、男女ともに働きやすい職場環境を構築することを目的として、時差出勤等の柔軟な働き方を推進するとともに、各種休暇等の取得を促進する取組を行っております。

○大山委員 女性警察官も働きやすい職場にしていくということは、男女ともに働きやすい職場にしていくということですね。そのような職場にするよう、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○谷村委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情五第三〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長坂組織犯罪対策部長 陳情五第三〇号についてご説明いたします。
 お手元の資料をご覧ください。
 本陳情の要旨は、東京都暴力団排除条例について、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律より規制対象の範囲が広いなど、同法に違反している不当な内容であるため、廃止を求めるものであります。
 同条例は、東京都における暴力団排除活動を推進するための措置、暴力団排除活動に支障を及ぼすおそれのある行為に対する規制等を定め、もって都民の安全で平穏な生活を確保し、及び事業活動の健全な発展に寄与することを目的として制定されたものであります。
 この点、同法第三十二条第三項の規定により、地方公共団体は、その責務として、暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより事業活動または市民生活に生じた不当な影響を排除するための活動の促進を図るため必要な措置を講ずるものとされており、東京都における暴力団情勢に即して制定された同条例は、同法に違反するものではなく、警視庁では、同条例の適正な運用に万全を期しているところであります。
 今後も、都民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、暴力団排除活動を推進してまいります。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第三〇号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で警視庁関係を終わります。

○谷村委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡本次長 過日の委員会で要求のございました資料につきましては、お手元の警察・消防委員会要求資料のとおりでございます。
 内訳といたしましては、救急搬送人員の推移、休職者等の推移とその内訳、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得した職員数、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得し、その後、復職した職員数、定年退職以外の退職者数と退職理由、ハラスメント相談件数の推移、時間外労働時間の推移、年次有給休暇取得日数の推移、男女別の育児休業取得率及び取得期間の分布状況、不搬送件数の月次推移と内訳、熱中症の搬送件数、職種別男女別職員数、東京消防庁のヘリコプターによる島しょ地域における救急患者等の搬送件数についての計十三点でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 都民の命と財産を守るために奮闘されている消防庁の皆さんには心から敬意を表しています。それだけに健康で働き続けられるように、また家族の役割も果たせる人間的な働き方をしていただきたいと思っています。
 その観点から、本日は育児休業取得について質問します。
 今ご説明いただいた資料を準備していただきました。資料9、男女別の育児休業取得率及び取得期間の分布状況です。
 女性が育児休業を取得するということはもう当たり前になっているということでいいかと思います。男性については、令和元年度が三・一%、二年度が五・一%、三年度が八・一%、四年度が一八・七%、今年度は十月十五日現在の数字で三二・三%と、育休取得者が増えていっているということは重要だと思っています。
 それにしても、一か月未満が、昨年度は三四・九%、今年度も三〇・九%で、取得しないよりはいいんですけれども、産休も明けない、そういう時期ですね。
 今見てきたように、育児休業を男性職員も取得するようになっていますけれども、育児休業を取得しようとするとき、自分が休んだら周りの人が忙しくなってしまうなどの心配がないようにすることは重要です。育児休業代替職員の配置はどうなっていますか。

○川田人事部長 当庁では、四月と十月の定期人事異動のほか、採用後の初任基礎教育課程を修了した職員が年四回消防署へ配置となる際に合わせ、育児休業による欠員を補充しております。

○大山委員 つまり、やりくりで対応をしているということですね。総人数が増えるわけではないわけですね。
 育児休業代替職員が配置されなければ、安心して育児休業取得はできないのではないでしょうか。

○川田人事部長 育児休業取得者の欠員補充を、人事異動に合わせ、適時行っており、安心して育児休業を取得できる環境を整えております。

○大山委員 欠員補充を適時行うとおっしゃっても、総定数に対して実人員が不足しているのに、どうして安心できるでしょうか。
 消防庁の職員定数と実数については、定数が満たされていない状況がずっと続いていて、私も本委員会で何度か質問してきました。
 職員定数と実数について、資料をいただいたわけですけれども、令和二年度は四月時点では二百二十二人の不足、令和三年度四月一日は二百二十三人の不足でしたけれども、昨年度、四月には定数が満たされていたというのを見て、本当によかったと思ったんですが、十月一日付では三十二人欠員です。もともと定数を満たせていない現在の状況で、さらにやりくりで配置をするということでは、なかなか安心して育休を十分取得するということにはなりにくいのではないでしょうか。
 消防庁としては、育児休業取得を促進していく方針ということでいいんですね。

○川田人事部長 東京消防庁としては、国や東京都の動向、社会情勢等を踏まえ、育児休業の取得を促進してまいります。

○大山委員 育児休業取得を促進していくということでしたら、育児休業を取得できるような条件を整えるということが必要です。
 現在、育児休業取得をどう促進しているんでしょうか。また、今後どう取り組むんでしょうか。

○川田人事部長 育児休業の取得促進に当たっては、全職員に育児休業に関する各種教養等を実施しております。
 今後も、教養等により育児休業に関する職員の意識向上を図り、育児休業の取得を促進してまいります。

○大山委員 育児休業を取得することの意義や必要性、育児休業の制度の内容を学習することは、それはそれで重要です。しかし、幾ら意義や制度の内容が分かっても、条件整備がなかったら、取得したくても取得できないということになってしまうんじゃないでしょうか。
 四十年以上前のことをいうのもはばかられますけれども、私たちが新人のとき、産休、育休代替分として職員を配置することになって、増配置ですね、そういうことになって、それ以降、育児休業を取るのは当たり前ということになってきましたけれども、それまでは、職場に迷惑がかかるからということで、育児休業を取得することを先輩たちは遠慮していたという状況でした。
 総務省は、各消防本部における男性職員の育児休業取得率の目標を二〇二五年までに五〇%、二〇三〇年までに八五%としていますね。消防庁も同じ数値を目標に設定していると伺っています。
 制度を知らせることも目標を定めることも重要ですけれども、育児休業は予定できるものですから、それを見込んでの育児休業代替職員を配置すべきですが、いかがですか。

○川田人事部長 本人や配偶者等の妊娠が判明した時点及び育児休業の取得予定が決まった時点で早期に報告を受けることにより、人事異動の際に、適時、欠員補充を実施しております。

○大山委員 とりわけ消防吏員は教育や訓練が必要な職種だけに、一朝一夕には配置できないということは分かります。
 それだけに、ただでさえ苛酷な現場なのですから、きちんと育児休業を取得することを、数値目標にも掲げているんですから、育児休業取得を見込んでの職員定数とすることも含めて、職場を心配して短期間しか取得できないというようなことがないように、条件整備することを求めておきます。
 以上です。

○米川委員 私からは、地域の消防防災リーダーである特別区消防団員について質問したいと思います。
 事前に配布されました東京の消防白書二〇二三の二六五ページには、特別区には五十八の消防団があり、団員の定員は一万六千人、そしてこの二六六ページには、令和五年四月一日現在の現員数は一万三千四百六十一人、そのうち女性団員は二千九百二十人、定員充足率は八四・一%、平均年齢五十・八歳となっております。団員の確保や団員の高齢化が課題といえると考えております。
 また、この東京の消防白書二〇二三の三二六ページの第21表というものには、各消防団ごとの定員や現員などが詳しく記載されております。
 そこで、この人に着目して何点か伺いたいと思います。
 まず、特別区消防団の定員、この全体の定員というものは一万六千人となっていますが、何で決められているのか伺います。また、各消防団での定員についても、何で決められているのか伺います。

○福永防災部長 特別区消防団の定員については、特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例で一万六千名と定められています。また、各消防団の定員については、東京都の規則である特別区の消防団員の配置の基準により定められています。

○米川委員 全体の一万六千人というのが条例で決められていて、各団の定員というものが東京都の規則で定められていることが確認できました。
 次に、またこの消防白書二〇二三なんですが、この二七〇ページに、消防団員の定員一万六千人について、基本団員と、大規模災害団員として大規模災害時に従事する消防団員に分かれているとした図が示してあります。
 大規模災害団員は、消防職員、そして消防団員経験者、医療、建築関係従事者などの方が対象となりますが、特別区消防団の定員一万六千人のうち、大規模災害団員の内訳、これはどのようになっているのか伺います。

○福永防災部長 大規模災害団員の配置上の上限は千三百十七名です。なお、令和五年十一月一日現在、百八十四名が在団しています。

○米川委員 ありがとうございます。千三百十七名ということで、全体が一万六千人だと、約八%ぐらいということが分かりました。
 次に、新しく消防団員になりますと、制服や防火服など様々なものが支給されます。特別区消防団のホームページには、制服や防火服などが写真つきで分かりやすく紹介もされています。
 そこで、質問は最後になるんですが、特別区消防団の新入団員に配布している制服や装備品の一人当たりにかかる費用について伺います。

○福永防災部長 特別区消防団の新入団員に対して給貸与している制服や装備品にかかる一人当たりの費用は、令和四年度決算で約二十七万円です。

○米川委員 ありがとうございます。
 特別区消防団、一万六千人の定員というものが条例で定められているんですが、この上限というものが変わらなくても、この五十八ある消防団の定員というものは柔軟に変えることも必要ではないかと考えまして、質問しております。
 特別区消防団の定員が今回どのように決まっているのか、消防団員のうち、大規模災害団員が何人いるのか、また団員一人当たりの装備品などの費用についても確認することができました。
 何度も出しますけど、この消防白書の三二六ページ、各団の消防団員の定員、本当に細かく記載されて分かりやすくなっているんですが、私の住む葛飾区の人口というものが、令和五年、今年ですね、一月一日現在、四十六万四千百七十五人に対し、二つの消防団がありまして、この定員は千二百名となっております。団員一人当たりの住民の数は三百八十六人です。そして、南側で隣接する江戸川区の人口が六十八万八千百五十三人に対し、三つの消防団の定員は千百人です。団員一人当たりの住民の数で割ると、六百二十五人。そして、葛飾区の北側で隣接する足立区の人口は六十九万百十四人に対し、三つの消防団の定員は千二百六十人、団員一人当たりの住民の数は五百四十七人です。
 一つの見方として今例示をさせていただいたんですが、単純にこの消防団の定員が人口だけで比較できるものとは思いませんが、ちょうど東部低地帯で似たような地勢であることから、今の例示をさせていただきました。
 消防団の定員、今、充足率を高めるためにすごい取組をされて、また施設だったり、装備機材の整備に取り組んでいただいているんですが、それだけではなくて、年々変わるまちを取り巻く状況の変化、そういったものもぜひ踏まえまして、各消防団の団員の定員だったり、配置についても点検していくことが必要ではないかと考えまして、今回質疑させていただきました。
 この指摘を踏まえまして、ぜひ消防団が地域の防災力の要として、これからも重要な役割を果たすことができることを期待しまして、質問を終わります。

○谷村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○谷村委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○岡本次長 本定例会に提出を予定しております案件は、契約案一件、事件案一件の計二件でございます。
 資料1をご覧ください。契約案でございます。
 東京消防庁国分寺消防署西元出張所は、昭和四十二年の建築で老朽化し、狭隘化が著しいため、別地の東京都国分寺市本多一丁目四百八十三番三に新庁舎を建築するものでございます。
 建築概要は、鉄筋コンクリート造り、地上五階建ての庁舎棟のほか、単身待機宿舎と合築でございます。
 工期は、令和七年十月までを予定しております。
 次に、資料2をご覧ください。事件案でございます。
 本案は、永年使用しました消防車両を順次更新するため、救助車両二台を買い入れるものでございます。
 いずれの案も、都議会の承認が得られましたら、正式に契約を締結する予定でございます。
 説明は以上となります。よろしくお願いいたします。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 なければ、資料要求なしと確認させていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十六分散会

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