警察・消防委員会速記録第六号

令和五年六月十六日(金曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長高倉 良生君
副委員長山口  拓君
副委員長増子ひろき君
理事東村 邦浩君
理事宇田川聡史君
理事小山くにひこ君
田の上いくこ君
とくとめ道信君
中嶋 義雄君
三宅しげき君
尾崎 大介君
酒井 大史君
和泉なおみ君

欠席委員 一名

出席説明員
警視庁警視総監小島 裕史君
総務部長若田  英君
交通部長今村  剛君
警備部長千代延晃平君
総務部参事官企画課長事務取扱武田 宗洋君
総務部会計課長山口  博君
東京消防庁消防総監吉田 義実君
次長岡本  透君
理事兼安全推進部長事務取扱市川 博三君
企画調整部長瀬崎 幸吾君
総務部長石川 義彦君
予防部長加藤 雅広君
企画調整部企画課長佐藤 宏紀君
企画調整部財務課長野崎 孝幸君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十二号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百三十三号議案 東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百五十八号議案 ヘリコプターの買入れについて
東京消防庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十四号議案 火災予防条例の一部を改正する条例
・第百五十九号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その一)について
・第百六十号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
・第百六十一号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
・第百六十二号議案 特種用途自動車(資材搬送車)外六点の買入れについて
・第百六十三号議案 無線装置(基地用無線回線制御装置)外七点の買入れについて
付託議案の審査(決定)
・第百三十二号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百三十三号議案 東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百三十四号議案 火災予防条例の一部を改正する条例
・第百五十八号議案 ヘリコプターの買入れについて
・第百五十九号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その一)について
・第百六十号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
・第百六十一号議案 特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
・第百六十二号議案 特種用途自動車(資材搬送車)外六点の買入れについて
・第百六十三号議案 無線装置(基地用無線回線制御装置)外七点の買入れについて
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○高倉委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより警視庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十二号議案、第百三十三号議案及び第百五十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○とくとめ委員 第百三十二号議案及び第百三十三号議案に対する意見を表明します。
 両議案とも電動キックボードに関する道路交通法改正が七月一日に施行されることに伴う講習会の手数料新設などの規定整備であり、賛成です。
 しかし、道路交通法改正による電動キックボードの規制緩和には重大な問題があり、我が党は国会で反対しました。
 第一に、運転免許証が不要となることです。第百三十二号議案は、三年以内に二回以上の交通事故や違反をした者は、三か月以内に講習を受けなければならないとされた講習会の手数料の規定を設けるものです。しかし、違反を繰り返す人に運転をさせない仕組みである運転免許証が不要になれば、個人の特定や事故防止に困難が生じることは明らかです。
 第二に、時速六キロ以下に制限する装置に切り替えれば歩道通行が認められることです。歩行者との接触事故が懸念されます。
 第三に、現状では義務づけられているヘルメットの着用が努力義務となることです。電動キックボードを運転する人の脳損傷などの重大事故が増えるのではないでしょうか。電動キックボードの普及が先行して進む海外では、事故やトラブルが多発しています。そのため、フランスは歩道を通行禁止にしました。イタリアでは、ヘルメットの着用義務を拡大して、原付免許を必要とする方向で議論が行われています。いずれも日本では現在実施しているものです。
 道路交通法改正による規制緩和は、事業者からの要望に応えて安全を犠牲にするものであり、世界の流れに逆行しています。規制緩和を中止して、安全最優先の対策を進めることは必要です。
 同時に、七月一日から改正道路交通法が施行される下でも、安全運転の指導啓発、交通違反行為の取締りの強化やヘルメット着用の促進など、可能な手段を尽くして事故防止のために全力を挙げることを警視庁に厳しく求めておきます。
 意見表明は以上です。

○田の上委員 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例案と、東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例案に関連して意見を申し上げます。
 今回の改正は、特定小型原動機付自転車、電動キックボード等に関する改正道路交通法の施行に伴うものですが、施行に当たっては、交通事故の防止、歩道での歩行者の安全確保のための措置が講じられなければなりません。
 まず、電動キックボード等は、一般原動機付自転車が法定速度三十キロメートル、特定小型原動機付自転車は最高速度二十キロメートル以下、そのうちの特例特定小型原動機付自転車は最高速度六キロメートル以下とされています。
 この点に関して、海外で購入したものやネットで購入したものなどで速度制限がかかっていない電動キックボードもあり、自賠責保険の加入や道路運送車両法上の保安基準、標識(ナンバープレート)の取付けなどの義務の確保とともに、購入車両に対するルールを厳重化することを求めます。
 次に、電動キックボード等は、免許が必要でヘルメット着用が義務づけられている一般原動機付自転車と、免許が不要でヘルメット着用が努力義務となっている特定小型原動機付自転車に分かれています。
 この点に関して、まず、特定小型原動機付自転車は緑色の最高速度表示灯によって区別されるとのことですが、その区別が明確に分かるように表示をすること、ヘルメット着用の義務の徹底や努力義務への普及啓発や支援、車両用の信号や道路標識等による通行の禁止などの交通ルールの遵守及び違反の場合の取締りの徹底を求めます。
 さらに、特例特定小型原動機付自転車は、普通自転車等及び歩行者等専用の道路標識等が設置されている歩道では、歩道を通行することができるとされています。この点に関して、自転車でも歩行者との接触事故により、けがや死亡の事例もあることから、普通自転車等及び歩行者等専用の道路標識等を設置する場合は、歩行者の安全の確保に十分配慮することを求めます。
 また、これを機会に、歩行者や自転車を運転する者を含めて電動キックボードの取扱いがしっかりと周知されるよう、交通ルールの普及啓発を行うことを求めます。
 利便性も大切ですが、安全が一番重要であることはいうまでもなく、新しいモビリティーの課題を随時アップデートしていきながら、交通の課題解決に向けて引き続き検証していくことを求め、ミライ会議の意見といたします。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○高倉委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案及び第百五十九号議案から第百六十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○和泉委員 第百三十四号議案、火災予防条例の一部を改正する条例について質疑を行います。
 消防法施行令では、令和元年度に電気自動車の急速充電設備の上限が全出力五十キロワットから二百キロワットへと緩和されました。今回は、さらに全出力二百キロワットという上限そのものが撤廃をされます。
 また、コネクターを直接車体に差し込むタイプを急速充電設備とし、非接触型の設備については、出力に関係なく変電設備として扱われます。さらに、設備本体とケーブルが一体のものを想定した基準となっていたものを、設備本体、ケーブルが分離したものも設置されるようになってきたことから、分離型にも対応した基準にする。今回の条例改正は、これらの点を施行令に従って条例に規定するというものです。
 まず、基本的なことをお聞きしますが、変電設備に不燃区画設定や人の立入りの制限などの規制が行われている理由について伺います。

○加藤予防部長 変電設備については、東京都火災予防条例第十一条において規制が設けられており、これは変電設備内での出火危険及び他の施設への延焼を防止すること並びに保守などに従事する係員以外の者がみだりに出入りすることによる感電事故等を防止するためでございます。

○和泉委員 ありがとうございます。
 変電設備とは、電線から送られる高圧電流を変電設備を使って低電圧に変えて送電するものだということですが、その際に高圧の電気と接触をする部分に損傷が起こったりして出火する危険がある。ただいまの答弁は、そこからの出火などや出火に伴う延焼を回避するために、あるいはみだりに人が近づいて感電したりすることのないように、変電設備には一定の規制が行われているということです。
 電気自動車の充電は、専用のプラグを使って自宅で充電できる普通充電設備と、高電圧の電気を低電圧に変えて自動車に充電する高出力の急速充電設備があるわけですが、急速充電設備については、電気の変圧を行う設備なので、一定の上限を超えるものは変電設備とされてきましたが、この間、出力の上限は徐々に緩和され、引き上げられてきました。
 これまで全出力二百キロワットを上限として、それを超える急速充電設備が変電設備とされてきた、その理由について伺います。

○加藤予防部長 総務省消防庁は、日本で急速充電設備の規格の策定、普及等を行う団体が定めた上限を検討部会で検討し、一定の防火安全対策を講じることにより火災予防上の安全が担保されることが確認されたことから、全出力の上限を二百キロワットと規定し、それを超えるものについては従前どおり変電設備として取り扱うこととしました。
 このため、東京消防庁においても同様の取扱いをしております。

○和泉委員 続けて伺いますが、その検討部会において、急速充電設備の出力制限が撤廃されることに伴う火災予防について、どのような検討がされてきたんでしょうか。

○加藤予防部長 総務省消防庁が令和四年に設置した急速充電設備の規制のあり方に関する検討部会に当庁も参画し、変電設備と急速充電設備の規制の比較や急速充電設備のハザードの分析及び火災事例等について検討を行っております。

○和泉委員 ありがとうございます。
 私も電気系統については全くの素人ですので、いろいろ資料を集めて調べてみました。
 変電設備に関する規制が急速充電設備にはありませんが、変電機械を入れる箱、つまり筐体、これには不燃性の金属材料を使っていること、設備と自動車の間の絶縁状況が確認できることや、コネクターの脱落、漏電を検知する仕組みになっていることなどなど、変電設備の規制を補う多くの仕組みが急速充電設備の基準として設けられているということも分かりました。
 また、欧米メーカーの電気自動車は九十キロワットや百キロワットが当たり前になっていることや、国産車でも航続距離の長いものは、やはり電池量が大きくなります。電池量が小さく航続距離が短いことが電気自動車普及の課題の一つとなっている中で、出力量がより大きい急速充電設備が求められていることは理解できるため、反対はしません。
 一方で、電気自動車がバスやトラックなどに導入をされる場合や、マンションなどで複数台に電気を供給するための急速充電設備を設置することを想定したとき、電気系統の異常にどう迅速に対応するのか、災害のときのトラブルが発生した場合に、すぐに対応できる人の配置が必要なのではないかなどの懸念も拭えません。
 これまでのところ急速充電設備に係る火災発生事例はゼロ件とのことですが、上限がなくなることで今までとはリスクが違うのではないでしょうか。
 今後の火災発生のリスクについて、消防庁はどのように対応しようとしているのか伺います。

○加藤予防部長 令和四年に総務省消防庁が設置した検討部会においては、全出力が二百キロワットを超えることによる新たな火災危険性は確認されませんでした。
 また、同庁では、今後急速充電設備について新たな火災危険性が明らかになった場合には、その実態に応じて規制の見直しを検討することとしており、東京消防庁においても適切に対応してまいります。

○和泉委員 今後、新たな火災危険性が明らかになった場合には、その実態に応じて規制の見直しを検討するということが確認されているというのは重要です。
 また、火災予防とは直接関係しませんが、自動車会社のホームページには、植え込み型心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器などの医療用電気機器を使用している方たちは、これらの機器に影響を及ぼすおそれがあるため、急速充電器を使用しないように、近づかないようにとの注意喚起がなされているところです。
 都民の安全・安心を守る東京消防庁におかれましては、この点にも十分注視をしていただいて、都民の安全・安心のために必要な対応をしていただくよう強く要望し、質疑を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。

○高倉委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十二号議案から第百三十四号議案まで及び第百五十八号議案から第百六十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百三十二号議案から第百三十四号議案まで及び第百五十八号議案から第百六十三号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十二号議案から第百三十四号議案まで及び第百五十八号議案から第百六十三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高倉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○高倉委員長 この際、両庁を代表いたしまして、小島警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○小島警視総監 警視庁並びに東京消防庁を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の議案につきましてご決定をいただき、誠にありがとうございました。
 私どもは、委員の皆様方から賜りました貴重なご意見を今後の業務運営に十分反映させ、引き続き都民の皆様の安全・安心の確保に全力を尽くしてまいります。
 また、近年、大規模な地震や風水害などが相次いでおり、東京においても大規模な災害の発生が懸念をされます。本年は、関東大震災から百年となる節目の年であり、私どもは過去の教訓を胸に、たゆまぬ研さんによる災害対処能力のさらなる向上を図ってまいります。
 皆様方には、今後とも両庁に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願いを申し上げまして、挨拶とさせていただきます。大変ありがとうございました。

○高倉委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十分散会

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