警察・消防委員会速記録第四号

令和五年三月十六日(木曜日)
第十二委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長高倉 良生君
副委員長山口  拓君
副委員長増子ひろき君
理事東村 邦浩君
理事宇田川聡史君
理事尾崎 大介君
田の上いくこ君
とくとめ道信君
石川 良一君
中嶋 義雄君
三宅しげき君
酒井 大史君

欠席委員 二名

出席説明員
警視庁総務部長若田  英君
総務部会計課長山口  博君
東京消防庁消防総監清水 洋文君
次長吉田 義実君
企画調整部財務課長浅見 匡哉君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 警察・消防委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第七十号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○高倉委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 小島警視総監は、大韓民国大統領来日に伴う警備従事のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警察・消防委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○宇田川委員 東京都議会自由民主党を代表し、当委員会に付託された令和五年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和五年度予算案は、コロナの分類変更を踏まえた今後の感染防止策と医療体制の見直し、物価高に苦しむ都民、都内事業者に対する支援、激甚化する自然災害への対策強化、少子高齢化対策の充実、そして、コロナ後の東京の発展に向けた環境対策、情報化の推進など多岐にわたる課題に対応していくための予算であります。
 令和五年度の一般会計は都税収入の伸びを背景に八兆円を超え、過去最大となっておりますが、長引く物価高騰、先行き不透明な国際情勢など、東京の経済状況は予断を許さない状況にあり、引き続き中長期的視点に立ち、健全かつ持続可能な財政運営に努めていくことが求められています。
 コロナ感染への備えを怠ることなく、多様な行政課題の解決に向けて実効性のある対策を迅速かつ効率的に実施していくためには、都民や都内事業者のご理解を得ながら、都内区市町村との事前調整を丁寧に進め、都議会と議論を重ねることで、東京の実態に即した形で事業を進めていくことが必要です。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、警視庁関係について申し上げます。
 一、首都直下型地震、富士山噴火、台風をはじめとする大規模風水害など都市部で発生する災害の課題を踏まえ、必要な装備資器材等を整備するなどの災害対策を一層強化するとともに、災害時に有効な生活情報の発信を充実されたい。
 一、特殊詐欺への関与が疑われる暴力団等の犯罪組織の壊滅に向け、組織犯罪対策部門の体制強化を図るなど、犯罪組織の実態を捉えた実効性のある対策を推進されたい。
 一、通学路における交通安全の確保など、子供を交通事故から守るための取組や高齢者講習等の体制の強化を図るとともに、あおり運転や自転車の危険運転などに対する指導取締りや交通ルール、マナーの普及啓発など、総合的な交通事故防止対策を推進されたい。
 一、サイバー空間の脅威に対処するため、情報の集約や分析、専門捜査員の育成、官民連携による協力体制を図るなど、その対策を強力に推進するとともに、広報啓発活動を通じて、被害の未然防止を図られたい。
 一、社会情勢の変化に伴う新たな治安課題等への対策を進めるため、行政手続等のデジタル化の推進などDXを強力に推進し、各種警察活動の高度化、迅速化、効率化を推進されたい。
 次に、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、地震や水害などの大規模自然災害等に対応するため、災害特性に応じた各種資器材を整備するなど消防活動体制の充実強化に努められたい。
 一、特別区消防団の災害活動体制の充実強化を図るため、消防団の分団本部施設の整備や各種資器材の充実、訓練環境や主体的に学べる環境の構築など消防団の活動能力向上に向けた取組を推進されたい。
 一、救急活動体制の強化を図るため、新たな資器材の導入や救急隊の増強整備、救急相談センターの充実とともに、都民に対する応急手当ての普及促進に努められたい。
 一、消防隊員がより安全かつ効果的に活動ができるよう、各種装備資器材や訓練環境等の整備を図られたい。
 一、地域特性に応じた実効性のある防火防災訓練を推進するため、訓練施設や資器材等の充実に努められたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○尾崎委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託をされました令和五年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和五年度予算は、新型コロナウイルス感染症への対応に社会や経済が縛られた三年間から大きく一歩を踏み出し、東京、そして日本の未来を左右する大きな転換点としていく、未来につながる予算となっております。
 また、政策評価と予算編成の連携などにより事業見直しの精度を高め、ワイズスペンディングを徹底した、めり張りある予算としております。
 具体的には、経済対策の強化、子育て支援、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれております。
 都民ファーストの会東京都議団が要望し実現をいたしました十八歳までの子供たちに月額五千円の給付や第二子の保育料無償化、出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援への改善、卵子凍結への新たな支援、介護度の改善を実現する介護事業者への報奨金制度の創設、また、マンション防災の強化、町会、自治会による防災備品の購入支援など地域防災の強化、多摩地域の交通ネットワークの検討調査、スタートアップ施策の大幅な強化等の予算が計上されたことを高く評価をいたします。
 あるべき東京の未来を想定し、未来への投資を積極果敢に進めるとともに、都民の安全・安心を確保する、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 それでは、各局事業について申し上げます。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、一層巧妙化する特殊詐欺に対し、犯罪抑止女性アドバイザーを活用して金融機関等での注意喚起や見守りを強化するとともに、犯罪に関する情報の積極的な提供など、特殊詐欺根絶に向けた取組を推進されたい。
 一、防犯カメラの設置増大と犯罪の高度化に対応できる防犯カメラシステムの構築を推進されたい。
 一、道路交通の安全確保のため、英語表記など誰もが認識できる道路標識などの整備を道路管理者と連携して推進するとともに、自動二輪車や原動機付自転車等の放置、駐車違反に対して、道路交通法に基づく取締りを強化されたい。
 一、サイバー空間の安全を確保するため、関係機関や地域住民等との連携を一層強化し、危機意識の共有を図るなど官民連携による諸対策を強力に推進されたい。
 一、災害時の有事の際の危機対応力を高めるため、災害対応能力の高い資機材について充実強化を図られたい。
 続いて、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、地震、豪雨、噴火、台風、竜巻、落雷などの自然災害及び都市型災害から都民の命と安全を守る消防活動、救出救護活動の体制強化施策を推進、充実されたい。
 一、救急隊の現場到着時間のさらなる短縮化に加え、通報から出動までの時間短縮やスマートフォンの活用等を通じたバイスタンダーによる早期の応急処置の促進などを進め、一人でも多くの命を救うための取組を推進されたい。
 一、デイタイム救急隊の増隊を進め、消防隊員の多様な働き方を支援するとともに、救急ニーズの高い地域や時間帯における消防体制の増強に努められたい。
 一、特別区消防団の装備、各種資器材の拡充を支援されたい。また、充足率向上のため、様々な媒体を活用した募集広報活動に努められたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○東村委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和五年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和五年度一般会計予算案は、子供たちへの投資、環境貢献、防災機能の強化など持続可能な東京を築くための様々な取組を事業化しています。
 具体的には、第二子の保育料無償化や高校生世代までの医療費無償化、私立中学校等の授業料負担軽減、中小企業のゼロエミッション化に向けた支援、耐震改修への補助の拡大など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価するものであります。
 今後は、リーマンショック時などのような急激な景気変動にも耐えられる財政対応力の備えを目指し、さらなる基金の積立てなどの努力の一層の強化を求めるものです。
 あわせて、予算の執行段階においてもさらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、警視庁関係について申し上げます。
 一、認知機能検査及び高齢者講習について、タブレット端末を導入した検査の実施や実施までの待ち日数の短縮に向けさらなる取組を進めるほか、高齢者や児童に対する交通安全対策をはじめ、悪質、危険な交通違反の取締りや自転車利用者にヘルメットの着用や保険加入など、交通ルール、マナーの普及啓発など、総合的な交通事故防止対策を推進されたい。
 一、都民生活の平穏を脅かす特殊詐欺など、都民に身近な犯罪が後を絶たないことから、犯罪抑止女性アドバイザーを活用し、被害を受けやすい高齢者世帯への訪問による防犯指導や広報啓発活動、金融機関等との連携による声かけや諸対策を強力に推進し、事件の早期解決、被害の拡大防止に努められたい。
 一、コロナ禍において、ヤミバイトなどSNS等により犯罪に巻き込まれるケースが増加してきているため、さらなるSNSによる犯罪対策を強化すること。
 一、電車や駅構内等における痴漢、盗撮被害防止に向けて、痴漢等の被害発生時に警告等を発する警視庁防犯アプリ、Digi Policeが非常に有効であるため、多くの女性に周知する取組を実施すること。
 一、災害対策等の拠点となる警察施設の整備を推進するとともに、装備資器材の充実強化、必要な職員の確保など基盤整備を図られたい。
 最後に、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、大規模震災時における迅速な救助活動を可能とする車両及び資器材等の整備を図り、消防隊員がより安全かつ確実に災害活動に従事できるよう、さらなる消防体制の強化に努められたい。
 一、救急隊の増強や効率的な運用、救急相談センターの充実により、通報から救急隊の現場到着までの時間をより短縮できるよう努められたい。
 一、所定の役割を終えた救急車の都内二次医療機関等への譲渡を促進されたい。
 一、救急や災害救援については、従来の陸や空からの活動に加え、海や川からの活動体制を構築すること。国が導入を進める災害時多目的船、いわゆる病院船との連携のほか、新たに救急艇を導入する方策の検討など独自の取組を進めること。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○とくとめ委員 日本共産党都議団として、当委員会に付託された令和五年度一般会計予算の警察・消防委員会所管分について意見を開陳します。
 まず、警視庁所管分です。
 一、警察活動は、都民の生命、身体及び財産の保護を最優先とし、職務の執行では、憲法の保障する基本的人権の確保に努めること。職務質問やDNA採取では、任意性の限度を超えて強制するような濫用を厳に戒めること。
 一、予算や人員配置は、刑事、防犯活動を中心とし、とりわけ地域の安全・安心を守るために、空き交番の解消やパトロール体制の強化を図ること。
 一、交通安全対策を強化し、信号機の増設、歩車分離信号の整備、高齢者とともに、視覚障害をはじめ障害者に対応した信号機の改良に努めること。エスコートゾーンの整備を進めること。早急に一〇〇%音響式信号機にすること。スマートアプリ対応の信号機の導入に当たっては、当事者の意見を十分に反映すること。
 一、信号機の非常用電源設備の増設を積極的に進めること。
 一、総合的な自転車安全対策を進めること。電動キックボードの事業者や利用者に安全運転のルールとマナーの啓発を徹底すること。
 一、高齢者ドライバーによる交通事故抑制のために総合的な対策を図ること。
 一、高齢者の運転免許更新は、講習場所や職員を計画的に増やすこと。
 一、高齢者を狙った特殊詐欺被害防止装置の配備を強め、電話機への自動通話録音機を自治体と協力して積極的に普及すること。
 一、JKビジネス被害や性暴力被害者への対応は二次被害を防ぐため、臨床心理士などの見地を持つ専門職員を配置し、全ての警察官に教育、研修を徹底すること。
 次に、東京消防庁所管分について。
 一、首都直下地震をはじめ予想される大地震に対する対策を強化すること。出火防止のため、感震ブレーカーの普及促進を図ること。
 一、初期消火体制を重視し、自主防災組織への消防機器配備など支援を図ること。防火水槽などをはじめ防災設備を地域にきめ細かく配置すること。
 一、消防車や重機などの整備促進及びそのための人員の拡大を図ること。超高層ビル、高層マンション火災への対応、予防対策を強化すること。軽消防車などの配備を強めること。
 一、豪雨、水害対策を強化すること。被害シミュレーションを強化し、適切な対応を図れるようにすること。必要な資機材の充実を図ること。
 一、航空消防救援機動部隊や即応対処部隊の実災害に即応した多様な訓練環境の整備や装備を充実すること。
 一、救命救急体制を抜本的に強化するため、救急車の増車と救急資格者の増員を図るとともに、デイタイム救急隊、救急機動部隊などを増隊すること。
 一、多摩地域の消防署未設置市をはじめ、消防署の整備拡充を図ること。
 一、消防団員確保への支援を強化すること。分団本部の整備、団員の処遇改善、装備や資機材の拡充を図ること。
 一、メンタルヘルス管理に消防庁として責任を果たすこと。働き方改革を進めること。
 一、病気療養中の職員の現場復帰のために、親身な相談システムを構築すること。
 一、消防吏員の定数を年度当初から充足できるよう採用し、消防学校の定員を増やすこと。消防職員の処遇改善、待機宿舎の整備を計画的に進めること。
 以上で意見開陳を終わります。

○酒井委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和五年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和五年度予算は、法人二税、地方消費税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となりました。私たちは、未来に向けて投資をするとともに、コロナ禍で苦しんだ末に急激な物価上昇にあえぐ都民、中小零細事業者に寄り添った支援策にもしっかりと取組が行われるかとの観点から予算案に対する質疑を行ってまいりました。
 物価高騰は歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。打撃を受けている事業者や都民に手厚く支援をすることを求めます。何よりも物価上昇を上回る賃上げが必要であり、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 賃上げは、正社員だけのことではありません。同一価値労働同一賃金、フリーランスや一人親方などの個人事業主にも公平、公正な対価を支払うこと、買いたたきや下請いじめをなくすなど、長年続いたデフレマインドを払拭し、経済を好循環させるためにも、社会全体での見直し機運を高めるよう取り組まれることを求めます。
 子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望をいたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、犯罪の起きにくい社会づくりの推進として、既存のシステムを統廃合するなど、人身安全関連事案に迅速に対応できる体制を整備すること。また、ストーカー予防の観点から、GPS機器等検出器を整備するとともに、女性への犯罪抑止に向け、女性アドバイザーの活用を進めること。妊産婦の自殺の防止を図る観点から、警視庁としても実態の把握に努めること。
 一、犯罪被害者の精神的、経済的負担を一層軽減する施策を推進すること。
 一、犯罪の被害者にも加害者にもならないための教育について、学校、教育委員会との連携を推進すること。
 一、深刻さを増すサイバー犯罪への対策強化を図ること。
 一、各種手続、一一〇番通報でのオンライン化をさらに推進するとともに、パーキングメーターも含めキャッシュレス化を推進すること。
 一、交通安全対策の推進として、宅配やデリバリーサービスの増大に対応した交通安全施設の整備を進めること。また、自転車及び電動キックボードと歩行者の事故防止対策を推進すること。
 一、タクシーのプローブ情報の活用など、ICTを活用した交通事故防止や交通渋滞緩和に取り組むこと。さらに、白バイ乗務員用のエアバッグジャケットを導入すること。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、殉職事故など重大事故の絶無に向けて、必要な資機材を整備するなど、安全管理体制の徹底を図ること。
 一、木密地域などにおける消防水利の整備を進めるとともに、大規模火災での消防団の費用弁償を引き上げること。
 一、富士山噴火への対応を想定した先進的な火山災害対策の取組調査については、得られた知見を都内自治体消防や消防団とも共有をすること。
 一、女性団員の入隊促進など消防団の充足率向上に取り組むこと。また、女性救急隊員らの復帰を促し、増加する救急出動にも対応するデイタイム救急隊のさらなる整備を進めること。
 一、救急対応の強化を図るために、救急隊の増強をはじめ、ビッグデータなどICTを活用して効率的な救急対応を推進すること。また、携帯端末の映像を活用するなど、現場での応急手当ての実施率向上、拡大に取り組むこと。さらに、救急相談センターの体制整備など救急車の適正利用を推進すること。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○田の上委員 ミライ会議を代表し、当委員会に付託された令和五年度予算関連議案について意見を述べます。
 令和五年度の一般会計予算は、過去最大の一般会計予算八兆四百十億円が計上され、前年度比一〇・一%増の税収増を背景に予算規模が年々拡大している状況です。
 しかしながら、日銀総裁の十年ぶりの交代など金融政策の変化や、長引くロシアのウクライナ侵攻の影響によるエネルギー等の高騰に歯止めをかけることができず、今後もこの税収が維持されるとは限りません。人口減少や緊急事態にも対応できる基金の積み増しや都債残高の減少など、投資のみでなく不透明な財政への対応を強化していくべきです。
 人口減少に対応する少子化対策に焦点が当てられ、子育て関連予算が今までにない大きな金額となっています。しかしながら、公平性を担保する税制における所得再配分も行わず、継続性も不確実な一時金となっている事業もあり、都民理解を得るための制度設計が必要であることを申し上げます。
 また、未来への投資を強調するがあまり、戦後日本をつくり上げてきた高齢者の方々の切捨てにならないよう、様々な年代の都民に対応した対策を求めるものです。
 都の情報公開はノリ弁が横行し、後退しているといわざるを得ない状況です。多額の予算を投入して新規事業も増やしているのですから、全てを公開して、隠し事のない都政、都民の目から見える都政にするべきです。
 都民が見える情報公開と行財政改革を改めて求め、以下、各局事業について申し上げます。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、電動キックボードは、道路交通法上の原動機付自転車の扱いであるが、車道の通行における義務の周知を徹底されたい。また、ネットで購入する電動キックボードなど販売についても注意喚起されたい。
 一、今後新しいモビリティーが増えてくるに当たり、安全性の確保を第一に、注意、啓発に努められたい。
 一、フードデリバリーの事故が多発している状況を鑑み、責任の所在を含め、解明できるよう努められたい。
 一、現在も様々な優遇制度があるが、高齢者の運転免許証自主返納が進むように、さらに交通機関の割引等の優遇を工夫されたい。
 一、利用者が少ない歩行者信号は押しボタン式に、横断者が多い交差点は時差式に積極的に変更されたい。
 一、信号機が設置されていない横断歩道の夜間照明を、視認性向上のために一層明るくされたい。
 一、フィリピンなど諸外国を拠点とした強盗事件等においては、現地国の治安状況などの情報収集をされ、集約されたい。
 一、SNSを利用した犯罪を防ぐため、ネット情報の監視を一層強化されたい。
 一、巧妙な手口で入り込む高齢者への詐欺に対して一層の注意喚起をされたい。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、シャープ七一一九の普及に力を入れるとともに、シャープ七一一九において、病状に合わせてさらに充実した医療情報を提供されたい。
 一、救急搬送の病院到着時間の短縮をされたい。
 一、災害時に救急患者が消防署に来た場合に対応できるよう、近隣の医療従事者の協力を仰ぐなど地域の力を活用されたい。
 一、小笠原村への救急搬送拠点として、八丈島に救急搬送用ヘリポート基地を設けられたい。
 一、小笠原諸島の現実的な救急搬送について、他局を含め総括的に検討をされたい。
 一、消防団員の意見を聞きながら、必要な装備の拡充を支援し、消防能力を向上されたい。
 以上でミライ会議の意見といたします。

○高倉委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○高倉委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第七十号議案から第七十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○とくとめ委員 初めに、第七十一号議案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例案について意見を述べます。
 この条例案は、道路交通法の改定によってレベル4に相当する特定の条件下で運転者がいない状態での自動運転が公安委員会の許可でできるようになりました。その際の許可申請に係る手数料を定めるものです。
 レベル4の自動運転は、東京パラリンピックの選手村で人身事故を起こしており、未だ安全対策は万全とはいえません。にもかかわらず、事故を起こした際の救護義務や安全確保義務が緩和され、特定自動運行主任者が乗車していなくても運行できるとなっています。遠隔地にいる主任者は、事故時に現場での救護や二次災害を防ぐ安全確保措置を行うことはできません。レベル4の自動運転の実施は時期尚早だというのが日本共産党の立場です。
 しかし、本条例案は法が施行されると許可申請を行う際の手数料を定めるものであり、本条例の規定がなければ、都におけるレベル4の自動運転は許可申請の手数料が徴収できないことになるために、反対はしませんが、何よりも安全を第一に、慎重にも慎重を期した法の運用が必要であることを厳しく指摘しておきたいと思います。
 続いて、第七十二号議案、東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例案についてです。
 これも道路交通法の改定によって、自動配送ロボット、遠隔操作型の小型車が歩道を運行できるようになったということに伴うものです。これによって本条例に、歩行者やまた自動車が渡ることのできる信号機の基準の中に、歩行者、自転車とともに遠隔操作型小型車を加えるというものです。自動配送ロボットは車体の安全基準を行政が審査する仕組みもなく、運行も許可制ではなく届出制となっています。
 現在の技術水準で歩行者との衝突など起こらないとはいえず、また、遠隔操作であるためにトラブルへの即時対応もできません。運行の安全性が担保されているとはいい切れません。
 この条例を改定しなければ、遠隔操作型小型車は歩車分離型信号機を渡ることはできませんが、普通の信号機を渡ることはできます。スクランブル交差点のような歩行者が入り乱れて行き交う交差点で、歩行者の安全を第一に考えれば、このような歩車分離型信号機での遠隔操作型小型車の運行は見送るべきだと思います。
 したがって、日本共産党は、本条例の改正に反対をいたします。
 以上です。

○高倉委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第七十二号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高倉委員長 起立多数と認めます。よって、第七十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第七十号議案、第七十一号議案及び第七十三号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認めます。よって、第七十号議案、第七十一号議案及び第七十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高倉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○高倉委員長 この際、両庁を代表いたしまして、警視庁若田総務部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○若田警視庁総務部長 警視庁並びに東京消防庁を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の議案につきましてご決定をいただき、誠にありがとうございました。
 私どもは、委員の皆様方から賜りました貴重なご意見を、今後の業務運営に十分に反映させますとともに、組織の総合力を発揮して、都民の皆様の安全・安心の確保に向けた各種治安対策、防災対策に全力を尽くしてまいります。
 皆様方には、今後とも両庁に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして挨拶とさせていただきます。大変ありがとうございました。

○高倉委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十六分散会

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