警察・消防委員会速記録第十一号

令和四年十一月二十八日(月曜日)
第十二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長高倉 良生君
副委員長山口  拓君
副委員長増子ひろき君
理事東村 邦浩君
理事宇田川聡史君
理事小山くにひこ君
田の上いくこ君
とくとめ道信君
中嶋 義雄君
三宅しげき君
高島なおき君
尾崎 大介君
酒井 大史君
和泉なおみ君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監小島 裕史君
総務部長若田  英君
交通部長今村  剛君
地域部長大嶽 裕保君
公安部長片倉 秀樹君
生活安全部長青山 彩子君
総務部参事官企画課長事務取扱高口 雅人君
総務部会計課長長坂 雄太君
東京消防庁消防総監清水 洋文君
次長吉田 義実君
企画調整部長岡本  透君
人事部長川田  進君
警防部長市川 博三君
防災部長福永 輝繁君
救急部長門倉  徹君
企画調整部財務課長浅見 匡哉君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(質疑)
陳情の審査
(1)四第五三号 ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正を求める意見書の提出に関する陳情
(2)四第六〇号 刑法第百七十五条の廃止を求める意見書の提出に関する陳情
東京消防庁関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例

○高倉委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業に対する質疑及び東京消防庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに警視庁関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、事務事業につきましては質疑を終了まで行い、提出予定案件につきましては説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、警視総監から紹介があります。

○小島警視総監 前回の委員会に所用のため欠席させていただきました当庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 公安部長片倉秀樹でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○高倉委員長 紹介は終わりました。

○高倉委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○若田総務部長 去る十一月一日に当委員会から要求のありました信号機設置予算と実績の推移、信号機設置数、音響式信号機関連予算等、信号機用非常用電源設備設置数の推移、信号機のない交差点における交通事故件数の推移、音響式信号機及び音響時間を制限していない音響式信号機数の推移、年齢階層別交通事故件数の推移、七十歳以上の運転免許保有者数及び自主返納者数の推移、いわゆる迷惑防止条例改正後における改正部分に係る検挙件数及び検挙人員、痴漢、変質者の出没に関する相談件数及びいわゆる迷惑防止条例第五条第一項に関する検挙件数、JKビジネス等に関する相談件数及びJKビジネスに起因した犯罪の検挙件数、東京都青少年の健全な育成に関する条例青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止違反検挙件数及びいわゆる児童ポルノ法違反検挙件数、検挙した、いわゆる迷惑防止条例第五条第一項違反の発生時間帯のうち、上位四時間帯とその件数、盗撮の検挙件数、不良行為少年の補導人員、当庁で取り扱った変死体の中でのコロナ感染者の月別件数、自転車が関与する交通人身事故件数の推移、自転車の交通違反取締り件数の推移、電動キックボードの交通違反取締り件数、サイバー犯罪の検挙状況、当庁の男女別、区分別職員数につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 よろしくお願いいたします。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○とくとめ委員 それでは、事務事業の質問をさせていただきます。
 日本共産党のとくとめ道信です。たくさんの資料要求の提出をいただき、ありがとうございました。
 今日、質問で触れたい中心問題は、今年の一月二十八日の警察庁の通達の内容について、その中心に関わって質問をさせてもらいます。
 私は、都議になる前から、長年の自転車利用の中で学んだ安心・安全の自転車利用の経験を踏まえて、多くの環境改善についての質問や提案をさせていただきました。その点からも、今回の警察庁通達の内容は、自転車を利用、活用する人や、その環境改善のために仕事に当たる人にとっても、重要な教訓が含まれていると思っています。
 その重要な一つに、自転車の役割に触れています。自転車は、幼児から高齢者まで幅広い層が多様な用途で利用する国民の身近な交通手段であり、環境負荷の低減、災害時における交通機関の維持、健康増進等にも資するものとして注目されているほか、新型コロナウイルス感染症の影響による国民のライフスタイルや交通行動の変化に伴い、通勤通学や配達を目的とする自転車利用のニーズが高まっていると述べています。
 このことを踏まえて、通達の目的を、良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策のさらなる推進と紹介をしております。この内容を本気になって受け止めて、東京の良好な自転車交通秩序の実現に取り組むべきだと思っております。
 私は、東京都民の自転車利用の安心・安全対策をどうしたら実現できるのかとネットで調べる中で、この警察庁の通達の存在を知り、重要な方針が含まれていると理解をいたしました。これを踏まえて、今日は、自転車の利用、活用をする人の安全・安心と同時に、多数の都民の安心・安全に関わる問題として、ぜひ積極的に警視庁が取組を進めていただきたいということをまず最初に述べていきたいと思います。
 今、東京では、自転車が関わった昨年の事故件数は、交通事故件数全体の中で四三・六%に当たる一万二千三十五件です。さらに、昨年の九月末から今年の九月末までの自転車事故数は五千五百七件で、昨年のテンポを上回っているそうです。
 そこで、警視庁に伺います。この警察庁通達を受けて、本年以降の警視庁の取組状況について伺いたいと思います。

○今村交通部長 都内では、交通人身事故総数に占める自転車関与事故が四割を超えるなど高い割合で推移していることから、自転車利用者の交通ルール遵守や安全な通行空間の整備が求められていると認識しております。
 そのため、警視庁では、警察庁の通達に推進すべき事項として掲げられております自転車通行空間の整備、交通安全教育や広報啓発の推進、交通指導取締りの強化を三つの柱として、総合的な対策を推進しております。

○とくとめ委員 警視庁では、各道路管理者が自転車通行空間の管理整備計画を作成し、事業を推進するに当たり、関係機関が参加する連絡協議会等において、安全に自転車が通行できる幅員を確保するための道路空間の再配分や、その連続性に配慮した整備区間の選定などに関して必要な要請をしてまいりましたと−−ちょっと順番を間違えました。ごめんなさい。順番を間違えまして、すみません。
 警察庁の通達の中では、自転車通行空間の整備について、道路管理者が作成する自転車通行空間の整備に関する計画に交通管理上の必要な意見が反映されるよう積極的に協議を行うなど、自転車道や自転車専用通行帯の整備を働きかけるよう示されていますが、警視庁の取組について伺います。

○今村交通部長 警視庁では、道路管理者が自転車通行空間の整備計画を作成し、事業を推進するに当たり、関係機関が参加する連絡協議会等におきまして、安全に自転車が通行できる幅員を確保するための道路空間の再配分や、連続性に配意した整備区間の選定などに関して必要な要請をしております。

○とくとめ委員 警視庁では、各道路管理者が自転車通行空間の整備計画を作成して事業を推進するに当たり、関係機関が参加する連絡協議会等において、安全に自転車が通行できる幅員を確保するための道路空間の再配分や、その連続性に配慮した整備区間の選定などに関して必要な要請をしてきたということでした。
 私は、長年の自転車利用の中で大変心配しているのは、安心して通行できる幅員に車道の左側や歩道がなっているのかどうか、本当に安全に道路空間の再配分が連続性に配慮しながらやられているのかどうか。例えば、道路に示されている交通安全の標示などは、多くの歩道などでは示されていませんし、車道の上にもそういう交通標示がないところがたくさんあります。最近は、その交通標示の上に車が乗って走っているために、どんどん消えてなくなっているという状況にもなっております。
 そういう中で、ルールを守るようにいうということは、当事者からすると大変心配な状況だと私は思います。警察庁の通達の報告に従って、命や安全の問題として、この幅員や道路空間の再配分、そして道路の連続性の問題などに真剣に取り組んでほしいと要望しておきます。
 警察庁の通達には、自転車指導啓発重点地区路線を中心とした指導取締りを促進するよう指摘をされています。
 そこで、警視庁ではどのような場所を重点地区に指定しているのかについて伺います。

○今村交通部長 自転車指導啓発重点地区路線の選定に当たりましては、各警察署において、事故の発生状況、交通ルールの遵守状況、地域住民の要望等、地域における自転車交通の実態を適切に踏まえた上で、対策が必要な地区路線を選定することとしており、本年は百十四か所の地区路線を選定しております。

○とくとめ委員 私も、都内の指定されている百十四か所の自転車指導啓発重点地区路線の幾つかを自転車で視察してまいりました。事故発生の原因となるポイントへの警察官の配置をもっと目立つようにして多くの皆さんが関心を持つようにする、それが大事ではないか、また、事故発生の抑止にもつながるのではないかと思いました。ぜひ警察官の皆さん方が、多くの市民から見て交通安全のために頑張っているという、そういう姿が実感できるような体制強化をお願いしたいと思います。
 先日、全都の町会長連合会の会長の皆さんから、来年度予算の要望を受ける機会がありました。そのときに会長さんから要望があったのは、事故も増えている電動キックボードの利用マナーの周知と厳しい取締りの要望を受けました。
 また、私が参加する全国組織の自転車活用研究会のメンバーにも聞きました。そうしたら、自転車用の通行のナビラインやナビマークの場所を、一緒にこの電動キックボードが通行するのは危険ではないかという意見を述べておられました。
 キックボードの交通違反取締りの件数は、資料要求の十九番目で紹介されているように、昨年が僅か十二件だったのに、今年の九月末までの暫定値で明らかにされているこの取締り件数は、百三倍の千百三十七件に上っております。
 先月の日経新聞にも、ヘルメットをかぶっていないキックボードに乗った方が、転倒して頭を打って死亡したという報道もありました。こういう死亡事故も広がっております。
 こうした電動キックボードに対する警視庁の安全対策と取締りの現状について伺います。

○今村交通部長 警視庁では、電動キックボードの利用者による交通事故を防止するために、各種キャンペーンや警視庁ホームページ等を活用し、電動キックボードの利用者等に対して交通ルールの遵守に向けた広報啓発を推進しておりますほか、街頭における指導取締りを強化しているところであります。

○とくとめ委員 最近の日経新聞の記事でも、先ほど紹介したように、電動キックボードによる死亡事故が大きく報道されています。
 そこで、自転車の安心・安全の確保には、自転車利用に関係する各機関、関係者との連携が不可欠でありますが、警視庁は、こういう各機関、各団体との連携をどのように図っているんでしょうか、伺います。

○今村交通部長 警視庁では、先ほど申し上げました道路管理者との連携のほかに、小中学校等と連携した実技指導を含む交通安全教室の開催や、フードデリバリー事業者と連携した配達員に対する講習会などを行っております。
 今後も、関係機関、団体等に対しまして必要な情報共有や支援などを行い、連携を強化することにより、自転車による交通事故の防止に努めてまいります。

○とくとめ委員 警察庁の通達にも明記された自転車の安心・安全の確保について、各分野の関係部門との協力、協働、連携を強調しています。東京には八百万を超える自転車愛好者がいます。そういう中で、自転車利用者の安心・安全の確保は、警視庁職員をはじめ都庁の建設局、生活文化局などの都の職員、小中高校の学校教育関係者、自転車販売業者の皆さん、交通ボランティアなどのハードとソフト分野の多数の集団的な協力、協働が不可欠だと思います。
 今年の一月の警察庁通達には、自転車の安心・安全対策に生かすべき反省や改善の内容が数多く記載されています。これらを先送りせずに、しっかり活用して、自転車事故を最小限にしていくことは、都民の命と安全を守る警視庁の使命、役割だと思います。このことを最後に強調して、質問を終わらせていただきます。

○和泉委員 日本共産党の和泉なおみです。
 私は今日、職務質問、とりわけレイシャルプロファイリング、このことについて質問したいと思います。
 まず初めに、職務質問ですけれども、職務質問とは、どういう場合にどのような判断に基づいて行われるものなんでしょうか。

○大嶽地域部長 警察官による職務質問は、警察官職務執行法第二条に基づき、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者等に対して行われるものであります。

○和泉委員 この職務質問に関して、我が党の議員が昨年三月のこの警察・消防委員会で質疑を行っています。
 その際に警視庁は、職務質問を適正に行うための取組として、採用時の初任教養や警察署への巡回指導をはじめ、あらゆる機会を通じて指導教養を行っております、今後も警察官職務執行法に基づき、適正かつ公平中正に職務質問を実施するため、先ほどお答えした指導教養を徹底してまいりますと、何度か同じ答弁、繰り返されました。
 その後ですけれども、十二月にアメリカ大使館が、レイシャルプロファイリングが疑われる事案で外国人が日本の警察から職務質問を受けたという報告がありました、数名が拘束され、職務質問や所持品検査をされています、拘束された場合は領事館への連絡を要請してくださいと、日本で暮らすアメリカ人に公式ツイッターでこう呼びかけました。
 レイシャルプロファイリングとは、警察などの法執行機関が、人種や肌の色、国籍や言語、宗教といった特定の属性であることを根拠に、個人を捜査活動の対象とする、または個人が犯罪行動に関わったかどうかを判断することとされています。
 伺いますが、警察官が外国にルーツを持つ人に対して行う職務質問は、どのような根拠に基づいて行われるんでしょうか。

○大嶽地域部長 警察官による職務質問は、先ほど申し上げたとおり、警察官職務執行法第二条に基づき、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者等に対して行われるものであります。

○和泉委員 先ほどと同じ答弁を繰り返されましたので、つまり日本人であるか外国人であるかを問わず、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由がある者に対して行うものだということです。
 答弁にありました警察官職務執行法第二条ですが、その第三項には、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、またはその意に反して警察署、派出所もしくは駐在所に連行され、もしくは答弁を強要されることはないとも規定しています。これらの点を踏まえて伺っていきます。
 今年一月に東京弁護士会が行った、外国にルーツを持つ人に対する職務質問に関するアンケート調査最終報告書が九月に発表されましたが、警察官が最初から外国ルーツを持つ人であることを認識して回答者に声をかけてきた、そう感じている人が八五・四%に上っていました。このことを警視庁はどのように受け止めているでしょうか。

○大嶽地域部長 外部の団体が行った調査の個別の内容にお答えすることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、警察官による職務質問は、法律の規定にのっとって適正に行われるべきものであると考えております。

○和泉委員 法律の規定にのっとって適正に行われるべきものとのご答弁ですけれども、この調査報告書を見る限り、果たしてそうなっているかということに疑念を抱かざるを得ない内容です。
 話しかけられてすぐに在留カードの提示を求められた人は五六・四%。すぐに在留カードを提示させる理由はどういったことでしょうか。

○大嶽地域部長 一般論として申し上げますと、警察官職務執行法第二条に基づき職務質問を行うに当たり、外国人に限らず、身分確認を行うために身分証の提示を求めることがあります。
 なお、入管法上、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官その他法務省令で定める国または地方公共団体の職員が、その職務の遂行に当たり、中長期滞在者である外国人に対し在留カードの提示を求めることができることとされております。

○和泉委員 今、身分証の提示を求めることがある、身分証の提示を求めることができる、そのようなご回答でしたけれども、話しかけられてすぐに在留カードの提示を求められている人が半数以上いるんです。提示を求めることがあるという程度のものではありません。
 そして、選択式だけではなく記述式にも、この調査報告書、具体的な中身がいろいろ書き込まれているんですが、任意であるにもかかわらず事実上は断らせてくれない。敷地から十歩も離れていない自宅のごみ箱で声をかけられ、在留カードを所持していないからと交番まで連行され、三、四時間かけて体を触られ、指紋を取られ、経緯を質問された後、パスポートのコピーが必要とのことで、警察車両で自宅まで行って、自宅やパスポート、自分の顔の写真を二、三十枚撮影された。時間がないとき断っても絶対警察は解放してくれず、荷物チェックが終わるまで、その場から立ち去らないので受けざるを得ない。怪しいと思う人には声をかけているといわれたが、なぜ怪しいと思うかは教えてもらったことがない。
 親戚から借りた自転車に乗っていた人は、盗難自転車と疑われ、その照会に時間がかかっている間じゅう、執拗に個人情報や経歴を開示させられ、外国籍なので細かく調べているといわれました。
 中には、見ただけで、薬などを持っているのではと疑われた。終始乱暴で失礼な態度で、いきなりズボンを脱がされ下のものを見られた。侮辱的だし差別的、とても心が傷ついた。何も持っていないのを確認したら、謝りもせず脱がせたまま立ち去っていった。本当に失礼だし、警察官としてあり得ないなど、警察官の侮辱的で失礼な態度に対する記述も数多く見られます。
 もちろん、これらが全て警視庁管内で起こっているとはいえません。しかし、警視庁管内で一件も発生していないとは決していえない数字なんです。
 国連人種差別撤廃委員会は、レイシャルプロファイリングは、行動を通じて、または恣意的な職務質問、捜索、身元確認、捜査及び逮捕などの行為を通じて行われるとしています。
 東京弁護士会が行った、外国にルーツを持つ人に対する職務質問に関するアンケート調査最終報告書、ここには過去五年間で職務質問を受けたと答えた千三百十八人のうち、都道府県別に見ると都内で職務質問された件数が最も多く、七百三十七件に上っています。
 これは、東京においてもレイシャルプロファイリングが発生していることを示していると思いますが、警視庁の見解を伺います。

○大嶽地域部長 一般論として申し上げれば、警察官による職務質問は、法律の規定にのっとって適正に行われるべきものであると考えております。
 なお、警視庁では、人種、国籍等に対する偏見や差別等の誤解を受けることのないよう、また、法に基づいて適正かつ的確に職務質問が行われるよう、必要な指導教養を徹底しております。

○和泉委員 警視庁は、昨年三月十二日付職質指導班だよりという内部文書、これはメディアに対して、メディアの公開請求、開示請求で提出されたものですけれども、この内部文書で、職質対象者を、容姿や服装など外見だけで選別していませんか、不用意な言動はトラブルのもとですと、職員に注意喚起を呼びかけています。そして、安易に外見のみで職務質問を実施した場合、差別を受けたなどの抗議を受ける場合があり、大きな社会問題に発展する可能性がありますと書いています。
 しかし、先ほど来繰り返し答弁されているとおり、職務質問は、法にのっとって適正に行われるべきもの、つまり異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者に対して行われるものであるとすれば、外見のみで職務質問を実施することは、抗議を受ける受けない以前に、適正ではないということになります。法にのっとった職務質問をしっかりと指導徹底する必要があるんじゃないでしょうか。
 レイシャルプロファイリングの防止のための研修や職務質問及び捜索の実務に関するガイドラインの作成などの対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○大嶽地域部長 警察官による職務質問は、警察官職務執行法第二条に基づき行われるものであります。職務質問の要件はこれに尽きており、職務執行に当たっては、法律の規定にのっとって、人権に配慮した適正なものとなるよう、警察官に対する教育を平素から繰り返し徹底しているところであります。

○和泉委員 現場への教育の徹底をぜひともお願いしたいというふうに思っているんですが、それがないとどういうことになるか。
 国連人種差別撤廃委員会が二〇二〇年に出した一般的勧告の中では、差別的な法執行対応の対象にされたと感じる人々は、法執行をそれまでよりも信頼しなくなる傾向にあり、その結果として協力する意欲も弱まる傾向にあることから、法執行の実効性が制限される可能性があると指摘しています。
 レイシャルプロファイリングによって不当な仕打ちを受けたという感覚及び屈辱感、法執行への信頼の喪失、二次被害化、報復に対するおそれ並びに法的権利または援助に関する情報へのアクセスの制限は、犯罪の通報の減少及び情報分析目的の情報の減少につながる可能性があるということなんです。
 すなわち、皆さんが適正に警察活動をしようとしている、そのこと自体が阻害される可能性を含んでいるということなんです。職務質問によって嫌な思いをすると、警察に対する信頼を失い、何かあっても警察に相談できなかったり、犯罪の通報や情報提供ができない状況につながると、こういうことです。
 今年三月の参議院内閣委員会では、レイシャルプロファイリングに関して聞かれた国家公安委員会委員長は、全国的にどういうことなのかということもこれから調査をしていかなければならないと述べ、その後、四月に警察庁が内部調査に乗り出したことも報じられています。
 日本人、外国人を問わず、東京が、住む人、訪れる人、全ての人にとって安心で安全なまちであるために、現場で働く警視庁の皆さんは日々努力されていることを私も承知しています。だからこそ、一人一人の人権を尊重し、人種や国籍などに対する差別的な職務質問、不適切な職務質問で、警視庁の信頼を失ってほしくないと思います。
 都民の信頼と期待にふさわしい警察活動を徹底していただくことを強く求めて、質疑を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○高倉委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情四第五三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○青山生活安全部長 陳情四第五三号についてご説明いたします。
 本陳情の要旨は、ストーカー行為等の規制等に関する法律において規定する「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」の削除、規制対象行為の拡大及び罰則の引上げについて、国に意見書を提出するよう求めるものであります。
 当庁では、ストーカー事案に対し、同法をはじめとするあらゆる法令を駆使して加害者を検挙するなど、迅速的確に対応しており、今後も被害者等の安全確保を最優先とした事態対処に万全を期してまいります。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○和泉委員 意見を述べます。
 ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正を求める意見書の提出に関する陳情ですが、本陳情は、集団ストーカー犯罪を重大な犯罪として位置づける、これが全体の基調となっています。
 現在、被害者などから、ストーカー規制法については様々な問題提起がありますが、その議論とも性質を異にしています。
 集団ストーカー犯罪なるものが果たして存在するのか否かについては疑問が残るところであり、そのような状況下で、付きまといの行為の対象を広げ、重罰化することは賛同できません。
 したがって、本陳情に対しては、不採択とする意見を表明いたします。

○田の上委員 ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正を求める意見書の提出に関する陳情について申し上げます。
 ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)が不十分であることは、二〇二一年の法改正時の第二百四回国会閣法第四十一号附帯決議でも指摘されています。
 二〇二一年のストーカー規制法の改正は、GPSを使用した監視行為は、ストーカー規制法の定める付きまとい行為に当たらないという二〇二〇年七月の最高裁判決が契機となり、いわば応急処置的な対応として行われたものです。
 しかし、判決や甚大な被害が発生してから法改正をするのではなく、付きまとい等の定義が限定的で、ストーカー被害者の保護の観点から不十分であること及び加害者の治療義務化などストーカー行為者に対する再犯防止対策が不十分であることなど、加害や被害の実態に即した効果的な法改正が早急に必要であると考えます。
 都民から負託を受けた都議は、賛成、反対の意思表示を都民の前に明らかにするべきと考えます。現行の都議会の申合せにより、陳情全体の趣旨を鑑み、趣旨採択で意見を表明いたしますが、陳情請願で項ごとに議論が一致しないものは、必要に応じて項ごとに採決をするべきです。今後は、都議会での必要な場での見直しの検討をするべきであるということも申し添え、以下、項別の意見を申し上げます。
 現行法は、犯罪構成要件に特定の目的を明記しているものですが、ストーカーの現状に鑑みれば、ストーカーを目的犯とする合理性がないことから、一項の(1)は採択すべきです。
 ストーカーの行為類型にどのような行為を列挙するかは検討の余地が大きいところですが、陳情で列挙された類型は一応の妥当性があり、否定する必要もないため、(2)も採択すべきです。
 ただし、具体的な法律改正条文については、被害者の意見を聞き、専門的検討を行って整理すべきであり、この改正条文案に固執すべきではないと考えます。
 また、二項から四項の刑罰の軽重は、刑罰全体の均衡を考えて判断すべき事項であり、安易に判断すべきことではないため、本来であれば不採択にしたいと考えます。
 以上を勘案し、趣旨採択を表明いたします。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高倉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第五三号は不採択と決定いたしました。

○高倉委員長 次に、陳情四第六〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○青山生活安全部長 陳情四第六〇号についてご説明いたします。
 本陳情の要旨は、わいせつ物頒布等の行為を規制する刑法第百七十五条が、憲法が保障する表現の自由を無根拠に制限するものであり、憲法第二十一条に違反する旨を主張した上で、地方自治法第九十九条を根拠とする刑法第百七十五条の削除を求める意見書の提出を東京都議会に要望するものであります。
 当庁では、刑法第百七十五条を含む、いわゆるわいせつ事犯の取締りについて、憲法の保障する表現の自由の干渉にわたることのないよう、事案処理の適正を期しているところであります。
 引き続き、法に基づいて適切に取締りを徹底してまいります。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○田の上委員 刑法第百七十五条の廃止を求める意見書の提出に関する陳情について意見を申し上げます。
 刑法百七十五条に関しては、これまでも憲法で保障された表現の自由との関係から、廃止を求める意見が一定数あるものと認識しております。
 わいせつの定義は、最高裁によるチャタレー事件などの判決に見られ、一、いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、二、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、三、善良な性的道義概念に反するものをいうとされています。
 刑法第百七十五条に限らず、刑法の第二十二章、わいせつ、強制性交等及び重婚の罪では、わいせつという要件が重要であり、このわいせつ性は、裁判官の評価活動を待って初めて確定できる規範的構成要素の典型であり、善良な性的道義概念に反するかどうかは、社会通念に照らして客観的に判断されることになります。
 わいせつの頒布または公然陳列により、我が国における健全な社会生活にいかなる悪影響があるか、また、青少年にとって有害であるかについての実証的研究が極めて少ないことは事実です。また、わいせつの規範と表現の自由を鑑みながら作品に取り組むクリエーターの難しさも理解するものです。
 しかし、そのことをもって、わいせつという規範的概念と、表現、学問に自由権、特に科学作品や芸術作品とを調和させてきた最高裁判決の積み重ねを否定し、クリエーターの自由な表現を保障するために刑法第百七十五条を廃止するということは論理的ではなく、むしろ社会通念の変化に合わせて規範の内容を合致させていくことが適切であることから、反対を表明するものです。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第六〇号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で警視庁関係を終わります。

○高倉委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○吉田次長 過日の委員会で要求のございました資料につきましては、お手元の警察・消防委員会要求資料のとおりでございます。
 内訳といたしましては、救急搬送人員の推移、休職者等の推移とその内訳、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得した職員数、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得し、その後、復職した職員数、定年退職以外の退職者数と退職理由、ハラスメント相談件数の推移、時間外労働時間の推移、年次有給休暇取得日数の推移、男女別育児休業者数の推移、不搬送件数の月次推移と内訳、熱中症の搬送件数、消防庁の職種別男女職員数の計十二点でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○和泉委員 日本共産党の和泉なおみです。
 初めに、パワハラ対策について伺います。
 私は、三月十五日の委員会質疑で、パワハラをしたと一方的に服務監察課から呼び出され、厳しい聴取を受けて体調を壊し、長期休職をした職員への対応の問題を取り上げました。
 当時、消防庁は、この件を関知していないと答弁をされましたけれども、この件は八王子消防署の由木分署の案件で、令和元年度に調停を申し立てられたものです。
 この案件について、東京消防庁はどのような対応を行ったのか伺います。

○川田人事部長 ご指摘の八王子消防署の案件に対しましては、事実の真相を究明し、再発防止を図るため、監察官等が、事案の発生した所属において服務違反が疑われる職員、被害申告をした職員、周囲で勤務していた職員等に対し事実確認を行いました。
 なお、本件は、厳正な服務規律を確保するため、東京消防庁監察規程に基づき適切に行ったものと考えております。

○和泉委員 研修などで周知しているということです。
 この八王子の案件ですけれども、通報者が特定できない匿名の投書に基づいて、行為者と行為を受けていた本人が呼び出されて、服務監察課から厳しい聴取を受けました。
 三月の委員会質疑では、告発は直接申告することを周知していると答弁されています。パワハラの匿名告発について、実名による告発を原則とする扱いについては、その後、さらなる周知徹底は行われたのでしょうか。行われたのであれば、どのように行われたか、これについても併せて伺います。

○川田人事部長 パワハラの申告につきましては、原則として監督系列等に従って直接申告することを、各種研修等のハラスメントに関する教育において周知しております。

○和泉委員 ハラスメントへの対応で大事なことは、パワーハラスメントを生まないための職場環境づくりの取組と、起こった場合の迅速で的確な対応です。
 職場内相談窓口での対応が困難な場合や、当事者それぞれの主張する事実に差異がある場合など、必要があれば中立的、専門的な第三者機関の力を借りることも考慮していると三月にはお答えになっていましたけれども、中立的な第三者機関に紛争処理を委ねるなどの適切な対応について、今年度の実施状況はどのようになっているでしょうか。

○川田人事部長 事実確認につきましては、公正、公平性を基本とし、当事者からだけでなく、第三者からの客観的な視点による確認も行っております。
 なお、これまでに第三者機関に紛争処理を委ねた事案はございませんが、引き続き、必要がある場合には考慮してまいります。

○和泉委員 ハラスメントの場合には、当事者同士を違う職場に異動させるなどの対応がどうしても必要になってくる場合があります。これは所属長だけでできるものではなく、本庁が判断し、適切な対応を取ることが求められているというふうに思いますが、実際にそのような対応が行われているか、行われているのであれば、その件数についても併せて伺います。

○川田人事部長 人事的な配慮の必要が認められる場合は、違う消防署に異動させるなど、速やかに対応しております。
 なお、ハラスメントに伴う懲戒処分に係る人事異動は、過去五年間で六件でございます。

○和泉委員 実際に人事異動が行われたのが過去五年間で六件あるということですけれども、この八王子の案件では、異動を希望したのに、復職時に元の職場に戻されています。幸いなことに、現在は職場の上司、同僚を含めよく理解してくれて、ご本人は元気に働き続けています。
 休職を余儀なくされるほど精神的にかなり大変な状況、これをご本人が乗り越えて、職場環境の改善のために強い気持ちで頑張っていることを職場の皆さんが応援し支えていることを、パワーハラスメントを生まない職場環境づくりのためにも、消防庁はぜひ教訓にしていただきたいと思います。
 と同時に、個々のハラスメント案件について、どのような対応が求められているのかを現場任せにしないということが重要です。各所属長から随時丁寧に状況を聞き取り、適切な対応のために、消防庁がしっかりグリップを握って解決のために最善を尽くす、その姿勢をぜひ現場に見せていただきたいと思います。
 要求資料3によれば、精神疾患を理由として三十日以上病気休暇を取得した職員数が、令和三年度は六十件と前年四十件の一・五倍、そして今年度はもう既に四十八件。今の状況で推移すると、令和三年度よりもさらに増える見込みです。
 どのような原因か、消防庁は把握しているんでしょうか。また、そのうちハラスメントによるものの実数を把握しているんでしょうか。把握しているのであれば、その数についても併せて伺います。

○川田人事部長 精神疾患は様々な要因が複合する中で発生するものであることから、令和三年度において、病気休暇の取得者が増加している直接的な原因について特定することは困難でございます。
 また、ハラスメントに関連した精神疾患は確認されておりません。

○和泉委員 これほど精神疾患が大幅に増えている状況下で、精神疾患についての原因が特定できていないということは、仕事に起因する精神疾患、つまり公務災害による精神疾患はないということでしょうか。仕事に起因する精神疾患の発症が潜在化している、そういう懸念はないんでしょうか。
 例えば、精神疾患がどのような職種に多く発生しているかなどの傾向をつかむ努力も必要じゃないでしょうか。療養期間が明けて職場に復帰した職員が、再発することなく健康に働き続けるためにも、精神疾患の原因に基づいて適切に対応することが必要です。
 消防庁として、精神疾患事例の原因について調査を行うべきだと思いますが、消防庁の見解を伺います。

○川田人事部長 精神疾患罹患の発生原因を当庁において特定することは困難でございますが、担当医師の診断等に基づき、適切に対応を行っております。
 なお、全職員に対してストレスチェックを実施し、その原因、自覚症状等を確認することにより、職員本人のストレスへの気づきを促すなど、職員のメンタルヘルス不調の未然防止を図っております。

○和泉委員 個別の一つ一つの対策はもちろん重要だというふうに思います。都民の命、財産を守るという使命を負っている皆さんには、通常でも相当なストレスがかかります。さらに、コロナ禍で職場の中での感染予防のため、職員同士のコミュニケーションが不足したり、訓練や研修が十分にできないなど、様々な困難を抱えていることと思います。
 現場で働く皆さんが元気でこそ、都民の安心・安全が守られるわけですから、消防庁は全力で職員の健康を守るための取組を行い、都民の安全を支えていただきたいというふうに思います。
 続いて、消防団の装備について伺います。
 今年度、消防団には、知事から、大規模地震発生時における特別区消防団の消火活動能力を向上させる方策はいかにあるべきかとの諮問が出されています。
 アンケートでは様々な課題が浮き彫りになっていますが、中でも、団員の高齢化に伴う負担軽減や資機材の強力化が求められています。
 消防庁における検討状況について伺います。

○福永防災部長 現在審議されている特別区内の各消防団運営委員会からの答申内容を踏まえまして、災害現場で活動する消防団員の負担軽減等を含め、各種方策について検討してまいります。

○和泉委員 消防団員の確保が困難な状況が続いている中で、団員の高齢化も加わっている。消防団には、さらに、避難所への支援、水害時、震災時と、その活動に期待される分野が広がっています。負担軽減や資機材の軽量化は、高齢化だけではなく、女性団員を増やすという上でも、どんな消防団活動においても重要です。ぜひ答申に沿って検討していただくようお願いします。
 また、前々回の答申で機能別団員が新たに創設されましたが、確保状況はどうなっているかについて伺います。

○福永防災部長 機能別団員は、令和四年十一月一日現在、五百十七名が在団しており、住民への応急救護指導など、特定の任務に従事しております。

○和泉委員 機能別団員の確保は、団員の負担軽減や団員への移行を進める点で期待も大きいものがあるというふうに思いますが、一方で、日常訓練への参加の点などで、現場での指揮命令系統の徹底に対する不安も出されていました。引き続き、課題の抽出、改善に努めていただきたいと思います。
 水災時において消防団員が効果的に活動する方策はいかにあるべきか、この諮問に対して、各区消防団運営委員会から提出された答申はどのように生かされ、どのような予算がつけられてきたでしょうか、伺います。

○福永防災部長 特別区内の各消防団運営委員会からの答申内容を踏まえまして、今年度、浸水区域において安全かつ衛生的に活動するため胴付長靴を、また、分団本部施設における活動環境向上のため寝袋を各分団にそれぞれ整備いたしました。

○和泉委員 来年度の予算要求の中にも胴長靴入っていますし、フローティングストレーナーも整備の増強を求めていて、大変重要だというふうに思います。
 最後に、即応対処部隊について伺います。
 部隊が配置されたのは、葛飾区高砂一丁目にあります第七方面訓練場で、私も先日見学をさせていただきました。もちろん地元にあるからということもありますが、熱海の土砂災害に出動したときに大変な苦労をされていたことを、月刊誌の「東京消防」で読んだからです。
 いうまでもなく、即応対処部隊は、いち早く災害現場に出動して、現場を確認し、情報を取り、後から来る救助隊の活動を円滑にする役割を果たす部隊です。ですから、災害の現場が最もひどい状態のときに現地で活動する皆さんです。地元がまだ応援の受入れ態勢ができていない中で、シャワーなどを浴びることもできず、救助服に泥がついたまま寝起きせざるを得ず、部隊員の疲労も蓄積する中で緊張を強いられる作業がどれほど苛酷なものかを、これによって知りました。
 そこで伺いますが、即応対処部隊の活動における今後の課題、災害現場における部隊員の衛生確保について、どのような改善が行われてきたのか伺います。

○市川警防部長 ご指摘の災害現場では、手袋の隙間から土砂が流入するなど衛生確保に課題が生じました。このことから、活動服への土砂の流入を防ぐため、肘先までカバーできるゴム製の土砂災害用手袋を緊急に整備いたしました。
 また、先般、静岡県で実施された緊急消防援助隊全国合同訓練におきましては、宿営地に除染エリアを設けて、活動隊員の靴などの洗浄や衣類の着替えを行った後、クリーンエリアに入るなど、衛生確保に取り組みました。
 これらに加えまして、温水シャワーを備えた各種車両の活用を図るなど、今後も隊員の活動環境の改善に努めてまいります。

○和泉委員 即応対処部隊だからこそ求められているという資機材の装備増強があると思います。
 先日見学に伺った際にも、部隊員の皆さんがとても高い志を持って、任務に誇りを持って従事をしている様子が十分伝わってきました。即応対処部隊に限らず、現場で任務に当たる消防庁職員の皆さんがやりがいを持って仕事ができるよう、人員確保、資機材、装備の増強、体制の強化を改めて求めて、質疑を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○高倉委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○吉田次長 令和四年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております東京消防庁関係の案件は、条例案の一件でございます。
 お手元の資料をご覧ください。
 本案は、国分寺消防署が新庁舎完成に伴い、国分寺市本多から国分寺市泉町に移転いたしますことから、消防署の位置を定める本条例の一部を改正するものでございます。
 施行日は、令和五年二月十六日を予定しております。
 大変雑駁ではございますが、説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る