警察・消防委員会速記録第十号

令和二年十一月十二日(木曜日)
第十二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長石毛しげる君
副委員長中嶋 義雄君
副委員長大津ひろ子君
理事山口  拓君
理事吉原  修君
理事荒木ちはる君
星見てい子君
石川 良一君
橘  正剛君
東村 邦浩君
増子ひろき君
尾崎 大介君
秋田 一郎君
高島なおき君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監斉藤  実君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱
人身安全関連事案総合対策本部長事務取扱
オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部長事務取扱
サイバーセキュリティ対策本部長事務取扱
緒方 禎己君
総務部長白井 利明君
警務部長下田 隆文君
交通部長直江 利克君
警備部長森元 良幸君
地域部長後藤 友二君
公安部長迫田 裕治君
刑事部長渡邊 国佳君
生活安全部長小林 義明君
組織犯罪対策部長鎌田 徹郎君
総務部参事官企画課長事務取扱長島 秋夫君
総務部会計課長高口 雅人君
東京消防庁消防総監安藤 俊雄君
次長兼オリンピック・パラリンピック競技大会対策本部長事務取扱清水 洋文君
理事兼警防部長事務取扱柏木 修一君
企画調整部長吉田 義実君
総務部長山本  豊君
人事部長上田伸次郎君
防災部長森住 敏光君
救急部長岡本  透君
予防部長青木  浩君
装備部長石川 義彦君
企画調整部企画課長市川 博三君
企画調整部財務課長岩崎 隆浩君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(説明)
東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○石毛委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本件は、過日の委員会で理事会にご一任いただきましたが、協議の結果、ただいまご着席のとおりとなりましたので、ご了承願います。

○石毛委員長 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○斉藤警視総監 警視総監の斉藤でございます。
 本日は、新たな委員の皆様方によります最初の警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして、私から一言ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から警視庁の運営に多大なるご理解、ご協力を賜っておりまして、厚く御礼を申し上げます。今後、予算案を初め、条例案、請願陳情等、各種案件につきましてご審議を賜ることになります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 さて、都内の治安情勢であります。刑法犯認知件数については、昨年まで十七年連続で減少しておりますが、本年もこれまで減少傾向が継続をしておりまして、一定の成果が見られるといっていいのかと思ってございます。
 しかしながら、本年は、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、東京二〇二〇大会が延期となりましたほか、企業業績の悪化により仕事を失った方が全国で七万人を超えるなど、さまざまな分野に影響が出ておりまして、今後、治安への影響も懸念されるところでございます。
 警視庁といたしましては、いわゆるこのコロナ禍が治安に与える影響を敏感に察知をして、先手の対策を講じますとともに、延期となりました東京二〇二〇大会に向けた諸対策を初め、特殊詐欺対策など治安課題にも的確に対処して、世界一安全な都市東京の実現に向けて努力をしてまいりたいと考えてございます。
 どうか委員の皆様方には、今後とも私ども警視庁に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、引き続き、当庁の幹部職員をご紹介させていただきます。
 皆様から向かいまして中央から右でございます。副総監緒方禎己、警務部長下田隆文、警備部長森元良幸、公安部長迫田裕治、生活安全部長小林義明、企画課長長島秋夫、次に、中央から左でございます。総務部長白井利明、交通部長直江利克、地域部長後藤友二、刑事部長渡邊国佳、組織犯罪対策部長鎌田徹郎、会計課長高口雅人。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石毛委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○石毛委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○白井総務部長 警視庁の事務事業概要についてご説明いたします。
 初めに、警視庁の組織及び定員についてです。
 お配りしております資料第1の一ページから三ページまでをごらんいただければと思います。
 当庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、総務部を初めとする九つの部、警察学校、犯罪抑止対策本部を初めとする四つの対策本部、十の方面本部及び百二の警察署で構成されています。
 定員については、四ページでございますけれども、表のとおりでございます。四万六千五百八十一人となっています。
 今後も、必要な人的基盤を整備し、あらゆる事案に対処できる警察力を確保してまいります。
 続いて、各種警察活動の概要についてです。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の推進についてです。
 東京二〇二〇大会が一年延期となり、来年の大会は、ウイズコロナを踏まえた新しい生活様式のもとでの開催となることから、当庁では、感染症防止という点を踏まえて、これまでの諸対策の再検討を進めているところであります。
 また、最重要課題であるテロ対策や交通対策については、大会延期によって新たに生じた状況の変化を的確に見きわめた上で、着実に対応してまいります。
 このほか、当庁では、国内外から多くの方々の来訪が予想される盛り場での悪質な客引きや違法風俗店等の取り締まりを徹底するなど、環境浄化対策を推進しています。
 当庁では、本大会を安全かつ円滑に開催するとともに、都内を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を体感、実感していただけるよう、各種対策を集大成させる所存であります。
 第二は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 新型コロナウイルス感染症の蔓延は、東京二〇二〇大会の延期という事態を生じさせたほか、その脅威は社会全体にも深刻な影響を与えていると考えております。
 また、新しい生活様式の実践など、いわゆるコロナ禍による社会情勢の変容は、今後の治安情勢にも大きな影響を与えるおそれがあります。
 こうした情勢を踏まえ、当庁では、警視庁新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを策定し、各種警察活動時における感染防止策の徹底や、業務の維持、継続に向けた体制を事前に検討しておくことで、いざというときに治安維持に支障を来すことがないよう努めています。
 さらに、今後も変容していく社会情勢に的確に対応すべく、デジタルトランスフォーメーションの推進を初めとした当庁の基盤整備等に関する中長期的な戦略の策定にも着手しており、こうした取り組みを着実に進めることにより、治安責任を全うしてまいります。
 第三は、犯罪抑止総合対策の推進についてです。
 資料の五ページをごらんください。昨年における都内の刑法犯認知件数は、平成十五年以降十七年連続で減少し、戦後最少を記録しました。この傾向は本年も続いており、十月末現在の刑法犯認知件数は六万八千七百九十二件で、昨年同期比で約二一%減少するなど、各種対策の成果が着実に上がっています。
 当庁では、平穏な生活を脅かす犯罪の根絶に向け、引き続き、検挙と防犯の両面から犯罪抑止総合対策を推進してまいります。
 以下、主な対策についてご説明します。
 その一は、特殊詐欺対策の推進についてです。
 資料の六ページをごらんください。本年の特殊詐欺被害は、認知件数及び被害金額ともに昨年同期比で減少しているものの、犯罪手口別では、警察官などをかたり、カード等をすりかえて盗み取るキャッシュカード詐欺盗や、医療費の返還時に必要な手続を装い、ATMに誘導して口座から送金させる還付金詐欺が高水準で推移しているほか、本年に入り、自宅に訪問して、カードが不正に使用されているなどと申し向け、被害者の面前でカードに切れ込みを入れ、使用できなくなったものと誤信させてだまし取る新たな手口が増加するなど、依然として予断を許さない状況が続いています。
 こうした中、当庁では、実行犯はもとより、犯行グループの背後にいる暴力団等の取り締まりを中心に検挙対策を強化した結果、指定暴力団住吉会及び稲川会の組員らを検挙するなど、多くの成果を上げています。
 一方、被害防止対策については、留守番電話機能の常時設定により、犯人からの電話に出ないための物理的な対策や、SNS等を活用した広報啓発活動についても重点的に推進しています。
 当庁では、徹底した突き上げ捜査による中枢幹部の検挙やアジトの摘発等を集中的に行い、犯行グループの弱体化、さらには壊滅を図るとともに、関係機関と連携して特殊詐欺の根絶を期してまいります。
 加えて、最近では、特殊詐欺の犯行グループが関与していると見られる点検業者等を装った強盗事件が複数発生していることから、あらゆる警察活動を通じて、被疑者の検挙及び被害防止対策を推進しています。
 その二は、地域住民に寄り添う街頭警察活動の推進についてです。
 当庁では、地域住民の方々が安心して暮らせるよう、昼夜の別なくパトロール活動を展開しているほか、積極的な挨拶や声かけなど、地域住民の方々と接する機会を多く持つことにより、地域の安全・安心の醸成に努めています。
 また、コロナ禍によって地域住民の方々が感じている不安感を少しでも払拭するため、積極的な職務質問による各種犯罪の予防検挙や事件、事故等への迅速的確な対応など、積極果敢な警察活動を推進しています。
 当庁では、今後も地域密着を第一に心がけ、地域住民に寄り添う街頭警察活動を推進してまいります。
 その三は、犯罪の起きにくい社会づくりの推進についてです。
 当庁では、各地域における犯罪情勢を分析した上で、自治体等と協働し、犯罪の未然防止に向けた取り組みを推進しています。
 こうした取り組みの一環として、子供や女性に対する声かけ事案など、身近な犯罪の発生情報のほか、地域住民の方々が防犯カメラを設置したり、防犯ボランティア活動等に取り組む上で参考となる情報を、当庁独自の防犯アプリ、Digi Policeなどを活用して提供しています。
 引き続き、自治体を初めとする関係機関と連携し、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
 第四は、人身安全関連事案への的確な対応についてです。
 資料の六ページの一番下の表になりますが、本年十月末現在の都内におけるストーカー、DV事案に係る相談件数は、ストーカー事案一千七十一件、DV事案七千二百三十一件で、ともに昨年同期比で増加傾向にあります。
 また、児童虐待についても、十月末現在における児童相談所への通告人数が過去最多となるなど、人身安全関連事案を取り巻く情勢は極めて厳しい状況にあります。
 当庁では、ストーカー、DV事案を認知した際は、重大事件に発展する可能性があることを念頭に、あらゆる法令を適用して事件化するとともに、被害者等に対しては、人命の安全を最優先に考慮した上で、保護の徹底を図っています。特に、児童虐待事案を認知した際は、専門の警察官が児童の安全を直接確認するなど、一歩踏み込んだ警察活動を行うとともに、時期を失することなく児童相談所に通告するなど、最大限の措置を講じています。
 今後も、相談者や児童の安全確保を最優先とした人身安全関連事案への的確な対応に努めてまいります。
 第五は、交通事故防止対策の推進についてです。
 資料は八ページになります。十月末現在の都内における交通事故は、発生件数、負傷者数ともに昨年同期比で大幅に減少しています。その一方で、交通事故によって亡くなられた方は、昨年同期に比べ増加しており、特に、子供や高齢者に加え、二輪車ドライバーが犠牲となる事故が多く発生するなど、交通情勢は憂慮すべき状況にあります。
 当庁では、こうした状況を受け、通学路等における街頭配置や、主要幹線道路における二輪車を中心とした交通事故防止対策のほか、横断歩行者妨害違反等の悪質、危険な交通違反の指導取り締まりなどを強化しています。
 今後も、世界一の交通安全都市東京を目指してのスローガンのもと、交通事故実態等に即した各種対策を推進するとともに、都民一人一人の交通安全意識の高揚を図るなど、交通事故防止対策の徹底に努めてまいります。
 第六は、子供の安全確保に向けた取り組みの推進についてです。
 その一は、通学路等における子供の安全確保対策の推進についてです。
 昨年は、全国各地で子供が犯罪や交通事故に巻き込まれる事案が発生するなど、子供の安全をいかにして確保するかが、改めて地域社会の大きな課題となりました。
 当庁では、子供の安全を守るため、登下校時に見守り活動を行っている防犯ボランティア等と連携したパトロールを実施しているほか、教育委員会や自治体などによる防犯カメラの設置を促進するなど、防犯環境の向上に努めています。
 また、危険な事案に遭遇した場合の対処要領について、子供向けの動画を作成し、被害防止教室で活用しているほか、ユーチューブの警視庁公式チャンネルにおいて配信するなど、子供に対し、みずから危険を予測し、回避する能力を身につけてもらうための取り組みを推進しています。
 そのほか、子供を交通事故から守るための取り組みとして、道路管理者等と合同で、約七千四百施設の幼稚園、保育所等を対象とした散歩経路等の緊急点検を実施し、その結果に基づいて、横断歩道の補修や歩行者用信号機の青時間延長等の整備を進めています。
 当庁では、引き続き、関係機関と一層の連携を図りながら、子供の安全確保に資する諸対策を推進してまいります。
 その二は、少年少女を取り巻く有害環境を浄化する対策の推進についてです。
 少年少女がSNS等を介した福祉犯や性犯罪等の被害に遭う事案がいまだ後を絶ちません。
 当庁では、こうした被害を未然に防止するため、性被害につながるおそれのあるSNS上の不適切な書き込みに対し、個別に注意喚起文を書き込む対策を行い、必要に応じて保護、補導等を実施しているほか、各種法令を適用した福祉犯等の徹底した取り締まりを実施しています。
 当庁では、引き続き、学校を初めとする関係機関と連携し、少年少女を取り巻く有害環境の浄化に努めてまいります。
 第七は、テロ等不法事案の防圧検挙についてです。
 近年、世界各地では、テロ組織に加え、過激思想に影響を受けた、いわゆるホームグロウンテロリストによる車両や刃物等を使用したテロ事件や、法人がテロの被害に遭う事件が発生しており、我が国においても、世界各地において発生しているテロと同様の事案が発生する可能性があることを念頭に対策を講じる必要があります。
 当庁では、テロ関連情報の収集、分析はもとより、車両やドローン等を使用したテロに対応する資機材の充実強化及び各種訓練を通じた専門部隊の事態対処能力の向上を図っているほか、レンタカー事業者や爆発物の原料となり得る化学物質の販売事業者等との合同訓練の実施など、官民連携による取り組みも推進しています。
 今後も、テロ関連情報の収集、分析と的確な警戒警備を実施するとともに、テロ対策東京パートナーシップの枠組みを活用した官民一体の訓練等を通じて、危機意識の醸成及び協働対処体制の強化を図り、テロを許さない社会づくり、まちづくりを推進してまいります。
 第八は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進についてです。
 資料の一〇ページをごらんください。十月末現在におけるサイバー犯罪の検挙件数は九百八十八件で、昨年同期比で約一五%増加しています。
 最近では、電子決済サービスを悪用した不正な預金引き出しによる被害が多発したほか、複数の防衛関連企業が不正アクセスを受けた旨を相次いで公表するなど、さまざまなサイバー関連事案が発生しており、サイバー空間の脅威は深刻化しています。
 また、新しい生活様式の実践が求められる中、人々のコミュニケーション手段が非接触、非対面のオンラインへと移行するに伴い、サイバー関連事案がさらに増加することが懸念されます。
 当庁では、こうした情勢を踏まえ、サイバー関連事案の積極的な事件化に加え、民間事業者等を対象としたテレワークに対するサイバー攻撃への共同対処訓練など、官民が連携した被害防止対策も推進しています。
 当庁では、人的基盤の強化や官民連携による被害防止対策等を推進し、サイバー空間の安全・安心の確保に努めてまいります。
 第九は、災害警備諸対策の推進についてです。
 令和二年七月豪雨では、河川の氾濫や土砂崩れ等により、熊本県を初め全国各地で大規模な被害が発生しました。
 都内においても、昨年の令和元年東日本台風の通過に伴い一部河川が氾濫し、多数の住宅が浸水したほか、道路崩壊による集落の孤立などの被害が発生しており、今後も同様の被害発生が懸念されます。
 当庁では、震災や風水害等の大規模災害に対応するため、これまで国内で発生した災害の特性を踏まえた訓練を実施しているほか、土砂災害現場における二次被害を防止するシステムを整備するなど、安全確保にも配意しながら、職員の救出救助技能及び災害対応力の向上を図っています。
 今後も、関係防災機関や自主防災組織等との連携を一層強化し、首都直下地震はもとより、風水害を初めとする各種災害にも的確に対応してまいります。
 第十は、組織犯罪対策の推進についてです。
 その一は、暴力団総合対策についてです。
 暴力団情勢については、分裂した山口組の対立と見られる銃器等を使用した襲撃事件が全国で相次いでおり、十府県の各公安委員会において、六代目山口組と神戸山口組を特定抗争指定暴力団等に指定したほか、都内においても、暴力団同士のトラブルに起因すると見られる建造物損壊事件等が発生するなど、緊迫した状況にあります。
 また、暴力団は、みかじめ料の徴収や特殊詐欺事件への関与など、時代の変化に応じて多種多様な資金獲得犯罪を敢行しており、引き続き厳しく取り締まる必要があります。
 当庁では、こうした犯罪の徹底した取り締まりや、東京都暴力団排除条例を適用した事業者との関係遮断など、取り締まりと排除の両面から対策を推進した結果、十月末現在、千四百三十九人の暴力団員等を検挙しています。
 今後も、暴力団の弱体化、さらには壊滅に向けて、官民一体となった効果的な暴力団排除活動により、社会全体の暴力団排除機運のさらなる高揚を図るとともに、あらゆる法令を駆使した取り締まりを一層強化してまいります。
 その二は、国際組織犯罪総合対策についてです。
 外国人犯罪情勢については、不法残留や在留カードの偽造事犯が増加傾向にあるほか、一部の在留外国人らが既存の犯罪組織に影響され、不良集団化し、凶悪事件を敢行する事例も発生しています。
 当庁では、こうした犯罪の取り締まりのほか、東京出入国在留管理局等と連携した不法滞在者の取り締まりや、各種犯罪インフラ事犯等の検挙対策を推進するなどして、十月末現在、来日外国人被疑者二千五百二十八人を検挙しています。
 今後も、検挙対策はもとより、教育機関や事業主等に対する指導、啓発活動により、在留外国人コミュニティへの犯罪組織の浸透防止を図るなど、在留外国人の安全確保に向けた対策を推進してまいります。
 その三は、銃器、薬物対策についてです。
 銃器情勢については、全国各地において、暴力団員等によると見られる銃器発砲事案が相次いで発生しており、いまだ根絶には至らない厳しい状況にあります。
 こうした中、当庁では、暴力団事務所の家宅捜索を初めとした銃器事犯の取り締まりを徹底し、自宅内で拳銃を隠し持っていた暴力団員を検挙するなど、十月末現在、五十九丁の拳銃を押収しています。
 一方、薬物情勢については、特に大麻事犯における若年層の占める割合が昨年比で増加するなど、乱用の拡大が懸念されており、当庁では、密輸、密売事犯の摘発や末端乱用者の取り締まりを徹底し、十月末現在、一千八百四十二人を検挙、違法薬物約二十三キログラムを押収しています。
 今後も、銃器、薬物事犯のない社会の実現に向け、関係機関と連携、協働し、取り締まりと対策の両面から、銃器、薬物対策を推進してまいります。
 続いて、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてです。
 資料の一五ページをごらんください。警視庁の令和二年度予算は、歳入が五百三億一千百六十四万八千円、歳出が六千六百六十四億四千二百万円となっています。
 詳細については、お手元の資料第2のとおりとなります。
 次に、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてです。
 資料第1の一六ページ、一七ページをごらんください。本部等関係庁舎、警察署庁舎及び待機寮の整備計画については、記載のとおりであります。
 十分な耐震性を有していない庁舎については、耐震改修または建てかえを行っており、このほか、老朽や狭隘により警察活動に支障が生じている庁舎についても、順次計画的に整備を行うものです。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの概要についてです。
 同センターは、平成四年五月に東京都が基本財産の約八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、暴力団の存在しない安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しています。
 同センターの運営状況等につきましては、お手元の資料第3のとおりとなります。
 以上が事務事業概要の説明となります。委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○石毛委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。

○星見委員 それでは、まず信号機で、一、信号機の設置予算と実績の推移を六年間。
 非常電源装置が設置されている信号機の推移を六年間。
 三つ目、信号機のない交差点での事故の推移を六年間。
 四つ目、音響式信号機で二十四時間音が出る信号機の数の推移を六年間。
 続きまして、高齢者の運転事故について、一、年齢階層別の交通事故数の推移を六年間。
 二、高齢者の免許保有者数と免許証返納数の推移を六年間。
 次に、迷惑防止条例との関係で、改正後の改正部分にかかわる検挙数の推移。
 最後に、若年女性につきまして、一、痴漢等の被害相談数、検挙数の推移を十年間。
 二、JKビジネスの被害相談数、関係検挙数の推移を十年間。
 三、青少年の男女別補導数、保護数の推移を十年間。
 以上十件です。よろしくお願いいたします。

○石毛委員長 ただいま星見委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いいたします。
 以上で警視庁関係を終わります。

○石毛委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○安藤消防総監 消防総監の安藤でございます。
 本日は、新しい委員の皆様に対する初めての委員会でございますので、ご挨拶申し上げます。
 平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたり、ご審議、ご指導を賜ることとなります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、当庁では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、武漢市からのチャーター機による帰国者対応を初め、都内でも急増した感染症にかかわる傷病者への対応に当たってまいりました。
 来年には、新型コロナウイルス感染症の影響で延期された東京二〇二〇大会が開催されます。世界中が注目する中、当庁においても、消防、救急活動体制を強化するとともに、競技会場や関連施設等に対する防火安全対策を推進するなど、万全の体制を整えているところでございます。
 また、昨年は立て続けに台風十五号、十九号が来襲し、都内でも多くの浸水被害が発生いたしました。さらに、本年七月には九州地方での豪雨災害など、全国各地で自然災害による甚大な被害が発生しております。
 このことから、本年四月には、全地形活動車やエアボートなどを備えた即応対処部隊を発隊させ、水害や土砂災害に対する活動体制の強化を図るとともに、消防団や区市町村との連携、連絡体制を強化するなど、大規模災害発生等に効果的に対応できる体制の強化にも努めております。
 東京消防庁といたしましては、都民の生命、身体及び財産を災害から守るため、一万八千人の職員が一丸となって安全・安心な東京の実現に努めてまいります。
 警察・消防委員会の先生方におかれましては、本委員会を初め、さまざまな機会を通じて、より一層のご指導とご支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
 引き続き、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の清水洋文です。理事の柏木修一です。企画調整部長の吉田義実です。総務部長の山本豊です。人事部長の上田伸次郎です。防災部長の森住敏光です。救急部長の岡本透です。予防部長の青木浩です。装備部長の石川義彦です。企画課長の市川博三です。財務課長の岩崎隆浩です。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石毛委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○石毛委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○清水次長 東京消防庁の事務事業概要につきましてご説明申し上げます。
 東京消防庁管内の災害発生状況や消防隊の活動状況などをまとめました、お手元の東京の消防白書二〇二〇によりましてご説明させていただきます。
 それでは、四ページをごらんください。特集2、災害の記録です。
 平成三十一年二月、大田区城南島の大規模倉庫火災で七百平方メートルが焼損し、死者三名、負傷者一名が発生いたしました。消防部隊六十八隊が出場し、約九時間にわたり消火活動を実施いたしました。
 一四ページをごらんください。令和元年五月、檜原村で発生いたしました林野火災で、山林約七万五千平方メートルが焼損いたしました。けが人はおりませんでしたが、消防ヘリを初め消防部隊百九十四隊が出場し、約五十二時間にわたる消防活動を実施いたしております。
 一八ページをごらんください。昨年十月、台風十九号の上陸に伴い、水防第三非常配備態勢の発令により、消防職団員を招集し、都内各地で発生した浸水等の災害六百八十件に出場し、四十一名を救助しております。
 二二ページをごらんください。特集3、救急についてです。
 令和元年中の救急出場件数は八十二万五千九百二十九件で、二年連続で八十万件を突破し、十年連続で過去最多を更新しております。
 このような状況の中、東京消防庁では、都民の皆様が救急車を呼ぶべきか迷った際に、病院受診の要否の相談などができる救急相談センター、シャープ七一一九を平成十九年から運用しており、救急車の適正利用の推進に努めております。
 二八ページをごらんください。特集4、装備についてです。
 本年四月、大規模かつ広域的な自然災害において、浸水地域等に進入し、迅速な救出救助活動を行う即応対処部隊を発隊させました。この部隊は、全地形活動車やエアボート等の新たな装備により、不整地や浸水地など進入困難な地域に先遣隊としていち早く駆けつけ、活動することができる部隊で、水害や土砂災害に対する活動体制の強化を図っております。
 三〇ページをごらんください。本年三月、国内初となる電気自動車の救急車を導入いたしました。この車両は池袋デイタイム救急隊で運用されております。
 三一ページをごらんください。本年七月、消防ヘリコプター「ひばり」を新型機に更新いたしました。この機体は、航行距離が長く、長時間の活動が可能となったほか、地上の障害物との衝突を防止するための警報装置を搭載しております。
 三六ページから三九ページをごらんください。特集5、消防団についてです。
 消防団は、自営業や会社員、学生など、それぞれの職業などにつきながら、我がまちを我が手で守るという使命感のもと、消防署と連携しながら、消火や人命救助などの活動を行うとともに、地域の防災リーダーとして、住民に対する防火防災訓練指導など、地域防災力の向上に取り組んでいただいております。
 四〇ページをごらんください。特集6、東京を守るについてです。
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う救急活動では、先般の武漢市からの政府チャーター機による帰国者への対応を初め、新型コロナウイルス感染症患者や感染の疑いのある方からの救急要請等に対し、保健所及び福祉保健局と連携して、医療機関等への移送及び搬送を行っております。
 四四ページをごらんください。東京二〇二〇大会の成功に向け、全職員を動員し、大規模テロ総合訓練を実施いたしました。
 今後は、訓練等の結果を検証し、全庁挙げて警戒体制の万全を期してまいります。
 五〇ページをごらんください。次に、第1章、数字で見る令和元年中の東京消防庁管内の災害動向等についてご説明いたします。
 第1節、火災の現況と近年の傾向、1、火災の状況ですが、令和元年中の東京消防庁管内の火災件数は四千八十九件で、前年と比べて百十六件増加しております。火災件数は減少傾向にあり、平成二十七年以降は四千件前後で推移しております。
 五四ページをごらんください。2、火災による死傷者の状況ですが、令和元年中の火災による死者数は百八人で、前年と比べ二十二人増加しております。また、このうち六十五歳以上の高齢者は五十六人で、火災による死者の約六割を占めております。
 五五ページをごらんください。3、主な出火原因別発生状況ですが、令和元年における出火原因の一位はたばこ、二位は放火、三位はガステーブル等となり、昭和五十二年以降、出火原因の一位であった放火と二位のたばこが四十二年ぶりに入れかわりました。
 六四ページをごらんください。2、救助活動の状況ですが、令和元年中は二万四千三百二十七件の事案に出場し、一万九千四百三十五人を救助しております。
 次に、右ページの3、危険排除等の状況ですが、危険物や毒劇物等の化学物質が流出した場合に、火災の防止や被害の軽減を図るための措置などを行う消防活動で、令和元年中は五千七百六十七件出場しており、前年と比べて百二件増加しております。
 六八、六九ページをごらんください。第3節、救急活動の現況ですが、令和元年中の救急出場件数は八十二万五千九百二十九件で、事故種別としては、急病が五十五万三百六件で六六%を占め、次に一般負傷、交通事故と続いております。
 八〇ページをごらんください。4、シャープ七一一九、東京消防庁救急相談センターの現況ですが、救急車を呼ぶべきか迷ったときなどに、緊急に病院で受診する必要があるかどうかを相談できる東京消防庁救急相談センター、シャープ七一一九の令和元年中の受け付け件数は四十一万七千十三件で、前年と比べ約二万件増加しております。このうち、救急相談件数は二十三万一千六百八十六件で、前年と比べ約三万件の増加となっております。
 八二ページをごらんください。第4節、防災活動の現況、1、防火防災訓練の実施状況ですが、火災などの災害の防止と地震発生時の防災行動力の向上を図るため、各町会、自治会などを中心に、初期消火訓練を初め、避難訓練や応急救護訓練などの訓練指導を行っております。令和元年度中は約二百万人の方が防災訓練に参加していただいております。
 八三ページをごらんください。総合的な防火防災診断の実施状況ですが、災害発生時における高齢者、障害者などの被害の軽減を図るため、災害発生時に支援が必要な方のお宅を消防職員が訪問し、火災や震災、家庭内の事故等の危険性をチェックし、アドバイスを行う総合的な防火防災診断を、令和元年度中は六千二百四十一件実施いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度と比べ約五千件減少しております。
 九二ページをごらんください。第5節、予防活動の現況、1、火災予防査察の現況ですが、消防法に基づき、消防職員が建物や危険物施設等に立ち入り、消防設備の維持管理の状況や危険物の取扱状況などの検査を実施しております。令和元年中は三万七千七百九十六件の立入検査を実施いたしました。違反があった場合には、関係者に是正を促すとともに、必要に応じて警告や命令などの行政措置を行っております。
 一一〇ページをごらんください。次に、第2章、東京消防庁の組織と活動についてです。
 1、東京消防庁の概要ですが、昭和二十三年三月七日、東京消防庁が設置され、特別区の消防事務は東京都が一体的に管理することとなり、その後、昭和三十五年から市町村単位で行われていた多摩地域の消防事務を、消防団と消防水利の事務を除いて逐次受託し、現在は、稲城市と島しょ地域を除く二十五市三町一村の消防事務を受託しております。
 消防吏員と一般職員の合計は、令和二年四月一日現在、一万八千六百六十一人となっております。
 一一三ページをごらんください。歳出予算についてです。
 図表2-1-2にありますように、令和二年度当初予算は二千五百五十六億二千三百万円で、東京都一般会計予算に占める割合は三・五%となっております。
 次に、一一四ページをごらんください。(2)、組織図ですが、企画調整部を初めとする八つの部とオリンピック・パラリンピック競技大会対策本部、消防学校及び消防技術安全所、さらに右ページにあります十の消防方面本部と八十一の消防署から構成されております。
 一二二ページをごらんください。(5)、消防車両等の配置状況ですが、令和二年四月一日現在、ポンプ車四百八十九台を初め、救急車二百六十七台など計二千七十八台の消防車両等を有しており、各消防署所等に配置しております。
 次に、一三五ページをごらんください。5、航空消防ですが、消防ヘリコプターの機動力を生かし、多種多様な災害に対応する専門部隊として、平成二十八年一月に航空消防救助機動部隊を発隊させました。江東航空センターと多摩航空センターの二カ所を拠点として、八機のヘリコプターにより消火、救助、救急活動、情報収集などの航空消防活動を二十四時間体制で行っております。
 一三九ページをごらんください。6、港湾消防ですが、臨港、高輪、日本橋の三つの消防署に、次ページにありますように、「みやこどり」や「おおえど」の百トン級の二艇を初め、計十艇の消防艇を配備し、東京港や河川における船舶火災や水難事故などに対応しております。
 以上、大変雑駁ではございますが、当庁の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○石毛委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。

○星見委員 コロナ禍での救急活動について、一点目、救急搬送数の月別推移を五年間。
 二点目、救急隊員、消防隊員の新型コロナウイルス感染者の推移。
 続きまして、働き方改革について、一点目、休職者数とその理由について、方面本部ごとに六年間。
 二、病気等による休職者の内訳を方面本部ごとに六年間。
 三、精神疾患の休職者での復職数、退職者数を方面本部ごとに六年間。
 四、精神疾患による三十日以上病気休暇者数の推移を六年間。
 五、精神疾患による三十日以上病気休暇者のうち復職者数、休職者数、退職者数の推移を方面本部ごとに六年間。
 六、定年以外の退職者数とその理由について、方面本部ごとに六年間。
 七、職場でのハラスメントの相談件数を相談機関ごとに過去六年間。
 八、職種ごとの時間外労働の推移を六年間。
 九、職種ごとの有給休暇取得の推移を六年間。
 十、職種ごとに男女別の育児休業の取得の推移を六年間。
 以上十二点です。よろしくお願いいたします。

○石毛委員長 ただいま星見委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十四分散会