警察・消防委員会速記録第八号

令和二年十月二日(金曜日)
第十二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山内  晃君
副委員長中嶋 義雄君
副委員長石毛しげる君
理事西沢けいた君
理事吉原  修君
理事荒木ちはる君
石川 良一君
宇田川聡史君
橘  正剛君
東村 邦浩君
増子ひろき君
尾崎 大介君
高島なおき君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監斉藤  実君
総務部長白井 利明君
総務部参事官企画課長事務取扱長島 秋夫君
総務部会計課長高口 雅人君
東京消防庁消防総監安藤 俊雄君
次長兼オリンピック・パラリンピック競技大会対策本部長事務取扱清水 洋文君
企画調整部長吉田 義実君
総務部長山本  豊君
企画調整部企画課長市川 博三君
企画調整部財務課長岩崎 隆浩君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十四号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた警視庁長期戦略(仮称)の策定について
東京消防庁関係
契約議案の調査
・第百七十六号議案 東京消防庁国分寺消防署庁舎(二)改築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百七十五号議案 東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(決定)
・第百七十四号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十五号議案 東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○山内委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布をしてあります。
 朗読は省略をいたします。

令和二年九月三十日
東京都議会議長 石川 良一
警察・消防委員長 山内  晃殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百七十六号議案 東京消防庁国分寺消防署庁舎(二)改築工事請負契約
2 提出期限 令和二年十月五日(月)

○山内委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁並びに東京消防庁関係の付託議案の審査、東京消防庁関係の契約議案の調査及び警視庁関係の報告事項に対する質疑並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七十四号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたします。

○山内委員長 次に、報告事項、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた警視庁長期戦略(仮称)の策定についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた警視庁長期戦略(仮称)の策定をするとの報告がありました。これから策定する計画について、事前に議会に報告していただいたということは重要だと思っています。
 先日の報告では、新型コロナウイルス感染症の蔓延で浮き彫りになった課題や教訓を生かして、新たな治安上の課題に先手の対策を講じていくことが目的というお話がありました。幾つか質問しながら、もう少しイメージが持てるようにしたいと思います。
 まず最初に伺いますけれども、今回作成する長期戦略(仮称)はどのような位置づけになるんでしょうか。

○白井総務部長 警視庁では、オリンピック・パラリンピック競技大会の東京での開催決定を受け、首都東京の治安に対する信頼感を醸成することを目標に、平成二十六年に警視庁ビジョンを策定いたしましたところ、開催を来年に控えまして、同ビジョンはその役割を順調に果たしてきたと考えております。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の全国的な蔓延に伴いまして社会情勢が急激に変容しており、今後の治安にも少なからぬ影響を与えるおそれがあることから、このたび警視庁ビジョンを発展的に解消いたしまして、仮称ではございますが、警視庁長期戦略を策定することによって、新たな治安課題に先手の対策を講じようとするものであります。

○大山委員 現在の計画である警視庁ビジョンは、順調に実践できたということですね。
 さらに、今回は、新型コロナウイルス感染症に伴って新たな治安課題が起こるであろうということで、それに対応するように長期戦略をつくるということですね。
 資料としては、先日、事前の委員会のときにいただいた、このポンチ絵のような資料だけですので、もう少し具体的に聞いていきます。
 資料の上の四角の中にありますが、右側に、新たな課題として、デジタルトランスフォーメーションの加速となっていますけれども、具体的にどのようなことを想定しているんでしょうか。

○白井総務部長 国や東京都におきましては、デジタルトランスフォーメーションをさらに加速化させていると承知しているところでありますけれども、警視庁におきましても、都民の利便性向上を目的とした各種手続のオンライン化のほか、感染防止対策を踏まえたテレワークの推進、各種警察活動に係る先端技術を活用した資器材の整備などによりまして、合理的、効率的な取り組みを可能な限り早期に実現していく必要があると考えているところでございます。

○大山委員 デジタル化というのは、暮らしを支える形で進められれば、さまざまな可能性があるのは間違いないと思っています。ご答弁にあったように、東京都もデジタルトランスフォーメーションの加速を推進しているわけです。
 しかし、今回都が提案したデジタルファースト条例についても、現状について、東京都の調査検討はこれからだという状況なんですね。ですから、非常に拙速だと思っています。窓口を減らさないことだとか、配慮が必要な方への対応、それからセキュリティーなどの課題について、都民に説明することや必要な対応をとることを求めておきます。
 長期戦略の目的として、今後発生が予想される新たな治安課題等へ先手の対策を打つといっているわけですけれども、新たな治安課題というのは具体的に何を想定しているんでしょうか。

○白井総務部長 新たな治安課題の一例ということではございますけれども、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う新しい生活様式の実践が社会全体で求められている中、コミュニケーション手段が非接触、非対面のオンラインへとシフトすることで、サイバー空間や先端技術の利用がさらに拡大し、これに伴いまして、サイバー関連事案が増加することなどが想定されます。

○大山委員 サイバー犯罪などの対応というのは重要だと思っています。
 資料の下の段の左側に、治安、チャレンジとなっているわけですけれども、治安とチャレンジというのはどういう関係になっているんでしょう。

○白井総務部長 治安、チャレンジは、警視庁として、都内の治安確保は恒久的な目標であり、急激に変容する現下の社会情勢におきまして新たに発生するであろう治安課題にも先手の対策を講じることにより、治安を確保していくということを理念的にあらわしたものでございます。

○大山委員 警視庁本来の仕事を、コロナ禍での社会情勢の中で出てくる新たな治安課題に対応できるようにしていくということなんですね。
 つまり、長期戦略(仮称)というのは、主に治安問題を中心に計画を立てるということなんでしょうか。

○白井総務部長 警視庁長期戦略につきましては、現在詳細を策定中でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けまして急激に社会情勢が変化する中、新たな治安課題の発生が想定されることから、警視庁として先手の対策を講じることにより、都内の治安を確保していくことのほか、都民の利便性向上を目的とした各種手続のオンライン化や、ウイズコロナ時代における新たな働き方等についても盛り込んでいくことを考えているところでございます。

○大山委員 資料の下の段の右側に、治安、チャレンジを実現するための事業例というのが載っていますけれども、テレワークの促進とか、感染防止資器材の配置などというのは、警視庁の職員の皆さんにかかわることだし、もちろん、住民というか、都民の皆さんにもかかわるわけですけれども、行政手続のオンライン化などはオンライン手続が苦手な方もいますので、誰もが困らないような多様な対応ができるようにしておいてほしいと思います。
 あと、ICTを活用した交通安全対策というのがあります。例にもありますけれども、これはどのようなことを想定しているんでしょうか。

○白井総務部長 警視庁長期戦略につきましては、現在詳細を策定中でございますけれども、ICTを活用した交通安全対策の一例といたしましては、警視庁が保有する各種交通統計情報をコンピューターに分析させるなど、より的確に交通事故を分析し、その結果に基づく効率的な交通安全対策を提案するシステムの開発を初めビッグデータやAIを活用した施策の推進についても検討しているところでございます。

○大山委員 交通対策についてビッグデータやAIの活用についても検討しているとのことですが、渋滞解消などについて検討する、研究するということは必要なことだと思っています。
 資料の絵を見ますと、交差点に近づくと自動的に専用アプリが作動して、信号機に設置した無線通信のブルートゥースを通じてスマホに、例えば〇〇方向の信号が赤ですとか、それから△△方向の信号が青になりましたなどと、歩行者用信号機の情報が音声だとか振動だとか画面で通知される仕組みであろうことを想定したような絵が載っています。
 警察・消防委員会でも、私も視覚障害者の音声信号機の質問を何度かしていますけれども、夜間でもこれなら大丈夫だということだと思うんですね。この仕組みは、既に宮城県だとか、静岡県や千葉県などで導入されています。
 しかし、私も視覚障害者の方から話を伺うまでわからなかったんですけれども、課題があるということなんですね。音響信号の役割というのは、視覚障害者の人がいうには三つあるというんですよ。一つは、横断歩道の場所がわかる。二つ目は、信号の色がわかる。三つ目は、向こう側がわかるという役割です。それがスマホだと、第一に、横断歩道の場所がわからないというんですね。音響信号は固定された場所から音が出るから場所がわかるんだというんです。いや、聞いてみないとわからないなと思ったんですけれども、そして、視覚障害者もスマホ歩きをすることになるんだというんですよ。視覚障害者の人というのは、周囲の音だとか、それから人の気配だとか、全体状況を把握しながら、さらにスマホの声にも注意するということになるというんですね。このようなことというのは、やっぱり当事者だからわかることだと思うんです。
 せっかく、視覚障害者にとってとか、ほかの障害者の皆さんにとっても利便性を高くしようと思っても、ちぐはぐになってしまったら残念なことだと思います。だからこそ当事者と一緒に、例えば実地調査をすることを初め、意見を聞くことは欠かせないと思いますので、ぜひ検討してください。
 視覚障害者のみならず当事者の意見を聞くことが、よりよいものにしていくための重要なプロセスだと思っています。長期戦略(仮称)の策定について、構想段階からきちんと議会に報告してくださった警視庁ですから、ぜひ当事者の方々の声を反映できる計画と施策にしていただきたいということを要望して、質問を終わります。
 以上です。

○山内委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○山内委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百七十六号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたします。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○山内委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百七十五号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。

○山内委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百七十四号議案及び第百七十五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百七十四号議案及び第百七十五号議案を一括して採決いたします。
 お諮りをいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、よって、第百七十四号議案及び第百七十五号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○山内委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山内委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○山内委員長 この際、両庁を代表いたしまして、斉藤警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○斉藤警視総監 警視庁並びに東京消防庁を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 皆様方には、この一年間、両庁関係の予算を初め、条例案や契約案など数多くの案件についてご審議をいただきましたほか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会や新型コロナウイルス感染症に係る諸対策、各種治安、防災対策など、両庁のさまざまな取り組みにご理解とご支援をいただき、心から感謝を申し上げます。
 皆様方には、今後とも、両庁に対します、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。
 大変ありがとうございました。

○山内委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言挨拶を申し上げたいと存じます。
 新型コロナ感染がいまだ続く中、委員会室の変更などがありましたけれども、副委員長、理事、委員の皆様、そして斉藤警視総監、安藤東京消防庁総監を初め、理事者の皆様には委員会の円滑な運営に多大なるご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 コロナ禍でさまざまな委員会に関する行事が中止となってしまい、私といたしましては大変心残りではありますが、一日も早い終息を迎え、平常化した後にはさまざまな地域で両庁の関連する行事が開催されることをお祈りいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックが来年の七月開催に延期となってしまい、警視庁並びに東京消防庁といたしましては、予定変更によって何かと戸惑うところもあったかもしれませんが、両庁一丸となって、来年のオリンピック・パラリンピックの安全・安心の確保にしっかりとご尽力をいただき、来年の大会を成功に導いていただければと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 都民の安全・安心の確保は、すなわち生命と財産を守るという点で最も重要なテーマであると思っております。事件、事故、災害が起きた際には常に緊張感を持って業務を遂行していただいております警視庁並びに東京消防庁の皆様には、今後も都民から大きな期待が寄せられております。安全・安心のために、今後もさらなるご活躍を心よりお祈りを申し上げます。
 また、両庁がさらなる発展をするためには、都議会警察・消防委員会と両輪となっていくことが肝要かと思っております。
 結びに、都議会警察・消防委員会に携わる全ての皆様のご健勝とご多幸を申し上げまして、挨拶とさせていただきます。
 一年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十三分散会

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