警察・消防委員会速記録第十号

平成三十年十一月十五日(木曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長石毛しげる君
副委員長橘  正剛君
副委員長山内  晃君
理事細谷しょうこ君
理事山口  拓君
理事吉原  修君
東村 邦浩君
中嶋 義雄君
増子ひろき君
大津ひろ子君
尾崎 大介君
高島なおき君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監三浦 正充君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱
人身安全関連事案総合対策本部長事務取扱
オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部長事務取扱
サイバーセキュリティ対策本部長事務取扱
斉藤  実君
総務部長池田 克史君
警務部長筋 伊知朗君
交通部長田中 俊恵君
警備部長下田 隆文君
地域部長中川  司君
公安部長近藤 知尚君
刑事部長大賀 眞一君
生活安全部長市村  諭君
組織犯罪対策部長森内  彰君
総務部参事官企画課長事務取扱宮橋 圭祐君
総務部会計課長上野 良夫君
東京消防庁消防総監村上 研一君
次長安藤 俊雄君
理事兼警防部長事務取扱松井 晶範君
企画調整部長清水 洋文君
総務部長柏木 修一君
人事部長佐々木直人君
防災部長鈴木 浩永君
救急部長森住 敏光君
予防部長山本  豊君
装備部長阿出川 悟君
企画調整部企画課長川田  進君
企画調整部財務課長西原 良徳君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(説明)
東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○石毛委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承をお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁並びに東京消防庁関係の事務事業の説明聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承をお願いいたします。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○三浦警視総監 警視総監の三浦でございます。
 本日は、新たな委員の皆様方によります最初の警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から警視庁の運営につきまして格別のご理解とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。今後、予算案を初め、条例案、請願陳情等の各種案件につきましてご審議を賜ることとなります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、都内の治安情勢は、犯罪抑止総合対策を初めとする各種対策の効果などにより、刑法犯認知件数が十五年連続で減少し、昨年は戦後最少を記録いたしました。
 しかしながら、多発する特殊詐欺への対策や児童虐待、ストーカー、DV事案への対応、サイバー空間の脅威への対処のほか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策など、重要課題が山積しております。
 警視庁といたしましては、こうしたさまざまな課題に的確に対応し、都民の皆様の安全・安心を守るため、関係機関の方々と連携を図りながら、組織力を最大限に発揮して、各種対策を強力に推進し、世界一安全な都市東京の実現を図ってまいる所存であります。
 委員の皆様方には、今後とも、警視庁に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 引き続き、当庁の幹部職員をご紹介いたします。
 皆様から向かいまして中央から左でございますが、副総監斉藤実、警務部長筋伊知朗、警備部長下田隆文、公安部長近藤知尚、次に、中央から右でございますが、総務部長池田克史、交通部長田中俊恵、地域部長中川司、刑事部長大賀眞一、次に、後列の中央でございますが、生活安全部長市村諭、組織犯罪対策部長森内彰、企画課長宮橋圭祐、会計課長上野良夫。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○石毛委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○石毛委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○池田総務部長 では、警視庁の事務事業概要についてご説明をいたします。
 初めに、警視庁の組織及び定員であります。
 お配りしております資料第1の一ページから三ページをごらんください。
 当庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、九つの部、警察学校、犯罪抑止対策本部、人身安全関連事案総合対策本部、サイバーセキュリティ対策本部、オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部並びに十の方面本部及び百二の警察署で構成されております。
 定員につきましては、四ページをごらんください。四ページの表のとおり、定員は四万六千五百八十一人となっております。
 また、昨年の第一回定例会において、東京二〇二〇大会に向けた現場実働力の強化方策として、初任教養のため警察学校に入校中の警察官について、平成二十九年度から三十五年度までの間、最大千三十九人までを定員外とすることをお認めいただきました。これにより、昨年度三百人、本年度三百五十人の合わせて六百五十人が定員外措置となり、実質的に増員された警察官を大会に向けて必要な部署に配置し、体制強化を図っているところであります。
 今後も、東京二〇二〇大会の成功に向け、人的基盤を強化するなど、あらゆる事案に対処できる警察力を確保してまいりたいと考えております。
 次に、各種警察活動の概要について申し上げます。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の推進についてであります。
 東京二〇二〇大会開催まで二年を切り、当庁では、大会の安全で円滑な開催に向けた諸対策を一段と加速化させております。
 大会の最重要課題の一つであるテロ対策については、競技会場等が集中する湾岸エリアにおけるパトカーの駐留警戒を初め、大会関連施設及びその周辺における安全対策を講ずるなど、警戒強化を図っているほか、関係機関等と大会期間中を想定した図上訓練や合同訓練を実施するなど、不法事案等発生時における対処能力の向上に努めております。
 また、都内全域をめぐる聖火リレーの実施に向けた検討や、都民生活の安定と円滑な輸送を両立させるため、交通総量の抑制に関係機関と連携して取り組んでいるところです。
 このほか、大会開催を見据え、多くの外国人や観光客が訪れることが予想される新宿歌舞伎町地区などの盛り場二十二地区を中心に、悪質な客引きや違法風俗店を取り締まるとともに、自治体に客引き防止条例の制定を働きかけ、その活用を図るなど、地域住民の方々と連携した環境浄化対策を推進しております。
 今後も、大会を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を体感していただけるよう、各種対策を推進してまいります。
 第二は、犯罪抑止総合対策の推進についてであります。
 五ページをごらんください。都内の刑法犯認知件数は、本対策を開始した平成十五年以降、十五年連続で減少し、昨年は戦後最少を記録いたしました。
 この傾向は本年も続いており、五ページの表右下のところですけれども、十月末現在の刑法犯認知件数は九万五千百五十件で、昨年同期に比べ八・五%減少するなど、各種取り組みの成果が着実にあらわれておりますが、特殊詐欺を初め一部の犯罪は増加しております。特殊詐欺など都民の平穏な生活を脅かす犯罪の根絶に向け、検挙と防犯の両面から、犯罪抑止総合対策を推進し、引き続き都民の安心感の醸成に努めてまいります。
 以下、主な対策についてご説明をいたします。
 その一は、特殊詐欺対策の推進についてであります。
 資料の六ページをごらんください。特殊詐欺の被害は全国的に減少しているにもかかわらず、特に東京と神奈川で増加するなど、首都圏に被害が集中しており、六ページ上段の表にありますとおり、十月末現在の都内における特殊詐欺の認知件数は三千二百六十八件で、昨年同期に比べ一八%増加し、被害額も七十億八千百万円と一四・四%増加しており、極めて憂慮すべき状況にあります。
 警視庁では、本年一月に約二百九十名から成る特殊詐欺対策プロジェクトを発足させ、体制を強化いたしました。こうした効果により、先月には、六代目山口組傘下組織幹部を特殊詐欺の首謀者として検挙し、六代目山口組総本部を家宅捜索するなど、現在も全容解明に向け捜査中であります。
 今後も、突き上げ捜査による中枢被疑者の検挙、アジトの摘発等の検挙対策を推進してまいります。
 また、被害防止対策として、犯人からの電話に出ないための対策に重点的に取り組んでおり、警察官や犯罪抑止女性アドバイザーによる高齢者宅の留守番電話機能の設定や自動通話録音機の設置、防犯アプリ、Digi Police、ツイッターを活用した子、孫世代に対する広報啓発活動を推進しております。
 今後も、検挙対策を徹底して、犯行グループの弱体化、壊滅を図るとともに、関係機関等との連携により被害を未然に防止することで、特殊詐欺の根絶を目指してまいります。
 その二は、犯罪の起きにくい社会づくりの推進についてであります。
 警視庁では、自治体を初め地域住民、事業者など、地域総ぐるみとなった犯罪の起きにくい社会づくりを推進しており、自治体との協働につきましては、昨年四月までに都内全ての区市町村と安全・安心まちづくりに関する覚書等を締結いたしました。
 また、防犯ボランティア団体の参加拡充や活動支援を通じた自主防犯活動の活性化、定着化を図るとともに、防犯カメラの設置促進、登下校時における子供の安全確保のための対策などにも努めているところです。
 今後も、自治体など関係機関と連携し、官民一体となった犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
 その三は、少年を取り巻く有害環境浄化対策の推進についてであります。
 近年、少年のスマートフォン保有率が増加する中、インターネット上の違法、有害情報にアクセスしたことをきっかけとした児童買春や自画撮り被害等の児童ポルノ事件が増加しており、また、いわゆるJKビジネスにおいて、性的被害に遭う少年もいまだ後を絶っておらず、憂慮すべき状況にあります。
 当庁では、昨年七月に施行された特定異性接客営業等の規制に関する条例に基づき、JKビジネスの店舗への立ち入りや違法営業の取り締まりを徹底しております。
 加えまして、本年二月には東京都青少年の健全な育成に関する条例が改正され、青少年に自身の児童ポルノの提供を不当に要求する行為の処罰が可能となったため、自画撮り等の被害防止に向けて、さらなる取り締まりの強化に努めているところであります。
 引き続き、学校を初めとする関係機関等と連携し、少年を取り巻く有害環境の浄化に努めてまいります。
 第三は、人身安全関連事案への的確な対応についてであります。
 六ページの一番下の表をごらんください。十月末現在のストーカー、DVに関する相談案件は、ストーカーにつきましては千五百四十七件、DVについては七千七百三十八件、合計しまして九千二百八十五件で、過去最高であった昨年同期と比べ三・二%増加しております。
 当庁では、ストーカー、DV、児童虐待等の事案を人身安全関連事案として、事態が急展開し、重大事件に至る可能性があることを念頭に、相談者、被害者の安全確保を最優先とした対応を徹底しているところであります。
 また、本年三月に発生した目黒区内における痛ましい児童虐待事案を受け、対象家庭に関する情報を関係機関が共有し、早期発見、早期対処していくため、九月に東京都福祉保健局との間において、情報共有範囲の拡大等を内容とする児童虐待対応の連携強化に関する協定を新たに締結し、十月から運用を開始しております。
 今後も、関係機関との連携をさらに強化し、人身安全関連事案への的確な対応に万全を期してまいります。
 第四は、テロ等不法事案の防圧検挙であります。
 世界各地では、車両や刃物、手製爆発物を用いたテロ事件が発生しているほか、国際テロ組織が日本人に対するテロを呼びかけるなど、我が国におけるテロの脅威は現実のものとなっております。
 一方、都内においても、右翼が銃撃事案や外国公館に対する器物損壊事案を引き起こしており、その危険性が改めて認識されました。
 こうした情勢の中、当庁では、関連情報の収集、分析や、テロリスト等の入国を阻止するための水際対策を強化しているほか、政府関連施設等の重要施設に対する警戒警備の強化や各種訓練を推進するなど、事態対処能力の充実強化を図っております。
 今後も、テロ等不法事案の防圧検挙に万全を尽くしてまいります。
 第五は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進についてであります。
 資料の八ページをごらんください。十月末現在で、サイバー犯罪の検挙件数は、資料八ページの右上にありますとおり六百八十四件で、昨年同期比で約一六%減少しておりますが、仮想通貨交換業者から仮想通貨が外部に送信される事案が発生しているほか、IoT機器の脆弱性を悪用した大規模なサイバー攻撃の発生が懸念されるなど、サイバー空間の脅威は一層深刻化しております。
 警視庁では、本年四月に、都内に分散していたサイバー関連部署を集約し、部門横断的な事案対処チーム、解析支援チーム、サイバー犯罪捜査官チームを編成するなど、捜査体制を強化するとともに、サイバーセキュリティー意識向上に資するイベント、セミナーの開催、東京二〇二〇大会に向けた重要インフラ事業者等とのサイバー攻撃共同対処訓練の実施など、被害防止対策を推進しているところです。
 今後も、官民連携、広報啓発活動、人的基盤の強化を進め、サイバー空間の安全・安心の確保に努めてまいります。
 第六は、組織犯罪対策の推進についてであります。
 その一は、暴力団総合対策についてであります。
 資料の九ページをごらんください。六代目山口組と神戸山口組が依然として対立抗争の状態にある中、神戸山口組から分裂した一部組織が任侠山口組を立ち上げるなど、三つどもえの様相を呈しており、情勢は複雑化、長期化しております。
 当庁では、暴力団、準暴力団が絡む特殊詐欺事件の取り締まりを推進しているほか、暴力団対策法や東京都暴力団排除条例に基づく各種対策に加え、繁華街、学校及び通学路における警戒活動や取り締まりを強化し、本年十月末現在、二千九百三十二人の暴力団員を検挙したところであります。
 今後も、暴力団排除活動に対する支援や保護対策、各種法令の効果的な運用など、暴力団の弱体化、壊滅に向けた対策を推進してまいります。
 その二は、国際組織犯罪総合対策についてであります。
 資料の一〇ページをごらんください。来日外国人は、近年、急速に増加を続けており、国際組織犯罪の国内への浸透、拡大等による治安環境の悪化が懸念されております。
 当庁では、偽装滞在者の取り締まりを初め、各種犯罪インフラ事犯の検挙対策等を推進し、本年十月末現在は、資料の右下のところにありますが、来日外国人による犯罪の検挙人員は二千八百五十九人となっております。
 今後も、事業主に対する不法就労及び不法滞在防止のための措置、指導啓発活動の強化など、対策と取り締まりの両面から、効果的な国際組織犯罪総合対策を推進してまいります。
 その三は、銃器、薬物対策についてであります。
 資料の一一ページをごらんください。
 まず銃器につきましては、都内では、本年二月に拳銃発砲事件が発生するなど、依然として銃器犯罪が発生している中、警視庁では、本年十月末現在、暴力団員を含めた三十五人を検挙し、五十四丁の拳銃を押収しているところであります。
 一方、薬物犯罪については、密輸、密売事犯の摘発や末端乱用者の取り締まりを徹底し、本年十月末現在では、危険ドラッグ関連事犯を含む二千二百一人を検挙、これは資料で申しますところの二千九十二人の人員と下の方の百九人の人員を足したものですが、二千二百一人を検挙。あとは押収につきましては、覚醒剤、麻薬等、大麻、指定薬物を合計しまして、約四百八十五キログラムを押収しているところであります。
 今後も、銃器、薬物事犯の取り締まりを徹底するとともに、危険性についての広報啓発活動を推進してまいります。
 第七は、交通事故防止対策の推進についてであります。
 資料の一二ページをごらんください。十月末現在の都内の交通事故は、死者数及び負傷者数は減少し、発生件数はほぼ横ばいとなっております。
 当庁では、歩行者の交通事故防止を重点に掲げ、交通安全教育、交通ルールの周知徹底に努めているほか、悪質、危険な交通違反の指導取り締まり、生活道路等の交通環境の整備などに取り組んでいるところであります。
 今後も、世界一の交通安全都市東京を目指して、交通事故実態に即した各種対策を推進するとともに、関係機関やボランティア等と連携した地域ぐるみの活動を展開して、都民一人一人の交通安全意識の高揚を図り、交通事故防止の徹底に努めてまいります。
 第八は、災害警備諸対策の推進についてであります。
 平成三十年七月豪雨、平成三十年北海道胆振東部地震など、本年も全国各地でさまざまな自然災害が発生しております。
 警視庁では、震災や風水害等の大規模災害に対応する行動計画として、警視庁大規模災害対策アクションプログラムを策定し、地域の実情に応じた対策を平素から推進しております。
 また、本年四月には、さまざまな災害現場を想定した訓練が実施できる警視庁・東日本災害警備訓練施設の運用を開始したほか、過去の災害派遣を教訓にした新たな装備資器材の整備にも努めているところであります。
 今後も、関係機関との連携強化や救出救助技能の向上を図り、災害対策の万全を期してまいります。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明をいたします。
 ちょっと飛びまして、資料の一五ページをごらんください。警視庁の平成三十年度予算は、歳入が四百七十六億四千七百八万六千円、歳出が六千五百四十六億七千五百万円となっております。
 詳細につきましては、お手元の資料第2をごらんいただきたいと思います。
 次に、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてご説明をいたします。
 資料の一六ページから一九ページをごらんください。本部等関係庁舎、警察署庁舎及び待機寮の整備計画について記載してあります。
 十分な耐震性を有していない庁舎については、耐震改修または建てかえを行っており、このほか、老朽や狭隘により警察活動に支障が生じている庁舎についても、順次計画的に整備を行うものであります。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの概要についてご説明をいたします。
 同センターの運営状況は、お手元の資料第3にあります。
 同センターは、平成四年五月に東京都が基本財産の約八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、暴力団の存在しない安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しております。
 詳しくは、資料第3をご参照いただければと思います。
 以上で事務事業概要の説明を終わらせていただきますが、皆様方には、今後ともより一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 以上でございます。

○石毛委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。

○大山委員 三つお願いします。
 一つは、信号機設置予算と実績の推移を五年間でお願いします。
 二つ目は、高齢者の免許証返納件数の推移を、これも五年間でお願いします。それで、免許証の総所持者数と返納数がわかるようにお願いします。
 三つ目は、年齢階層別の交通事故件数の推移を五年間でお願いします。
 以上です。

○石毛委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いいたします。
 以上で警視庁関係を終わります。

○石毛委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○村上消防総監 消防総監の村上でございます。
 本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございます。一言ご挨拶を申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして、特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議、ご指導を賜ることとなります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、首都東京におきましては、異常気象による豪雨災害、酷暑による新たな形態の自然災害が頻発するなど、消防機関が対応すべき災害が大きく変わってきております。
 さらに、東京二〇二〇大会の開催に向け、臨海部、都心部を中心とした大規模建築物の増加、石油コンビナート等特別防災区域の指定など、新たな危険性が懸念される状況でございます。
 ことしの災害を顧みますと、当庁管内では、七月に多摩市唐木田の新築中の建物で一棟六百五十二平方メートル延焼、死者五人、けが人四十三名の大規模な火災が発生し、消防隊八十隊で十二名を救助いたしました。
 国内では、六月に大阪府北部を震源とする地震、七月には西日本を中心とした豪雨災害、九月には北海道胆振東部地震が発生し、七月の豪雨災害では、当庁から緊急援助隊としてヘリ一機、隊員十二名を派遣し、三日間にわたり救助活動を行い、孤立した病院から七名を救出いたしました。また、九月の地震災害には、陸上部隊三十隊、消防ヘリ二機、隊員百三十二名を派遣、ドローンを災害現場で初めて活用するなど、五名を救出、二名を医療拠点に搬送いたしました。
 今後も、さまざまな災害に対応できるよう、消防隊の活動体制を一層強化し、警戒体制や消防活動に万全を期してまいります。
 続いて、本年の主な取り組みでございますが、四月には、国内の消防機関では初となるタグボート型消防艇「おおえど」を導入し、水上消防体制の強化を図りました。
 また、新たにバーチャルリアリティー技術を活用した、これまでにない臨場感あふれる災害の疑似体験が可能なVR防災体験車を導入し、十月末までに約四万人の方に体験していただいております。
 五月には、東京ビッグサイトで東京国際消防防災展二〇一八を開催し、四日間で十七万九千四百人の多くの方々にご来場いただきました。
 さらに、増大する救急需要に的確に対応するため、六隊の救急隊を増強するなど、救急搬送体制の強化を図るとともに、東京オリンピック・パラリンピックの競技施設や宿泊施設等に対しましては、防火や避難など施設の安全対策を推進しております。
 今後とも、都民の皆様が安全・安心を享受できるよう、組織一体となって取り組んでまいります。
 警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め、さまざまな機会を通じまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の安藤俊雄です。理事の松井晶範です。企画調整部長の清水洋文です。総務部長の柏木修一です。人事部長の佐々木直人です。防災部長の鈴木浩永です。救急部長の森住敏光です。予防部長の山本豊です。装備部長の阿出川悟です。企画課長の川田進です。財務課長の西原良徳です。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石毛委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○石毛委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○安藤次長 東京消防庁の事務事業の概要につきまして説明させていただきます。
 東京消防庁管内の災害発生状況や消防隊の活動状況などをわかりやすく理解できるように、写真と図表、イラストを多数取り入れた東京の消防白書を作成いたしました。本資料により説明させていただきたいと思います。
 それでは、二ページをごらんください。特集1、災害の記録です。
 昨年の大規模な災害のうち、平成二十九年八月三日に中央区にある築地場外市場の店舗から出火した火災では、五百七十五平方メートルを焼損いたしました。
 四ページをごらんください。この火災では、消防車両六十七台、消防隊員二百六十三名が出場し、十一時間を超える消防活動を行いました。また、場外市場地域の店舗等に対し、立入検査と防火管理指導を実施いたしました。
 以後、六ページから一七ページにかけて、昨年の主な災害を掲載しておりますので、後ほどごらんください。
 次に、一八ページをごらんください。救急活動につきましては、昨年の救急出場件数が七十八万五千百八十四件と過去最高となり、平成二十年を基準として十年間で二〇・二%増加しております。
 また、ことしの夏はとりわけ暑さが厳しく、一日の最多出場件数を五度にわたって更新し、十月末日の時点で、前年と比較して三万一千六百十五件増加しており、ことしも過去最高の出場件数となる見込みです。
 二四ページをごらんください。火災予防についてですが、東京二〇二〇大会競技会場等の防火安全指導や防火管理につきましては、建物の設計段階から防火対策や消防用設備等の設置に関する指導を行っております。
 この結果、東京二〇二〇大会競技会場である武蔵野の森総合スポーツプラザは、防火上優良な建物であると認定された場合に表示できる優良防火対象物認定証、通称優マークを取得いたしました。
 三二ページをごらんください。消防施設についてですが、昨年十一月に運用開始した町田消防署の新庁舎は、免震装置と消防隊員用の訓練塔に加え、都民や消防団が訓練を行うための模擬消火栓や夜間照明設備を備えております。
 また、右ページの奥多摩消防署は、管内が山岳地域であることから、山岳訓練スペースを備えるとともに、多摩産材を使用した全面ガラス張りの開放的な庁舎としております。
 三六ページをごらんください。三九ページにかけて消防団の主な活動を掲載しておりますが、消防署と連携した消火活動や人命救助、さらには住民に対する防災訓練の指導も行っており、地域防災力のかなめとなっております。
 特別区は各消防署の管轄区域ごとに設置されており、多摩地域は各市町村が設置しております。
 四〇ページをごらんください。特集5、東京二〇二〇大会に向けた東京消防庁の取組につきましては、右ページの競技会場等の防火安全対策にありますように、国立競技場の建てかえなどに際し、計画段階から安全性の確保のための指導を行っております。
 さらに、四二ページにありますように、観光客が訪れる可能性が高い宿泊施設や繁華街などを重点に、火災予防査察を行っております。
 このほか、四三ページから四六ページにかけて記載しておりますが、テロ災害に対する即応体制を強化するための統合機動部隊の整備を初め、外国人対応のための電話通訳の導入や英語対応救急隊の運用などを行っております。
 五〇ページをごらんください。第1章では、平成二十九年中の数字をもとに、東京消防庁管内の災害動向等について説明いたします。
 第1節、1、火災の状況につきましては、図表1-1-1にありますポンプ車のマークと左側の数字で示されている火災件数は、過去十年間を見ますと減少傾向にあり、昨年の火災発生件数は四千二百五件となっております。
 五四ページをごらんください。2、火災による死傷者の状況につきましては、図表1-1-8にありますように、自損を除く火災による死者数は、過去十年間では減少傾向にありますが、年齢別に見ますと、六十五歳以上の高齢者が占める割合が高まっており、昨年は四十五人で、死者の七割近くを占めております。
 右ページ中段の3、主な出火原因別発生状況につきましては、図表1-1-10にありますように、放火が八百九十六件、二一・三%と最も多く、昭和五十二年以降、四十一年連続で一位となっており、次に、たばこ、ガステーブル等と続いております。
 少し飛びますが、六四ページをごらんください。2、救助活動の状況につきましては、図表1-2-4にありますように、昨年は二万一千九百八十四件出場し、一万八千五百六十八人を救助しております。
 右ページの3、危険排除等の状況ですが、危険排除等とは、ガソリンなどの危険物や毒劇物などが流出した場合に、火災の防止や被害の軽減を図るため必要な措置を行う活動や、自然現象による危険を排除するための活動で、図表1-2-7にありますように、昨年は五千六百五十八件出場しております。
 六七ページをごらんください。5、救護活動(PA連携)の状況につきましては、重症患者に救命処置を行う場合や、階段、通路などが狭く傷病者の搬送が難しい場合に、ポンプ小隊などが救急現場に出場し、救急隊とともに傷病者の救出、救護処置を行うものです。図表1-2-12にありますように、昨年は十五万五千件出場しており、約八割が救命対応となっております。
 少し飛びまして、八四ページをごらんください。4、東京消防庁救急相談センター(シャープ七一一九)の現況です。急な病気やけがにより、救急車を呼ぶべきか迷ったときなどに、緊急に病院で受診する必要があるか相談できる東京消防庁救急相談センター、シャープ七一一九を平成十九年に運用開始しました。医師や看護師、救急隊経験者が二十四時間体制で、医療機関案内を初め救急相談に応じております。昨年は、図表1-3-22にありますように、三十六万九千十八件を受け付けております。
 八六ページをごらんください。第4節、防災活動の現況、1、防火防災訓練の実施状況につきましては、都民の防災行動力の向上を図るため、各町会、自治会などを中心に、初期消火訓練を初め、避難訓練や応急救護訓練などの訓練指導を行っております。昨年は、二百四十万一千百六十一名の方が防災訓練に参加しております。
 右ページ中段をごらんください。2、総合的な防火防災診断の実施状況につきましては、高齢者や障害者など災害発生時に支援が必要な方のお宅を消防職員が訪問し、火災を初め震災や家庭内での事故の危険性をチェックし、アドバイスを行い、被害の低減を図るものです。昨年は、一万一千二百九十七件実施しております。
 九六ページをごらんください。第5節の1、火災予防査察の現況につきましては、消防法に基づき、消防職員が建物や危険物施設等に立ち入り、消防設備の維持管理の状況や危険物の取扱状況などの検査を実施しており、図表1-5-1にありますように、昨年は四万一千八十四件実施しております。違反があった場合には、関係者に是正を促すとともに、必要に応じて警告や命令などの行政措置をとっております。
 次に、一一四ページをごらんください。第2章、東京消防庁の組織と活動につきましては、(1)、東京消防庁のあゆみの中ほどに記載されておりますが、昭和二十三年三月に消防組織法が施行され、特別区の消防事務は東京都が一体的に管理することとなり、東京消防庁が設置されました。その後、昭和三十五年から市町村単位で行われていた多摩地域の消防事務を、消防団と消防水利の事務を除いて逐次受託し、現在は、稲城市と島しょ地域を除く二十五市三町一村の消防事務を受託しております。
 消防吏員と一般職員の合計は、上部に記載のとおり、本年四月一日現在、一万八千五百二人となっております。
 一一七ページをごらんください。歳出予算につきましては、図表2-1-2にありますように、平成三十年度当初予算は二千五百四十億七百万円で、東京都一般会計予算に占める割合は三・六%となっております。
 次に、一一八ページの(2)、組織図をごらんください。
 企画調整部を初めとする八つの部と消防学校及び消防技術安全所、さらに、右ページにあります十の消防方面本部と八十一の消防署から構成されております。
 一二六ページをごらんください。(5)、消防車両等の配置状況につきましては、本年四月一日現在、ポンプ車四百八十九台を初め、救急車二百五十三台など、一千九百七十七台の消防車両等を配置しております。
 次に、一四四ページをごらんください。6、航空消防につきましては、江東航空センターと多摩航空センターの二カ所を拠点として、八機のヘリコプターにより消火、救助、救急活動、情報収集などの航空消防活動を二十四時間体制で行っております。
 次に、一四八ページをごらんください。7、港湾消防につきましては、臨港消防署など三つの消防署に百トン級の大型消防艇二艇を初め、十艇の消防艇を配置し、東京港や河川における船舶火災や水難事故などに対応しております。
 以上、大変雑駁ではございますが、当庁の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○石毛委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十二分散会

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