警察・消防委員会速記録第四号

平成三十年三月二十二日(木曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長大津ひろ子君
副委員長橘  正剛君
副委員長石毛しげる君
理事両角みのる君
理事吉原  修君
理事中村ひろし君
細谷しょうこ君
東村 邦浩君
中嶋 義雄君
増子ひろき君
尾崎 大介君
高島なおき君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監吉田 尚正君
総務部長池田 克史君
総務部会計課長上野 良夫君
東京消防庁消防総監村上 研一君
次長安藤 俊雄君
企画調整部財務課長西原 良徳君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 警察・消防委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第七十二号議案 東京都水上安全条例
・第七十三号議案 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都消防関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百十九号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
特定事件の継続調査について

○大津委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 この際、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でございますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大津委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 この際、傍聴人の方々に申し上げます。
 傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って静粛に傍聴をお願い申し上げます。ご協力を願います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警察・消防委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○細谷委員 都民ファーストの会東京都議団を代表いたしまして、当委員会に付託されました平成三十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成三十年度一般会計予算案は、安全・安心なセーフシティー、誰もが輝くダイバーシティー、世界をリードする持続可能な都市、スマートシティーの三つのシティーの実現に向けた各分野の施策に思い切った予算措置を行っています。
 また、事業評価を徹底し、スクラップ・アンド・ビルドが行われ、高齢化対応や社会資本の更新など、将来増加する需要に備えた予算となっております。
 そして、都民や職員のアイデアを募集するなど、予算編成過程が都民に開かれ、都民が参加できるものになったことなど、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングの取り組みによる一層の推進が図られた予算案となっております。
 他方、都財政は、景気変動に大きく影響を受ける法人税の割合が多く、都民のための施策を持続的に行うための強い財政基盤が不可欠です。
 今後とも、都民ファーストの観点から、賢い支出、透明性の確保を追求し、三つのシティーの実現に向けて、より効果的でスピード感のある施策を強く要望いたします。
 意見開陳の冒頭に、まずそのことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 初めに、警視庁関係について申し上げます。
 一、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会など、来日外国人の増加を見据え、英語表記の道路標識などの整備を推進するとともに、警察官が外国人に対しスムーズな各種警察活動を行うため、多言語に対応した音声自動翻訳システムの整備を図られたい。
 一、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、東京は注目度が今後さらに増すことから、国際テロ情勢を踏まえたテロ対策を強力に推進するとともに、関係機関や地域住民等との連携を一層強化して、危機意識の共有を図るなど、官民連携によるテロ対策を推進されたい。
 一、犯罪の起きにくいまちづくりのために、パトロールの強化を初め、防犯カメラの設備を推進するなど、犯罪抑止対策に努められたい。
 一、年々高度化、複雑化するサイバー空間の脅威に的確に対処するための環境の整備を行うとともに、関係機関との連携によるサイバーセキュリティーの強化を図るなど、諸対策を推進されたい。
 一、オレオレ詐欺などの特殊詐欺に対し、犯罪抑止女性アドバイザーを活用した金融機関での声かけ等を強化するとともに、日常生活を脅かす犯罪に関する情報を積極的に提供するなど、特殊詐欺根絶に向けた取り組みを推進されたい。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を初め、テロ災害等への対応に万全を期すために、消防活動体制の強化や新たな情報通信設備等の整備に努められたい。
 一、迅速な救急搬送体制をさらに確保するため、救急車の増強整備や救急搬送に活用するヘリコプターの整備に努められたい。
 一、大規模災害に備え、都市型の災害から都民の命と安全を守るため、消防装備資器材の充実や震災時に活動拠点となる消防署等の機能強化に努められたい。
 一、日常生活における各種事故を未然に防ぐために、救急搬送のデータからわかる事故原因の分析を行い、起こりやすい事故を知り、対策をとれるように、都民や関係機関等に引き続き情報提供を図られたい。
 一、地域防災力の向上に向け、地域の特性に応じた防災訓練に取り組み、地域住民の意識を高めるとともに、訓練用資器材の充実に努められたい。
 一、特別区消防団員の定員の充足率九〇%以上の実現に向け、募集広報活動をさらに推進するとともに、多摩地域も含めた団員の相談体制の充実を図るなど、活動環境の充実に努められたい。
 以上で都民ファーストの会の意見開陳といたします。

○吉原委員 それでは、都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託されました平成三十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が党は、平成三十年度予算の編成に当たり、世界で一番の都市東京の実現に向け、少子高齢化への対応、そして防災対策や治安対策の強化など、山積する課題に適切に対応するとともに、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、直面する具体的な課題を着実かつ迅速に解決していくことを要望してまいりました。
 また、無駄を排除し、施策の実効性を高め、強固な財政基盤を堅持することについても強く求めてまいりました。
 平成三十年度予算は、おおむねこうした我が党の要望が反映されたものと考えます。
 しかしながら、この間の質疑で十分な答弁が得られず、さらに議論を深めていくべき点も残されています。知事が廃止すると表明した特別顧問の報酬が予算案に計上されたままです。
 また、市場移転問題に関し、知事は安全宣言を出す時期を明示せず、築地再開発の検討経費が中央卸売市場会計に計上されていることについては、市場関係者や都民が納得できる説明がなされておりません。
 これらの課題について、我が党は引き続き、三月二十六日に予定されている予算特別委員会の締めくくり質疑で議論を深めてまいります。
 加えて、予算編成過程についても苦言を呈さざるを得ません。知事は、議会への予算案の説明及びプレス発表を行う前に、特定の団体にその内容を事前に告知するという暴挙を犯しました。こうした行為は、二元代表制を揺るがすものであることを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、深刻化するサイバー犯罪、サイバー攻撃の脅威に的確に対処するため、情報の集約や分析、専門捜査員の育成、官民連携による協力体制を図るなど、諸対策を強力に推進されたい。
 一、関係機関や地域住民等との連携を一層強化して、危機意識の共有を図るなど、官民連携による国際テロ情勢を踏まえたテロ対策を推進されたい。
 一、東日本大震災や集中豪雨の影響による土石流災害、河川氾濫を教訓として、あらゆる事態を想定した各種災害発生時における必要な車両や装備資器材を整備し、災害対策を一層強化されたい。
 一、高齢者が加害者となる重大交通事故の抑止対策及び悪質、危険な自転車運転者に対する指導取り締まりを一層強化するとともに、交通ルールを遵守させるなど、良好な道路交通環境の実現を図られたい。
 一、依然として厳しい治安情勢に加え、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、引き続き必要な職員の増員を図るなど、体制を強化されたい。
 一、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例については、適切に運用し、人身安全事案に対し的確に対応するとともに、都民生活の安全の確保に努められたい。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催を控え、テロ災害対応力を強化するため、消防活動体制の強化や装備資器材の充実に努められたい。また、大会期間中の安全確保のため、火災予防体制の充実に努められたい。
 一、複雑多様化する災害に対応するため、最新技術を取り入れた消防車両及び各種通信設備等を整備されたい。
 一、震災や水災など大規模災害等への対策を強化するため、大規模災害対策用資器材の充実強化に努められたい。
 一、消防団の災害活動体制の充実強化を図るため、消防団分団本部施設、AED等の装備資機材の整備や消防団員の募集広報活動に努めるとともに、消防団員の資格取得を推進するなど、処遇の改善や士気高揚策を促進されたい。
 一、臨海部等の環境変化に伴う消防行政需要へ的確に対応していくため、水上消防体制の充実強化に努められたい。
 一、救急活動体制の強化を図るため、救急隊の増強整備や救急相談センターの充実に努められたい。
 一、町会、自治会等の地域住民や関係機関との密接な連携を図り、地域特性に応じ、実効性のある防火防災意識を推進し、訓練用車両や資器材等の充実に努められたい。
 最後に、警視庁、消防庁に関しまして、我が党の公約であります災害や犯罪から都民を守る安全・安心な都市の実現に向けて着実な予算執行を図ることを要望いたしまして、意見の開陳を終わります。

○橘委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました平成三十年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 平成三十年度一般会計予算は、人に焦点を当て、待機児童対策と超高齢社会対策など、都民生活の向上へとつながる施策に重点的に予算措置を行うとともに、事業評価の取り組みの一層の促進等により強固な財政基盤を堅持し、昨年度以上にめり張りのきいた予算となっております。
 具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた市町村総合交付金の充実、医療的ケアを必要とする児童生徒への通学支援、医療費助成制度の精神障害者への対象拡大、女性視点の防災ブックの活用などの各施策や、希望する期間の育児休業取得への支援など、都民の暮らしを守るための各施策が随所に盛り込まれております。
 一方、都財政は景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、地方法人課税のさらなる不合理な見直しの動向など、その先行きは予断を許す状況にありません。
 平成三十一年度税制改正に向け、財源の奪い合いではなく、地方の役割に見合った税財源の拡充という本来の方向性を目指し、今後の取り組みを戦略的に進めていくべきであります。
 また、事業評価の取り組みでは、新たにエビデンスベースによる評価を開始するとともに、我が党がこれまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる六百七十六件の見直しや、再構築、約八百七十億円の財源確保額へとつなげており、高く評価いたします。
 今後とも、いかなる状況にあっても都民生活を守ることを第一に考え、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて、都が進めている入札契約制度改革について、業界団体、特に中小企業の現場の切実な声を真摯に受けとめ、抜本的な見直しを行うことを強く求めておきます。
 初めに、警視庁について申し上げます。
 一、ストーカー、DV事案及び特異行方不明者などの人身安全関連事案については、関係団体との連携及び体制の強化を図り、被害者等の安全確保に万全を期すこと。
 一、依然として、都民生活の平穏を脅かす特殊詐欺など、都民に身近な犯罪が後を絶たないことから、犯罪発生状況等に応じた諸対策を推進し、事件の早期解決、被害の拡大防止に努めること。犯罪抑止女性アドバイザーを有効活用した金融機関での声かけ等を強力に推進するなど、高齢者に対する被害防止に向けた取り組みを推進すること。
 一、東日本大震災や集中豪雨による土砂災害等の大規模災害、大規模停電を踏まえ、装備資器材の整備や救助体制をより充実させるとともに、警察官が災害の復旧活動に最大限従事できる体制の充実を図ること。
 一、通学路等の生活道路における交通安全を確保するため、各種ボランティア等と連携して、ドライバーへの安全運転の呼びかけを行うなど、生活道路の交通安全対策を推進すること。
 一、厳しい治安情勢に加え、複雑化、困難化する警察事象に対応するほか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた諸対策の万全を期すため、引き続き必要な職員を確保し、体制を強化すること。
 次に、東京消防庁について申し上げます。
 一、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、テロ災害への対応力を強化するとともに、大会期間中の安全確保のため、火災予防体制の充実に努めること。
 一、救急活動体制を強化するため、救急隊の増強及び救急相談センターの充実に努めること。
 一、消防活動体制の充実強化を図るため、各種資器材及び訓練施設の整備に努めること。
 一、東京港における各種災害に対し、適切かつ迅速に対応できるよう、水上消防体制の強化に努めること。
 一、消防団の活動体制の充実強化を図るため、消防団員の確保に努めるとともに、消防団員の資格取得を支援するなど処遇改善に努めること。また、可搬ポンプ積載車及び装備資機材の整備に努めること。
 一、地域特性に応じた実効性のある防火防災訓練を推進し、自助、共助の促進による地域防災力の向上に努めること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○大山委員 日本共産党都議団として、当委員会に付託された平成三十年度一般会計予算の警察・消防委員会所管分について意見を開陳いたします。
 まず、警視庁所管分です。
 一、警察活動に当たっては、都民の生命、身体及び財産の保護を最優先とし、職務の執行に当たっては、憲法の保障する基本的人権の確保に努めること。
 一、予算や人員配置に当たっては、刑事、防犯活動を中心とし、とりわけ地域の安全・安心を守る交番やパトロール体制を強化すること。
 一、交通安全対策を強化し、信号機の増設、歩車分離信号の整備、高齢者とともに、視覚、色覚障害を初め、障害者に対応した信号機の改良に努めること。エスコートゾーンの整備を進めるとともに、一〇〇%音響式信号機にするために、目標を持って増設していくこと。
 一、ゾーン三十を活用した生活道路の安全確保を強化するとともに、自転車道の整備を初め、総合的な自転車対策を進めること。
 一、高齢者ドライバーによる交通事故抑制のための総合的な対策を図ること。免許証を返上する高齢者には、他局とも連携し、移動保障する施策をつくること。
 一、ストーカー事案に対し、機敏な対応の強化など被害防止に万全を図ること。
 一、振り込め詐欺など、高齢者を狙った悪質犯罪への取り締まりを一層強化すること。
 一、テロから都民の生命、安全を守るための対策を推進すること。そのための国際的協力体制の強化、出入国管理の強化を図ること。
 一、暴力団対策を強化し、暴力団の根絶に全力を尽くすこと。凶悪犯罪から都民と滞在者の安全を守る万全の対策を強化すること。
 一、警察官の処遇改善を図ること。
 次に、東京消防庁所管分です。
 一、首都直下地震を初め、予想される大地震に対する対策を強化すること。とりわけ、出火防止のため、感震ブレーカーの普及促進を図ること。初期消火体制を重視し、自主消防組織への消防機器配備など、きめ細かな支援を図ること。深井戸を初め、消防水利の整備促進を図ること。
 一、過密都市東京の事態にふさわしく、消防車や重機などの配備促進及びそのための人員の拡充を図ること。超高層ビル、高層マンション火災への対応、予防対策を強化すること。軽消防車、赤バイなどの配備を進めること。
 一、豪雨が頻発する状況のもとで水害対策を強化すること。被害シミュレーションを強化し、適切な対応が図られるようにすること。必要な資機材の拡充を図ること。
 一、引き続き、救急救命体制を強化し、救急車の増車と救急資格者の増員を図るとともに、救急機動部隊もふやすこと。また、救急相談センターの体制強化を図ること。
 一、多摩地域の消防署未設置市を初め、消防署の整備拡充を図ること。
 一、消防団員の確保への支援を強化すること。分団本部の整備、団員の処遇改善、装備や資機材の拡充を図ること。
 一、消防職員の処遇改善、待機宿舎の整備を計画的に進めること。
 以上です。

○中村委員 私は都議会民進党・立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成三十年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 平成三十年度予算案は、都税収入が前年度比一千四百二十一億円増の五兆二千三百三十二億円となったこともあり、一般会計の歳出総額も七兆四百六十億円と二年ぶりのプラスに転じました。
 しかし、東京都の収入は、景気の影響を大きく受けるとともに、国による不合理な税制見直しなど、今後とも予断を許さない状況にあります。
 加えて、高齢化の進展に伴う社会保障費の増大なども懸念され、事業や制度の不断の見直し、ICTの活用などにより、今まで以上に効率的、効果的な都政運営が求められています。
 とりわけ三十年度予算案では、事業評価によって、前年度比百五十億円増の八百七十億円の財源を確保していますが、私たちは引き続き、KPIの設定や外部の目を活用することなどにより、事業評価がより適切で効果的なものになるよう要望するものです。
 あわせて、今後公表される各局予算要求資料の記載内容を充実するなど、予算編成過程の見える化についても積極的に取り組まれることを求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、警視庁関係について申し上げます。
 一、危機に強い都市を実現するため、官民パートナーシップの構築を進めるなど、テロ対策に万全を期すること。
 一、取り調べの可視化に対応した録音、録画装置の整備などに取り組むこと。また、事件解決に向けて、最新技術を活用した科学捜査の強化を図ること。
 一、特殊詐欺などの被害を防止するために、犯罪抑止女性アドバイザーの委嘱促進や普及啓発活動の充実などに取り組むこと。
 一、視覚障害者が安心して横断歩道を渡ることができるエスコートゾーンの整備を推進すること。
 一、荷さばき車両に配意した駐車規制の緩和、取り締まり重点地域等の見直しについて、引き続き取り組むこと。
 一、パトロールカーへのAED配備を進めること。
 次に、消防庁関係について申し上げます。
 一、防爆仕様の資機材整備や統合機動部隊の創設など、テロ災害に対する救出救助体制の充実強化を図ること。
 一、救急搬送時間の短縮に向けて、引き続き救急隊の増強を図るとともに、ビッグデータなどICTを活用して、効率的な救急対応を推進すること。
 一、緊急性の低い転院搬送の抑制に取り組むとともに、日常生活で生じる事故を未然に防ぐために、生活事故のオープンデータ化を進めること。
 一、二〇一〇年に義務化された住宅用火災警報器は、交換の目安が十年とされており、適正な維持管理に向けた取り組みを強化すること。
 一、築地場外市場の伝導過熱火災などを教訓として、小規模飲食店等の火気管理等の指導を徹底すること。
 以上、申し上げて、都議会民進党・立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○大津委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○大津委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第七十二号議案から第七十六号議案まで及び第百十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○石毛委員 都民ファーストの会の意見表明をいたします。
 警視庁関係付託議案、迷惑防止条例改正案について賛成の立場で意見表明をいたします。
 本改正案は、盗撮行為についてスマートフォンの普及などを背景に、現行の規制場所である公共の場所等以外の場所での盗撮行為が発生し、盗撮画像が流出した場合、二次被害を招くおそれがあることを受け、規制場所が拡大されています。
 電子メールやSNSの連続送信や、うろつき行為等の都民に不安を覚えさせるような行為が発生していることから、これらを新たに規制対象に加えています。
 これらにより、学校や会社等のトイレや更衣室での盗撮、SNS上において相手方から送信をブロックされるたびに、アカウントを変えて、執拗に嫌がらせをする書き込み行為、人間関係のトラブルから被害者の自宅周辺をうろつく等の行為を繰り返すなどの行為に適切に対応することが可能となり、こうした行為に苦しむ被害者を一人でも多く救うことで、命と安全を守る、誰一人取り残さない社会の実現に近づくことができることと確信しております。
 実は、この条例改正案につきましては、先週から昨日まで私どもの事務所に電話やファクス等で、迷惑防止条例改正案に対する賛成や反対などのご意見を多数いただいております。
 賛成の方々からは、この平穏な都民生活をさらに強固にするため、この条例改正案が必要であると賛成の意見が見られました。
 一方、反対の方々からは、立法事実が不明確である、そもそも現行条例が濫用の危険性がある、憲法第二十一条などに反する憲法違反であるというものでした。
 これら条例改正案に対する懸念をお持ちの方々の意見に関しては、三月十九日の委員会質疑において質疑が行われ、警視庁からは濫用防止規定に従い、本条例を適切に運用していくとのこと、正当な理由により行われる政治活動、労働運動、市民運動、報道、表現の自由、各種社会活動は、取り締まりの対象にならないこと、つきまとい等の目標認定については、個々の事案に応じ、法と証拠に基づいて判断することになり、自白のみで判断するものではないとの答弁がありました。
 市民生活の平穏を守る重要性がますます高まり、人身安全関連事案の取り締まりが大きな課題となる中で、都民の命と生活を守るためには、こうした人身安全関連事案の前兆段階における取り締まりを本条例の改正を通じて実現しなければなりません。
 しかし、条例の拡大解釈や濫用は、厳に戒めなければなりません。そのためには、特にこの条例改正案がどのように運用されるのか、一定のガイドラインを作成し、公表していくことが安心につながることとなります。
 警視庁には、ぜひともガイドラインを作成するなど方策を講じ、本条例の各規定を厳格に遵守し、都民の皆様の信頼構築に努めるとともに、都民生活の安全・安心確保に全庁挙げて取り組んでいただくことを切に要望して、都民ファーストの会の意見表明とさせていただきます。

○吉原委員 それでは、都議会自民党といたしまして、付託議案第七十三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例に対しまして、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。
 いわゆる迷惑防止条例は、もともと公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もって都民生活を保持することを目的に制定されたものであると承知をしております。
 しかし、近年、スマートフォンの普及やSNS利用者の増加によるコミュニケーション手段の多様化など、社会情勢の著しい変化により、現行の規制では十分な対応をとることができないつきまとい行為等の相談が警視庁に多数寄せられているとお聞きしております。
 しかし、こうしたつきまとい行為等が規制の対象外であれば、被害者は著しく不安を覚えることになり、また、さらなる重大事件に発展してしまう可能性も否めません。
 都民の不安を解消し、都民の生活を保持するためにも、現在の社会情勢に即した本条例の改正が真に必要であると考えます。
 一方、本条例の改正によるつきまとい行為等の規制拡大は、言論、報道の自由等を保障する憲法第二十一条、団結権、団体交渉権等を保障する第二十八条を侵害するとともに、本条例の改正そのものが、憲法第九十四条、地方公共団体の権能に反するものだという意見、論調も出ているということについては承知しているところであります。
 しかし、規制の拡大されるつきまとい行為等は、ねたみ、恨み、その他悪意の感情を充足する目的の認定が前提条件であることから、正当な市民運動、労働運動等は規制されず、憲法第二十一条、第二十八条を侵害するものではない。また、判例を根拠に、憲法第九十四条に反するものでないことが、先日の警察・消防委員会において確認をされております。
 そのため、一部の方々が懸念するような、本条例の枠を超えた取り締まり等が行われることはないと理解をしております。
 警視庁には、平成十五年の条例改正時に設けられた濫用防止規定を遵守して、改正後の本条例を適切に運用し、重大事件に発展するおそれのある人身安全関連事案や、その前兆となり得る事案に対し、より迅速かつ的確に対応していただくことで、都民生活の安全・安心の確保をさらに確実なものにしていただきたいと切に願い、意見表明を終わります。

○橘委員 迷惑防止条例改正案について意見を述べます。
 当委員会に付託されました迷惑防止条例改正案のポイントの一つは、現行条例では盗撮行為の規制対象外となっている住居やホテルの客室など、プライベートな空間に規制場所を拡大している点であります。盗撮行為は、技術革新に伴う機器の精巧化、小型化等によって、ますます巧妙になっていることから、悪質な盗撮行為に対する規制の拡大強化は、社会的要請ともなっております。
 改正案のもう一つのポイントは、つきまとい行為の形態をSNSの連続送信や、うろつき行為などにも対象を拡大している点です。つきまとい行為が悪質化、多様化し、重大な犯罪につながる例も多く見られる状況を見れば、現行条例による対応に限界があることはいうまでもありません。
 今回の条例改正案の内容について、警視庁が実施したパブリックコメントによりますと、盗撮に関しては、公共の場所以外であっても規制するべきで、条例案に賛成であるとの意見が最も多く寄せられております。
 一方、つきまといについては、行為類型の追加には賛成であるが、さらに規制を強化してほしいとの意見が多数となっております。
 こうしたパブリックコメントは、悪質化する盗撮やつきまといに不安を感じ、的確に対策を講じてもらいたい、治安を強化してもらいたいとの都民の率直な思いのあらわれであると受けとめるべきです。都民生活の安寧と安全を脅かす行為に対しては、法的に厳格に対応すべきです。それが社会の秩序を守るということであり、都民の暮らしの安全・安心を確保する基本中の基本であると考えます。
 したがって、我が党は、当委員会に付託されている迷惑防止条例改正案に明確に賛成の立場を表明します。
 なお、一部に、今回の条例改正案は、政治活動、組合活動、報道、表現の自由、あるいは各種の社会活動まで規制されかねない側面があるとの意見もあります。
 しかし、この点については、過日の委員会における私の質問に対し、警視庁から、正当な理由により行われる政治活動、組合活動、報道、表現の自由、あるいは各種の社会活動は、取り締まりの対象となるものではないとの明確な答弁がありました。議会での答弁は極めて重いものであり、その意味を十分認識すべきと考えます。
 同条例の規定には、都民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して、他の目的のためにこれを濫用することがあってはならないとの濫用防止規定があり、改めてこれを厳格に遵守するよう要請し、意見表明といたします。

○大山委員 本委員会に付託された第七十三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例、いわゆる迷惑防止条例に反対、その他の五議案に賛成の立場から意見を述べます。
 十九日の委員会の質疑のときにも、ファクスやメールで、この条例改定に反対との内容の要請書が、その時点で、団体や個人の要請書、そして、急遽取り組んだ署名など合わせて千を超える団体、個人から寄せられていることを紹介しました。
 その後も、この要請はとどまるどころかさらにふえ続け、今委員会に来る前に数えましたら、十九日の委員会後から現在までに六百九十一枚の団体や個人からの要請書と、追加の署名が三百七十二人分届けてくださっています。
 合わせて千八百十五、他会派の皆さんのところにもきっと来ていると思います。都庁舎の前でも反対の集会が開かれていました。私、二十年以上、都議会議員をしていますけれども、これほどまでに急速に、多くの方々が立ち上がり、主体的に声を上げることは、いまだかつてなかったといっても過言ではありません。
 私たちは、都議会は、そして警視庁は、これらのことを重く受けとめるべきです。それは何より、市民の皆さん方が、第七十三号議案、いわゆる迷惑防止条例改正案は改正ではなく、都民、国民の権利侵害、集会、結社及び出版その他一切の表現の自由、勤労者の団結権など、憲法に保障された権利を侵害することにつながるおそれのある改悪案だからです。
 今回の改定は、つきまとい行為の禁止に、みだりにうろつくこと、その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知り得る状態に置くこと、名誉を害する事項を告げることなどを新たに加え、罰則規定を強化することです。
 しかも、被害者の告訴なしに、警察の判断で逮捕、告訴ができます。これでは、市民が国会前や路上で政治家の批判をする、労働組合が会社を批判する宣伝をする、ジャーナリストが取材対象の周辺を調べることなどを繰り返した場合、取り締まりの対象にされる可能性があります。
 この条例の重大な問題点は、内心のねたみ、恨み、その他の悪意の感情の充足なのかどうかが、犯罪かそうでないかの分水嶺であることが変わっていないことです。質疑で、内心をどう判断するのかただしましたが、個々の事案に応じて、法と証拠に基づいて判断するとしか答弁できませんでした。
 警察の恣意的な判断で犯罪とされ、自白を強要するしか犯罪の立証ができないことになりかねません。しかも、警視庁は、今回の条例改定がなぜ必要なのかという立法事実を何ら具体的に示すことができませんでした。
 新設する規制に該当する事案に関して、把握しているのは相談件数だけ、その相談が重大事件に発展しているのかも把握していないことが明らかになりました。条例改正の理由であるとした重大事案に発展するおそれがあり、早急な対応が必要という根拠を示すこともできませんでした。
 現行条例の一号ないし四号についても、わかるのは相談件数だけで、逮捕数も捜索差し押さえも統計がないからわからない。現行条例が果たして役に立っているのかもわかりません。
 条例改定の根拠を明確に示すことができないような条例案を議会に提出すること自体、許されることではありません。二〇〇三年の本条例に関する審議で、労働運動、市民運動、取材活動は、正当な権利行使だから、本条例の対象外だとする答弁に変わりはないかとの質問に、答弁に変わりはないとの答弁はありました。
 本条例には、もともと濫用防止規定が盛り込まれていますが、そのこと自体、運用方法次第で都民の権利を過度に制限する可能性が高いからです。今回の改定による規制の拡大は到底認められません。
 よって、第七十三号議案に反対することを述べ、意見表明といたします。

○中村委員 私は、都議会民進党・立憲民主党を代表して、第七十三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例について意見を申し上げます。
 いわゆる迷惑防止条例については、第五条の二、つきまとい行為などの禁止について、これまでさまざまな経過がありました。今から約十六年前の二〇〇二年六月に提案された改正案は、余りに対象が広範囲であることから、議会でこの部分を削除するなど、事実上否決となっていましたが、その後、二〇〇三年九月に、正当な理由なくという文言を加え、規制される行為を限定し、かつ濫用防止規定を追加した条例案が再度提案され、可決をし、現在の条文になっています。
 今回、この条文に、みだりにうろつくなどの文言を追加することが提案されたことに対して、なぜこの時期に条例改正をするのかという疑問の声が寄せられました。
 私の質問に対して警視庁からは、みだりにうろつく行為については、既に規制されている待ち伏せや見張りと同様、被害者が著しく不安を覚えるものであるにもかかわらず、規制の対象外とされており、この種事案への速やかな対応が喫緊の課題となっていたとの認識が示され、本行為を新たに規制対象とすることで、さらなる都民生活の安全につながるとの答弁がありました。
 また、私たちは、二〇〇三年の条例改正の経過もあり、今回追加になったみだりにうろつく行為についても、当然正当な理由なく、あるいは濫用防止といった規定が適用されると考えてはいますが、一方で、一度立法化されると解釈が拡大されるのではないかといった声も聞かれます。
 とりわけ今回の改正において、政治活動、労働運動、市民運動、取材活動が規制されるおそれが生じるのではないかと危惧する声が多く寄せられました。
 私の質問に対して警視庁は、正当な理由により行われる政治活動、労働運動、市民運動、取材活動などが、その規制対象となるものではないと明確に答弁しました。現場の運用や裁量なども含めて、これらの政治活動や市民運動などがいかなることがあろうとも規制されてはならないと強く主張し、本条例に対する意見とさせていただきます。

○大津委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。(傍聴席にて発言する者あり)
 なお、傍聴人の方々に申し上げます。
 ご静粛にお願い申し上げます。
 初めに、第七十三号議案を採決いたします。(傍聴席にて発言する者あり)
 ご静粛に願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがございますので、念のため申し上げておきます。ご協力願います。
 初めに、第七十三号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大津委員長 起立多数と認めます。よって、第七十三号議案は原案のとおり決定いたしました。(傍聴席にて発言する者あり)
 次に、第七十……(傍聴席にて発言する者あり)
 なお……(「委員長、退場だよ」と呼び、その他発言する者多し)ご静粛に願います。
 委員長の命令に従わないときは、傍聴規則第十二条第一項第二号の規定により、退場を命じます。
 次に、第七十二号議案、第七十四号議案から第七十六号議案まで及び第百十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、第七十二号議案、第七十四号議案から第七十六号議案まで及び第百十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。(傍聴席にて発言する者あり)
 ご静粛に願います。(傍聴席にて発言する者あり)
 第十二条第一項第二号の規定により退場を命じます。(発言する者あり)
 再三にわたり注意をさせていただいたにもかかわらず、委員長の命令に従わないので、東京都議会委員会傍聴規則第十二条第一項第二号の規定により、そこの傍聴人の皆様に退場を命じます。(傍聴席にて発言する者あり)
 再三にわたり注意を申し上げましたが、これ以上、また続く場合には退場を申し上げます。

○大津委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大津委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。

○大津委員長 この際、両庁を代表いたしまして、吉田警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○吉田警視総監 警視庁並びに東京消防庁を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました両庁関係の議案につきましてご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 私どもは、委員の皆様方から賜りました貴重なご意見を、今後の業務運営に十分反映させ、治安対策、防災対策に全力を尽くしてまいります。
 皆様方には、今後とも両庁に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。

○大津委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十九分散会

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