委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
理事 | 山内 晃君 |
理事 | 高島なおき君 |
理事 | 酒井 大史君 |
尾崎 大介君 | |
東村 邦浩君 | |
中嶋 義雄君 | |
川井しげお君 | |
吉野 利明君 | |
内田 茂君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 一名
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 沖田 芳樹君 |
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱 人身安全関連事案総合対策本部長事務取扱 オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部長事務取扱警務部長事務取扱 | 笠原 俊彦君 | |
総務部長 | 石田 勝彦君 | |
交通部長 | 山本 仁君 | |
警備部長 | 緒方 禎己君 | |
地域部長 | 星野 英彦君 | |
公安部長 | 桑原振一郎君 | |
刑事部長 | 露木 康浩君 | |
生活安全部長 | 田代 芳広君 | |
組織犯罪対策部長 | 内藤 浩文君 | |
総務部参事官企画課長事務取扱 | 後藤 友二君 | |
総務部会計課長 | 高柳 博行君 | |
東京消防庁 | 消防総監 | 高橋 淳君 |
次長 | 村上 研一君 | |
理事兼警防部長事務取扱 | 松浦 和夫君 | |
企画調整部長 | 安藤 俊雄君 | |
総務部長 | 松川 茂夫君 | |
人事部長 | 西村 隆明君 | |
防災部長 | 鈴木 浩永君 | |
救急部長 | 松井 晶範君 | |
予防部長 | 柏木 修一君 | |
装備部長 | 阿出川 悟君 | |
企画調整部企画課長 | 吉田 義実君 | |
企画調整部財務課長 | 市川 博三君 |
本日の会議に付した事件
警視庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 警視庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十四号議案 特定異性接客営業等の規制に関する条例
・第五十五号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
東京消防庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 東京消防庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十八号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
○田中委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
平成二十九年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月十六日
東京都議会議長 川井しげお
警察・消防委員長 田中たけし殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時
(別紙1)
警察・消防委員会
第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中
歳出 繰越明許費 債務負担行為 警察・消防委員会所管分
(別紙2省略)
○田中委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
これより警視庁関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警視庁所管分及び第五十四号議案から第五十七号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○吉原委員 それでは、私の方から、安全・安心にかかわる治安及び交通事故対策について、数点お尋ねをしたいと思います。
ご案内のとおり、現在、都政の大きな課題として市場問題が社会問題化して、大きな議論となっております。これまでにも常任委員会あるいは市場特別委員会、そして予算特別委員会、さらには百条委員会も、平日に加えて、つい最近の三日間、土日、昨日まで連続して議論が行われました。これまでの議論の中身は、いずれも豊洲への決定経緯と責任問題並びに土壌汚染対策が中心の議論ではありました。
この委員会におきましては、冒頭申し上げました治安等について、現状の確認も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。
まず一点目、築地市場における防犯対策であります。
ご案内のとおり、築地市場は二十三ヘクタール、東京ドームの約五個分の広さがあるといわれています。
この市場への出入り口は、正門あるいは勝どき門、青果門、含めて六カ所の門があります。その門は、通常、営業しているときは、誰でも出入りができるような状況になっているわけであります。
ご案内のとおり、市場は開放型の競り場も複数あります。そして、関連棟と呼ばれる一階には、テナント、店舗が入って、食べ物屋さんや、そういうお店があります。二階には、また事務所があります。そうした関連棟と呼ばれる軒を並べた多くの古い建物もございます。
こうした形態から、競り場や飲食店には、市場関係以外の多くの外国人も含めた観光客は、自由に出入りできるようになっていると思います。残念なことに、昨今、問題になりました、競りをしている場所にまで観光客の皆さんが近寄って、さらにはその競りの真っ最中の生鮮食品に直接手を触れるなど、マナー違反も続いてまいりました。そうした中にあって、市場関係者とのトラブルも発生したこともあったわけであります。
昨年以降、特に都内の観光客の増加に伴って、市場への来訪者が大変ふえてきています。今でも、中には万引きをされて困るという苦情もお聞きをしています。安易に誰でも入れる市場内では、万引きや窃盗、そういったことをする目的を持って入ってくる者の可能性は否定できないわけであります。
そうしたさまざまなトラブルを避けるためにも、市場整備の状況が、これまでも求められてきました。
そこでお伺いをいたしますけれども、不要な犯罪をなくすためにも、開放型の形態を鑑みて、警視庁から築地市場に対して、防犯対策などの環境改善をしっかりと指導すべきと考えていますが、見解を伺います。
○田代生活安全部長 警視庁では、多くの人が集まる集客施設等における犯罪防止や、利用者等の安全確保のため、施設管理者に対する警備員の配置や防犯カメラの設置の働きかけ等を行っているほか、警備業者に対する指導等を行うとともに、築地警察署員により、築地市場内外におけるパトロール等を実施するなど、防犯対策を推進しております。
今後も、自治体を初め、事業者、施設管理者、住民などと連携し、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
○吉原委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、警視庁としても、日ごろの状況の中で大変ご苦労いただきながら、そうした防犯対策等に取り組んでいただいている。こういうことはよく理解をいたしました。
しかしながら、築地市場においては、先ほど申し上げたように、門が六つもあるわけで、日ごろから営業中はあいているわけでありますので、門があいているわけでございますので、そうしたときに、あの関連棟といわれるお店のところ、さらには競りをするところ、あそこは開放されて、開放型になっていますから、誰でも近づけるわけですね。そういったものが、一体いつまで続くのか。そういう状況をこれからも続けていっていいのか、私は大変疑問に思っている一人であります。
豊洲市場、これからどうなるか、まだ知事の方向性が出ていないからわからないわけでありますけれども、あちらについては閉鎖型でございますし、きちっとした門も、警備員の皆さんがいらっしゃって、車の出入りもしっかりとチェックをしている。そうした、ある意味、築地市場よりも、完璧かどうかということは営業してみないとわからないかもしれないけれども、格段の差があるのではないかなというふうに思っています。
それでは、次に、場内におけるターレ、フォークリフト等の事故についてお尋ねをしたいと思います。
これまでも我が党より指摘をさせていただきましたが、ターレやフォークリフト、あるいは車などによって、過去五年間の人身事故、そしてまた物損事故は、驚くほど多発しています。
ちなみに、過去五年間の件数を申し上げますと、二十三年から二十七年までの五年間、人身事故が二十三年のときに百三十五件、同じ年に物損事故二百十三件、計三百四十八件という件数が起きました。二十四年でも、人身事故百三十九件、物損事故二百三十三件。あるいは二十五年でも百三十一件、同じく物損事故二百四十二件。二十六年、ずっと過去三年より上回りまして、百五十二件の人身事故がございました。さらには、同様に物損事故も二百六十二件もあったんです。二十七年、これは人身事故が百三十一件、物損事故は前年を上回って二百六十七件ございました。
実に毎年、平均して三百八十一件以上の事故が発生している計算になるわけであります。しかも、年々増加しているといっても、これは過言ではないというふうに思います。
伺いますけれども、これまでもその都度、市場内で交通事故に対して、あそこのところは公道ではございませんので、そうした状況にあっても現場対応をされてこられたのかどうなのか、お尋ねをしたいと思います。
○山本交通部長 築地市場内における交通事故防止対策につきましては、管轄警察署におきまして、毎年春、秋の全国交通安全運動等の時期を捉え、市場関係者に対し、交通安全意識の向上と交通事故防止を図るため、安全講話や啓発用DVDの視聴など、交通事故防止に向けた指導を行っております。また、通報された事案につきましては、警察官が臨場し、現場対応を行っております。
警視庁では、引き続き管轄警察署を中心に、あらゆる機会を通じて、市場関係者に対し交通安全教育を実施し、交通事故防止の徹底と交通安全意識の高揚を図ってまいります。
○吉原委員 今お話しいただきましたけれども、一一〇番があったときはそうやって、全部が全部ではないんでしょうけれども、駆けつけることが多分多いんだろうなというふうに、想像はさせていただきました。そういう意味で、その事故が、本来であればないようにすればいいわけですけれども、敷地の狭隘さもございますから、事故が起きる、そういう状況というのは頻繁なんだなということを、今、実感しています。
これだけ多くの件数が発生する原因としては、今お話ししましたように、場内の幅員の狭さ、これが一つ挙げられると思います。さらに、先ほどもお話ししましたけれども、観光客が大変、年々多くなってきた。そうした増加によるものもあるのではないかなというふうに思っています。
今後も引き続き、場内での事故の多発が、現状のままではさらに心配していかなきゃならないし、懸念もされているところだというふうに思います。公的な役割を果たしているという市場内で、これほど交通事故件数が発生している以上、警視庁としても、築地の市場の管理者に対しては、やっぱりそれ相当の注意喚起をしていかなきゃならないと思います。
そういう意味で、抜本的な改善をもっとすべきではないかというふうに考えますが、ご見解を伺います。
○山本交通部長 ただいまのご質問の趣旨を踏まえまして、警視庁といたしましては、引き続きあらゆる機会を通じまして、市場関係者に対しまして、交通安全教育を実施し、交通事故防止の徹底と交通安全意識の高揚を図ってまいります。
○吉原委員 ぜひ警視庁の皆さんも、市場の中での交通事故ですから、本来は当事者同士が解決すべきという問題点もあるんだろうと思います。
しかしながら、人身事故にも至るような事故があるとするならば、やっぱり今の形態でいいのかということを、市場管理者にはしっかりとお伝えすべきだというふうに思っておりますので、引き続き、大変なことが多いと思いますけれども、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
以上で質問を終わります。
○吉田委員 初めに、特定異性接客営業等の規制に関する条例案について質問いたします。
まず、条例案の立法事実に関して伺います。
いわゆるJKビジネスの実態と条例化の必要性及びパブリックコメントでも寄せられた既存の法令等で取り締まれないのかの点について、お答えください。
○田代生活安全部長 現行の法令では、いわゆるJKビジネスについて、その実態を的確に把握する仕組みがなく、また異性の客に対して身体的接触を行うなどの行為自体が、青少年の健全育成上問題があるほか、性的サービスが行われたり従業員が性的被害に遭うなど、こうした営業で接客する業務は、青少年に対する有害性、危険性が高いことから、有識者の提言を踏まえ、本条例案において、これらの営業について規制をすることといたしました。
○吉田委員 次に、具体的に伺います。
パブリックコメントでは、カフェなど、定義が広く解釈が拡大されることへの懸念が出されていました。また、いわゆるメードカフェが規制対象に当たるのかの疑問もありました。こういう点について、見解をお願いいたします。
○田代生活安全部長 いわゆるカフェについて、本条例案では、特定異性接客営業の一形態として、設備を設けて客に飲食をさせる営業のうち、専ら異性の客に接することや、青少年に関する性的好奇心をそそるおそれがあること等を要件として規定しております。したがって、通常のメードカフェは、本条例案では規制対象とはなりません。
○吉田委員 次に、条例第十六条第二項において、警察職員は、営業所等に立ち入り、質問等することができることが規定されています。他方、条例第十七条では、中止を命ずることができるのは警察官となっています。
第十六条第二項を警察職員とした理由についてお伺いいたします。
○田代生活安全部長 営業所等に立ち入りできる者を警察職員とした理由は、警察官のほか、少年の健全育成を図ることをその任務とし、専門的知識を有する少年補導職員等を想定しているからであります。
○吉田委員 次に、予算に関連して、以前も本委員会で質問させていただきましたけれども、沖縄県への警視庁機動隊の派遣についてお伺いをさせていただきます。
まず、費用に関してですが、警衛及び警備に要する費用は国庫が支弁することになっていますが、国庫支弁の対象事項は何か。そして、沖縄県の派遣に執行された年度ごとの国費の額を明らかにしてください。
○緒方警備部長 米軍基地移設工事等に伴う沖縄県警察への派遣に関して、国庫支弁の対象となったのは、交通費、宿泊費、日当及び車両輸送費です。その総額は、平成二十七年度は約一億二千万円、平成二十八年度は約二億六千万円です。
なお、その具体的な内訳については、警視庁の警察官の派遣人員等が明らかになり、今後の警察活動に支障を生じることから、お答えを差し控えさせていただきます。
○吉田委員 派遣決定の経緯についてですが、前回質問での答弁では、あくまでも沖縄県公安委員会の派遣要請を受けて対応したということでした。
そこで改めて、昨年の沖縄県への派遣に当たって、沖縄県公安委員会からの援助要請があった日付及び警察庁から通知があった日付及び通知の内容について、ご答弁お願いいたします。
○緒方警備部長 沖縄県公安委員会から援助の要求を受けた日付及び警察庁からの事前通知の日付についてですが、平成二十七年十二月十七日に援助の要求を受けたものについては平成二十七年十二月十一日に、平成二十八年七月十二日に援助の要求を受けたものについては平成二十八年七月十一日に、平成二十八年八月四日に援助の要求を受けたものについては平成二十八年八月三日に、平成二十八年九月二十一日に援助の要求を受けたものについては平成二十八年九月十四日及び九月二十一日に、それぞれ警察庁からの事前通知を受けております。また、警察庁からの通知の内容は、派遣期間、派遣部隊、人数等であります。
○吉田委員 沖縄県公安委員会が決定する前に、警察庁から派遣に関する通知がされた事例があったと聞いていますが、こうしたことはあり得ることなんでしょうか。
○緒方警備部長 警察法第六十条第二項では、都道府県公安委員会が他の都道府県警察に対して援助の要求をしようとするときは、あらかじめ、やむを得ない場合においては事後に、必要な事項を警察庁に連絡しなければならないとされていることから、警察庁は、沖縄県公安委員会からの連絡に基づき必要な調整を行ったものと承知しており、派遣に関する通知がなされることもあり得るものと承知しております。
○吉田委員 派遣要求はあくまでも警察庁ではなく、当該都道府県の公安委員会としていることは、私は重要なことだと思います。にもかかわらず、当該公安委員会としての派遣決定前に警察庁が派遣の通知をするということについては、疑問は禁じ得ません。
お伺いいたしますが、この点で基本的なことについてお伺いさせていただきます。
警察事務は都道府県単位となっており、知事や議会が関与する仕組みになっていますが、都道府県警察と警察庁の指揮監督とはどのような関係になっているのでしょうか。ご答弁お願いいたします。
○石田総務部長 執行事務を一元的に担います都道府県警察に対しまして、国の機関である警察庁は、警察制度の企画立案のほか、国の公安に係る事案についての警察運営、警察活動の基盤である教育訓練、通信、鑑識等に関する事務、警察行政に関する調整等を行う役割を担っております。
警察庁長官は、国家公安委員会の管理のもと、これらの警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督しております。
○吉田委員 次に、都道府県警察制度との関係ですけれども、長期にわたる警視庁からの機動隊派遣は、都道府県警察制度の基本原則に照らしていかがなものかというふうに思います。しかも、沖縄県知事を先頭に、県民ぐるみの運動に対し、他の都道府県警察が警備に当たるという事態は、沖縄県民にも東京都民にも理解が得られないものと私は思いますが、どのような見解でしょうか。
○緒方警備部長 沖縄県警察への機動隊派遣について、沖縄県公安委員会から東京都公安委員会に対する警察法第六十条に基づく援助の要求を受け、東京都公安委員会において、要求に係る警察官の派遣を決定しているところであります。
沖縄県警察に派遣された警察官は、沖縄県公安委員会の管理のもと、沖縄県警察本部長の指揮を受け、各種の警察業務に従事しているところ、沖縄県警察では、不偏不党かつ公平中正を旨とし、沖縄県における警察の責務を遂行しているものと承知しております。
○吉田委員 本件に対する質問は終わりますけれども、最後に、この事態の根本は、私は、現安倍政権が知事を先頭とする沖縄県民の思いを無視して米軍基地建設を強行していることにあり、それが改めて問われるべきだという意見を表明して、質問を終わります。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○田中委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、東京消防庁所管分及び第五十八号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○吉原委員 それでは恐縮でございますけれども、先ほど警視庁に築地の問題でお尋ねをさせていただきました。消防庁にも、防火防災についてお伺いをさせていただきたいと思います。
ご案内のとおり、築地市場、昭和十年に開業して、もう八十年以上たっているわけであります。
実は私も平成二十二年に、フランスのパリのランジスという市場に、自民党の有志の皆さんと一緒に視察に行ったことがございました。当時は世界で一番大きな市場だと、こういわれておりまして、今、築地は二十三ヘクタールぐらいだと思いますが、豊洲、それでも四十ヘクタールぐらい。ランジス、何と二百三十ヘクタールぐらいございますから、豊洲の八倍とか前後の大きさの、とっても広いところでございました。
中を見させていただいた中で、品質管理もしっかりと確保されておりましたし、また、車あるいはターレ等の動線もしっかり確保されておりました。やっぱりこういうものを、私たちのこの東京にもつくるべきだなと、そんな思いをして戻ってきた思い出があります。
そのことは、きちっとそれぞれの中で、自民党の中でも、その視察の中身を共有させていただいて、これまでも豊洲市場に向けての検討をさせていただいたというふうに、私自身は思っているところでもございます。
築地というブランド、大変大きなブランドだということで、信頼感も、あるいは安心感も、都民の皆さんにはあるかもしれません。
しかしながら、先ほど申し上げたように、八十年を過ぎた老朽化の問題というものがあります。そしてまた、開放型であるだけに、そういう施設であることによって、限界について直視せざるを得ないような状況になっているのではないかなというふうに思っています。
同時に、築地市場は、一般的には大規模施設でありますから、消防法規に基づいて、必要な防火性能を当然有しておく必要があると思っています。
都内には、築地市場とほぼ同じ建築面積の市場として、平成元年に開業いたしました大田市場があります。防火という観点から見た場合に、より老朽化している築地市場には多くの問題が、私は、比較するとあるなと思います。
そこで伺いますけれども、築地市場内と大田市場内において発生した過去の五年間の建物火災件数と、火災程度及び出火原因について、それぞれ伺います。
○柏木予防部長 築地市場において過去五年間に発生した火災は十六件であります。そのうち、建物火災は十四件で、火災程度の内訳は、部分焼が五件、ぼやが九件であります。
出火原因は、電気配線、器具によるもの六件、たばこによるもの三件、改築作業中の溶接火花によるもの一件、簡易型ガスコンロによるもの一件、不明二件、調査中一件であります。
また、大田市場内において、過去五年間に発生した火災は三件であります。全て建物火災で、火災程度の内訳は、部分焼が一件、ぼやが二件であります。出火原因は、電気配線によるもの二件、たばこによるもの一件であります。
○吉原委員 今、築地市場と、若干新しい、十年前後たっているんだろうと思いますが、新しい大田市場とのその件数の違いというものは、かなり開きがあるなというふうに思いました。
築地市場は、その長い歴史の中で、過去五年間で十六件もの火災が発生しているといわれました。見逃せない、こういうふうに思うのは、施設の老朽化に起因すると思われる原因によって火災が発生したのではないかというふうな思いもしておりますし、若干そんなお話もお聞きをしています。
そこで、電気設備は、老朽化することによって火災の発生のリスクが高まるんだろうと思いますけれども、先ほどの築地市場における電気に起因する火災の原因の詳細について、お尋ねをいたします。
○柏木予防部長 築地市場内において、過去五年間に発生した六件の電気に起因する火災は、コンセント差し込み口の過熱によるもの二件、電源プラグのトラッキングによるもの一件、冷蔵冷凍機用コンプレッサー配線の経年劣化によるもの一件、分電盤コンデンサー内部の絶縁劣化によるもの一件、投げ込み式湯沸かし器の取扱不適によるもの一件であります。
○吉原委員 今の原因をお聞きしますと、ほかの件数もたくさんあるわけですけれども、今のお話をお聞きしただけでも、一般論でいえば、建物が古くなるにつれて、施設や機器などの老朽化による出火危険が高くなっていくのではないか、そんな認識を持つわけですが、よろしいですか。
○柏木予防部長 建物の老朽化とともに、電気設備などの劣化が進むため、適正な維持管理が行われていなかった場合には、出火危険が高まるものと認識しております。
○吉原委員 そもそも、先ほど申し上げましたけれども、築地の市場も開設されてもう八十年を超えているわけでありますけれども、依然として現役の施設として毎日稼働している。このこと自体が大変なことだなと、不思議だなという面も、今、感じているんです。我々、人間を見ても、人を見ても、大体八十ぐらい超えると、足が痛い、腰が痛い、どこか故障があって、そのことが起因して、なかなか歩くことも困難になってしまうとか、そういうことが人によってはあるわけでございますけれども、そういうことを感じると、年数が、建物であっても、あるいは電気設備であっても、やっぱり老朽化してくるに従ってふぐあいが生じてくる。これは当然のことなのではないかなというふうに思います。
次に、築地市場で直近のうちに火災がございました。昨年の十一月だったような記憶をしているわけでありますけれども、そこにはちょうど勝どき門の立体駐車場の一階にある塩干物の競り場の中からということでございました。この火災の原因というのは、一部にはまだ調査中だと、こういうようなお話もお聞きしておりますけれども、その辺のところ、もしわかれば教えてください。
○柏木予防部長 勝どき門立体駐車場一階の水産物の卸売り場で発生した火災の原因は、現在調査中ですが、当該卸売り場の営業時間外に出火したことなどから、放火または失火の可能性が考えられます。
○吉原委員 放火であるかもしれない。かもしれないと、こういうことでございますけれども、ちょうど当日は、お聞きしますと、十一月二十三日、これはたしか祝日だったと思いますから、休市日になっていたのかなという気がするわけであります。
しかし、その際についても、先ほど申し上げたかどうかちょっと記憶にないんですけれども、築地市場には門が六つありますけれども、営業しているときは開いていますから、誰でも入れる。そうでないときだとするならば、そうでないときとするならば、たやすく入れるような環境にあったのか。しかも、夜中のことですから、どういう状況なのかということがちょっとよく見えない部分があるわけでありますけれども、しかしながら、築地市場の中では、あそこの塩干の競りの場というのは、建物そのものはまだそんなに古いわけではないんですね。新しいわけではありませんけれども、二十年前後ぐらいでしょうから。しかも、枠に囲まれているところでありますから、その中でそうした火災というか、ぼやというか、起きたということについては、ちょっと腑に落ちないな。しかしながら、それだけ入りやすいところなのか、何かの要因があってということについては、また明らかにされることがありましたら教えていただきたいというふうに思います。
こういった火災の原因ということを考えると、老朽化の問題はもちろんでありますけれども、やっぱり気になるのは、築地市場が開放型の施設だと、こういうことなのではないかなと。建物の外部から容易に内部に入ることができる、こういうことでありますから、築地の現状を見れば、各門でのチェックの限界があるということは明らかなのではないかなというふうに思います。
特に卸売市場というのは、卸、仲卸、買い出し人、そして産地からの搬入車両など、多くの関係者が出入りをする施設でもあります。一方、豊洲は、門にはゲートがちゃんと備えつけられております。ご案内のとおりだと思いますけれども、車両の出入りをしっかりとコントロールするようにしている。それに対する築地の現状は、比べ物にならないぐらいといっていいかどうかわかりませんけれども、格段の差でセキュリティーの面でも劣っているんではないかなというふうに思います。
老朽化の問題や、開放型で誰でも市場内部に入ることができるという築地市場の現状について、建物の火災予防という側面からも、築地市場には大きな問題、課題があるというふうに考えています。これはとても重大な問題でありますから、明確に指摘をさせていただきました。
そういう意味でいえば、東京都の施設の中でも、防災上重要な施設の耐震化は、平成二十八年度末の統計で九九・四%だといわれておりました。その〇・六%に当たるものが二十九棟、うち五棟が何と築地の建物だ、こういうことでございます。残りの二十四棟は何だろうかとお尋ねをいたしましたら、それは職員住宅だとか、そういったもののようでございますけれども、築地の五棟というのは大変な数字だなと思います。
しかしながら、ほかのものについては、一年後にはしっかりと改築をして、改造して、新たにつくるものはつくると、そういう手を入れるということで、既に決まっている、こういうふうにお聞きをしているわけでございますけれども、築地の分については、まだそういう状況にないわけでございますので、その辺のところはやっぱり消防庁の皆さんも大変ご苦労いただいているんだろうと思いますけれども、やっぱり関係の築地市場の管理者と、ぜひ消防法上の指導をしっかりと連携をとってもらった上で、防火防災の向上に努めてもらいたい。
そういうお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京消防庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十二分散会
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