警察・消防委員会速記録第三号

平成二十八年三月十四日(月曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長中屋 文孝君
副委員長東村 邦浩君
副委員長吉原  修君
理事上田 令子君
理事吉野 利明君
理事山下 太郎君
尾崎 大介君
長橋 桂一君
中嶋 義雄君
川井しげお君
高島なおき君
野村 有信君
内田  茂君
吉田 信夫君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監高橋 清孝君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱人身安全関連事案総合対策本部長事務取扱
オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部長事務取扱警務部長事務取扱
山下 史雄君
総務部長筋 伊知朗君
交通部長大澤 裕之君
警備部長緒方 禎己君
地域部長星野 英彦君
公安部長桑原振一郎君
刑事部長中村  格君
生活安全部長茂垣 之雄君
組織犯罪対策部長内藤 浩文君
総務部参事官企画課長事務取扱古澤 宣孝君
総務部会計課長後藤 友二君
東京消防庁消防総監高橋  淳君
次長村上 研一君
企画調整部長松川 茂夫君
総務部長荒井 伸幸君
人事部長阿部 勝男君
警防部長松浦 和夫君
防災部長関  政彦君
救急部長安田 正信君
予防部長西村 隆明君
装備部長阿出川 悟君
企画調整部企画課長吉田 義実君
企画調整部財務課長市川 博三君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 警視庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十四号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
・第九十号議案  公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
東京消防庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 東京消防庁所管分
付託議案の審査
・第九十一号議案  東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例(質疑)
・第九十二号議案  東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第九十三号議案  火災予防条例の一部を改正する条例(質疑)
・第九十四号議案  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百二十六号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例(説明・質疑)

○中屋委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成二十八年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十八年三月九日
東京都議会議長 川井しげお
警察・消防委員長 中屋 文孝殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月九日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十七日(木)午後五時

(別紙1)
警察・消防委員会
 第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中
        歳出
        繰越明許費
        債務負担行為
警察・消防委員会所管分

(別紙2省略)

○中屋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより警視庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警視庁所管分、第八十四号議案、第八十五号議案及び第八十八号議案から第九十号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 最初に、DV、ストーカー対策についてお伺いします。
 鳴り物入りで平成二十五年、ストーカー・DV総合対策本部、現人身安全関連事案総合対策本部、設立されました。おかげさまで都民に大変喜ばれ、相談件数が増加傾向にございますが、これを受けて、警視庁の取り組み姿勢を都民に対しどのように周知をされているのか、ご所見をお聞かせください。

○山下副総監 ストーカー、DV事案を初めとする人身安全関連事案への対処に当たっては、生命、身体の安全確保を最優先に、迅速的確な対処を行っており、リーフレットや警視庁ホームページ等の媒体を通じて、警察署等の相談窓口や被害防止策等について広報しているところであります。
 また、相談受理件数や検挙件数等の活動結果についても広報を行い、当庁の取り組みに対する都民の皆様の理解を得られるよう努めているところであります。

○上田委員 おかげさまで私も何件か相談をさせていただき、解決に向けてのご努力をいただきました。
 このDV、ストーカー被害者の一時避難に伴う宿泊費や心の治療費、臨床心理士等の診察費、東京は、公費負担制度と警察内カウンセラーを設置している珍しい都道府県でございます。
 この公費負担の現状と今後の課題はどうなっているのか、ご所見をお聞かせください。

○山下副総監 ホテル等の宿泊施設への一時避難に伴う公費負担については、昨年六月、ストーカー、DV事案の被害者の経済的負担軽減のための制度を設けたところであります。
 また、精神面のケアについては、要望に応じて臨床心理士の資格を有する当庁職員がカウンセリングを実施することにより、被害者の経済的負担の軽減に努めております。
 今後は、ストーカー、DV事案の増加に伴い、提携するホテルの拡充等、被害者の負担軽減に資する制度の運用の充実を図ってまいります。

○上田委員 ありがとうございます。
 次は、社会的弱者、女性のみならず子供の問題です。
 警察と学校の連携体制につきまして、かねてより、警視庁から教育委員会及び教育庁への情報発信は、教育庁よりも、本当に桁が違うほど情報提供をされています。その象徴として活用されているスクールサポーター制度そのものが、教育委員会や学校関係者、特に校長先生はご存じでも、担任レベルがご存じないことがあり、浸透、活用されていないとの印象を受けますが、警視庁の見解についてお聞かせください。

○茂垣生活安全部長 お答えいたします。
 スクールサポーターは、本年二月末現在、約百四十人が配置されており、学校を初めとする関係機関と連携しながら、少年の非行防止及び立ち直り支援対策等に当たっております。
 昨年は、都内の学校にスクールサポーターが延べ四万回以上の訪問活動を行ったところでございますが、今後も同サポーターを積極的に活用し、学校等の関係機関との連携に努め、その活動の浸透を図ってまいります。

○上田委員 大変ありがたい制度でございます。
 さて、学校において生徒が虐待やいじめを受けた場合、生徒が直接警察へ通報することはハードルが高くて、子供ですので、少し腰が引けてしまうこともあるのかなと思います。こういった生徒に関しての警察への相談の仕方は周知をされているのか、お取り組みをお聞かせください。

○茂垣生活安全部長 少年相談にかかわる窓口といたしまして、警察署の少年係、都内八カ所の少年センター、電話相談窓口であるヤングテレホンコーナー等を設置しており、警視庁ホームページやスクールサポーターを活用した学校などとの連携により、これらの窓口の周知を図っているところであります。
 昨年は、本部及び警察署で、少年からの相談を含め七千件以上の相談を受理しております。今後もこうした相談窓口の周知に努めるとともに、学校におけるいじめ等に関する情報の把握に努めてまいります。

○上田委員 非常に頼もしいお取り組みでございます。
 さて、昨年八月、私自身が暴力事件の目撃者として取り調べを受けました際に、犯人のいる取調室前を通ることになってしまったり、私の名前を大きな声で呼ばれていて、この私でもちょっと不安な思いをいたしました。
 また、制服の警察官や捜査員に何度も同じ話をしなくてはいけなくて、理由がわからないので、ちょっと効率がどうなのかなというふうにも思いました。
 こうした参考人として取り調べを受ける人に対する場所、時間、方法についてはどのような配慮をしているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○中村刑事部長 犯行を目撃された方など参考人に対して、事情聴取や現場検証への立ち会いなどのご協力を求めるに当たっては、こうした方に過度にご負担をおかけすることがないよう配慮することが必要でございます。
 このため、犯罪を立証する上での必要性を説明するとともに、その方のご都合や事情を伺い、実施する場所、時間、方法等を検討して実施することにより、ご理解をいただくよう努めているところでございます。

○上田委員 何分、古い警察署でしたので、かなり、やはりスペース的に無理があったのはよく理解しております。捜査協力者に対しますソフト面やハード面の一層の配慮は必要と感じますが、警視庁のご見解はいかがでしょうか。

○中村刑事部長 捜査に関係を有する方にご協力をいただくに当たっては、必要な限度を超えてのご負担やご迷惑をおかけすることのないよう、その方の利便を考慮することが必要であるため、相手方のご要望を把握した上で、捜査の必要性、緊急性等を勘案し、事情聴取の日程、場所、方法等を検討して捜査を行っているところでございます。
 今後も、捜査にご協力をいただく方のご要望に沿うよう努めてまいります。

○上田委員 過日は大塚警察の落成式にお呼びいただき、ありがとうございました。やっぱりハード面の大切さというのを感じまして、施設に対する予算に関しては、私も引き続き検討をしていきたいと思います。
 次に、DV、ストーカー被害者に対する取り調べ時において、どのような配慮をしていただいているのか、お尋ねいたします。

○山下副総監 ストーカー、DV被害者の事情聴取に当たっては、被害者の心情に配慮して、警察署の相談室などの事情聴取にふさわしい場所を利用したり、被害者の希望に応じて女性警察官に事情聴取を担当させるなど、被害者にできる限り負担を与えないよう努めているところであり、今後も被害者に寄り添って、適切に対応してまいります。

○上田委員 警察の苦情処理については、適正に数字を把握しているところは承知しているところです。この苦情は適正にどのように処理されていくのか。例えば、PDCAサイクル等に乗って処理されているのか、現状をお示しください。

○筋総務部長 警察職員の職務執行に関して苦情を受理した場合は、その事案を取り扱った所属の長が速やかに必要な事実調査を行い、調査結果を、苦情を申し出た方に回答しております。
 また、事実調査の結果、事案の取り扱いにおいて警察職員の職務執行に非があると認められた場合には、そのような事案の生じた経緯や原因について、より深く検証を行い、教訓事項を組織内で共有し、同種事案の再発防止に努めております。

○上田委員 ありがとうございます。
 次に、告発について、公務員は刑事訴訟法に基づきまして、何らかの犯罪行為、児童虐待や動物虐待などを知ったときは告発する義務を有するところですが、警察が行政機関から告発を受けた場合の対応と連携体制はどのようになっているのか、お示しくださいませ。

○中村刑事部長 行政機関から、職務上何らかの犯罪があるとして告発を受けた場合は、関係者からの事情聴取や関係資料の提供など、犯罪の立証に必要な協力をいただきながら捜査を進めております。
 また、事案に応じて関係行政機関との合同立ち入りや平素の情報共有を行うなど、連携を図っているところでございます。

○上田委員 連携状況を確認できました。ありがとうございます。
 次に、テロを初めとする警備に従事する警察官への配慮です。
 国民をテロから守るのは警察官の任務でありますが、国民の安全だけではなく、テロ対策に従事する警察官と警察職員の命を守ることも重要と考えております。装備や制服などの軽量化や改善に向けてのお取り組み、勤務環境へのご配慮につきまして、お示しいただきたいと思います。

○緒方警備部長 最前線でテロに対処する機動隊員の安全を確保するため、新素材の採用による防護盾の軽量化を進めるとともに、個人装備を装着しやすいよう出動服の改良に取り組むなど、装備の高度化に努めております。
 また、ワークライフバランスに配慮した業務運営により、極寒や猛暑の中でも任務に集中できる勤務環境づくりに努めております。

○上田委員 次に、勤務環境についてお尋ねします。
 パワハラやセクハラのない働きやすい勤務環境が不可欠であると考えますが、良好な勤務環境確立のためには、警視庁ではどのようなお取り組みをしていらっしゃるのか、お示しください。

○山下副総監 ハラスメントのない良好な勤務環境を形成するため、各所属において、ハラスメント防止ハンドブックや視聴覚教材を活用し、ハラスメントの絶無に向けた教養を行っております。
 また、幹部に対する研修、各種会議等において指導教育を行うなど、意識の浸透を図っております。
 さらに、各所属にハラスメントに関する相談員を男女各一名以上指定しているほか、本部にもホットラインを開設して、職員が相談しやすい環境づくりに努めております。

○上田委員 ありがとうございます。
 犯罪情勢など鑑みますと、警察署の各課の中で、私の嫌がらせに対しても逮捕いただきました生活安全課は、DVやストーカー、児童虐待対策、少年問題、生活相談等、その業務負担が生活安全課に急増していると感じておりまして、この生活安全課の勤務環境や事務分掌等を改善していくべきであると考えますけれども、見解はいかがでしょうか。

○筋総務部長 生活安全課の業務のみならず、我が国にとって現実のものとなっている国際テロの脅威や深刻化するサイバー空間の脅威などにより、治安情勢は依然として厳しく、各部門において業務が増大しているところであります。
 こうした状況に対応するため、個々の職員の負担を見きわめての人員の配分、業務の合理化、効率化、さらには警察職員の増員、組織の整備等の取り組みを行っております。
 今後ともこうした取り組みにより、力強い組織基盤の構築に努めてまいります。

○上田委員 まことに頭が下がるところでございます。
 さらに重ねて、精神病疾患者や認知症の高齢者、先ほど来いっていますDV、ストーカー被害者に第一線で対応される制服警察官に対しては、十分なノウハウや指導、研修が、臨機応変な対応が迫られますので必要と考えますが、その方策はどのようにされているのか、お示しください。

○茂垣生活安全部長 精神障害者、認知症高齢者、ストーカー、DVの被害者に適切に対応するため、外部講師による講座や視聴覚教材を活用した指導研修等を行っているところであります。
 また、昨年、認知症対応要領ハンドブックを作成して、全職員に配布し、現場で活動する職員の能力向上を図っているところであり、今後もこうした取り組みを通じて、適切な対応に努めてまいります。

○上田委員 小さな子供からお年寄りまで、一年三百六十五日二十四時間の対応、そうした礎のもとにあるということを確認させていただきました。
 最後に、二月に第三期東京都犯罪被害者等支援計画が策定されました。兵庫県明石市では、犯罪被害者等の支援に関する条例が制定される中、各自治体にて特化した取り組みが推進されております。
 警視庁においても、これまで犯罪被害者対策を手厚く講じてきたところではありますが、第三期支援計画もなされ、全国的な機運も高まる中、今後どのような方針のもと、新たな支援を講じられていくのか、ご所見を伺います。

○筋総務部長 これまで、被害者に常に寄り添う心の通った支援活動の推進のため、各種支援制度の充実を図ってきたところであり、こうした取り組みの一環として、昨年には、被害者宅が事件発生現場となった場合に、ハウスクリーニングに要する費用を公費支出する制度の運用を開始しております。
 今後も、第三期東京都犯罪被害者等支援計画を踏まえ、被害者支援施策の充実強化に向けた検討を進めるとともに、より広く都民、事業者等の理解を得るため、スポーツ等の各種イベントの機会を活用するなど、関係機関と連携した被害者支援に関する啓発活動にも取り組んでまいります。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○中屋委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、東京消防庁所管分、第九十一号議案から第九十四号議案まで及び第百二十六号議案を一括して議題といたします。
 追加提出されました第百二十六号議案について、理事者の説明を求めます。

○村上次長 平成二十八年第一回都議会定例会に追加で提出いたしました東京消防庁関係の案件につきまして、ご説明申し上げます。
 案件は条例案一件で、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例案であります。
 お手元の資料によりましてご説明いたします。
 本案は、本条例の規定の基準である非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令が平成二十八年二月二十四日に公布され、厚生年金保険法による障害厚生年金等が支給されている場合の傷病補償年金及び休業補償の額に乗ずる調整率が変更されましたことから、本条例においても当該政令との整合を図り、年金等の調整率を変更するものであります。
 なお、施行日につきましては、平成二十八年四月一日を予定しております。
 以上、大変雑駁ではございますが、提出案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中屋委員長 説明は終わりました。
 その他の議案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 消防団の取り組み、とりわけ女性団員への対応と分団本部の整備について質問をいたします。
 昨年、年末特別警戒で訪問した分団で、女性団員に配慮した分団本部整備の努力がされていることを知りました。女性団員がふえ、さらにふやしていく上で、団本部の整備を初め、女性団員への配慮が求められているというふうに思います。
 改めて、女性団員数及び比率はどのように推移しているのですか。
 女性団員は、ひとり暮らし高齢者への防火訪問や防災教育などの役割が期待されていると思いますけれども、女性団員の役割をどのように認識しているのか、お答えをお願いいたします。

○関防災部長 女性消防団員は、平成二十七年四月一日現在二千四百一名で、全体の一七・二%であり、平成二十年から四百三人、三・四ポイント増加しています。
 また、女性消防団員は、応急救護訓練や防火防災診断等においてきめ細かな指導を行うなど、地域防災力の向上に貢献しております。

○吉田委員 年末特別警戒で訪問して感心した分団本部は、昨年改修されたものですけれども、トイレが会議室と車庫に男女別々に配置をされ、しかも女性用トイレは、着がえができるようにということで棚を設けるなどの工夫がされており、女性団員の方は、自分たちの要望を生かされて整備をされたというふうに説明をしてくださいました。
 女性団員がふえる中で、こうした努力は極めて重要だと思いますけれども、分団本部の整備に当たって、広さや機能、トイレなど、どのような方針で取り組んでいらっしゃるのか、ご答弁をお願いいたします。

○関防災部長 特別区消防団の分団本部施設については、延べ面積八十平方メートルを基本とし、会議や教育訓練を行う部屋のほか、装備資機材の収納スペースを整備することとしております。
 また、トイレについては原則二カ所設置することとしており、女性消防団員にも配慮した環境づくりに努めています。

○吉田委員 努力はされていますけれども、杉並区でもトイレがない分団本部がいまだに三カ所あります。一番狭い分団本部は床面積が十四平米、ここは、ことし改修の予定だというふうに聞いていますが、こうした状況が残されているのも現実だというふうに思います。
 整備が必要な分団本部数及びトイレのない分団本部は、今どれだけ残されているのでしょうか。全分団整備に向け、来年度及び今後の計画についてご答弁をお願いいたします。

○関防災部長 特別区消防団の分団数は四百三十九で、平成二十七年十二月末現在、整備が必要な分団本部施設は百二棟であり、このうち六十九棟にはトイレが設置されておりません。
 来年度は、八棟の分団本部施設を整備する予定であり、引き続き、老朽度、狭隘度等を勘案し、優先度の高いものから順次整備してまいります。

○吉田委員 ぜひ要望に応えられるよう、必要な予算措置を拡充していただきたいと思いますけれども、最大の問題は、いうまでもなく土地の確保、地元区や周辺住民の皆さんの協力だと思います。
 杉並の分団本部十五カ所のうち、敷地が東京消防庁所管が六カ所、都市整備局、水道局所管が二カ所、杉並区所管が四カ所、ほかは神社、民間企業でした。都営住宅など所管する都市整備局を初め、都庁各局、さらに区の協力が重要だと思いますけれども、どのように取り組んでいらっしゃるのか、ご答弁をお願いいたします。

○関防災部長 特別区消防団の分団本部施設の用地については、都有地を活用するほか、各区等と連携して、引き続き確保に努めてまいります。

○吉田委員 最後に、女性団員も含め、団員確保の上で事業所の協力が重要だと思います。団員の中で、被雇用者団員の比率の推移はどのようになっているのでしょうか。事業所の協力拡大が重要と思いますが、どのように取り組んでいるのか、ご答弁をお願いいたします。

○関防災部長 被雇用者団員は、平成二十七年四月一日現在七千二百六十四人で、全体の五一・九%であり、平成二十年から八百七十六人、七・八ポイント増加しております。
 消防団員を確保するためには、事業所の協力が重要であることから、複数の従業員が入団しているなど消防団活動に協力をいただいている事業所に対しては、消防団協力事業所表示証を交付しており、その数は現在三百九十事業所であります。
 引き続き、リーフレット等を活用し、事業所への協力依頼を行ってまいります。

○吉田委員 静岡県では、消防団活動に協力する事業所に対し、上限十万円ですけれども、税の軽減措置を条例で定めて、支援をするという努力をしているようです。事業所に対する支援、そして何よりも消防団員の処遇や装備の改善に一層の努力をされることを心から要望いたしまして、質問を終わります。

○上田委員 首都東京も人口がふえ続けているところでございますが、救急出場件数はふえ続け、過去最高という報道が最近なされて、更新しているということです。その増加する要因はどのようなものなのか。
 また、緊急性がない、いわゆるタクシーがわりなんていう報道もありましたけれども、そういった緊急性がない救急要請も増加しているのか、実際のところを知りたいと思います。現状と課題についてお伺いいたします。

○安田救急部長 救急出場件数増加の主な要因は、高齢社会が進展し、高齢者の救急搬送が年々増加していることであります。
 また、救急搬送人員に占める軽症者の割合は減少傾向にありますものの、依然として五〇%を超えております。このことから、真に緊急な場合に救急車を利用するよう、各種広報媒体を活用し、継続して都民に働きかけてまいります。

○上田委員 軽症者の割合は減少傾向ということで、恐らくそれにかなり貢献しているでありましょう救急相談センターの設立から今日までのお取り組みと、その効果についてお示しくださいませ。

○安田救急部長 救急相談センターは、都民が救急車を呼ぶべきか迷う場合に、緊急性の有無や受診の必要性についてのアドバイス、医療機関情報等の提供を行っております。また、相談件数の増加に合わせまして、職員の増員など運営体制の強化を図っております。
 その効果は、潜在的重症者の救護、救急搬送人員に占める軽症者割合の減少、急な病気やけがに見舞われた都民の不安の解消等であります。

○上田委員 殊に乳幼児を抱えた子育て真っ最中のお母さんが徐々に頼りにしているサービスということを、私もじかに聞いております。
 ついては、相談内容の傾向と対応、その傾向から見える利用層に向けた本事業の周知について伺いたいと思います。

○安田救急部長 平成二十六年中における相談件数のうち、約四三%が十五歳未満の子供を持つ保護者からの相談であり、発熱と頭部外傷が上位を占めておりました。
 このため、幼稚園、小学校の保護者に対するリーフレットの配布や、医療の小児向け体験型イベント等への参画など、積極的な救急相談センターの広報活動を展開しております。

○上田委員 都営地下鉄にも積極的な広報をお見かけしております。引き続きのお取り組みをお願い申し上げます。
 さて、救急相談センターの利用者は年々ふえておりますが、不要不急の救急出動件数の抑制に効果があるのか、事業開始以降のこれまでの経過と分析を伺いたいと思います。

○安田救急部長 平成二十六年の救急相談センターの受け付け件数は約三十三万一千件で、平成二十年から約五万二千件増加いたしました。また、平成二十六年の救急搬送人員に占める軽症者割合は五一・九%で、開設前と比較しまして八・四ポイント減少いたしました。
 これは、緊急性の判断に迷った都民が相談センターを利用した結果と思われ、救急車の適正利用に大きな効果があったと認識しております。

○上田委員 やはり数字は正直で、非常に効果があったなということを認識させていただきました。ありがとうございます。
 さて、消防職員の皆様は、夏の暑い日も冬の寒い日も、一年三百六十五日、心身ともに非常にストレスの多いところでお仕事をされております。つきましては、自殺防止及びメンタルヘルスケア、ストレスコントロール対策につきまして、お伺いしたいと思います。

○阿部人事部長 当庁では、いつも気軽に相談できる窓口を組織内外に複数設けるとともに、全職員にメンタルヘルスに係る教養を計画的、継続的に実施するなど、心身の健康への影響に対して、実効性のある対策を講じております。
 また、来年度から全職員を対象にストレスチェックを導入し、ストレスコントロール対策を実施いたします。

○上田委員 真摯なお取り組み、理解いたしました。
 ヒューマンエラーということも、たまには起こると思いますが、消防学校の体罰事件を受けまして、その後の経過と対応、現在の対策についてもお伺いしたいと思います。

○阿部人事部長 消防学校の教官に対しては、指導者としてのあるべき姿や指導要領等を具体的に示した消防学校教育指導便覧を新たに作成し、再発防止を図っております。
 また、全職員に対しても、信頼関係の重要性と人格の尊厳について、服務指導を徹底しております。

○上田委員 事案を受けて早急なお取り組み、確認をさせていただきました。
 続きまして、こうした全体的な消防庁の組織の活性化のお取り組みにつきまして、大まかではございますけれども、伺いたいと思います。

○阿部人事部長 当庁では、人材育成基本方針を策定して、職責を自覚し、消防に対する、都民の負託に応えられる職員の育成を進めております。
 また、ワークライフバランスの実現に向け、育児や介護等、個々の事情に対応した支援策の充実を図っております。
 今後とも、こうした取り組みにより、組織の活性化を図ってまいります。

○上田委員 ワーキングマザーの消防職員の方を応援してまいりたいと思います。
 次に、消防団のことでございます。
 先ほど同僚委員から、分団本部施設の用地については、都有地を活用するほか、各区と連携して土地確保に努めるというご答弁をいただいておりますので、私は、こうした都有地を活用したいとか、施設を刷新しても土地がないといったときの相談をどういうふうにするのかという相談体制についてお尋ねしたいと思います。

○関防災部長 特別区消防団の分団本部施設の整備に関する消防団からの相談については、随時、消防署で受け付けております。

○上田委員 私も、個々の消防団の方から相談が来たときは、まずは署へということでつないでまいりたいと思います。
 最後になります。
 東日本の大震災を受けまして、もう五年もたちましたが、災害時の燃料について、大きな課題認識を皆様も持たれたと思います。
 改めまして、震災時及び災害時の燃料確保について、どうしても消防法の第十条に抵触してしまう場合があるかと思いますが、その対応要領についてお伺いしたいと思います。

○西村予防部長 総務省消防庁では、東日本大震災の教訓等を踏まえ、平成二十五年十月に、震災時等における仮貯蔵、仮取り扱いの安全対策指導や、事前の承認に関する留意事項を示しました。これを受け、当庁では事業所に対する指導を徹底しております。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十分散会

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