警察・消防委員会速記録第八号

平成二十五年九月十二日(木曜日)
第十一委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長崎山 知尚君
副委員長服部ゆくお君
副委員長長橋 桂一君
理事おときた駿君
理事田島 和明君
理事山下 太郎君
東村 邦浩君
石毛しげる君
中嶋 義雄君
吉原  修君
吉野 利明君
野村 有信君
内田  茂君
吉田 信夫君

欠席委員 なし

出席説明員
警視庁警視総監西村 泰彦君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱小谷  渉君
総務部長太田  誠君
警務部長山下 史雄君
交通部長井上 剛志君
警備部長平井 興宣君
地域部長駒田 茂生君
公安部長松本 光弘君
刑事部長吉田 尚正君
生活安全部長石田 高久君
組織犯罪対策部長頼本 和也君
総務部企画課長茂垣 之雄君
総務部会計課長古澤 宣孝君
東京消防庁消防総監大江 秀敏君
次長救急部長事務取扱有賀雄一郎君
企画調整部長徳留 壽一君
総務部長高橋  淳君
人事部長小室 憲彦君
警防部長石井 義明君
防災部長村上 研一君
予防部長荒井 伸幸君
装備部長岡本 修二君
企画調整部企画課長清水 洋文君
企画調整部財務課長岡本  透君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(説明)
報告事項(説明・質疑)
・地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○崎山委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取及び警視庁関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、事務事業につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行います。ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○西村警視総監 警視総監の西村でございます。
 本日は、新たな委員の皆様方によります最初の警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、平素から当庁の運営万端にわたりまして格別のご理解、ご協力を賜り、改めて御礼を申し上げます。今後、予算案を初め、条例案、請願陳情等の各種案件につきましてご審議を賜ることになりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 さて、都内の治安情勢につきましては、平成十五年から取り組んでおります犯罪抑止総合対策の効果などによりまして、刑法犯の認知件数は、昨年まで、十年連続で減少いたしました。本年もこの減少傾向は継続しておりまして、七月末現在の件数は、戦後最少を記録した昨年をさらに下回る件数となっており、一定の成果があらわれているところであります。
 しかしながら、依然として振り込め詐欺の被害が後を絶たないほか、最近では、下校途中の小学生が刃物で切りつけられるという凶悪犯罪の発生、さらにはサイバー関連事犯に見られる新たな治安課題の存在など、体感治安を改善するには至っていない状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、当庁といたしましては、今後も引き続き都民の皆様や関係機関との一層の連携強化を図りながら、検挙と防犯の両面から犯罪抑止総合対策を初めとした諸対策を強力に推進し、都民の皆様が安全で安心して暮らせるまちの実現に全力で取り組んでまいります。
 なお、先般、東京が二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定いたしましたが、当庁といたしましては、本大会を通じて、世界一安全な都市東京を実感していただけるよう、七年後の開催を見据え、計画的に諸対策を進めてまいりたいと考えております。委員の皆様方には、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、当庁の幹部職員を紹介させていただきます。
 皆様方から向かいまして中央から左へ、副総監兼ねて犯罪抑止対策本部長事務取扱小谷渉、警務部長山下史雄、公安部長松本光弘、交通部長井上剛志、中央から右へ、総務部長太田誠、刑事部長吉田尚正、警備部長平井興宣、生活安全部長石田高久、中央の後列に、組織犯罪対策部長頼本和也、地域部長駒田茂生、企画課長茂垣之雄、会計課長古澤宣孝。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○崎山委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○崎山委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○太田総務部長 警視庁の事務事業概要をご説明申し上げます。
 初めに、警視庁の組織及び定員並びに重点目標についてであります。
 お手元の資料第1の一ページ及び二ページをごらんください。
 当庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、九つの部、警察学校、犯罪抑止対策本部並びに三ページ以降に記載の十の方面本部及び百二の警察署から構成されております。
 職員の定員は、五ページの2の表のとおり四万六千百九十二人で、本年度につきましては、サイバー空間の安全確保のための体制強化、検死体制の強化及び暴力団対策を強化するための体制強化として、合計四十六人の警察官の増員をお認めいただいたところであります。
 また、当庁では、同じく五ページの3に記載のとおり、毎年重点目標を定めております。特に、基本方針につきましては、より都民の意見、要望に沿った警察活動を行うという警察の姿を体現するため、「住民の思いを知り息吹を感じながら職務に邁進し、首都東京の安全・安心を守る」といたしまして、その徹底に努めているところでございます。
 次に、各種警察活動の概要について申し上げます。
 第一は、犯罪抑止総合対策の推進についてであります。
 当庁では、特に都民の身近で発生する犯罪を重点犯罪に指定し、街頭警察活動の強化、DNA型鑑定などの科学捜査の推進、さらには地域ぐるみでの治安対策の推進など、検挙と防犯の両面から諸対策を強力に推進してまいりました。その成果として、都内での刑法犯認知件数を平成十五年から十年連続で減少させることができました。本年もこの傾向は継続しており、六ページの4の表のとおり、七月末現在の刑法犯認知件数につきましては九万二千二百四十七件と、昨年同期に比べ五・六%減少をしております。
 しかしながら、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺など、罪種によっては増加している犯罪もあることから、さらに対策を推進してまいります。
 そのほかにも、相談に係る事案への迅速的確な対応や、犯罪被害者並びにそのご遺族に対する支援活動など、都民の期待に応えるための各種警察活動に取り組んでまいります。
 以下、主な対策についてご説明をいたします。
 その一は、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺対策についてであります。
 七月末現在の特殊詐欺の認知件数につきましては、七ページの6の表のとおり千四百五十九件で、昨年同期に比べ三七%、三百九十四件の増加、被害額についても約四十七億三千九百万円に達し、一九・七%、金額にして約七億八千百万円増加をしております。特に、息子や孫に成り済ますオレオレ詐欺につきましては、認知件数、被害額とも昨年同期に比べ大幅に増加し、大変厳しい状況が続いております。当庁では、犯行グループに対する検挙対策を一層強化するとともに、広報啓発活動や金融機関との連携の強化を図り、特殊詐欺の撲滅に向けた取り組みを強力に推進してまいります。
 その二は、少年非行総合対策についてであります。
 七月末現在の非行少年の検挙、補導人員は、八ページの8の表のとおり四千二百四十八人で、昨年同期に比べ一六・三%減少しておりますが、路上強盗、ひったくり等の街頭犯罪の被疑者に占める少年の割合は約四割と、依然として高い水準で推移しております。
 当庁では、こうした情勢を踏まえ、少年警察ボランティアと連携した街頭補導活動並びに非行集団等の実態把握及び解体、補導活動を強化するとともに、立ち直り支援活動による再非行防止対策を推進しているほか、少年の健全育成を害する違法風俗店等の取り締まりも推進しているところであります。
 第二は、サイバー空間の脅威への対処についてであります。
 インターネットが重要不可欠な社会基盤となる中、サイバー空間には違法、有害情報が氾濫するとともに、インターネットバンキングに係る不正送金やネット通販詐欺が多発するなど、サイバー犯罪は質、量ともにますます深刻化しているところでございます。
 一方、サイバー攻撃につきましては、昨年から本年にかけて政府機関や民間事業者を標的としたサイバー攻撃事案が相次いで発生するなど、その脅威は、国の安全保障や危機管理に影響を及ぼしかねない問題となっております。
 このような状況を踏まえ、当庁では、サイバー犯罪特別対処班及びサイバー攻撃特別捜査隊を設置するとともに、金融機関や情報セキュリティー事業者などと共同対処協定を締結し、情報共有を進めるほか、外国捜査機関との連携を強化するなどの取り組みを推進しているところでございます。
 第三は、総合的な組織犯罪対策の推進についてであります。
 その一は、暴力団総合対策についてであります。
 都内における暴力団勢力につきましては、約五百三十組織、構成員等約一万四千七百人を把握しております。近年、暴力団は、さまざまな犯罪に関与する一方で、いわゆる共生者や暴力団関係企業を利用して商取引に介入するなど、資金獲得活動を活発化させております。
 当庁では、こうした情勢に対応して、あらゆる法令を適用した取り締まりを徹底しているところであり、一〇ページの11、(1)の表のとおり、七月末現在で二千七百七十六人の暴力団員等を検挙しているところでございます。今後も、社会全体からの暴力団排除の実現に向け、暴力団総合対策を推進してまいります。
 その二は、国際組織犯罪総合対策についてであります。
 国際犯罪組織は、強盗等の凶悪犯罪、カード犯罪、違法薬物の密売、マネーロンダリング事犯を世界的に展開しており、今後、本邦での活動をさらに活発化させることが懸念されます。また、近年、都内においては偽装結婚等により正規の在留資格を不正に取得している外国人の増加が懸念されるところでございます。
 こうした中、当庁では、資料一一ページの12の表のとおり、七月末現在で千九百二十六人の来日外国人犯罪者を検挙したほか、東京入国管理局との合同摘発等によりまして、13の表のとおり、不法滞在者等五百八十八人を摘発しております。
 今後も、外国人犯罪の取り締まりはもとより、国際犯罪組織等の活動を容易にする犯罪インフラの解体、壊滅に向けて、関係機関とも連携を強化し、戦略的な国際組織犯罪総合対策を推進してまいります。
 その三は、銃器、薬物対策についてであります。
 本年五月、都内の住宅密集地において挙銃発砲事件が発生するなど、依然として銃器による犯罪が発生する中、当庁では、資料一二ページの14の表のとおり、七月末現在で百十六丁の挙銃を押収しております。
 薬物事犯については、近年、インターネット、宅配便等を利用した密売が横行するなど、違法薬物が都内に広く蔓延している状況がうかがわれる中、当庁では、15及び16の表のとおり、七月末現在で一千七十九人の薬物乱用者等を検挙し、覚醒剤など合計約二百七十一キログラムを押収しております。
 今後も、これら銃器、薬物事犯の取り締まりとともに、銃器、薬物の危険性についての広報啓発活動に努めるなど、総合的な銃器、薬物対策を推進してまいります。
 第四は、重大交通事故防止対策の推進についてであります。
 都内における交通事故発生状況は、資料の一三ページの17の表のとおり、発生件数、死傷者数ともに減少傾向にあり、特に重傷者数につきましては、七月末現在で三四・七%の減少、負傷者数全体でも一〇・六%減少するなど、効果的な交通事故防止対策の成果があらわれているところであります。
 当庁では、交通事故実態の分析に基づいた効果的な街頭配置及び交通違反の取り締まり、さらには通学路等における交通規制の見直しや信号機の整備、幅広い年齢層を対象とした交通安全教育を推進するなど、重大交通事故防止に取り組んでまいります。
 第五は、震災対策を初めとする災害警備対策の推進についてであります。
 震災対策につきましては、地域版パートナーシップ活動を通じて、地域の方々に対する自助、共助精神の醸成による地域防災力向上を図るとともに、職員の対処能力及び技術の強化、各種装備資器材の充実等を強力に推進してまいります。
 このほか、近年、局地的な大雨の発生が増加傾向にあり、風水害の発生が懸念されることから、管内危険箇所の再点検、各種対応訓練の実施及び関係機関との連携強化を図るなど、的確な事前対策を推進するとともに、初動体制の確立に努め、災害警備諸対策の万全を期してまいります。
 第六は、テロ、ゲリラ等の防圧検挙についてであります。
 国際テロについては、イスラム過激派によるものと見られる事件が世界各地で発生するなど、その脅威は依然として高い状況にあるほか、極左暴力集団は、その暴力性、党派性を隠して労働運動や大衆運動に取り組んでおり、また、右翼については、政府の政策や領土問題などをめぐり、街頭宣伝活動や抗議活動を執拗に展開しております。
 当庁では、資料一四ページの20の表のとおり、七月末現在で極左暴力集団の活動家等十三人、右翼団体構成員等四十九人を検挙したところであります。
 また、今月二十八日から都内においてスポーツ祭東京二〇一三が開催されます。本年四月に、米国においてスポーツイベントを標的とした爆弾テロ事件が発生したことにも鑑み、多くの方々が集まる本大会もテロの標的となり得ることを念頭に置き、年初から、行政機関、民間事業者、地域住民等との緊密な連携のもと、各種警備諸対策を推進しているところでございます。
 引き続き都民の皆様のご協力をいただきながら、警視庁の総力を挙げて本警備の万全を期してまいります。
 第七は、要望等への適切な対応についてであります。
 これまでご説明いたしましたとおり、都内の治安状況については、振り込め詐欺などの一部の犯罪を除いては一定の改善が見られるところです。その一方で、一一〇番受理件数につきましては、資料一五ページの21の表のとおり、本年七月末現在で百四万六千九百五十二件、一日平均にしますと約四千九百件、時間で換算しますと、実に約十八秒に一件の割合で一一〇番が入電しているところでございます。また、遺失物や拾得物の取扱件数も、資料の22の表のとおり年々増加しているところでございます。
 さらに、昨年の警察安全相談受理件数は、資料の23、(1)の表のとおり十二万五千三百八十八件となっており、十年前と比較しますと八五・一%の増加が見られるところでございます。
 このように、都民の警察に対する要望等が大幅に増加し、警察が取り扱うべき事象が拡大している現状にございます。当庁といたしましては、今後とも都民の方々の声に真摯に耳を傾け、適時適切な対応に努め、都民生活の安全確保に全力を尽くしてまいります。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明を申し上げます。
 当庁の平成二十五年度予算につきましては、資料の一六ページ、24の表のとおり、歳入が六百七十億三千百七十万九千円、歳出が六千百九十六億六千八百万円となっております。詳細につきましては、お手元の資料第2として予算説明書を配布させていただいておりますので、こちらをごらんいただきたいと存じます。
 次に、各種施設の整備についてご説明を申し上げます。
 警視庁の本部関係庁舎、そして警察署庁舎の整備状況につきましては、資料第1の一七ページ及び一八ページに記載のとおりでございますけれども、警察署庁舎につきましては、近年の警察業務の増大に対応するため、事件対策室や証拠品保管庫の充実を図るとともに、災害時の防災拠点としての活用も視野に入れ、非常用設備を備えたものとしつつあります。
 また、資料一九ページ及び二〇ページに記載の待機寮につきましては、大規模災害等の緊急事態発生時の警備要員や、凶悪事件発生時の捜査要員を確保するため、計画的な整備を推進しているところでございます。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの概要についてご説明を申し上げます。
 このセンターは、平成四年五月に、東京都が基本財産の約八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、都民の暴力団追放意識等を高め、暴力団排除活動を促進することにより、安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しております。その役割は、近年、より一層重要なものとなっているところでございます。
 同センターの運営状況等につきましては、お手元に資料第3として配布をさせていただいたとおりでございますので、ご参照ください。
 結びになりますが、当警視庁といたしましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、まずは組織基盤の強化等の諸対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。今後とも、より一層のご指導、支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 以上で事務事業概要の説明を終わらせていただきます。

○崎山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○崎山委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○崎山委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山下警務部長 平成二十五年第三回都議会定例会に提出を予定しております警視庁関係の議案につきまして、ご報告をいたします。
 議案は、諮問一件であります。
 資料第4、「地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について」関係資料をごらんいただきたいと思います。
 一ページ及び二ページは、諮問文でございます。
 三ページをごらんください。
 請求人は、元警視庁の警察官である白鳥陽一です。
 三の(一)、審査請求の趣旨は、警視総監が請求人に対して行った退職手当の全部を支給しない処分の取り消しを求めるというものでございます。
 (二)の審査請求の理由でございますが、請求人には、懲戒免職処分に該当する事実がないから本件処分は違法であるというものです。
 続きまして、四ページの四の経緯となります。
 (一)ですが、請求人は、美容外科における脂肪吸引に起因する医療過誤事件の捜査を担当していましたが、平成二十二年十一月十四日、美容外科職員に対し同事件の捜査資料を漏えいしたことにより、平成二十三年八月十一日、地方公務員法違反(守秘義務違反)で起訴されました。
 五ページの(二)ですが、地方公務員法違反事件の捜査過程で、請求人は、捜査資料を漏えいした行為以外にも、捜査対象者である美容外科職員と飲食をともにするなど、複数の非違行為を行ったことが明らかになりました。
 (三)ですが、このことから警視総監は、平成二十三年九月二日、請求人を懲戒免職処分とするとともに、退職手当の全部を支給しない処分を行いました。
 六ページの(四)ですが、これに対し請求人は、平成二十三年十月二十八日付で懲戒免職処分に対する審査請求を東京都人事委員会に対して提起するとともに、退職手当の全部を支給しない処分に対する審査請求を東京都知事に対して提起をいたしました。
 (五)ですが、請求人は、刑事裁判において懲役十カ月の有罪判決を受け、同判決は、平成二十四年十一月十九日に最高裁において確定をいたしました。
 (六)ですが、懲戒免職処分の取り消しを求めた東京都人事委員会に対する審査請求は、平成二十五年五月二十一日、棄却をされました。
 七ページの五の本件審査請求に対する見解でございます。
 (一)及び(二)ですが、処分庁である警視総監は、関係者の供述などから事実を適正に認定をしており、また、請求人が捜査資料を漏えいしたことは、刑事裁判でも、懲戒免職処分に対する審査請求でも認定されています。
 (三)及び(四)ですが、請求人が行った非違行為は明らかでありますので、懲戒免職処分は相当であると考えます。また、退職手当の全部を支給しない処分につきましても、職員の退職手当に関する条例に規定する事情を勘案して決定したものでありますので、裁量権の逸脱、濫用はなく、請求人の主張には理由がないと考えます。
 したがいまして、本件審査請求は棄却が相当であると考えております。
 以上で本定例会に提出を予定しております議案のご報告を終わらせていただきます。

○崎山委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○崎山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○崎山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたします。
 以上で警視庁関係を終わります。

○崎山委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○大江消防総監 消防総監の大江でございます。
 本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ご挨拶を申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議、ご指導を賜ることとなりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、首都東京におきましては、都市構造や生活環境の変化により、火災を初めとする各種災害が複雑多様化しており、消防活動対策、火災予防対策など一層の強化が求められております。また、首都直下地震や南海トラフ巨大地震発生の切迫性が指摘されるとともに、竜巻や局所的な集中豪雨などの自然災害による被害も懸念されます。
 こうした状況の中、都民の安心と安全を確保するため、東京消防庁では、新たなハイパーレスキュー隊の増設や、大型消防艇「みやこどり」の更新、さらに本年度中に大型ヘリコプター一機を増機、一機を更新することとしており、今後も関係機関と実践的な訓練を重ねるとともに、陸海空からの消防活動体制の充実強化を図ってまいります。
 加えて、地域の防災リーダーである特別区消防団の装備資器材等の充実を図るとともに、地域の災害特性を踏まえた災害活動が実施できるよう、活動体制を充実強化してまいります。
 また、都民の防災行動力の向上を図るため、スタンドパイプなどの資器材を活用した実践的な初期消火訓練等の指導を積極的に推進するとともに、区市町村、町会、自治会、消防団相互の連携を強化し、地域防災力の向上を図ってまいります。
 救急行政におきましては、昨年の救急出場件数が開庁以来最多の七十四万件を超える状況の中、救急隊の適切で確実な活動能力の向上を図る一方、東京消防庁救急相談センターや東京版救急受診ガイドの活用等により、真に救急車を必要とする方々を迅速に医療機関へ搬送するための体制の確保に努めるとともに、関係部局、医療機関等との連携により、救急活動のさらなる迅速化や効率化を図ってまいります。
 予防行政におきましては、違反対象物の公表制度により、都民の皆様に建物の安全情報を提供するとともに、防火対象物の使用実態とその危険性を踏まえ、法令違反に早期に対応するなど、関係行政機関等との連携をさらに密にして、総合的な防火安全対策に努めてまいります。
 最後に、今後とも都民の皆様が安心と安全を実感できるよう、組織一体となって取り組んでまいりますので、警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初めさまざまな機会を通じまして、消防行政へのより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の有賀雄一郎です。予防部長の荒井伸幸です。人事部長の小室憲彦です。企画調整部長の徳留壽一です。総務部長の高橋淳です。警防部長の石井義明です。防災部長の村上研一です。装備部長の岡本修二です。企画課長の清水洋文です。財務課長の岡本透です。
 よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○崎山委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○崎山委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○有賀次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に「東京の消防」、「消防行政の概要」及び平成二十五年度東京都一般会計予算説明書(東京消防庁所管分)の資料をお届けしてございます。
 それでは、お手元の「東京の消防」に沿いまして説明をさせていただきます。
 まず、三ページをお開きください。初めに、組織についてであります。
 東京消防庁は、昭和二十三年三月、東京都知事が一体的に管理する特別区における消防として発足いたしました。昭和三十五年以降は、市町村単位に果たしていた多摩地域の消防事務を、消防団と消防水利の事務を除いて逐次受託し、現在は、二十五市三町一村の消防事務も行っております。
 次に、予算についてであります。
 中ほどにお示ししてありますように、平成二十五年度の当初予算は二千四百三十九億百万円で、東京都一般会計予算に占める割合は三・九%であります。
 予算の詳細につきましては、お手元の資料、平成二十五年度東京都一般会計予算説明書(東京消防庁所管分)の資料をご参照願えればと思います。
 次に、四ページ上段、消防本部の組織についてであります。
 八つの部と消防学校、消防技術安全所のもと、三十七課、室等がございます。また、下段にありますように、当庁の所管区域を一から十に区分いたしまして消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。
 五ページをお開きください。消防職員数等についてでありますが、本年四月一日現在、消防吏員一万七千七百二十八人、一般職員四百二十四人、合計一万八千百五十二人であります。また、八十一の消防署、三つの消防分署、二百八の消防出張所を設置し、消防行政を推進しております。
 さらに、消防機動力としてポンプ車、救助車、救急車など消防車両千九百四十七台を配備し、千代田区大手町と立川泉町の二カ所の災害救急情報センターで一一九番通報を受信し、各種災害に備えております。
 七ページをお開きください。災害防除についてであります。
 火災を初め各種災害の様相は年々複雑になり、消防活動の困難性がますます高まっております。このような中、都民の安心・安全を確保するため、消防活動能力の充実強化等により、各種災害に積極的に対応しており、八ページにありますように、迅速かつ効果的に消防活動を推進するため、中核となる部隊として特別消火中隊を全消防署に配置しております。
 九ページをお開きください。空の消防についてであります。
 当庁では、現在七機のヘリコプターにより、立川市と江東区の二カ所に拠点を置き、消火、人命救助、情報収集などの航空消防活動を二十四時間体制で行っております。
 さらに、一〇ページ、海の消防についてであります。
 災害対応能力を大きく向上させた大型消防艇「みやこどり」を初め、現在九艇の消防艇を三つの消防署に配置し、船舶や沿岸に対する消火活動及び人命救助活動など、東京湾や河川において幅広い活動を行っております。
 一一ページをお開きください。救助についてであります。
 救助を専門とした消防救助機動部隊、いわゆるハイパーレスキュー隊五部隊、特別救助隊二十四隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備し、火災を初め、水難、山岳事故など多岐にわたる救助事象から人命を救うため、いつでも迅速に活動できる体制を整備しております。
 次に、一二ページ、災害活動支援についてであります。
 国内外で大規模な災害が発生した場合には、緊急消防援助隊または国際消防救助隊として被災地に消防部隊を派遣し、救助活動等に当たっております。
 一三ページをお開きください。NBC災害対策についてであります。
 放射性物質や生物剤、危険物、劇毒物などによるテロを含めた特殊災害に対応するため、九隊の化学機動中隊を配備しております。さらに、第三及び第九消防方面本部に配置しておりますハイパーレスキュー隊は、高度な専門知識、能力を有する隊員と、特殊災害対策車、救出ロボットなどを配備しております。
 次に、一四ページ、水災・土砂災害対策についてであります。
 台風や集中豪雨による水害が予想される場合には、勤務時間外の消防職員及び消防団員を招集し、直ちに警戒体制、水防活動を実施することとしております。
 一五ページをお開きください。救急業務についてであります。
 高齢化や疾病構造の変化などに対応し、迅速で高度な救急サービスを提供するため、現在、二百三十六台の救急車を配備し、すべての救急隊に救急救命士を配置し、適切な応急処置を実施するとともに、一刻も早く病院に搬送するため全力を尽くしております。また、震災や大規模な事故において災害現場から医療を開始するための災害医療派遣チーム、いわゆる東京DMATとの連携体制を整備しております。
 次に、一六ページ、応急手当の普及・指導についてであります。
 救命効果を高めるためには、事故現場に居合わせた人による応急手当てが極めて重要であります。当庁では、応急手当ての講習会やインターネットを活用した応急手当ての普及を積極的に推進しております。
 次に、東京消防庁救急相談センターについてであります。
 都民が救急車を呼ぶべきか迷った場合などに、短縮ダイヤル、シャープ七一一九番に連絡すると、病院の受診要否の相談や応急手当ての助言、指導を受けられるよう、医師や看護師、救急隊経験者等が二十四時間体制で対応することとしております。また、昨年四月、東京版救急受診ガイドを開始し、パソコンや携帯電話などから、腹痛や発熱などの症状に対する緊急性や受診の必要性をご自身で判断できる体制も整備いたしました。
 一七ページをお開きください。震災対策についてであります。
 首都直下地震や南海トラフ巨大地震発生の切迫性が指摘される中、東京消防庁では、自助、共助、公助の理念を踏まえ、人命安全対策を初めとする十の基本的対策から成る震災対策基本方針により、総合的に震災対策を推進しております。具体的には、地震災害の教訓から得た「地震 その時十のポイント」による指導や、家具類の転倒、落下、移動防止対策の普及のほか、スタンドパイプを活用した初期消火訓練や、救出救助、応急救護訓練などを通じて、町会、自治会、学校、事業所などが相互に協力できる体制づくりに努めております。
 一九ページをお開きください。消防団についてでありますが、現在、東京都における消防団体制は、九十八団、定員二万六千四百十六名であります。そのうち、特別区では五十八団、定員一万六千名で活動しており、消防署と連携しながら消火や人命救助などの活動を行うとともに、地域の防災リーダーとして地域防災力向上のため活動していただいております。
 次に、東京消防庁災害時支援ボランティアについてでありますが、災害時支援ボランティアの方々は、震災など大規模な災害が発生した際、消火や救助などの活動をボランティアでご支援いただくとともに、地域住民に対する防火防災訓練の指導なども行っていただいております。
 次に、二〇ページ、消防救助機動部隊についてであります。
 震災が発生した際の救助活動のかなめとして、消防救助機動部隊、いわゆるハイパーレスキュー隊を五部隊配備しております。この部隊は、多くの人命を早期に救助することを目的として、特殊な技術、能力を有する隊員と、大型重機などの特殊車両を備えております。
 次に、消防水利についてであります。
 震災時の大規模市街地火災などに備えて、耐震性の防火水槽や、建物の基礎ばりを利用した水槽を初め、地下水を活用する深井戸の整備や水道局と連携した排水栓の活用など、あらゆる水源を活用するよう努めております。
 二一ページをお開きください。火災予防についてであります。
 都民生活の安心・安全を確保するためには、火災を未然に防止することが極めて重要であります。このため、建築物の建設にかかわる事前相談や消防同意などを通じて、安全指導、危険物施設の許認可を初め、建築物等の危険実態に応じた火災予防査察を実施するなど、積極的な予防行政を推進しております。また、違反対象物の公表制度により、消防関係法令違反がある建物などをホームページ等で都民に公表することにより、都民に情報発信するとともに、法令違反の早期是正に努めております。
 二三ページをお開きください。防火・防災管理指導についてであります。
 事業所の所有者、経営者等の方々に対し、防火管理者の選任、消防計画の作成などを指導するとともに、防火防災教育、火災・地震などが発生した場合に被害を最小限に抑えるための自衛消防訓練の指導も行っております。
 次に、二四ページ、火災調査についてであります。
 火災発生原因を初め、延焼経路や避難状況、損害などについて調査を行い、今後の消防対策や火災予防対策に役立てております。
 二五ページをお開きください。「みなさまと共に」についてであります。
 火災、事故等から都民生活の安心・安全を確保するため、関係機関と地域の方々のご理解とご協力のもと、都民とともに進めていく対策も重要であります。このため、都民一人一人の防災知識、行動力の向上を初め、幼児期から社会人まで体系的な総合防災教育や住宅用火災警報器の設置、防炎品の普及促進、家具類の転倒、落下、移動防止措置の実施促進や、災害時要援護者の安全を確保するための協力体制の整備など、各種の安全対策を関係機関と連携して推進しております。
 また、二六ページにございますように、当庁の施策などを各種行事やインターネットなどを通じ都民の方々にわかりやすく伝えるとともに、消防に関する世論調査を行うなど、広く都民の皆様の声を聞き、今後の施策に反映するよう努めております。
 二七ページをお開きください。学習・体験施設、試験講習についてであります。
 歴史を通じ消防への理解を深めていただくために消防博物館を、また、防火防災に関する知識や技術、防災行動力の向上を図っていただく体験施設として、池袋、本所、立川に防災館を設けまして、多くの皆様にご利用いただくとともに、各種試験、講習の実施により、消防技術者の育成にも努めております。
 次に、二八ページ、国際化への対応についてであります。
 東京に在住、在勤の外国の方々に対しまして、外国語による各種パンフレットやホームページ等を活用した防火防災知識の普及啓発を行うとともに、諸外国からの研修生を受け入れるなど、国際化への対応に幅広く取り組んでおります。
 二九ページをお開きください。消防体制の確保についてであります。
 複雑多様化する災害に対し、安全で効果的な消防活動を行うため、消防技術安全所において科学的見地に立った検証と技術改良を実施しております。
 三〇ページをごらんください。点検・整備についてであります。
 消防機動力の即応体制を確保するため、装備工場においては、各種消防車両、資器材の整備を初め、災害現場等における現場整備や各消防署における整備技術指導などを行っております。
 三一ページをお開きください。教育・訓練についてであります。
 高度多様化する消防業務に対応できる消防職員及び消防団員の育成が極めて重要であることから、消防学校において、初任教育を初め幹部教育、専科教育などを実施し、消防職員、消防団員として必要な知識、技術の習得と、気力、体力の錬磨に努めております。
 以上が東京消防庁の事務事業の概要でございます。詳細につきましては、お手元の資料、「消防行政の概要」も参照していただきたいと存じます。
 以上、大変雑駁ではございますが、当庁の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○崎山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○崎山委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして、事実上の第一回目の警察・消防委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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