警察・消防委員会速記録第十号

平成二十三年十一月二十九日(火曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長菅  東一君
副委員長山口  拓君
副委員長東村 邦浩君
理事古館 和憲君
理事吉野 利明君
理事酒井 大史君
土屋たかゆき君
藤井  一君
くまき美奈子君
中嶋 義雄君
宮崎  章君
比留間敏夫君
山下 太郎君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監樋口 建史君
総務部長室城 信之君
警務部長辻  義之君
交通部長鈴木 基久君
警備部長黒木 慶英君
地域部長蛭田 正則君
公安部長石川正一郎君
刑事部長吉田 尚正君
生活安全部長河合  潔君
組織犯罪対策部長毛利 徹也君
総務部企画課長渡邊劍三郎君
総務部会計課長松本 雅道君
東京消防庁消防総監北村 吉男君
次長人事部長事務取扱大江 秀敏君
企画調整部長高橋  淳君
総務部長佐藤 直記君
警防部長石井 義明君
防災部長伊藤 克巳君
救急部長荒井 伸幸君
予防部長有賀雄一郎君
装備部長小室 憲彦君
企画調整部企画課長阿出川 悟君
企画調整部財務課長高橋 直人君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
事務事業について(説明)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・特種用途自動車(誘導標識車)の買入れについて
・特種用途自動車(災害部隊支援車)の買入れについて
・特種用途自動車(災害用大量排水システム車)の買入れについて
・特種用途自動車(交通情報提供車)の買入れについて
陳情の審査
(1)二三第三九号 警視庁駐車監視員の制度存続及び取締業務の指導に関する陳情
 東京消防庁関係
事務事業について(説明)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・ヘリコプターの買入れについて
陳情の審査
(1)二三第四二号 消防法に規定する送水口周辺の安全な消火活動の確保に関する条例等の制定に関する陳情

○菅委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取、第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び陳情審査を行います。
 なお、事務事業及び提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○樋口警視総監 警視総監の樋口でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、新たな委員の皆様方による最初の警察・消防委員会でございますので、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 皆様方には、平素より警視庁の運営万般にわたりまして、格別のご理解とご協力を賜っております。厚く御礼を申し上げます。これから、予算案を初め、条例案、請願陳情等の各種案件につきましてご審議を賜ることとなろうかと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 せっかくの機会でございますので、治安情勢について簡単に申し上げたいと存じます。よくご承知のところでございますけれども、平成十五年から取り組んでまいりました犯罪抑止総合対策でございますけれども、その効果があらわれておりまして、対策をとり始めた平成十五年から去年まで八年連続で刑法犯の認知件数、発生件数でございますけれども、減少をいたしております。ことしも十月末までの数字を見てみますと、引き続き減少をしておるところでございます。件数や数字の上では、着実に犯罪抑止の成果があらわれてきておるところでございます。
 しかしながら、振り込め詐欺でありますとか、ひったくり、それからこういった犯罪は高齢者や女性が被害に遭うことが多い犯罪でございますが、こういった犯罪、さらにはサイバー空間における新たな犯罪が多発をいたしております。こういった犯罪が都民生活を脅かしておるところでございまして、治安対策にかかわる課題は依然として少なくない現状にございます。
 警視庁といたしましては、こういった情勢を踏まえまして、犯罪のさらなる減少と都民の方々の不安感の解消を目指しまして、犯罪の起きにくい社会づくりにさらに努めてまいりたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。
 続きまして、幹部職員の紹介をさせていただきたいと存じます。
 中央から先生方、向かいまして左でございますけれども、公安部長石川正一郎、警務部長辻義之、刑事部長吉田尚正、組織犯罪対策部長毛利徹也でございます。今度は右側でございますが、総務部長室城信之、警備部長黒木慶英、交通部長鈴木基久、生活安全部長河合潔、中央の後列でございますが、地域部長蛭田正則、企画課長渡邊劍三郎、会計課長松本雅道でございます。
 以上でございますが、副総監で犯罪抑止対策本部長につきましては、高橋清孝でございますけれども、本日は、所用のため、やむを得ず欠席をさせていただいております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○菅委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○菅委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○室城総務部長 当庁の事務事業概要等につきまして、お手元の資料に沿ってご説明申し上げます。
 初めに、警視庁の組織及び定員についてであります。
 資料第1の一ページをごらんいただきたいと思います。当庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、九つの部、警察学校、犯罪抑止対策本部並びに三ページ以降に記載のあります十の方面本部及び百二の警察署から構成されております。
 職員の定員は、五ページの2の表のとおり、四万六千百十四人で、本年度は公訴時効の廃止に伴う捜査体制の整備、サイバー犯罪取り締まりのための新たな捜査体制の構築及び死体取扱業務の体制強化として、合計百十七人の増員をお認めいただいたところであります。
 現在、大量退職期であることから、現場執行力を強化するために必要な施策を推進しておりますが、引き続き人事管理、業務管理を徹底して、時代の要請にこたえる警察力を確保してまいりたいと考えております。
 次に、各種警察活動の概要について申し上げます。
 第一は、犯罪抑止総合対策の推進についてであります。
 平成十五年から当庁の最重要課題として取り組んでおります犯罪抑止総合対策につきましては、ひったくりや侵入窃盗などの都民の身近で発生する犯罪を重点犯罪に指定し、街頭警察活動を強力に推進するなど、検挙と防犯の両面から諸対策を展開しております。
 こうした対策によりまして、都内の刑法犯認知件数は昨年まで八年連続で減少し、本年も十月末現在、昨年同期をさらに下回るなど、着実にその成果があらわれているところであります。
 以下、主な対策についてご説明いたします。
 その一は、刑法犯の認知検挙状況についてであります。
 六ページの3の表のとおり、本年十月末現在の認知件数は十五万五千十三件で、昨年同期に比べ四・八%減少しており、とりわけ侵入窃盗は六千六百三十件で一五・四%減少しております。
 しかしながら、刑法犯の検挙件数は四万二千五十二件、検挙人員は三万三千五百三十五人と昨年同期に比べ、件数が一四・八%、人員が九・二%、それぞれ減少しております。犯罪を抑止するためには、検挙と防犯の両輪が機能することが重要であることから、今後、検挙対策に一層取り組んでまいります。
 その二は、振り込め詐欺対策についてであります。
 振り込め詐欺については、本年二月に実施した振り込め詐欺撲滅月間を初め、警察官やボランティア等による高齢者宅を戸別訪問しての注意喚起や自治体、金融機関等の関係機関と一体となった取り組みを強力に推進した結果、七ページ、5の表のとおり、十月末の認知件数が一千三百四件で、昨年同期に比べ七・六%減少するなど、地道な努力の成果により、被害の増加に歯どめをかけつつあります。
 しかしながら、全国の発生件数の四分の一がこの都内で発生するなど、依然として厳しい状況にあります。
 そこで現在、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺撲滅期間を実施しております。これは振り込め詐欺のほか、金融商品等取引名下詐欺や異性との交際あっせん名下詐欺などの振り込め類似詐欺を加えた総称を特殊詐欺と定義し、この特殊詐欺全体に対する施策の一層の強化を図っているところであります。
 その三は、少年非行総合対策についてであります。
 八ページ、7の表のとおり、本年十月末現在、非行少年の検挙・補導人員は八千六百三十四人で、昨年同期に比べ八・三%減少しておりますが、8の表のとおり、ひったくり、路上強盗等の街頭犯罪に占める少年の割合は約四割と、依然として高い水準で推移しております。
 当庁では、街頭補導の強化と非行集団等の検挙、解体、補導のほか、携帯電話等のもたらす弊害から少年を守るため、フィルタリング普及促進対策や次代を担う少年の健全育成を図ることを目的とした非行少年を生まない社会づくりなど、関係機関と連携した諸対策を推進しております。
 その四は、犯罪の起きにくい社会づくりの推進についてであります。
 当庁では、都民が心から安全で安心して暮らすことができるために、自治体、地域、学校及び企業などと一体となって、地域のきずなの再生と規範意識の向上に取り組み、犯罪の起きにくい社会づくりの実現を目指しているところであります。
 具体的には、自治体、地域と連携し、少年の見守りや高齢者の支え合い、防犯ボランティア団体の結成や既存団体の活動を支援するなど、官民一体となって地域のきずなの再生に取り組むとともに、身近で起きている軽微な犯罪の取り締まり、とりわけ万引き防止対策を初め、自転車利用時の歩道暴走、信号無視やたばこの禁止場所喫煙、ポイ捨てなど身近なルール違反、マナー違反にも目を向けて、規範意識の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 第二は、総合的な組織犯罪対策の推進についてであります。
 その一は、暴力団総合対策についてであります。
 都内における暴力団勢力は、昨年末現在、約五百六十組織、構成員等約一万六千九百五十人を把握しておりますが、これは全国における暴力団勢力の約二二%を占めております。
 また、近年、暴力団は恐喝や薬物密売等の従来の資金獲得犯罪に加え、いわゆる共生者や暴力団関係企業を利用するなど、あらゆる手段で資金獲得活動を活発に行っております。
 当庁では、六代目山口組を最重点対象とした暴力団総合対策を強力に推進しており、九ページの9の(1)の表のとおり、本年十月末現在、三千九百七十七人の暴力団員等を検挙しております。
 今後は、本年十月から施行されました東京都暴力団排除条例を有効に活用し、民間事業者等、各団体に対する暴力団との関係遮断の働きかけ、都民と警察との連携強化による排除活動の推進など、社会からの暴力団排除を一層強化してまいります。
 その二は、国際組織犯罪総合対策についてであります。
 国際犯罪組織等は、従来の強盗、カード犯罪、薬物密売等のさまざまな犯罪を繰り返しつつ、犯罪行為を世界的に展開させるなど、犯罪のグローバル化を進展させ、治安に対する重大な脅威となっております。当庁では、国際犯罪組織と、その活動を支える犯罪インフラ事犯の実態解明及び重点的な取り締まりを推進しており、一〇ページ、10の表のとおり、本年十月末現在、二千九十六人の来日外国人犯罪者を検挙しているほか、11の表のとおり、東京入国管理局との合同摘発等により、不法滞在者等千十五人を摘発しております。引き続き、戦略的かつ効果的な諸対策を推進してまいります。
 その三は、銃器、薬物対策の推進についてであります。
 本年も都内において、民家や工事現場への発砲事件が発生するなど、都民生活の大きな脅威となっております。
 こうしたことから、当庁では徹底した取り締まりを実施して、一一ページ、12の表のとおり、十月末現在で七十丁のけん銃を押収しております。
 また、薬物事犯については、13及び14の表のとおり、本年十月末現在、千八百二十三人を検挙、覚せい剤等、合計約六十八キログラムを押収しております。今後も関係機関と連携した各種対策、取り締まりを徹底するとともに、銃器、薬物を許さない社会を実現するため、広報啓発活動にも傾注してまいります。
 第三は、東日本大震災を踏まえた震災対策の推進についてであります。
 東日本大震災では、当庁は地震当日から被災地に部隊を派遣し、被災者の救出救助や行方不明者の捜索活動、さらにはご遺体の検視や身元確認、被災地の集団パトロールなどを行ってまいりました。現在もさまざまな活動を継続しているところであります。
 また、都内においても、被災者の救助を初め、駅滞留者等の避難誘導や計画停電に伴う交通整理などに従事してまいりました。
 東日本大震災は、今後の首都東京における震災対策上極めて重要な教訓、課題をもたらしました。この教訓を踏まえ、首都直下地震を初めとした各種災害に的確に対応するため、当庁では、九月一日に震災警備訓練を実施し、この中で従来実施していなかった帰宅困難者対策訓練や都内九十七カ所において、十分間通行どめにする大規模な交通規制訓練を行うとともに、十月六日に実施した震災警備図上訓練にも帰宅困難者対策を加えるなど、具体的対処方策などについて検討したところであります。
 また、先般の補正予算の中で、災害時の活動に必要な車両や装備資器材の整備を初め、信号機用の自動起動式発動発電機の増設、警察施設の非常用電源装置の整備などをお認めいただいたことから、順次整備しているところであります。
 今後も各種訓練で得られた教訓や反省点を踏まえ、官民一体となって災害対応能力を高めていくとともに、現在、東京都が修正中であります東京都地域防災計画との整合性を図りつつ、震災警備の基本事項を定めた警視庁震災警備実施計画の見直しを行うなど、都内の震災対策に万全を期してまいります。
 第四は、テロ等各種不法事案の防圧検挙についてであります。
 一二ページ、15の表のとおり、十月末現在で不法行為を行った極左暴力集団の活動家等八十三人、右翼構成員等九十七人を検挙しております。極左暴力集団は、反原発機運の高まりを勢力拡大の絶好の機会ととらえ、活発な運動を展開しております。また、不透明な経済社会、雇用情勢の中、社会に不満を持つ者による個人テロなど、いついかなる事態が起きてもおかしくない状況にあります。
 今後も都内の治安を確保し、公共の秩序を維持する観点から、幅広い情報収集、分析に努めるほか、実践的訓練により対処能力の向上を図るとともに、適切な警備措置と厳正な取り締まりに取り組んでまいります。
 第五は、重大交通事故防止対策の推進についてであります。
 都内における交通事故は、一三ページ、16の表のとおり、発生件数及び負傷者数については減少傾向にあるものの、死者数については十月末現在で百八十六人と、昨年同期に比べ十四人の増加となっており、特に年齢層別で見ると、高齢者の交通死亡事故が七十八人で全体の約四二%、状態別で見ると、歩行中の交通死亡事故が八十七人で約四七%と高い割合となっております。
 こうした状況を踏まえ、交通街頭活動を強化するとともに、高齢者を対象とした参加、体験、実践型の交通安全教育を推進しているところであります。今後も交通事故実態を踏まえた各種対策を推進するとともに、悪質性、危険性の高い交通違反の取り締まりを徹底するなど、重大交通事故防止対策に取り組んでまいります。
 第六は、自転車総合対策の推進についてであります。
 東日本大震災を機に、自転車を利用する方が増加し、都内における自転車が関与する事故の割合は、一三ページ、18の表のとおり、十月末現在で一万五千八百七十一件の三七・六%と、全国平均を大きく上回っているほか、制動装置がついていないピスト自転車を初め、交通ルール、安全マナーを遵守しない自転車の存在が大きな社会問題となっております。これらの問題は社会における規範意識にもかかわる重要なテーマであり、当庁では自転車利用者に対する交通ルールの周知と安全教育の推進、自転車利用者に対する指導取り締まりの強化、自転車通行環境の確立、自転車盗及び自転車利用に係るひったくりの被害防止対策を重点として、社会の規範意識の向上と自転車に係る安全確保を図るため、総合的な自転車対策に取り組んでまいります。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
 当庁の平成二十三年度予算は、一四ページ、19の表のとおり、歳入が七百三十億百六十万円、歳出が六千四百三十五億八千六百五十三万七千円となっております。その詳細につきましては、お手元の資料第2のとおりでございますので、後ほどご参照いただければと思います。
 次に、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてご説明いたします。
 各種施設の整備につきましては、老朽化や狭隘度、耐震性などを考慮し、計画的にこれを進めております。
 本部関係庁舎、警察署庁舎の整備状況につきましては、資料第1の一五ページ及び一六ページのとおりであります。また、待機宿舎の整備状況につきましては、一七ページ及び一八ページ上段の24の表のとおりであります。東日本大震災に伴う緊急対策事業といたしまして、25の表のとおり、非常用電源設備の設置など六項目につきまして、補正予算のご承認をいただいたところであり、順次整備を進めているところであります。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの概要についてご説明いたします。
 この法人は、平成四年五月に東京都が基本財産の約八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、都民の暴力団追放意識等を高め、暴力団排除活動を促進することにより、安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しております。
 その業務には、暴力団追放都民大会の開催、各種広報事業、支援事業、暴力団に関する相談事業、さらには暴力団離脱者に対する援助などの事業があり、先般施行された東京都暴力団排除条例により、その役割がより明確化され、一層重要なものとなっております。
 同センターの運営状況等は、お手元の資料第3のとおりでございます。ご参照いただければと思います。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○菅委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○菅委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○室城総務部長 平成二十三年第四回都議会定例会に提出を予定しております警視庁関係の案件につきましてご説明いたします。
 案件は、事件案四件でございます。
 初めに、お手元の資料第4、誘導標識車の買入れについてご説明いたします。
 本案は、災害発生時等に車両が集中する主要幹線道路、高速道路等において、被害が甚大な地域等に対する車両流入の規制、迂回誘導措置、信号滅灯交差点対策等の各種交通対策に使用するため、購入をお願いするものであります。
 去る十月十一日に実施した一般競争入札の結果、日産自動車販売株式会社が三億三千九百九十六万四千百七十円で落札しておりますが、同車両は、各交通機動隊、高速道路交通警察隊及び八十の警察署に、合計九十一台を配備する予定であります。今定例会でご承認をいただきましたならば、正式に契約を締結し、平成二十四年六月を目途に配備したいと考えております。
 次に、資料第5、災害部隊支援車の買入れについてご説明いたします。
 本案は、本年の三月十一日に発生した東日本大震災を教訓として、今後、同規模の災害が発生した場合、現場で活動する部隊は、昼夜にわたる長時間の活動が予想されることから、被災者等の救助拠点及び部隊の待機、休憩場所の確保のため、購入をお願いするものであります。
 去る十月十一日に実施した一般競争入札の結果、東京いすゞ自動車株式会社が二億九千九百九十二万八千九百円で落札しておりますが、同車両は各機動隊に一台、合計十台を配備する予定であります。
 次に資料第6、災害用大量排水システム車の買入れについてご説明いたします。
 本案は、台風や近年増加する集中豪雨等による道路冠水や地下浸水、河川のはんらん等において浸水現場での排水を行い、救助活動の円滑化を図るため、購入をお願いするものであります。
 去る十月十一日に実施した一般競争入札の結果、帝国繊維株式会社が四億六千三百万円で落札しておりますが、同車両は、各機動隊に一台、合計十台を配備する予定であります。
 本案及び資料第5、災害部隊支援車については、今定例会でご承認をいただきましたならば、正式に契約を締結し、平成二十四年十二月を目途に配備したいと考えております。
 次に、資料第7、交通情報提供車の買入れについてご説明いたします。
 本案は、災害発生時等の避難誘導、信号滅灯交差点対策、主要幹線道路の緊急自動車通行路の確保のための道路案内、地域住民への交通情報の提供等の各種交通対策に使用するため、購入をお願いするものであります。
 去る十一月二十一日に実施した一般競争入札の結果、NECネッツエスアイ株式会社が三億三百四十五万円で落札しておりますが、同車両は交通機動隊十個隊のうち、まだ未配備であります第二、第四、第五、第十方面の交通機動隊に各一台、合計四台を配備する予定であります。今定例会でご承認をいただきましたならば、正式に契約を締結し、平成二十四年六月をめどに配備したいと考えております。
 また、ご説明いたしました四件の予算措置につきましては、すべて、さきの第二回定例会において、補正予算の中でご承認をいただいております。
 以上で、本定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議を賜りますよう、お願い申し上げます。

○菅委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○菅委員長 これより陳情の審査を行います。
 二三第三九号、警視庁駐車監視員の制度存続及び取締業務の指導に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鈴木交通部長 陳情二三第三九号についてご説明いたします。
 本陳情は、放置車両確認事務の現状を理解し、今後とも駐車監視員による放置車両確認事務を継続すること。放置車両確認事務の受託会社に対し、放置車両確認標章取りつけ件数のノルマを強要するような指導は行わないことの二点についてであります。
 一点目の放置車両確認事務の現状を理解し、今後とも駐車監視員による放置車両確認事務を継続することについてでありますが、放置車両の確認及び確認標章の取りつけに関する事務の委託につきましては、平成十八年の改正道交法の施行により、委託を開始して以来、駐車秩序の改善に大きく寄与しており、警視庁といたしましては、願意にかかわらず、今後も継続してまいります。
 二点目の放置車両確認事務の受託会社に対し、放置車両確認標章取りつけ件数のノルマを強要するような指導は行わないことについてでありますが、平成十八年の委託開始以降、警視庁として放置車両確認標章取りつけ件数のノルマを定めたことはございませんが、東京労働局から、警視庁において個々の駐車監視員に対して確認標章取りつけ目標件数を述べさせ、目標達成の報告を行わせる行為があり、これは労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準に抵触するおそれがあるので、改善を図るよう指導を受けたことがございました。調査の結果、昨年十一月に板橋警察署において、そのような事実があったことを確認いたしましたので、厳重に注意するとともに、既に全警察署に対して、再発防止策を講じました。
 他方、受託会社に対しては、契約書に記載された委託業務が適正に行われるよう必要な指導に努めており、今後も継続して同様の指導を行ってまいりたいと考えております。

○菅委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古館委員 警視庁の駐車監視員の制度存続及び取締業務の指導に関する陳情にかかわって意見を表明させていただきます。
 この陳情二三第三九号、警視庁駐車監視員の制度存続及び取締業務の指導に関する陳情についてでありますが、願意の第一項は、駐車監視員制度の存続を求めるものであります。そもそも、この業務の民間委託制度は、取り締まりでさまざまなトラブルが起きるなど問題があり、民間委託ではなくて公務員の身分を持つ警察職員が直接行うべきであることを改めて表明しておきます。
 願意の第二項については、受託会社が現場責任者に対してノルマを設定することがないよう改善の指導を徹底することを求め、趣旨採択を表明するものであります。
 以上です。

○菅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二三第三九号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で警視庁関係を終わります。

○菅委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○北村消防総監 消防総監の北村でございます。本日は、新しい委員の皆様方によります初めての委員会でございますので、一言ごあいさつを申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議、ご指導を賜ることとなりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 さて、本年三月十一日に発生した東日本大震災では、地震動に加え、津波や原子力発電所の事故などの複合的な災害による大きな被害がもたらされたところでありまして、この震災の教訓を踏まえた、より高度な防災対策が求められております。
 東京消防庁では、震災の発生後、都内の災害を初め、東北地域の被災地での大規模な救助活動に加え、航空部隊における情報収集や津波等により消防車両が進入できない孤立した地域の人命救助、さらには東京電力福島第一原子力発電所事故における高放射線量区域での活動など、それぞれの部隊の特性を踏まえた多角的な活動を展開してまいりました。
 こうした活動の教訓から消防ヘリコプターの増強、特殊災害対策車を初めとする各種消防車両の増強、個人線量計等、さらには簡易防護服等の個人装備品の増強、消防庁舎の改修促進などを緊急対策二〇一一に反映させていただき、現在、順次その整備を進めているところでございます。もとより、首都東京におきましては、都市構造や生活環境の変化によりまして、火災を初めとする各種災害が複雑多様化しており、消防活動対策、火災予防対策への一層の強化が求められております。さらには、高齢化の進展等によりまして、救急要請は増加傾向にございます。
 また、本年は地震の被害に加え、台風による被害も発生いたしましたが、依然として危惧される局所的な集中豪雨による被害の発生などを含めて、自然災害による被害も懸念されております。こうした状況下の中、都民の皆様方が最も消防に期待されるのは迅速な人命救助、救急と消火活動であるとの認識のもと、東京消防庁では消防部隊の根幹であるポンプ隊の活動技術や能力をさらに高めるなど、総合的な消防活動能力の向上を図りつつ、消防活動資器材の整備や救急隊を増強するなど、消防力の充実強化に努めております。
 また、救急行政におきましては、救急隊の適切で確実な活動能力の向上を図る一方、東京消防庁救急相談センターの活用等により、真に救急車を必要とする方への適切な対応体制の確保や関係部局、医療機関などとの連携により、救急活動の迅速化や効率化に努めておるところでございます。
 さらには、予防行政では、深夜時間帯も含めた立入検査体制を強化するとともに、本年四月から開始いたしました違反対象物の公表制度により、都民の皆様に建物の安全情報を提供することに加え、関係行政機関や地元商店街との連携をさらに密にするなど、総合的な防火安全対策に努めております。今後とも都民の皆様が安心と安全、さらにはそれを実感できるよう組織一体となって取り組んでまいります。
 警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め、さまざまな機会を通じまして、消防行政推進のため、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の大江秀敏です。防災部長の伊藤克巳です。救急部長の荒井伸幸です。企画調整部長の高橋淳です。総務部長の佐藤直記です。予防部長の有賀雄一郎です。警防部長の石井義明です。装備部長の小室憲彦です。企画課長の阿出川悟です。財務課長の高橋直人です。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○菅委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○菅委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○大江次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に「東京の消防」、「消防行政の概要」及び平成二十三年度東京都一般会計予算(東京消防庁所管分)の資料をお届けしてございます。
 それでは、お手元の「東京の消防」に沿いまして説明をさせていただきます。
 三ページをお開きください。初めに、組織についてであります。
 東京消防庁は、昭和二十三年三月、東京都知事が一体的に管理する特別区における消防として発足し、昭和三十五年以降は逐次、多摩地域の市町村から消防団と消防水利の事務を除いた消防事務の委託を受け、現在、二十五市三町一村の消防事務を行っております。
 次に、予算についてであります。
 中ほどにお示ししてありますように、平成二十三年度の当初予算は二千四百三十九億八千二百万円であり、東京都一般会計予算に占める割合は三・九%であります。
 予算の詳細につきましては、お手元の資料、平成二十三年度東京都一般会計予算(東京消防庁所管分)の資料を参照していただきたいと存じます。
 次に、三ページ右下の表、消防本部の組織についてでありますが、八つの部と消防学校、消防技術安全所のもとに、三十七の課、室等がございます。また、四ページ、上の図にありますように、当庁の管轄区域を十に区分いたしまして、第一から第十の消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。そのうち、四つの方面本部には消防救助機動部隊、いわゆるハイパーレスキュー隊を置いてあります。
 五ページをお開きください。消防職員数でありますが、本年四月一日現在、消防吏員一万七千六百五十三人、一般職員四百二十七人、合計一万八千八十人であります。また八十一の消防署、三つの消防分署、二百八の消防出張所を設置し、消防行政を推進しており、ポンプ車、救助車、救急車など消防車両等千九百八台を配備しております。さらに、火災や事故などの一一九番通報を千代田区大手町と立川市泉町の二カ所の災害救急情報センターで受信する体制で各種災害に備えております。
 七ページをお開きください。災害防除についてであります。
 ご案内のとおり、首都東京は、建築物の大規模化や高層化、深層化、さらには用途や管理形態の多様化などにより、火災を初め各種災害の様相が年々複雑になり、消防活動はますます困難性を増しております。このような中、都民の安心・安全、安定を確保するため、消防活動能力の充実強化や消防部隊の効果的運用等により、各種災害に対応しております。
 八ページにございますように、より迅速で安全かつ効率性の高い消防活動を実施するため、高度な能力を有する特別消火中隊を消防活動の中核として全消防署に配置し、消防活動を迅速、的確に実施する体制を整備しております。
 九ページをお開きください。空の消防についてであります。
 当庁では、現在六機のヘリコプターを保有し、立川市と江東区の二カ所を拠点に、上空からの消火、人命救助、情報収集などの航空消防活動を二十四時間体制で行っております。また、救急ヘリコプターとして、都内及び島しょ地域からの救急患者の搬送活動も行っております。
 次に、一〇ページをごらんください。海の消防についてであります。
 現在、九艇の消防艇を三つの消防署に配置し、船舶や沿岸に対する消火活動及び水難救助活動、さらには油流出事故など、東京港や河川における幅広い活動を行っております。
 一一ページをお開きください。救助についてであります。
 救助を専門としたハイパーレスキュー隊四部隊、特別救助隊二十三隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備し、火災を初め、交通、水難、山岳事故など多岐にわたる救助事象から人命を救うため、いつでも迅速に活動できる体制を確保しております。
 一二ページをごらんください。災害活動支援についてであります。
 東京消防庁の管轄区域外や海外で大規模な災害が発生した場合には、緊急消防援助隊、または国際消防救助隊として被災地に消防部隊を派遣し、救助活動等に当たっております。東日本大震災においては、ハイパーレスキュー隊を中心とした部隊を派遣し、消火、救助、救急などの消防活動を、また、本年二月に発生したニュージーランド南島地震にも救助チームを派遣し、救助活動を行っております。
 一三ページをお開きください。NBC災害対策についてであります。
 危険物や毒劇物を初め、放射性物質、生物剤、化学剤などによるテロなどを含めた特殊な災害に対応するため、NBC災害対策用の測定機器や陽圧防護服などを装備した九隊の化学機動中隊を消防署に分散して配備しております。さらに、第三消防方面本部に配備しておりますハイパーレスキュー隊は、こうした特殊な災害にも対応する部隊として、高度な専門能力を有する隊員と、除染車、救出ロボットなどを装備しております。
 一四ページをごらんください。水災・土砂災害対策についてであります。
 台風や集中豪雨による事故や建物損壊等の被害を伴う土砂崩れなどの水害が予想される場合には、勤務時間外の消防職員及び消防団員を招集し、水防活動や救助活動を実施する体制をとっております。
 一五ページをお開きください。救急についてであります。
 高齢化の進展、疾病構造の変化に対応し、迅速で高度な救急サービスを提供するため、現在、二百三十一台の救急車を配備するとともに、すべての救急隊に救命救急士を配置して、適切な応急処置と一刻も早い病院への搬送に全力を尽くしております。
 また、より早期に救命対応ができるように、ポンプ隊にもAEDを配置し、ポンプ隊と救急隊が連携した効果的な救出救護活動を行っております。さらには、震災や大規模な事故などにおいて、災害現場から医療を開始するための災害医療派遣チーム、いわゆる東京DMATとの連携体制を確保しております。
 一六ページをごらんください。応急手当の普及・指導についてであります。
 より多くの都民の皆様に応急手当の知識、技術を学んでいただき、事故現場に居合わせた場合などの傷病者の救命に活用いただけるよう、応急手当講習会やインターネットを活用した応急手当学習ツールなどにより、応急手当の普及を積極的に推進し、救命率向上を目指しております。
 また、中学生や高校生の授業においても応急手当の講習を行い、幅広い年齢層に学んでいただけるよう努めております。
 次に、東京消防庁救急相談センターについてでありますが、東京消防庁救急相談センターでは、救急車を呼ぶべきか迷った場合などに、短縮ダイヤル、シャープ七一一九番に連絡して、病院へ行った方がいいかなどの相談を受けたり、応急手当などの助言指導や医療機関案内を受けられるよう、医師、看護師や救急隊経験者等が二十四時間体制で対応しております。
 一七ページをお開きください。震災対策についてであります。
 東京消防庁では、都民の皆様を震災から守るため、自助、共助、公助の理念を踏まえ、人命安全対策を初めとする九つの基本的対策から成る震災対策基本方針により、総合的な震災対策を推進しております。
 具体的には、地震災害の教訓から得た、身の安全を守ることを最優先とした行動のポイントによる指導や、家具類の転倒落下、移動を防止する器具の普及のほか、町会、自治会、学校、事業所などが相互に協力した災害に強いまちづくりのために、初期消火、救出救護、応急手当などの防災訓練を通した指導育成などに努めております。
 一九ページをお開きください。消防団についてであります。
 現在、東京都における消防団体制は九十八団、定員二万六千四百八十四名であり、そのうち特別区では五十八団、定員一万六千名で活動しております。
 これら消防団の方々は、仕事や学業の傍ら首都東京を守るという崇高な精神のもと、消防署と連携しながら、消火や人命救助、応急救護などの活動を行い、地域の防災リーダーとして、年末年始及び火災多発期などにおける各種警戒や、防火防災意識の普及活動などを行っております。
 次に、災害時支援ボランティアについてでありますが、震災や大規模な災害が発生した際、消防隊の行う消火を初め、救助や応急救護活動などをボランティアでご支援をいただく制度で、現在、一万六千名余りの方の登録があり、日ごろは定期的な訓練や地域住民の防火防災訓練の指導を行っていただいております。
 二〇ページをごらんください。震災が発生した際の救助活動のかなめとして、ハイパーレスキュー隊を四部隊配備しております。これらの部隊は、多数の人命を早期に救助することを目的として、特殊な技術、能力を有する隊員と、大型重機などの特殊車両を備えています。
 次に、二〇ページ下段、消防水利についてでありますが、震災時の同時多発火災や大規模市街地火災などに備えて、耐震性のある防火水槽や、建物の基礎ばりを利用した水槽を初め、河川、海、地下水など、あらゆる水源を活用するよう努めております。
 二一ページをお開きください。火災予防についてであります。
 都民の皆様の安全を守り、安心して、また安定した暮らしをしていただくためには、火災を未然に防止することが極めて重要であります。このため、建築物の設計や危険物施設の設置の段階から、それぞれの安全を確保するための建築物の建設にかかわる事前相談や消防同意などを通じた安全指導、危険物施設の許認可を初め、既に使用している建築物等に立ち入って防火管理、消防設備の維持管理状況などを検査する火災予防査察を危険実態に応じて実施するなど、積極的な予防行政を推進しております。さらに、本年四月より、違反対象物の公表制度をスタートさせ、立入検査において把握した重大な違反や繰り返し違反がある建築物をホームページに公表し、都民の皆様に建物を利用する際の判断に活用いただいております。
 二三ページをお開きください。防火・防災管理指導についてでありますが、建物の火災を予防するためには、それを管理する関係者の防火管理意識が極めて重要であります。
 防火管理等が自主的に、また適切に行われるよう、事業所の所有者、経営者等の方々に対して、防火管理者の選任や日常の災害予防対策や震災に備えての事前計画を定める消防計画の作成などを指導しております。また、火災や地震などが発生した場合に、被害を最小限にとどめるために、防火管理者等の方々に対する自衛消防組織の設置やその組織が有効に機能するための訓練などの指導を行っています。
 また、二四ページの火災調査でございますが、火災の原因を初め延焼経路や避難状況、損害などについての調査を行い、今後の消防対策や火災予防対策に役立てております。
 二五ページをお開きください。「みなさまと共に」についてであります。
 火災、事故等から都民生活の安全を守るためには、関係機関や地域の方々のご理解と協力のもと、皆様とともに進めていく対策も重要であります。このため、町会、自治会などが行う防火防災訓練を通した、都民一人一人の防災行動力の向上を初め、地域の皆様の協力を得ながら進める住宅用火災警報器の設置、防炎品の普及、家具類の転倒、落下、移動防止措置の実施などの各施策の促進、災害時要援護者の安全を確保するための地域が一体となった協力体制の整備、幼児期から社会人まで各年代に応じた防火防災に関する知識や、日常生活における事故の防止方法などを学習する総合防災教育の推進など、各行政機関とも連携をしまして推進をしております。
 また、二六ページにございますように、防火防災知識を初め全庁を挙げて取り組んでいる施策などを、各種行事やインターネットなどを通じて都民の方々にわかりやすく伝える広報とともに、防火防災に関する問い合わせや相談にお答えし、また調査やアンケートを行うなど、広く皆さんの声を伺って、今後の施策に反映するよう努めております。
 二七ページをお開きください。学習・体験施設、試験講習でございますが、消防への理解を深めていただくために消防博物館を、また、防火防災に関する知識、技術及び防災行動力の向上を図っていただく体験施設として、池袋、立川、本所に防災館を設けまして、それぞれ多くの皆様にご利用いただいております。
 さらに、事業所の自主防火管理体制等を確立するため、各種試験、講習を通しまして、消防技術者の育成にも努めております。
 二八ページの国際化への対応でございますが、東京に在住在勤の外国人の方々に対しまして、外国語による各種パンフレットやホームページ等を活用して、防火防災知識を普及啓発するとともに、防火防災指導を通して、緊急時の対応などの防災行動力の向上に努めております。
 また、諸外国からの研修生を受け入れるなど、国際化への対応に幅広く取り組んでおります。
 二九ページをお開きください。消防体制の確保についてであります。
 複雑多様化する災害に対して、災害実態の変化に対応した安全で効果的な消防活動を行うため、消防技術安全所において科学的な見地に立った安全検証と技術改良を実施し、その成果を消防活動対策や安全管理対策、火災予防対策へ反映させております。
 三〇ページをごらんください。点検・整備についてであります。
 装備工場では、消防機動力の恒常的な即応体制を確保するため、各種消防車両の点検、資器材の修理を初め、災害現場等における現場整備、さらには、各消防署に対する整備技術指導を行っております。
 教育・訓練についてであります。
 都民の期待にこたえるためには、高度多様化する消防業務に対応できる消防職員及び消防団員の育成が極めて重要であります。このため、消防学校において、新たに採用した職員に対する初任教育を初め、幹部教育、専科教育などを実施し、消防職員、消防団員としての必要な知識、技術の習得はもとより、気力、体力の錬磨に努めております。
 以上が東京消防庁の事務事業の概要でございます。詳細につきましては、お手元の資料、「消防行政の概要」を参照していただきたいと存じます。
 以上、大変雑駁ではございますが、当庁の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○菅委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○菅委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○大江次長 平成二十三年第四回都議会定例会に提出を予定しております東京消防庁関係の案件について、ご説明申し上げます。
 案件は二件ございまして、一件目は特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例案、二件目はヘリコプターの買入れ案であります。
 初めに、お手元の資料1によりまして、特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例案についてご説明いたします。
 一ページをごらんください。
 本案は、本条例の規定の基準であります非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令が介護補償の支給について定めた規定で用いている障害者支援施設及び生活介護の用語を障害者自立支援法から引用しており、同法で規定される項が改められ、同政令も改正されましたことから、これに伴い、本条例の規定を整備するものであります。
 二ページの新旧対照表、第九条の二第一項第二号をごらんください。
 下欄の傍線でお示しする部分につきまして、上欄の傍線でお示ししますとおり、引用している障害者自立支援法の項を改めるものでございます。
 なお、施行日につきましては、公布の日を予定をしております。
 次に、資料2によりまして、ヘリコプターの買入れ案についてご説明申し上げます。
 東日本大震災を教訓とし、都内における地震災害等発生時において、大量輸送、大量救助等の消防機動力の円滑化を図るため、大型ヘリコプターを買い入れするものでございます。当庁では、買い入れに当たり、震災時の活動を初め、島しょ地域からの救急患者搬送業務や山岳地域における救助救急活動など、各種の消防活動が可能な運航性能と機動力を有する大型ヘリコプターを希望していたところ、去る十一月二十四日、東京消防庁におきまして一般競争入札を行いました結果、高い運航性能を有するフランス共和国ユーロコプター社製、ユーロコプター式EC225LP型ヘリコプターに決定したところでございます。
 また、買い入れ予定価格につきましては、三十二億三千五百二十三万五千五百円であり、機体本体のほか、救助用ホイスト装置、消火装置などの消防活動用装備品などが含まれております。
 なお、本案につきましては、都議会のご承認が得られましたならば、正式に契約を締結したいと考えております。
 以上、大変雑駁ではございますが、第四回定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○菅委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○菅委員長 これより陳情の審査を行います。
 二三第四二号、消防法に規定する送水口周辺の安全な消火活動の確保に関する条例等の制定に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○有賀予防部長 お手元の陳情審査説明表によりまして、二三第四二号、送水口の設置基準の改正に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、三鷹市の安藤忠男氏から出されたものであり、平成二十三年七月二十八日に受理しております。
 陳情の趣旨は、都において、敷地内においても、消火活動を目的として、消防法で設置された連結送水管送水口周辺三メートル以内に固定物を置いてはならない、駐車場を設置してはならないという罰則のある条例等を早期に制定、施行していただきたいというものでございます。
 連結送水管は、消防用設備等の一つであり、主として高層の建物に設置されています。高層階で火災が発生した場合、消防隊は地上の送水口にホースを接続し送水することにより、上階の放水口から水を得て消火活動を実施いたします。
 連結送水管の送水口については、既に消防法令により消防ポンプ自動車が容易に接近することができる位置に設けること等の設置基準が規定されております。このため、送水口の周辺については、建物個々の実態を考慮しながら、消防隊が送水口にホースを接続し送水することに支障がない環境を確保しております。
 当庁では、連結送水管の適正な設置維持のため、設置届け出等を受理し検査を行っております。検査後は、関係者が維持管理を行うとともに、定期的に行った点検の結果を消防署に報告することとなっております。
 また、立入検査等により、消防法令違反を現認した場合は、速やかに是正するよう関係者に対して指導しております。
 今後とも、消防法令に適合した連結送水管の設置、維持管理等を関係者に対し指導し、建物等の防火安全対策の推進に努めてまいります。
 以上、現在の状況を説明させていただきました。よろしくご審査をお願いいたします。

○菅委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二三第四二号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五分散会

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