警察・消防委員会速記録第十号

平成二十二年十一月十五日(月曜日)
第十一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長宇田川聡史君
副委員長石毛しげる君
副委員長東村 邦浩君
理事古館 和憲君
理事門脇ふみよし君
理事吉野 利明君
ともとし春久君
大津 浩子君
中嶋 義雄君
宮崎  章君
比留間敏夫君
山下 太郎君
和田 宗春君

 欠席委員 一名

 出席説明員
警視庁警視総監池田 克彦君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱岩瀬 充明君
総務部長種谷 良二君
警務部長辻  義之君
交通部長鈴木 基久君
警備部長久我 英一君
地域部長臼井 祐一君
公安部長青木 五郎君
刑事部長高綱 直良君
生活安全部長宮園 司史君
組織犯罪対策部長毛利 徹也君
総務部企画課長駒田 茂生君
総務部会計課長萩原 國男君
東京消防庁消防総監新井 雄治君
次長人事部長事務取扱北村 吉男君
企画調整部長大江 秀敏君
総務部長佐藤 直記君
警防部長佐藤 康雄君
防災部長伊藤 克巳君
救急部長荒井 伸幸君
予防部長有賀雄一郎君
装備部長石井 義明君
企画調整部企画課長徳留 壽一君
企画調整部財務課長土屋 雅義君

本日の会議に付した事件
警視庁関係
事務事業について(説明)
東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○宇田川委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取を行います。
 なお、本日はいずれも説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○池田警視総監 警視総監の池田克彦でございます。
 本日は、新たな委員の皆様による初めての警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様には、当庁の運営につきまして平素から特段のご理解、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。今後、予算案を初め、条例案、請願陳情等の各種案件につきましてご審議を賜ることとなりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、都内における治安情勢につきましては、東京都、東京都議会の皆様によります安全・安心まちづくりに向けたさまざまの取り組みや、当庁が組織の総力を挙げて取り組んでおります犯罪抑止総合対策などにより、全刑法犯の認知件数が七年連続で減少するなど、成果があらわれているところでございます。
 しかしながら、依然として振り込め詐欺やひったくりなどの都民の日常生活を脅かす犯罪や、殺人、強盗などの凶悪な犯罪が後を絶たないほか、インターネットを悪用した新たな手口の犯罪が発生するなど、いまだ体感治安の十分な改善には至っていない状況にございます。
 当庁といたしましては、こうした情勢を踏まえ、都民の皆様や関係機関との連携を、一層の強化を図り、犯罪抑止のための諸対策を強力に推進し、都民の皆様が治安回復を実感できる社会の実現に全力を尽くしてまいりたいと考えております。委員の皆様には、今後とも当庁に対するより一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、当庁の幹部職員をご紹介させていただきます。
 皆様に向かいまして中央から左へ、副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱岩瀬充明、公安部長青木五郎、警備部長久我英一、交通部長鈴木基久、中央から右の方に向かいまして、総務部長種谷良二、刑事部長高綱直良、警務部長辻義之、生活安全部長宮園司史、中央の後列に、組織犯罪対策部長毛利徹也、地域部長臼井祐一、企画課長駒田茂生、会計課長萩原國男。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○宇田川委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○宇田川委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○種谷総務部長 当庁の事務事業概要等につきまして、お手元の資料第1によりご説明いたします。
 初めに、組織及び定員についてであります。
 一ページをお開きください。当庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、九つの部、警察学校、犯罪抑止対策本部並びに三ページ以下に記載の十の方面本部及び百二の警察署から構成されております。
 職員の定数は、五ページの2の表のとおり、四万五千九百九十七人で、本年度は、警察署鑑識係の体制強化及び死体取扱業務の体制強化のため、百十人の増員をいただいたところであります。
 現在、大量退職期を迎え、現場執行力の維持、協力に必要な施策を推進しておりますが、人事管理、業務管理を徹底して、時代の要請に対応できる警察力を確保してまいりたいと考えております。
 次に、各種警察活動の概要について、四点申し上げます。
 第一は、犯罪抑止総合対策についてであります。
 当庁では、平成十五年から、検挙と防犯の両面において各種対策を推進する犯罪抑止総合対策に全庁を挙げて取り組んでおります。
 これによりまして、お手元の資料の六ページ、3の表のとおり、都内における全刑法犯の認知件数は年々減少傾向にあり、本年も、九月末現在、昭和四十年代の治安水準に達した昨年の同期をさらに下回る状況にあります。
 以下、主要な治安対策についてご説明いたします。
 初めに、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進についてであります。
 現在、当庁では、犯罪の起きにくい社会の実現に向けた取り組みを推進中でありますが、とりわけ万引き等、軽い気持ちで手を染めてしまう犯罪を安易に見過ごすことは、規範意識の低下を助長し、より悪質重大な犯罪に手を染めることにつながりかねないことから、各自治体、地域住民、事業者等と連携を図り、取り締まりを行うとともに、広報啓発活動を推進しております。
 また、犯罪多発地区に移動防犯カメラを導入するなどして、犯罪の起きにくい環境の整備を進めているほか、防犯ボランティア活動の活性化により、規範意識の向上と地域社会のきずなづくりを図るなど、安全で安心して暮らせるまちづくりの実現に向けた取り組みを推進しております。
 その二は、振り込め詐欺対策についてであります。
 昨年下半期から増加に転じた振り込め詐欺被害は、ことしに入っても多発傾向にあることから、自治体、金融機関、ボランティア団体等と連携した振り込め詐欺撲滅月間を二度にわたり実施し、総合的な検挙防犯対策を強化してまいりました。
 しかしながら、資料の七ページ、5の表のとおり、本年九月末現在の認知件数は一千二百四十六件と、昨年同期に比べて三〇%増加し、被害総額も約十八億一千二百万円と、一二%増加しております。特に、高齢者をねらったおれおれ詐欺が被害の約八割を占めていることから、引き続き関係機関等との連携を図り、被害に遭わないための注意喚起を促すなど、官民一体となった諸対策を推進してまいります。
 その三は、少年非行防止対策についてであります。
 資料の八ページ、7の表のとおり、本年九月末現在、非行少年の検挙、補導人員は八千五百四人で、昨年同期に比べ百二十二人、一・五%増加し、特に万引きで検挙、補導した少年は、9の表のとおり四百四十三人、一三・五%増加しております。また、資料の九ページの10の表でありますが、街頭犯罪の検挙に占める少年の割合が約四割と高い水準で推移するなど、少年非行の現状はいまだ厳しい状況にあります。
 当庁では、街頭補導活動の強化、非行集団等の検挙、解体、補導活動の推進や、スクールサポーターによる学校訪問等のほか、児童生徒の健全育成を図る警察と学校との総合連絡制度、さらにはフィルタリング普及促進対策など、関係機関と連携した諸対策を推進しております。
 その四は、来日外国人犯罪対策についてであります。
 近年、来日外国人犯罪組織は、強盗等の凶悪犯罪を初め、カード犯罪や薬物密売等の犯罪を繰り返し敢行しているほか、世界的規模で活動する犯罪組織の我が国への流入など、犯罪のグローバル化が進行しております。
 当庁では、組織の実態解明と偽装結婚や地下銀行等の犯罪インフラ事犯の重点的な検挙、摘発対策を強力に推進しており、資料の一〇ページ、11の表でございますが、本年九月末現在、二千五百六十三人の来日外国人犯罪者を検挙しているほか、12の表のとおり、東京入国管理局との合同摘発等により、不法滞在者等九百三十二人を摘発しております。引き続き、戦略的かつ効果的な諸対策を推進してまいります。
 その五は、銃器、薬物事犯の取り締まりについてであります。
 資料の一一ページ、13の表でございますが、本年九月末現在、五十三丁のけん銃を押収しておりますが、工事現場をねらったけん銃発砲事案が連続で発生しているほか、けん銃を使用した郵便局強盗事件が発生している状況にあります。
 また、薬物事犯については、14及び15の表のとおり、本年九月末現在、一千七百七十四人を検挙し、覚せい剤等合計約二十七・六キログラムを押収しておりますが、依然として、大学生を初めとする若年層において薬物使用が蔓延している実態にあることから、密輸密売組織の摘発はもとより、末端乱用者に対する取り締まりの強化と、薬物の危険性についての幅広い広報啓発活動を行ってまいります。
 第二は、暴力団総合対策についてであります。
 当庁では、都内の暴力団について、約五百八十組織、構成員等約一万六千八百五十人を把握しており、これは全国における暴力団勢力の約二〇%を占めております。
 このうち、国内最大の勢力を擁する六代目山口組は、平成五年当時と比べて約二十五倍にまで精力を拡大し、繁華街等における利権をめぐって、在京暴力団との間に緊張関係が生じております。現在、六代目山口組を最重点対象とした暴力団総合対策を強力に推進しており、資料の一二ページ、16、(1)の表でございますが、本年九月末現在、三千六十九人の暴力団員等を検挙しております。
 近年、暴力団は、恐喝や薬物密売等の従来からの資金獲得犯罪に加え、その組織実態を巧妙に隠ぺいし、一般の企業を装いながら不動産売買、証券取引等の各種経済活動に介入するなど、あらゆる手段で資金獲得活動を活発に行っております。
 こうした情勢を受け、暴力団排除の機運が高まる中、東京都や民間団体等との連携を強化し、暴力団排除活動を効果的に展開しておりますが、特に暴力団総合対策を徹底するための、仮称でありますが、東京都暴力団排除条例の制定に向けた取り組みを推進しております。
 第三は、国際テロ等各種テロ、ゲリラの防圧検挙についてであります。
 本年の最重要課題でありましたAPEC警備は、東京都議会の皆様を初め多くの都民の皆様のご理解とご協力を賜り、また組織を挙げて諸対策を推進した結果、所期の目的を達することができました。しかしながら、現在、世界各地では、イスラム過激派によるテロが頻発しているほか、反グローバリズムを掲げる勢力が過激な行動を引き起こしている状況にあります。
 当庁では、資料の一三ページ、17の表でございますが、本年九月末現在、不法行為を行った極左暴力集団の活動家等十五人、右翼団体構成員等五十二人を検挙しておりますが、テロ等の不法事案の未然防止に向け、官民一体となったテロ対策東京パートナーシップ推進会議の活動とあわせ、本年六月に全警察署において発足した地域版パートナーシップの活動を通じて、地域住民や事業者、関係機関等との連携を深め、テロを起こさせない社会づくりに取り組んでまいります。
 第四は、重大交通事故の防止についてであります。
 都内の交通事故による死者数は、資料の一四ページ、18の表でございますが、本年九月末現在、百五十二人で、昨年同期に比べ一人増加しており、特に高齢者と二輪車乗車中の交通死亡事故の割合が高くなっております。
 こうした現状を踏まえ、高齢者宅を訪問しての交通安全教育や、高齢者交通安全モデル地区を中心とした、参加、体験、実践型の安全教育のほか、高齢者運転免許自主返納の推進、悪質、危険性、迷惑性の高い交通違反の指導取り締まり等を強力に推進しております。
 次に、新駐車対策法制の適正な運用についてでありますが、昨年四月から、放置車両確認事務の民間委託が東部を除く都内全域に拡大され、資料の19の表でございますけれども、都心部の幹線道路を中心として放置車両が減少し、交通渋滞が緩和されるなどの効果があらわれております。引き続き、取り締まり活動ガイドラインに沿った適切な指導取り締まり及び放置駐車等の抑止のための広報啓発活動を推進するとともに、荷さばき車両等に配意した駐車規制の見直しを実施するなど、安全で快適な交通社会の実現に努めてまいります。
 当庁の事務事業の概要については以上でございます。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
 当庁の平成二十二年度予算は、資料の一五ページ、20の表のとおり、歳入が七百四億四千六百六十七万四千円、歳出が六千四百八十四億五千二百万円であります。その詳細につきましては、お手元の資料第2のとおりでございます。
 次に、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてご説明いたします。
 まず本部関係庁舎、警察署庁舎の整備計画等につきましては、資料第1の一六ページ及び一七ページに記載のとおりであります。今年度中に完成する庁舎は、来年二月の第九方面証拠品保管庫と赤坂警察署となります。また、待機宿舎の整備につきましては、資料の一八ページ及び一九ページに記載のとおりであります。今年度中に完成する宿舎は、来年三月の小笠原住宅と小金井警察署の寮となります。
 最後に、公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターの運営状況についてご説明いたします。
 この法人は、平成四年五月に東京都が基本財産の約八二%を出資し、財団法人として設立されたものであり、都民の暴力団追放意識等を高め、暴力団排除活動を推進することにより、安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しております。
 その業務には、暴力団追放都民大会の開催、各種広報事業、支援事業、暴力団に関する相談事業、さらには暴力団離脱者に対する援助等の事業があります。
 なお、六月二十四日付で公益財団法人への移行を申請していたところ、八月二十七日、都知事より認定を受け、九月一日から新たに公益財団法人に移行しております。
 同センターの運営状況等は、お手元の資料第3のとおりでありますので、ご参照ください。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○宇田川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○古館委員 大変お手数ですけれども、新規事業の一表をいただきたいと思っています。
 それから、今までもお願いしていたことですが、歩車分離の信号機について、設置要望の推移、並びに設置基数及び現在の設置総件数について、三年間でお願いします。
 最後に、エスコートゾーン、平成二十二年度までの整備実績、この見込みも入れて結構ですので、お願い申し上げます。
 以上です。

○宇田川委員長 ただいま古館理事より資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○宇田川委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
 以上で警視庁関係を終わります。

○宇田川委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○新井消防総監 消防総監の新井でございます。
 本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ごあいさつを申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情などの全般にわたりご審議、ご指導を賜ることになりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 さて、ご案内のとおり、首都東京におきましては、建築物の高層化、深層化、さらには管理形態の複雑多様化などにより、火災を初めとする各種災害の様相がますます変化をしております。また、七月に二十三区の北部を中心とした地域で発生いたしました水害のように、局地的な集中豪雨による被害の発生や、依然として首都直下の地震の発生が危惧されるなど、自然災害による被害も懸念されます。さらには、高齢化の進展などにより救急要請は増加傾向にあり、本年七月二十四日には、熱中症の発生増加などにより、救急隊の出場件数が過去最多の二千七百六十六件を記録しております。
 こうした状況の中、東京消防庁では、都民の安心と安全を確保するため、震災等の大規模災害に対する消防活動体制を整備するほか、本年四月一日には東久留米市の消防事務を受託し、より一体的な消防活動を行える体制を整備しております。また、東京消防庁救急相談センターの利用促進を図るなど、真に救急車を必要とする方への適切な対応体制の確保に努めております。さらには、来年四月一日より違反対象物の公表制度をスタートさせ、都民の皆様に、より迅速に建物に関する安全情報を提供してまいります。
 今後とも、都民の皆様が安心と安全を実感できるよう、組織一体となって取り組んでまいります。警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め種々の機会を通じまして、消防行政推進のため、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の北村吉男です。防災部長の伊藤克巳です。予防部長の有賀雄一郎です。警防部長の佐藤康雄です。総務部長の佐藤直記です。企画調整部長の大江秀敏です。救急部長の荒井伸幸です。装備部長の石井義明です。企画課長の徳留壽一です。財務課長の土屋雅義です。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○宇田川委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○宇田川委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○北村次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元に「東京の消防」、「消防行政の概要」、平成二十二年度東京都一般会計予算(東京消防庁所管分)及び公益財団法人東京防災指導協会の資料をお届けしてございます。
 それでは、お手元の「東京の消防」に沿いまして説明させていただきます。
 三ページをお開きください。初めに、組織についてであります。
 昭和二十三年三月、消防組織法の施行により、東京消防庁は東京都知事が一体的に管理する特別区における消防として発足いたしました。また、昭和三十五年以降、逐次、多摩地域の市町村から地方自治法に基づく消防事務の委託を受け、本年四月に受託した東久留米市の消防事務を含め、現在、稲城市及び島しょ地域を除く二十五市三町一村の消防事務を行っております。
 次に、予算についてであります。
 中ほどにお示ししてありますように、平成二十二年度の当初予算は二千四百八十二億六千九百万円であり、東京都一般会計予算に占める割合は四%であります。
 予算の詳細につきましては、お手元の資料、平成二十二年度東京都一般会計予算(東京消防庁所管分)の資料を参照していただきたいと存じます。
 次に、三ページ右下の表、消防本部の組織についてでありますが、消防本部として、八部、一学校、一安全所のもとに、三十七の課、室等がございます。また、行政事務及び部隊活動を円滑に実施するため、四ページ、上の図にお示ししてありますように、当庁の管轄区域を十に区分いたしまして、第一から第十の消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。
 五ページをお開きください。消防職員数でございますが、消防吏員一万七千六百五十三人、一般職員四百二十七人、合計一万八千八十人であります。また、消防行政の拠点として、八十一の消防署、三つの消防分署、二百七の消防出張所を設置し、消防行政を推進しております。さらに、消防機動力として、ポンプ車、救助車、救急車など消防車両等千八百九十八台を配備しますとともに、火災や事故などの一一九番通報を二カ所の災害救急情報センターで受信する体制で、各種災害に備えております。
 七ページをお開きください。災害防除についてであります。
 ご案内のとおり、首都東京は、建築物の大規模化や高層化、深層化に加え、管理形態の多様化などにより、火災を初め各種災害の態様が年々複雑になり、消防活動はますます困難性を増しております。このような中、都民の安心・安全を確保するため、消防活動能力の充実強化や消防部隊の効果的運用等により、複雑多様化する各種災害に対応しております。
 八ページにございますように、消防活動の困難性や危険性が特に高い火災に対応するため、高度な能力を有する特別消火中隊を消火活動の中核として全消防署に配置し、消防活動を迅速的確に実施する体制を整備しております。
 九ページをお開きください。空の消防についてであります。
 当庁では、現在六機のヘリコプターを保有し、立川市と江東区の二カ所に基地を構え、上空からの消火、人命救助、情報収集などの航空消防活動を二十四時間体制で行っております。また、救急ヘリコプターとして、都内及び島しょ地域からの救急患者の搬送活動も行っています。
 次に、一〇ページをごらんください。海の消防についてであります。
 現在、九艇の消防艇を三つの消防署に配置し、船舶や沿岸に対する消火活動及び水難救助活動、さらには油流出事故への対応など、東京港や河川における幅広い活動を行っております。
 一一ページをお開きください。救助についてであります。
 救助を専門とした消防救助機動部隊四部隊、特別救助隊二十三隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備し、火災を初め、交通、水難、山岳事故など、多岐にわたる救助事象から人命を救うため、いつでも迅速に活動できる体制を整備しております。
 一二ページをごらんください。災害活動支援についてであります。
 東京消防庁の管轄区域外や海外で大規模な災害が発生した場合には、緊急消防援助隊、または国際消防救助隊として被災地に消防部隊を派遣し、救助活動等に当たっております。
 一三ページをお開きください。NBC災害対策についてであります。
 危険物や毒劇物を初め放射性物質、生物剤、化学剤などによるテロなどを含めた特殊な災害に対応するため、NBC災害対策用の測定機器や陽圧防護服などを装備した九隊の化学機動中隊を配備しております。さらに、高度な専門能力を有する隊員と、除染車、救出ロボットなどを装備した消防救助機動部隊を、第三消防方面本部に配備しております。
 一四ページをごらんください。水災・土砂災害対策についてであります。
 台風や集中豪雨により、河川等の急激な増水による事故や建物損壊等の被害を伴う土砂崩れなどの水害が予想される場合には、勤務時間外の消防職員及び消防団員を参集し、水防活動や救助活動を実施する体制をとっております。
 一五ページをお開きください。救急についてであります。
 高齢化の進展、疾病構造の変化に対応し、迅速で高度な救急サービスを提供するため、現在、二百三十一台の高規格救急車を配備するとともに、すべての救急隊に救命救急士を配置しており、適切な応急処置と一刻も早い病院への搬送に全力を尽くしています。
 また、より早期に救命措置が対応できるように、ポンプ隊にもAEDを配置し、ポンプ隊と救急隊が連携した効果的な救出救護活動を行っています。さらには、災害現場から医療を開始するための災害医療派遣チーム、いわゆる東京DMATとの連携体制を確保しております。
 一六ページをごらんください。応急手当の普及・指導についてであります。
 中学生や高校生を含む幅広い年齢層の、より多くの都民の皆様に応急手当の知識、技術を学んでいただき、事故現場に居合わせた場合などの傷病者の救命に活用いただけるよう、応急手当講習会やインターネットを活用した応急手当学習ツールなどにより、応急手当の普及を積極的に推進し、救命率向上を目指しております。
 次に、東京消防庁救急相談センターについてでありますが、東京消防庁救急相談センターでは、救急車を呼ぶべきか迷った場合などに、短縮ダイヤル、シャープ七一一九番で救急に関する相談をしていただくため、医師、看護師や救急隊経験者等が二十四時間体制で対応しており、病院の受診要否の判断を初め、応急手当などの助言指導や医療機関案内を行っております。
 一七ページをお開きください。震災対策についてであります。
 東京消防庁では、都民の皆様を震災から守るため、自助、共助、公助の理念を踏まえ、人命安全対策を初めとする九つの基本的対策から成る震災対策基本方針により、総合的な震災対策を推進しております。
 具体的な震災対策として、地震災害の教訓から得た、身の安全を守ることを最優先とした行動のポイントや、家具類の転倒落下を防止する器具の普及を初め、町会、自治会、学校、事業所などが相互に協力し、災害に強いまちづくりをするために、初期消火、救出救護、応急手当などの防災訓練を通した指導育成に努めています。
 一九ページをお開きください。消防団についてであります。
 現在、東京都における消防団体制は九十八団、定員二万六千四百八十四名であり、そのうち特別区では五十八団、定員一万六千名で活動しております。
 これら消防団の方々は、生業の傍ら首都東京を守るという崇高な精神のもと、消防署と連携しながら、消火や人命救助、応急救護などの活動を行い、地域の防災リーダーとして、年末年始及び火災多発期等における各種警戒や、防火防災意識の普及活動などを行っております。
 次に、災害時支援ボランティアについてでありますが、震災や大規模な災害が発生した際、消防隊の行う消火を初め、救助や応急救護活動などをボランティアでご支援をいただく制度で、現在、一万七千名を超える方々に登録をいただいております。
 二〇ページをごらんください。震災が発生した際の多数の人命を早期に救助することを目的として、特殊な技術、能力を有する隊員と、大型重機などの特殊車両を備えた消防救助機動部隊を四部隊配備しております。
 次に、二〇ページ下段、消防水利についてでありますが、震災時の同時多発火災や大規模市街地火災などに備えて、耐震性のある防火水槽や、建物の基礎ばりを利用した水槽を初め、河川や海等の豊富な水量を有する水源や、河川の堰どめ資材を整備するなど、あらゆる水源を活用するよう努めております。
 二一ページをお開きください。火災予防についてであります。
 都民の皆様の安全を守り、また安心して暮らしていただくためには、火災の発生を未然に防止することが重要であります。このため、建築物の設計や危険物施設の設置の段階から、それぞれの安全を確保するため、建築物の建設にかかわる事前相談や消防同意などを通じた安全指導、危険物施設の許認可のほか、建築物等に立ち入って防火管理、消防設備の維持管理状況などを検査する火災予防査察を実施するなど、積極的な予防行政を推進しております。
 二三ページをお開きください。防火・防災管理指導についてでありますが、建物の火災を予防するためには、それを管理する管理者の防火管理意識が極めて重要であります。
 防火管理等が自主的に、また適切に行われるよう、事業所の所有者、経営者等の方々に対し、消防計画の作成等の指導を行うとともに、防火管理者等の方々に対し、防火防災教育や自衛消防訓練の指導を行っております。
 また、二四ページの火災調査でございますが、火災の原因を初め延焼経路や避難状況、損害などについての調査を行い、今後の消防対策や火災予防対策に役立てております。
 下のグラフにありますように、平成二十一年中の火災は五千五百九十八件発生しており、放火及び放火の疑いが出火原因の約三割を占めております。このため、町会、自治会、関係機関等と連携し、地域ぐるみで放火火災予防対策を推進しております。
 二五ページをお開きください。「みなさまと共に」についてであります。
 火災、事故等から都民生活の安全を守るためには、関係機関や地域の方々のご理解とご協力のもと、皆様とともに進めていく対策も重要であります。このため、町会、自治会などが行う防火防災訓練を通した、都民一人一人の防災行動力の向上を初め、子どもの発達段階に応じた防火防災に関する知識や、日常生活における事故の防止方法などを学習する総合防災教育の推進のほか、災害時要援護者の安全を確保するための地域が一体となった協力体制の整備など、各行政機関とも連携して推進しております。
 また、二六ページにございますように、防火防災知識を初め全庁を挙げて取り組んでいる施策などを、各種行事やインターネットなどを通じて都民の方々にわかりやすく伝える広報に努めています。
 二七ページをお開きください。学習・体験施設、試験講習でございますが、消防への理解を深めていただくために消防博物館を、また、防火防災に関する知識、技術及び防災行動力の向上を図っていただく体験施設として、池袋、立川、本所に防災館を設けまして、それぞれ多くの皆様にご利用いただいております。
 さらに、事業所の自主防火管理体制等を確立するため、各種試験、講習を通しまして、消防技術者の育成にも努めております。
 二八ページの国際化への対応でございますが、東京に在住在勤の外国人の方々に対しましても、外国語による各種パンフレットやホームページ等を活用し、防火防災知識の普及啓発や緊急時の対応など防災行動力の向上に努めております。
 二九ページをお開きください。消防体制の確保についてであります。
 複雑多様化する災害に対して、災害実態の変化に対応した安全で効果的な消防活動を行うため、消防技術安全所において科学的な検証と技術改良を実施し、その成果を消防活動対策や安全管理対策、火災予防対策に反映させております。
 三〇ページをごらんください。点検・整備についてであります。
 装備工場では、消防機動力の恒常的な即応体制を確保するため、各種消防車両の整備や資器材の点検を初め、災害現場等における現場整備、さらには、各消防署に対する整備技術指導を行っております。
 三一ページをお開きください。教育・訓練についてであります。
 都民ニーズに的確にこたえる消防行政を推進するためには、消防職員、消防団員等の質の向上は極めて重要であります。このため、消防学校において、新たに採用した職員に対する初任教育を初め、幹部教育、専科教育などを実施し、消防職員、消防団員としての必要な知識、技術の習得はもとより、気力、体力の錬磨に努めております。
 以上が東京消防庁の事務事業の概要であります。詳細につきましては、お手元の資料、「消防行政の概要」を参照していただきたいと存じます。
 続きまして、公益財団法人東京防災指導協会についてご説明申し上げます。お手元の資料、公益財団法人東京防災指導協会をごらんいただきたいと存じます。
 この協会は、公共の安全と福祉に寄与することを目的として、昭和四十八年十月に設立された財団であります。
 主な事業といたしましては、防火・防災管理者、危険物取扱者、防火対象物点検資格者などの育成、災害予防に関する調査研究、防火防災思想の普及及び防災関係図書の刊行などの事業を行ってまいりました。
 詳細につきましては、本資料をごらんいただきたいと存じます。
 なお、同協会は本年十月に、応急手当ての普及啓発、救急に関する調査研究などの事業を行ってまいりました公益財団法人東京救急協会と合併し、公益財団法人東京防災救急協会として、両協会の事業を引き続き進めています。
 以上、大変雑駁ではございますが、当庁の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○宇田川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○宇田川委員長 それでは、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十六分散会

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