警察・消防委員会速記録第九号

平成二十年十月十四日(火曜日)
第十一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長田島 和明君
副委員長吉野 利明君
副委員長中嶋 義雄君
理事宮崎  章君
理事山下 太郎君
理事渡辺 康信君
東村 邦浩君
石井 義修君
比留間敏夫君
内田  茂君
三田 敏哉君
土屋たかゆき君
田中  良君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監米村 敏朗君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱植松 信一君
総務部長高橋美佐男君
警務部長樋口 建史君
交通部長坂口 正芳君
警備部長高橋 清孝君
地域部長瀧澤 敬治君
公安部長青木 五郎君
刑事部長舟本  馨君
生活安全部長白石  明君
組織犯罪対策部長三浦 正充君
総務部企画課長臼井 祐一君
総務部会計課長中野 良一君
東京消防庁消防総監小林 輝幸君
次長人事部長事務取扱新井 雄治君
企画調整部長伊藤 克巳君
総務部長秋山  惠君
警防部長荻野 秀夫君
防災部長大江 秀敏君
救急部長野口 英一君
予防部長北村 吉男君
装備部長有賀雄一郎君
企画調整部企画課長村上 研一君
企画調整部財務課長柏木 修一君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
事務事業について(説明)
 東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○田島委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情については、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取を行います。
 なお、本日は、いずれも説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○米村警視総監 警視総監の米村敏朗でございます。本日は、新たな委員の皆様による初めての警察・消防委員会でございますので、当庁を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様方には、当庁運営につきまして、平素から特段のご支援、ご協力を賜り、この機会に厚く御礼を申し上げます。
 今後、予算案を初め条例案、請願陳情等の各種案件についてご審議を賜ることとなりますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、当庁におきましては、現在、現下の治安情勢を踏まえ、全庁を挙げて犯罪抑止総合対策、重要犯罪等の検挙、暴力団対策、国際テロ対策、交通事故防止対策等を重点とする諸対策を推進しているところであります。とりわけ、対応が急務となっております振り込め詐欺につきましては、その撲滅を図るため、関係機関との連携を図りながら、特別緊急対策を強力に実施しているところであります。
 社会情勢の変化に伴い、治安課題も多様化しているところでありますが、一つ一つの課題に的確に対応することによって、安全・安心なまち東京を実現してまいる所存でありますので、今後とも、より一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、当庁の幹部職員をご紹介させていただきます。
 皆様から向かいまして中央から左へ、副総監兼ねて犯罪抑止対策本部長事務取扱植松信一、警務部長樋口建史、公安部長青木五郎、警備部長高橋清孝、中央から右へ、総務部長高橋美佐男、刑事部長舟本馨、交通部長坂口正芳、組織犯罪対策部長三浦正充、中央の後列に生活安全部長白石明、地域部長瀧澤敬治、企画課長臼井祐一、会計課長中野良一。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○田島委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○田島委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋総務部長 警視庁の事務事業の概要等について、お手元の資料第1によりご説明いたします。
 初めに、警視庁の組織及び定員についてであります。
 一ページをお開きください。
 警視庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、警視総監、副総監、総務部を初めとする九部、犯罪抑止対策本部、警察学校、並びに三ページ以下に記載しております十の方面本部及び百一の警察署から構成されております。
 職員の定員は、五ページに記載しておりますとおり、四万五千八百二十五人であります。
 現在、大量退職期を迎えていることから、現場執行力の維持強化に必要な施策を推進しておりますが、人事管理、業務管理を徹底し、時代の要請に対応できる警察力を確保してまいりたいと考えております。
 次に、各種警察活動の概要について、四点申し上げます。
 第一は、犯罪抑止総合対策についてであります。
 警視庁では、現在、最重要の治安課題として、犯罪抑止総合対策に取り組んでおります。検挙と防犯の両面から諸対策を推進した結果、六ページ記載のとおり、刑法犯の認知件数は平成十五年をピークとして年々減少し、本年も、八月末現在で昨年同期より約八%減少しているところであります。
 以下、個別の治安対策についてご説明いたします。
 初めに、振り込め詐欺対策についてであります。七ページの表4のとおり、本年は還付金詐欺の急増により八月末現在の認知件数は二千九百七十三件で、昨年同期に比べて約四七%増加し、被害総額も昨年より約三一%多い四十六億三千万円余に達しております。
 このため、現在、副総監を本部長とする振り込め詐欺緊急対策本部を設置し、今月を振り込め詐欺撲滅月間と位置づけて、官民連携による社会を挙げての特別緊急対策を実施しているところであります。
 その二は、来日外国人犯罪対策についてであります。近年、来日外国人犯罪組織は、暴力団と結託して強窃盗や薬物の密輸、密売などを敢行する一方、各種証明書の偽造や犯罪収益等を国外移送するための地下銀行を築くなど、年々その犯行形態を悪質、巧妙化させております。
 こうしたことから、組織の実態解明と、その壊滅に向けた捜査を強化しているところでありますが、八ページ記載のとおり、本年八月末現在で二千四百四十九人の来日外国人犯罪者を検挙しているところであります。
 その三は、銃器、薬物事犯の取り締まりについてであります。九ページの表7のとおり、本年八月末現在、四十六丁のけん銃を押収しております。銃器使用犯罪は、社会不安を強める凶悪犯罪であることから、引き続き税関等関係機関と連携して水際対策や武器庫の摘発等を進め、その取り締りを強化してまいります。
 また、薬物事犯につきましては、九ページの表8のとおり、本年八月末現在、千九百二十三人を検挙し、覚せい剤、大麻等を押収しております。密輸、密売された覚せい剤等の薬物が一般社会に拡散し、また暴力団や来日外国人犯罪組織の大きな資金源になっていることから、引き続き、あらゆる捜査手法や法令を駆使して薬物事犯の取締りを強化することとしております。
 その四は、少年非行防止対策についてであります。一〇ページ記載のとおり、本年八月末現在の非行少年の検挙、補導人員は六千三百八十七人で、昨年同期に比べ一四・九%減少しております。しかしながら、街頭犯罪の検挙人員に占める少年の割合は、依然として三割を超える状況にあります。このため、非行集団等の検挙、解体、補導活動を進めるほか、スクールサポーター制度や警察と学校の相互連絡制度を活用して、非行防止活動や立ち直り支援活動を推進しているところであります。
 また、携帯電話の普及に伴い、少年が興味本位や遊興費を得る目的から出会い系サイト等を利用し、その結果として児童買春、児童ポルノ事犯等の福祉犯罪の被害に遭う事案が後を絶たないことから、フィルタリングサービスの利用促進や被害防止教室の開催等、子どもを犯罪から守る取り組みも進めているところであります。
 第二は、暴力団総合対策についてであります。
 都内における暴力団勢力は、約六百組織、構成員等約一万六千七百人であります。このうち、国内最大の勢力を擁する六代目山口組は、都内における勢力を伸張させ、繁華街における利権等をめぐって在京暴力団との間に緊張状態を生じさせております。このため、警視庁では、六代目山口組を最重点対象とした暴力団総合対策を強力に推進しているところであり、一一ページ記載のとおり、本年八月末現在、三千百五十三人の暴力団員等を検挙しております。引き続き関係機関との連携を強化して、暴力団排除環境を整えるとともに、いわゆる暴対法を初めあらゆる法令を適用して、戦略的かつ徹底的な取り締まりを行うこととしております。
 第三は、国際テロ等各種テロ、ゲリラの防圧検挙についてであります。
 警視庁では、昨年から北海道洞爺湖サミットに向けた警備対策に取り組んできましたが、サミット期間中、都内においては、国際テロの発生のみならず国内の極左、右翼団体等によるテロ、ゲリラについても、完全に封じ込めることができました。しかしながら、依然として世界各地でイスラム過激派等による国際テロは発生しており、いまだその脅威を払拭できない状況にあります。
 警視庁では、一二ページ記載のとおり、八月末現在で不法行為を行った極左暴力集団の活動家等六十四人、右翼団体構成員等八十四人を検挙しているところでありますが、今後も官民一体となったテロ対策を推進し、テロ、ゲリラの防圧検挙に努めることとしております。
 第四は、重大交通事故の防止についてであります。
 都内の交通事故による死者数は、一三ページの表14のとおり、八月末現在、百四十一人で、昨年同期に比べ二十四人減少しております。しかしながら、依然として高齢者、二輪車乗車中の交通死亡事故が多発している現状にあることから、高齢者を対象とした交通安全教育や二輪車安全対策を進める一方、飲酒運転を初めとする悪質、危険性、迷惑性の高い交通違反の指導取り締まりを強力に推進することとしております。
 また、駐車対策につきましては、本年四月から放置車両確認事務の民間委託を二十三区全域に拡大したことにより、表15のとおり、都心部の幹線道路を中心に放置車両が減少し、交通渋滞が緩和されるなどの効果があらわれてきました。来年四月からは、多摩地区においても放置車両確認事務の民間委託を拡大し、主要幹線道路等の渋滞緩和を図ることとしております。
 以上で、警視庁の主な事務事業の概要についての説明を終わらせていただきます。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
 警視庁の平成二十年度予算は、一四ページ記載のとおり、歳入が六百二十七億五千二百七十八万八千円、歳出が六千五百一億五千九百万円となっております。その詳細は、お手元の平成二十年度予算説明書のとおりであります。
 次に、警察活動の拠点となる各種施設の整備についてご説明いたします。
 まず、警察署庁舎の整備についてでありますが、一五ページの表17のとおり、今年度に完成する警察署庁舎は、来年二月の大崎警察署、三月の原宿警察署と、新設される南大沢警察署であります。
 また、待機宿舎の整備につきましては、一六ページの表18のとおり、家族住宅として桜木、志村、小笠原住宅を、また単身寮として、滝野川及び小金井警察署の単身寮の建築を進めております。
 最後に、財団法人暴力団追放運動推進都民センターの運営状況についてご説明いたします。
 この財団法人は、平成四年五月に、東京都が基本金の約八二%を出資して設立されたものでありますが、都民の暴力団追放意識等の高揚と暴力団排除活動を推進することにより、暴力団が存在しない安心して住める東京の実現に寄与することを目的として活動しているものであります。その業務として、関係機関との連携による暴力団追放に関する広報や相談受理等の事業を行っております。
 同センターの経営状況等につきましては、お手元の資料第2のとおりでありますので、ご参照願います。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○田島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○渡辺委員 二つだけちょっとお願いしたいんですけれど、一つは、信号機設置の入札企業名と、それから落札企業の実績。この中で、この企業への警察OBの人数と企業名、わかったら教えていただきたい。過去五年間、お願いしたいと思います。
 もう一つは、今後の警察署の改修というか、建てかえですね、今後の計画について教えていただきたい。
 以上です。

○田島委員長 ただいま渡辺理事より資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で警視庁関係を終わります。

○田島委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 消防総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○小林消防総監 消防総監の小林でございます。本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ごあいさつ申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議、ご指導をいただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、ご案内のとおり、首都東京におきましては、都市構造の複雑化や生活様式の変化、さらには高齢化の進展などを背景として、火災を初めとする各種災害の態様がますます多様化してきておりますとともに、首都直下の地震や集中豪雨などの災害の被害も懸念され、消防活動、救急活動、火災予防への一層の強化が求められております。
 こうした状況の中、東京消防庁では、都民の安心と安全を確保するため、震災対策の充実を初め専門的知識を有する隊員と、高機能な消防装備を有する部隊の編成、増加する救急件数に対応する救急活動体制の充実、さらには、防火対象物の危険実態に即した総合的な防火安全対策の強化など諸施策を積極的に推進しております。
 今後とも、災害から都民の安全を守り、都民の負託に的確にこたえる消防行政の実現に向け、一層努力してまいります。
 警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め種々の機会を通じまして、消防行政推進のため、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の新井雄治です。救急部長の野口英一です。予防部長の北村吉男です。防災部長の大江秀敏です。総務部長の秋山惠です。企画調整部長の伊藤克巳です。警防部長の荻野秀夫です。装備部長の有賀雄一郎です。企画課長の村上研一です。財務課長の柏木修一です。
 よろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○田島委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○田島委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○新井次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。
 お手元に、「東京の消防」、「消防行政の概要」、平成二十年度東京都一般会計予算説明書及び東京都が二五%以上出資している東京都監理団体であります財団法人東京防災指導協会の資料をお届けしてございます。
 それでは、お手元の「東京の消防」により、説明させていただきます。
 「東京の消防」の三ページをお開きください。まず初めに、東京消防庁の組織についてであります。
 昭和二十三年三月、消防組織法が施行され、現在の自治体消防が発足し、東京消防庁は東京都知事が管理する特別区における消防として設置されました。
 また、多摩地域の市町村から、昭和三十五年以降、逐次、地方自治法に基づく消防事務の委託を受け、現在、東久留米市、稲城市及び島しょ地域を除く二十四市三町一村の消防事務を執行しております。
 次に、予算についてでありますが、中ほどにお示ししてありますように、平成二十年度の当初予算は二千五百五十億二千八百万円であり、東京都一般会計予算に占める割合は三・七%であります。
 予算の詳細につきましては、お手元の資料、平成二十年度東京都一般会計予算説明書を参照していただきたいと存じます。
 次に、組織体制についてですが、右下の表にお示ししてありますように、八部、一学校、一安全所のもとに、三十七の課、室等があります。
 また、行政事務及び部隊活動を円滑に実施するため、四ページ、上の図にお示ししてありますように、当庁の管轄区域を十に区分いたしまして、第一から第十の消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。
 五ページへ参りまして、消防力についてでありますが、まず、消防職員数は、消防吏員一万七千五百三十七人、一般職員四百三十二人、合計一万七千九百六十九人であります。
 また、消防行政の拠点として、八十の消防署、三つの消防分署、二百六の消防出張所を設置し、消防行政を推進しております。
 さらに、消防機動力として、ポンプ車、救助車、救急車、化学車、はしご車、消防艇、消防ヘリコプターなど近代装備を有する消防車両等千八百八十四台を配備し、各種災害に備えております。
 七ページへ参りまして、災害防除についてであります。
 ご案内のとおり、首都東京は、建築物の大規模化や高層化、深層化に加え、管理形態の多様化などにより、火災を初め各種災害の態様が年々複雑になり、消防活動はますます困難性を増しております。
 こうした中、消防隊は、各種災害現場において、人命救助を最優先としながら、積極果敢な消防活動を展開しております。
 八ページの特別消火中隊については、地下鉄火災やごみ処理施設火災など消防活動の困難性や危険性が高い火災に対しまして、専門的な知識と技能を有する隊員と、高機能かつ先進的な資器材を集中的に配備することにより、高度な能力を有する消火隊として全消防署に編成し、消火活動の中核としております。
 九ページへ参りまして、空の消防についてでありますが、東京消防庁航空隊は、現在六機のヘリコプターを保有しており、災害時には空からの人命救助や消火活動、救急活動などに二十四時間体制で従事しております。また、島しょ地域からの救急患者の搬送も重要な任務の一つでありまして、伊豆諸島における夜間運航も行っております。
 一〇ページへ参りまして、海の消防についてであります。
 現在、消防艇九艇により、船舶や沿岸に対する消火活動及び水難救助活動、さらには油流出事故への対応など幅広い活動を行っております。
 一一ページへ参りまして、救助についてでありますが、火災はもとより、交通、水難、山岳事故など多岐にわたる救助事象に対処するため、救助を専門とした消防救助機動部隊四部隊、特別救助隊二十二隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備しております。
 一二ページへ参りまして、災害活動支援についてであります。
 東京消防庁の管轄区域外に大規模災害が発生した場合、消防組織法に基づく応援協定や緊急消防援助隊制度により、消防隊を派遣し、災害活動の支援を行っております。平成十六年十月に発生した新潟県中越地震を初め、最近では平成二十年六月の岩手・宮城内陸地震に消防救助機動部隊を中心とした部隊などを派遣し、被災地での救助活動等に当たっております。
 また、海外で大規模な災害が発生した場合には、国際緊急援助隊の派遣に関する法律により、国際消防救助隊を派遣しております。最近では、平成二十年五月に発生した中華人民共和国四川省地震に国際緊急援助隊の一員として救助チームを派遣しました。
 一三ページへ参りまして、NBC災害対策についてでありますが、都内には危険物、毒劇物、放射性物質などを貯蔵し、取り扱っている施設が多数あり、これらの施設は、火災、爆発、漏えいなどの災害発生危険が内在しております。また、生物剤や化学剤などを使ったテロ災害の発生も危惧されております。
 このような特殊な災害に備え、質量分析装置などの高性能な資器材を積載した特殊災害対策車や、ガス分析装置を初め最新鋭の資器材を装備した化学機動中隊九隊を配備しております。
 さらに、第三消防方面本部には、消防救助機動部隊の一つといたしまして、高度な専門能力を有する隊員と、除染車や救出用ロボットなど特殊な資器材を装備した部隊を配備し、放射性物質、生物剤等にかかわる災害や事故等に対して対応することとしております。
 一四ページに参りまして、水災・土砂災害対策についてでありますが、本年八月、都内では局地的な集中豪雨が相次ぎ、豊島区のマンホール内で下水配管補修工事中の作業員が流される事故や、平成二十年八月末豪雨では八王子市で土砂崩れにより建物損壊等の被害が発生いたしました。
 東京消防庁では、集中豪雨や河川のはんらんなどによる被害を最小限に抑えるため、非常配備態勢を発令して、勤務時間外の消防職員及び消防団員を招集し、水防活動や救助活動を実施する体制をとっております。
 一五ページへ参りまして、救急についてであります。
 近年の救急行政を取り巻く環境は、高齢化の進展、疾病構造の変化、都民ニーズの多様化など著しく変化しており、これらに的確に対応することが求められています。
 一方で、救急出場件数は、十年前に比べ約一・四倍に増加しており、平成十九年中の救急出場件数は、左下の円グラフにお示ししてありますように、六十九万一千五百四十九件に達しております。当庁では、現在、二百二十九台の高規格救急車を消防署所に配備するとともに、すべての救急隊に救急救命士を配置して、迅速で高度な救急活動を実施しております。また、より早期に救命対応ができるように、ポンプ隊にも救命効果の高い自動体外式除細動器、いわゆるAEDの配置やポンプ隊と救急隊が連携した効果的な救出救護活動を実施しております。
 さらに、災害医療派遣チーム東京DMATと連携し、災害現場から医療を開始できる体制を整備しております。
 一六ページへ参りまして、応急手当の普及・指導についてでありますが、傷病者の救命効果を高めるためには、事故現場に居合わせた人、バイスタンダーによる応急手当が極めて重要であります。このため、応急手当の知識、技術の普及及び指導を積極的に推進しており、中学生を初め幅広い年齢層のバイスタンダーの育成に努め、さらなる救命率向上を目指しております。
 次に、東京消防庁救急相談センターについてでありますが、平成十九年六月に設置した東京消防庁救急相談センターでは、都民の皆様からの救急に関する相談に二十四時間いつでも対応できる体制を確保しております。救急車を呼ぶべきか迷った場合など、シャープ七一一九に電話していただくと、看護師や救急隊経験者などが医師との連携により、受診要否の判断、応急手当指導、医療機関案内などの助言、指導を行っております。
 一七ページへ参りまして、震災対策についてであります。
 本年六月、岩手県内陸南部を震源とする震度六強の岩手・宮城内陸地震が発生しました。首都東京におきましても、東海地震や首都直下地震における地震の発生が危惧されております。東京消防庁では、都民の皆様を震災から守るため、自助、共助、公助の理念を踏まえ、人命安全対策を初めとする九つの対策に基づく震災対策基本方針により、総合的に震災対策を推進しております。
 一八ページに参りまして、消防救助機動部隊についてでありますが、消防救助機動部隊は、阪神・淡路大震災の教訓から、特殊な技術、能力を有する隊員と大型重機など特殊車両を備えた部隊で、昨年、新たに一部隊を整備して、現在、計四部隊を配備しております。
 次に、消防水利についてであります。震災時に水道施設が被害を受け、消火栓が使用できなくなった場合に備えて、従来から耐震性防火水槽などの水利の整備を推進してまいりました。さらに、大規模市街地火災に備え、関係機関と連携して河川のせきとめ資材を整備するなど、河川や海等、豊富な水量を有する水源の有効活用に努めております。
 一九ページへ参りまして、消防団についてでありますが、消防団は、生業の傍ら首都東京を守るという崇高な精神のもと、火災及び水災に対し、消防署と連携して活動するとともに、年末年始や火災多発期等における各種警戒、さらには地域の防災リーダーとして、震災に備えた住民指導などを行っております。
 現在、東京都における消防団体制は九十八団、定員二万六千四百七十四名であり、そのうち特別区では五十八団、定員一万六千名で、積極的に活動しております。さらに、特別区消防団では、震災等の大規模災害時に、生業において使用している重機操作や溶接などの資格を有効に活用した活動を行うこととしております。
 次に、二〇ページの中段、災害時支援ボランティアについてでありますが、東京消防庁では、阪神・淡路大震災を契機として、全国に先駆け、東京消防庁災害時支援ボランティア制度を導入し、大規模な災害が発生した際に、消防活動や復旧活動の支援に当たるボランティアの方々が約一万八千名おり、応急救護や消火、救助活動訓練を通じまして、技術の向上に努めています。
 二一ページへ参りまして、火災予防についてであります。
 火災の発生を未然に防止するためには、予防行政の充実が極めて重要であります。このため、建築物の建設にかかわる事前相談や、消防同意などを通じた安全指導を初め、危険物施設の許認可や、建築物等に立ち入って防火管理、消防設備の維持管理などの状況を検査する火災予防査察を実施するなど積極的な予防行政を推進しております。
 二二ページの優良防火対象物認定表示制度についてでありますが、優良防火対象物認定表示制度は、消防署長が審査、検査し、防火上優良な建物と認定した際に、優良防火対象物認定証、通称優マークを建物等に表示することができるものであります。
 二三ページの防火管理指導についてでありますが、事業者が自主的な防火管理や災害発生時の適切な対応ができるよう、事業所の所有者、経営者等に対する消防計画の作成等の指導や、防火管理者に対する防災教育、自衛消防訓練の指導を行っております。
 二四ページへ参りまして、火災調査についてであります。
 火災の調査は、消防法に基づき火災の原因及び損害などについて実施し、今後の消防対策や火災予防対策に役立てております。平成十九年中の火災は五千七百九十六件あり、下の円グラフにお示ししてありますように、放火及び放火の疑いが、出火原因の第一位になっております。このため、町会や自治会、関係機関等と連携し、地域ぐるみで放火火災予防対策を推進しております。
 二五ページへ参りまして、「みなさまと共に」についてであります。
 都民生活の安全を守るための各種対策を、いわゆる地域住民と防災機関とが一体となり推進し、災害に強い安心して住めるまちづくりに努めております。
 二七ページへ参りまして、学習・体験施設、試験講習についてであります。
 新宿区四谷に消防博物館を、池袋、立川、本所に体験学習施設として防災館を設けまして、都民の皆様の防火防災に関する知識、技術及び防災行動力の向上を図っております。また、事業所の自主防火管理体制を確立するため、下の表にお示ししてありますように、各種試験、講習を通して、消防技術者の育成に努めております。
 二八ページへ参りまして、国際化への対応についてでありますが、消防の国際化を推進するため、海外からの研修生等の受け入れや国際会議等への参加など諸外国との交流を図るとともに、アジア地域の消防行政における人材育成に協力しております。また、東京に在住在勤の外国人に対しましては、外国語による各種パンフレット等を活用し、防火防災思想の普及啓発や緊急時の対応など防災行動力の向上に努めております。
 二九ページへ参りまして、消防体制の確保についてであります。
 多様化する災害に対しましては、災害実態の変化に対応した安全で効果的な消防活動を行うことが必要であります。このため、消防技術安全所では、科学的な技術改良と安全検証を実施し、その成果を消防活動対策や安全管理対策、火災予防対策に反映しております。
 三〇ページへ参りまして、点検・整備についてでありますが、装備工場では、消防機動力の有事即応体制を確保するため、各種消防車両の整備や資器材の点検、さらには各消防署に対する整備技術指導や災害現場等における現場整備を行っております。
 三一ページへ参りまして、教育・訓練についてでありますが、都民の負託にこたえる消防行政を推進するためには、消防職員、消防団員等の資質の向上が極めて重要であります。このため、消防学校において、新たに採用した職員に対する初任教育を初め、幹部教育、専科教育などを実施し、消防職員、消防団員としての必要な知識、技術の習得はもとより、気力、体力の錬磨に努めております。
 三二ページへ参りまして、大災害に備えた消防職員待機宿舎についてでありますが、震災等の大規模災害の発生に備え、指揮活動に必要不可欠な職員、専門的知識、技術を有する職員、さらには初動対応体制の確立に必要な職員等の人的消防力を二十四時間体制で確保するため、消防職員待機宿舎の整備を行っております。
 三三ページへ参りまして、インフォメーションについてであります。当庁では、都民生活の安心・安全のため、全庁を挙げて取り組んでいる各種施策を都民の皆様にわかりやすく伝え、理解と協力を求めていく広報を推進しております。
 現在、住宅火災の早期発見に効果のある住宅用火災警報器の設置促進など各種の広報を積極的に推進しております。
 以上が東京消防庁の事務事業の概要でございます。詳細につきましては、お手元の資料、「消防行政の概要」を参照していただきたいと存じます。
 続きまして、東京都が基本財産の二五%以上の出資を行っている東京都監理団体であります財団法人東京防災指導協会についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、財団法人東京防災指導協会をごらんいただきたいと存じます。この協会は、公共の安全と福祉に寄与することを目的として、昭和四十八年十月に設立された財団であります。主な事業といたしましては、防火管理者、危険物取扱者、防火対象物点検資格者などの育成、災害予防に関する調査研究、防火防災思想の普及及び防災関係図書の刊行などの事業を行っております。
 詳細につきましては、本資料をごらんいただきたいと存じます。
 委員の皆様におかれましては、この団体が都民の安全の向上に大きな役割を果たしていることをご理解いただきまして、本協会の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 以上で東京消防庁の事務事業概要及び財団法人東京防災指導協会の概要についての説明を終わらせていただきます。

○田島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○渡辺委員 お願いいたします。
 一つは、一一九番通報の中で、いろいろあるわけですけれども、純然たる火災通報件数というのが一つ。
 それから救急通報ですね、これが一つ。
 それから一一九番ということでかけてきても、相談センター、そういうところに相談をしたいからということで、わからないから教えてくれというやつもありますけれども、そういうものも含めてですね。
 それから三つ目が、救急相談センターへの相談件数ですね、これを過去三年間、ちょっとお願いをしたい。
 それから救急一一九番通報による出動と現場でのトリアージによる民間搬送された件数、これを同じく三年間お願いします。
 そしてもう一つは、最後に、可搬ポンプ車の消防団への配車台数、これはできれば各分団への配車がわかるようにひとつお願いしたい。
 以上です。

○田島委員長 ただいま渡辺理事から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会

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