警察・消防委員会速記録第十号

平成十九年十一月二十八日(水曜日)
第十一委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長串田 克巳君
副委員長三原まさつぐ君
副委員長中嶋 義雄君
理事宮崎  章君
理事土屋たかゆき君
理事渡辺 康信君
東村 邦浩君
石井 義修君
比留間敏夫君
内田  茂君
三田 敏哉君
山下 太郎君
田中  良君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監矢代 隆義君
総務部長岩瀬 充明君
警務部長金高 雅仁君
交通部長松本 治男君
警備部長西村 泰彦君
地域部長一ノ瀬 隆君
公安部長植松 信一君
刑事部長舟本  馨君
生活安全部長石田 唱司君
組織犯罪対策部長三浦 正充君
総務部企画課長安江  選君
総務部会計課長蛭田 正則君
東京消防庁消防総監小林 輝幸君
次長警防部長事務取扱新井 雄治君
企画調整部長伊藤 克巳君
総務部長佐竹 哲男君
人事部長秋山  惠君
防災部長齋藤 隆雄君
救急部長野口 英一君
予防部長北村 吉男君
装備部長石川 節雄君
企画調整部企画課長村上 研一君
企画調整部財務課長柏木 修一君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
・性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例
・東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例
・警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
 東京消防庁関係
事務事業について(質疑)

○串田委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業に対する質疑並びに警視庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、過日の委員会でご紹介できませんでした幹部職員について警視総監からご紹介があります。

○矢代警視総監 ご紹介申し上げます。企画課長の安江選でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○串田委員長 紹介は終わりました。

○串田委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岩瀬総務部長 去る十月二十三日に当委員会から要求のありました都内信号機設置数の推移(五年間の推移)、都内パーキングメーター設置数の推移(五年間の推移)及び地域安全サポーターの活動状況につきましては、お手元の資料のとおりでございます。よろしくお願いいたします。

○串田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 私からは、拉致事件の関連でご質問をさせていただきたいというふうに思います。
 拉致事件というと、北朝鮮による日本人拉致というものがすぐ想定されるわけですけれども、実は一九七三年、昭和四十八年八月八日に、後に韓国の大統領になった金大中(キム・デジュン)氏が九段のグランドパレスで拉致をされた、こういう事件が発生いたしました。この事件は、その後、第一次政治決着、第二次政治決着というふうにいわれておりますけれども、日韓両国政府がある種の政治的な解決をしたということになっているわけです。
 しかし、十月二十四日の各紙に掲載をされているわけですが、韓国がこの拉致事件の真相究明をするための委員会の報告として、実は国家機関が関与していたということを認めるという報告書を発表するということがありました。実はこの政治決着というのは、韓国が、いわゆる国家機関というのはKCIAといわれている機関ですけれども、この国家機関が関与していないということを前提で日韓両政府が話し合ったというのが実情でありますが、そういう大前提が崩れるということが韓国の政府の公式な発表の中で起こったということであります。
 そもそもこの拉致の問題というのは、我が国の主権の侵害であり、人権の侵害であるということはもう明らかであります。長々とこのことについて説明する必要はないわけですけれども、法治国家である我が国は当然憲法を持っているわけで、その憲法には第十八条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」こうありますし、三十一条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」こうなっているわけです。何人ということもうたっているということは、これは日本にいるすべての人がそうでなければならない、これが我が国の憲法で定められている大前提です。これを守る努力をするというのが国家としての責務だというふうに私は理解をしています。その点でいえば、この金大中氏の拉致というのは、主権の侵害であり、人権の侵害であるということであります。
 実は、この事件は、当初から韓国の情報機関がかかわっていたのではないかということはずっとうわさされていたわけです。私なりの知り得る範囲で申し上げますと、この拉致事件のときに、例えば指紋が発見されたというんですか、当時の韓国の一等書記官金東雲さんという人の指紋が出てきたということがありました。もともとこの人は、この韓国の金東雲というのは偽名だというふうにいわれているわけですね。この人はその前に、東京オリンピックの前後だと思いますけれども、報道機関の人間という形で何度か出入国をしている。そういうことは当然、恐らくは当時の警視庁も、あるいは国家の情報機関、あるいは自衛隊、こういう政府機関の中でこの情報関係に携わっている人たちの中では周知の事実だった。この人がいわゆる韓国の情報機関の人間であるということは、恐らくは周知の事実だったというふうに私は考えております。
 当然そういうことを承知で当時のそういう日本側の関係者も接触をしてきたということは想像できるわけです。それは、そういう人たちの仕事の中には、例えば北朝鮮なり中国なり近隣のさまざまな情報を収集する。そして、解析をして、政府の国策、判断の一つの素材にする。そういう仕事ですから、その情報をとるためには、その情報をとる相手としてそういう人たちと接触するということは当然あっただろうというふうに思います。
 ですから、事件が発生して、そしてすぐにこの人の指紋が出てきたということは、その時点でそういうところに知識のある現場の人たちであれば、当然これは国家機関の関与があったということを想定されたと思いますし、社会も世間もそういうふうにこれを見ていたということです。
 ところが、政治決着というのは、そういう国家機関の関与はなかったという前提で実は政治決着をした、あいまいな形でその後推移してきたと。本来あるべき解決の仕方、つまり、日本の政府として、人権侵害を、国家主権の侵害を他国の機関が公然と行ったということに対して政府として何をすべきかということでいえば、まずその事実を相手国にきちっといって、そして当然謝罪をさせる。それから、真相を究明し、犯人の捜査を行って、そして犯人を突きとめる。犯罪の事実を明らかにする。そして、再発の防止ということにどういうふうに臨むかということを話し合う。それから、拉致でいえば、拉致された人の原状の回復、これを堂々と求める。これが私は国家としての当然のとるべき態度だったというふうに思います。
 外国の実例でいえば、私が聞いた範囲で若干のお話をさせていただければ、例えばドイツでは、当時、韓国からドイツに行っていた芸術家だとか知識人、こういう人たちを同じように韓国の国家機関が拉致をして連れ帰った。それに対してドイツの政府は堂々と交渉して、最終的には、韓国に連れ帰った人の中でいろいろ弾圧された人たちもいたそうですけれども、連れ戻す、原状を回復させる、こういうことをやったということも聞きました。
 あるいは、ベン・バルカ事件というのがあるんですが、一九六五年、この事件は、フランスのかつて植民地だったモロッコ、そこで、モロッコの人がフランスにいて、そしてモロッコの秘密警察がそのフランスにいるモロッコの野党の指導者を殺害する、こういう事件を起こした。それに対して、当時のフランスの大統領であったドゴールは、この事件についてきちんとモロッコに対して抗議をし、主権の侵害であったという立場をはっきりとさせて、そして最終的にはお互いの大使が引き揚げるというような緊張した中で、この犯罪を指揮したと見られるモロッコの政府機関の人間をパリの法廷で逮捕するということをしたというようなこともあったそうです。
 それに対して我が国は何をしたか。まず、事件発生が一九七三年の八月八日、その年の十一月に第一次政治決着というものが行われた。韓国の当時の総理が来て、そして陳謝をしたという形になっています。しかし、この陳謝というのは、国家機関が関与したということでの陳謝ではない。何を謝ったか、私どもにはよくわからない。そして、捜査はどうなったか。犯人の引き渡しはあったか。そういうことは一切ない。一切、その後、表面的にはうやむやな状態。そして、金大中(キム・デジュン)氏の原状回復というのがあったかといえば、日本の政府はそれをきちんと求めるということは最後までなかったように私は思っています。
 結果的には、一九八二年に金大中(キム・デジュン)氏はアメリカに出国ができた。しかし、その間、実は光州事件、これにかかわったということで死刑判決を受けています。長期にわたる身柄を拘束される、いわゆる政治的弾圧を受けてきたという事実はあるわけです。
 今日、先ほど申し上げたように、韓国政府が、国家機関が関与したということを明らかにした。つい先月の話です。それに対して今どうなっているかというと、韓国の大使が遺憾の意を外務大臣に表明した。国家機関が関与していないという前提で向こうは総理大臣が来て謝ったというにもかかわらず、今度は明らかになったという時点において大使が大臣に謝っただけで、それでまた終わらせてしまうのか。こういうことで終わらせたら、私は非常に問題を将来に残すだろうというふうに思うわけであります。
 そこでまず、この金大中(キム・デジュン)氏の拉致事件について、政治決着の大前提が崩れたという今日、どのようにこの事件に対して警視庁として取り組む決意があるのかということをお尋ねしたいと思います。

○植松公安部長 議員、ご質問の事件につきましては、昭和四十八年八月、東京都内のホテルで来日中の金大中氏が拉致されたものであります。当庁におきましては、事案の発生以降、特別捜査本部を設置するなどして鋭意捜査を継続してきたところでありまして、これまでの捜査から、少なくとも関係被疑者一名に対する公訴時効は完成していないものと判断しているところであります。
 当庁といたしましては、公表された韓国政府の報告書の内容を精査した結果も踏まえ、本事件の真相解明に向け、必要な捜査を行ってまいりたいと考えております。

○田中委員 新たな状況の展開があったということを受けて、私は、日本の警察はぜひきちんとこの真相解明をやり遂げてほしいというふうに思います。
 この事件を通じて私たちが考えなきゃならないことはいろいろあるとは思いますけれども、まず真相解明をするということを今申し上げたようにやっていただきたい。と同時に考えていかなきゃならないのは、この政治決着、一次政治決着、二次政治決着とありましたけれども、当時は総理大臣は田中角栄、第二次政治決着のときは三木武夫、そして当時の官房副長官は、事件発生時は後藤田さんですね、第一次政治決着のときも後藤田さんが官房副長官。
 その後藤田さんは、「時代の証言者」、これは読売新聞の朝刊に連載されたインタビューのようなものですけれども、その中でこの金大中(キム・デジュン)の事件について、日本政府が右だから、警察も知っていながらKCIAによる拉致を認めたといううわさがあったが、全然違うんだ、こういうふうにいっているんです。さらには、韓国の総理大臣の金鍾泌(キム・ジョンピル)さんが田中さんに会いたいといってきた。要するに謝罪です。来日して謝った。田中さんは、解決したことにするよと。でも、謝罪したというのは発表できないよな、向こうの立場があるから。
 当時を回想してちょっとぶつ切りで読みましたけれども、しかし、これ、私は事実じゃないと思うんですね。いつ何どきKCIAが金大中(キム・デジュン)の拉致計画をしているかというところまでの詳細は把握していなかったんだろうと思いますけれども、KCIAに拉致計画があるということは、恐らく先ほど申し上げたような我が国の関係者は察知していたはずなんです。そして、当然そこに加担できませんから、そこは距離をとったということがあったんだろうと私は思います。政治決着をするときの政府高官は、その事情は恐らく私は全部知っていたんじゃないかというふうに思うんです。その上でこういう決着をやってしまった。
 この政治決着というのは、いい方を変えれば、警察の捜査というものの上にその政治的な判断というか、その捜査にある意味でふたをするというような役割を政治がそのときやったというふうに見えるわけなんです。じゃ、そこまでやった政治決着というのは、国民に対して何の利益があったんだろう。国家として何の国益のためにそれをやったんだろう。これは、歴史の法廷できちんと--さまざまな情報が時間がたつにつれて明らかになっていく。その中で、歴史の法廷で将来裁かれるべき問題だというふうに私は思います。
 それから、その当時の政治決着がいかにおかしなものであったかということはもう今歴然としているわけですけれども、この種の処理の仕方を考え出したのが、外務省の政策の延長線上で政治を使ったのか、政治がこの種の解決をやろうとして組織を抑えたのか、それも同時に歴史の法廷できちんと将来裁かれなきゃならないことなんじゃないか。その大前提として、私は、この事実関係、真相というものをまずは捜査当局の努力で明らかにしていただきたいと思います。
 そして、さらにいえば、この金大中(キム・デジュン)氏の拉致事件は一九七三年でありましたけれども、昭和四十八年。今、日朝間の大きな問題になっている北朝鮮による拉致、これが、これは警視庁のホームページというか、そちらの資料からいただいていますけれども、発生してきているのはその翌年、昭和四十九年からずうっと北朝鮮の拉致事件というのは回を重ねていく。もしかしたら、この金大中事件のときの政治的な決着、あいまいな決着というものを見たときに、何だ、日本の政府の対応というのはこういう事件が起きてもこの程度か、それならおれたちもこういうことがやれるじゃないかという気を起こさせることの要素になっていないか。
 つまり、ちょっと適切な例かどうかわかりませんけれども、かつて戦前、五・一五事件というのがありました。五・一五事件の首謀者に対して国民的な非常に同情があったりなんかして、余り処罰が厳しくなかった。そのことが二・二六事件を誘発したという歴史的な見解をいう人たちもかなりいます。
 そういう意味では、この一九七三年、昭和四十八年の金大中(キム・デジュン)の拉致事件というものの処理の仕方があいまいであったということが、その後の不幸な北による拉致というものを誘発するようなことにつながったんじゃないか。もしそういうことが少しでもあったとするならば、私は、日本の政府、外交交渉というのは本当におかしなものだというふうに、責任重大だというふうに断ぜざるを得ないなと思います。
 いずれにしても、大変重要なベールに包まれてきた事件でありましたけれども、どうぞ警視庁の力を結集していただいて、真っ直ぐに真相究明に向けてご努力をしていただきますことを求めて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○渡辺委員 何点か質問させていただきます。
 パーキングメーターの問題についてですけれども、平成十四年度に一万七千四百六十六台設置されておりましたパーキングメーターが十八年度には一万五千百七台ということで、ここ数年減り続けておるわけですね。昨年末には二千三百五十九台減ったわけなんですね。示された数値は、放置自動車、いわゆる駐車違反の取り締まりが厳しくなり、駐車場の少なさも問題になっているときにパーキングメーター設置数がなぜ減っているのか。これはいろいろ、だれしもからもいわれるところでありますけれども、なぜこのような状況が起きているのかということで、ひとつお聞きをしたいと思います。

○松本交通部長 都市におきます駐車は、基本的には路外駐車場を設けるのが望ましいところでございます。ただ、短時間駐車の需要に対応いたしますために、路上駐車も一定程度は認めなければなりませんことから、パーキングメーター等による短時間駐車を認めているところであります。
 都内における路外駐車場の整備は着実に進んでおりまして、直近の調査によりますと、瞬間路上駐車台数は約九万台に対しまして、有料駐車場の収容台数は約六十九万台ありますことから、おおむね都内における駐車需要は満たされつつある状況にございまして、これにより利用率の少なくなった路線のパーキングメーターを撤去した場所もございます。また、都市の再開発やバリアフリー化による歩道の拡幅等に伴う撤去、さらには近隣住民の方々からの要請等相まって少なくなっているものでございます。
 警視庁といたしましては、引き続き、路外駐車場の整備状況及び短時間の駐車需要についての地域の方々の声を踏まえ、パーキングメーター等の必要な整備に努めてまいりたいと考えております。

○渡辺委員 この有料駐車場の収容台数がふえたと、こういうことですけれども、ビルの地下駐車場などのいわゆる収容台数というのは、ビルラッシュの中でふえているということは確かだと思うんです。ですけれども、私もそうですけれども、一般的には、都心を走っていて、どこのビルに駐車場があるのか、どこから入ったらいいかわからない、また、入っていいのかどうかもわからないというようなこともあるわけですね。ですから、都心部ではビル駐車場の駐車料金の問題についても非常に高いということもありまして、一時間未満の駐車のできるような、しかも料金も手ごろなようなということになれば、やっぱりパーキングメーターということにもなるので、ぜひひとつパーキングメーターについても力を入れていっていただきたいなというふうに思うところであります。
 次に、今月二十四日の読売新聞朝刊で、パーキングメーター設置の随意契約が大きく取り上げられておりました。同業務は、〇六年三月の規制改革・民間開放推進三カ年計画の閣議決定において、公益法人に限る合理的根拠はないとして、〇七年一月から民間参入を認める改正施行規則が施行されております。
 新聞報道によれば、警視庁はパーキングメーター管理業務委託を〇七年度まではすべて交通安全協会と随意契約を行ってきたとされております。同協会は元警視庁交通部長が専務理事を務め、役職員の六割を超える七百十名が警視庁OBとのことですけれども、交通安全協会の現在の総人員と警視庁OBの数並びに委託費が幾らか、あわせて常勤、非常勤の人数と非常勤の勤務実態と給料についてお聞かせいただきたいと思うんです。

○松本交通部長 東京交通安全協会の総人員は十一月一日現在で千百人、そのうち警視庁OBは七百十人と承知いたしております。
 また、パーキングメーター等の管理業務委託費は、平成十九年度は三十三億一千万円でございます。
 常勤、非常勤の人数並びに非常勤の勤務実態及び給料については承知いたしてございません。

○渡辺委員 全体の常勤、非常勤の実態がわからないということなら、OBが七百十名おられますが、この人たちの身分はどういうものかということはわかると思うんですね。これをぜひ、きょうのここの時点ということではなくして、後で調べてちょっと資料をいただきたいと、こんなふうにも思っているところです。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、報道では、随意契約で予定価格が開示された十一件では、予定価格に対する契約額が九九・八%、入札を行った事業規模の少ない十件、うち三件は競争入札で競合し、大分県では受注した交通安全協会が前年度の約半額で落札しているとされています。さらに、和歌山県では、交通安全協会が入札に参加せずに、地元警備会社が一者のみ参加し、全国で唯一民間が受注したと報じられておるわけです。
 そこで、警視庁の対応はどのようになっているかということでお聞きしたいと思うんです。〇七年度では随意契約ということですけれども、〇六年度、それから〇七年度、それぞれの予定価格が幾らで、それに対する受注額は幾らで、契約率は何%になっているのか、これを改めてお聞きしたいと思います。

○松本交通部長 平成十八年度の契約金額は三十三億九千八百五十九万一千円でございます。また、平成十九年度の契約金額は三十三億一千三百八十八万七千円でございます。こうした契約相手を特定して行う随意契約の予定価格につきましては、東京都の積算基準など各種の資料をもとに適正価格を算出しているところでございまして、契約金額と予定価格が非常に近くなるのが一般的でございます。パーキングメーター等管理業務委託契約におきましても、予定価格の積算につきましては業務委託を遂行する上で必要な経費を厳密に見積もったものでございまして、適正な契約であると考えております。
 なお、予定価格、落札率につきましては、今後の契約等に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。

○渡辺委員 今は、ご存じのように、どこでも基本的には予定価格というものは公表されているわけですね。警視庁の随契の予定価格も積算価格も、幾らで随契したのかというのは、情報公開の開示請求でこれはわかることではないかというふうに思うんです。まして既にこれは過去のものでありますから、そういう点では今のご答弁には当たらないというふうにも思っています。今後の契約等の遂行に支障を及ぼすというか、適正な入札制度で行えば、今申し上げたような今後の入札制度に支障を来すようなことは私は考えられないと、こういうふうに思っておるところです。
 そういう随契ではなくして競争入札というものが、やはり透明性を担保するというか、そういう点では多くの都民がそれを求めているということはいえることではないかというふうにも思います。この問題についても、ここでは答弁は結構ですけれども、後で調査した上で資料としていただければというふうに思うところでございます。ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思っています。
 最後になりますが、これも報道記事ですけれども、警視庁の担当者は、民間開放といっても不適切な法人に委託するわけにはいかないと、こういうふうに書かれておりますが、競争入札の場合、発注仕様書にはその材料や材質が厳格に明記されているわけです。不適切な法人は最初から参加資格が問われておるわけですから、そんな心配は必要ないというふうにも思います。それよりも契約の透明性の確保のための公正な入札を実施すべきと思いますけれども、これについてどうお考えか、お尋ねをしたいというふうに思います。

○松本交通部長 パーキングメーターは、単なる路上駐車場ではなく、交通規制の一手段であり、短時間駐車が適法に行われるよう担保するために設置するものでございます。パーキングメーターの管理については、これに違反する車両についての確認、また警察への通報などもあわせて行ってもらう必要がございます。このため、従来よりこのような事務を行うのに適切な組織能力を有する法人に委託をしてきたところでございます。
 他方、平成十八年三月三十一日の規制改革・民間開放三カ年計画の閣議決定及び本年一月十七日施行の道路交通法施行規則の一部改正によりまして、民間の営利法人も受託できることとされたところでございます。これを受けまして、警視庁としては、警察の交通規制権限と密接な関係を有するパーキングメーターの管理の趣旨、目的を念頭に置きながら、地方自治法及び都財務規則にのっとり、どのような形でパーキングメーター等の管理などに関する事務を行うことに必要かつ適切な組織能力を有する法人に委託できるかについて検討する必要があると認識をしております。
 今後、必要なシステムの整備、適切な資格要件の設定等を初め、競争性を確保できる公正な調達方法について検討してまいる所存でございます。

○渡辺委員 これは速やかに、競争性を本当に担保できるような、そういうことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。

○串田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○串田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○串田委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○岩瀬総務部長 平成十九年第四回都議会定例会に提出を予定しております警視庁関係の案件についてご説明を申し上げます。
 案件は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例、いわゆる迷惑防止条例の一部を改正する条例案、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例、いわゆるぼったくり防止条例の一部を改正する条例案、東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例案の四件でございます。
 初めに、迷惑防止条例の一部を改正する条例案につきまして、お手元の資料第1によりご説明をいたします。
 資料二ページの勧誘行為等規制強化の概要をごらんいただきたいと思います。
 平成十六年十二月に迷惑防止条例の一部を改正し、性的サービスを提供する個室マッサージのマッサージ嬢やセクシーパブのホステスへの勧誘、アダルトビデオ等への出演の勧誘を規制いたしました。これにより性的サービスの提供に係る勧誘行為は減少したものの、規制対象ではない、いわゆるキャバクラ等のホステスへの勧誘や仕事の内容を明らかにしない勧誘が横行しているほか、その勧誘行為も相手方につきまとうなど執拗な方法で行われるなど、地域住民や繁華街を訪れる人たちに多大な迷惑や不快、不安等を及ぼしております。
 そこで、当庁のホームページにおきまして、こうした勧誘行為等を規制する迷惑防止条例等の改正案について意見募集いたしましたところ、都民、自治体等から改正案に賛成する意見が多数寄せられたほか、立ちふさがりやつきまといなど執拗な客引きについても規制を求める意見が複数寄せられたことから、このたびの改正案の提出に至ったものでございます。
 それでは、改正内容につきまして、資料三ページの新旧対照表により順次ご説明いたします。
 第七条第一項第四号は、執拗な客引きの態様に、新たに立ちふさがりやつきまといを加えるものでございます。
 第五号は、現行条例の規制対象である個室マッサージ等に係る勧誘行為を第五号のイとし、新たにロにおいて、キャバクラ等のホステスへの勧誘行為を規制するものであります。
 新設の第七号は、業種を問わず、他人の身体または衣服をつかんだり、所持品を取り上げたり、立ちふさがったり、つきまとったりする等、執拗な方法による勧誘行為を規制するものであります。
 新設の第五項は、第七条の規定の適用に当たり、都民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して乱用してはならないことを規定したものであります。
 罰則は、第四号、第五号及び第七号のいずれも五十万円以下の罰金または拘留もしくは科料とすることとしております。
 本条例につきましては、平成二十年四月一日から施行したいと考えております。
 次に、ぼったくり防止条例の一部を改正する条例案につきまして、お手元の資料第2によりご説明いたします。
 現行のぼったくり防止条例におきましては、性風俗営業等を営む者に対して、個室マッサージのマッサージ嬢やセクシーパブのホステス等の勧誘行為を委託した場合の被委託者に対する指導義務、公安委員会による被委託者等の勧誘行為に係る再発防止指示及び営業停止処分、不当に勧誘された者の稼働禁止など、性風俗営業等を営む者に対する規制をしておりますが、今回の迷惑防止条例の改正に伴い、キャバクラ等のホステスへの勧誘行為及び執拗な勧誘行為が違法となることから、資料二ページの新旧対照表、第二条の二及び第二条の七第二項の傍線部分のとおり、これらの性風俗営業等を営む者を当該勧誘行為に係る規制の対象として新たに加えるものであります。
 本条例につきましても平成二十年四月一日から施行したいと考えております。
 次に、東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例案につきまして、お手元の資料第3によりご説明いたします。
 本案は、本条例の関係法令の改正に伴い、関連規定を整備するものでございます。
 資料二ページの新旧対照表をごらんください。改正点は二点ございます。
 まず、一点目は、貸金業の規制等に関する法律の法令名が貸金業法に改められることから、本条例第十七条中の法律名も同様に改めるものであります。
 二点目につきましては、学校教育法の一部改正により、条移動が生じたことから、本条例第十九条中の同法の条文につきましても同様に改正するものでございます。
 本条例第十七条の改正規定は公布の日から、第十九条の改正規定は学校教育法等の一部を改正する法律の施行の日から、それぞれ施行したいと考えております。
 最後に、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例案につきまして、お手元の資料第4によりご説明をいたします。
 本案は、道路交通法の一部改正により条文が整理されたことから、本条例の関連規定を整備するものであります。
 改正前の道路交通法では、第四十九条第一項においてパーキングメーターの設置、管理について規定し、同条第二項においてパーキングメーターを設置することが適当でないと認めるときにパーキングチケット発給設備を設置、管理できると規定されておりましたが、改正道路交通法ではこれらを統合し、同条第一項においてパーキングメーターとパーキングチケット発給設備を必要に応じて選択し設置できるようにしたものであります。本改正を受けて、パーキングメーター等の作動手数料等を定めた本条例におきましても、資料二ページの新旧対照表のとおり、別表第一の関連規定を改めるものでございます。
 本条例は、公布の日から施行したいと考えております。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。

○串田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○串田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で警視庁関係を終わります。

○串田委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○新井次長 過日の警察・消防委員会におきまして要求のございました資料につきましては、お手元に提出のとおり準備いたしましたので、ご説明申し上げます。
 初めに、お手元の資料の一ページをお開きください。資料1、消防団の運営及び活動に要する主な内容でございます。消防団の事務を表にまとめまして、消防団運営と消防団活動に分けて、それぞれに必要な主な内容をお示ししております。
 まず、上段の消防団運営についてでありますが、消防団運営委員会、消防団員処遇、消防団員育成等がございます。
 1の消防団運営委員会に要しますのは、委員等の報酬及び事務用品等でございます。
 2の消防団員処遇は、消防団員の報酬、費用弁償、退職報償金、療養、休業、遺族補償や各種健康診断などでございます。
 3の消防団員育成等では、小型船舶操縦士試験手数料、可搬ポンプ等整備資格者講習等が主な内容でございます。
 次に、下段の消防団活動についてであります。消防団活動の主な内容は、活動施設、消防車両、資機材、消防団員の被服等でございます。
 1の活動施設等につきましては、分団本部施設の設計委託、改築、解体等でございます。
 2の消防車両は、消防活動や広報活動などに活用いたします可搬ポンプ積載車の整備を行うものでございます。
 3の施設、車両運営等は、消防団活動の拠点となる分団施設の電気、水道、敷地賃借の料金や実際の活動に使用いたします可搬ポンプ積載車の燃料、部品などでございます。
 4の活動資機材等につきましては、消防団の消防活動に必要な可搬ポンプ、消火用ホース、油圧式救助器具等でございます。
 5の消防団員個人資機材等は、これも消防団活動に必要な資機材でございますが、特に消防団員が個々に装備する資機材で、携帯無線機や団員手帳などでございます。
 6の消防団員被服でございますが、消防団が警戒や消火活動などに身につけます正服、活動服、アポロキャップ、防火服や編み上げ活動靴などでございます。
 以上が消防団の運営及び活動に要する主な内容でございます。
 次に、二ページの資料2、都民防災教育センター委託事業概要についてご説明いたします。これは、東京消防庁が業務委託している都民防災教育センターの委託状況の内容についてお示ししたものでございます。
 初めに、委託先事業名は、1に記載してございますとおり、財団法人東京防災指導協会でございます。
 委託事業名は、2に記載のとおり、東京消防庁池袋都民防災教育センター外二カ所業務委託でございます。都民防災教育センターは、都民に防災館の呼び名で親しまれており、池袋のほかに立川、本所にございます。
 次に、従事者数でございますが、3の従事者数、委託料等に表にして三館合わせてお示ししてございますが、上段の従事者数の欄のとおり六十六人でございます。当庁の退職者数、いわゆるOBの数は、従事者数の下の欄のとおり従事者数のうち五十七人でございます。事業の委託料につきましては、さらに下の欄、委託料にお示ししてありますとおり四億七百五十二万六千円で、人件費につきましては、その委託料のうち二億六千六百七十八万三千円でございます。
 以上、大変雑駁でございますが、資料の説明を終わらせていただきます。

○串田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○東村委員 それでは、事務事業の中の東京消防庁の救急活動について、何点かお伺いしたいと思います。
 本年八月、救急車を呼んだ妊婦が十一の病院から受け入れを断られて死産をするという悲劇が奈良県で起こりました。マスコミ等々でさまざまな角度から報道がされました。私もその記事を読みながらいろいろ考えていたんですけれども、どうもなかなかしっくりこない部分があったものですから、これはやっぱり現場に行って、奈良県に乗り込んでいって、向こうの関係者からいろんな話を聞いた方が早いと思いまして、十月十八日に奈良県の方に行ってまいりました。
 そこで、奈良県ではこの事故を踏まえて、妊婦救急搬送事案調査委員会というのを開いておりました。これは知事も参加をされて、私が行ったときには、ちょうど三回目が終わったところでございまして、具体的に十二の問題点を明らかにされておりまして、それに対する対応策、これを奈良県では具体的に決めていたところでございました。そこで、この調査委員会の報告書を私はいただきまして、かなり詳細に書かれていました。例えば、当初、救急隊が現場に駆けつけて最初の病院とやりとりした記録から、その病院側の記録と、そして消防隊の記録、両方併記して、どこに意思の疎通があったのかということがわかるような形で克明に明らかにされておりました。
 その中で報告書が問題点として指摘をされている一つに、この奈良県の妊婦救急搬送事案の場合、消防が病院の受付に伝えた内容に受け入れ側の重要な判断要素、例えば妊婦の場合、第何週目かなどの情報が入っていなかった。また、消防から受け入れ要請の連絡を受けた病院の受付職員、医師ではなくて受付職員が受けたために、医療の知識がなくて適切な対応ができなかったのがまず一番目の大きな問題点であるということが記載をされておりました。また、所管の局の方からもそういう説明がございました。
 そこで、東京消防庁において、受け入れ側の病院と救急隊との的確なコミュニケーションができる体制が整えられているのか。奈良県みたいな形にならないのかどうか。この点についてまずお聞きをしたいと思います。

○野口救急部長 東京消防庁では、産科、周産期に関する傷病者について、救急隊の具体的な行動要領を定めた救急活動基準に基づき、妊娠週数、陣痛開始の時期及び陣痛間隔などを必ず確認するとともに、必要により災害救急情報センターに常駐している救急隊指導医に助言を求め、医療機関へ適切な搬送連絡を行っております。
 搬送連絡は、直通電話や救急隊専用連絡電話などを活用し、収容の可否が判断できる医師や看護師などに連絡することとし、相互の連携体制の確保に努めております。

○東村委員 今、具体的なご答弁がありましたけれども、奈良県の場合、今いったような救急隊指導医というのがいなかったんですね。したがって、消防隊が、先ほどいいましたように、現場で明確に妊産婦に対する必要な情報を伝えられなかったし、受け入れた病院側も医師ではなくて、看護師ではなくて、事務職員が受け付けたために、なかなかその辺の大変度というのがわからなかったというのがまず一番初めの大きな原因だということをいっておりました。
 東京都は、今おっしゃったように、救急隊指導医が的確に判断し、特に事務職ではなくてドクター、そして看護師に適切に連絡する体制をとっていると、こういうお話をいただきました。奈良県はこれを受けて、ここまでできなかったのかもしれないんですけれども、病院と消防との応対マニュアルをつくって、今具体的に実地訓練を始めたということをおっしゃっていました。東京都がこれに基づいてきちっとできていれば、ここまではやる必要性はないんだと思いますけれども、そういう意味で、東京都は一歩進んでいるんだなということを、今お話を聞いていて感じたわけでございます。
 また、もう一つ問題点として挙げていたのが、今回の搬送事案の場合、救急医療情報システム、いわゆる奈良県でいうと消防本部になるんでしょうけれども、消防本部の救急医療情報システムと医療機関側の周産期医療情報システム、これが連動していなかった。したがって、消防側の救急医療情報システムの表示を確認しても、奈良県の県立医大しかランプがつかなかった。そこしか問い合わせができなかったんですけれども、やはりこれが連携していれば、もっともっといろんな情報が救急隊に的確に送られて、いきなり大阪に行くとか、こういうことも判断、選択をしなくても済んだんじゃないか、こういうこともいわれておりました。さらに、これをやっていたためにどうしても時間がかかった。
 そこで、東京消防庁においては、この救急医療情報システムと医療機関側の周産期医療情報システム、これが連携をされて効果的に運用されているのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。

○野口救急部長 東京消防庁災害救急情報センターには、広域災害救急医療情報システムと東京都周産期医療情報システムが設置されており、両システムのリアルタイムな診療情報を活用し、産科、周産期に関する傷病者の重症度、緊急度に応じた医療機関選定を行っております。

○東村委員 東京消防庁においては、消防庁側の救急医療情報システムだけじゃなくて、医療機関からの周産期医療情報システムが救急、消防の方にもきちっと表示されるようになっている。したがって、両方をきっちり見ることによって、本当に一カ所しかない、そういうことじゃなくて、病院側の情報もタイムリーに入手して、マッチングして搬送することができる。そういう、やはりさすが日本をリードする東京消防庁だなということを私は今のお話を聞いていて感じました。奈良県でここまでやっていれば、かかりつけ医がなかったとか、いろんな話も出ていますけれども、恐らく、初期の段階できちっとした対応ができていたんじゃないかと思うんです。
 ただ、この東京においても、このような盤石な体制がとられているとおっしゃるんですけれども、マスコミ等の報道で、産科、周産期傷病者の救急搬送に長時間を要した、こういったことが報道されているわけなんですけれども、この点について、東京消防庁管内において、ことしは十九年ですけれども、十八年度の周産期の救急搬送件数及び、この搬送件数のうち十回以上医療機関に照会を実施した救急搬送件数とその理由について伺いたいと思います。

○野口救急部長 東京消防庁管内における平成十八年中の産科、周産期に関する傷病者の救急出場件数は四千二十四件で、搬送人員は四千百九人でありました。産科、周産期に関する傷病者の受け入れに十回以上の搬送連絡を行った件数は、全件数の約〇・七%に当たる三十件であり、その主な理由については、処置困難、手術、患者対応中、ベッド満床などでありました。

○東村委員 この四千二十四件という件数の多さもそうなんですけれども、その中で〇・七%、三十件かもしれませんけれども、三十件でもこういう事例があるということは、ここはやはりこれから改善していかなきゃいけないと思うんですけれども、今お話を聞いていると、処置困難とか手術、患者対応中だとかベッド満床という、どちらかというと、これは東京消防庁側の理由じゃなくて、医療機関側の理由が主な理由だということを今おっしゃっておりました。
 これからこの問題について突き詰めていけば、産科医、小児科医の不足という話になってくるんだろうと思います。この話は東京消防庁にお聞きする話じゃありませんので、こういうことが改めて浮き彫りになってきたということがわかりましたので、また別な連携、関係各局が一堂に集うような場においてこの問題を取り上げて、そのほかにも奈良県のいわゆる調査委員会の報告書ではさまざまな角度から問題点を挙げておりまして、私もこれは非常に勉強になりましたので、このことを踏まえて、またそういう機会を通じてこの問題にさらに対応していきたいと思います。
 これからも、まずは東京消防庁が盤石な体制を整えられているということですので、この体制の中で全力で取り組んでいかれることを心から望みまして、質問を終わりたいと思います。

○渡辺委員 私は消防団活動について、二点ばかりお尋ねいたします。
 消防団の分団本部施設は、地域住民の生命、財産を守る活動の拠点になっているというのはいうまでもありません。この拠点となる分団本部施設が団の打ち合わせ会議もできない、あるいは訓練後の団員の休息もとれないというような状況では、団員の士気にもかかわりかねない重大な問題だというふうにも思っております。
 こういう状態を改善しようと今消防庁の取り組みが強化される中、近年では年間二十棟近く改修されてきております。本部施設の改修された分団では、ポンプ車の出入りなどの活動もスムーズになり、あるいは団員の交友関係も強まっていると非常に喜ばれておるところです。しかしながら、全都的に見るならば、まだ未改修棟が百七、八十棟ぐらいあるやに聞いています。
 そこでお伺いしますけれども、現在の分団本部の施設の整備状況と今後の整備方針、これについてお尋ねをしたいと思います。

○齋藤防災部長 特別区消防団の分団本部数につきましては四百三十九であります。このうち分団本部の機能を有する施設は、平成十八年度末現在二百六十九棟であります。また、平成十九年度は、単独で整備するもの十六棟、消防出張所等との合築により整備するもの五棟、計二十一棟を整備する予定であります。
 今後も引き続き、構造、老朽度、狭隘度等を勘案いたしまして、順次計画的に整備してまいります。

○渡辺委員 ぜひこれまで同様、少なくとも年間二十棟くらいの整備に努力して、団員の士気向上のためにも全力を尽くしていただきたい、こういうふうに思います。
 もう一つお聞きいたします。これも消防団の分団にかかわる問題です。可搬ポンプ積載車の配置についてです。現在この積載車が配置されていない分団では、消防団員がポンプ車を引いていかなければなりませんけれども、ポンプ積載車があれば機動力が大幅に増強して、消火活動も大いに向上するところです。早期の消火活動に取り組めるようになるわけです。この可搬ポンプ積載車も積極的にふやすことが必要です。
 そこでお聞きしますけれども、可搬ポンプ積載車の現在の整備状況あるいは今後の方針についてどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。

○齋藤防災部長 特別区消防団の可搬ポンプ積載車の整備につきましては、平成十八年度末現在九十六台であります。また、平成十九年度は新規に十一台の整備と三台の更新を行う予定であります。
 今後も引き続き、分団受け持ち区域の面積や震災時の消火活動困難度など、地域特性を勘案いたしまして、順次計画的に整備してまいります。

○渡辺委員 今の答弁ですけれども、区域の面積が狭いといっても、やはりポンプを引いていくよりも可搬ポンプ積載車で現場に行った方が速いわけですから、積極的に配置していただきたいと思うわけです。来年度配置台数を今後下回らないように取り組みを強めていただきたいと、このように思っております。
 また、震災時の消火活動困難度ということがいわれましたけれども、震災時ということについていえば、これは消防署の消防自動車だって同じだと思うんですね。むしろ可搬ポンプ積載車の方が小回りがききますから、機動力では消防自動車より効果があるかもしれません。震災はいつ起こるかわからないし、きょう、あす起こるかもしれない。そういうことを可搬ポンプ積載車の配置をおくらせる理由にしてはならないと、こういうふうに思っておりますので、ひとつ積極的に取り組んでいただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

○串田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○串田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十一分散会

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