警察・消防委員会速記録第二号

平成十九年三月一日(木曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長矢島 千秋君
副委員長新藤 義彦君
副委員長石井 義修君
理事比留間敏夫君
理事土屋たかゆき君
理事渡辺 康信君
ともとし春久君
中嶋 義雄君
大西 英男君
内田  茂君
山下 太郎君
馬場 裕子君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監伊藤 哲朗君
総務部長岩瀬 充明君
警務部長池田 克彦君
交通部長松本 治男君
警備部長西村 泰彦君
地域部長佐藤 男三君
公安部長高石 和夫君
刑事部長金高 雅仁君
生活安全部長石田 唱司君
組織犯罪対策部長田端 智明君
総務部企画課長安江  選君
東京消防庁消防総監関口 和重君
次長予防部長事務取扱小林 輝幸君
総務部長佐竹 哲男君
人事部長瀬川  俊君
警防部長秋山  惠君
防災部長新井 雄治君
救急部長浅野 幸雄君
指導広報部長齋藤 隆雄君
装備部長佐藤 行雄君
総務部企画課長大江 秀敏君
総務部経理課長田村 雅直君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為警視庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第百号議案   警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百一号議案  警視庁留置施設視察委員会の設置に関する条例
陳情の審査
(1)一八第一二五号 光が丘公園交番の存続・充実に関する陳情
 東京消防庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 東京消防庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百二号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第百四号議案 救急業務等に関する条例の一部を改正する条例

○矢島委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十九年度の予算につきましては予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会の所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十九年二月二十六日
東京都議会議長 川島 忠一
警察・消防委員長 矢島 千秋殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二日(金)午後五時

(別紙1)
警察・消防委員会
第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 警察・消防委員会所管分

(別紙2省略)

○矢島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の平成十九年度予算の調査及び付託議案の審査並びに警視庁関係の陳情の審査を行います。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、警視総監から紹介があります。

○伊藤警視総監 先般の人事異動によりまして幹部の交代がございましたので、ご紹介申し上げます。
 交通部長の松本治男でございます。生活安全部長の石田唱司でございます。企画課長の安江選でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○矢島委員長 紹介は終わりました。

○矢島委員長 次に、予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、警視庁所管分及び第九十九号議案から第百一号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○ともとし委員 それでは、まず、公明党を代表しまして、私から質問をさせていただきます。
 ただいま議題となっております警視庁留置施設視察委員会の設置に関する条例でありますが、我が党については賛成という立場でありますが、確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。
 この留置施設視察委員会の委員の選任についてでありますが、委員の選任については、我が党についても、弁護士会等の各種団体から委員の推薦をしてきた場合、その推薦の選任については、そうした団体が考慮されるのかどうか。また、刑事施設視察委員会と同様に、弁護士会のほか、医師会、区、市役所、大学などからの推薦を受ける予定はあるのかどうか。この辺についての見解をまずお伺いしたいと思います。

○岩瀬総務部長 まず初めに、留置施設視察委員会委員の選任についてお答えいたします。
 留置施設視察委員会の委員は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二十一条第二項の規定により、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、都道府県公安委員会が任命することとされております。
 具体的には、留置施設視察委員会の性質にかんがみ、弁護士等の法律関係者、医師、地域住民の代表者等から選任されることになります。
 なお、選任に当たっては、弁護士会等の公私の団体からの推薦があれば、参考にさせていただくことにしております。
 次に、推薦についてお答えいたします。委員の任命は、東京都公安委員会が判断して行うことになりますが、幅広く各方面から人材を求める趣旨から、ただいま申し上げましたとおり、弁護士会、医師会などから候補者の推薦があれば、参考にさせていただくこととしております。

○ともとし委員 わかりました。
 次に、留置施設視察委員会の自主性についてお伺いしたいと思います。
 留置施設視察委員会につきましては、警視庁、公安委員会と独立して活動し意見を述べることが想定されておりますけれども、委員会の自主性、自立性はどのようにして確保されるのか。また、予算面では、委員会の活動が十二分に行えるような配慮がされるのかどうか。この辺についてお伺いいたします。

○岩瀬総務部長 初めに、委員会の自主性、自立性についてお答えいたします。
 留置施設視察委員会の委員は、東京都公安委員会によって任命されることとなりますが、留置施設視察委員会は、視察及び意見申述等の意思決定について、東京都公安委員会から指揮監督を受けることなく、その職務を遂行することとなりますので、留置施設視察委員会の自主性、自立性は確保されていると考えております。
 次に、予算面についてお答えいたします。留置施設視察委員会の活動を十分に行うことができるよう、委員の報酬及び旅費についての予算を要求しております。

○ともとし委員 最後でございますが、留置施設視察委員会への情報の提供でございますが、警視庁からどのような形で提供される資料が出るのか、また、予定されているのか。その辺をお伺いしたいと思います。

○岩瀬総務部長 留置施設視察委員会への情報提供についてお答えいたします。
 法第二十二条第一項で、留置業務管理者は、留置施設の運営の状況について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、または必要に応じて、委員会に対し情報を提供するものとされておりまして、これに基づき提供する情報といたしましては、施設の概要、収容基準人員及び被留置者数の推移、施設の管理の体制、自弁の嗜好品等の停止措置の実施状況、防声具、拘束衣及び保護室の使用状況、不服申し立ての状況及びそれらの処理の結果などを予定しているところでございます。

○ともとし委員 留置施設視察委員会の役割というのは極めて重要だと思います。本条例を制定するに、その趣旨をしっかり踏まえまして、実効が上がるように取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問は終わります。

○渡辺委員 今質問がありましたけれども、改めて私からもお伺いをしたいというふうに思います。
 まず最初に、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二十二条、この留置施設視察委員会に対する情報の提供及び同委員会視察について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、または必要に応じて、視察委員会に対し情報を提供するものとするとなっておりますけれども、どういう情報を提供するのかということでお伺いしたいということがまず一点。
 それから、もう一つ、同条第二項には、視察委員会委員による留置施設の視察をすることができる。この場合において、同委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができるとあります。
 同条第三項には、留置業務管理者は、被留置者との面接の実施について、必要な協力をしなければならないとあります。面接の協力要請に対して、拒否はできないというものと私は考えますけれども、どういう見解をお持ちでしょうか。

○岩瀬総務部長 初めに、留置施設視察委員会への情報提供についてお答えいたします。
 提供する情報といたしましては、施設の概要、収容基準人員及び被留置者数の推移、施設の管理の体制、自弁の嗜好品等の停止措置の実施状況、防声具、拘束衣及び保護室の使用状況、不服申し立ての状況及びそれらの処理結果などを予定しているところでございます。
 次に、留置施設視察委員会による被留置者との面接についてお答えいたします。
 面接につきましては、留置施設視察委員会が時間、場所などを決めることになります。留置施設視察委員会からの協力要請を受けた留置業務管理者は、被留置者が在場しない場合などを除き、これに応じることになると考えております。

○渡辺委員 次に、今度は条例について伺いますが、既に刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律に基づき、刑事施設視察委員会は、今、幅広く、各界各層から委員を推薦してもらって、選任をしているわけです。
 第三条、委員会の定数は十人とするとありますけれども、どういう人選を考えているのか。例えば、保護司、あるいは医療関係者、弁護士、大学教授、都庁職員、教育者、消費者団体などの幅広い団体から推薦してもらって選任する必要があるというふうに思っておるわけですが、どのような人たち、職業の方を、どのような形で人選するのかということで改めてお伺いをしたいというふうに思います。

○岩瀬総務部長 留置施設視察委員会委員の選任についてお答えいたします。
 留置施設視察委員会の委員は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二十一条第二項の規定により、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、東京都公安委員会が任命することとされております。
 具体的には、委員会の性質にかんがみまして、弁護士等の法律関係者、医師、地域住民の代表者等から選任されることになると考えております。

○渡辺委員 次に、留置施設視察委員会は、条例の第四条で、「委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する」ということになっています。ただ、だれがこの委員会を招集するのかは明らかではありません。常識的に考えれば委員長と思いますけれども、それはどうなのか。
 あるいはまた、委員会の議決は、定足数を定めて、委員の過半数を得て議決するということだというふうに思いますが、いずれにいたしましても、この二点についてどのように考えておられるのか、ご答弁をいただきたいと思います。

○岩瀬総務部長 委員会の招集及び議決についてお答えいたします。
 委員会の会議は委員長が招集することになります。また、委員会の議決につきましては、ご指摘のとおり、定足数を委員の過半数とし、出席委員の過半数を得て議決するものとしておりまして、この件につきましては、東京都公安委員会規則に定めることで作業を進めさせていただいております。

○渡辺委員 次に、条例第六条ですけれども、この六条は、「委員会に関し必要な事項は、東京都公安委員会が定める」こういうことになっておりますが、これでは、留置施設視察委員会というのは公安委員会の下請機関にならざるを得ないというふうにも思います。
 留置施設視察委員会というのは、警視庁や東京都公安委員会から独立して自主的に留置施設の視察を行い、必要な各種情報の提供を受け、意見を述べる立場にあることから、留置施設視察委員会の招集権、あるいは議決権など、委員会の必要な事項というのは当委員会が定めるという規定を第四条、または第六条に加えるべきというふうに思いますけれども、見解を求めたいというふうに思います。
 また、それがどうしてもできないということならば、規則や要綱できちんと明記すべきだというふうに思っておるわけですけれども、いかがでしょうか。

○岩瀬総務部長 留置施設視察委員会の招集権や議決権などについてお答えをいたします。
 留置施設視察委員会は、視察及び意見申述等の意思決定につきまして、東京都公安委員会から何ら指揮監督を受けることなく、その職務を遂行することとなりますので、下請機関とのご指摘は当たらないものと考えております。
 なお、留置施設視察委員会に関する必要事項につきましては、法第二十一条第六項の規定に従いまして、条例及び東京都公安委員会規則において定めることとしております。

○渡辺委員 最後に一言。ぜひ、この視察委員会というものが、自主的にしかも円滑に行えるように進めていただくためにご協力をお願いしていただきたい、こういうことを申し述べて終わります。

○矢島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○矢島委員長 次に、陳情の審査を行います。
 一八第一二五号、光が丘公園交番の存続・充実に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○佐藤地域部長 資料整理番号1により、一八第一二五号、光が丘公園交番の存続・充実に関する陳情につきましてご説明いたします。
 本陳情の要旨は、周辺住民を初めとする都民の安全を確保するため、光が丘公園交番を存続させ、警察官を常駐させてほしいというものであります。
 交番は、警察官がパトロール活動を行う拠点である一方、地域の方々のさまざまな要望、相談、届け出等の窓口としての機能を果たしていくことが重要であると考えております。都民の意識調査でも、もっとパトロールをしてほしい、いつも交番にいてほしいといった強い要望があります。
 当庁といたしましては、こうした点を踏まえ、パトロール活動と交番での在所活動をバランスよく行うことができるよう、全庁的な交番の配置見直しを行い、交番機能の一層の強化に努めているところであります。
 具体的には、配置見直しの対象となっている交番を隣接の交番等と統合し、パトロール活動と交番での在所活動をともに充実させることにより、街頭警察活動の強化を図ることとしております。
 本陳情に係る光が丘公園交番につきましても、こうした観点から、隣接の交番等と統合することにより、周辺地域のパトロール体制を強化するとともに、建物を地域安全センターとして存続させ、そこに警察官のOBの地域安全サポーターを毎日一人配置して、地域の安全・安心活動を支える拠点として運用してまいりたいと考えております。
 こうした配置運用により、交番勤務員やパトカー勤務員等が警察官OBと連携して、これまで以上にその地域の実態に即したきめ細かな地域警察活動を実施し、地域の方々の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

○矢島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○渡辺委員 この光が丘公園交番の存続・充実に関する陳情についてですが、今度の陳情も、交番を存続してほしいと、こういうものでございますけれども、私はこれまでも繰り返しその必要性を強調して、そして各請願や陳情に賛成していただきたく、そしてまた採択していただけるように、各委員の皆さんにお願いをしてきたところでありますけれども、今回も私は、治安と安全・安心のまちづくりのかなめとなっている交番というのは、廃止ではなく、存続、充実させるべきだと、こういうふうに思っておるところです。しかも、その上で住民の願いにこたえるべきだ、こういうふうに考えます。
 各委員の皆さんの賛同をいただいて、採択してくださることを改めてお願いを申し上げまして、終わります。

○矢島委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○矢島委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一二五号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情審査を終わります。
 以上で警視庁関係を終わります。

○矢島委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、東京消防庁所管分及び第百二号議案から第百四号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○渡辺委員 若干質問をさせていただきます。
 救急車の出動件数というのは、老齢人口が増加する中で比例して多くなってきておるところです。昨年は若干出動件数が減ったとはいえ、今後の役割というのはますます重要になってきているというふうに思っています。
 そういう中で、救急車の有料化やトリアージの話がマスコミでも報道され、医療に従事する方々や都民の間でも非常に心配する声も出されております。私たちにも要望が寄せられているところであります。
 そこでお聞きしますが、最近聞くところによりますと、東京消防庁では、現着時トリアージの検証を実施しているとお聞きしておりますが、その実施方法についてお聞きをしておきたいと思います。

○浅野救急部長 検証につきましては、通常どおり救急出場し、医療機関への搬送を行いながら、緊急度判断検証シートを用いて傷病者の緊急度について救急救命士が判断した後、搬送先の医師による初診時の診断結果との整合性等について確認する方法で行ってまいりました。
 なお、緊急度判断検証シートは、救急の専門医等によって構成されます東京都メディカルコントロール協議会との連携により作成したものであります。

○渡辺委員 平成十八年三月に発表された東京消防庁救急業務懇話会答申によりますと、トリアージの必要性を強調し、一一九番通報時トリアージの導入に向けた取り組みを打ち出し、その中には、救急隊の運用判断については、現着時トリアージの導入を優先し、その結果を十分に検証した上で、通報時トリアージ実施に反映する必要がある、こういうふうに述べておられるわけですが、東京消防庁は、そのための現着時トリアージを実施しようとしているのではないか、こういうふうに思うわけですけれども、いかがなものでしょうか。

○浅野救急部長 第二十六期東京消防庁救急業務懇話会答申を踏まえ、真に緊急性の高い傷病者に、限られた資源である救急車を適切に運用し、都民の救命効果の向上につなげることを目的として、救急現場における救急搬送トリアージの実施に向けた準備を進めているところであります。

○渡辺委員 救急現場トリアージを行うとのことでありますけれども、これを実施すれば、その後の一一九番通報時トリアージにつながっていくのではないかと強い危惧を抱かざるを得ないわけです。
 そこで聞きますが、東京消防庁救急業務懇話会の答申では、通報時トリアージは判断が難しいといわれておりますが、実施するとすれば、どのような点が問題と考えられるのか、お聞きしたいと思います。

○浅野救急部長 第二十六期東京消防庁救急業務懇話会答申によれば、通報内容の聴取に時間を要することにより、救急隊の現場到着時間がおくれる可能性があること、現状では通報内容だけでは医学的な判断要素が十分得られないことなどが挙げられております。

○渡辺委員 今答弁はいただきましたけれども、そのほかにもたくさんの問題点が指摘されておるわけです。お聞きしますが、現在は、一一九番救急通報に全件出動しておりますけれども、今後、通報時トリアージの導入というものを考えているのかどうかということについてお伺いをいたします。

○浅野救急部長 先ほどご答弁したとおり、通報時トリアージにつきましては、長期的に解決すべき課題もあることから、現在、東京消防庁では、救急現場における救急搬送トリアージの実施に向けた準備を進めているところであります。

○渡辺委員 一一九番通報時トリアージというのは、先ほど答弁もありましたけれども、通報内容の聴取だけでも時間がかかり過ぎる、かといって誤診は許されないわけですから、そういうことから、医学的にも判断要素が十分得られない、誤った判断のために取り返しのつかない状態になった場合、だれが責任をとるのかという問題などなど、大きな問題点があり過ぎるということですね。したがって、これをクリアすることは非常に難しいと、こういう判断にあるのかなというふうにも思うわけですが、いずれにいたしましても、通報時のトリアージは、私はやめるべきだということを強く要望しておきたいというふうに思います。
 そこで、最後にお聞きしますが、東京消防庁救急業務懇話会答申では、傷病者本人、関係者等からの通報内容だけによるトリアージとなることから、PA連携の適切な運用、そして緊急度、重症度に応じて必要となる、あるべき現場到着時間や現場で必要となる処置の内容を検討し、その結果に応じて出動させるべき救急隊を選択するなど、トリアージ結果を反映した救急搬送体制の構築について検討すべきである、こういうふうに述べられておるわけです。
 そこでお伺いしますが、今回条例化される患者等搬送事業者認定表示制度は、その構築の一環としたものではないか、こういうふうに私は思うんですけれども、それについての見解を伺いたいというふうに思います。

○浅野救急部長 このたびの患者等搬送事業者認定表示制度の条例化につきましては、認定事業者の質を担保し、都民からの信頼性を高めるために行うものであります。

○渡辺委員 最後に一言申し上げたいと思うんですが、いずれにいたしましても、この制度は、トリアージに向けた受け皿として、民間患者搬送事業の一層の促進、こういうものを目指しているということは明らかだというふうに思います。
 事は人命にかかわる問題ですから、一一九番通報時トリアージは実施しないこと、あわせて、一一九番通報では必ず出動して、都民の要望にしっかりとこたえていただきたい。このことを重ねて要望して、質問を終わらせていただきます。

○矢島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十二分散会

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