警察・消防委員会速記録第九号

平成十八年十月十二日(木曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長矢島 千秋君
副委員長新藤 義彦君
副委員長石井 義修君
理事比留間敏夫君
理事土屋たかゆき君
理事渡辺 康信君
ともとし春久君
中嶋 義雄君
大西 英男君
内田  茂君
三田 敏哉君
山下 太郎君
馬場 裕子君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監伊藤 哲朗君
副総監犯罪抑止対策本部長事務取扱和田 康敬君
総務部長東川  一君
警務部長池田 克彦君
交通部長押久保 仁君
警備部長西村 泰彦君
地域部長佐藤 男三君
公安部長高石 和夫君
刑事部長金高 雅仁君
生活安全部長園田 一裕君
組織犯罪対策部長田端 智明君
総務部企画課長滝澤 敬治君
総務部会計課長長谷川道雄君
東京消防庁消防総監関口 和重君
次長予防部長事務取扱小林 輝幸君
総務部長佐竹 哲男君
人事部長瀬川  俊君
警防部長秋山  惠君
防災部長新井 雄治君
救急部長浅野 幸雄君
指導広報部長齋藤 隆雄君
装備部長佐藤 行雄君
総務部企画課長大江 秀敏君
総務部経理課長田村 雅直君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
事務事業について(説明)
 東京消防庁関係
事務事業について(説明)

○矢島委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承をお願いいたします。
 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情につきましては、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承をお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の事務事業の説明聴取を行いたいと思います。
 なお、事務事業につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。ご了承をお願いいたします。
 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、警視総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○伊藤警視総監 警視総監の伊藤哲朗でございます。本日は、新しい委員構成による初めての警察・消防委員会でございますので、警視庁を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様方には、当庁の運営につきまして、平素から格段のご支援、ご指導を賜っているところでございまして、この機会に厚く御礼を申し上げます。
 今後は、警察・消防委員会の委員としてのお立場から、当庁に係る予算を初め、条例案、請願陳情等についてご審議を賜ることとなりますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 警視庁は、依然として厳しい治安情勢のもと、組織の総力を挙げて、犯罪抑止総合対策を推進してまいりましたが、子どもの安全対策を初めとする防犯対策、テロ、ゲリラの防圧検挙対策、大規模災害対策、重大交通事故抑止対策など、いまださまざまな重要課題が山積いたしております。警視庁といたしましては、こうした治安情勢に的確に対応するため、今後も都民の声に対しまして虚心に耳を傾け、誠実にこれらに対応するとともに、関係機関との連携をさらに強化いたしまして、安全・安心なまち東京の実現に全力を傾注してまいる所存でございます。
 今後ともより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは、警視庁の幹部職員をご紹介させていただきます。
 皆様から向かいまして、中央から左へ、副総監兼ねて犯罪抑止対策本部長事務取扱和田康敬でございます。警務部長池田克彦、刑事部長金高雅仁、組織犯罪対策部長田端智明、中央から右へ、総務部長東川一、公安部長高石和夫、生活安全部長園田一裕、警備部長西村泰彦、中央の後列に、交通部長押久保仁、地域部長佐藤男三、企画課長滝澤敬治、会計課長長谷川道雄。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○矢島委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○矢島委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○東川総務部長 警視庁の事務事業の概要につきまして、お手元の資料第1によりましてご説明いたします。
 初めに、警視庁の組織及び定員について申し上げます。
 警視庁は、東京都公安委員会の管理のもとに、都警察の事務をつかさどる組織でありまして、一ページ以下に記載しておりますけれども、警視総監、副総監、総務部を初めとする九つの部、犯罪抑止対策本部、警察学校、十の方面本部及び百一の警察署から構成されております。
 職員の定員につきましては、五ページに記載しておりますが、合計四万五千七百二十二人で、平成十八年度は、警察官二百八十人の増員を得たところでありますけれども、警視庁の最重要課題であります犯罪抑止総合対策を初め交番機能の強化、テロ、ゲリラ対策など、依然として厳しい都内の治安情勢に対処するためには、引き続き警察官や交番相談員の増員などによる人的基盤の強化が不可欠と考えております。
 次に、各種警察活動の概要について七点申し上げます。
 第一は、犯罪抑止総合対策についてであります。
 警視庁におきましては、犯罪抑止総合対策を恒常的な取り組みとするため、本年一月、犯罪抑止対策本部を設置し、組織の総力を挙げて、検挙、防犯の両面から各種対策を推進しているところであります。
 都内の犯罪情勢につきましては、六ページをお開きになっていただきたいと思いますが、そこに記載してありますとおり、八月末現在の刑法犯認知件数は十五万八千五百九十七件で、昨年同期に比べ四・二%減少しており、平成十五年度以降の減少傾向を維持しております。一方、本年特に重点を置いております検挙対策については、八月末の検挙件数が五万六千六百八十七件と、昨年同期に比べ三・一%増加しており、着実に成果があらわれているところであります。引き続き各種対策を強力に推進してまいります。
 次に、犯罪抑止の主要な八つの対策について、順を追ってご説明いたします。
 その一は、振り込め詐欺対策ですが、七ページをお開きいただきたいと思います。本年八月末現在の振り込め詐欺の認知件数は千八百六十三件と、昨年同期に比べ約八・九%増加しており、被害総額も約三十三億円に及ぶなど、依然として多発傾向にある上、その手口や金員の獲得手段もますます悪質巧妙化しております。
 警視庁では、振り込め詐欺体験フリーダイヤル、あるいは警視庁ホームページ及び電子メール等を通じた広報、金融機関との連携による不正口座の凍結等の被害防止対策を推進するとともに、携帯電話不正利用防止法等あらゆる法令を駆使して被疑者の検挙に努めているところであります。
 その二は、重要事件についてでありますけれども、七ページをお開きいただきたいと思います。本年は、昨日まで七事件について特別捜査本部を設置し、渋谷区鉢山町女子大生身の代金目的誘拐事件など三事件を解決したほか、昨年以前に特別捜査本部を設置した事件のうち三事件を解決しております。
 しかしながら、来年二月に公訴時効が完成する東村山署旭が丘派出所警察官殺害事件を初め上祖師谷三丁目一家四人強盗殺人事件、大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件などの重要事件が未解決のままであることから、一日も早い犯人検挙に向けて引き続き粘り強い捜査を推進してまいります。
 その三は、来日外国人犯罪対策についてですが、来日外国人犯罪組織は、都内において、殺人、強盗等の凶悪犯罪や侵入窃盗、偽造カード事犯、薬物事犯等多種多様な犯罪を引き起こしております。とりわけ本年に入り、これまで都内では減少傾向にあったピッキング、サムターン回し等を手口とする侵入窃盗の認知件数が八月末現在で千二百五十三件と、昨年同期に比べまして約三九%増加しており、また検挙人員の約六二%を中国人が占めている状況などから、中国人犯罪組織の活動が再び活発化しているという実態がうかがわれます。
 警視庁では、来日外国人犯罪組織に係る情報の集約、分析により、その実態を解明し、組織に打撃を与える取り締まりを推進するとともに、入国管理局等との連携による不法滞在者等の検挙活動を強力に推進しており、八ページに記載しておりますけれども、八月末現在、四千七百二十一人の来日外国人犯罪者を検挙しているところでございます。
 その四は、銃器、薬物事犯の取り締まりについてですが、銃器、薬物事犯には、暴力団や国際犯罪組織等が深く関与し、さまざまなルートで密輸、密売を行っている実態にあることから、税関、入管等関係機関との連携を強化し、情報収集、水際での監視、摘発等を強力に推進しております。
 銃器事犯については、本年八月、けん銃十一丁及び実包二百二十発を陸揚げし密輸した稲川会傘下組織組長らを検挙し、自動小銃やけん銃十五丁及び実包五百一発等を押収するなど、九ページに記載のとおり、八月末現在、七十四丁のけん銃を押収しております。
 また、薬物事犯については、密売組織の壊滅、末端乱用者を含めた被疑者の大量検挙に努めており、八月末現在で二千六十人を検挙しているところでございます。
 その五は、少年非行防止対策についてですが、一〇ページに記載しておりますけれども、本年八月末現在の非行少年の検挙・補導人員は八千百六十一人で、昨年に比べまして一六・一%減少しております。
 また、少年とのかかわりが深い路上強盗やひったくりなど、いわゆる街頭犯罪の認知件数も、八月末現在で昨年同期に比べて六・六%減少しておりますけれども、検挙人員に占める少年の割合、これは三割を超えておりまして、暴走族などの非行集団等についても依然として二百を超えるグループが活動しているなど、いまだ深刻な状況にあります。
 警視庁では、街頭犯罪が特に多発している地域における非行集団等の検挙、解体、補導対策の推進、学校訪問による指導助言や、街頭補導活動に当たるスクールサポーター、学校との連携を強化し、児童生徒の非行防止を図る警察と学校との相互連絡制度等の効果的な運用により、少年の非行防止対策を強力に推進していきます。
 その六は、子どもを犯罪から守るための取り組みを初めとする防犯対策についてですが、昨年来全国各地で子どもが犠牲となる事件が相次いで発生し、国民に大きな不安を与えていることから、警視庁では、学校関係者や保護者、防犯ボランティア等との学校周辺や通学路におけるパトロールの実施、被害防止教室の開催、不審者侵入時の対応訓練等、学校や地域における安全対策を推進しております。
 また、子どもに対する声かけ事案等の不審者情報を電子メールや警視庁ホームページ等を通じて迅速かつ的確に提供しているほか、自治体や民間の防犯協力団体、地域住民等との連携を図り、犯罪や事故等を未然に防止するための地域安全活動を一層強化しております。
 その七は、盛り場の風俗環境対策についてですが、警視庁では、新宿歌舞伎町、池袋、六本木の三地区における盛り場環境の浄化を推進するため、一昨年の四月に、三地区特別対策本部を設置し、さらに昨年十二月には、新たに渋谷地区を加え、四地区特別対策として、違法風俗店、暴力団、不良外国人等に対する重点的かつ戦略的な対策を推進してまいりました。
 その結果、本年八月末までに、四地区において、違法個室マッサージ店、わいせつビデオ店及び違法カジノなど五百八十五店舗を摘発したほか、昨年四月に施行されました改正迷惑防止条例を適用した取り締まり等により、路上における客引きを激減させるなど、相当な効果を上げております。
 また、警視庁では、現在わいせつビデオ等販売業者への場所提供等を規制するため、いわゆるぼったくり防止条例の改正準備、これを進めているところでございます。
 その八は、交番機能の強化に向けた取り組みですが、警視庁では、限られた人員により、パトロールと交番における警戒活動、これを効率的に行うため、交番所管区内の事件事故の発生状況、一一〇番の取扱件数、将来の治安展望等を総合的に検討し、百二十一カ所の交番の配置見直しを推進することといたしました。
 具体的には、一部を警備派出所や将来の駐在所として活用するほか、廃止する約九十カ所の施設については、警察管理と自治体管理の二つに区分して、地域の安全・安心活動を支える拠点として活用するということを検討しております。特に自治体管理施設につきましては、住民、警察、自治体が三位一体の活動を推進する拠点とすべく関係方面と協議を重ねているところでございます。
 第二は、暴力団総合対策についてであります。
 都内における暴力団勢力は現在六百二十組織、構成員等約一万六千七百五十人が把握されておりますが、昨年は全国で最大の勢力を擁する指定暴力団六代目山口組が東京においても拡大を続け、都内に本拠を置く指定暴力団のうち五番目の勢力を持っていた國粋会を吸収しました。これにより、山口組は、都内において、住吉会、極東会に次ぐ三番目の勢力を持つに至ったわけであります。
 警視庁では、昨年九月に設置した山口組集中取締特別捜査本部を中心に、あらゆる法令、手法を駆使して組織に打撃を与える対策を強力に推進しておりまして、一一ページに記載しておりますけれども、八月末現在、山口組組員を含む四千四百九十三人の暴力団員等を検挙しておりますが、今後もさらに強力な暴力団総合対策を推進してまいります。
 第三は、テロ、ゲリラの防圧検挙についてであります。
 本年も、エジプト、インド等において大規模なテロが発生したほか、八月には、イギリスの治安当局が旅客機爆破テロを計画していた容疑者を検挙するなど、我が国も含め依然として国際テロの脅威は衰えを見せておりません。
 警視庁では、平成二十年に我が国において開催が予定されておりますサミットなどを視野に入れ、テロ関連情報の収集、分析を強化するとともに、政府関連施設などの重要施設に加え、公共交通機関、繁華街、地下街などのいわゆるソフトターゲットの警戒強化や、管理者等との連絡体制の確立など、国際テロの未然防止に万全を期してまいります。
 極左暴力集団は、平成十六年十一月以降、テロ、ゲリラを起こしておりませんが、依然として暴力革命を主張しており、警視庁では極左暴力集団による違法行為に対する積極的な取り締まりを行い、一二ページに記載しておりますけれども、八月末現在で四十三名の極左活動家を検挙しております。
 右翼は、靖国問題を初め国内外の諸情勢の変化から派生する諸問題に敏感に反応しております。関係機関等に対する活発な抗議要請活動を展開しております。警視庁では、これら右翼による違法行為の取り締まりを推進し、八月末現在で六十四名の右翼構成員等を検挙しております。
 北朝鮮による日本人拉致事件につきましては、本年、関係県警察との共同捜査等により、蓮池夫妻拉致事件、地村夫妻拉致事件及び原敕晁さん拉致事件につき、被疑者らに対する逮捕状の発付を得て国際手配を行いました。これにより警視庁が捜査を担当している政府認定の拉致事件七件のうち五件について、被疑者らに対する逮捕状の発付を得たところであります。事案の全容解明に向け引き続き強力に推進してまいります。
 第四は、震災等大規模災害に対する迅速、的確な対応であります。
 本年は、現在までのところ、大規模な災害は発生しておりませんが、警視庁では、大震災等の発生に備え、災害要援護者や危険箇所等の再確認、装備資器材の整備、死体安置所の確保、突発災害措置マニュアルの見直しなどを行うとともに、災害警備総合訓練や震災警備総合訓練など、関係機関や地域住民と一体となった実践的な訓練を実施し、都民の防災意識の醸成及び署員の事案対応能力の向上に努めているところであります。
 第五は、重大交通事故の防止についてであります。
 都内の交通事故による死者数は、昨日現在百九十一人と、戦後二番目に少なかった昨年に比べ同期比でさらに二十人減少しております。しかしながら、依然として高齢者、二輪車乗車中の交通死亡事故が多発している現状を踏まえまして、各警察署管内の高齢者交通安全モデル地区を中心とした参加、体験、実践型の交通安全教育や、二輪車の事故が多発している二輪車安全対策重点路線に重点を置いた街頭活動、重大事故に直結する飲酒運転を初めとする悪質、危険性の高い交通違反の指導取り締まりを強力に推進しているところであります。
 また、放置車両確認事務の民間委託等を内容とする新駐車法制の導入から約四カ月が経過し、都心部の幹線道路を中心として放置車両の減少による渋滞の緩和等の効果が見られるところでありまして、引き続き本制度の適正な運用に努めてまいります。
 第六は、被害者支援活動の推進についてであります。
 警視庁では、犯罪の被害者やその家族の精神的、経済的負担の軽減を図るため、刑事手続の説明や病院の付き添い等を行う初期支援を初め、被害者連絡、訪問連絡活動、診断書の作成や性犯罪被害者に係る新たな医療費用の公費負担など、被害者の視点に立ったきめ細かな支援活動を推進しております。今後も、関係機関及び民間団体から成る東京都犯罪被害者支援連絡会や警察署犯罪被害者支援ネットワークとの連携を一層強化するなどして、被害者支援の充実強化に努めてまいります。
 第七は、司法制度改革への適切な対応についてであります。
 平成二十一年の裁判員制度実施に向け、昨年十一月から、公判前整理手続、連日的開廷等が行われているほか、今月二日からは、即決裁判手続、被疑者に対する公的弁護制度が開始されたところであります。とりわけ即決裁判手続、被疑者に対する公的弁護制度につきましては、第一線の警察活動への影響が大きいことから、当庁におきましては、これら制度の趣旨、内容をすべての職員が十分理解し、的確に対応できるよう周知徹底を図っているところであります。
 以上が警察活動の概要であります。お手元に「グラフ警視庁」を配布しておりますが、ご参考にしていただければ幸いでございます。
 続きまして、警視庁所管歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
 警視庁の平成十八年度予算は、一四ページに記載してございますが、歳入が五百二十八億二千五百万三千円、歳出が六千百七十四億四千五百万円であります。詳細につきましては、お手元の平成十八年度予算説明書をごらんいただきたいと思います。
 次に、当庁の懸案事項であります警察活動の拠点となる各施設の整備についてご説明いたします。
 警察署庁舎の整備計画は、一四ページ以下に記載のとおりでございます。平成二十年二月に、臨海副都心地区に仮称臨港警察署、平成二十一年三月、多摩ニュータウン地区に仮称多摩西警察署が完成する予定となっております。
 このほか、老朽化や狭隘化等により業務に支障を来している警察署庁舎や交番、駐在所につきましても、計画的に整備を進めてまいります。
 また、災害や重要突発事件等が発生した際に必要な要員を確保するため、待機宿舎の整備による職員の都内居住を促進してまいります。
 最後に、財団法人暴力団追放運動推進都民センターの運営状況についてご説明いたします。
 財団法人暴力団追放運動推進都民センターは、東京都が基本金の約八二%を出資し、都民の暴力団追放意識等の高揚に資するとともに、暴力団の排除活動等を通じ、暴力団の存在しない安心して住める東京の実現に寄与することを目的として、平成四年五月に設立された公益法人であります。
 具体的には、暴力団追放に関する広報や相談、関係機関との連携による暴力団追放運動に対する支援、少年に対する暴力団の影響排除に関する事業等を行っております。
 同センターの経営状況につきましては、お手元の資料第2をご参考にしていただければと思います。
 以上で、私の説明を終わらせていただきます。

○矢島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で警視庁関係を終わります。

○矢島委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 初めに、消防総監からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○関口消防総監 消防総監の関口でございます。本日は、新しい委員の皆様方による初めての委員会でございますので、一言ごあいさつを申し上げます。
 諸先生方には、平素から消防行政の運営につきまして特段のご指導、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。今後は、東京消防庁関係の予算、条例、契約、請願陳情等の全般にわたりご審議、ご指導をいただくこととなりますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、ご承知のとおり、首都東京におきましては、火災を初めとする各種災害がますます多様化し、消防活動対策、火災予防対策への一層の強化が求められております。さらに、東京を含む首都圏地域におきましては、直下地震の発生が危惧されております。また、高齢化の進展や疾病構造の変化などにより、救急出動件数が増加するとともに、都民からはより一層高度な救急活動が求められております。
 一方、建築物の大規模化や高層化、管理形態の複雑多様化などにより、防火対象物の潜在的な危険性が増大するとともに、防火管理業務も増大化、専門化するなど、消防を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。
 こうした状況の中、東京消防庁では、都民の安全と安心を確保するため、震災対策の充実を初め、専門的知識を有する隊員と高機能な消防装備を有する特別消火中隊の編成、東京民間救急コールセンターの活用等による増大する救急需要への対応、さらには防火対象物の危険実態に即した総合的な防火安全対策の強化など、諸施策を積極的に推進しております。
 今後とも、災害から都民の安全を守り、都民の負託に的確にこたえる消防行政の実現に向け一層努力してまいります。
 警察・消防委員会の諸先生方におかれましては、当委員会を初め種々の機会を通じまして、消防行政推進のためより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、東京消防庁の幹部を紹介させていただきます。
 次長の小林輝幸です。警防部長の秋山惠です。救急部長の浅野幸雄です。装備部長の佐藤行雄です。総務部長の佐竹哲男です。人事部長の瀬川俊です。防災部長の新井雄治です。指導広報部長の齋藤隆雄です。企画課長の大江秀敏です。経理課長の田村雅直です。
 よろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○矢島委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○矢島委員長 次に、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林次長 東京消防庁が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。
 お手元に「東京の消防」、「消防行政の概要」、平成十八年度東京都一般会計予算説明書及び東京都が二五%以上出資しております東京都監理団体であります財団法人東京防災指導協会の資料をお届けしてございます。
 それでは、お手元の「東京の消防」によりご説明させていただきます。「東京の消防」の三ページをお開きください。
 まず初めに、東京消防庁の歩みについてであります。
 東京の消防は、昭和二十三年三月、消防組織法が施行され、現在の自治体消防が発足し、特別区における消防は東京都知事が一体的に管理することとなり、東京消防庁が設置されました。
 一方、多摩地域におきましては、各市町村単位に消防の任務を果たしておりましたが、昭和三十五年以降、逐次、地方自治法に基づき消防事務の委託を受け、現在、東久留米市、稲城市及び島しょ地域を除く二十四市三町一村の消防事務を執行しております。
 次に、予算についてであります。
 中ほどにお示ししてありますように、平成十八年度の当初予算は二千四百二億三千五百万円であり、東京都一般会計予算に占める割合は三・九%であります。予算の詳細につきましては、お手元の資料、平成十八年度東京都一般会計予算説明書を参照していただきたいと存じます。
 次に、組織についてですが、右下の表にお示ししてありますように、八部、一学校、一安全所のもとに、三十八の課、室等があります。また、行政事務及び部隊活動を円滑に実施するため、四ページ上の図にお示ししてありますように、当庁の管轄区域を十に区分いたしまして、第一から第十の消防方面本部を設置し、方面内の消防署を統括しております。
 五ページへ参りまして、消防力についてであります。
 まず、消防職員数でありますが、消防吏員一万七千五百三十七人、一般職員四百四十二人、合計一万七千九百七十九人であります。また、消防行政の拠点として、八十の消防署、三つの消防分署、二百六の消防出張所を設置し、消防行政を推進しております。
 さらに、消防機動力としてポンプ車、救助車、救急車、化学車、はしご車、消防艇、ヘリコプターなど、近代装備を有する消防車両等千八百七十七台を配備し、各種災害に備えております。
 七ページへ参りまして、災害防除についてであります。
 ご案内のとおり、首都東京は、建築物の大規模、高層化や管理形態の複雑多様化などにより、火災を初め各種災害が年々複雑多様化し、消防活動はますます困難性を増しております。こうした中、消防隊は各種災害現場において、人命救助を最優先としながら、積極果敢な消防活動を展開しております。
 八ページへ参りまして、特別消火中隊についてであります。
 韓国大邱市で発生した地下鉄火災や、栃木県黒磯市で発生したタイヤ工場火災など、消防活動の困難性や危険性の増大に対しまして、専門的知識及び技能を有する隊員と高機能かつ先進的な資機材を集中的に配備した特別消火中隊を全消防署に配備し、複雑多様化する災害に備えております。
 九ページへ参りまして、空の消防についてであります。
 東京消防庁航空隊は、昭和四十一年に我が国初の航空消防隊として発足いたしました。現在六機のヘリコプターを保有しており、災害時には空からの人命救助や消火活動、救急活動などに従事しております。
 また、島しょ地域からの救急患者の搬送も重要な任務の一つでありまして、伊豆諸島全島における夜間運航も行っております。
 一〇ページへ参りまして、海の消防についてであります。
 現在、消防艇九艇により、船舶や沿岸に対する消火活動及び水難救助活動、さらには油流出事故への対応など、幅広い活動を行っております。
 一一ページへ参りまして、救助についてであります。
 火災はもとより、交通、水難、山岳事故など、救助事象は多岐にわたっております。これらの救助事象に対処するため、救助を専門とした消防救助機動部隊三部隊、特別救助隊二十二隊、水難救助隊六隊、山岳救助隊四隊を配備しております。
 一二ページへ参りまして、災害活動支援についてであります。
 東京消防庁の管轄区域外に大規模災害が発生した場合、消防組織法に基づく応援協定や緊急消防援助隊制度により消防隊を派遣し、災害活動の支援を行っております。最近では、一昨年十月、新潟県中越地方で発生した地震に、消防救助機動部隊を初め多くの部隊を派遣し、積極果敢な救助活動に当たりました。
 また、海外で大規模な災害が発生した場合には、国際緊急援助隊の派遣に関する法律により国際消防救助隊を派遣しております。最近では、昨年十月に発生したパキスタン・イスラム共和国地震に国際緊急援助隊の一員として救助チームを派遣いたしました。
 一三ページへ参りまして、NBC災害対策についてであります。
 都内には危険物や毒劇物などを貯蔵し取り扱っている施設が多数あり、これらの施設は、火災、爆発、漏えいなどの災害発生危険が内在しております。また、米国同時多発テロを初め世界各地でテロ災害が発生しており、首都東京においても、テロ災害の発生が危惧されております。
 このような特殊な災害に備え、質量分析装置などの高性能な資器材を積載した特殊災害対策車や、ガス分析装置を初め最新鋭の資器材を装備した化学機動中隊九隊を配備しております。さらに、第三消防方面本部には、消防救助機動部隊の一つといたしまして、高度な専門能力を有する隊員と、除染車や救出用ロボットなど特殊な資機材を装備した部隊を配備し、放射性物質や生物剤等に係る特殊な災害、事故等に対応し、万全の体制をとっております。
 一四ページへ参りまして、水災・土砂災害対策についてであります。
 平成十八年七月、豪雨や台風十三号による大雨に伴い、全国各地において、土砂災害などによる甚大な被害が発生いたしました。首都東京におきましては、昨年の九月に、中野区や杉並区などを中心とする局地的な集中豪雨が発生し、床上浸水を初めとする多くの被害が発生しました。東京消防庁では、非常配備態勢を発令し、主要な消防職員、消防団員を招集し、被害を最小限に抑えるための水防活動を実施いたしました。
 一五ページへ参りまして、救急についてであります。
 救急件数は、高齢化の進展や疾病構造の変化などにより増加するとともに、都民からより一層高度な救急活動が求められております。平成十七年中の救急出場件数は、下の円グラフ、左側にお示ししてありますように、六十九万九千九百七十一件に達しております。当庁では、現在二百二十二台の高規格救急車を消防署所に配備するとともに、すべての救急隊に救急救命士を配置、迅速で高度な救急活動を実施しております。また、迅速かつ円滑な救急活動を行うため、ポンプ隊と救急隊が連携し、効果的な救出、救護活動を実施しております。
 さらに、災害医療派遣チーム東京DMATと連携し、災害現場からの医療を開始できる体制を整備しております。
 一六ページへ参りまして、応急手当の普及指導についてであります。
 傷病者の救命効果を高めるためには、事故現場に居合わせた人、すなわちバイスタンダーによる応急手当が極めて重要であります。このため、応急手当の知識、技術の普及、指導を積極的に推進しており、昨年一月からは、救命効果の高い自動体外式除細動器、いわゆるAEDの使用方法を含む講習も開始し、さらなる救命率の向上を目指しております。
 一七ページへ参りまして、震災対策についてであります。
 本年五月に、東京都防災会議が発表した首都直下地震による東京の被害想定では、死者は最大で六千人を上回り、建物被害は約四十七万棟に及ぶなど、甚大な被害が予想されております。本年八月には、この被害想定の震源とほぼ同一場所にある東京湾を震源とする地震が発生し、神奈川県で震度四を、関東地方の広い範囲で震度三を記録する地震が発生しました。
 東京消防庁では、地震時における地域の防災行動力の向上のため、出火防止、救助、救急対策などを最重要課題として震災対策に積極的に取り組んでおります。
 次に、消防水利についてであります。
 地震時に水道施設が被害を受け、消火栓が使用できなくなった場合に備え、従来から耐震性防火水槽などの水利の整備を推進してまいりました。さらに、大規模市街地火災に備え、関係機関と連携して河川の堰どめの資材を整備するなど、河川や海等、豊富な水量を有する水源の有効活用に努めております。
 一八ページへ参りまして、消防救助機動部隊についてであります。
 阪神・淡路大震災の教訓から、平成八年に、震災対策用救助車やパワーショベルなど重機を保有する消防救助機動部隊を二部隊、さらに平成十四年には、NBC災害にも対処できる部隊を配備し、現在計三部隊を配備しております。さらに、平成十九年度当初発隊を目指して、足立区新田に四番目の消防救助機動部隊の整備を進めております。
 一九ページへ参りまして、消防団についてであります。
 消防団は、生業を持ちながら、首都東京を守るという崇高な精神のもと、火災及び水災に対し消防署と連携して活動するとともに、年末年始や火災多発期などにおける各種警戒、さらには地域の防災リーダーとして、震災に備えた住民指導などを行っております。
 現在、東京都における消防団体制は、九十八団、定員二万六千五百五十六名であり、そのうち特別区では五十八団、定員一万六千名が積極的に活動しております。さらに特別区消防団では、震災等の大規模災害時に、生業において使用している重機操作や溶接などの資格を有効に活用した活動を行うこととしております。
 次に、二〇ページの下段、災害時支援ボランティアについてであります。
 東京消防庁では、阪神・淡路大震災を契機として、全国に先駆け、東京消防庁災害時支援ボランティア制度を導入し、大規模な災害が発生したときに消防活動や復旧活動の支援に当たるボランティアの方々が現在一万七千名おり、応急救護や消火救助活動訓練を実施しまして、技術の向上に努めております。
 二一ページへ参りまして、火災予防についてであります。
 火災の発生を未然に防止するためには、予防行政の充実が極めて重要であります。このため、建築物の建築にかかわる事前相談や消防同意などを通じた安全指導を初め、危険物施設の許認可や建築物等に対する火災予防査察など、積極的な予防行政を推進しております。
 また、本年六月には、新宿消防署大久保出張所に東京消防庁新宿歌舞伎町防火安全対策本部を設置し、繁華街地域の安全と安心に向けて査察の執行体制を強化しまして、防火安全対策を強力に推進しております。
 二三ページへ参りまして、防火管理指導についてであります。
 首都東京における建物は、大規模化や営業形態の複雑多様化により、防火管理業務が増大化、高度化しております。このことから、さきの第三回都議会定例会においても火災予防条例の一部改正についてご審議いただきましたように、防火管理の推進体制及び自衛消防の活動体制の充実強化を強力に推進しております。
 二四ページへ参りまして、火災調査についてであります。
 火災の調査は、消防法に基づき、火災の原因及び損害などについて実施するものであります。平成十七年中の火災は六千三百七十三件あり、中ほどの円グラフにお示ししてありますように、放火及び放火の疑いが出火原因の一位となっております。このため、町会や自治会、関係機関等と連携し、地域ぐるみで放火火災予防対策を推進しております。
 二五ページへ参りまして、「みなさまと共に」についてであります。
 防火防災は、地域住民と防災機関とが一体となった実践的な活動を行うことが重要であります。このため、春、秋の火災予防運動を初めとする諸行事を積極的に展開するとともに、消防のふれあいネットワークづくりをスローガンに掲げ、都民の防災行動力の向上や防災意識の普及啓発に努めております。
 二七ページへ参りまして、学習・体験施設、試験講習についてであります。
 新宿区四谷に消防博物館を、池袋、立川、本所に体験学習施設として都民防災教育センターを設けまして、都民の方々の防火防災に関する知識、技術及び防災行動力の向上を図っております。
 また、事業所の自主防火管理体制を確立するため、下の表にお示ししてありますように、各種試験・講習を実施し、消防技術者の育成にも努めております。
 二八ページへ参りまして、国際化への対応についてであります。
 消防の国際化を推進するため、海外からの研修生等の受け入れや国際会議等への参加など、諸外国との交流を図っております。
 また、東京に在住在勤の外国人に対しましては、外国語による各種パンフレット等を活用し、防火防災意識の普及啓発や緊急時の対応など、防災行動力の向上に努めております。
 二九ページへ参りまして、消防体制の確保についてであります。
 多様化する災害事象に的確に対処するためには、時代の変化に対応した消防活動を行うことが必要であります。このため、消防技術安全所では、科学的な技術改良と安全検証を実施し、その成果を消防活動対策や安全確保対策、火災予防対策に反映しております。
 三〇ページへ参りまして、点検・整備についてであります。
 装備工場では、消防機動力の有事即応体制を確保するため、各種消防車両の整備や資器材の点検、さらには各消防署に対する整備技術指導などを行っております。
 三一ページへ参りまして、教育・訓練についてであります。
 都民の負託にこたえる消防行政を推進するためには、消防職員、消防団員等の資質の向上が極めて重要であります。このため、消防学校において、新たに採用した職員に対する初任教育を初め、幹部教育、専科教育などを実施し、消防職員、消防団員としての必要な知識、技術の習得はもとより、気力、体力の錬磨に努めております。
 三二ページへ参りまして、大災害に備えた消防職員待機宿舎についてであります。
 震災等の大規模災害の発生に備え、指揮活動に必要不可欠な職員、専門的知識、技術を有する職員、さらに初動対応体制の確立に必要な職員等の人的消防力を二十四時間体制で確保するため、消防職員待機宿舎の整備を行っております。
 三三ページへ参りまして、政策インフォメーションについてであります。
 当庁では、都民生活の安全・安心のため、全庁を挙げて取り組んでいる各種政策を都民の方々にわかりやすく伝え、理解と協力を求めていく政策広報を推進しております。現在、住宅火災の早期発見に効果のある住宅用火災警報器の設置促進、民間の患者等搬送事業者等やサポートCabを紹介する東京民間救急コールセンター、防火上優良な建物に対して消防署長が認定する優良防火対象物認定証、自分自身と大切な家族を守る家具類の転倒落下防止対策など、各種の政策広報を積極的に推進しております。
 以上が、東京消防庁の事務事業の概要でございます。詳細につきましては、お手元の資料、「消防行政の概要」を参照していただきたいと存じます。
 続きまして、東京都が基本財産の二五%以上の出資を行っている東京都監理団体であります財団法人東京防災指導協会についてご説明を申し上げます。お手元の資料、財団法人東京防災指導協会をごらんいただきたいと存じます。
 この協会は、公共の安全と福祉に寄与することを目的として、昭和四十八年十月に設立された財団であります。
 主な事業といたしましては、防火管理者、危険物取扱者、防火対象物点検資格者などの育成、災害予防に関する調査研究、防火防災思想の普及及び防災関係図書の刊行などの事業を行っております。詳細につきましては、本資料をごらんいただきたいと存じます。
 委員の皆様におかれましては、この団体が都民の安全の向上に大きな役割を果たしていることをご理解いただきまして、本協会の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 以上で、東京消防庁事務事業概要及び財団法人東京防災指導協会の概要についての説明を終わらせていただきます。

○矢島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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