警察・消防委員会速記録第十一号

平成十七年十二月九日(金曜日)
第十一委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長臼井  孝君
副委員長鈴木 一光君
副委員長石井 義修君
理事遠藤  衛君
理事酒井 大史君
理事渡辺 康信君
小磯 善彦君
宮崎  章君
中嶋 義雄君
内田  茂君
三田 敏哉君
相川  博君
土屋たかゆき君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監奥村萬壽雄君
総務部長東川  一君
警務部長池田 克彦君
交通部長押久保 仁君
警備部長石田 倫敏君
地域部長弘光  朗君
公安部長末井 誠史君
刑事部長井上 美昭君
生活安全部長園田 一裕君
組織犯罪対策部長田端 智明君
総務部企画課長藤原  孝君
総務部会計課長瀧澤 敬治君
東京消防庁消防総監関口 和重君
次長警防部長事務取扱小林 輝幸君
総務部経理課長田村 雅直君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
PFI法に基づく議案の調査
・第二百三十九号議案 神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結について
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十七号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十八号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百二十九号議案 性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十号議案  東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十八号議案 交通信号機等工事に係る損害賠償請求に関する民事訴訟の提起について
付託議案の審査(決定)
・第二百二十七号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十八号議案 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百二十九号議案 性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十号議案  東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十八号議案 交通信号機等工事に係る損害賠償請求に関する民事訴訟の提起について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○臼井委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁関係のPFI法に基づく議案の調査及び付託議案の審査を行いますとともに、請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 PFI法に基づく議案について申し上げます。
 PFI法に基づく議案は財政委員会に付託されておりましたが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本案については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十七年十二月八日
東京都議会議長 川島 忠一
警察・消防委員長 臼井  孝殿
議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第二百三十九号議案 神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結について
2 提出期限 平成十七年十二月十二日(月)

○臼井委員長 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、PFI法に基づく議案の調査を行います。
 第二百三十九号議案を議題といたします。
 本議案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑に入ります。
 発言を願います。

○渡辺委員 第二百三十九号議案、神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結についてであります。
 この案件の中の原宿警察署は、三百人の大規模留置場を併設する建物であり、この建物の一、二、三階を原宿警察署、四、五、六、七階の四フロアを留置場に使用するという計画になっております。この三百人の留置場となると、それにかかわる関係者の出入り、あるいは護送を含む車の出入りなどで大混雑するのではないか、原宿警察署の機能は麻痺するのではないかなどというような意見が出されています。
 我が党は、これまで、代用監獄というべき大規模留置場の建設には、一貫して建設すべきではないという立場を貫いてきました。その立場から何問か質問をさせていただきます。
 三百人の大規模留置場ということですが、例えば被疑者等に対して接見や差し入れなど、また護送などの車で、まちの雰囲気が一変するのではないかとの心配の声も出ています。
 そこで、その管理運営についてお聞きをしたいというふうに思います。

○東川総務部長 基本的には、原宿警察署が当該留置場を管理運営してまいります。ただし、被留置者の検察庁、裁判所等への護送につきましては、集中護送方式で行いますことから、本部留置管理課が実施いたします。また、集中護送は朝夕一回であり、これらは他の警察署と同様であります。
 なお、接見等で来訪者がふえることを想定して、待合室等を設けるなどの整備を行いますので、まちの雰囲気が一変するようなことはないものというふうに考えております。

○渡辺委員 都内の留置場における一日平均の留置人の人数、これは何人でしょうか。また、現在の留置場の定員、これは何人でしょうか、お聞きいたします。

○東川総務部長 本年十一月三十日までの一日平均収容人員は三千百十人であります。十一月三十日現在の収容基準人員は三千二百人ということになっております。

○渡辺委員 次に、収容されている留置人のうち、勾留後の被疑者、また被告人は何%ぐらいになっているんでしょうか。

○東川総務部長 勾留状により勾留されていた被留置者及び公訴を提起された被留置者の割合は、十一月末現在で全体の九二・四%であります。

○渡辺委員 勾留後の被告人の約九〇%の人の収容は、どこが責任を持つのか。
 そこでお聞きいたしますけれども、その前に、留置場と拘置所、刑務所の違いと役割を改めてお聞きしたいと思います。

○東川総務部長 拘置所、刑務所は、未決拘禁者または受刑者を収容する国の施設であります。拘置所は主に未決拘禁者、刑務所は主に受刑者が収容されるものと承知をしております。
 これに対しまして留置場は、都道府県の施設でありまして、主に都道府県警察の警察官が逮捕した被疑者または当該被疑者で勾留状の執行を受けた者を留置する施設で、警察署や警察本部に設けられているものであります。

○渡辺委員 この九〇%という人の収容ですけれども、今の答弁にあったように、本来これは、国、いわゆる法務省が管理する拘置所で収容しなければならないということは明白になっているわけです。留置場は代用監獄ではありません。留置場が不足しているからといって、留置場だけを、しかも東京都が国にかわって大規模留置場をつくることはすべきではない、こういうふうに私たちは考えておりますけれども、どうでしょうか。

○東川総務部長 監獄法の第一条におきまして、「警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ監獄ニ代用スルコトヲ得」というふうに明記されておりまして、いわゆる代用監獄として留置場を使用することが認められておるところでございます。
 警視庁といたしましては、現在の犯罪情勢のもとでふえ続けている被留置者を収容するための留置場、これが不足しているという現状におきまして、留置場の整備拡充は必要不可欠であるというふうに考えております。

○渡辺委員 問題は大規模留置場ではなくして、これは本来、国の責任で拘置所を拡充すべきだ、こういう問題だというふうに思います。したがいまして、これまでも警視庁は国に要望しているということでお聞きしておりますけれども、引き続き強力に国に働きかけて、拘置所のいわゆる建設ですね、拡充、こういうことに力を入れるべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○東川総務部長 警視庁といたしましては、拘置所の拡充並びに移管の促進について、これまでも機会あるごとに国に対して要望しておりますが、今後も継続して要請を行っていく考えであります。

○渡辺委員 質問は終わりですが、本当にこれは国の責任ということで、拘置所、これを拡充するということで取り組んでいただきたいというふうに思うんです。
 小菅の東京拘置所ですけれども、これが建てかえされておりますが、これでも拡充すべきだという、そういうことでこれまでも国に対して強く要望してきたところでありますけれども、なかなかこれが拡充されないというような問題がありますので、引き続き強く要望していただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。

○臼井委員長 質問は終わりました。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○臼井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対し意見のある方はご発言を願います。

○渡辺委員 二百三十九号議案、神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結についてでありますが、都有地一万六千平方メートルを住宅中心の開発という名目で土地を提供したものの、実際に建てられる住宅というのは、都民の求める、安くて広いという願いにほど遠いものとなっております。この開発は、大企業のもうけを保証するというものでしかない、こういうふうに思いますので、私は反対するものであります。
 また、原宿警察署の建設は、三百人収容の大規模留置場を取り入れた建物であり、本来、勾留後の被疑者あるいは被告人の収容というのは国の責任で対応すべきものであり、安易に留置場を拡大することは、国の責任を免罪するものであります。したがって、勾留後、起訴後の被告人、受刑者まで警察の留置場にとめ置かれていることは許されるものではありません。
 国は速やかに拘置所を拡充し、国が責任を持ってこれに対応する、こういうことで、強く申し上げて、意見としたいと思います。

○臼井委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案については、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○臼井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
 以上でPFI法に基づく議案の調査を終わります。

○臼井委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百二十七号議案から第二百三十号議案まで及び第二百三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑に入ります。
 発言を願います。

○渡辺委員 ただいま提案されました議題の中で、二百二十九号議案についてでありますが、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例、この一部改正について若干質問させていただきたい。質問と確認ということでお聞きしたいと思います。
 違法な個室マッサージ店は、規制の網の目をくぐり抜いて、今でも根絶させるには至っておらず、ほとんどが転々と賃貸移動で、廃業と開業のイタチごっこになっている実態は確かにあるだろうというふうに思っています。性を売り物にするこのような違法個室マッサージ営業店などへの規制は強化しろというのは都民の願いでもあります。
 そこで、今回の性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の改正について、どのように内容が変わったのか、また、どのように理解したらいいのかということについて何点か質問いたします。
 まず、条例第二条の八第三項についてです。
 再び個室マッサージ店に使われるおそれがあると認めるとき云々とありますが、このおそれとは、だれがどのような内容をもって判断するのでしょうか。まずお聞きをしたいと思います。

○園田生活安全部長 再びその場所が個室マッサージ店に使われるおそれがあるかどうかという点につきましては、公安委員会が、当該場所の過去の使用実態や、その場所の構造設備が違法営業が行われていた当時のままになっていないかなどを勘案いたしまして判断することといたしております。

○渡辺委員 次に、指定区域の中のビルオーナー等の義務についてですけれども、条例第二条の九、ここでは、指定区域の中ではすべての建物を対象にするということだというふうに思ってはいるんですけれども、その辺についてどうなのか、お聞きしたいというふうに思います。

○園田生活安全部長 指定区域内で対象となる建物についてのご質問でございますけれども、指定区域内に所在する建物であって他人に提供するものは、すべて条例案第二条の九各号の措置を講ずべき対象といたしております。

○渡辺委員 次に、条例第二条の九第一号の中で、相手方に、その建物を違法な個室マッサージ店に使わないことを誓約させるということでありますが、誓約は口頭でいいんでしょうか。その点を確認したいと思うんですが。

○園田生活安全部長 約させる方法でございますが、口頭で約束させたり誓約書を作成させたり、いろいろな方法があると思われますが、その方法については特に制約はいたしておりません。

○渡辺委員 次に、条例案第二条の九第二号ですけれども、ここで、現在入居している人に対し、誓約以上に、違法な個室マッサージ店に使わないという特約条項の義務づけ、これを要求するのかどうかということについてお聞きします。

○園田生活安全部長 条例の施行前に行われた契約につきまして、新たに特約条項を加えることを義務づけるものではございません。

○渡辺委員 条例案の第二条の九第三号の中に、オーナーは、違法な個室マッサージに使っていたその建物が、違法なマッサージ等に使われているかどうか定期的に確認するとあるが、定期的にとはどれくらいの期間をいうのか、示していただきたいと思います。

○園田生活安全部長 確認の方法につきましては、条例案第二条の九第三号におきまして、毎年二回以上定期的に確認することと規定しております。ここで定期的にとは、例えば年に二回行う場合は、近接した時期に二回行うのではなく、六カ月に一回行われるように時期を決めてという意味でございます。

○渡辺委員 次に、条例案第二条の九ですが、指定区域外に所有する建物まで見回りして確認しなければならないのか、それとも、その違法な個室マッサージ店に使っていた建物に限定されるのか、どのように理解したらいいのか、これまた教えていただきたいと思います。

○園田生活安全部長 確認する対象となる建物につきましては、条例案第二条の九は、指定区域内に所在する建物を対象といたしております。
 なお、指定区域内の建物につきましては、過去に違法な個室マッサージ店などに使用されたものに限定されるものではございません。

○渡辺委員 最後ですが、条例案の第二条の九の中に、ビルオーナーが全く知らない又貸しの中で違法個室マッサージが行われていた場合、ビルオーナーにも責任があるのかどうなのか、この点についてもお聞きして、最後といたします。

○園田生活安全部長 ビルオーナーは、他人に提供した建物が実際に違法な個室マッサージ店に使われた場合には、そのことを知っていたか否かにかかわらず、次に建物を他人に提供するときには、条例案第二条の九各号に掲げる措置を講ずる義務を負うこととなります。

○臼井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○臼井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○臼井委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第二百二十七号議案から第二百三十号議案まで及び第二百三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第二百二十七号議案から第二百三十号議案まで及び第二百三十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○臼井委員長 異議なしと認めます。よって、第二百二十七号議案から第二百三十号議案まで及び第二百三十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○臼井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○臼井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○臼井委員長 この際、所管両庁を代表して、奥村警視総監から発言を求められておりますので、これを許します。

○奥村警視総監 警視庁並びに東京消防庁を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されておりました当庁の議案につきまして、原案どおりご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 さて、ことしも年の瀬が迫りつつありますが、両庁では、例年この時期、都民の方々が平穏のうちにすがすがしい気持ちで新春を迎えることができますよう、組織を挙げて年末年始の特別警戒を実施いたしております。委員の皆様方には、近く警戒実施状況をご視察いただくことになったところでありますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私どもは、委員の皆様方から賜りました貴重なご意見、ご指導を今後の業務運営に十分反映させますとともに、都民のご理解、ご協力をいただきながら、引き続き、首都東京の治安維持と都民生活の安全・安心の確保のため、全力を尽くしてまいる所存でございます。
 委員の皆様方には、今後とも、両庁に対するより一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げまして、御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○臼井委員長 発言は終わりました。
 皆様方のご協力ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十七分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る